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―会場・特設ステージ―
[抵抗むなしく連れ去られた先にあったのは、華やかに飾られた演台。賑やかに誰かが何かを言っている。
鳴り響くファンファーレに、あっちこっちから向けられる視線やらカメラやらがどうにも落ち着かせてくれない。頭の中は、先刻までとはまったく違う色で真っ白になっていた]
『――――よって、ここでトロフィーを渡す!新王者ニーナ、前へ!』
ふぇぁっ!?
ひ、ひゃいっ!!
[演台を前に、余所行きの、けれど年季のためか見事に堂に入った様子でなにごとか演説していたゴードンが、不意にこちらへ向き直る。真っ白だった頭が対応しきれず、答えた声が裏返る。
会場に笑いが起こる。それは決して嘲笑なんかじゃなかった(はずだと思いたい)けれど、それでまた頭の中身は真っ白になった。
あああ、どうして自分はここにいるんだろう…]
『ほれ、しゃんとしろ。お前ぇは他のやつらに勝って、蹴落としてここまで来たんだろが。胸張らんでどうする』
ぇ…
[ばしんっ!!]
[小声で囁かれた言葉を聞き返す間もなく、強引に背筋を伸ばすように背中を思いっきり叩かれた。
一瞬恨みがましく睨みつけたけど、それで、その痛みで意識はようやく正常な回転を取り戻した]
『新しいチャンピオンの誕生だ!祝ってやってくれ!』
[そんな言葉とともに、金枝を模ったトロフィーが渡される。ひんやりとした金属の冷たさ。フヅキを片手に抱えなおし、受け取ったそれは、ずっしりと重かった。
そして、わぁっ!!と沸き起こるひときわ大きな歓声。
その響きを、どこか遠くに聞きながら、手にずっしりと乗る、その重さに、意識を奪われていた。
正直なところを言えば、自分はトロフィーや王座自体にはあまり関心がなかったはずだった。けれど、それとは逆に、トロフィーや王座自体に特別な意味を見出す人もいる。
この重さは、きっとそうした人たちの想いの重さなんだろうな、なんて。そんな風に考えてしまうのは、少々感傷的過ぎるだろうか]
『よし、やっとそれらしい面ンなったな?
そんじゃあ挨拶してやんな』
[そう言って、演台の前を譲られた。フヅキを抱えなおし、トロフィーをしっかり握って、演台の前に立つ。そうだ。自分はここに立つためにここに来た]
は、はじめまして。第七号コロニー公社所属、登録名…遊星の落とし子、ニーナともうします
[少し、硬すぎただろうか。というより、ここまで来て自己紹介って言うのもおかしかっただろうか。
いや、えい、もう、いいや。このまま行ってしまえ]
このたびは、こうしてここに立てたこと、本当に嬉しく思います。
小官と共闘してくださった人、小官と対峙して、ぶつかり合った人、それに、ぶつかることはなかったけれど、一緒に、同じ空を飛んでいた人。
そういった人たちを押しのけて、小官はここに立っています。
[脳裏を、大会の間に出会った人たちの顔が流れていく]
それぞれにそれぞれの思いを持って、戦っていたことと思います。そのことを受け止めて、大事に背負って、小官は故郷に帰ろうと思います―――。
[静かに、その言葉を反芻するように一度、目を閉じる。
…本当のことを言えば、その言葉自体は嘘になる。帰るべき故郷と呼べるものなんて、自分にはない。
宇宙を漂流するただの情報とエネルギーの集合体だった自分がフヅキと出会った場所は、廃棄されたスペースデブリの吹き溜まり。
放棄されたコロニーのコアシステムだったフヅキに出会い、その情報に触れて。こうして、人ではない自分が人のように人としてこの場にいることができるのは、フヅキが全てを教えてくれて、育ててくれたからだ。
傍らにいるフヅキこそが故郷で、家族で、だから、フヅキのいるところが帰るべき場所だった]
…小官の故郷は遠い宇宙でありますので、小官が今後、またこうして皆さんに会えるかどうか、今はまだ分かりません。
けれど―――
――けれど、こうして金枝杯をいただいた以上、その挑戦にいらっしゃる挑戦者の方には、叶う限りお応えしようと思います。
[そこまで告げて、言葉を区切った。さぁ、最後の仕上げだ]
――なお、当コロニー公社は今回の賞金を受けてコロニーの全面改修工事を行う予定であります!
挑戦者の皆様のご宿泊はもちろん、移住者の皆様の受け入れも行いますので、今後とも!
