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エンフェルケスーカの渡り人 ナジは魔王 ケテルに投票を委任しています。
魔王 ケテル は 召喚獣 チャペ に投票した。
エンフェルケスーカの渡り人 ナジ は 召喚獣 チャペ に投票した。
召喚獣 チャペ は 戦士 アルシェス に投票した。
戦士 アルシェス は 召喚獣 チャペ に投票した。
魔剣士 フリッツ は 召喚獣 チャペ に投票した。
竜の子 ダリア は 召喚獣 チャペ に投票した。
召喚獣 チャペ に 5人が投票した。
戦士 アルシェス に 1人が投票した。
召喚獣 チャペ は村人達の手により処刑された。
戦士 アルシェス は、竜の子 ダリア を守っている。
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか。
現在の生存者は、魔王 ケテル、エンフェルケスーカの渡り人 ナジ、戦士 アルシェス、魔剣士 フリッツ、竜の子 ダリア の 5 名。
魔王 ケテルは、魔剣士 フリッツ を投票先に選びました。
魔王 ケテルは、戦士 アルシェス を能力(襲う)の対象に選びました。
/*
他の魂と溶け合い、新たな魂となり、母体となるものが宿す子へ宿る、というイメージではありますが、そうなると、体の方はどうやねん的な問いも出てきそうですか。
― 北部 魔王城 ―
[魔王の双眸は悍ましい眼差しを宿し、
命が削り取られ剥がされていく心地がする。
心臓の不快な拍動。
直接何かされた訳でもないのに。
生を手放しそうになる己に奥歯噛みしめ、
堪えるように相手を睨みつける]
――――――〜〜〜ッ。
[力の差は圧倒的だ。
その力の源泉を考えれば尚のこと。
勝敗など火を見るよりも明らかだろう。
諦めてしまえば、安らかならずとも眠れるだろうか。
…それでも、]
[笑みを浮かべる魔王から視線を外すことなく、
男も引きつった歪な笑みを浮かべた。
剣の構えを解かず、口端から伝う血の雫はそのままに]
へえ、全部か。
なんだ貴様それなら。自分のことも、嫌いなのか。
[浅ましくも軽薄に、愚かな人間は哂う]
[魔王が指を鳴らすと、耳障りだった水音が途絶えた。
そもそも男ははじまりの国に縁がある訳ではない。
彼女たちの正体は、最後まで知らぬまま]
前から思ってたが。
貴様、酷く人間染みているよな。
[何を見ての感想だったか。
苦悶に声を震わせながらも、男は愉快そうに紡ぐ]
嗚呼。だが、死ね。
[話は終わりかとの言葉に、返事ともつかぬ声を返し]
[広がる魔王の覇気。
それが遠い地で何を引き起こしたか知る由も無く。
けれど圧倒されるのとは別の悍ましさ。
光が零れ落ちていくような錯覚を一瞬覚えたのは、何故]
《――――――…》
[唱える詠唱。男の輪郭が、揺らいでいく。
ゆらり、どろり。
蔓延る重苦しい魔の気配に溶け入るように。
取り込んでいた闇を解放していく。
人と魔の血と嘆きを吸い上げて、
数百年の刻を重ねた呪い。
意識が霞む。器は重みに耐えかねて軋む。
それでも揺らぐ漆黒の中、
浮かぶ二つの瞳は魔王を捉えて離さず]
[渦巻く闇は、携えられた剣へと集中する。
凝縮された呪いは、全て殺意へと昇華する。
この広い世界で、たった一人へ向けられた殺意。
赤黒く煌く刃は深い闇を纏い]
[魔王は未だ玉座に座したままだったか。
或いは、何らかの攻撃や妨害が為されたか。
しかし最早、回避も防衛も頭にはなく。
そも、集中を途切れれば、忽ちに瓦解するが故に]
[輪郭も存在すら揺らがせながら、男は床を蹴る。
揺らがないのは、明確な殺意。
己が剣が望むままに、魔王を貫かんと。
全力を込めた、最初で最後の一撃を。
揮う*]
― 影のいわば ―
[――戦いの終着と共に、剣の輝きが収束する。
チャペはどうなったのか。アルシェスは。
光と影の明滅による眩惑から視覚が復活すれば
そこに立っていたのは、ぼろぼろになりながらも立っている少年の姿。]
――アルシェスさ、
[感覚の戻り始めた身体を立ち上がらせる。
そして、対峙していたはずのチャペの姿を探すように視線を巡らせ]
――!
