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>>259セレナ
サラにとって。親愛の、額へのキスをした後に。
「セレナ。私、貴女の事をわすれな」
言い切る前に。抱き締められて。
もしかしたら、避ける事だって出来ただろうけど。
サラは、セレナからの口づけを受けた。
「ふっ、ん」
身体が抱き締められて、痛い。痛くて、熱い。
離された唇から、唾液が繋がる
「……私も。セレナの事が大好きよ
でも。駄目よ。こんなことは」
そっと。ただただ優しく。
ほとんど力は無くとも、身体を、押し退けようとしただろう
「……ねぇセレナ。砕けた、貴女の時計は。
私が持っていても、良いかしら」
離して貰えずとも、言っただろう
手を離す。
消毒液は染みたが、朝にはきっと大丈夫になっているだろう。
「エルス先生、ありがとう。
明日もまたごきげんよう、とお話できますように。
……あとひとつだけわがままにお付き合いくださいな。
おやすみなさいとお顔を見て言いたいの。
マスクを取ってくださいますか。」
>>253 オブゼビオ
「えっあ、だって……!」
柄にもなく緊張していたのを指摘され、ぱっと顔が熱るのを感じる。
眉を下げて苦く笑う、それでも幾らか柔らかくなった気がする彼の表情を見る頃には、その緊張は解れていただろう。
「…………私に、ですか…………?」
何か、大事な決断をするときのような、ゆっくりと息を吐き出す彼を目を細めて見つめていれば、続く言葉にリーンの声が一瞬固まる。
本を、託す。
それは、彼が先祖代々途切れることなく受け継いできた、観測者としての。それこそ、命の時計と等しく彼らの命であるようなもの。
それを、他人である私に託すと、彼は確かにそう言っていて。
何かを決意した音がして、リーンのスカーレットの瞳が揺れる。
「そんな、そんなこと……………」
受け取るのが嫌だとか、決してそんな次元ではなく。かなしい覚悟に、リーンは言葉を詰まらせた。
>>251 リリアーヌ
イイ音だろ…………この音聞くと、落ち着く。
(金属を加工する時特有の音を褒められ、少し笑みが漏れる。それはマスクの中のことだから、リリアーヌにはわかることは無いだろうが。
それ以外は、黙々と作業を続けた。夜もかなり更けた頃、簡単な修理と、穴の一つにアクアマリンを嵌める作業は終わった。城の明かりに向けて手を伸ばし、光を反射するアクアマリンと、金色の時計の残骸を見た。片目をつぶったり、目を細めたり。)
…………終わった。はい。じゃ、またリリアーヌが持ってて。せっかく加護を受けた時計職人がいるからな……、うん。聞いてみるのはいいと思う。
(傍で見ていたリリアーヌのゴーグルを外す。小さな手に、トッティの時計を乗せた。)
「……無い!!!!」
広場の中央で無いと叫ぶ。
「まったくもって材料が足りん!」
ここ数日、あれやこれやと作ったり直したりしていたら、工房から持ち出した資材が底をつき始めていた。
「誰も見ていなかったとはいえ、カッコつけて工房を出た手前何となくのこのこ取りに帰る気にはなれんぞ。
しかしなあ…今朝拾ったエルス医師のメモやらルーツ嬢と約束したあれも作りたい…。」
テルミットは眠らない。
「……ここ、王城だな。色々すごい機巧やらなにやらがあるのでは…?お抱えの職人どもの工房とかがあるのでは…?……くく、運が向いてきた。なに、有事だ、罪には問われまい!!すわ急げ!時計の針は待ってはくれんぞ!」
テルミットは眠らない。その時が来るまでは。
なだらかな撫で肩、均衡の取れた手足。同じひとの姿でありながら、彼女はまるで神様が拵えた人形のような、端正な見目をしていました。
豊かな木々、咲き誇る花の中で。初めて彼女と出会った時、王子は一目見てその少女に心を奪われました。
少女は隣国の人間たちをよくは思っていません。しかし、だからと言って争いたいわけではありませんでした。
彼女は、迷い込んできた王子から妖精の森での記憶を奪ったあと、国へと帰してやります。
──しかし、彼女の思惑とは裏腹に、彼は本国へ帰ってから数日と経たずに、再び妖精の国へと足を踏み入れたのでした。
この場所で、なにかかけがえのないものを見つけたような気がするのだと。少女の姿を再びその目に映した王子は、その“なにか”が彼女であると確信します。