我が、第七号コロニー公社を よろしくお願いいたしますっ!!
[突然の宣伝文句に、呆気に取られるオーディエンス。
後ろではゴードンが、一瞬ぽかんとこっちを見つめたのかワンテンポ遅れて大声で笑い始めた声が聞こえる。
けれど、ニーナの言い切ったその顔には、照れも後悔も、一切の陰りもなく、ただ、大好きな家族を自慢したような得意げな笑みが浮かんでいた**]
……さて。
まさに過去の自分の亡霊に力を借りている気分だな。何せ「この機体で」弾幕撃ちながら飛ぶのって三年ぶりくらいだし、な。
[言いながら白い球体に右手をかざす。
Level 1〈dahaca〉、弾幕を形作るエネルギーを様々な形にして飛ばす兵装。
まずは左右の放射口から白い弾をばらまく]
空だとノーコンのせいでほぼ明後日の方向にしか飛ばないが、室内なら跳弾させることも可能だろう?
[一通りばらまき終わったら刃物の形を想像する番だ。直刃の小さなナイフ。
やがて想像した形通りの白弾が、真っ直ぐにメテログラフトの砲門めがけて飛んでいく]
…と。言う中に詰め込みきれなかった裏話。
記録媒体の経年劣化や、存在定義の希薄化に伴い、コアシステムとしてのフヅキは消滅の危機に瀕しているのでありました。
住民にしても、ニーナが一人いるばかり。本来数千〜数万人規模の住民の補助活動を目的としたフヅキは、次第に現状と自身の存在理由の乖離によって『正気』を失ってしまいます。(本来生まれる必要のない人格が生まれたり、補助の範囲を超えて過保護になったり、逆に保護対象の指示を無視したり)
それ自体はニーナにとって決して嫌悪すべき状況ではなかったのですが、そのことによってフヅキのシステムとしての寿命が目前に迫ってきてしまったのです…。
フヅキ以外の家族を知らないニーナは、起死回生の手段として金枝杯に出場するのでした。記録媒体を更新するための費用と、フヅキの存在定義である『住民』を獲得するために−――
と、いうお話。
>>-302 ダイアナさん
だいじょうぶだ。問題ないであります。
というか、待ちきれず投下してしまってすみません…!
眠気がggg
―優勝式典が終わって、ふたたび医務室―
[チャンピオンのへんてこなスピーチによって騒然となった会場をするりと抜け、医務室へと走る]
シャノンさんっ
[そこにいた顔を見つけ、駆け寄った。よかった。やっぱり、無事だった。
…時折、痛そうに顔をゆがめている以外は]
…ありがとうございましたっ!
今回勝てたのも、シャノンさんとウィリーさんのおかげであります!
[ぺこり。手を挙げる敬礼ではなく、勢いよく腰を折っての最敬礼]
つきましては、ウィリーさんとの約束を果たしがてら、お見舞いに行こうと思うのでありますが、シャノンさんもいっしょにいかがでありますか?
[今日のご飯は小官のおごりでありますっ!と、ウィリアムとした、共闘の約束をシャノンに説明する]
…いえ、ご飯自体はシャノンさんやウィリアムさんの怪我が治ってからでもよいのでありますが…
…あの後姿を見ておりませんし、できることならウィリーさんと会いに行きたいな…って。
[告げて、少し不安になりながらMiddanEdenの企業ブースがあるであろう方角へ、険しい視線を向けていた**]
…といったところで本日はこれまでであります!
