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[真紅の輝きが『禍珠』に宿り、消失する]
――『レゾナンス・ロスト』!!
[だが、光球と化した『メテログラフト』の弾幕は収まらない。
八方に先端を伸ばした結晶型のエネルギー弾を生成、打ち出してきた]
[結晶体は追尾軌道を取り、少しでも距離を稼ごうとする少女の機体に追いすがる]
う、そ――あれは、BFじゃ、……な!?
[と、下方に開いたウィンドウの中。
――赤光に包まれる『Marineblue Snail』の姿が映った]
[青い機体が、きりもみ状に墜落していく。
原因は少女には分からなかった。一瞬の混乱。
それが、致命的な被弾を生んだ]
[結晶型の追尾弾が命中し、胸部装甲に亀裂が生まれる。
続けて、帯状の雷撃が右前腕を損壊。
同心円状の衝撃波が届いた]
[それが『メテログラフト』の最期の攻撃だった。
罅の入った本体を露出させ、今までの攻撃が幻影だったかのように、静かに落下していった]
――南西エリア/低空――
[攻撃の止んだ空を見上げ、少女は荒い息を吐く]
……止ん、だ……?
助かっ、た、の……?
[周囲には巻き添えを受けて墜落していく残存機が数機。
しかし、『アンギャルド』のコクピット内で少女が見つめていたのは一機だけ――姿勢制御を回復できず、自由落下していった『Marineblue Snail』の姿だった]
『――それは過干渉による共鳴転移が原因。
最終段階の機構を発動させたことにより、『メテログラフト』の“核(コア)”が暴走状態となっていた。
結果、最も近くに居た別な“核”へと標的を移し変えたのだと考えられる』
[最終的にはそのように分析・報告された。
だが――その結論をBigFire学術協会が出すまでには、大会終了後もしばらくの日数を必要とした]
/*
ううん…シュウ殿のこの視覚効果的な描写は群を抜いておりますね…
…と、こっそり残っていた小官であります。
しかし…
もう今日中に『長いピットイン』に入ったほうがよさそうな人もちらほらとおりますよね。
いえ、その筆頭は小官のような気もするのですg(ry
いっそそのように提案してしまうのも…
…まぁ、その場合吊り襲撃に困ることになりそうな気もするのですが…
― 格納庫 ―
〘ピー〙
[ダグラスの持っていた端末から、コール音が鳴った。]
おお、 イノウエ君か。
テストは終わったのか?
<<それどころじゃありませんよ! 今観客席にいるんですが……局長、どこにいるんですか!?>>
[イノウエと呼ばれた通信相手――シミュレータでダグラスを叱りとばしていた研究員だ。]
俺か? 俺は格納庫で堕ちた奴のお迎えさ。
どうした? 一段と慌ててるじゃないか。
<<そりゃ慌てますとも! Red Wolfが止まるの、局長も見てたでしょう?>>
悪い、堕ちるとこからしか見てねえ。
<<あー……まあいいです。>>
[呆れたような空気が端末越しにも伝わってくる。]
<<ざっと説明しますと、何かヘンな力が作用して「堕とされた」みたいなんですよ。>>
ああ、そんなことを言ってる野次馬もいた気がするね。で、俺にそれを伝えてどうするんだ?
<<上層部が興味を持ちまして…… 調査をせよとの命令が。>>
[その言葉でダグラスの顔色が変わった。]
おいおい、俺はただの老いぼれ飛行士だぞ? 調査つったって何もできやしない。
<<だから私が来たんです。>>
<<格納庫でしたっけ? 丁度よかった。今から向かいますんで入れてください。私招待パス貰ってないんですよ。>>
[数分後、合流した研究員はどう見ても*見物スタイルだった*]
