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[何処か夢見る様に中空を彷徨う視線がシャーロットの怒声に反応したかこちらに戻り]
これはシャーロットの言う通りだね。すてら甘過ぎー。
[やはり小さく呟いた]
──ならばその望み通り、この手で全てを殺してやろう。
私を殺せない甘さの所為で他の者まで巻き添えになる。
お前の甘さが他人を殺すことになる!
いや。
今日落ちるべきは、私だ。
ヘンリエッタ──、本当に済まない。
私はお前にも、誰も殺して欲しくないと思っている。
願ったところで本質が許さないが……。
お前を好きだと言ったのに。
結局私は、お前を棄てることになってしまう。
一人にさせてしまう。
……本当に済まない。
[芹菜の視線に気付き一度歩みを止める]
[其の向こうに調律師と――暗殺者の姿]
[白い手は日傘の柄をきゅうと握り直す]
シャーロットも、優しいのだわ。
腐れた私を抱き締めて呉れたのは、
他の誰でもなく貴女なのよ。
[小さく小さく呟き再び歩き始める]
[微か聞こえる忍者の声に周囲を見回し]
[暗殺者の怒気を孕む声に直ぐ向き直り]
[彼等の傍まで足を引き摺り歩みより]
[片側だけドレスの裾を軽く持ち上げ]
御機嫌よう、お話は進んでいるかしら?
なぁ姉ちゃん?
[シャーロットにヘンリエッタの姿を目顔で指し示し]
あの嬢ちゃん、もう体がぼろぼろだよな。
もし俺があの子を楽にしてやりたいっつってこいつであの子を一突きしたら…
あんたどうする?
ファーカ、ごめんなさい。
私は、是しか術を知らないのだわ。
仮令、貴女が厭うても、
仮令、貴女を傷つけても、
私には、殺すしか出来ない。
私は――…貴女に生きて欲しい。
棄てても良いの、
私を厭うても良いの、
只、貴女に幸せに成って欲しいのよ。
[歩み寄るヘンリエッタに視線を留め]
────。
[哂う]
[彼女を軽々と抱き上げ、その喉元に指を掛け]
すてら、良く見ているが良い。
[ナサニエルに笑みを浮かべ]
そう、甘くて弱い。
それがわしじゃ、始めから隠してなどおらぬ。
…未だ、答えを出すことができぬのじゃ。
友を殺めようなどと、誰が簡単に答えを出せようか。
[芹菜の言葉にきょとりと瞬き]
[口を開きかけたところで人の気配]
[視線を移すより先に指は首へ]
――…
[見開いた石榴石が暗殺者を見詰める]
[ぱくぱくと魚の如く唇は動くも音を紡がず]
[日傘を取り落とし彼女の手を引っ掻く]
其の理由はお主の言う殺す道理に外れておるじゃろう。
其れこそ子供の我が儘よ、しゃあろっと。
誰も救われぬ。
…お主を苛立たせる、わしをまず殺せばよいではないか。
逃げはせぬよ…?
来ないのなら、わしがお主を落としてやろう。
[一歩、前へと踏み出し]
[彼女の手はぬらりと体液で汚れるだろう]
[彼女の手を引っ掻いた手はだらりと落ち]
――…
[そっと彼女の背に回される]
[優しくあやすように背を撫で]
投票を委任します。
迷子 ヘンリエッタは、暗殺者 シャーロット に投票を委任しました。
[ヘンリエッタを捉えたシャーロットに]
なら、何ではじめからそうしてやらねぇんだ?
ウルズにそうしてやったように?
[むしろ冷たく感じられる口調で問う]
[距離を取る様に、井戸へと一歩後ずさり]
[視線は転がる胡蝶の刃、その片割れへ]
殺せ。
[その声は、懇願する響きを持って]
…愚かじゃ。
わしも、お主も。
[歩を、シャーロットとヘンリエッタへと進めて行き]
へんりえったを離せ。
お主の望むように致そう。
それを拒むならわしを殺せ。
[胡蝶刀をシャーロットの足元へと蹴って渡し]
まあ、俺としては別にシャーロットが誰を殺しても良いんだけどさ?
[何時の間にかシャーロットの後ろに回りこみ]
―その子を殺した瞬間、俺があんたを殺す。覚悟、出来てるよね?
[問う声にも顔にも感情は全く見えず―]
[芹菜へと預けられるのに手は滑り落ち]
[其の場に膝から崩れ落ち彼女を見上げる]
誰も悪くなんて、ないのだわ。
貴女だってこんなにも傷ついている。
……友という言葉を何時否定されるか……
怯えながら話しておった。
[シャーロットへと歩み寄り]
お主も、そう思ってくれたと…思いたい。
其れだけでわしは少し救われる。
酒、共に飲みたかったのぅ…。
持っていけ、あちらで飲むと良い。
[小さな瓶をシャーロットへ差し出し]
ヒトではなくとも、お主はわしの生涯で初めての友じゃ。
其れは永遠に失われることはない…。
私もファーカ、貴女が好きよ。
過去形なんて、酷いのだわ。
もっと歌ってあげたかったけれど、
もう私に歌は歌えないから、
今度は貴女に歌って貰いたかったのに。
大好きよ、ファーカ。
きっと幸せに成ってね。
暗殺者 シャーロットは遺言メモを貼りました。
迷子 ヘンリエッタは、暗殺者 シャーロット を投票先に選びました。
[シャーロットからヘンリエッタを託され]
ったく、出来もしねえ真似しやがって……
[色男の手が空くまでだからな、と言いつつ少女のせなかをなでた。]
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