拾いたいネタもたくさんあるのに放置してしまっているのが勿体ないっ…
とりあえずグレンさん、黒隗殿とフヅキのフタリノヒミツは明日当たり折を見て何らかのリアクションを起こそうと思いますのでっ
といったところでオヤスミナサト…**
だが……これだけじゃ足りない。
[Level 2〈Infinit Cave〉は相手の弾幕前に速度を減衰させる黒い球体を放つ兵装だから攻撃には使えない。
右手を操縦桿に、左手をパネルの前に]
砲門展開、……1番から8番まで。
[パネルに表示される16の正方形のうち上半分に光がともる。
同時に、白光の消えた弾幕放射口から、緋色の光をまといし砲が8つ射出され、《Indigo Bird》の前方に配置される。
物理的な砲ではなく、弾幕を形成するエネルギーから作られたもの。当たれば光となって消える。
砲口の直径は十数センチほど。全てメテログラフトの方を向いている]
[わざわざ音声による砲門展開とタッチパネルでの操作を必要とするため、その隙をつかれたらいっかんの終わりだ。
だが、いくら想像力を駆使しても、不可能なことはあった。
たとえば弾幕を用いて空に文字を描くこと。これはプログラミングされた弾幕装置ではないと無理だ。
また、銃弾や刃物などの「武器の形をした」弾は想像通りの形をなして飛ぶが、「武器の形をしていない」弾は想像だけでは形通りには飛ばない]
――〈Far east nightbird〉
[少女の左手が光るパネルを1番から8番の順にすべるように触れていく。
まずは少女から見て一番左の砲から、続いてその右の砲から。緋色の光が発射される。
その光は鳥の形を模していた。白光のあとを追ってメテログラフトに突っ込む8羽の緋色の鳥。
さらに少女が右上のパネル(4番)に一回触れてからもう一度1番から8番のパネルに触れると、再び8羽の鳥が空を舞う。
しかし次に発射された鳥は、《Indigo Bird》とメテログラフトの中間で突如4つの緑色の小弾に形を変え、白光と緋色の鳥の隙間を縫うように飛んでいく。
一部、白光にぶつかって互いにはじけたり、緋色の鳥にぶつかって吸収される弾もあったが]
/*
最初は完全ランダム弾(1〜4way)を放つ砲×16にするつもりだったんだBASIC!
でも完全ランダム弾が戦場で使えるはずはないし、かといってダイアナにプログラミング的能力はないしということでボツに。
ちなみにパネル番号とパネルの対応式
1 2 3 4
5 6 7 8
9 10 11 12
13 14 15 16
砲が破壊されると対応するパネルの光が消えます。
― 実戦室 ―
ようグレン、生きてるか?
面白いことやってるじゃないか。
[オメカ゛か゛ あらわれた!(無傷で)]
[生身にビームを打ち込まれたグレンの運命や如何に……?]
ふー、しかしコアがGを軽減するとはいえ、やっぱ食後のベイルアウトはキツいモンがあるぜ。
[弾幕が飛ぶ様を満足げに見送ると少女は《Indigo Bird》を実戦室の天井すれすれまで上昇させた。
機体に8つの砲がついていく]
あ……ストップストップ!
[8つの砲は急停止した。今は《Indigo Bird》の下方数メートルの位置にとどまっている]
星……をかたどった機体を見下ろせる位置とは、なかなか悪くないものだな。
[そう言って少女は再び白い球体に手をかざした――**]
/*
ダイアナの攻撃はひとまずここまで。
ちなみにこの後のルートですが、
挑発されたか何かで、〈dahaca〉をブレード状に展開して加速して突っ込む→体当たり負けルート
というのを考えたのですが、私の都合的に美味く挑発に乗れるかが分からないので、
21:00までにダイアナが体当たりかけてこなかったら弾幕食らって負けルートにすればいいと思いました。
私は重大な事を思い出した。
機体の名を…ゲフン。
了解です、ダイアナ
とりあえず私の目的はクロノの自滅を防ぐ事なので、ダイアナと連動攻撃でクロノ負けで動かすつもりで居たりしました
―大会本部―
[華やかな優勝式典と、閉幕式の裏、大会本部のとある機関――
気象観測室。大会の状況と天候を逐一監視する作業にあたる。
大きなスクリーンを前に、鬼の形相でスタッフに食って掛かるひとりの女性の姿があった。
夕焼けみたいなオレンジの髪に褐色の肌。同じ色の瞳が怒りに染まる。]
―――だから!とにかく、もう仕事は済んだでしょう!?
なんで選手のところに―――弟のところへ行っちゃだめなのよ!?
大体ね、アタシは、今回は身内が出場するからメカニックとして登録したのに
なんで当日来てみたら、スタッフとして登録されてんのよ!?
は?
急に欠員が出たからしかたないって
じゃあうちの選手はどうなんのよ!?別のスタッフーーー?
ふざけんじゃないよッ
誰かわかんないようなスタッフにうちのBFを任せられるもんか!って言ってんでしょ!
わーかったわよ、とにかく。
もう、どっちにしろ、式典は終わるんだから。
アタシは失礼させてもらう。
[弟――ロジャーの機体が撃墜された瞬間はスクリーンで見た。
ぎり、と唇を噛んだものの、そのときは飛び出すのを我慢したのだ。
マダラは、バン!!と大きな音を立てて、観測室を出る。
後に残る、疲れた表情のスタッフたちと、やれやれ、と言う誰かの声。]
[怒りは治まらないし、重症ではない、と報告は受けていたものの、弟の容態も心配だった。
いらいらした風に親指を噛みながら、カッカッカッと大またで廊下を歩いている。
大会スタッフの腕章を見つけたら、掴みかかる勢いかもしれない。**]
/*
こっそり、お姉さんを出しつつ、実は廃村の前村にいたマダラでした。
ばればれかもしれませんでしたが。熱血少年がやりたくなって予約取り消しさせていただいたのですが、マダラもほとんど動かせなかったので動かしてやりたかったのでした。そしてグレンさんに喧嘩フラグをたてる。八つ当たりですけども!
