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屋台のお手伝い ダイアナは、能力(去る)を実行することにしました。
――格納庫→ピット――
[ピットに向かう小型BigFire内では思っていたよりも会話がなかった。全力疾走して疲れていたせいかもしれない。
”本館”という言葉にリーダーが一瞬楽しげな表情を見せた。視線を向けると、「観光コースに入ってるんだ」と小声で返答。
なるほど、大会終了後も楽しい観光の時間が待っているのか。こちらは片付けの後すぐ撤収だというのに。
ピット到着後、リトルアースと呼ばれていた機体のそばに資材を置いて立ち去るグレンの後を追うことを少女はしなかった。なぜなら向かった先がGRAVEのブースだったからだ。
大会前に格納庫で因縁がついた男――ユージーンがいるかもしれないと思い近寄るのをためらったのだ。今は因縁を再燃させる気分ではない。
だから、熱心にリトルアースを整備する女性にそっと近付き、]
焼きそばはいかがですか?
[やっぱり単刀直入にそう声をかけた――**]
―南東空域/撃墜前―
[アルトキュムラスは、時折がくんと揺れる。
ロジャーは、機体を支えるように気流を掴んで飛んだ。
前方、東11度。風は南西から南東、上昇気流。くん、と加速したアイボリーの機体は、クヴォルフィリアをスクリーンに捕らえた。>>3:86]
ユージー・・・
!!!
[クローズドの回線を繋ごうとして、交戦体勢に入ったクヴォルフィリア機に気付いた。下方へと弾幕が張られてゆく。
相手は水晶竜と黒い騎士のBF。
回線をオープンに繋ぐ。
ブゥン、と小さなモーター音を立て、アルトキュムラスは右側に旋回を始める。照準距離まであと少し。左側への攻撃のみ。
ロジャーはスクリーンの照準を調節しながら距離を詰める。]
>>3:112>>3:113
[次々と黒い光弾が撃たれ、ひとつの大きな塊となる。
空域中央、クヴォルフィリアとサンダーエースの間にもうひとつの、太陽。
―――ブラックボックス。
ドラゴンの翼を折り、サンダーエースの機首を飲み込む。>> 3:126>>3:157
ロジャーは口の中で呟いてごくりと喉を鳴らした。
高低を取り、交戦するサンダーエース、搭乗者の怒声がオープンチャンネルに乗った。]
わあーーーーっ威勢のいーやつだなっ
――よおーーーしおれもーーーーーーー
[ブラックホールを避けながら、空を旋回してサンダーエースより更に上空へ。]
[左手下方へ向かってdrizzleの広範囲弾幕を張る。
回り込むように、クヴォルフィリアの傍へ向かう。]
ユージーンさん!援護するよーーーーー
[そのとき]
[赤い光が収束されるのが見えた気がした。]
!!!!!!!!!!
うわあああああああああああああ
[――初めてBFに乗ったときのことは、よく覚えている。
アルトキュムラスは最初から、まるで自分の手足のように動いた。
声を聞き、一緒に、ただ空を飛ぶのが楽しかった。
’コア’の声が聞こえることを深く考えたこともなかった。]
(いつも、助けてもらってたんだ。)
(今度は、おれが助けなきゃ。)
(みんな。アルトキュムラスの、仲間だ。)
[一番近く、ユージーンの機体へ向かってロジャーは手を伸ばした。
赤い光は翳した中心から発せられ、その烏羽を包む。
アルトキュムラスは、光を発してすぐに、しゅう、とコアは小さくなった。
自機は光に包まれたのは一瞬。
まるで無防備に、アイボリーは力を失って停止する。
護れるのは、どうやら1機だけのようだ。]
…!くっ… ’stratus’ !!!!!
―格納庫・入り口―
[空を見上げ]
……スネイルネンだったら、何て言うんだろう。
[黒く長い耳を思い出し、空に描く。
それはすぐに後ろを向いてこちらを向かなくなった]
……。
[カバンの中身に視線を落として、意を決したように勢い良く前を向いて歩き出す。
向かう先は大会本部**]
[喧騒。慌しいピット内。
インターバルといえ、時間は限られている。
この時間内で何処まで機体の修理修復、敵機体に対しての対策がとる事が出来るかで結果が変わってくるのだ。
GRAVEブースから戻ってくると、ダイアナが、リトルアースの搭乗者と話をしているのが見えた――。*]
/*
最初BFの中で訊こうと思って、次にピットでニーナのそばで訊こうと思って、結局断念して以下の文をボツにした……が、帰りのBFの中で訊けそうだな。貼り付け貼り付け。
*/
グレンさんは、誰が――いや、どんな人が勝つと思いますか?
