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エンフェルケスーカの渡り人 ナジは魔王 ケテルに投票を委任しています。
魔王 ケテル は 魔剣士 フリッツ に投票した。
エンフェルケスーカの渡り人 ナジ は 魔剣士 フリッツ に投票した。
戦士 アルシェス は 魔剣士 フリッツ に投票した。
魔剣士 フリッツ は 竜の子 ダリア に投票した。
竜の子 ダリア は 魔剣士 フリッツ に投票した。
魔剣士 フリッツ に 4人が投票した。
竜の子 ダリア に 1人が投票した。
魔剣士 フリッツ は村人達の手により処刑された。
戦士 アルシェス は、魔王 ケテル を守っている。
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか。
現在の生存者は、魔王 ケテル、エンフェルケスーカの渡り人 ナジ、戦士 アルシェス、竜の子 ダリア の 4 名。
魔王 ケテルは、竜の子 ダリア を能力(襲う)の対象に選びました。
/*
工房回収→魔軍兵士
普通に死んだ魔以外の生命→魔樹からの魔転生
なのだがなあ。魔物以外でも魔に属しているなら魔人転生も出来るのだが……。墓用に色々話せる別メモが欲しい。
── 神樹 ──
[「癒しの葉」が使われた頃、小人は神樹の枝に腰掛けていた。人間達が歩んでいるであろう方面を見ながら。
小人は、>>7:116すごいんだね、という言葉に無邪気に喜んだけれども。すぐに引き返したくなったあの地を、人間達は進んでいるかと思うと、神樹にすがるような瞳を向け、その幹に頭を擦り寄せていた。
「癒しの葉」が使われれば、びくりと頭をあげて、使われた事を感じ。もう一枚葉を生やそうと試みたが、木は応えてくれなかった。
葉を生やし、遠い地を歩き、小人の魔力はすっからかんになっていたのだ。
木々を渡り歩き蜜を吸おうにも、その体力も無い状態だった。]
── 神樹 ──
[そうして、どれ程の時が経ったのか。
女神は、小人と再び出逢っていた。]
どうしましたか?
彼らの事が気になりますか。
[女神は問いかける。
そうして幾つかの別の話をしたろう。
この地の、他の状況を。もしも、他の地廻りたいと望むなら、もう一度送り出す事はあるかもしれないけれど。
その時は、神樹の地に在る木のどんぐりをお守りに持ってか。留まる事は出来ても、地に触れる事無く、風の乗った旅をしたろうか。**]
― 魔王城・玉座の間 ―
魔王様、最期の一人も城前に着いたようです
[フリッツを下し、扉の向こうから現れたダリアを視界に入れることなくエンフェルケスーカの渡り人は魔王に進言していた]
何やら面白い武器を持っているようですが、
……放っておきますか?
[フリッツが此処まで無事にたどり着けたのは"ナジ"の施した術の影響もあるだろう。
ダリアが扉の前にたどり着けたのはそれこそ魔神の手引きだろう。
では、今光の剣を持つアルシェスはどうだろうか。
霧化した毒の水に犯され城門から玉座の間まで一人で踏破しなくてはならない。
それこそかつての"勇者"たちが行ってきたように、だ。
アルシェスはたどり着けるだろうか。
誰も仲間がいない、一人ぼっちの状態で**]
[濃密な魔の気配。
凝縮された死の呪い。
魔神の影響が薄れた今、魔の地の最奥は容赦なく少女の命を削る。
ざらりと。左腕が白い砂と変じ。
半顔もまた、風に吹きかけられたように形状を失った。
――それでも、すべてが消えて散らなかったのは、枯れた実を口にした影響によるもの。この瞬間にもじりじりと命が死の呪縛に削られ続け、あと一息魔の力が強まれば、忽ちに霧散してしまうだろう。]
/*まことに申し訳ございません…。
とりあえず墓下追いたいけど、仕事…。
溜息しか出てこない。
本当に申し訳ないです…。
― 魔王城 ―
[紅いローブを纏い、フードで目深く表情は隠れ。
覗く口許に感情の色は無くその皮膚は肌色。
背丈から推し量るに、十二、三歳程度の体格を持つ。
地上へと降り立った人の形をしたその生き物は、
切り立った崖の麓から魔王城を見上げる]
[呪の視線。
魔の視線。
――黒ずんだ滲みのような、致死のそれが向けられれば、今度は胴の半分が砂となることになったか。
少女は、堪えるように目を瞑った後。]
……あなたが、まおうさん?
[絞り出すように、問いかけた。*]
/*
>>アイン エステル
咳のし過ぎで骨に罅が入った状態でRPを完遂したり。
C国編成推理村で、先にCOした共有相方がまとめ役を放棄して突然死寸前&真占が3日目に「PC使えなくなった」宣言でゲーム放棄して突然死。私はインフルで高熱状態でまとめ役就任なんて経験も。
初めてのバファ▼がRP村入村中、謎の出血で深夜3時に救急車で搬送された後という経験が……。
リアルを代償にしても等価交換となるかどうかはわからない。
リアル大事に。
― 魔王城・玉座の間 ―
畏まりました
それでは魔王様は此方でゆるりとお待ちください
[魔王の言葉を受け"ナジ"は首を垂れ一礼をした。
其れは魔王自ら戯れる相手でもないということだろうか。
其れならば"ナジ"は自らの手で始末しようと思うのだ。
頭を上げれば>>10程よく溶けた少女へと視線を向け、
目を細めて見やる。
在れに殺意はないようだった。
では何故、どうして訪れたのか。
勇者候補ではないようなそんな気配しかない者を、
物珍し気に眺めるとやがて背後の空間にエンフェルケスーカへと続く亀裂を生み出し、
その中へと落ちていった]
[視覚からねじ込まれる嫌悪の感情。
喉元までせりあがった正体のない何かを、ひとつ飲み干す。
荒れる呼吸。跳ね上がる鼓動。
――深呼吸をすれば、また命は少し削れて。]
あの、
……わたし、あなたとお話がしたくて
ここまで、来たの
[遠慮がちに。窺うように。
感情の知れない彼の顔を、じっと見て。*]
……いい、ですか?
― 魔王城・央の間 ―
[魔王城を真面目に攻略しようとすれば通らなくてはならない部屋が五つ存在する。
その部屋にはかつて主が存在していた。
四天王と呼ばれた魔将たちはそれぞれ東・西・南・北、
そして央の間を守護していた。
部屋は五つあり守護する魔将は五体居た記憶があるが
"四天王"だ。
彼らを倒さねば奥に進むことはできない。
道中出向いてきて倒した者も居たかもしれないが
今、"ナジ"が居るのはその内の一つの部屋であった。
その部屋は岩盤の中をくり貫き綺麗な半球の形をした部屋であった。
その中央で、アルシェスが訪れるのを待ち続けようか*]
/*
そういえば、憤怒の間、なんてあったよね……。
>五体居た記憶があるが
"四天王"だ。
…VIPRPGの魔王軍かな!? 何故こんな所に小ネタが…(吹くよ?)
魔王 ケテルが「時間を進める」を選択しました。
― 魔王城 ―
[少年の足取りは迷いなく、城門の方へと向けられる。
最後の勇者が辿り着いたその場所では、
既に魔物が枚挙し、苛烈な戦場と化していたか]
…………………。
[するり、その場をすり抜けるように通り過ぎていく]
魔王 ケテルが「時間を進める」を取り消しました。
[僅かに薄れた濃い魔の気配。或いは、刺すような殺意。
それでも、少女は一定の距離を保ちながら、魔王の後についていき。
彼が玉座へと腰掛ければ、立ち止まった。]
――――……、
[僅かな身じろぎ。
無事だった箇所に付着していた白い砂が、部屋に散った。]
わたし、ダリアといいます
まおうさんは、……まおうさん、でいいのかな
[それが名前であるのか、名前ではないのか。
まずはそこを確かめるように、少女は首を傾げる。*]
― 魔王城・城門 ―
[決意と共に振り上げた剣はかつての勇者の振るう剣に受け止められる。
その動きは一介のの戦士としてならば優秀だったかもしれないが]
そんなものじゃないでしょ……腕、鈍ったんじゃないの?
[挑発は無意味と知りつつも、不敵に笑むのは自身を鼓舞するため。
数度打ち合い離れる動きも、俊敏さでは少年が勝ったが、着地の足が縺れてたたらを踏んだ。
守兵はその隙を見過ごさず、体が傾いで空いた脇腹を剣が薙いでいく。
滑る液体が脚まで伝い落ちるのを感じつつも、どうにか体勢を立て直した]
[その頃には騒ぎに反応してか、他の守備に回っていた魔軍兵が周囲に集まり出していた>>0。
過去の因縁などお構いなしというように、長物の武器が突き出され、魔法弾が飛ばされる]
……この……!
