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>>+138 ダズリー
「本当?わー!さすがダズリーお兄さん…!」
彼が今度はヘンリエッタに似合うかわいいくまの髪飾りを作る彼の姿を想像して、自然と笑みが溢れる。
ダズリーは作業の工程を見せることを嫌がりそうだが、リーンにとってはその道筋や込める想いも含めて一つの作品で、命の吹き込まれたたった一つのかえがえのないものなのではないかと思う。
もちろん、それだけではなく。眠れなくてと暇を持て余した上でできた髪飾りであったとしても。彼が他の誰でもなくリーンを持ち主に選んでくれたことも、等しく彼女を嬉しくするものだった。
「私のは失くしちゃって…あ、でもね、トッティちゃんが見つけてくてたの。だから、大丈夫なんだけど…」
>>+151 ルクレース
さいごの時、貴方の隣で。
どれほど時間が経っただろうか。気づくと彼女は眠ってしまったようだ。彼女をその場へ寝かせ、持っていた自分の上着を掛ける。彼女は、きっとこのまま天国へ行くのだろう。それにふさわしい人だ。
俺には、その罪の重さに応じた罰が与えられるだろう。彼女と共には行けない。行ってはならない。だが、もしいつかこの罪を濯ぎまっさらな自分になれたら、また彼女に会えるだろうか。彼女は変わらず、優しい灰色に俺を映して笑ってくれるだろうか。
眠る彼女の瞼に唇を寄せる。次に会うときは、必ず―。
/*
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア…………………………………
ウオオオオアアアア\( 'ω')/アアアアアッッッッ!!!!!ウオオオオアアアア\( 'ω')/アアアアアッッッッ!!!!!ウオオオオアアアア\( 'ω')/アアアアアッッッッ!!!!!ウオオオオアアアア\( 'ω')/アアアアアッッッッ!!!!!ウオオオオアアアア\( 'ω')/アアアアアッッッッ!!!!!
*/
/*
アーネストが……好きすぎる……んだよ……な…………………………………つら……………………一緒に行けないなんて言わないでよ…………行こうよ…………行こう…………????
*/
/*
ああ…………しんど…………
明日は……早起きしよ……そんでログ読むんだ……
誰が誰なんだろう……楽しみだ……寝よう……
*/
☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆
母は病に伏せがちで、よく自宅のベッドで横になっていた。しかし、その昔は地元でもブイブイ言わせていたおてんば娘だったらしく、昔話として色々な武勇伝を聞かせてくれていた。
レーヴは、そんな母が大好きだった。
それは、レーヴが5歳になる誕生日の前の日。とても怖い夢を見た。
狭い部屋に閉じ込められて、何かがドアを叩いている。その音は次第に大きくなっていき、声にならない叫び声と共に扉がゆっくりと開けば、ソレは現れた。
部屋の隅で小さく蹲るレーヴは、ただ震える事しかできなくて。
「▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒?███████!」
目が合った。手が伸ばされる。こちらに向かって、白くて、黒くて、怖い手が。
ハッとして、目が覚める。勢いよく飛び起きれば、全身が汗でぐっしょり濡れていた。
周りを見れば、部屋の中を黒い闇が覆っていて、カチ、コチ、カチ、コチ、規則正しい時計の針の音が、よりその静寂さを際立たせた。
じわり、と涙が浮かぶ。
また、あの夢を見たらどうしよう。あの夢の中の怪物が、扉から出てきたらどうしよう。食べられちゃったらどうしよう。