[彼に一撃をくれんと近寄る、角を生やした牛のような魔物。
体躯は黒く。影の大地と保護色となっているゆえ、目を凝らさなければ見えず。>>7:203
――遅れて身に響く寒気は、まだ見ぬ魔王の覇気とは知らず。*]
[何かを叫んでいる余裕はない。悲鳴も、警告も。
――何度目かの魔力の放出。そして喪失。
身体を包む雷光と共に、《kiihtyvyys(加速)》の意を叩き込み
そのまま、アルシェスを抱き抱えるように突き飛ばしたか。
痛み。肉。骨が欠ける錯覚。
少年の心臓を狙った一撃は、――少女の背中に、突き刺さり。
魔物が鋭利な角を引き抜けば、影の地を汚すように、鮮血が散った。*]
[すでに破壊し尽され、ゴーストタウンと化した街。
毒に汚染されていないことが不幸中の幸いだったが、北から程遠くないこの地もいつまでもつか。]
ミャウゥ……
[瓦礫の山を一匹の白い仔猫が歩いていく。
その目に知性は宿っておらず、毛並みも心も全くの純粋無垢だ。
猫が目覚めた時、傍にいるはずの親兄弟の姿は無かった。
こんな状態の街だ。戻ってくることは期待するべきではなかろう。
もちろん猫がそこまで思考した訳ではないが、本能で己の置かれた状況は何となしに悟っていた。]
[かつてチャペと名乗った影猫。チャペの姿は仮そめの幻影に過ぎない。
故に影猫であった頃の面影をわずかに残していたとしても、白い仔猫とチャペの共通点を見出す事は、難しかった。
視覚以外の感覚に利を持った生き物であれば、話は別かも知れないが。]
ニィー!
[誰も居ない。ここにはもう誰も居ない。
一層闇の深くなるこの街で、仔猫の白い体躯だけがやけに輝いて見えた。]
― 影の岩場 ―
チャペ……!
[最期まで諦めることなく光に抗おうとした影>>7:189を、それでも少年は切り裂いた。
彼女の元から影のようなものが飛んでいく。
攻撃でないならそれに手を出すことはなく、ただ、動かなくなったチャペを見下ろしていた]
……ごめんね。さよなら……。
[小さな影が、剣の光を嫌うように逃げていく>>7:190。
少年はそれを追い掛けはしない――追うだけの体力も残っていなかった。
胸から腹へかけての裂傷に無数の噛み傷と、負傷は決して軽いものではなかった]
……ダリア。
[剣を支えにどうにか立ちつつ、仲間の少女>>7:191>>7:192の方へ振り返ろうとする]
[微かに名を呼ぶ声>>8が聞こえた。
それに答えるより先に、雷光が一瞬にしてこちらへ翔け、抱きかかえるような感覚の直後、横向きの加速を受けて体が弾き飛ばされた]
ダリア!?
[何故、と口にすることはなかった。
地面を転がり、顔を上げた時に見てしまったから。
少女を背中から貫く、鋭利な魔物の角]
ダリア! ダリア!!
[自身の痛みは無視するように地を蹴ると、鮮血を散らし倒れた少女へ駆け寄り抱き上げる。
零れる鮮血を手で押さえようとするが、果たしてどれだけの効果があったか]
まって、今、いま、手当てを……!
[止血に使えそうなものを手当たり次第探す。
最終的には、衣服を引き裂き使おうとするだろう。
それは気休め程度のものかもしれないが*]
[無詠唱。
怪鳥が啼く様な可聴領域ぎりぎりの高音が発生。
魔王の上に、七つの球体が現れる。
時に蒼白く弾ける紫電帯びた黒の球体。
それが捻くれたランスの様に、ぎゅるりと形を変える。]
[着弾と共に玉座の間の床を爆砕し、
破片は砕け飛ぶ前に高熱で溶ける。
七つの槍は不規則な間隔で飛来し、
音を呑み込み爆発し紫電を撒いた。]
……っ、……ぅ
[穿たれた箇所が鼓動に合わせてどくどくと熱を持つ。
比例するように、或いは傷から体温が失われていくように、全身を包むのは、毒に侵されていた時とは比較にならない程の、急激な寒気。
少年の手が傷に宛がわれても、既に感覚というものが麻痺し始めていた。
《Lopettaa(静止)》の魔力が傷口を包んだのは、まるで見えない何かが少女を護るように。
けれども、絶対的に魔力量が減少している現在。外に溢れ出る血までは止めきれず。呼気に血液が混ざらないようにするのが、精一杯だった。]
[止血を試みる少年の手を、蒼白い手が掴む。
荒い呼吸。痛みに暗転しそうな視界。瞳は少年を捉え。
――上手く笑えていればいい、と少女は思った。]
……だい、じょうぶ
[掠れかけた声。
痛みに耐えるように、少年の手を握る力を強める。
――二人を包む、苔色の竜の影。
小さく唸った彼の目は、少女ではなく、少年を捉えていて。]
わたしは
すこし、やす、んだら。いく、から