[光の剣の強度なら、魔法の幾らかは受け止められるか。
しかし熱波や余波を消せるものではなく、皮膚は焼け、凍り、切り飛ばせなかった槍の穂先が鎧を突く。
しかし今だけは、少年はかつて勇者と呼んだ相手を見ていた]
きみの前で、きみに恥ずかしい戦いは、したくないんだ。
[痛みを堪え微笑む、きっとそれは最後に残った矜持だった。
そして少年は、光の剣を正面に構え、守兵の懐へ飛び込むようにしてその心臓部に一撃を突き込んだ。
交錯した剣が左肩を抉るが、今はそちらには視線を向けず]
さようなら、勇者さま。
……僕はきみのように、格好良く戦い抜くことは、出来そうにないよ。
[くずおれる守兵の身を盾代わりに、少年は剣を持ち替える。
手にしたのは生命を吸い使い手を癒す魔剣。
そして少年は、周囲を見据える]
先へ進む、一歩を稼ぐために、斬る。
[この先やるべきことを確かめるように呟く。
動かぬ守兵を蹴とばすようにして、虎型の魔物が行く手を塞いだ。
少年は一歩踏み込むと、魔剣で魔物の左前肢を深く斬る。
僅かな熱感と共に傷が塞がるのを感じるが、同時に暴れる魔物の爪が少年の腕を引っ掛け新たな傷を作る。
魔物の首を狙うために一歩、背後で振られた剣を避けるためにまた一歩。
命を永らえ足掻こうとする様は、殺戮を伴う不格好な舞踏のようであっただろう。
それでも、魔物と魔軍兵を引き連れながら、少年の行軍は続く]
― 魔王城 ―
[鎧を意味も為さぬほどに壊され、本来なら致死量を超えるほどの流血に汚れながら、やがて少年は城の入り口に一歩を踏み入れた。
幾度もの苦痛と癒しを繰り返したせいか、自分の体が今どういった状態なのか、感覚だけでは認識出来なくなっていた。
痛みだけは全身隈なくあるが、果たしてどれが本当の傷なのか。
もしもダリアという明確に救うべき相手がいなければ、その一歩を踏み出す気力すら生み出せなかったかもしれない]
[しかし、城に踏み込んだ瞬間。
明らかに魔の城にそぐわぬ癒しの力が、少年の身に流れ込んだ>>8:158。
ささやかではあるけれど、それは苦痛を減らし、ダリアにより流し込まれた魔の力を活性化させた。
――どこか懐かしさと、温かな励ましを感じるような、力]
……追い付いて、みせます。
[ぽつり、呟きを落として、少年は再び歩き出す。
魔の者の蠢く城の奥へと*]
―― 北部・魔王城 ――
[玉座の前には段がある。
絨毯の中腹…今は絨毯など残っていないが…から、玉座の段前辺りまでは、高熱で溶けた様相か。先程の戦闘の有り様を物語る。]
好きに呼べ。
[視線のみを呉れる。*]
── 魔王城 ──
[元より、魔神は城門の守兵を倒す事があればそうするつもりだった。本当ならば、守兵と戦う最中にするつもりだったのだが。
虎型の魔物を殺したとて。
魔王城の内を彷徨うのは、更に強い魔物だ。
自分の身体の状態が曖昧>>22であろうと、魔物は、一対一で礼儀良く襲い掛かるという事は無い。
勇者の動きを止め、その牙を首元に突き立て、脇腹を抉り内臓を溢れさせ、手足を削ぎ、頭蓋骨を破壊せんと襲い来る。
無数の毒矢は、身体に突き立てられんとし。
破壊鎚が如き豪腕が巨体から繰り出され、潰そうとするだろう。
停まれば、集中的に攻撃が行われ、胸部の肋骨を折ったり、内臓を傷つける事もあるかもしれない。]
── 魔王城 ──
[元より、魔神は城門の守兵を倒す事があればそうするつもりだった。守兵と戦う最中に行う場合もあったかもしれない。
虎型の魔物を殺したとて。
魔王城の内を彷徨うのは、更に強い魔物だ。
自分の身体の状態が曖昧>>22であろうと、魔物は、一対一で礼儀良く襲い掛かるという事は無い。
勇者の動きを止め、その牙を首元に突き立て、脇腹を抉り内臓を溢れさせ、手足を削ぎ、頭蓋骨を破壊せんと襲い来る。
無数の毒矢は、身体に突き立てられんとし。
破壊鎚が如き豪腕が巨体から繰り出され、潰そうとするだろう。
停まれば、集中的に攻撃が行われ、胸部の肋骨を折ったり、内臓を傷つける事もあるかもしれない。]
― 魔王城・玉座の間 ―
うん
わかった
[頷く。
少女が立っている場所は、丁度、熱によって溶けた跡がある中ほど辺りだったか。足の裏に張り付くどろりとした粘り気のある残滓には、まだ熱が残っている。
――魔王様、と彼を呼んだむらさきのひとが亀裂に消えていく様を見れば、驚いたように目をまるくしたが。
瞬きの後、赤い衣の彼へと視線を戻す。]
えっと……、
[魔王と呼ばれた彼は、多くの動きを見せない。
それは視線然り、表情然り。緩慢に、気だるささえ浮かべて。]
………、
まおう、さんは、
人間を滅ぼして
世界を滅ぼして
……すべてが、憎くて
神樹のある場所も滅ぼそうとしているというのは、
ほんとうの、こと?
[女神に言われた言葉を、確認のように口にする。
それは、疑問というよりも。
彼の口からはっきりとした言葉を聞きたい、という、少女の望みゆえだったか。
彼へと向ける視線は、――恐怖のそれではなく。
誰もいなくなった部屋の中と同じように、静かなままで。*]
― 魔王城 ―
[悠然と城内を歩いて行く。
道中、妙に魔物の死体が転がっていた気がするが、
さして興味を向ける様子も無く。
真っ直ぐと進む、少年のその足取りは。
かつて愚かな人間が、辿って行ったのと同じ道。
尤も、今や余程人らしい格好をしているのに、
魔の者から襲撃を受けることは無い。
重苦しい闇の気配に、息が張りつめることも無い]
[不意に、少年は顔を上げた。
其処には明らかに他の者と違う、
悲痛な面持ちをした魔兵の姿があった。
遠ざかって行く彼が向いていた方向を見れば、
随分と奥まった場所へ続く廊下]
― 魔王城 奥まった部屋 ―
[辿り着いたその部屋で、目にしたのは黒曜の円柱。
その場所だけ、空気の温度が一段低く感じられた]
………………。
[その場に未だ、喪服の娘や幽鬼の姿はあっただろうか。
もしも誰かの姿があるならば、
此の部屋のことを問う様に、
目深にフードを被ったままの顔を向けるだろう*]
―神樹―
[小人は休むのをやめ、立ち上がった。
神樹の気配は小人が最も好むもの。癒され、感謝の色をこめ樹をなでた。
しばらくは木々と語らい、蜜を吸い、うっかりできたツルのもつれを解いてやり、蝶や小鳥と戯れすごしていた。
小人にとってまさに、楽園である。
この地にいる限り憂う事なく日々をすごしていられる。
小人が何も知らないままであったならば。]
ぴぅ、ぴゃ?
[あの人間達はどうしているのだろう。
神樹にたずねたけれど、答えはかえらない。
神樹の根元から、てっぺんを見上げる。
神樹の先は遠く、遠く、見えない。
小人の小さな胸に憂いがよぎる。
この母なる樹もいつか、魔に侵されるのだろうか、と。]
くえー…
[バルコニーから地上へと羽ばたき、
勇者が倒した骸が散乱する大地に降り立つ。
屍骸を掴み、門前を開くように左右に積んでいく。
数多の亡骸で作られた肉と血の墓標の上で、鳥は啼いた。
歓喜か、はたまた鎮魂か。鳥にはわからない。
けれど、ここに置くものが減ったことには気付いた。
補充せねばならないだろう。
鳥は飛び立つ。
居心地の良い闇の世界から、
居心地の悪い光の世界へ。
少しでも多く、この居心地の良い場所を広げるために。
光の中でも闇の濃い場所へ。
南方、海の方角へと進路を取った。*]
[小人の熱意は伝わったようだ。
女神は小人をまた風に乗せてくれると言う。
どんぐりを授けられ、それを嬉々として受け取った。
小人はツルを編み、ちょうどどんぐりが納まるサイズのポーチをこしらえた。
ポーチを肩にかけ、女神にうなずけばふわり、風に乗る*]
― 魔王城 ―
[癒しの呪を受けたことで、少年の意識は周囲を見渡せる程度にははっきりとしていた。
物陰に隠れつつ奥へと進む。
交戦の痕だろうか、時折魔物の死骸やまだ新しい血痕を目にすることもあった。
中程まで進めば更にその数は増え>>8、半ば道標のようにすらなっていたかもしれない。
だが、その頃には、そんなことを意識していられない程にうろつく魔物の数も増えていただろう]
どけっ、……どけぇっ!
[叫び、剣を振るい、斬り払う。
敵に阻まれ焦りを覚える一方で、より多くの敵を倒せることに、悦びに似た感情を抱き始めていた。
魔剣を振るう限り、敵を傷付けることは苦痛を和らげることと同義なのだ。
だから、無我夢中に進み続けて――]
[――ふと、少年は思考の先の空白に気が付いた。
自分は何処に向かっているのか。何を目指しているのか。
わからない。苦痛を受けてなお進む理由を見失っていた>>24]
[その隙を敵が見逃してくれるはずがない>>25。
気付けば、眼前に岩で出来た巨大な拳が迫っていた。
それは腹部に減り込み、吹き飛ばされた身は背中から壁に激突する]
がっ……
[衝撃で潰れた内臓から押し出されたように、赤く粘つく液体が口から零れ落ちた。
肋骨の幾本かは折れていたか。
立ち上がらなければ、剣を振るわなければ。
出血が、魔王の覇気が、満ちる呪が生命を奪っていく。
だが、死を受け入れるより抗う方が苦痛は長引くというのに、抗う理由を少年は忘れてしまっている]
だ、だめだ……。
[動かない少年の前に魔軍の兵が集う。
剣を警戒する彼らは、遠距離から矢と魔法による攻撃を繰り出す。
条件反射で持ち上げた剣が幾らかの攻撃を弾くが、撃ち漏らした攻撃が少年を削り。
更に、意志の力が回復するより早く撃たれた二撃目が、少年の身に突き刺さっていく]
死んだら、だ、め……。
[何故だ、何故死んだらいけないのか。
本能より苦痛が勝る状況で、縋るものもなく>>26、ただ、それでも少年が死を受け入れない理由は]
……諦めたく、ない。
[主語のわからないその感情だけが、まだ、少年に動く理由を与えている。
ぼやけた視界で番えられる三撃目と、迫り来る巨体を見る少年の体は、廻る魔力によってか僅かに電光のようなものがパリリと光っていた*]
[短い肯定。]
そう、なんだ
[僅かに声色は沈む。
じっと、どのような感情も読み取れない彼の顔を見て。
――一層強く入り込む呪に、更に砂と化したけれど。]
それは、……まものさんの住む世界を、作るため?