尽きぬ不安はどんどんレーヴの心を埋めていき、しかし、声を出せばあの怪物に気付かれてしまうのではないかと怯え、震えた。
突如、ギィ……と音を立て、ゆっくりと扉が開かれる。まるで、あの悪夢のように。
「ぁ………ぁぁ、あ…………………」
隠れなくてはいけないと思うのに体が動かない。目は扉に釘付けで、逸らしたくても逸らせない。
小さく声を漏らし、涙が零れたその瞬間。
『あら、レーヴ。まだ起きてたの?』
扉が開かれた先。小さなランプを持った母が驚いた顔をして立っていた。
リビングのソファに座って、レーヴは暖かいミルクを飲んでいた。隣に座る母へ事の経緯を説明すれば、母はカラカラと笑った。
『なるほどね、そういうことかぁ。
だーいじょうぶよ、レーヴ。そんな化け物が来たら、ママがぶっ飛ばしちゃうんだから!』
そう言って腕を上げると、小さな力こぶをレーヴへと見せ付ける。頼りなさげなその腕に、レーヴは眉を下げる。
『……でも、ママ、最近ずぅっと寝てるでしょ。』
ぽつりと零す。昔はもっとずっと元気だったのに。一緒に外で走り回るくらいに元気だったのに。
顔を俯かせて、手に持ったマグカップへと視線を落とす。本当は、こんなこと言っても仕方ないのだと、わかっていたけれど。どうしても、あの夢の中だと強がりを言うことはできなくて。
『………レーヴ。時計を出しなさい。』
酷く優しい声音で、母の声が降ってくる。
そちらを向けば、酷く優しい母の微笑みが見えて。
それ以上、何も言えなくなったレーヴは、そっと命の時計を母へと手渡した。
店舗となっている一階の奥。通路の先には3つの扉がある。
その内の一つ、『amour』と書かれた看板のついた部屋へと入っていく。
残りの2つの扉の先は、祖父と父のもので、レーヴは立ち入りを禁止されていた。
しかしこの日、レーヴは初めて命の時計職人の仕事場へと足を踏み入れた。
中は色々な機材が置かれていて、どれもこれも時計作りには欠かせないものだという事がわかる。机の上には整然と並べられた道具が。壁際に置かれた棚には、きっと時計に必要なパーツが仕舞われているのだろう。
初めて入る工房に、レーヴは目を輝かせながらきょろきょろと辺りを見回した。
『ふふ、じゃぁ、はい。そこに座って、レーヴ。
今からママがね、とっておきの魔法をかけてあげるんだから。』
母が、部屋の隅に積まれた丸椅子を机の隣に置けば、そこにレーヴを座らせる。そして、命の時計を机の上に乗せれば、木製の懐中時計の裏蓋を開いた。
拡大鏡をかければ、先が丸くなった刃物のようなものを取り出して。母は、裏蓋の内側へその先端を落とした。
静かな部屋に、音が響く。裏蓋を削り、何かを描くような音が響いていく。
レーヴはじっと、その姿を見つめていた。間近で見る母が時計を扱う姿を、目に焼きつけるように。
どれくらいの時間が経っただろうか。母が、ふと顔を上げればニコリと笑って。
『できたよ、レーヴ。はい、お守り。』
そう言って手渡された命の時計の裏側には、新しく文字が刻まれていた。
「……あ、とら……ぷ?」
まだ文字を覚えたてのレーヴには、それが何と書いてあるのかがよく分からず。困ったように母の事を見る。
すると、母は優しく瞳を細めながらこう言った。
『アトラップレーヴは、ドリームキャッチャーって意味なの。悪い夢を見ませんようにー!って願いが込められた言葉なのよ。
……本当はね、ちゃんとそれ用の御守りがあるんだけど………ママ、時計のこと以外は不器用でしょ?』
料理をするのも、編み物をするのも、工作をするのもてんでダメな母を、レーヴはよく知っていた。うんうんと強く頷けば、『正直すぎるぞ、レーヴ』と鼻をつままれる。
『ふふふ、だけど。うんと、うーーーーんと!強く!ママの想いを込めたから!これできっと、もう怖い夢は見ないわ!