単純に「強い人」が勝つといっても、強さは様々でしょう? 物理的な強さに精神的な強さ。
[言い換えるならば、どんな強さが勝つためには必要なのか]
私は――「背負ったものの重さに押しつぶされなかった人」が、最後に勝つと思ってますが、どうなのでしょうね。
『早速ここまで壊してくれるとはねぇ、
くくっ、あんな男の挑発に乗ってたら機体が幾ら合っても足りねぇよ。見てみろ、突っ込んだ右翼なんて殆ど使い物にならねぇ。』
――うん。
[ピットに降りるが早いか、手早く機体の整備を始めて行く。
前回のピット時に整備していない所を。と思っていたのだろうが更に状態を悪くして戻ってきたせいか、おっちゃんは苦笑いだった]
『――ま、こっちは何とかするから、嬢ちゃんは休んどけ。』
……でも、機体が間にあわ――
『休むのも役割ってヤツだよ。それに疲れたままあんな飛び方されたんじゃどうしようもねぇ。
やりたい事も。あるんだろう?』**
―空中ピット・表層整備区画―
よいっ…しょ…と……ふぅ。
[開いていたリトルアースの表面ハッチのうち、整備の終わった箇所のクリップを止め、バイザーを上げて額を拭う。
これで修理の進捗は六割といったところ。残り時間を考慮するに、多少は余裕を持って整備を終えられるだろうか。そうなると、気にかかるのはやっぱり、分かれたまま合流できなかった二人のこと。もちろん、他にも懸案事項は山積みだったけれど…]
…フヅキ、ネットワーク回線の誘導だけお願いしてもよいでありますか?
その先は小官が自分で行いますので、フヅキは引き続き再計算ならびに設計作業を願うであります。
[即座に開かれた回線に“手”を伸ばし、情報の海から必要とする案件を探し出す。…“ウィルアトゥワ”と、“サンダーエース”の現在状況]
……ッッッ
[見つけ出したそこに、惨憺たる状況を見て取り、絶句する。
後悔が頭を真っ黒に塗り潰した。
“マリア”の様子から、こうなることは、予想できていたのに。なぜ、自分はあのとき、あの場を離れてしまったのだろう。
その思考だけがぐるんぐるんと頭の中を回り、どうしよう、どうしたら?と、掻き混ぜられた思考は同じ問いを繰り返す。
…自分に、なにができるだろう。共闘するなどと口にしながら、肝心のときにその場から離れ、危険にさらしてしまった自分が何を?]
『小官が墜ちるならばそれは小官の責任です。』
[いつか、ウィリーに告げた言葉を思い出す。そう、そのはずだった。だから、気にすることはない。…などと。
割り切ることなんてできそうもない。気がつけば、伸ばした手は、MiddanEdenのネットワークアドレスを手繰り寄せていた。モニターと称するそこに、かすかな残滓を見つけ、その“気配”を辿り、手繰り寄せ―――]
“―――ウィリアム…さん…?”