それは、まおうさんにとって、……楽しいこと?
[問いかけを重ねる。
乗せられた感情の色は、怒りでも、悲しみでもなく。
先ほどと同じ、淡々と、確認するかのような、静かな問い。*]
[死ね。]
[死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死]
[突き刺さる殺意。
もしくは死の脅威。
闇と魔の巣窟に一人足踏み入れる事。
付け焼き刃では勝てぬ練度の者が出て来るのも、そう遠くは無いか。**]
―― 北部・魔王城 ――
世界を滅ぼす為だ。
[魔王は短く告げる。
魔王の近くでもあてられる以上の呪は今は無いだろう。
興味の消失や他意は無いが褪めた眼差しは竜の少女から逸れ。
竜の少女の次の問いはあったか?*]
[一瞬、苦痛を無視した加速度で体が動く。
それは《kiihtyvyys(加速)》の力の無意識的な発動だったかもしれないが、記憶のない少年には体が弾かれたように動いたとしか感じられなかった。
ともあれ、それにより矢が急所を貫くことは免れる。
少年は身を引き摺るようにして、どうにかその場を離れようとする]
[物陰に身を隠し少し息をつこうとした少年だったが、それを目敏くも発見する兵があり、動き続けることを余儀なくされる>>34。
剥き出しの殺意が身を苛むが、それを振り払うように剣を振るう。
相手に僅かにでも負傷を与えれば、それによる回復で得た猶予を移動に使う]
[そして、いつしか少年は半球状の部屋>>17へ辿り着く。
それが主のある部屋だと意識することはなく、退避場所を求めるように転がり込むこととなるだろう*]
結局、お葬式もお墓も残された者のための物。
残された者が心に整理をつけたり、先立った者を偲ぶために置かれている……。
特定の故人を対象にしないこういったものは「あなたの死は無駄にはならない」そんな意思表示みたいなものかも?
魔軍全てがあなたのように思うのならば、要らないかもしれないけど。
[言葉を紡ぐ少女は、自分の言葉に不思議な違和感を感じるように緩く首をかしげる。]
私は魔王さまに仕えるために。生まれた。
……同じね。
名前はアウロラ(Aurora)
あなたの名前は?
[>>5:*34 >>5:*35 そして、魂に自覚なき印を持つ者は簡素な自己紹介を行った。]
― 魔王城・玉座の間 ―
[魔王と呼ばれる彼から返った答は、肯定でも、否定でもないもの。
短い言葉は、ただ事実のみを示している。
――じっと見つめても、彼の心が分かりようはずもなく。
視線が逸れれば、少女も僅かに視線を伏せる。]
………、世界を、滅ぼして
[分からない。
――でも、もしもそれが言葉通りの意味であるのなら。]
まおうさんも、……滅んで、しまっても?
[彼女が過ごした砂漠の物語のように。
人も、町も、竜も。全て――。
文字通り、『世界』が滅んでしまうのなら。
人も、魔も、境なく。そこに彼自身も例外には含まれないのではないかと、――少女は、問う。*]
[>>37転がり込むように訪れた侵入者。
"ナジ"は紫色の外套を靡かせながら部屋の中央でその光景を眺めていた]
随分と遅かったですねぇ、勇者候補
["ナジ"は目を外套の奥で細めながらアルシェスを見つめていた。
浴室に響くような声は半球状の部屋に良く響き、
より深く濃い音として響いていた]
魔王様は今別の方のお相手中でしてねぇ
代わりに私が貴方のお相手をして差し上げますよ
……まぁ、貴方で最期、なのですがねぇ?
[くすり、くすりと嗤う声は、
酷く愉快気に央の間に広まっていった*]
/*
アロラについて――
性格診断結果
アロラ:プロローグ
http://www.egogram-f.jp/seikak...
アロラ:死亡時
http://www.egogram-f.jp/seikak...
アロラ:15歳
http://www.egogram-f.jp/seikak...
兵団のモデル/
Youtube:We Are ODST(地獄へ飛ぶ者達)
http://www.youtube.com/watch?v...
―― 北部・魔王城 ――
[魔王の眼差し逸れれば呪も幾らかの重み逸れたやもしれないが。]
無論。
世界が滅ぶとは、世界が終わることだ。
[魔王は短く告げて肯定する。
魔王は微かにあかい双眸を細めた。*]
― 魔王城 奥部屋 ―
どう?
……その通りだと思うけれど。
……うん。そう思う。
[鏡合わせに傾く少年の顔にヴェールの奥の瞳が瞬く。
紡がれる言葉はどこか歯切れが悪い。]
名前を知らない?
魔王さまに名付けてもらうの?
それとも適当に自称する?
[一瞬、重なる紅と紫。
その印は無自覚のまま伝わるのかもしれない*]
― 魔王城・央の間 ―
……お前は……。
[部屋の中からした声>>41に視線を向ければ、紫の外套を纏う者の姿があった。遅かったなと言われても返す言葉もなく、ただ、重い息を数度吐く。
辿り着くだけで死力を尽くしたのだ、もっと早ければという後悔までは頭が回らない]
他にも、誰か来ているのか?
[記憶をなくした少年はその相手を推察は出来ない。
ただ、最期、の言葉に片眉を跳ねさせた]
どういう意味で言っているんだ。
[険しい表情のまま、ゆるゆると剣を構える。
傷の治り切らぬ身が構えるのは相変わらず魔剣だ]
……そこを、どいて。
[愉快げに嗤う声を無視するように、少年は部屋の主を退けるべく駆け出した*]
他に、ですか?
剣士が一人、そして先ほど少女が一人……
魔王様がお相手をなさっていましたよ
["ナジ"はゆらりと揺れる。
それは盗賊の業であり視界の中に在りながら
意識の外に外れる動きであった。
それに併せて自身がモザイク掛かって見える闇魔術を発動した]
どういう意味、ですか?
わかりませんか?
剣士はもう死にました
少女も直に魔王様の前に跪くことでしょう
[ゆらり、ゆらりと紫色の外套は揺れる]
― 魔王城 奥部屋 ―
そう? …そう。
優しいんだね。
[言葉とは裏腹に、その声は淡々としていた。
瞬く紫色を、隠れた瞳はじっと見つめて]
知らない。
知る、間が無かった。
必要ないかと思ったけど、無いのは不便だな。
………………。
アウロラが付けてよ。
何でも、良いから。
[不躾にそんなことを言い出して。
事実、その通りにする心算で、少女に請う*]
仲間のいない勇者候補
貴方は何のために戦うのでしょう?
[>>43駆け寄ってくるアルシェスの動きを気配と視線で追いながら、
"ナジ"は魔剣へと意識を向けた。
何かしらの効果はあるのだろうが――]
ふふ、私に、当てられますかねぇ?
["ナジ"は外套の下から手を突き出した。
その指先にあったのは魔物の器官を利用した水袋。
中には目つぶしに使う粉が入っていた。
それを自身を認識させにくくしつつアルシェスへと投擲したのだった。
それは完全なまでに、人の業であった*]
― 魔王城・玉座の間 ―
うん
……、しってる
[それが、魔王の語る滅びとは同義ではなくとも
少女にとっての滅びの景色は、――知っている。]
何も無くて
何も生まれなくて
何も死ななくて
……笑う人もいなければ
悲しむ人だって、みんな、いない
[顔を、上げて。
瞬きながらも、しっかりと彼の姿を捉える。
独り玉座に座る、紅い衣の、魔王と呼ばれている彼を。]
[神樹と魔樹。
遍く全て、滅ぶというのなら、人間も魔も関係はない。
――女神は言った。
彼は全てを嫌い。全てを憎み。全てを滅ぼして。
人間を滅ぼすだけではなく、神樹すらも侵すというのなら。]
優しい?
そう思うのなら、そうなのかな?
城の他の面々がどう思うかはわからないけど。
[その言葉に同じように淡々と言葉を返す。
見つめられても動じる様子も無い。]
……。
ロードクロサイトとか?
LordとRhodoのダブルミーニング。
いまは全然Lordって感じではないけれど。
略称はクロね。
[その瞳からバラ色の石―菱マンガン鉱―を連想したらしく、あっさりとした調子で命名を行う。]
[アロラに施したマーキングはアロラに深く関わった者に伝播する。
伝播するとは言っても基本的には無害そのものなのだ。
能力や記憶に関与することもない。
ただただマーキングされた魂が増えていく。
マーキングは"神樹"と"魔樹"というシステムがどの様に成っているのかを調査するためのものであった。
そしてマーキングが一定数を超えた時、
"エンフェルケスーカ"は始めてその魂を喰らうためにマーキングを利用することだろう。
マーキングとは所謂発信機であり、探査機であり、
ターゲッティングなのだ。
今は作用することはないだろう。
しかし魔王が世界を滅ぼせなかった時、
数多の星々が天を駆け巡った後に魔王の代わりに世界を滅ぼす。
ただ、それだけのためのものなのだ*]
エンフェルケスーカの渡り人 ナジが「時間を進める」を選択しました。
[白猫は冷たい風の吹き荒れる上空を見上げる。
早く暖まることのできる場所へ行きたいが、こんな廃墟の街じゃそうもいかない。]
ミュアー!
[白猫は居るはずのない仲間を呼ぶ。
ああ、どうして自分はこんな場所で震えているのだろうか。
揺らめく旗、魔狼の遠吠え、海の音。白猫にはその全てが自分に襲い掛かってくるように思えて怯えるのだった。
小さく丸まるその白い背中は、遥か上空からもたやすく見つけることができただろう。**]
諦めたく、ないから。
[魔剣ではなく光の剣を握る。
切りつけても回復は見込めなくなり、魔の力で幾らかは中和されていた瘴気による苦痛を強く感じるようになるが、この場を切り抜けるために今は耐える]
……誰に見られていなくても、知られていなくても、生きることは無意味ではないと、証明したいから。
[見えない目は閉じ、剣の切っ先を垂直に立てる。
気配や音をほんの少しでも拾うことは出来るだろうか。
或いは、次なる相手の動きを合図とするか]
独りぼっちだから、痛くて苦しいから、もう死んでもいいなんておかしいだろっ!!