愚かなことに二度もこの地に無防備に踏み込んだ王子に、最初は呆れと戸惑いを抱いていましたが、次第に少女も異国の王子に興味を持ち始めました。
>>267 ダズリー
耳でその作業を楽しんでいれば、それは思いのほかあっという間に終わってしまいました。
水色の淡い光が、作業机に落ちてきらりと輝きます。
「わあ……、きっと、トッティ喜んでるね!」
なんて。時をとめた人がどうなるのかはわかりません。しかし、だからこそそんな幸せな想像ができるのでした。リリアーヌの脳裏に、ぴょんぴょん飛び跳ねる赤毛の少女が浮かびます。
「うん! 聞いてみる。完全には直らなくても……すこしでも元に戻ったらいいな。
ダズリーさん、ありがとうございました」
リリアーヌはぺこりと頭を下げて、その場をあとにしました。
>>+48 ブレイク
目の前で電池が切れたように動かなくなる。悪魔の力とは厄介なものだ、と小さくため息をつく。
「人の身体をなんだと思っているんだか…」
見るも無残な姿になった目玉を眺めながらぼやく。相変わらず、空洞の奥は焼けるように痛む。
不幸にも医学の心得は無い。生きているなら感染症やら何やらに怯えるところだが、幸いにも死んでいる。そもそも、生きていればこれ程冷静ではいられなかっただろう。
血を拭い、適当な布を巻き付けておく。視界は多少ぼやける上に狭まったが時期に慣れる、と思いたい。
それにしても、一体何を願って悪魔に心臓を売り渡したのだろうか。
+49 グレゴリオ
「イイ目だ。私を見て、何かあるのではと駆け引きしているモノの目だ。
ふふふ、唯のコレクターで何か不都合でも?
君たちはこの、時計と魔女の籠を受けたものだ。このような事は層々おこりえん。
人を買うだけでは…どうしても情が映るだろう。しかし同大?これらに情が移ろうと背景を知らねば価値はつかない。
だからこそ今なのだよ。その全てに価値がある。
あの少女たちを愛でることも含めてな。
そう、やはり結局のところ、不気味なドアンには変わりがなさそうだったのだ。
>>260>>261 ルーツ
変わらず夜空を見上げながら、ルーツの昔話をリーンは静かに聞いていた。
星は、相変わらずその姿を見せたりはしない。
言葉と、運命の歯車が少しだけズレてしまったが故に起きてしまった、かなしい、彼女の真実の話。彼女が自身で言葉を伝えることをやめた、ルーツの心の奥底の、根幹に関わる話。
信じたい、信じきれない、そう言って涙を流す彼女に、リーンはただただ抱きしめられるた。
泣いているのは向こうなのに、何故だか自分の頬にも、涙が後を伝っていた。
視界の端で、彼女の分身が転がったのが見える。
『あなたのことを信じたい。』まっすぐ過ぎるその言葉は、初めて聞いた、ルーツ自身の言葉。
私は、この言葉に、応えたい。
応えたくて、抱きしめたくて、………それなのに、気持ちとは裏腹に言葉は詰まり、
嗚咽を漏らしながら、ごめんねと力なく呟いた。
布の上から右目に触れれば、確かに無い事が分かる。痛みや違和感は時間とともにマシになった気もする。慣れたのかもしれない。
しかし、それなりの出血があったせいか、身体が重くぼんやりする。
ブレイクは移動させようかとも思ったが、そこまでする気力が無くてやめた。最低限の優しさで毛布ぐらいはかけておいたが。明日の朝、身体が痛もうが知ったことか。
毛布に包まり、壁にもたれかかるように座る。指先が凍えるように冷たいが、これも時期に慣れるのだろう。
残る左目を閉じれば、あの子の独り言が聞こえる。私はそのまま眠りについた。
急に視界が遮られた。
思ったよりこのマスクの中からはちゃんと見えるらしい。
エルスが笑っているのがハッキリ見えた。
薬と消毒液の匂いに混じって、コーヒーの香りがほんのりした。
きっと今の自分はアンバランスな見た目だろう。
「がおー!!」
怪獣のようなポーズを取ってみる。
次第に、マスクの中で涙が流れるのを感じた。
手を力なく下ろして、その場にうつむきながら
>>269 エルス先生
「ほんとは……いっぱいイヤなことがあるの。でも我慢してるの。
それからお母さまに会いたい、ジャンにまた追いかけまわされたいの。
またできるよね?