[血液が流れ出ずとも、傷口を覆い続ける魔力の喪失は止めることはできず。最低限の生命活動を維持する為に、意識が一時的に暗闇へと堕ち、瞼が閉じられる。]
先に、………。
[――浅い呼吸。肺の動き。
『まだ』生きてはいると知ることは、難くはないだろう。*]
― 北部・魔王城 ―
[魔王とフリッツの戦いが始まればエンフェルケスーカの渡り人は静かにその戦いを見ていた。
魔王が危うくなれば止めに入るであろう。
しかしながらフリッツの使う力の源が魔王の其れであれば、
魔王の力で魔王が傷つく道理はないのだ。
故に"ナジ"は紫色の外套の下で愛用のナイフを弄びながら魔将の生まれるその時を待っていた]
魔王 ケテルが「時間を進める」を選択しました。
魔王 ケテルは、おまかせ を能力(襲う)の対象に選びました。
― 北部・魔王城・城門前 ―
[フリッツを渡し終えた後に身体を休めていた異形の生物は声を挙げることもなく立ち上がった。
毒の沼の水をベースに創られた生物は静かに沼に入ると再び対岸を目指して移動を始める。
彼の生物が主であるエンフェルケスーカの渡り人から与えられた使命は、毒沼の踏破を望む者を運んでやるということだった。
然しながら備え付けられた鞍は一つであり、
一人しか乗ることはできない。
二人以上乗ったとしても途中で一人になるよう篩掛けられることだろう。
対岸までたどり着けばまた異形の生物は静かに惰眠を貪り始めるのであった*]
[少女の瞼が下りる。
まだ呼吸は続いているけれど、傷を癒すことが出来なければ、それもいつまで持つか。
先に、と口にした少女の言葉をはっきりと否定して]
この、剣で……。これだけで効果があるのか、わからないけど……。
[光の剣を鞘ごと少女に抱くような形で乗せる。
光の剣が持つ癒しの力が、どのような形で発動するのかはわからない。
せめて魔力の足しになればと思うが、剣として振るうことが条件であるならこの行為は全くの無意味となるだろう]
僕は、あいつを倒さないと。
[ダリアとアイスを置いて逃げる気は毛頭なく、魔剣が荷物の中にあったなら迷いなく手に取り、牛に似た魔物と向かい合う*]
[魔物に向かって剣を構える少年。
二人を見守っていた苔色の竜は、再び唸り声を鳴らす。
視線は一度だけ、光の剣を抱いた少女に向けて。
――岩場を震わす雄叫びを上げた。
怒りではなく。嘆きではなく。鼓舞するように。
吐き出されるは咆哮。
炎熱を帯びたそれは、牛型の魔物に向けて放射された。
肉の焼ける臭い。
人のそれとは異なる、瘴気に満ちた腐乱の臭気。
断末魔はまるで、泣き叫ぶ赤子のようなそれだった。]
[大地ごと焼く炎の灯に照らされながら竜は少年を見下ろす。
そして、傍らの少女を鼻先でつついた。
竜とて。少女と同じように、耐性の無きもの。
魔の地に蔓延る瘴気の中を飛び続ければ、無事では済まない。
呪いは身体を蝕み、毒の気は自由を侵し、――やがて絶命する。
恐らく。魔王城の周辺に蔓延る毒の沼地までに、天命を迎えるだろう。
それでも。
苔色の竜は、長く少女を見守り続けた瞳にて、少年に語る。
――乗れ、と。
人間の言葉ではない短い唸り声を、鳴らした。*]
だめ、もういいんだ……これ以上は……。
[彼にこれ以上奥地へ進ませれば、遠からず力尽きてしまう。
その無理をしてくれとは、どうしても言えず]
[――けれど、傍らの少女をつつく仕草に、言葉は交わせずとも彼の思いの幾らかは伝わった。
意を決したように、少年は頷く]
うん……。ありがとう。
[ここまで来た覚悟を無下にされるより、死地とわかっていても進むことを、きっと自分だって選ぶだろうと思ったから。
竜の背に、可能ならばダリアを抱きかかえるようにして、乗り込む]
――行こう、アイス。
[絞り出すような声を、傷付いた竜へ掛けた*]
― 北部・魔王城、地下から地上へ ―
[カツ、カツ、カツ、バサッバサッ。
軽く跳びながら、階段を登っていく。
鷹揚な足並みに迷いはない。
ただ地上を目指して進んでいく。]
クエーッ
[時折鳴き声をあげながらのんびりと進む様は、
奇妙の一言に尽きるだろう。
やがて何かに気付き顔をあげる。]
クエッ?
[澱んだ身体に馴染む空気の中、
奇妙に動くなにかに首を傾げる。
しばし後、翼を羽ばたかせて飛び立った。*]
/*
ダ、ダート君!
女神陣営になったからって、なったからって…!
あの恐ろしく下克上ばっちこいの暗黒死喰い人の面影は何処に行ったのだい。(机ばーん)
― 北部 魔王城 ―
[闇の中を、寒々しい空気を纏った無数の光が舞う。
幾重にも幾重にも、中空を踊り遊ぶように。
遠のく意識の中、嗚呼、綺麗だなと、何故か泣きたくなる]
――――――――…ははッ!