[叫びを上げれば肺が酸素を欲し、吸い込んだ分それは痛めつけられて激しく咳き込んだ。
大量の涙を流す潰された目を、それでも敵の居るであろう場所へ向けようとする]
そうじゃないって言いたいから、……届かなくても、この世界の人たちに言いたいから。
僕は、戦うんだ。
[魔につくことを選んだ者には嗤われるだろうか。
それでも、今少年が立っている理由を言葉にするならこうなるだろう。
思いの丈をぶつけた少年は、目を閉ざしたまま相手の出方を窺う*]
/*
最初はクロもアウロラみたいに一文字加えたり変えたりするのかと思ってた。
フリッツを変えると何になるだろうと予想してたら真っ先にフレッツという単語が思い付いたから、多分自分はもう光の剣に斬られてる。
― 魔王城・玉座の間 ―
[魔王が笑えば、それは呪を放つ。
幻火が灯れば、悍ましくすら感じられる貌が、より鮮明に浮かび上がったか。少女は思わず息を飲みかけて、――踏み止まる。]
そ、……っか
[尤も。
意思とは関係なく、止まっていた命の消費は、再び進み出して。
ざらりと。
白い砂に変じた『身体だったもの』を散らしながら、
玉座に座る彼の方へと、歩み出す。]
[全ての人々の記憶から。
全ての少女を知る者から。
忘れ去られ、生きながらにして存在を殺された少女は。
最期に。
ただ独り、眼前にいる彼だけを、瞳に収めていて。]
あなたは、……人間よりも
もっとおおきなものに、おこっていて、ゆるせなくて
[手を伸ばす。
――一歩進む度に、身体は砂となって消えていく。]
…………、
[それでも、少女は足を止めることはせず。
ただ、――彼に触れたいという一心で、自身の滅びを許容する。]
あなたは、
とても、ひどくて
とても、――――
[――そうして、少女の意識は消失する。
記憶からも。記録からも。すべてから忘れ去られて。]
ごめん、なさい
[――自分には、彼を止めるだけの力は無い。
――自分には、今の世界を直すだけの智慧は無い。
何もできず。何も知らず。そして。
彼を、――救うことができない自身に恥じて、謝罪の言葉を遺す。]
[伸ばした手は、届くことはなく。
最後の末端も、白い砂へと還る。
最期に。
――――上手く笑えていればいいと、少女は想った。**]
竜の子 ダリアが「時間を進める」を選択しました。
["ナジ"が扱っている"ナージェスター"の業は極々単純な原理である。
視界は焦点の合っている部分を中心に広がっているものだ。
焦点からズレるとそこはぼんやりとして写るだけ。
ただ単純にミリ単位で位置をずらし焦点から外れていく。
それだけの300年前不毛の大地を踏破し魔王城に"勇者"と共にやってきた盗賊の業であった。
そこに闇魔術でモザイクを掛けて姿を見え難くした上で、
>>54物理的に視界を奪ったに過ぎない]
[だが、既に遅かった。
何もかもが遅く、かと言って“ナジ”がもっと百年、二百年、或いは三百年前に魔王が勇者に討たれた時に在ったとして、…現れたとして、こうしなかったとは言い切れない。]
ふふ、人は皆そうです
誰もが死にたくないと思っている
此処に来た者も魔王を倒して生きて帰ると、
決して相打ちでも良いと思っている者など、いない
["ナジ"はアルシェスの言葉を肯定する]
諦めている者などいなかった
独りぼっちでも、痛くても、苦しくても
前に進み、世界の人のために戦う者もいた
["ナジ"は紫色の外套から出した白く細い指先を握る。
その手にはいつのまにか戦闘用のナイフが握られていた。
刀身は銀のような紫が混じった色合いをしている。
光の剣の余波だろうか。
弱い姿を眩ます闇魔術は解かれ"ナジ"の姿は露わとなろう]
でもね――
["ナジ"の声が、変わる。口調が変わる。
それは女のようであり、声変りをしていない男のようでもあった。
それは"ナージェスター"の声である]
世界はそんなに優しくない
[告げる声色は優しく、そして告げる内容は酷なもの]
人の領土に残った者にとって、
勇者候補として戦う貴方たちは家畜以下の存在でしかないの
自分達の今の生活を守るためのモルモット
家畜の声なんて届かない
届かない声に、何の意味があるの?
[その声色も、話し方も、人の業。
人を誑かすための、磨き抜かれた業であった]
見たでしょう?
かつて勇者だと呼ばれていた者を
[門番の、アインのことを指して告げる]
他にも、いるよ
人間に勇者と呼ばれていた者たち
彼ら、彼女らは死して魔の者となった
でもね、これは魔王がしたわけじゃないの
それが、世界の理だから――
人が死ねば魔物となる
魔物が死ねば、人となる――
永劫とただ繰り返され、
魂は真っ白にリセットされて始めからやり直し
生きることは否定しない
生きる意味があることも否定しない
でもね、その意味も、価値も、証明も
してくれるのは他の人
独りぼっちでは誰も証しては、くれない
それでも、貴方は戦えますか?
[それでも戦った"勇者"がいた。
"勇者"とは、"魔王"を討ち倒した者のことだ。
打ち倒せぬ者、目指すものは勇者候補でしかない]
[あの日。
魔王は誓った。
神などでは無い、己と、喪われた者達へと。
この、邪神に創られた世界は滅ぼすと。
魔神は戯れの先での約束でもあったのだろう。
人と世界を滅ぼせば、この世界の終わりを認めると。]
[歴代の魔王の末路は聞いた。
ある魔王は、自己意志を剥奪され、暴虐の魔王として君臨し、勇者に討たれた。
ある魔王は、約束の為に、自らは積極的に魔軍侵攻をさせず世の安寧と平和を求め、しかし勇者が訪れた際は全力で戦う事を無理矢理に約させられた。
狂気に駆られた魔王も居れば、狂う事すら許されない魔王も居た。
淡々と愉しみの為に消費され、中には正にアクターとして使われる魔王も、自暴自棄に陥った魔王も、魔の領域に人近づけぬ工夫をした魔王も居たかもしれない。]
[だが。
この魔王は望んだ。
人と世界を滅ぼすことを。
心から望んだ。欲した。
それが魔神の琴線に触れたのだろうか。
魔王の憎悪に。
神への憎悪を、愉しいと感じたのだろうか。]
[この世界が遊戯場ならば。
消えても新たな世界を創れば良いとでも考えているのだろう。
それでも。
新たな世界を創れるとしても。
この世界は滅ぼし、終わらせるのだ。
憎悪、だ。言葉に出来無い憎悪。塗り潰された憎悪の侭に。
救い難い、狂宴の円環など…唾棄すべきもの…。]
[残っていたものは無かった。
渦巻くのは、狂い果てたものだったか。
絶望を越え、喪った先に、齎された理に。
最早、憎悪に塗り潰された中に、省みるものなど無い。]
戦士 アルシェスは、竜の子 ダリア を投票先に選びました。
―― 北部・魔王城 ――
止まれ。
[魔王は命じた。
竜の少女の歩みは、見えない壁に当たった様に、停止する。]
お前は何を勘違いしている?
[魔王はあかい双眸を開き問うた。
そして、勝手に来て勝手に消えるなど、その様な自由が許される筈など無い。
魔王の前に現れるとは、そういう事だ。
凍える様な冷たい気配が周囲を包むが、竜の少女が砂化する素振りは無く、呪により毀れる様子も無い。
固定された、という心地か。]
抗うことをやめるってことは――つまり、全ての人が死んで、魔物に生まれ変わるってことだよね?
[自分が斃れたとして、後に続く勇者候補は現れるのか。
領土に残る人々を、魔王に対する戦力と数えるのは難しいだろう。
もしも自分が、魔王に対する最後の砦なのだとしたら]
それはそれで平和かもしれないけど、……でも、今の僕は人間として生まれて、人間として生きてるんだ。
だから、出来る限りは、人間の側にいたい。
[それでも、ここまで踏破した時点で、人間とは言えない状態になっているだろうか。
或いは同じ人間から、人間と見做されぬ存在になっているだろうか]
誰のためとかじゃ、ないんだ。
死んで生まれ変わる先が魔物だとしても――死ぬまでは、人間なんだから。
『かつて、強大な魔王に立ち向かった存在がいました』
……多分、それだけでいい。
それが"僕"だと証明するものがなくても。
[それは何かしらの事実としては残るだろう。
真実は伝わらず、受け取りようも様々だろうが。
ともかく、影響としての何かがあるだろう]
僕は、最初から、勇者になりたかった訳じゃないんだ。
[それが、少年の出した、結論だった**]
戦士 アルシェスが「時間を進める」を選択しました。
―― 北部・魔王城 ――
お前は何処の生まれだ。
ここへ来た望みを言うがいい。
[魔王はそう命じた。
じくり、じくりと、闇濃い魔力が竜の少女に接続される。意識失われる以前に。**]
/*
何かこう、魔素強い薬草の効果、とか狂気、とかも一瞬一瞬で継続されないんだよね。ライト方面効果は継続なんだけど、ダーク方面効果の継続が継続されてないというか。熱血村ならそんな効果関係ねえ!とかもありではあるのだけど。という夜中の云々。
[アルシェスの言葉に"ナジ"は紫色の外套の奥に潜む眼を閉じた。
小さく吐息をつくと、言葉を紡いでいく]
"魔王"とは、"勇者"のこと
魔王を倒した勇者は、次の魔王となる――
少なくとも現魔王は前魔王を倒した"勇者"……
["ナージェスター"の記憶と感情を持つ"ナジ"はそう判断していた。
故に"ナジ"は魔王に忠誠を誓う。
そして例え魔王を倒したとしても、
次の魔王が現れると告げるがアルシェスの意志は変わるだろうか]
投票を委任します。
エンフェルケスーカの渡り人 ナジは、魔王 ケテル に投票を委任しました。
分かりませんか?