おじさまやルクレースの時計は直るよね?」
言ってもしょうがないことを言ってしまった。
エルスだってわからないだろうに。
最後の方はしゃくり上げてちゃんとした言葉にならなかったかもしれない。
「がんばったら、何とかできるよね?」
ひとしきり泣いたら落ち着いた。
ああそうか、心を守るとはこういうこと。
でも誰かに受け止めてもらえると思えないと泣けないなぁ、と思った。
誰かがヘンリエッタになら、と泣いてくれるようになれたらいいなぁ、とも思った。
先生は誰の前でなら泣けるのかしら。
マスクを外したら赤い目と鼻をした12歳の顔が見えただろう。
でも、エルスの顔はとても優しかった。
「先生ありがとう。おやすみなさい。
私また頑張るね。
マスクはお返しします。
でもやっぱりマスクを外したお顔も素敵よ?」
エルスには父親にするように、おやすみのキスを頬にして部屋を出て行った。
1つ目、「何故昨日時計職人ではないと嘘をついたか」。いや職業としては嘘ではないが……コレは詭弁だな。続けよう。
答えは【オレに因縁というものがついている】からだ。
因縁の相手が眷属や悪魔であれば良いが、もし違えばオレが砕かれるだけで2人分の損失だ。
話す時は選ばねばならないと思っていた。
2つ目、「では何故今このタイミングでそれを話したのか」。
これに関しては……ああ、【今朝方、酷い夢を見た】からだ。
普段であれば夢など気にもしないものだがな。内容が内容だった。
[サラに首元が見えるように多少顔を上げる]
サラ嬢、オレの首に何か付いているのが分かるか?
……何も無いように見えるだろうが、オレには蛍光色に光る鎖が巻き付いているのが分かる。
そしてコレがもう1人の人間と繋がっていること、その人間の名前を、オレは何故か直感している。
夢の中で、オレ達はこの鎖を引きちぎられた。顔の見えない誰かによって。
互いに首が締まり、鎖と同時に時計が砕け、そして視界が暗転し目が覚めた。
そうして起き上がると枕元に見知らぬ靴が一足、落ちていた。
夢に影響されるなど馬鹿らしいと思うか。しかしオレは、今日、伝えなければいけないと感じた。それもなるべく人に聞かれぬような時間にだ。
それでも誰が聞いているか定かではない。因縁の相手はサラ嬢が聞いておきたいのであれば告げよう。
アーネストは発言から察するに憑狼が最も有り得る。勿論他の狼の可能性もあるがな。
グレゴリオだが、恐らくアーネストを本物の時計職人だと思ったのではないかと考えている。であれば眷属の所在を知っている狂信者では無い。アーネストを占っていない、かつ本物ごと巻き込んで砕かれる狙いの辻占だ。
昨日までは夢見たがりの可能性も見ていたが、今朝のオレがこの有様だ。
[昨日、ルクレースが靴を投げられたと発言する前からグレゴリオはそのことを知っていた。思い出し溜息をつく]
最後にレーヴだが、オレはコレを智狼>呪狼だと考えている。昨日にも言ったが、決め打ち狙いで博打を打ったと。
レーヴが夢見たがりであれば、今日は靴を投げずにグレゴリオを本物の夢見たがりだと思わせれば良い。わざわざ靴を投げ、まだ夢見たがりの時が止まっていないことを知らせてしまうのは違和感がある。
以上のことを踏まえて、潜伏の場に残っているこの国の背信者は、呪狼、狂信者、夢見たがりであると考えている。ヘンリエッタが狂人ならば賢者はブレイクで、悪魔がまだいる可能性はある。もしかするとグレゴリオが辻占では無く悪魔かもしれん。
[セレナとの会話で多少考えは改めたが、未だにルクレースが本物である説が有力だと思っていた。それを前提に話している。
一通り話し終え息をついた]