だぁいじょうぶ!ママを信じて!それに、ほら。レーヴの誕生日も一緒に入れておいたから。これは、ママからの誕生日プレゼントです!』
花の咲いたような笑顔でこちらを見る母。
その笑顔に、レーヴは心底安心して。
「ありがとう、ママ。」
ぎゅぅっと、母を抱きしめた。
その日からは、本当に悪夢を見ることがなくなった。
毎日、夢を覚えている訳ではないけれど、目が覚めた時に幸せな心地になっていたのは本当だった。
それに、あの誕生日の日から、母の工房に入ることが許されて。
レーヴはより一層、命の時計を造ることへの熱意が増していったのだ。
………母が死んだあの日から、悪夢を見続けるようになるまでは。
☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆
目元に濃いクマを携えながら眠る自分を見ていた。
あの日から、ずっと悪夢を見続けている。
毎日、毎日、同じ夢を見続けるうちに、いつの日か深く眠ることをやめてしまった。
「………キシシ、この騒動が終わったら、今の俺はどうなるんだろうな?」
砕かれた命の時計は、木片が飛び散り、文字盤が割れ、中の歯車やバネが粉々になっている。唯一、この時計に使われていた金色の針は無残にも折れ曲がり、命を刻むことのできない形になっていた。
砕かれた時計の隙間から、裏蓋が見える。
突き立てられた剣によって、その内側に書かれた文字ごと真っ二つに割れていた。
「………ドリームキャッチャーも、遂に役目を終えたってわけか。」
『attrape-rêve』は母の願いだった。そして、レーヴの為を想って彫られたものだった。
母が死んだあの日から、命の時計を造ることをやめたあの日から。皆に名乗っていた名前の正体。
"トラスト"は、時計職人の名前だから。その夢を諦めたレーヴには、もう名乗る資格なんてなかったから。
せめて、母の願いだったこの言葉で、生きていこうと決めたのだ。
けれど、命の時計は作れなくても、誰かの為になる仕事がしたいと思った。
誰かの夢を運ぶために。
その足で、誰かと誰かの幸せを結ぶ為に。
貧しい人でも気兼ねなく、もちろん富んだ人でも気兼ねなく。誰かと想いを繋げるために。
アトラップ配達。
それが、その夢に共感してくれた友と一緒に立ち上げた会社だった。
──時は満ちた。
全ては選択された。
どの様な結末になったとしても。
……少しばかりの後悔は残っているけれど。
「………これで、いいんだ。」
ぽつりと、零せば。
砕けた時計の傍にしゃがみ込み、時の終焉を見守った。**
/☼ーーー数年後。ハンナが、結婚した。
純白のドレスが漆黒の髪によく映えて美しかった。あの日の彼女を、俺は2度と忘れないだろう。
見知らぬ男の隣で誰よりも美しく微笑む彼女を見て、帰宅後静かに涙した。今までどんな事があっても泣かなかった、泣く事を許されなかった男は初めてともいえる涙を流したのだ。
それでも、彼女を幸せにしてくれるのなら。彼女が幸せになれるのなら。俺は笑って見送ろう。
そう、思っていたのに。
あの男はハンナを殺したのだ。
浮気をして、それがバレて。問い詰めるハンナと言い争ったと、後からどんな手段を使っても吐かせた。
男は、この手で殺めた。家名が汚れるとか、この身が汚れるとか考えずにただひたすらに、あの男の亡骸すらこの世に残さぬ勢いで抹消した。
最後に残されたのは、心に大きく残る伽藍堂のみだった。
何をしても、どれ程時が経っても、ハンナは帰ってこなかった。
当然だ、死者は蘇らないのだから。☼/
/*
はっ!!!!これは!!!独り言で私の過去とブレイクさんの過去の話がごちゃ混ぜになってる予感がするぞ!!!!!!!だーーーー!!!って、灰色が入り乱れてる様子がみえる!!みえるぞ!!!!!
「あなたの選択は間違ってない。けどこれじゃあまりに悲しすぎる。だからもっと寒い。」
「最初に出会った街角、覚えてる?」
/*
ほんで、めっちゃ独り言誤字ってるし、カギ括弧の種類間違えてるしでしにそ〜〜〜〜〜!!
夢の中、じゃなくて、夢の後。
『……でもママ、』じゃなくて、「……でもママ、」です!!!!恥ずかしい>< 寝ぼけてるね>< でも更新まで起きてるつもりだよ!!!アタシャ!!!あと、独り言が100を切りそうだよ!!!