私たちは救済の手を差し伸べているのです
死しても死しても永久に争い、殺しあう世界
笑顔で挨拶をしていた隣人が、祖父母が、恋人が――
先立てば次は記憶を失い、敵として出会うかもしれない
永久に、永劫に……
女神と魔神の盤上で戦い続ける駒であることを貴方は望む
その意志は、悪くはない
ただ――
["ナジ"は言葉を区切る。
央の間は静寂に満ちている。
喋る者がいなければ、動く者がいなければ外の喧騒が聞こえてくることはない]
[それは先ほど告げた言葉でもあった]
はじまりの国は既に滅ぼした
他の国も直に滅ぶことになるでしょう
だから、ね――
["ナジ"は諭すように、告げる]
『かつて、強大な魔王に立ち向かった存在がいました』
そんな物語――覚えて伝える人なんて、残らない
何故なら貴方が負ければ人間は終わりだから
何故なら貴方が勝てば、貴方が人間を滅ぼすのだから
[くすりと、少女が笑うように、"ナジ"は嗤った]
でも、悪くない
少なくとも、私は嫌いでは、ない
最期の勇者候補、名乗ることを赦しましょう
["ナジ"は声高らかに告げる]
貴方が一人の人間として存在したことを
『かつて、強大な魔王に立ち向かった存在がいました』という物語を、
私が覚えていてあげましょう
だから――安心して死になさい
[それは、酷く傲慢な宣告だったろうか。
死は救いである。
いずれ世界を滅ぼし慈悲を与えるために、
最後の勇者候補には、ここで倒れて頂こうか、と**]
― 魔王城・玉座の間 ―
…………?
[少なくとも。魔の知識に深くない少女にとって、自身が今陥っている状態がどのようなものか、知る術はない。
死ぬこともなく。砂になる直前で命の時間は押し留められ。
魔王からの問いかけに、瞬く。――感覚も曖昧となった今になって、上手く瞬けたかは分からないが。
浸される濃い魔の力に、皮膚の下を、数多の蟲が這いずり回る心地がする。]
なんのために
[――初めに彼を知りたいと願ったのは、いつのことだったか。
起こりは、小さな村で起きた、とても些細な事。
善悪の判断すら曖昧だった、今よりも更に無知だった頃。]
わたしは、……砂漠にうまれたの
まっしろで、なにもない、おおきなさばく
そばに、なにかを教えてくれるひとは、だれもいなくて
……ずっと、何も知らなかったから
たくさんのことが知りたかった
わたしが人間の村に行けるようになってから
少ししたころ、だったかな
村の人が、まものさんにおそわれて、
そこで初めて、あなたの名前をきいたの
……わたし、
あなたが、どうしてそんなことをさせるのか分からなくて
あなたが、どんな人なのか、分からなくて
でも、――誰に聞いたって、誰も何も知らなくて
……あなたが、どんな人で
どうして、たくさんのものを憎んで
世界を滅ぼしたいと思っているのか、分からなかったから
――だから、あなたと、話してみたいと思った
あなたと、会ってみたいと思った
わたしが知らない、あなたのことを、
……もっと知りたいと、思ったの
[その感情が意味する言葉を、少女はまだ知らない。
ただ――上手く笑えたかは分からないけれど。]
きっと、
……わたし、おかしな子なのね
[少なくとも。
少女が出会った人間は、誰もそんなことを言ったりはしなかった。
誰もが知る、勇者と魔王の物語。
それが彼らにとっての、きっと全てで。
そんなものを知りたがる自分はおかしいのだろうと、――きっと彼らのように人間ではないからなのだろうと。忘れ去られそうなものを掬い上げることはしてはいけないのだと。
きっと、自分は狂っているのだと、――想い続けていた。**]
竜の子 ダリアは、戦士 アルシェス を投票先に選びました。
/*
昨晩の。
>勇者達の熱意と物悲しさ(?)の涯に辿りつきましょう。
これで行ってるのかもね。
もっと、悲惨を欲求しているのは、欲が過ぎるかもしれない。(魔神的には色々容赦無くしようず。ではあるけれども。)
― 魔王城 廊下 ―
[木の軋む音を響かせで扉がひとりで開く。
形なき幽鬼を引き連れ廊下へと歩みだしてゆく。
央の間へ続く廊下を歩み続ければ自然と眉間が寄る*]
戦士 アルシェスが「時間を進める」を取り消しました。
[魔神は見通す。
もしも、ここまでの踏破で人間とは言えない>>75と勇者が心底思っていたならば、失笑を禁じ得ないだろう。
不毛の大地と毒の沼地を、重い苦労無く竜で越え、魔王城の城門付近では光の剣と魔剣という二つの大きな武器で越え、竜の子の能力付与に、呪いまで享けている。
…まだまだ正気の精神だ。先の魔剣士と比較しても。
いわんや、まだこの勇者は、充分に人間社会に復帰すら出来得る存在だろう。薬草を摂取しても、人斬りの欲求も無ければ、魔素中毒にすら陥っても居なければ、発狂すらしていないのだから。
…苦難の道程歩んだ者がいればさて、その様な事を思ったかもしれないが。]
― 港町ベイルーン ―
[森を越え、海を越えて鳥が着いたのは、
渡り人の計略によって滅びへと導かれた町。>>8:+0
かつてはにぎやかだった港町>>3:106ベイルーン。
頭がぱっくりと割れたもの等、いくつもある屍体から流れた黒には白い蛆がいくつも沸いて、弔いの火に焼かれること無く、土に還る時を待っている。
鳥はその屍のひとつを掴み、腐肉に口を寄せて喰らった。
美味いも不味いも感じない。
肉に沁み込んだ人間という情報を咀嚼し、鳥は学習する。
記憶を、思考を、感情を、意志を。
保有している魂に流し込まれるデータによって、
鳥の内部機関は再構築されていく。
されど真理には程遠く、その命はただの化物でしかない。]
……、
[白猫の上空で軽く羽ばたいて、傍へと降り立つ。
猫が逃げぬようならそのまま見下ろすが、
猫が逃げたなら視線だけで追って。
しばし白猫を見つめた後、鳥は口を開いた。]
…いキ も ノ ひツ、ヨう?
[魂の裏側に織り込まれた魔軍兵士の性へ問いかけ、
鳥は首を傾げる。*]
[上空から何かが降りてくる。
また鳥か。鳥には良い思い出がない。きっとまた自分に意地悪をしてくるに決まっている。]
グニャオウ! シャー!
[白猫にそこまでの思考があった訳ではないが、とにかく不愉快な気分になって、白猫は威嚇をする。
その体は小刻みに震え、怯えているのは明らかだった。]
……うん
それでいい
誰も知らないあなたのことを、私は知りたい
[彼の問いに頷く。]
……だって、あなた
――――、
やめてって、言っても
きっと、――やめてくれない、でしょう?
[少女からは彼の双眸に如何なる感情も分からない。
ただ、けれど。
全てを憎んで。全てを壊して。自身の消滅すらも織り込んで。]
……あなたの望みを叶えるためには
――きっと、それしか、方法は無いんでしょう?
― 魔王城 ―
[少年の小柄な影は、真っ直ぐに廊下を進んでいく。
玉座の間に程近い階段まで辿り着いたとき、
天井より強い風が吹き込んできた。
かつて邪竜が舞い降りた、通り道の大きな風穴から]
―――――……。
[ふわりとフードが捲れる。
露になったのは、靡く黒髪と二つの紅の瞳。
その瞳は無表情だが、
此の世の全てを呪うような陰鬱さも滲ませる。
子供らしくない隈を薄ら浮かばせて。
額には三つ目の瞳があるが、今は瞼を閉じたまま]
[―――――記憶がある。沢山の、記憶がある。
どれも、きっと"自分"の記憶ではない。
其れでも無数の、気が狂いそうな記憶を持っている]
[…いや]
[その中のいくつかの欠片は、もしかしたら]
[潰える前に、絡みつかれた何かの記憶がある]
[途切れる前に、根を張った何かの記憶がある]
[唯一つ確かなことは、
自分は魔王に仕えるために生まれてきたと言うことだ]
《能く仕えよ》
《世界を滅ぼす為に》
[其れが貴方の望みならば。
其れが真実貴方の望みであるのならば。
…ではもし、其処に揺らぎが生じたならば]
― 魔王城 玉座の間 ―
[扉は開いたままだっただろうか。
気配を殆ど殺したまま、
玉座の間の入り口に佇んで部屋の中を見やる。
随分と荒れ果てた室内の様子を、
眺める二つの瞳は、やはり無表情*]
[生きていて欲しいと、思う事も止められなかった。
それは事実、もし其れに目を向けてしまえば、狂おしい程の*いとなろう。…全てを投げ捨てたい程の。
到底、そんな事は望めない。どうやって、生きると?どのように。]
ニイー! ニィ!
[身の危険を感じた白猫は、その場から逃げ去ろうとする。
蹴爪が降りてきたのなら首を振って嫌がり、それに噛みつこうとしただろう。]
ならば魔に帰順し生きるか。
[魔王は知りたいと望む竜の少女に問いを向けよう。
魔の領域で動く事は適おう。それは世界の終わりまで、ではあるが。]
それとも、今ここで死ぬか。
[問う。*]
[機動力の差がものを言い、蹴爪は猫には届かない。
不幸にも石畳にカツンと刺さり、その場に鳥を縫いとめる。]
クケーッ!
