377 劇団人狼ズ、旗揚げ公演村
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ニコラス
テリーの髪型じゃなかったと思う、んだ。
色は見えないけど、テリーと背の高さが違……。
アリシアはどう見えた？
ッ、出っ張り。あぶない、ね。
ブライアン
……あ、ここ、ちょうど分岐のところなのか。
左手に行くと、鉄扉のある俺たちが最初に入ってきた入り口、右手が、その……9体分の骨がある方だな。
アリシア
[転びそうになるのを、前を行くブライアンにつかまって回避した]
あ、ぶなかった。
ああ、ニコラスさん。テリーさんではなかったと思います。髪形が……さっきあのコテージで見た人と同じでした。
だから、きっとケネスさんです。
クリストファー
[ナタリアの持つ懐中電灯がちらつき始めるのを確認して]
うーん。惜しかった。
……例えば終りは、明りを一人の人間に預けたことから始まったりしてね。
[握ったニコラスの手を引き、体ごと前の二人に向かって突き出す]
蝋燭だけであとどのくらい持つかしら。
[と体勢を崩したのを見て、岩の入り口の方へ駆け出す]
ニコラス
え、惜しかったって何が？
クリス、意味がわからな、
[クリスにぐいと手を引かれ、突き出され。]
……ッ、ナタリ、ア。
アリシア、ごめ…ぶつかる！
ブライアン
どういうことだ？
なぜクリスが……。
……ッ、あの大岩を、一人で動かしたのか？
あああ、もう、何がなんだか……。
とにかく、ナタリア、懐中電灯が完全に消える前にロウソクに火をつけよう。
ニコラス
鎌が。
落ちて、足に刺さるとあぶな……
[暗闇の中でもつれ、アリシアにもブライアンにもぶつかりながら、よろめく。]
拾うから、動かないで。
って、扉が閉まった 音？
[青ざめながら屈み込み、鎌を拾い上げようと。]
ニコラス
──あッ！
ブライアッ。
目の前にケネヌ が。
いや、ケネスかもしれな……
[拾いかけた鎌を取り落とした。
アリシアとナタリアを庇うようにして、後ずさる。]
ブライアン
なぜ黙っている！？
[小声になった]
……ニコラス、アリシア、ナタリア、走れ。俺が先頭になって、奴を突き飛ばしていくから、その隙に走り抜けろ。
奴が追いかけてきたら、俺が食い止める。とにかく、あの鉄扉の方へ走るんだ。
いいな？行くぞ。
クリストファー
[岩の戸の外にて]
……いや賭けてもいいけど、彼ら絶対許してくれないと思うよ……というか、まかり間違ったら大惨事じゃない。
[テリー、ミック、ゴドフリー、シロガネに対して]
出るとは聞いてたけど、本当に出ちゃったしね……。モーリスって言ったっけ……。
クリストファー
幽霊までサプライズに利用しようって、あの人がここまでおかしいとは。まあ、そんな彼にしてあの作品群があるのかね。
とりあえず第一キャンプ場に移動しようか。
[と連れ立って歩きはじめる]
クリストファー
うん、ちゃんと例の別れ道のところまでは送ったよ、そこから引き返してきた。
ん、なに？ケネヌさんまだ中にいるの？
や、彼ら凶器持ってるから、あんまり悪乗りし続けると、危ないと思うんだけど。ニコラスさんとかかなり憔悴してたし、それにアリシアさんのこと考えると……胸が痛い。
クリストファー
ブライアンさんとか絶対許してくれないよ、それにナタリアさんみたいなか弱い女性に……。
さすがにケネヌさんの頼みでも、今回は断るべきだったかな……。
そうだね……とりあえず、鉄扉の外側で土下座の準備して待ってよう。それにちょっと、いやさすがに心配になってきたよ……。
[と、小走りに*駆け出す*]
アリシア
行きましょう、皆さん。
答えは向こうにあるはずです。
クリストファーさんが私たちをだましてたにせよ、あちらに残る意味がわからない。仕掛けたのなら、ちゃんとした出口を知ってるはずですから。
[ナタリアとニコラスの手を引いて走り始めた]
アリシア
あ、……！ だ、大丈夫ですか？ ブライアンさん！
[倒れたブライアンの傍へ駆け寄る]
ケネスさん！？ の姿はないみたいですね。
ブライアンさん、ブライアンさん！
大丈夫ですか？
ニコラス
……ちょっと、待ってッ！
ブライアン、ブライアン。
そんなの駄目、だよ。
一緒に残る から……ッ
[爪先で落とした鎌を蹴飛ばす。痛みに顔を顰める。]
って、痛ッ！
何か、蹴った──？
じゃなくて、
アリシア
気を失ってるだけだわ。
二人とも、まずは扉を開けましょう。
それからブライアンさんを外に運べば、いいと思うんです。
細腕6本で開くかわからないですけどね。
[扉に手をかける]
ニコラス
違う、一緒に行こ……。
[倒れたブライアンを、暗闇の中、手探りで。
ぎゅっと、抱えようとしながら、]
……アリシア。
反対側を支えてくれたら。
や、扉が先かな。
ニコラス
温かい から。
きっと、大丈夫……だ。
[ブライアンの髪を撫で。
アリシアに頷き、扉を押す二人に加わった。]
……ッ、重く な。
腕が震えてると、重く感じる。
コツとかあるのか──。
一昨年まで、合気道やってたんだけどッ……。
アリシア
重い、ですね……押す方向が違うのかしら。
いくら細腕とはいえ、6本あるんですから多少は動いてもいいのに。
方向変えてみましょう。
押してだめなら引いてって言葉ありますし。
アリシア
ああ、ブライアンさんを。
[ブライアンを引きずるのを手伝い、外に出る]
ここ……。
私が迷って入ってきた場所に、似ています。
ううん、同じ、場所。
[外の風景に目を奪われた]
戻って、これたみたい……ですね。
アリシア
戻ってこれたのに、どうしてクリストファーさんはあの時……去ってしまったんでしょう。
[気が抜けたのか、ふらりとよろめいて*倒れた*]
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