ログを遡る続きは、間に合わないかもしれない・・・がくり。プニされてもしかたないこのねおちぷりよ・・・もうしわけない・・・
/*
ああ、負けというのはダイアナ負け、ということゆえ、
ダイアナが体当たりして行ったあとにグレンさん攻撃
→ダイアナはクロノに負けた! クロノはグレンに負けた!
でも問題ないです。
そしてロジャーの姉はマダラさんだったのですね……!
/*
グレンさんは戦闘中ぽいのかー。ダイアナ熱いなあいいなあ。
>>-68 ユージーン
あがさんいたのはわたしもびっくりしたよ!したよ!
RP村ではほんとあがさん見つけられないなあ。最初は子供扱いされて反発してたけど、今はユージーンに認められるBF乗りになれるようがんばろう!とロジャーは思っていますよ。ますよ。
>>-73 シュウ
そうですね!本当、もっと飛ばしていけばよかったなとは。
王道好きです。うしとら的なのも少しイメージしてたかも。
しかし精神的にも年齢的にも幼い子供にしすぎました。
いきなり目覚めるとか、似合わないなあと思ったら、のんびりした馬鹿な子に。ダイアナも言ってくれたけど、少年というか男の子ってかんじでした。
ワープはね!ちょっと唐突すぎてできなかった!声が聞こえる話を聞いた直後もあって、ユージーンにしましたが、もともとはクロノ・シャーロット組を追いかけるはずだったので、それが出来てたらシャーロット護れたなあ。でも、だれも護れなかったという挫折を経験して成長するのですきっと。
こっから以降が皆詳しいなーすごいなーという感じでついていけない
知識ないまま参加してすみません…!
次村までにはもう少し勉強しておくんだ、ぜ。
[青白い光が迫る。
紅蓮は黒隗を左掌の上に器用に乗せ、光に向かって差し出した。]
ロードしたもの、あらゆる全てに変身《ターン》する。
「万能機械存在《ユニバーサル・マシン》−黒隗。」
[小さな白兎の姿が、変化する。
ぐにゃりと、かたちが変わる。白かった毛は黒く――ふわふわな毛並みには似つかわしくない、艶消しされた黒のパーツへの変貌。]
周囲を巻き込んでの自滅は、許さない。
きみを止める為に、撃つ。」
[紅蓮の半身を、カウルのような外装が覆う。
先程、黒隗が居た場所よりも前の位置に、ゴトン、と黒い砲門が現れる。
砲門中心部に光が集中。水面に同心円の波紋が広がるように、中心部から丸い光の輪が拡散。黒い砲門の側面周囲を、紅の炎の模様が包み込み――]
−剣片喰−
[放たれる、迎え撃つ為に放たれる光の花。二重螺旋軌道を描く。
目映く黄色く。花は直ぐに散り、牙向くエネルギー弾そのものとなる。]
実弾を用意。
[コア《BigFire》のないBigFire。
本物の完全なる複製品《レプリカ》
紅蓮を包み込むように黒隗から成長するパーツが覆う。
瞬きの間に、何もない空間から巨体が膨れ上がる。
それは人型のBigFire。ずんぐりとした印象を受ける。
更に紅の光が爆発。
それは、黒い機体の要所を覆い、炎の模様をあしらう。]
「タイプは?」
任せる。 「了解!」
[既に黒い機械は2mの高さを越え、そして更に成長中。]
[万能機械存在《ユニバーサル・マシン》。
科学技術の結晶。BigFireや機械存在GMとは別個の存在。
宇宙連邦によって造られ、属し、人の魂を感じとるマシン。
その費用は莫大で、造られた数も限られている。
その体内は亜空間と通じ、ロード――文字通り読み込み理解する――したあらゆる物に変身《ターン》する、宇宙活動の為の相棒《パートナー》。
機体右手に生み出された銃で、ダイアナの援護射撃を行う。*]
[グレンの黒い機体から放たれた黄色の弾幕と、
ビームが衝突し、連鎖的爆発が起こる。
メテログラフトを移動させながら――…
ラガリアの刺塵の結実形態を変えようとし]
[ゴ、ゴ、ゴッ…]
[メテログラフトの陸地部分のみにある装甲が移動。
立て続けに、重い音を響かせ着弾を確認。
それに注意を奪われる事なく、クロノはラガリアの刺塵の形態変化。
バフォォ…
紫色の渦巻く光の球体が、メテログラフトの直ぐ前に現れる。]
もっと、もっとだ…
[緋色の光の鳥が8羽、それに喰われ、
計32個の緑色の小弾の一部が、メテログラフトの装甲をまた削る。]
なっ……
白い兎さんが、BigFireになった!?