広場から去り、全てが終わるときを待つ。
終わりを待つのは全てが始まった場所だった。
一点透視で広がる屋台の並びとその先の城。
ここで、彼女に渡された新聞は閉じられた私の世界をこじあげる鍵だった。
アイリーン・クロッカーは新聞屋だった。
出会った時も別れた時も。
だけど、その別れに私は気づかなかった。
足跡を辿ることは出来なかった。
だった、だった、だった、だった。
全てが過去の話だ。
私が現在でサラが未来。そして彼女の時計はもう進まない。
死後の世界はない、彼女の魂はずっとあの時計に宿る。
そしてもちろんそれは、私の手元に、ない。
気づけなかった私に、それを持つ権利はない。
でも、悔しい、悲しい、辛い、そして羨ましい。
アイリーンはどこもいない。
この謝意は晴らすことなく、十字架として背負う。
この蒸気満ちる宴はやがて終焉を迎える。
/**/
@みんなへ
村エピだったら、シルヴィが眠らせた国民は目を覚まします。砕かれた人たちは一旦そのまま。
生者は生者、死者は死者同士で話しててください。小悪魔と蝙蝠も墓下のみんなと普通に話して大丈夫だけど、眠っていたはずの肉体は砂と化してます。あと、オズワルドも眠ったままです。
万が一狼が勝ってた場合は、生き残った狼陣営がマザー・クロックにお願いごとしといてね。
起きたら処理します🙏
/☼”愛していたんだ”。”この手で守りたかった”。
彼女の墓前で涙する日々。涙は止めどなく零れ落ちる。今までの分が、せき止められていたかのように。
そんな時、自分の背後から黒い霧のような、重厚な気配が身を覆う。男とも女ともとれない声が、脳内を震わせ、こちらに語りかけてくるのだ。
額に脂汗が浮かぶ。体温が指先から冷えていく。窒息にも似たそれに、人ならざる者がそばに居ると、初めての感触に怯えすくみ、戸惑う姿は紛れもない人であった。
『可哀想に、最愛の人を喪ったんだね。
ーーーその人と、会いたくはないか?』
それが地獄の始まりとは、あの時の俺は知りもしなかった。☼/
/**/
@追記
語弊のある言い方だった。村勝ちの場合、シルヴィが眠らせた国民は、エピローグが終わったら目を覚まします。
エピローグ中は、とりあえず一旦生存者しか起きてないていで。
使い魔 アベルは遅延メモを貼りました。
*☼*―――――*☼*―――――
サラの言葉が、ぐるぐると頭の中に回っていました。
サラはいつだって正しかったのです。リリアーヌにも、それは分かっていました。
友達としてのリリアーヌを忘れていてもなお、リリアーヌの時計を大事にしてくれていました。
この一週間で、素敵な人に沢山会いました。レーヴ、トッティ、……サラ。リリアーヌの、大切なお友達たち。
「わたしだって、」
「……わたしだって、お友達だって思ってたかった。サラ様みたいなお友達ができて、嬉しかった」
トッティの手を握って、リリアーヌはそっと呟きました。
*☼*―――――*☼*――――
*☼*―――――*☼*―――――
そしてリリアーヌは。
自分の頭上高くに下駄を振り上げたのでした。
*☼*―――――*☼*―――――
箱入り娘 ヘンリエッタは、死病診 エルス を能力(占う)の対象に選びました。
/☼俺はその言葉に頷いた。
悪魔は魂と引き換えに、ハンナを蘇らせた。
彼女はかつて見たあの頃のまま、眠るように固く閉ざされた瞼に蹲るように眠る。頬に触れれば冷たい。
いつまでも目を覚まさない彼女に焦りを覚え、悪魔に問えばーーー『死人が蘇るわけないだろ。それは、悪魔でも神でも不可能だ。』
『でも、たった1つだけ方法があるよ。
《マザークロック》の力を借りるんだ。あれは過去へと遡れる力がある。それで過去へと行き、殺される直前の彼女の魂を引き抜いて、今の彼女に入れれば……完成だ。』
『出来るね?ブレイク。
最愛の彼女は目の前だ。健闘を祈るよ。』
