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えぇっ?! 何処に置いてきたの? 食堂?
それは大変だ。早く救出に行かなくちゃ! 行こう、リンちゃん。
[浮田は飛び起きて、花音の*手を取った*]
[ドアが開いて現れたものを見た]
見なかったことにしていーか。
つーかそれ何。
[厨房にあった大量の殻を思い出した]
映子ちゃん。
えと。
ひょっとしてそれ作ったの映子ちゃん?
[漂う匂いはこげたものと砂糖とだしと]
出来栄えはともかくさ。
なんでんなにたくさん玉子焼き作ってんのさ!
[混乱。]
あれ、えーこちゃん。いつきたの。
その、それは何。
私は誰。
[違。]
なんか、おんなのこばかりが増えるね。
男は違うところへ行ってるのか、それとも最初からおんなのこしか考慮されてないのか…。
で、その…それは。
[確かに、卵焼きのように見えなくもない。]
…ゴクリ。
[つばを飲み込む。
厨房でどんな事件が起こったのか。
想像に難くない。]
[色は黄色がところどころに見える。後は焦げていたり炭になってたりぱりぱりになってたり]
食えんのかな……。
どーするゆっきー、食ってみるか?
俺としては遠慮したい。
こう見えて私、試食のプロでございます。
小さい頃にねぇ、放浪癖のある親父と一緒にいろいろと旅してたもんだからさぁ。
いろんな国のいろんなもの食べたんだよね。
[そういや卵焼きは失敗したって言ってたっけ。
こういう世界だったか…失敗って。]
しかしこれは、量がね。
迷走を物語ってるよね。
ふふふ。
[笑うしか。]
おべんとに入れるのを考慮するならねぇ。
やっぱり、もっとしっかり作んないとダメだ。
ダシが多すぎるのが多いっぽい。
おべんとになんて入れたら大惨事だよ。
崩れちゃってね。
まぁ、見た目ではあれだからね。
食べてみないと…
見た目と言えばえーこちゃん、その格好なんかやらしかわいいね。どうしたの、それ。
[踏ん切りがつかず話題を、えーこちゃんの服装…エプロンっていっていいのかな?メイド服っていっていいのかな?の方に、一回そらしてみる。]
…。
[ちょっといたたまれなくなった。]
あむ。
[食。]
うん。
[焦げている。]
いや、うん。
あー、うん。
[なんだろう、難しいな。]
これはあれだ。
余計なもの入れるとか余計な工程入れるとかじゃなくて分量が行き過ぎてるとか手際が…行き過ぎてるとか、そういう世界の失敗な気がする。
割と食べられちゃうもんな。
[ぱくぱく。
やたら柔らかかったりやたら固かったりやたら焦げていたりやたら形がいびつだったりやたら味に濃淡があったりはする。
するがしかし、一貫して卵焼きの味はする。]
おんなのこの、えーこちゃんの手料理だと思えばなんだって5割増しだしね。
その。
[美味しいかと言うと、疑問だけどね。
特に、この数日、やたらレベルの高い料理の数々に舌鼓を打ってきた今日この日の舌では。]
ふ、ふふふ。
[ぱくぱく。
今度は生だ。
しかし表面だけが焦げている。
汗。]
卵焼きをきれいに作るには丁寧に手早くだよ。
どっちかだけじゃダメだと思うよ。
強火にしすぎない、味を濃くしすぎないってのもポイントなんじゃないかな。
強火だと慌てるし、焦げやすいし、味が濃いとどうしても失敗しやすいし、これみたくダシで味付けとなるとゆるくなっちゃうしね。
まぁ私なんてのはめんどくさいからオムレツかいり卵か目玉焼きかゆで卵なんだけどね、大概。
[説得力なし。]
よーし、次行くべか。
[ぱくぱく。
…脂汗が。
いかんせん量が多い。
えーこちゃんがおべんとを食べさせたいと思ってる野郎、出てこないかな。誰だか知らないけど、君も協力するのが筋だろう。
今度モニタールームでこっそり見てやるべか。
へっへっへっ。]
…知らなかったよね?(記憶喪失
もうダメなのでこのまま寝てしまおう。(おい
明日はスケジュールがゆっくりなので合間に寝てやろう。移動時間とか。
[進藤に案内されて、2人のいる部屋に入った。
卵焼きの失敗作の山を見て、牙生はあからさまに嫌そうな顔をする。]
oO(普通こういう反応だよね。わたしだって作ったのが自分じゃなきゃ・・・)
[そして、梶原にメイド服のことを聞かれる。]
あ、これは演劇部のこに借りたんです。
あの人がメイド服が好きそうだったんで・・・
メイド服であ〜んされたら死んじゃうとか言ってたんですよ。
結局死にませんでしたけど。(笑)
[映子の告白?を聞いた梶原は、猛然と卵焼きの試食を始めた。]
[試食しながら梶原はいろいろな指摘をした。
頷きながらメモを取る映子。
このぐらい素直にさっきのコックさんの話を聞いていたら、結果は違ったものになっていただろう。]
進藤先輩も食べてみてください。あ〜ん♪
[調子に乗って、進藤の口元に卵焼きをもっていく。
進藤は嫌がったが、映子が諦めずに続けると、仕方なさそうに食べはじめる。]
[ゆっきーがあ〜んしてくれるなら、食べてもいいかな?と冴生は冗談めかしていった。
それを聞きつつ、映子は自分でも卵焼きを食べはじめた。]
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