[魔王の語る言葉に、再度歪な笑みを浮かべると。
弾丸の如く降り注ぐ光に構えるよう、
闇は一層昏さを増して。
照らされ、打ち消され、霧散して。
奇怪な悲鳴のような怨嗟の声を轟かせつつも。
それでも醜くしつこく抗うように、次々と這い出づる闇]
[悲鳴と重なるようにして、高音が響く。
七つの球体が出現した頃には、
玉座の間の中程より駆け出していた。
一つ目の槍が足元近くの床を爆破する。
闇をも焦がしそうな高熱と熱風紫電が巻き起こる。
抗するようにどろりと伸び出てきたのは黒い腕。
ただ、行うのは最低限の直進路の確保。
駆け抜ける速度、その勢いを殺さぬための介助のみ。
僅かでも、最後の一撃へ力を蓄えるように。
肌が焦げ焼かれていくのはそのままに。
息を吸うだけで、肺が燃え尽きてしまいそうに熱い。
最早、其処には殺意の執念しかなく―――]
[―――選択の愚かさ、というが]
[もはや自分がどのような存在だったのか。
彼方に置き忘れ、分からなくなってしまって久しい。
ただ、呪いに縛られて。
仲間と呼べるような相手も、失って。
繋ぎ止めていたものすら、なにも無くなって。
魔王を斃せ、魔王を斃せと。
急き立てる声に、ひたすらに突き動かされて。
何処に選択の余地があったのだろう。
魔王の力を取り込んだとき?
仕える主人を決めたとき?
ロワール村でかつての仇と出会ったとき?
…それとも、遠い昔に、あの港町で]
[男は玉座に佇む魔王へと、真っ直ぐに斬りかかる。
懐に飛び込み、その剣の軌道は相手の胸を貫くように。
流れるような、優美華麗とも思えるような動きで、
魔王は武器を抜いて男へ刃を向ける。
大上段からの重い一撃。
どうせ避けられぬ、避ける心算も無い。
さて、振り下ろされる刃に対して更に踏み込んだ脚は、
果たしてどこまで魔王に近づくことが出来たのか。
差し向けた刃は相手の身体を傷つけること叶ったのか。
いずれにせよ、限界を迎えた剣は。そのまま、折れた。
そして、少なくとも。
少なくとも、此方は無事では済まない。
一太刀をまともに左肩にあびて、
小さく呻き声を零しながら崩れ落ちる]
[床に膝付きながら、男はゆらりと魔王を見上げた。
さぞや己は滑稽で醜く見えるだろう]
…………俺は愚かだが。後悔はしない。
[もう碌に体は動かぬが、
それでも這うように相手へ輪郭の揺らぐ指先を伸ばし]
貴様がどういう存在なのかは。
此処まで、来たんだ。何となくは分かるさ。
[強がりとも、狂人の戯事とも、好きに取れば良い。
吐き出すように震える声の色、未だ、滲む殺意*]
[瘴気の中。少年と、少女を乗せて竜は飛ぶ。
――どこまでも続く不毛の大地。渦巻く呪詛。
空を眺めど煙のような暗雲が立ち込めるばかり。
眼下を望めど、人の大地にあった生命の息吹は欠片もなく。
それでも、蠢く者達が見え隠れするのは、不毛とされる大地に於いても生きる魔の者達がいるという証左か。
荒野ばかりではなく、地形を利用した魔物達の集落も見える。
中には、飛行するこちらを撃ち落そうと魔法のようなものを飛ばしてきた者もいたか。飛翔する力を持つ魔物に襲撃されることも、あったかもしれない。
だが、瘴気に蝕まれ、以前の力を失い、二人もの人間を乗せている竜に、回避することも、攻撃を返すこともできず。
攻撃される度に、ただただ鱗は剥がれ、血が滴り。
――これまで飛行してきた距離を想えば、あまりに短く。
そして最期となる竜の羽ばたきは。
毒の沼地の近く。
枯れた暗き森>>0:18に差し掛かった辺りで、終わりを迎えた。]
[半ば堕ちるように。
羽ばたきは力を失い、地へと降りた。
もはは呻き声すらもなく。
地に首を横たわらせた竜は、ゆっくりと瞼を瞑る。
そのまま、二度と動くことはなかった。*]
[瘴気の中、ダリアを抱えるようにして、アイスの背へしがみつく。
呪詛は竜の上の二人をも蝕むが、アイスの思いを無にせぬために、飛行のペースは彼に任せることとなるだろう。
剣の力は僅かには身を護ったかもしれないが、絶え間なく肌に触れ呼吸のたび肺へ侵入するそれを防ぎ切ることは不可能だろう。
意識を保つため交わす言葉も、次第に意味のまとまらぬものとなる]
……また、襲撃が。
[魔法や飛翔する魔物による攻撃があれば、剣で弾けるものならば弾くだろう。
しかし多くはそれも叶わず、回避も反撃も出来ない竜の体を傷付けていく]
[そして、眼下に枯れた森と、毒の沼が見えてきた時>>36]
お前に仲間がいれば。
[言いかけ止まろう。
仮定は無意味であり仲間の有無で計れるものではない。
魔王というのはそういうものであり、不毛の大地と毒の沼地を踏破するというのは、そういう事だ。]
― 暗い森 ―
[呼びかけの声に、少女の目が開く。
――傷はまだ塞がってはいない。魔力は今もなお喪われ続けている。
覚醒した意識の為に、唇が呼吸を欲すれば。
毒気と、瘴気とが、肺に巡り。全身を浸し。]
……、ここ、は
[――どこ? と。訊ねる声は、最後まで音になることはなく。
虚ろな視線を、アルシェスへと向ける。
彼が注視していれば
その白い指先が、――さらりと。
砂と化し始めているのが見えるだろう。*]
[歩いても、歩いても、あるのは廃墟だけ。
降り積もった灰に仔猫の足跡だけが残る。]
ギャウゥ! シャー!
