奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　[1番驚いたのはその声だったが、その疑問はすぐに一先ず氷解することになった。]

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　[使いこなしていることの凄さについては、今は置いておくとしよう。]

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　思えば何となく、聞き覚えがある気がするかな。中学の時にはあまり話していなかったが似ていると思う。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　[座って、と示されればお邪魔しますと言ってどこかに座らせて頂いて。]

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　……なるほど。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　[とだけ呟いて暫くは、ひかりちゃんのことを見ていただろう。]

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　[暫し経って。ひかりちゃんが3人に出るように言う。]

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　[用件の予想は絞り切れないが、そうなる展開は少し予想していたから。]

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　[あまり驚かずに、小さく礼をして3人を見送っただろう。]

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　[そして一息ついて、ひかりちゃんの方を見遣る。]

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　[ありがとう、ごめんね。その二言で、用件を察した。]

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　[続く言葉も、自分が見て思ったことがあることと、ある程度近い。]

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　[だから暫く、そのまま話を聞いていた。]

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　初恋だと思うって話は、ひなたちゃんの方から聞きたかったかな。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　[と言って、クスリと一つ笑うところからはじめよう。]

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　入学式の日に君の存在を知って。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　林間学校の時に、ひなたちゃんの電波が悪くなった時に彼女が慌てふためいて。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　繋がったと思ったら、まず君の名前を呼んで。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　随分と、依存しているんだなって思った。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　ついでに少し疑問にも思ったけれどな、

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　常に繋がっているような君…お姉さんってどんな存在なのだろうと。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　[少しずつ、記憶を手繰り寄せる。]

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　君のことは秘密にしてと言われたから。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　それは守っていたが…よくないんじゃないかって思っていた。依存のように見えたこともあって。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　そして、林間学校のときに感じた違和感は君が押していたからか…星見とか。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　決めたのは自分だ、ってひなたちゃんが言っていたから何もないけれど。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた[その時からどこまで想われていたかは、分からないが。]

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　当時、秘密を偶然にも共有してしまっていることが起因で一定の好感を抱かれているのだと思ったから。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　だから、その偶然知ってしまった人の責務として。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　ひなたちゃんが独り立ちできるように見守るつもりだったんだ。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　少しでも自分で何かを決められるようになってほしい。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　お姉さんの存在は人には言い難いのかもしれなくても、ひなたちゃんが。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　…花開いてほしい、って。思っていたんだ。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　[一呼吸ついて、少し言葉を探して。]

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　誤算だったのは、僕が思ったよりも押しに弱かったということかもしれないな。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　[苦笑いを浮かべながら。]

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　君が、ひなたちゃんの双子のお姉さんで。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　情景はわからなかったが…この状態で過ごしているんだと聞いた時。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　納得と同時に、羞恥を感じたよ。自らの想像力の足りなさに。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　[考え続けることを生業にするのにな、と内心で改めて自嘲する。]

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　[今は関係ない話だから、それは兎も角。]

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　きっと、ひかりちゃんは。自分も自分として持ちたいのだろうなと思う。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　その理由が具体化されているのかは、僕にはわからないけれど。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　[聡い子だ。ただの自己犠牲だけでそのようなことを行なってきたわけではないと思うから。]

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　今、こうして謝られても。気持ちが大きく揺らぐことではないし。

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　そしてそれを見越して、ひかりちゃんも今日会おうってことにしたのかなとも思う。

影が薄い 加藤真夜は、文芸部 藤枝あやめへと、「そりゃ涼しいけれども・・・」となんとも歯切れの悪い応えだけど

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　[どこまで自分のことを見ているのか、わからなくても。しっかりと彼女を見つめて。]

奨励会員 西野理乃は、双子の片割れ 小春日ひなた　だから、僕からは…ありがとう。