[声ではない声で、恐る恐る、呼びかけた。返答は、あったかどうか分からない。聞こえなかった。MiddanEdenの、おそらくは重要機密に当たるであろう“其処”は、幾重もの防壁に阻まれ、遠く、繋がりは細い。そのことに歯噛みしながら、その“手”を繰って、ナニカを紡ぎ上げる。
しばしの時を経て形を成したそれは、ほんのささやかなプログラムウィルス。
強引なナノマシンによる精神介入を感知したとき、正気を呼び戻そうと耳元で囁く程度の、弱弱しいそれ。
防壁の小さな穴を抜け、あるいは間違っても“ウィルアトゥワ”と“マリア”を修復する作業の手を妨害しないように、サイズを最小に抑えたそれは、気休めになるかどうかも分からない]
―― ピット ――
[長いピットインの時間がそろそろ終わる。
私はその間、ぼうっとまどろんで体と脳を休ませていた。
最後に注入されたナノマシンだけではなく、この大会用にチューニングされたナノマシンは多く私に注がれていた。ショーでも滅多にない長期戦は、休んでいる時にこそその消耗を私に自覚させる]
[もしその休息時間に誰かが私を訪ねてくるなら、私はいくつか言葉を交わしただろうし、オープン・クローズド問わず通信が来ても同様だ。……マリアはまだ整備中だったけれども]
“―――こういうものを、旧い文化で、おまもり、と言うのでしょうか―――どうか―――お役に立ちますように―――”
[祈りの言葉とともに、回線に乗せ、その“おまもり”を送り出す。これで、お詫びになるとも、思わないけれど―――
…次いで、ネットワークを繰る“手”は、OLD Replicaの所属チームを探りだし、チームの所持する端末を手繰り寄せた。
生身の相手に、先ほどのように直接呼びかけることもできず。精一杯の謝罪を書き記した手紙をそこに残し、漸く“手”をネットワークの海から引き揚げた、その間際]
“お二人への、直接の面会を推奨いたします”
[そんなメッセージが、ごく間近から届けられて。
思わずむすっと顔をしかめ、フヅキの中枢が納められたリトルアースを、肉眼でじとっと睨んだ]
[男は、ピットで担当研究員長が賄賂によって余計な事を話しているとは知らない。
知っているのは、空から堕ちていくBFに、赤い光で堕とされたものが含まれていて、その区分けが出来る事だけだ。
男はふらふらと辺りを歩いていて、偶然マリアの居る区画に来ていたようだ。
緑がかった軽い金髪が見える]
どうやらこんなところまで来ちまったようだ。
…お疲れ様。
[男は、しがないサラリーマン同士の会話文句のように、労いの言葉をマリアにかけた]
…小官は、機体の再構築に関する計算と設計をお願いしたはずでありますが?
[悔し紛れの文句を受けても、フヅキは何も答えない。
そのままじぃっと見つめていたけれど。やがて降参したようにうつむいて、ごつんっと額をリトルアースにぶつけて]
…今更どんな顔で会いに行けばよいのですか…
[小さく、呟いた。やっぱり、フヅキは、答えない]
[どれくらいそうしていただろうか。あまり間を置かず、そこに、声がかけられた。
いつだったか、ケンカを止められたときに見知った顔だ。
なんとか余所行きの顔を繕って応対すると、彼は、追加の資材を届けにきてくれたのだという。
その手の品を、覗き込んで。静かに首を振った]
せっかくの補給、恐悦至極にありますが、けれど、その物資を受け取るわけにはいきません。
…その保存状態から察するに、それは大切に保管されていたものなのでしょう?
小官は、勝利のために必要とあらば機体の損傷を厭いたくはありません。
ですので、物資は現行の代替が利くものをお願いしたく思います。
せっかくの御厚意を無駄にしてしまうことは大変に遺憾でありますが…ご理解を。
[先ほどまでとは意味合いの異なる渋面を作って、そう告げる]
…一つだけ。贅沢をお許しいただけるのでしたら、『BFF・アームズラック』の修復が可能な設備をご紹介いただけると助かるのでありますが…
[BFF・アームズラック…Big Fire Field Arms Rack。BFを宙に浮かせるものと同様の力場を展開して、弾幕兵装の遠隔保持、支持展開を行うシステムで、リトルアースの弾幕兵装を操作する要でもある。兵装の柔軟な運用を可能とする引き換えに、膨大な演算能力を要求するうえ、機動力に回すBF出力まで低下させてしまうために開発されて早々過去の遺物となってしまった技術なのだが…その管制装置が、フルムーンの過剰出力に耐え切れず、損傷してしまっていた。
それでもなんとか、システムの書き換えや出力調整で騙し騙し切り抜けようかと思っていたところだったけれど…修復のチャンスが来たとしたならば、乗らない手はない]
…それともう一つ。ウィルアトゥワとサンダーエースの…
[修復支援が可能であれば…と。続けようとした言葉を、飲み込む。自分が赴くならばともかくとして、それを、目の前の男性に頼むのはあんまりに厚顔な気がした]
…いえ、なんでもありません。
お願い、できますか?