[朽ち果てた『ベイルーン』と書かれている看板、倒れた柱、錆び付いた船。
白猫は世界を酷く怖れ、その全てに威嚇をした。]
/*
魔神様めも>
魔軍達早々に落ちたので、アルシェス達セルフボロボロになるしかないというアレ\(^o^)/
すまんかったorz
ともあれ、神2と魔王業でかなりお疲れだろうなので心配よ。
[やがて打ち上げられている魚を見つけると、猫は必死にそれにがっついた。
乳を飲む機会すら与えられなかった猫は、何度も何度も鱗や骨を喉に詰まらせ、咳き込みながらも魚を食べた。
これをお食べ。本能がそう教えてくれたのだ。]
[少女の体を抱き上げ、歩き出す。
沼を二人で渡る手段はまだ見付けていない、迂回するならば途方もない時間が掛かるだろう。
それ以前に、少女を抱えた状態で敵に襲われれば、戦うことすらままならない。
しかし少年は、それでも進まなければと思う。
今立ち止まってしまったら、もう]
[腕の中の少女を見下ろせば、その指先がさらりと、砂になり崩れるのが見えた*]
ニャウ! ギャアアアア!
[白猫ははっとしたように、前方へ向かって威嚇する。
はじめて白猫に近づいてきた者達。
目の前には10匹程の黒猫。白猫が仔猫であることを勘案してもかなり大柄で、一見すれば豹かと間違えそうだ。
何よりもそいつらはボヤァと霞がかったような姿をしていて、対照的にその影だけがくっきりと浮き出ていた。]
ギュルルル……グギャウ!
[明らかにただの動物ではない。闇の世界に生きる魔獣だ。
産まれたばかりの仔猫には、荷が重すぎる。]
[チャペが送った小さな影>>7:190。
それは確かに"愛し子"達にまで届いていた。
動く者を見れば好奇心で触り、潰してしまう。
そして影を潰した愛し子と、そこから一跳ねすれば届く程度の範囲にいた愛し子達だけには"ここから離れろ"という暗示がかかっただろう。
今際のチャペにとって、それが限界だった。
かくして数えられる程度の影猫達は、魔軍の侵攻によって増えた影の中を通り抜け、あっという間に港町ベイルーンまで南下してきたのだった。]
ニイイ! ミィ……
[運命の悪戯か、それは今の白猫にとって、ますます生きづらくさせる理由となり得るのだった。
弄ぶように横腹に頭突きを食らわされ、せっかく食べた魚を吐き出してしまう。尻尾に噛みつかれ、白猫は鳴き叫んだ。]
[結局白猫は、魚を諦める他なかった。
影猫達は勝ち誇ったように尻尾を持ち上げ、魚に群がる。そして影猫達の間でまた取り合いが始まるのだが、白猫がそれに参加する事は無茶がありすぎた。]
ニャウウゥ!
[白猫は悔しかった。痛かった。悲しかった。
やり場の無い怒りを叫ぶことで空へとぶつけた。
それでも目立ってしまうこの白い毛並みだけは、覆い隠すことができなかった。]
[世界の仕組み。世界の在り様。
循環する輪廻も、営みの愚かしさも。
白い砂漠こそが世界の全てであった少女にとって、あまりにも大きく、理解の及ばないことだ。
だから、女神の言葉を聞いて抱いた想いは。たった一つ。]
……まおう、……さん
なんていう、…………、……なまえ、…なのか、な
[かつて、アロラが言っていた。
勇者というのは、村長のように、役柄を示す言葉なのだと。
なら――魔王というのも。彼の本当の名前ではないのだろうと。
多くのことを知りたがった少女に、最後に残った
たった一つの、ささやかな疑問。]
[彼が拒まないなら、そっと――唇を重ねるだろう。]
[もし、唇が重なったなら。
彼は知るだろう。
雷光の魔力。今の少女を支えるなけなしの魔力。
静止と加速を司るそれを、彼へと、『渡している』ことに。
今までの比ではない程に少女から魔力が消えていく。
――比例するように、指が、手が、腕が。
遡るようにして、さらさらと砂に変わっていく。]
[――森の中から、うぞうぞと植物達が蠢いている。
獲物だ、獲物だ、と。地を這いながら、闇に嗤いながら。
ガアガアとカラスも喚き立て、二人を食らわんと窺っている。
少年に残された選択肢は、――多くはない。**]
戦士 アルシェスは、竜の子 ダリア を投票先に選びました。
…………なまえ?