[翼を激しく羽撃かせ爪を抜くも、そこに猫の反撃が来るか。
何分、作られたばかりの半人半鳥の身だ。
爪や鱗部分に噛み付かれたなら耐えられるだろうが、
鳥や人の部分に噛み付かれたなら、
場所にもよるが、ダメージを受けることだろう。*]
/*
少し纏めよう…。
・もう絶対人間殺すマンになりかけていた。
・今から魔王な^^
・もうこの世界ごと滅ぼすマン
…駄目だ。思考が纏まらないね。
そして纏めると割と駄目駄目魔王だね。
[魔王復活の知らせの報が巡ったのは。
魔王が討たれた為に、不毛の大地の近く、廃墟となった砦を元に、境界と監視の為の場所が設けられていたが、そこが一夜にして滅んだが故か。
女神トルニータの小さな教会が併設されていたが、そこに身を寄せていた孤児達にも容赦無く死は訪れた。
…無論、それは魔物が活性化したが故、とは受け止められただろうが。]
[魔王が討たれ、そして魔王が復活したとされた間。
そこには平和が横たわった。
人々は笑い、華やかな宴が開かれ、喜び活気づいた。
…横たわる犠牲など見ず…。*]
― 魔王城 央の間に続く廊下 ―
[少女は人間が嫌いだ。
その嫌悪感は人間がゴキブリに抱くものに近い本能的な嫌悪感。
味方である黒騎士団にすら同じ感情を抱いている。
人類側を裏切ったという点で見ればゴキブリの上に裏切り者というものを自軍に抱える嫌悪感は周囲をゴキブリが這うのを眺める事しかできない感覚に近い。
自身に権限があるのならば全ての黒騎士団員を人類領域に放逐して人類の手で鏖殺される様を眺めてみたいと思ってすらいる。]
[央の間から感じられる気配は人間のもの。
人類の尖兵として送り込まれた-勇者-に違いない。
それと対峙しているのは-エンフェルケスーカの渡り人-魔樹により生まれ変わった際に刷り込まれた情報が少女に確信を与える。]
[白猫は翼にまだ未熟な牙を突き立てて、ぶんぶんと首を横に振った。
それにどれだけの意味があるのかは分からないが、殺らなければ殺られると思ったのだ。]
ミャイィ! ビャウッ!
[嫌いだ、嫌いだ、自分以外の生き物はみんな嫌いだ。]
[どうやら魔王は取り込み中のようだった。
相対している砂と化しつつある娘に殺気は無く、
故に中へ勇み踏み込んでいくような無粋はしない。
―――…ただ、]
魔王さま。
[王の赤い双眸が一度だけ此方へと向けられる。
緩やかに開かれる少年の額の瞳。
其処に深淵を見通すような漆黒を宿し。
三つの眼で、見つめ返した]
[赦されるならば。
荒れ果てた惨状と化したその床の上を、
一歩ずつ静かに前へ進もう。
かつて死を想わせた魔王の眼差しも、
今は心の臓が震えることも無く。
故に真っ直ぐに、王へ視線を向けたまま]
僕は人間を殺します。
僕は世界を滅ぼします。
其れが貴方の望みならば。
[少年の声は淡々としている]
良いのですね。
本当に、良いのですね。
[何をふざけたことをと叱責されるだろうか。
それとも、取るに足りぬ言葉と一蹴されるか。
けれど至極真面目に、少年は言葉を続けた*]
── Side:… 魔王城 央の間に続く廊下 ──
[少女は人間が嫌いだ。
その嫌悪感は人間がゴキブリに抱くものに近い本能的な嫌悪感。
味方である黒騎士団にすら同じ感情を抱いている。
人類側を裏切ったという点で見ればゴキブリの上に裏切り者というものを自軍に抱える嫌悪感は周囲をゴキブリが這うのを眺める事しかできない感覚に近い。
自身に権限があるのならば全ての黒騎士団員を人類領域に放逐して人類の手で鏖殺される様を眺めてみたいと思ってすらいる。]
[央の間から感じられる気配は人間のもの。
人類の尖兵として送り込まれた-勇者-に違いない。
それと対峙しているのは-エンフェルケスーカの渡り人-魔樹により生まれ変わった際に刷り込まれた情報が少女に確信を与える。]
― 魔王城・玉座の間 ―
うん
何も無い場所
……わたしにとっては、全てだった場所
[語る言葉も、今は昔のよう。
尤も、少女の知る景色と、紅い衣の彼が知る景色は、別のものであるかもしれないが。
瞼を閉じれば。昼は暑く、夜は冷たく。いつまで眺めても、どこまで眺めても、何も変わることの無い世界が、いつだって思いだされる。]
[紅い衣の彼の望みを聞き。
少女は静かに、僅かばかり寂しげに、目を細める。
――全ての人間を淘汰して。その望みを達成するその時。彼は何を想い、どのような表情で立っているのだろうと、暫しの間、想像して。]
―風に乗って―
[空高く、どんぐり一つ握り締め、小人は飛んでいく。
地上から見れば、ずいぶんと丸い鳥にでも見えただろうか。
小人の飛ぶ先はどこも荒廃していた。
燃えて炭のようになった村。人っ子一人いない村。
荒くれどもが占領する村。
豪華な服を着た男に骸骨のような人々がかしづいている村。
神樹のまわりの平穏さがうそのようだ。
世界は大変なことになっている。
飛び込んでくるたくさんの刺激に、頭をくらくらさせながら小人は風に乗る。]
[ある城の上を通り、小人は口元を覆い、むせた。
涙を流しながら吐き気をこらえる。
小人の飛ぶ空まで死臭が届いたのだ。
戦でもあったのだろうか、その城にはたくさんの死体が放置されていた。
小人はその場から逃れようと、どんぐりに祈った。
風は小人を飛ばすとともに穢れを払ったが、すぐに大気は死に満ちた。
城から離れ、なんとか一本生えていた樹木にすがりついた。
涙目で城を振り返る。
小人に何ができるだろうか。
こんな、ちっぽけな小人に。]
[恐らくは。
何も浮かべてはいまい。
或いは、笑みくらいは浮かべてはいるかもしれないが。
その時にならなければ、誰にも分からないものだ。]
[恐らくは。
何も浮かべてはいまい。
或いは、笑みくらいは浮かべてはいるかもしれないが。
その時にならなければ、誰にも分からないものだ。]
[むりだ。なにもできやしない。
こわい。かえりたい。
頭ふりふり小人は悩む。
そうしてどれほど経ったか。
ようやく木から離れ、再び風に乗る。
外を見に行くとじぶんできめたのだ。
行けるところまで進もうと。]
迷惑をかけれると思うのか。
[魔王に迷惑をかけられるものなど、居る筈が無い。
竜の少女が、人の意味で何処まで正気を保つかは定かで無く、魔の影響がどの様に作用するかも分からないが。]
[小人は一つ落し物をしていった。
髪の毛いっぽん、それだけ。
しかし、地面に触れるとそれはみるみる種になり、
やがて、芽吹く。]
── Side:… 魔王城 玉座の間 ──
[扉は開いたままだっただろうか。
気配を殆ど殺したまま、
玉座の間の入り口に佇んで部屋の中を見やる。
随分と荒れ果てた室内の様子を、
眺める二つの瞳は、やはり無表情*]
── Side:… 魔王城 玉座の間 ──
[どうやら魔王は取り込み中のようだった。
相対している砂と化しつつある娘に殺気は無く、
故に中へ勇み踏み込んでいくような無粋はしない。
―――…ただ、]
魔王さま。
[王の赤い双眸が一度だけ此方へと向けられる。
緩やかに開かれる少年の額の瞳。
其処に深淵を見通すような漆黒を宿し。
三つの眼で、見つめ返した]
── Side:… 魔王城 玉座の間 ──
[どうやら魔王は取り込み中のようだった。
相対している砂と化しつつある娘に殺気は無く、
故に中へ勇み踏み込んでいくような無粋はしない。
―――…ただ、]
魔王さま。
[王の赤い双眸が一度だけ此方へと向けられる。
緩やかに開かれる少年の額の瞳。
其処に深淵を見通すような漆黒を宿し。
三つの眼で、見つめ返した]
[赦されるならば。
荒れ果てた惨状と化したその床の上を、
一歩ずつ静かに前へ進もう。
かつて死を想わせた魔王の眼差しも、
今は心の臓が震えることも無く。
故に真っ直ぐに、王へ視線を向けたまま]
[またしばらく飛ぶと、風に塩気が含まれるようになった。
海が近いのだ。
川にそって小人は進む。
ここも他とかわらない。
かつて水辺を慕い広がっていたのであろう人家は、すっかり廃墟になっていた。
その向こうに、青い線が見える。
線は少しずつ太くなり、やがて、大きな海となった。]
ぴゃぁあ!
[歓声をあげる。そうだろう、初めて見る海だ。
神樹とどっちが大きいだろう?
などと考えながら、海沿いを飛ぶ。]
僕は人間を殺します。
僕は世界を滅ぼします。
其れが貴方の望みならば。
[少年の声は淡々としている]
良いのですね。
本当に、良いのですね。
[何をふざけたことをと叱責されるだろうか。
それとも、取るに足りぬ言葉と一蹴されるか。
けれど至極真面目に、少年は言葉を続けた*]
[廃墟はもう、見慣れてしまった。
始めこそ心動かされていたけれど、廃墟、廃墟、廃墟、廃墟、廃墟、どこにいっても廃墟、廃墟、廃墟、廃墟。
けれどああ、海には廃墟がない。
海の向こうにも飛んでみようか。
どんぐりに祈ってみたけれど、吹く風は気乗りがしなそうだ。
いったい何があるのだろうか。
小人が海の向こうへ目をこらすと、酷くいやな気配がした。
あれが魔の領域なのだと小人は悟る。**]
/*
あー、うん。発狂ロール下手なんだよね。
昔からどうにかしなきゃとは思ってるんだけど、大体不自然な壊れ方して翌日死亡の方向にしか持ってけないんだよね。
うーん、駄目だ。
どうするのが正しいのかわからん。
― 魔王城・央の間 ―
-勇者-と魔軍が戦う事は必定。
……何を言っているの?