夢幻の竜騎士 マリアは、記憶喪失 シュウ を投票先に選びました。
<<もう間に合わなかったのだからと腰を据えて書いたら、濃すぎるソロールになってしまった。>>
<<逆に削れないかと試行錯誤していたら、大幅に路線変更するしかなくなった。>>
そのまま寝落ち、と。
☆設定メモ
Q. OR-22-A-11 Firebird って?
A. オメガは滅びぬ、何度でも蘇えるさ!
機体モデルは F-22 Raptor。
世界初のステルス戦闘機で、現代においては「最強」とも言われている。
オメガの元ネタである Ace Combat 04 の主人公イメージ機体。
最終ミッションではメビウス中隊の全僚機に配備される。
機体愛称 Firebird は、モデルのRaptor(猛禽) に関係ある言葉から、隼を意味することもあるらしい firebird を。
また不死鳥のイメージから、何度撃墜されても戦場に現れるオメガ11にも因んでいる。
型番らしき文字列 OR-22-A-11 は、Omega 11、Raptor、F-22A (計画当初の名称) の適当な組み合わせで、あまり意味はない。
―― 回想 南 高空 ――
[こちらにやって来てくれたサンダーエース。
私はクローズドと同時に動作命令も出した。
私は顔を上げて、私の瞳でその機影を捉え、またたきする]
[そうして――]
[オープンチャンネルで届いた、クロノからの挑発。
マリアの弾幕は、届くかと思いきや全て相殺されてしまう]
『大会に参戦したときからもとよりそのつもり』
(やれるものならやってみればいい)
[挑発には挑発で返す。
被弾情況では予め登録されたテンプレートしか返せはしないが]
[中央エリアからもそちらにやってくる機体。
マリアは顔にかかる髪を払いながらその姿を捉えた。
鈍くなるナノマシンを叱咤し、もう一度魔導銃を構えた]
[攻撃コマンドを入力しようとマリアが口を開いた時、
ニーナとのクローズド回線が開かれた]
[ちょっと今、マリアの機能が手一杯で、なおかつ腹や尾からナノマシンが零れ続けていて回線の切り替えまでナノマシンがまわらない。以降、落ち着くまでは全てオープン回線で通信を発する]
[矢継ぎ早に告げられるニーナの言葉。
索敵はマリアに任せ、私はすこししゅんと瞳を上にめぐらせた]
『……ごめんなさい、ニーナ。
これが一番はやかったの』
[謝る時は、ドラゴンではなく女の子で。
叩き込まれたマニュアルを礼儀だと私は思っている。
全て自分がリモートコントロールする単独ショーやプログラムされた通りのショーばかりやってきたので、実は私は共闘は不慣れだ。
この大会のシミュレーションプログラムにもなかったし]
『……シャノンは平気?』
[近くで同じく弾幕の滝にさらされた仲間に、私はマリアを通じて声をかけた]
[それから、あの弾幕や小型機の雨をどう切り抜けたか。
私は記憶を再生する余裕がなかったのであまり覚えていない]
[ニーナの指示通り相殺に専念するも、途中で炎が切れて気まずくて、マリアでルーンを乱射したことは覚えている]
[その場が落ち着けば、ニーナとシャノンが無事とはいえないまでも墜落していないことだけ確認して、手近なピットに転がりこんだ]
[待ち構えていた小人たちが、私とマリアに修復ゼリーをバケツリレーし、乱暴に倶利伽羅不動ガンが取り替えられる]
『……ありがと』
[ようやく個別回線にまわせた意識で、双方に**]
[ピットインすれば、そこで再び回線が開かれる]
好きに飛んでるだけでも、私は嬉しかった。
意識しないでそうさせるのがヒーローの条件だと聞く。
……「おっちゃん」に怒られる時は、一緒に謝りに行くさ
[修復材を受けているさなか、情報を反芻する。
まだ声の奥に怯えは潜む。それが消えることはない。
けれど、相手は少なくとも犯人ではないだろうから]
誰が、何故
[与太話をしていても、思考はそこに戻る]
……分からない。どんな手を使っても勝ちたいのだろう。
それでもたらされる喪失が、どんなものか知っているだろうか。
シャノンは怖いか?
ならばリタイアという手もあるだろう。
私には許されてはいないが……
[私の迷いが漏れてしまう]
犯人の乗る機体に攻撃をすれば、止められてしまうのだろうか。
[私は現在まだ堕ちていない機体一覧を呼び出して、唸った**]
―西空域、下層ピット―
[出迎えたのはGRAVEの研究員たちと
「こら、黒ピチ、あたしのフィリアちゃんを壊すんじゃなーい」
担当研究員長のピコハンだった]
まだ壊してませんよ。
それよりも、見てましたよね。
[担当研究員長は真面目な顔をして
「見てたけどわかんない。専門外の分野だと思うー。
けど、あの光は物理干渉を弾いてたように思えるのよね。ただ…」
あとの話は打ち切る。
戦闘のレポートを手早く書くと、研究員の一人に渡し、同じくピットインしているアルトキュムラスのところへ行った]
おい、さっきの光はなんだ。
―西/ピットエリア―
[ガタガタガタ、と機体の右半分が傾いたままピットの床を削る。
いつものようにふわり、とは着地できず、
アルトキュムラスは不恰好にフロアに突き刺さるようにピットインした。
暫く、操縦席から動けない。
自分でも驚くほど酷く、消耗していた。]
…はぁーーーー、びっくりした…
さっきの、あれ…
[核の声をはっきりと、聞いた。
王者のBF、それに、さっきの黒い竜。
核に見たことのない異変が起きているのは間違いない。
それを防ぐ力―――?]