[腕の中。少女が口にした疑問>>54を少年は聞いた。
ささやかだけれどきっと大事なその言葉を、記憶に焼き付けて]
[そこに伸ばされる、震える手>>55。
謝罪の言葉>>56と共に、唇に触れるものがあった。
少年はそれに驚いたけれど、拒みはせず。
ただ、体の内に流れ込む力を感じれば、目を見開き驚きの表情を少女へ向ける]
[言葉を発することは出来ない。
指が、手が、徐々に砂へと変わり崩れていくのを、為す術もなく見詰めている]
[周囲には、蠢く植物が、瘴気に順応したカラスが、自分たちを狙っていた。
少女をここで止めることは、きっと誰にとっても不幸な結果しかもたらさないだろう]
(ごめん……ごめん)
[言葉の代わりに、頬を一筋涙が伝う。
少年は近寄る気配を薙ぎ払うために、右手で剣の柄を握った**]
魔王 ケテルは、戦士 アルシェス を能力(襲う)の対象に選びました。
魔王 ケテルが「時間を進める」を取り消しました。
[カラスが鳴けば、他の魔獣達を引き寄せていく。そこには必ず面白いものがあると相場が決まっているんだ。
岩場に残った側の影猫達も、例には漏れなかっただろう。影の中からむくむくと大きな猫が次々と這い出てくる。
油断してはいけない。影猫がいかに弱い魔獣であっても、数が揃えばその瞳で人を惑わすくらいはできるのだから。
心の乱れは仇となる。
一瞬でも迷おうものなら、どうなるか。影猫に限らず、その場に現れた魔獣の姿は幻影に変わり、彼らを苦しめることになる。
ほんの少し惑えば醜い魔獣が庇護欲をくすぐる小動物に見え、さらに惑えば自らが罪なきニンゲンを斬る魔物であるかのような錯覚に陥り、やがて魔獣は彼らの大切な者達の怯える姿にすら見えてくるだろう。**]
― 北部 魔王城 ―
[砕け散っていく剣を見つめる一瞬だけ、
男の瞳に寂しげな色が揺らぐ。
其れは瞬きと共に、すぐさま消え去ってしまうけれど]
……要らん。こんな愉しいコト。
俺が最後で十分だ。
[魔王が言いかけた言葉に、吐き捨てるように返す。
自分らしくない言葉だったと、言った後で思ったが。
まあ、どうでも良いことだ]
[魔王は此方を見下ろしながら、笑う。
其処に如何様な感情が混じっていたというのか。
到底、測り知ることなど出来ず。ただ、]
――――――――…ッ。
[嗚呼、やっぱり嫌な奴だと。大嫌いだ。憎らしい。
もう頭の中はぐちゃぐちゃで、果たして自分は何者か。
考えたくない、思い出したくもない、のに]
見りゃ、分かるだろ。 貴様になら。
[訳も無く泣きそうになるのを、堪えた。
畜生、畜生ッ!
悔しさを滲ませることすら癪で、できるだけ平坦に。
けれど隠しきれない感情の昂りに、声が振動する]
……………!?
[不意に身体が宙に浮く。
腕を伸ばすのもやっとだったのだ。
抵抗する力など当然残ってはいない。
男は容易く放り投げられ、床へと叩きつけられた]
[それからさして間もなく、槍が真っ直ぐに降り注ぎ、
抉れた床を更に爆破し焦がし溶かしていく。
更に降る爆裂の球体。…更に。
轟音が響く。
男周囲の床は原型すら留めていない惨状と化す。
渦巻く闇の中に舞う血は、異型と果てた身でも鮮やかな赤]
[急所のみ、何とか避けるように闇の腕を伸ばし。
魔王が辿り着く頃には、それらも霧散していただろう。
頭の先からつま先まで、傷の無い場所を探す方が難しく。
最早、何とか生命を維持できているという状態で]
………………、 死ね。
[床に這いつくばりながらも、呪詛を吐く**]
― 毒の沼地 ―
[>>37何かが落ちてきても異形の生物は動くことはなかった。
>>40動きを見せたのはアルシェスが自分の方を向いてからのこと。
僅かに頭を擡げ、目の無い頭部を向けたのみ。
それでも寄って来なければ自ら近づくことはなかった。
異形の生物が近づいたのは墜落した一匹の竜だった。
立ち上がりそちらへと近づいていくと死して動かぬ身を見下ろし――
能面のように何もない頭部に線が入った。
線は亀裂となり、亀裂は咢となる。
大きく開かれた咢はまるで蛇が獲物を飲み込むかのように苔色の竜を丸呑みにした]