[以前の記憶は無い。
勇者に返る言葉も極めて冷淡なものだった。
全長1mに及ぶ黒鉄の権杖で勇者を指せば
背後に控える10名の屍鬼兵の手に弓矢が現出する。
一糸乱れぬぬ動きで屍鬼兵は弓を番え――先ずは10名の兵士による一斉射撃を行うと見せかけるがそれはフェイント。
瞬間的にアウロラの喪服は黒革鎧へ変異する。
顔を覆うヴェールも溶け消え、シニヨンになっていた白金を思わせる髪も解けてゆく。
アウロラは床を滑るかのような動きで腰まで伸びる白金を靡かせ、一気に彼我の間合いを詰める。
狙うは勇者の頭部。
大上段からの権杖による純粋な打撃攻撃*]
── Side:アウロラ 魔王城・央の間 ──
-勇者-と魔軍が戦う事は必定。
……何を言っているの?
[以前の記憶は無い。
勇者に返る言葉も極めて冷淡なものだった。
全長1mに及ぶ黒鉄の権杖で勇者を指せば
背後に控える10名の屍鬼兵の手に弓矢が現出する。
一糸乱れぬぬ動きで屍鬼兵は弓を番え――先ずは10名の兵士による一斉射撃を行うと見せかけるがそれはフェイント。
瞬間的にアウロラの喪服は黒革鎧へ変異する。
顔を覆うヴェールも溶け消え、シニヨンになっていた白金を思わせる髪も解けてゆく。
アウロラは床を滑るかのような動きで腰まで伸びる白金を靡かせ、一気に彼我の間合いを詰める。
狙うは勇者の頭部。
大上段からの権杖による純粋な打撃攻撃*]
ギニャー
[降り落とされた白猫は地面に叩きつけられ苦悶の表情を浮かべる。
大した高さではないが、だからこそ上手く着地することができなかった。]
ミャーオ! ニャン!
[今度は体を急に持ち上げられた。
何だ何だとパニックになる白猫。
鳥に胴を掴まれたと気が付くまで、しばらく間があった。
離せ離せと暴れる白猫だったが、所詮仔猫にゃできない相談だ。]
/*
本当、命大事に…。
[昨日の皆様のログ終了時間を眺めながら]
大人しくモノローグしておけば良かったかな!
人数的にいっても大丈夫かな、と思ってしまった私の浅はかさよ!
― 魔王城・央の間 ―
さぁ?
何を望んでいるのかも分かりかねますよ
魔神と女神の考えていることなんて、ね?
[人間として絶望するような内容を告げた。
それにも関わらずアルシェスは折れることはなかった。
いや、折れていたのかもしれない。
ただ他にできることがないだけなのかもしれない]
そう、魔王様の元に――
["ナジ"は思うのだ。
面白いとは思う、が魔王に此の者の声は届くことはないだろう、と。
そうしていると新たに魔の者となった少女が現れた]
そうですねぇ……
["ナジ"の声が、変わる。
それは浴室に響くような声色に。
いつもと変わらぬ何一つ隠したままの声に]
その者に勝てたら、会わせてあげてもいいでしょうねぇ
[ただし、その光の剣と、魔剣は置いていってもらうことになるだろうけれど。
"ナジ"はゆらりと揺れながら戦闘を任せることにした*]
― 魔王城・央の間 ―
……そう。
[冷淡に返る言葉>>124から以前の記憶はなく、言葉を交わすことは無意味と知れた。
少女の合図で屍兵の手には弓矢が出現する。
落下点を予測し、かわすか、斬り払うか。
そう思考を巡らせる少年の眼前で、アウロラの装いが変化する。
そして、先に動いたのは彼女の方だった]
ぐっ……
[頭を傾けることで権杖の直撃は避けるが、完全な回避とはならず、一撃は少年の左肩を打ち据える。
床に叩き付けられ、握力をなくした左手は剣の柄を離れた。
それでも僅かに体を起こしつつ、光の剣でアウロラの足元を薙ごうとする。
両手剣を片手で扱ったが故に、常よりは緩慢な動きであったが]
[紫の外套の声>>125>>126は、届いてはいたが反応を向けることは出来なかった*]
― 魔王城 玉座の間 ―
[王の声色は変じない。
当たり前だ。
そうあるべきだ。そうでなくては困る。
其処に疑念を差し挟む余地などありはしない筈だ。
けれど少年は、言葉を続ける]
あなた、弱いのね。
[肩を打つ確かな手応え。
足元を薙ぐ一撃に権杖を手放し、単純に上方へと跳躍して回避する。
天井へ重力を無視するかの如く着地する前に、兵による一斉射撃が行われる。
矢自体の威力は通常と変わらぬ平凡なものだが触れるだけで魂を侵し寿命を削る呪の込められた矢。
1の矢が10年、10の矢は100年の寿命を奪うだろう。
ハルバートを現出させた屍鬼士は矢を追うかの如く床を蹴る。
間合いを詰めながらアロラと同じように芸の無い力任せの大上段からの一撃を放つ。
杖による不格好な攻撃に現れる通り、アウロラの戦闘技術はアロラであった頃と比べれば明確に劣っている。
アロラが弛まぬ研鑽と地獄の戦場で精製された鋼鉄だとしたらこれが初戦闘であるアウロラは原石でしかない。
しかし、はじまりの国が保有していた数多の宝具と共に再生成されたその身は潜在能力の面でアロラの上を行く*]
……………。
僕は、魔王さまにお仕えする為に、
生まれてきましたから。
"貴方"にお仕えする為に、
生まれてきましたから。
貴方の望みに、疑念を抱きたくはないのです。*
["エンフェルケスーカ"は純然たる力という存在であった。
誰に創造されたのかはわからない。
しかしその力は"神樹と魔樹"を喰らおうと出来る程に強いものだった。
或いは二つは類似する存在だったのかもしれない。
そんな"エンフェルケスーカ"にはある能力が備え付けられていた。
貪食と分解、そして理解だ。
喰らったモノを消化し、吸収する。
そして其れを自らのモノとする。
生命という概念のない、世界という概念。
そんな"エンフェルケスーカ"は今、"ナジ"という意志を得ている。
それはかつては"ナージェスター"だったもののこと。
感情と記憶を喰らい、自分のモノとした。
故に現在"エンフェルケスーカ"は"ナジ"であり、
"ナージェスター"なのである。
その身がどの様な姿になろうとも。
その心は他のモノと同一化した]
── Side:アウロラ 魔王城・央の間 ──
あなた、弱いのね。
[肩を打つ確かな手応え。
足元を薙ぐ一撃に権杖を手放し、単純に上方へと跳躍して回避する。
天井へ重力を無視するかの如く着地する前に、兵による一斉射撃が行われる。
矢自体の威力は通常と変わらぬ平凡なものだが触れるだけで魂を侵し寿命を削る呪の込められた矢。
1の矢が10年、10の矢は100年の寿命を奪うだろう。
ハルバートを現出させた屍鬼士は矢を追うかの如く床を蹴る。
間合いを詰めながらアロラと同じように芸の無い力任せの大上段からの一撃を放つ。
杖による不格好な攻撃に現れる通り、アウロラの戦闘技術はアロラであった頃と比べれば明確に劣っている。
アロラが弛まぬ研鑽と地獄の戦場で精製された鋼鉄だとしたらこれが初戦闘であるアウロラは原石でしかない。
しかし、はじまりの国が保有していた数多の宝具と共に再生成されたその身は潜在能力の面でアロラの上を行く*]
/*
ダリアさんにも土下座祭りを展開しつつ。
ごめんね…。急に変なの出て来たら吃驚するよね…。
結局、名前は聞いていないのかな。
答えは返ってこなさそうだけど、聞いてみたくはあります。
生前も聞けるタイミングはあったのですが、
ダリアさんが聞くかなと思う質問は結構回避してました。
["ナジ"はくすりと嗤う]
勝てると良いですねぇ……
その者にすら勝てないのであれば、
私の記憶からもすぐに消えてしまいそうですよ
[>>127かつてアロラだった魔の者と対峙するアルシェスに告げながら、
エンフェルケスーカの渡り人は小さく呟いた]
尤も、魔王様に会いたいならば
蟲の息にして連れていってあげますけれどねぇ
[魔王は告げたのだ。
>>7:169『仲間がいなくても戦える』、と
それは全てを無くし、それでも魔王と対峙し、
倒した"勇者"の言葉。
アルシェスのそれは、その言葉に近かった]
[その言葉でアルシェスが無事に魔王の前にたどり着ける未来は閉ざされた。
危険な存在を自分の"勇者"の前に立たせるわけにはいかないのだ。
或いはアルシェスの心が折れたのならば、
そのまま連れていくこともあったのかもしれない。
然しながらアルシェスは"ナジ"に危険と定められた。
そのままアウロラに押し切られて倒れるだろうか*]
── Side:… 魔王城 玉座の間 ──
[王の声色は変じない。
当たり前だ。
そうあるべきだ。そうでなくては困る。
其処に疑念を差し挟む余地などありはしない筈だ。
けれど少年は、言葉を続ける]
……………。
僕は、魔王さまにお仕えする為に、
生まれてきましたから。
"貴方"にお仕えする為に、
生まれてきましたから。
貴方の望みに、疑念を抱きたくはないのです。*
― 魔王城・玉座の間 ―
そ、っか
[紅い衣の彼の答に、少女は微笑む。
寂しげに。或いは悲しげに。]
――――?