なにが、おきてるんだよ。
アネキ、おれどーしたらいーんだ。
[ロジャーは、右手をぐっと握り締めて、それから開いて。
放心したように、それを見つめていた。
それから、はっと気付いたように通信記録を確かめる。
マリンブルー・スネイル――シャーロットからの通信は入っていない。
試しにクローズドの回線を繋ごうとしたが、反応はなかった。]
うわーーーー一緒に行くって言ったのにーーーー
ごめん、シャーロット。
あいつ、どーなったかな。追いつけたかな。
…機体、整備しなきゃ。
…さっきの、光。
うん、おれも、初めてだよあんなの。
―――けど。
[少しだけ迷って、それから、真剣な表情を向ける。]
あのさ。
ユージーンさん、「お前も声が聞こえるのか」って言ったよね。
おれが聞こえるのは――核’コア’の声。
あの光はたぶん、おれの――アルトキュムラスの、コアだ。
[言葉を探すように、時折口篭った。
はっきりしたことはなにも言えなかった。]
ユージーンさん、おれ、ゴードンの機体近くまで飛んだ。
でも、声は聞こえなかった。
機体が墜落したって、コアが動力を失うことはないはずなんだ。
それに、赤い光――ファフニールが落ちる時。
さっきと逆みたいに、光が収束されたのを見たんだ。
これって、なんか、変だよね?
アルトキュムラスは、あの光でおれにコアを護れって言う。
けど、こんなにたくさんBFがいるんだよ。
コアだって星の数さ!おれ、どーしたらいいと思う?
[一気に話を終えると
ユージーンを見上げた空色の瞳は大きく見開かれて
それから、ふっと下を向いた。]
それとも――やっぱり、こんな話子供のデタラメだって。
思う?
核の光…。
特別な核が存在する、か。
俺のは、クヴォルに積まれたブラックボックスに関係がある。
それは
[担当研究員長がこちらに近づいてくる。
「はっろー、あなたがロジャーくんね。
簡単に説明すると、あたしは縮退の研究―ブラックホールと言ったほうがいいのかな。
それの起動させるキーに呪術的なものや、精神、魂、そういうものを使ってるの。
そっちの担当は別なんだけど、それの副産物ね。
元々の仕様にはないもの。まあクヴォルの魂が他のBFの命が消え去る時の声を聞ける―みたいね」
とロジャーと同じ背丈の彼女は言った]
…チーフ。
[堕ちていく月。
遠くで星の爆ぜる光。
状況を把握しようとレーダーを広範囲に切り替えて…]
…あれは…!!
[彗星のように尾を引いて落下するのは、重装甲の蝸牛。
大した損傷も受けていないのに、あの挙動はおかしい。
パイロットはまだ未熟な少女だと聞いていたが、たとえ中で気絶していたとしても、駆動系をやられていなければコアの自立行動で安全に離脱が可能なはずが。
堕ちていった巨体を救出すべくレスキュースタッフの機体が集まっていく。]
…おかしいと思いませんか、ナサニエル。
あの蝸牛の落ち方、ゴードンの時と挙動が似ている。
まるで、整備不良の緊急停止でなければ…コアを直接止めたような…
ログ突っ込みは匿名じゃなくて大丈夫だと思う。
そして質問以外を匿名でやりとりするとなると、微妙な感じになりそうなので、促してみました。訂正を求めている(意見のコンセンサスを求めているのに)のに匿名を使うも、という考えもあります。
発狂弾幕が敵味方問わずなのは、私もそう感じるのはありますけれどもね。
―――――――――!!!!!
[嵐のように荒れ狂い押し寄せてくる無数の光弾、叩きつけられる光の帯とまるで敵意の意思を持つように襲い掛かる水晶弾の中で、文字通り全身全霊の力を込めてその手に掲げた“月”を支える。
自分が放ったものか、あるいは押し寄せるものか、光の奔流に流されそうになる意識と体を支えたのは、唯一つ“負けられない”という意思だけ。自分の後ろには友だちがいて、そして自分の傍らにはフヅキがいる。ここで、負けるわけには、いかない]
―――ッ!