[告げて。まずは他にも行くところがあると、その場を離れていったグレンを見送った。
そこにかけられた、声]
『焼きそばはいかがですか?』
[振り向くと、そこにいたのは見知らぬ…いや、もしかすると、酒場で働いていたときに、顔を合わせたことは、あったかもしれない…少女で。
その手にした籠からは、いつだったか、これまた見知らぬ(今なら、それがチャンピオン候補にして、マリアが…ウィリーが、疑惑の人物として名を挙げた、ナサニエル・ウエクサだと分かる)から貰った、『やきそば』なる食べ物が、香ばしいかおりを立てているのが分かる。
折りしも、ネットワークに手を差し入れて消耗したばかりだ。結論から言おう。超。食べたかった。しかし]
…お、お金が…
…それは、売り物…なのでしょう…?
[立ちはだかる経済問題は、いかんともしがたいものだった**]
/*
ユージーンの【寝覚めが悪い】と、ニーナの呼びかけに中の人の良心が疼いてしょうがない。
……群体生物萌えが行き過ぎていて申し訳なくっ!!
マリアの本体はウィリアムですらなくナノマシンですすみません。
フェイクを仕込みすぎた感が。が!
そして、そんなキャラは他Cから見ると誰得な気が!
―― ちょっと前 ――
[それは、ピットインタイムの半ば頃。
ニーナからの細い通信が私に届けられた。
最後に注入されたナノマシンが私の脳内で奏でていたマーチは止まっていたが、その細い声は私を癒す]
[―― 何の薬剤を乗せているわけでもないのに]
『ニーナ』
[通信を返した。ただ、名前を呼ぶだけ。
まどろみの縁にいる私は、それ以上何と言っていいのか分からない。
そうしているうちに、「お守り」が送られてきて]
『……お守り?
データ化されたものも、あるのか。
ありがとう。……あの黒騎士を落とすのは、頑張ろうな』
[私はその「お守り」を何とはなしに凍結させたまま、
私の海馬の奥に大切にしまいこむ]
―― 今 ピット ――
[ピット時間も終了が近づいた頃、
私の元に傷のない「マリア」が届けられた。
リアリティを出すよう、腕に傷を描かれ、汚れで装飾された新しいマリアだ]
[私は無言で連結用の触腕をマリアに挿入し、ナノマシンを通じて私の中にバックアップをとっておいた「マリア」をインストールする]
[マリアはぱちぱちと瞬きした]
『ただいま、ウィリー』
(はじめまして、マリア)
[私たちがそれぞれ同時に口を開く。
交戦したばかりの相手から声をかけられたのは、そんな時]
[マリアはそちらを振り向いて、にこりと口の端を上げた]
『お疲れ様。……随分えげつない攻撃持ってるわね。
派手にやられちゃった』
[マリアが口を開いて、一歩彼に近づく。
私はきゅぽんと触腕を無言で抜いた]
[端末に通信が入る。
機体の修復が完了したらしい。
そして、ブラスターを変更するかどうか聞かれる。
俺の選択肢は
フィリアブラスターをそのまま使う。
レイジングブラストを使う>>0:460
T誘導弾を載せる。
サウンドユニットを載せる。
念動コネクトのランスユニットを付けてもらう。
フレイムトルネードを追加してもらう>>0:484
どれにするか、男は少し考える]
残存する機体に重装甲のユニットは他にはいない。
攻撃を当てる事を重点的にしたい。
レイジングブラストをお願いする。
[その場には、マリアが居たが
兵装の変更は後々どうせわかる。男は気にする事なく聞こえるように話した]
―ピット(MiddanEden)―
[男は、マリアがこちらに声を返してくると、皮肉を込めて返す]
赤い光ほどじゃないさ。
だから出来るまでの事をする。
[今の兵装交換も、目の前のウィルアトゥワに対して有効であろう武器をチョイスしていた]
そちらこそ、さっきの倶利伽羅…あの弾幕は驚いた。
[端末で情報を知っているが、途中で言い換える]
――各機ピット――
[コクピットを出た少女は休息もそこそこに、機体の修復作業を手伝っていた。老兄弟から飛ぶ声は厳しく、額に汗が伝う]
え…と、右前腕の処置は終わった、よ!
次は、どこ!?
[補修用形状記憶パネルの上から特殊高分子パテで埋めて、硬化スプレーを噴射。所詮これも応急の処置でしかないが、装甲部品そのものまでは持参できていない以上、やむを得なかった]
ん。脚ね。今と同じでいい? うん、わかった。
[目の前の相手に通信が入ったようだ。
マリアは肩を竦めた。
別に相手が気にしていないようだとマリアの視覚情報が判断したので、私はマリアの聴覚をそのままにしておく]
[彼の相手はマリアに任せて、私は私の目を閉じた。
まあ、まだこなれていないマリアだから、私からの指令は多くなるのだろうが]
『やだ。随分と余裕ね?