なるべく他人に聞かれんように努めた筈だが。もし明朝になってオレともう1人が砕かれていたら、サラ嬢はこのことを皆に伝えてくれ。
砕かれていなかった時の判断は任せる。サラ嬢の短針と相談して決めてくれ。
夜遅くまで悪かったな。
[もしサラに何かしら引き留める様子がなければ、エルスは部屋を出て自宅へと戻っていっただろう]
仲の悪い両国の住人が交流をすることはありません。
もしもそのことが王に知れたら、王子はただでは済まされないでしょう。
だから王子たちはこっそりと、二人だけの時間を過ごすようになりました。
二人しか知らない秘密の語らいは、王子にとっても少女にとっても、特別でかけがえのないものになりました。
王子は自分が棲む国の話を語って聞かせます。人間の国では戦争が絶えないこと。みな強欲で、自分のことばかり考えていること。
けれど、悪いことばかりではないことも少女に教えました。
城から見上げる夜空は美しく、星々が手が届きそうなほど近くで煌めいていること。人間が生み出した音楽や絵は、とても素晴らしいこと。
少女もまた、妖精の国の話を王子に語ります。
森は豊かであたたかく、様々な種族が支え合って成り立っていること。
住人たちは仲が良く、自然豊かなこの国でみな手と手を取り合って幸せに暮らしていたこと。
>>272 アイリーン
かけ違ったボタンが漸く出会う。
2人は寒空の元抱き合った。
伝わる温度はアイリーンのもの、伝える温度はルーツのもの。
溢れる涙の上にのさばる本音、2人は謝罪だけを重ねる。
言葉が枯れていく、この季節だけが覚えている。
不信は絶対に埋まらない溝になる、と。
あの時、冬の桜は散っていた。
そのズレは視界にまで及んだ。彼女の表面張力が夜を保つことを拒む。
意味は無い、意味は無いけど、意味は無いとしても。
抱き合った先、もう1度、私はリーンの頬に手を伸ばす。
彼女の瞳から零れるそれは、確かに"星"だった。
「リンちゃん、私の星はここにあったよ。」
涙をなぞり、ぐしゃぐしゃの顔で笑う。
落ちたチクタクを抱え、私は背中越しに「さよなら」を告げた。
赤いカーディガンは彼女を暖める残る私の忘れ物。
いつしか王子に心を開いていた彼女は、自身が時を司る魔女であることも教えてくれました。
神様から《マザー・クロック》という神秘の時計を託され、彼女はこの世界が正しく時を刻み続けるように、それを守っているのだと。
そうして二人は互いの時を重ねて、やがて愛し合うようになります。
王子は、生まれた初めて得た愛に心から幸福を感じていました。彼女さえそばにいてくれれば、二人の間に芽生えた愛が認められれば。
歪みあっていた両国の架け橋になれるのではないかとさえ、思ったのです。
そうして王子は、ある寒い日の夜。
彼女が誕生した日に、永遠の愛を誓おうと真実の愛のキスを贈るのでした。
>>288サラ
恐らくだが、夢見たがりは時計職人を騙る気でいたのではないかと考えている。それがアーネストとグレゴリオの回避により、出るタイミングを失った。3人目の時計職人ともなれば、本物と見られ残されやすい。それを恐れて出られなくなった。
その内にレーヴが出てきた。
これ以降は完全な想像になるが、「引っ込みが付かなくなった」のではないかと思う。状況に困惑し、取り敢えず黙った。
故に……夢見たがりは、臆病な性格の可能性があるのでは。というのは今考えたことだが。
[適当に該当しそうな人物を挙げるならばアイリーンやルーツがあるだろうか。多少考え、サラに話した]
──今宵の全ての出来事が終わったあとのこと。
空を黒い煙が覆う。柔く吹いた風は、その黒を押し退けることはなく、ただレーヴのピアスを揺らすだけだった。
広場を見下ろせる屋根の上。まだ、まばらにそこにいる人々を見ながら空を見た。