[その奔流の中で、“機能”を剥き出しにした全身が、“なにか”に“触れた”。
それは光の中に浮かび上がっては沈む断片の形を成した記憶で、記録で、つまりは情報だった。
一つ一つは意味を成さないそれらを全身の感覚がすくいとり、たった一つの有意な言葉として再構成する。
光学に拠らない、目ではない目が観測したそれは、荒れ狂う光の中にあってさえ揺るぐことのない強固な『誇り』]
――ク――ノ――殿――――
[極めてシンプルなそれを目にして、一瞬意識に空白ができた。その空白を言葉にするなら、『呆』れる『気』持ちと書いて呆気と読む。
けれど依然吹き止まない弾幕の嵐を前に、すぐさま意識が引き戻される。
そこに まったく別の 何か が 紛れ込んで いて 。
一気に感覚が凍り付いていく。
それは、『誇り』によって構成された奔流とはまったく異質の不吉な輝き。恐怖に一気に萎えかかる気持ちと、負けられないからこそ、その輝きに目を凝らさなければならないと思う気持ちが交錯して、そして、傍らと、背後の、誰かの存在が、意思を奮い立たせ、そこにある情報を手繰り寄せ―――
―――そして。
光が 収束 した]
…ッッ
[不意に戻った視界に、思わずぐらついた。少々、機体にも体にも、無理をかけすぎたかもしれない。
限界を超えて光球を維持し続けた弾幕兵装は焼きついて機能を停止し、疲労しきった体はもうあちこちの感覚が欠如し始めている。
それでも、直前、手繰り寄せた情報を頼りに、眼下に視線を走らせて]
―――ああ―――
[そこに見た騎士の姿に、いつか感じた奇妙な感覚と、たった今感じた不吉な光が結びつく]
――まt―――会い―――たね――騎士殿―――
[自分の口が動き、なにごとか呟いていることを不思議に感じながら。
意識が。途切れて。行く。
/視界暗転]
夢幻の竜騎士 マリアは、シルバーコレクター ナサニエル・ウエクサ を投票先に選びました。
―― ピット ――
[小人たちがくるくる回りながら私の身体を行ったり来たり。
目の前でモノクルをかけた兎が懐中時計を片手に残りのピット時間を計っている。兎の隣、私の鼻先に立っているのは白衣と眼鏡を纏った大型の妖精。私達に対して何かを言っている]
[私はマリアの聴覚機能をオフにしたまま、現状を把握する]
『ニーナ、頑張ろう。
あと少しで長いピットイン可能な時間になる』
[友人からは反応がない。
遅延可能なコードを込めて、送る]
[私は目を挙げて、一面に広がる空を見た]
[会社が撮影していた会場のデータをダウンロードする。
王者ゴードンの最後]
[私は目を閉じて自分のコアが停止する時のことを考えた]
(……怖いな)
『嫌だ、ね。飛びたくない』
[そんな気分とは裏腹に、修復作業はキリに近づいて……]
――大会会場上空/観客席(南西エリア西より・中層)――
[南エリアに展開されゆく翠色の巨樹(>>2:227)。
それを生み出し操るのは]
人型の機体に……剣装備。
なんかいいなぁ……
[さっきまでの不安が完全に消えたわけではないが。
少女はいつも通りの暢気さをとりあえず、取り戻していた。
少女は戦闘機型のBigFireにしか乗ったことはない。
そのため弾幕兵装も機銃系統のものしか扱ったことがない。
曲芸飛行はお茶の子さいさいの少女であったが、なぜか機銃系統の弾幕兵装を扱うのは駄目で、照準機能があるはずなのにちっとも弾が当たらない。たとえ標的がすぐ近くにあっても弾はあさっての方向に飛んでいく。
分かりやすく10文字で表すと。
少女はノーコンだった]
……ニーナが犯人の機体を見つけたら。
それには近づかない方がいいかもしれない。
ニーナの情報収集能力は確かだ。
[私はぽつり、ぽつりと呟くように通信を送る。
シャノンもピットインしているなら遠慮なく。
空にいるなら、遅延可能なコードで]
だって、私の正体も本名も、ばれてしまった。
[私は「正体」について具体的には言葉にしない。
ただ、ぼんやりとした画像を想起し、送った。
私のコアの画像。正確には、コアの安定した無尽蔵のエネルギーを前提にした、私の脳の画像]
昔からずっとそうだった。
ゆえに最初に想像したのは、弾幕を形作るエネルギーを刃物の形とし、真っ直ぐ飛ばすこと。
確かに翼に光の刃をまとわせて斬り込むのはかっこいいけれど、それよりはこっちの方がいいだろ?
(あと少し。あと少し、逃げられれば)
[私は残りの機体をマリアの指折り数えた。
長いピットインが終われば、そろそろさりげなくリタイアすることが許される頃だ]
[私の目の前で、妖精が耳を指差し大きな身振り。
しかたなく私は聴覚を取り戻す]
【聞いているのかね、マリア、ウィルアトゥワ】
【そんなメンタルでどうする。
ウィルアトゥワ、君は欝状態に陥っている】
【下らないことに怯えすぎるな。
契約どおり、君のクローンも人格パターンも
バックアップはとってある。脳の1つや2つが何だ】
[私は金の瞳に光を強めて、妖精をにらみつけた]
(死ぬことが不死だというお前には分かるまい。
きちんと飛べばいいのだろう)
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