[竜を丸呑みにして数瞬、異形の獣の茄子のような胴体から翼のようなものが生え始めた。
翼とは言っても甲殻類のような外骨格を纏った翼である。
飛べるかどうかは怪しいところだろう。
そして頭部は竜の其れへと変じていき、フォルムもまた竜に近くなっていった。
"エンフェルケスーカ"で身体の情報を貪られ、
形だけ整えられた異形の竜だった。
異形の竜は変じ終えればまた元の位置へと戻り、
望む者が現れるのを待っていた。
望まれぬ限り動くことはない。
戦うこともない。
>>59自らの手で切り抜け、訪れた者にだけ絶望という名の祝福を齎すだろう**]
投票を委任します。
エンフェルケスーカの渡り人 ナジは、魔王 ケテル に投票を委任しました。
― 暗い森 ―
[――そうして、少年に力と魔力の継承を終えれば、生命維持に最低限の魔力を遺して、少女の機能は停止する。
少年の頬に触れていた手も、砂となって崩れ落ち、見る見る内に喪失は半身へと広がった。
瞼は開かぬまま、呼吸と呼べるものも既に怪しく、僅かに滴る鼓動だけが、『まだ』生きている証と言えるだろう。
今の少女に、あらゆる"余分"は許されない。
意識を殺ぎ。
右腕を殺ぎ。
右足を殺ぎ。
左足を殺ぎ。
胴の半分を殺ぎ。
皮膚には最早、竜鱗が浮いたまま。
最後に、機能を浪費する記憶《メモリ》が殺がれる。
生命の為に取り込む大気には、多量の瘴気と毒気。
そのまま手段を講じなければ、全ては白い砂と還るだろう。]
[魔素を帯びた植物達は、次々と襲い来る。
粘液を垂らし、奇声を上げ、歓喜の雄叫びを上げながら。
彼らに少年と少女の想いなど意味はない。
あくまで少女を抱えたまま戦うのだとしても、一切の容赦はなく。
蔦を飛ばし、毒液を噴きかけ、中には直接に呑み込んで食らい溶かさんとする食人花の『口』とて襲い来る。。
――少年が斬り飛ばせば、一時的に動きを止めることはできただろう。
だが、彼らは互いを貪りあって『再生』し、次々と魔素を取り込んでは段々と強力になっていく。>>60
竜の形状を盗んだ怪物の待つ毒の沼か。>>69
不浄の気体の蔓延する火焔の森か。>>7:10
岩の巨兵が蠢く魔の通じぬ地か。>>7:11
退路など既に無く。
いずれを選ぶにしても、一人を抱えたまま踏破が可能なほど、魔の大地は甘くはない。
――少年は、選択を迫られる。**]
/*
Σダリアに頑張れいう振りではなかったんだぜ。
先に毒沼渡るなら適当に薬草教えて魔王の元に連れてゆくつもりだったのだがな。
/*
こっちの方が良かったかもしれねぇな。(昨日投下出来なかったもの。)
[一度なりとても降りていれば、魔素が多量に含まれている薬草を見つける事は叶ったかもしれないが、彼らはどうだったろう?]
/*
今更、三つの行き先しか無いという事を把握した魔神がいるぜ。なるほど、だからまだマシそうな毒沼を皆越えようと……(いや、マシでは無くどれも辛い)
[音が鳴る。
両手を叩き合わせる音。
その瞬間、魔神と竜の子のみに別時間が流れる。
魔神と竜の子からすれば、他が停まっているようにも思われるものか。それとも停まらぬまま、別世界を見ているように思われるか?]
よぉ。久しぶりだな。
元気してたか?
[まあ、それら周囲瑣末はどうでも良いとばかりに。
魔神は現れ、少女の姿した者に話しかける。]
[勇者と呼ばれるようになったであろう少年が、少女を抱きかかえる侭戦おうとしているか、横たえられていたかは定かでは無いが。]
やれやれ。
生きて魔王に会うなら、もう少し生き汚くなけりゃあな?
[別空間の中では不思議にも苦痛無く話す事も出来るだろうか。その意識と記憶も、そこでは明瞭さを帯びれるだろう。]
吾は何時か訊いたな?
魔王に会いたいかと。
甘ったれがマシになったんで、もう一度チャンスをやろう。
[勇者と呼ばれるようになったであろう少年が、少女を抱きかかえる侭戦おうとしているか、横たえられていたかは定かでは無いが。]
やれやれ。
生きて魔王に会うなら、もう少し生き汚くなけりゃあな?
[別空間の中では不思議にも苦痛無く話す事も出来るだろうか。その意識と記憶も、そこでは明瞭さを帯びれるだろう。]
吾は何時か訊いたな?
