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>>306 ルーツ
程なくして、りんご飴を齧りながら新聞を配り終えたリーンはルーツの元へと戻ってくる。
「ただいまルーちゃん!りんご飴はどうなったかな?」
そう言って覗き込みながら、置いていった人形の頭も撫でる。
「これから、王様の話があるみたい。ね、聞きに行こう?」
そうして国王の元へと着いたリーンは、人形を小箱の上へとセットし、蓄音器のボタンを押す。
歯車が回り出しながら、それは一音一句逃さずに、国王の言葉を録音していくだろう。
昨晩の0時付近に、国中の時計の針が狂ったという報告を受けている。
王城には常に人がいた。我が国の兵たちは《マザー・クロック》の護衛として、ホール内も外もずっと見張っていた。
しかし、盗まれた。
しかも、兵士たちは揃って言うのだ。《マザー・クロック》はずっとあの台座にあったと。
そして、国中の時計が狂い始めたあの時。あの瞬間。忽然とその場から姿を消した、と。
まるで、初めからなかったかのように。
ともすれば、魔法のように。
>>348 ジュラム
怪しい口調で自己紹介をする目の前の男。そんな彼に握らされた処方箋には店の場所が書かれていた。
街の住所ならだいたい頭の中に入っている。路地裏ならレーヴの得意とする所。適当な場所にアタリをつければ、あそこかとひとつ納得した。
「………その店の前なら通ったことがある。そこの店主だったか。悪ぃな、疑っちまって。
俺は、アトラップ配達のレーヴ。こちらこそ、ご縁があればどうぞご贔屓に。」
そう言って、軽く微笑んでみせれば、男がヒラヒラと掲げる封筒を見て眉をひそめた。
「知ってるも何も、城からの伝令だろう。さっき俺の頭に伝書鳩が止まって同じものを届けに来た。」
自身に届けられた封筒を見て、そう言うと、城の方へ視線を移した。
「……嫌な予感ってのは、どうしてこうも当たるもんなのかね。ほんと、嫌になっちまう。」
ポツリ、小さくそう零して。
油をさしたり燃料や水を継ぎ足したりしていれば、王の姿が広場にあった。
「…おや、国王陛下のお出ましか。」
テルミットら作業の手を止めると手早く片付け、居住まいを正した。
次いで王から発せられた言葉に、テルミットは驚愕することになる。
「…《マザー・クロック》様が盗まれた……!!??」
強い眩暈のようなものを感じる。
遠ざかる意識を無理やり掴まえ引っ張り戻した。
[人だかりの中、広場で陛下の話を聞いた。
「時計が盗まれた」しかもあの《マザー・クロック》が。
多くの警備兵が護っていた中でそんな所業が可能なのか。
しかしこうして陛下が国民を集めたという事実からして、ただの謝罪会見などでは無いだろう。耳を澄ましてその御声を待った]
>>342 ブレイク
「…………りんご飴。お祭りの間に、私が危なそうな時だけこのりんご飴でおじさまを雇おうかな……」
ひときわ立派なりんご飴を差し出し、ブレイクはじめ、サロンに残っていた人たちを伴って広場に王の話を聞きにヘンリエッタも向かっただろう。
金の歯車のマザークロックは、遠目からでも目を惹きました。きっと、綺麗だから欲しくなってしまったのだ、とリリアーヌは思います。……だけど、マザークロックはこの国の命。持って行ってしまっては困ります。
少し時間が経って、ようやく自体が飲み込めてきたリリアーヌは、不安そうに当たりを見回しました。誰かに、大丈夫と言って欲しくなってしまったのです。
>>362 国王
グレゴリオは品の良い男──国王であろう人間の言葉に耳を傾ける。
魔法のように忽然と消えたのだという。空を舞っていた魔物のこともある。何が起きても驚きはしない……とは言えないが、ある程度受け入れられる。
とはいえだ。
わざわざ集めてなんの話しをするというのだろう。権力も武力も財力もない私たちに何かを期待しているのだろうか?
腹が膨れない話など、どうにも時間の無駄だとは思う。いつもの橋下に帰って釣り糸を垂らしていた方が何倍も有益だ。
そうは思ったが後で謂れのない疑いをかけられるのも困るので、私はもう少し話を聞くことにした。
「…………盗まれた、ですって?