[少女は目を疑った]
これほどまでにむちゃくちゃなものを見たと思ったのは、……初めてだよ……!
[通信用のオープン回線は開いた状態なのを思い出し]
あ、褒め言葉と受け取ってください!
「ありがと、ダイアナ。」
[実戦室の通信用オープンチャンネルに、黒隗の声が流れる。]
来るぞ。
[紅蓮は操縦桿を握る。動作は相手に意思を伝える事でも行えるが、BigFire…この操縦桿での操作も可能だ。]
ダイアナ、私がクロノの装甲と兵装をどうにかする。
注意を惹き付けるから、きみは機を見て撃ち込め。
[黒い機体の足裏にローラーが生まれる。ギュインという音を響かせ、メテログラフトを中心に、中心へ進む螺旋軌道。
紫色の弾幕の隙間を狙いながら、メテログラフトの外部弾幕兵装−ラガリアの刺塵の本体を狙う。]
[メテログラフトの方に視線を戻すと、緑色の小弾がちょうど着弾するのを確認できた。
しかし本命の緋色の鳥は、紫色の球体に食われて消えた]
あー! 分かってるじゃないか!
[紫色の球体は次々に生み出され、メテログラフトを包み込むように展開された。
程なくして弾幕を吐き出すのは目に見えている。
しかし砲一つ分の鳥ではおそらく敵うまい]
ならば……1256を連結、3478を連結!
[言葉とともに4つの砲台が連結して一つの砲台となる。
半ば掌をたたきつけるようにして、同時に4つのパネルに触れる。同じ工程をもう一度。
これでさっきよりも大きい緋色の鳥が二羽出現する。
続けて左手を黒い球体にかざし、立て続けに速度遅めの大きめの黒弾をばらまく。
この黒弾に当たった向こうの弾は速度が減衰する。効果は黒弾が消える、十秒ほど。
果たしてこれで隙間が出来るようになるか**]
馬鹿メ。
[グレンが向かってくるのを一笑にふす。
一気に片をつけるのも面白くはない、が。]
所詮、鳥は蛇に喰われる。
[緋鳥を一瞥。クロノの手が、天井を指差す。]
ラガリアの刺塵!!!最終形態!!!!!
[
パ キャ ア ン
冷たい音が室内に響いた。
響きの後、弾幕兵装の姿は見えなくなる。
後に残るのは、紫色の弾幕のみ。]
[そこにオープンチャンネルから、少女の名を呼ぶ、声が。
一つ目の声にはわずかに笑みを返し、二つ目の声には、]
…………。
分かりました。
頼み、ます。
[言葉を返す]
戻ってください。
[指示を送ると二つの砲は緋色の光となって地に落ちる。
いきなり砲を戻したことを怪訝に思われても構うまい]
やってみたかったんですよね、
[左手で白い球体をぎゅっと握る。
少女の想像に呼応して、機体の両の砲口から白い光が左右に伸びていく]
速度を利用しての体当たり戦法。
[紫色の弾幕を避け、黒隗の解析によるラガリアの刺塵の位置と、メテログラフトの装甲へ安定した撃ち込みを行ってゆく。その最中――]
「紅蓮。ラガリアの刺塵の位置が、この位相にない…!」
確定は?
「やってみる。」
[紫の弾幕が、肩の装甲を弾き飛ばす。]
フン。
無駄だ無駄だ。
何をしようと、貴様ラに勝ち目はない。
位置を観測すれば攻撃の種類が、
攻撃を予測すれば位置が移動する。
これはそういうものだ。
[針のようなレーザーが、天井と床を繋ぐ。
その光の線は二十はあるだろうか。
室内を賽の目に切るように動き始める。
それが終われば、こちらへ向かう炎に宿した黒い機体へ向けて天井からの攻撃。ダイアナが何か仕掛ける様子には冷たい視線だ。]
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