[少女が呟いたのと、足音が聞こえたのは、ほぼ同時だったか。
そちらを見やれば、――目元の隠れた、紅いローブの少年がいて。
額に瞳開けば、驚いたように瞬いたか。]
[――人間を滅ぼす。
――世界を滅ぼす。
彼の望みは、少年が言うようにその一点で、他の何者にも向けられてはいない。確かに、傍にいて、――自身が自身のままでいられるならば、紅い衣の彼を見守ることだってできるのだろう。
けれど。結局。]
――生きていれば
たとえば、……私が私でなくなってしまったとしても
きっとあなたの
もっと多くのことを、見ていられるんだろうけれど
[少なくとも。自分よりもずっと力があるであろう少年が。
彼を案じ。彼の為に――と、語っている。
――なら、そこには既に、自分ではなくとも。彼が。]
わたし、本当はもうしんでいるはずなのに
ずるしてここに来てしまったから
……これ以上何かを望むのは、わがままだと思うから
[どんな表情をしているのか、少女にはもう分からない。
多くの感情が溢れて、多くの言葉を飲みこんで。]
――うん
ここで、死ぬほうにします
[簡潔に、答えた。*]
― 魔王城・央の間 ―
[横薙ぎの攻撃は跳躍によりあっさりとかわされ、直後に弓を構えた兵が一斉に矢を放った>>128。
床を転がり、仰向けになった瞬間眼前に来た一本は剣で弾くが、止めきれなかったそれは頬を掠め落ちる。
それにより生じた痛み自体は大したものではない。
しかし込められた呪は、身の奥底にある生命そのものとも言えるものをごっそりと削った。
毒と負傷を受けながらここまで辿り着いて、少年の寿命はどれだけ残っていたか]
……弱い……かもね。
[矢が着弾するかしないかの時に動き出した影が、大上段から斧槍により追撃を加えた。
芸の無い攻撃であれど、体勢が悪ければ受け止めるのも難しい。
腹筋をバネに上半身のみを起こして、頭上に掲げた剣でその一撃を受ける]
でも、僕より強い人は、もう、いないんだ。
[だから、自分が抗うしかないのだと。
剣を槍の柄にそって滑らせるようにしながら、屍鬼士の懐へ無理矢理にでも踏みこみ、その腹部で叩き付けるような一撃を与えようとする*]
[其処まで言って少年は漸く、その場にいる娘を見た。
まるで見覚えがない]
死ねばそれで終わりなのに。
[彼女の出した結論へ、異を唱える訳でもなく。
唯の感想の様に、ぽつりと零した*]
/*
「勇者であること」に縛られたのはPLの方だった、ってオチかなぁ。
いや、嘆く前に、やろうと思ったことが出来なかったのは完全に自分の力不足なんだけどさ。
── Side:… 魔王城 玉座の間 ──
[其処まで言って少年は漸く、その場にいる娘を見た。
まるで見覚えがない]
死ねばそれで終わりなのに。
[彼女の出した結論へ、異を唱える訳でもなく。
唯の感想の様に、ぽつりと零した*]
……そう。ならあなたで終わりね。
[屍鬼士の口からアウロラの言葉が紡がれる。
光の剣と斧槍がぶつかり合う耳障りな音が響き、闇色の火花が周囲に舞い散る。柄にそって滑る一撃は綺麗に屍鬼士の胴体を半分程まで叩き斬る事になるだろう。
軋むような音と共に両手でを組んでアルシェスの頭上へハンマーの如き一撃を叩きこもうとする屍鬼士の背後で次の矢を番え始める10の兵が勇者には見えるだろうか。
同時に天井にしていたアウロラは天井を蹴り勇者の背を目指し跳躍する。
両手の内に現れるのは全長2m程の闇を纏う真紅の槍。そのままの勢いで屍鬼士ごと背後から貫かんとする*]
── Side:アウロラ 魔王城・央の間 ──
……そう。ならあなたで終わりね。
[屍鬼士の口からアウロラの言葉が紡がれる。
光の剣と斧槍がぶつかり合う耳障りな音が響き、闇色の火花が周囲に舞い散る。柄にそって滑る一撃は綺麗に屍鬼士の胴体を半分程まで叩き斬る事になるだろう。
軋むような音と共に両手でを組んでアルシェスの頭上へハンマーの如き一撃を叩きこもうとする屍鬼士の背後で次の矢を番え始める10の兵が勇者には見えるだろうか。
同時に天井にしていたアウロラは天井を蹴り勇者の背を目指し跳躍する。
両手の内に現れるのは全長2m程の闇を纏う真紅の槍。そのままの勢いで屍鬼士ごと背後から貫かんとする*]
戦士 アルシェスが「時間を進める」を選択しました。
/*
魔王の所まで持って来なくとも、
普通にアルシェス君の事、殺して良いよ。
(何か最後にいやっほー絶望開示!が無くなった感なので。)
["ナジ"がエンフェルケスーカからこの世界を覗き見て、
魔王を発見したのは300年程前のことだ。
その時はすぐ様に向かおうとした。
だが、その器は"ナージェスター"。
"神樹と魔樹"の世界の理から外れた器は300年経過しても、
世界から落ちた時と同じ容姿を持っていた。
"魔王"に"勇者"の記憶が残っているかは定かではない。
人間である"ナージェスター"の姿では近くに在ることはできないかもしれない。
"ナジ"が紫色の外套を外さぬのはその為だった。
その姿を見せていれば、また違う顛末があったかもしれないが――]
― 魔王城・央の間 ―
でも……まだ、今じゃない。
[アウロラの言葉を口にする屍鬼士。
光の剣はその胴の半分まで食い込むが、死せる者の動きはそれでは止まらない。
槍ではなく両手が組まれ振り上げられる。
剣を抜き後退に転じようとした時に、揃って矢を番える屍兵の姿が見えた]
…………!
[回避をするだけの余裕はあるか。
剣で斬り払う方が現実的かと構えたその時、物音がしたのは頭上から。
闇纏う真紅が、こちら目掛け真っ逆さまに迫るのが見える]
[少年は右手を背後に振るう。
重過ぎる剣の遠心力で強引に、アウロラ向け振り向こうとする。
剣の軌道は斜め上方を半円に薙ぎ払うものであったが、狙い定めぬままの一撃は届いただろうか。
いずれにしろ、真紅の槍は少年の左脇腹を裂きながら、屍鬼士へと落ちることになるだろう**]
― 魔王城・央の間 ―
……?!
[再び矢を囮にしての一撃。
これで殺せる。
そう確信した一撃に対応するアルシェス。
かち合う槍と剣。見た目通りの軽い体は剣の一撃を抑えるには至らない。
アウロラは空中で弾かれる形にな槍の一撃は脇腹を抉るだけに終わる**]
― 魔王城・央の間 ―
そこまでです
[>>143アウロラの一撃は確かにアルシェスの脇腹を裂いていた。
致命の一撃かは本人の気力次第だろうが、
少なくともその創で戦い続けることは困難であろうと判断した。
"ナジ"はアウロラに戦いを止めるよう告げると、
紫色の外套を羽織った身体をゆらりと揺らしながらアルシェスへと近づいた]
魔王様の前に行きたい……のでしたねぇ
それでは連れていって差し上げますよ
["ナジ"はナイフを一閃する。
アルシェスの手首と足首の腱だけを切断し、
アウロラに光の剣と魔剣、着けている防具も剥ぎ取らせて任せておく]
[そうして空間を指で撫でた。
撫でられた空間には線が入り、線に指を突き入れ横に引き裂き亀裂とした。
それはアウロラが――まだ人間であった頃に魔王城に連れていく時に使用したものと同じ光景であった]
ほうら、行きますよ
すぐにつきますからねぇ
僅かな間でお祈りでもしておくことです
[アルシェスの首根っこを掴むと、
"ナジ"はエンフェルケスーカへとアルシェスごと落ちていった]
― 魔王城・玉座の間 ―
["ナジ"が何時と同じように前触れもなく玉座の間に戻ったのは、
魔王と少年、そして少女が話している時だったろうか。
アルシェスを連れて空間を裂いて現れた"ナジ"はアルシェスを床に置いて魔王に首を垂れた。
アルシェスの手には光の剣と魔剣の代わりに木製の棒が持たされていた。
脇腹の創には紫色の布が巻かれており、
一応は止血はしていたことだろう]
魔王様、此の者が最後の勇者候補にございます
[そうしてアルシェスを示し、頭を挙げれば魔王の隣に控えるのであった。
そこが自分の場所なのだから*]
― かつての記憶 ―
ん……
[>>*37"ナージェスター"は不愛想な子だった。
腰まで届く髪は漆黒で、
その瞳もまた何処までも吸い込まれそうに深い黒だった。
やや切れ長の目元ではあったが、瞳と鼻の位置が近く――所謂童顔であった。
手足は細く、白かった。
そして、何より――。
"ナージェスター"はケテルと名乗った少年を見上げた。
自分よりも頭一つか一つ半高い。
見上げていると首が痛くなりそうだった。
他人行儀な不愛想な挨拶。
それでも差し出した手をケテルは握ってくれただろうか]
[そんな"ナージェスター"がケテルに>>*30抱き寄せられる関係になると誰が想像していただろうか。
はじまりの国ではじめて出会ってから、
ずっとずっと一緒だった。
>>*34返してくれた約束に、"ナージェスター"は幸せそうに笑った。
交わした約束は心のメモリーに。
大切に保存し、守っていた。
>>*36落ちた時に伸ばされた手。
それを握り返すことはできなかったけれど――]
― 魔王城・玉座の間 ―
いいえ――労もないことです
[この身が人間でなくなった今でも
この心が世界と一つになってしまった今でも
ケテルが望むことが、自分の幸せなのだから
エンフェルケスーカの渡り人の額につけられた魔石が、
嬉しそうに煌いた**]
── かつての記憶 ──
[ぬばたまの髪は光すら吸い込まれそうな程。
夜ではなく、ただ、ただ深い黒をのみ思わせた。
ケテルは手を差し出す。
差し出された手を握り、笑いかけた。
他人行儀の呼び方、ではあったけれど。
声掛けた抑揚は愛想良く。何処か、茶目っけがあった。
何時かの肖像。
陽が出ていれば、それはまるで。
いや。ごくごく普通の出会いでしか無かった。]
/*
ナジ君に任せたら、幸せ世界設けられる気がしてきたよ。魔王がずっと滅ぼすと言ってなければ、この世界飲み込んで世界創設出来たのでは。
更新時間が24時間延長されました。
[少年が持ち得た記憶など、大したものではない]
[むしろ其れは、
酷く曖昧なひっかかりのようなものに近い]
[だから其れと世界の理との関係まで、
推し量ることなど到底できない]
[…ただ]
["最初"の対峙の段階で]
[言語化できない何かを感じていたことだけは、事実だ]
[1]
[2]
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[4]
[5]
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[7]
[8]
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