随分と杜撰な警備だったのね、あれほど大切なものをみすみす奪われるなんて。
尤も、あれを盗もうとするほうも理解に苦しむけれど。」
[前ににじり出たブレイクに視線を向け、私は淡々と事実を話す]
ああ、そうだ。厳重に警備がされていたにも関わらず、《マザー・クロック》がなくなった。
普通では絶対に有り得ないことだ。
あの警備の目を掻い潜って一瞬にしてあれを盗むなど、“普通の人間には絶対に不可能なこと”だ。
しかし、安心してくれ。
いざと言う時のために、《マザー・クロック》には保険がかけてある。
まず、《マザー・クロック》が持ち出された時、この城下町には結界が張られる。
あるべき場所にあれが戻されない限り、何人足りとも通ることは許されない。
自分は、きちんと隠し通せているだろうか。きちんと、正常なふりをできているだろうか。きちんと、『アーネスト・ジョエル』で居られているだろうか。
マザークロックを、本当に盗んでしまったのだ。そして国王も、それに気づいている。失敗は許されない。
そして事態は最悪の展開を迎える。
母なる時計の消失。国の象徴の盗難。
前代未聞、未曾有の大事件。
そして辺りを囲う環境の全てに合点がいく。
この力はきっと。
「サラ、私たち、きっと助けて、って頼まれたんだ。
国民か、王様か、マザークロックか、誰かなんてわからないけど、誰かが取り返してって泣いてる。
この有り得ない力もその為なんだ。」
>>サラ
「サラさん……!」
リリアーヌは不安な気持ちをかかえたまま、サラの元に走り寄りました。
「あの、あのね、…………大丈夫、だよね?」
リリアーヌに難しい話はわかりません。分からないまま、漠然とした心細さをどうにかしようと泣きそうな顔をしました。
外側から入ることも……内側から出ることも、な。
つまりこの街の中にはまさに今、国宝を盗んだ者が潜んでいるということだ。
不便をかけるが、事は重大だ。事態が収束するまでは城下町にいる者たちは全員、ここから出られないと思ってくれ。
[一度そこで言葉を切ると、私は再び国民たちに視線を配る。
事態に不安を抱く者。信じられないと驚愕を浮かべる者。王族への不信感を向ける者。様々な視線が、今集まっている]
そして、二つ目の保険は。
《マザー・クロック》があるべき場所から持ち出された時、一部の国民たちに加護が授けられる。
選出の基準は、俺の知り及ぶところではないが。
恐らくは、《マザー・クロック》と親和性の高い“命の時計”の持ち主が選ばれているのだろう。
「マザー・クロックが…盗まれた……」
とてもではないが信じられないその言葉に、アイリーンはただただ小さく呟く。
私たちの、命の源。
ぎゅうと、腰に垂らされた命の時計を握りしめながら、事の大きさに、慌てることすらも出来ずにただそこに立ち尽くしていた。
/*ここまで強さを誇示してきたサラが、ぼっこぼこにされたりしたら面白いだろうしぼくはその展開は好きだよ。
辛いけど*/
>>356 >>357 ブレイク
[――時は少し、遡る。
心優しいブレイクの話を聞きながら、ルクレースは、目の前が晴れていくような、そんな感覚を覚えた。
手紙。手紙を、毎日。
サーカスの手紙を受け取ってくれたときのことを思い出す。グレゴリオは、サーカスの魅力を十分に理解してくれたように見えた。
あの時のように、自分の気持ち、考えを、手紙に書き続ければ良いのだろうか。
……押しつけがましいかな、なんて。そんな考えも頭をよぎる。しかし。グレゴリオが諦めたような表情を浮かべていたのを思い出した。あんな表情をさせたままには、したくなかった。
何故自分がそう感じたのかはわからない。しかし、そう、強く思ったのだ。]
……ブレイクさん。
ありがとう、ございます。
自分がどうすべきか、どうしたいのか。
……なんだか、見えてきた気がしました。
[ルクレースはそう言って頭を下げると、その場を後にするだろう。また明日、グレゴリオに手紙を書こう。そう思いながら。]
加護を授かった者たちは、既にそれに気付いているはずだ。
俺がお前たちを呼び出した理由はそれだ。
お前たちのその力こそが、《マザー・クロック》を──いや、この時計の国を救う。
《マザー・クロック》を盗んだ愚かな者たちを見つけ出して欲しい。
[少女は服の中にしまっていた命の時計を引っ張り出して、じいっと見つめる]
「お母さんは、子どもとずっといっしょにいてほしい。のに。な」
マザー・クロックを盗み出した愚かなもの…
それは、この国のことではないの…?
アイリーンの瞳が揺れる。
最初に盗み出したのは、たしかにこの国であることを、アイリーンは知ってしまったのだ
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