ーーーそうだ、俺は、この為に。
ハンナは置いていけないから、スーツケースに詰めた。
力なく抱えられた彼女をトランクへと下ろす。
それを絶望の表情で見下ろした。正気を失い、濁った緑翠の瞳は一体どこを見つめているのか。そして、彼女の頬に手を伸ばしてその冷たさに絶望する。 ☼/
/*
今回の村ほど、私とキャラの思いとか気持ちとか考えが乖離したのは初めてかもしれない………とても楽しかったし貴重な体験だった。
/*
本当はね、木製の時計にも金属中に使われてるんです。でも、今回はちょっとしたファンタジーも入ってるから。リアル要素は抜きにして、針以外は木製ってことにしました。許してね。
どこまでも続く暗闇の中。周囲の音も少なくなってきた。眠っているのだろうか。今の私には確かめるすべは無い。
結局のところ、私の人生に何の意味があったのだろう。他人との関係ですら、金で買おうと…いや、買っていたからだったのかもしれない。
所詮、買える関係性など簡単に崩れる。
誰も信じていなかった、信じているのは自分だけだった。
だから、何も持たなくなった私には誰も手を差し伸べてはくれなかったのだろう。
なのに、どうして生きたいなど思っていたのか。
ほんの少しだけ、救ってくれる何かを信じたくて。生きたい、と。
自分の存在を。
誰かに覚えていて欲しいと。
誰かの特別になりたかった。
今はただ、夜明けを待とう。
……ハンナ、愛している。愛しているんだ。
どうか、また俺に微笑んでくれ。
/☼魂の形どった空の心はかつての人の証。
悪魔はらしい振る舞いをする為のサポートをした。
小悪魔とやらの存在も、道すがら聞いた。
万全の体制の、筈だった。
呪殺され、砂になり、こんな事態になるまで俺は俺の過ちから目を背けていたんだ。
俺のかつての教え子ーーーサラはあんなにも立派に責務を果たしたのに。
守りたかった人ーーーヘンリエッタは気丈にも皆を支えきったのに。
自分が殺めた人と、かつての友人達に申し訳が付かないと、その場で膝から崩れ落ちた。
時は、秒針は、残酷にも進んでゆく。☼/
箱入り娘 ヘンリエッタは、代弁者 ルーツ を能力(占う)の対象に選びました。
戦いの終わりを見届けながら、
リーンは最後に、残してしまった友人のことを思い出した。
「ルーちゃん、」
リーンの命の時計を砕く決断をした彼女が、その友が既に乗っ取られていたと知り。
きっと、その裏側には、自分にははかり知れない程の、葛藤に、逡巡に、あっただろうに。
それを受け止めることが出来ない、歯痒さに。もっと早く。もっときちんと向かい合うべきだったと。後悔ばかりが積もっていく。
正しく、終わったその後に。
果たして、この国に反旗を翻した自分のこれからはどうなるのか。そんなことなどは知る術もなく。
箱入り娘 ヘンリエッタは、死病診 エルス を能力(占う)の対象に選びました。
>>レーヴ
リーンは、配達人の、レーヴの元へと駆け寄った。
手紙を書くことは、実態を持たない自分には叶わなかったが。正しくこの国の人間として生きてきた彼なら或いは、伝えられるのではないかと一縷の望みを胸に。
彼女に向けての、言伝を頼んだ。
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ルーちゃんへ
ルーちゃん、大好きだよ。もしまた会えるなら、きっと、今度こそ、私から貴方を抱き締めるから。もし、会えなかったとしても。
ルーちゃんなら、一緒に泣いて一緒に笑って、自分自身と向き合おうと、正しく時を刻もうとしたリンちゃんなら、また、新たな友人と出会えると信じているよ。
たくさんごめんね、たくさんありがとう。
願わくば、また会えることを。
アイリーン・クロッカー
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