ふと、時計台に人影が見えたような気がしたが(>>231)、気の所為だっただろうか。
「あんなとこにいるのは、魔女様くらい、か。」
視線を時計台から外し、ふと、昨日の出来事を思い出す。
あの魔女が現れた時。いや、現れなかったとしたら。魔女への少女の問いが、もし自分に向けられていたら。
自分は少女に、どのように答えていたのだろうか。
お星様になってお空の上にいる。
花畑がある綺麗な場所で少女が幸せに生きることを願ってくれている。
今でもきっと傍にいて、少女を見守ってくれている。………とでも言っていただろうか。
どれも在り来りで、耳障りの良い幻想だ。幼い頃に一番嫌っていたその言葉を、今度は自分が口にしていたかもしれないと思うと、嫌でもあの時の大人達のようになってしまったのだと実感する。
好きだった母は目覚めず、燃やされたその身体は小さな壺に入れられて墓の下に埋められた。冷たくて暗い、墓の下。レーヴの目の前で砕けた時計と共に、ずっとそこから出られることはない。
『仮にお嬢さんは、大切な人が亡くなり、その行き先がわかったら、さあどうする?』
あの場で聞いた魔女の言葉が再生される。憂いを帯びたような眼でこちらを見て、そう少女に問うていた。
「………口では綺麗事を言ってても、所詮、俺もワガママなガキってことだな。」
そんなもの、追いかけたいに決まってる。その先に、大切な人が待っているのなら、待ってくれているのなら、もう一度会えるのなら。
何がなんでも追いかけて、手を伸ばして、今度こそ──
「…………………………っ、」
ズキリと胸が痛む。ぐらりと視界が揺れる。
呼吸が苦しくなる。息が乱れる。汗が滲む。
チカチカと、蓋をしていたはずの記憶が、映像が、甦る。
白い部屋で、手を繋いで、扉を開けて、声が聞こえて、叫んで、走って、駆けて、駆けて、駆けて、手を、伸ばして。
兄の声、砕ける時計の音、間に合わない手、
折れた歯車、切れたゼンマイ、割れた文字盤、折れた針、最期に見た母の顔。
ズキリ、ズキリ、ズキリ、ズキリ、
胸が痛い、頭が痛い、目が痛い、喉が痛い、
全てを、あの日見た全てを、消す、消す、消す、消し去る。
ノイズが走る。プツリと、電源が切れたように突如映像が黒く塗りつぶされた。
荒い呼吸を繰り返す。内に、正常の呼吸に戻ってくる。汗が頬を伝い、落ちる。カタカタと小さく震える手は、力強く握ることで震えを止めた。
「…………ハハ、ハ。疲れてんだな。」
ふらりと立ち上がる。瞬間、強く風が吹いく。よろめいた足が屋根を踏み外し、ふわりと落下する。まるでスローモーションのように、時がゆっくりと進むように、落ちていく。
落ちゆく視界は空を捉え、風に吹かれた黒い煙が形を変える。一瞬空いた隙間から、キラリと光る何かが見えた。
「ぁ…………」
視界の端に映った樋。咄嗟にそれに手をかければ、重量が急に戻ってくる。時が戻ってくる。
ブラン、と揺れた身体は宙に浮いたまま。何とか身体が地面へ打ち付けられるのを回避した。
「あっぶねぇ……………」
そう零せば、そのまま下屋に飛び移り、地面へと着地する。
どうやら今日は屋根を駆けるのは避けた方が良さそうだ。未だにバクバクとうるさい心臓を抱えながらローラースニーカーを転がして、レーヴは夜の闇へと消えていった。*
……今日はもう、私たちも眠りましょう。
ブレイクさんも……もう、大丈夫みたいだから。
[そうしてルクレースはその場に座り込んだ。
結局アーネストには会えなかったな、と。
寂しく思いながら伏せ、目を閉じた。]
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