……アンギャルドは装甲、厚そうだけど』
[マリアは腕を組んで、挑発に返した]
『どういたしまして。楽しいでしょう?
この間、拾ったの。あれで堕ちてくれればもっと素敵だったのに』
[マリアは眉を上げて、声に笑いを彩らせる。
それから、マリアはふっと真顔を作った]
『あの赤い光は、あなたも嫌い?』
―― 回想・ピット>>42->>45 ――
きみは何か誤解をしているようだね。
[グレンはニーナを見つめる。ニーナとクロノとの、酒店アンクルおじさんの店での騒動未遂。その時の事は既に笑い話の種の一つでもあるが、今ここでは切り出さない。]
本物を元に新たに作られた、本物と同一の複製品《レプリカ》だ。
それにこれがもし唯一の本物だとしても、
最高の力を出し尽くす事が大切じゃないか?
保管され人知れず眠るより、きみに使われた方が喜ぶというものさ。
それに、この大会はそんなに甘くはない。
[グレンの眼差しは温かい。真摯にニーナへと話しかけた。
最後の一言は、声が深くなる。]
――各機ピット――
[クロノの機体――『メテログラフト』によって生じた損傷の中には、取り返しの効かないものが存在した。
肩から背面へ展開される弾幕兵装『響洞膜』がそれだった。
支持パーツの全損、さらに機構本体の脱落。回収されたそれを見て、ウェイン兄弟が発した言葉は一言だけ――]
『……駄目だな、コイツは』
[即ち。
これ以降は二つの兵装のみで戦うしかない、という分析]
……うん。でも、ね……あの……さ。
あれ――外す訳には、いかないかな。『禍珠(フォルスコア)』。
お爺さん達も、さっきの、見てた……でしょ?
[作業の手を止め、老兄弟が振り返る。
言いよどむ間をわずかに置いて、少女は言葉を続けた]
もう一機。どうやってだか分からないけど、さっきの状況を見れば間違いない。ナサニエルの機体。『ズィルバーン』にも、あれと同じようなのが組み込まれてるみたい。それで……。
―― 回想・ピット>>42->>45 ――
[それから一度目を伏せ、]
きみが使うかどうかは任されている。
きみ自身が決める事だったな。
[開く。]
―――黒隗。
「ボクの出番?」
[『BFF・アームズラック』に話が及ぶと、紅蓮は相棒であるチョッキを着た白兎、黒隗の名前を呼んだ。]
私が頼まれた届け物をGRAVEに持っていく間、一度見ておいてくれないか。
「了ー解!」
[黒隗は、ぽふん、と右前脚を45度斜めにして額にあてる。]
―― 回想・ピット>>42->>45 ――
[それから一度目を伏せ、]
きみが使うかどうかは任されている。
きみ自身が決める事だったな。
[開く。]
―――黒隗。
「ボクの出番?」
[『BFF・アームズラック』に話が及ぶと、紅蓮は相棒であるチョッキを着た白兎、黒隗の名前を呼んだ。]
私が頼まれた届け物をGRAVEに持っていく間に、一度見ておいてくれないか。
「了解。」
[黒隗は、ぽふん、と右前脚を45度斜めにして額にあてる。
グレンの肩から白兎は降りると、リトルアースに近づき、修理が必要な兵装へと手をあてたり覗き込んだり、はたまた触れたまま、じっとしてみたりしている。]
――ピット――
[少女は目の前の女性と面識がなかった……ような気がする。彼女が働いている酒場には大会前夜に行ったが、夕食を食べた他は外ばかり眺めていたのですれ違っていたとしても記憶には残っていまい]
『…お、お金が…
…それは、売り物…なのでしょう…?』
[しまった。なんということだ。つい売り子さんモードで話しかけてしまった]
違います、私はこれを売りに来たのではなくて差し入れに来たんです!
[焼きそばを超食べたそうな顔をしている彼女に焼きそばパンもセットで差し出す。
そしてふと周りを見渡すと、彼女以外には人が、いない]
一人で……この大会に?
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