魔王に会いたいかと。
甘ったれがほんの少しはマシになったんで、もう一度チャンスをやろう。
[魔王は、身を屈め魔剣士に片手を伸ばした。
靄の様に舞う血は魔王の手を濡らし、しかし魔王の呪は魔剣士が取り込んでいた呪いが為か、思った程の影響を魔剣士は感じなかったか。]
そうだ。
全てな。
[低い声は極小さく。
魔王の手は錯覚か掌を広げた為か頭を撫でる様に動き]
魔王 ケテルは、おまかせ を能力(襲う)の対象に選びました。
/*
さて。漸くナジ君との擦り合わせタイム。遅過ぎ魔王だよ。
えーと…タスク的には、
・女神がダート君やチャペ君拾い
とか
・魔神か魔王かがレティとアロラ遭遇取り持ちを
とは思うんだけど、そこまで頭が回らないのでちょっと置きだよ。。。
[魔王が語らない言葉は数多ある。]
[例えば。
死喰い人の視線に対するもの。
命狙われ続ける事>>3:148に、魔王は動揺も怯みなども一切を見せた事など無かったろう。
魔王とは、人間達の絶望であり、魔の極点であり、殺意を向けられ続ける存在と、魔王は充分以上に理解していた。それがむしろ、当たり前以外の何物でも無いと。
…尤も、生きとし生ける者の絶望ではあるが、今まで存在した魔王の中で魔の者に討たれた者が居なかった訳では無い。それは反逆をする者などがいる事>>0:365からも推測は付こう。]
[…成功した場合は、魔神の祝福と儀が行われていたが、さてそれを知る者はどれ程居たというのか。*]
[――それは如何なる奇跡か。神の御業か。
世界は濃い紫煙の色にと染まり、あらゆる音と動きが停止する。
少女の身体は、未だ半身が砂と化したままだったが
弾けるような音に応じるように、意識と記憶とが、引き摺りあがる。]
…………?
くろい、おねえさん……?
[目を開く。
眼前に立つは、影を引き連れたような、いつかの女性。
――周囲を見やれば、アルシェスは見えたか、見えなかったか。
いずれにせよ。異常に包まれた空間の中、思考するよりも先に、女性の言葉が投げかけられる。]
ご、ごめんなさい
[いつかのような呆れを伴う言葉に、少女は謝罪を口にする。
約束したわけでもなく、誓いを立てたわけでもない。
けれど、――まるで母親のような叱責に視線を伏せるのは、ある意味での本能的行動か。]
え……?
[――会いたいか。
問いに、少女は意外なものを見るような声を上げる。]
[少女とて。いつかのように、無知なままではない。
その言葉が意味する不可能性も、この空間の奇怪さも。易いことのように口にする彼女が、一体何者であるかという疑問も。泡のように湧いては消える。
――甘い蜜。甘い毒。奈落へと誘う悪魔の如き誘惑。
けれど。]
[――異空間にあっても、現実の自身がどうなっているのか、少女はよく知っている。砂と化した身体。枯渇しかけている魔力。
遠からず、その生命は尽きることだろう。
最期の望みが、魔王と話すなどと知れれば、多くの人には驚愕と、嫌悪と、嘲笑を向けられることだろう。
それでも。
少女は今持っている、砂のような望みを、口にして。
――笑う。]
[――異空間にあっても、現実の自身がどうなっているのか、少女はよく知っている。砂と化した身体。枯渇しかけている魔力。
遠からず、その生命は尽きることだろう。
最期の望みが、魔王と話すなどと知れれば、多くの人には驚愕と、嫌悪と、嘲笑を向けられることだろう。
それでも。
少女は今持っている、砂のような望みを、口にして。
――笑う。*]
― 北部 魔王城 ―
[男の姿は今や、唯々鮮血を滴らせるだけの闇。
輪郭の境界すらないが、
濃淡で形を辿ることは出来るだろう。
その中に二つ、黒い瞳だけがぎょろりと浮かび。
折れた剣に、最早何の意味があろう。
それでも男は手放すことなど出来ず。
柄だけとなったそれを、右手に握りしめたまま]
………………………。
[死ぬと。
相手が口にした言葉に、目を見開いた。
ぞわりぞわりと揺らぎかけていた闇が蠢く。
湧き上がってくる、この感情の名は―…]
[魔王が身をかがめて腕を伸ばしてくる。
警戒して気を張るが、逃げる力など残っておらず。
そして、其れ以上に]
貴様は…。
[頭に触れた掌。低い声が紡ぐ音。
形を失った心臓が、不規則に動悸を打つ。
おそらくこれは、呪いの所為ではなく]
[幻覚かとすら感じた、違和感は霧散する。
だが目の前にいる魔王は――この男は、現実だ]
ぐッ……!?
[頭を掴んで持ち上げられる。
決して小柄ではない男の身体が、軽々と]
"それ"が、貴様の望んだ、終わりか。
["それ"とは、人間を根絶やしにすることではない。
世界が亡び、"全て"が死に絶えることの方を差し。
"平和"を望んでいたナジは、そのことを知っているのか]
[魔王の言葉が真実である保証など何処にもないが。
あの奇妙な違和感に、彼の本心が垣間見えた気がして]
貴様、本当に……。ふざけんなッ!
[ぎり、と剣の柄を握る右手に力を込める]
俺は貴様を許容しない。
絶対、許容なんて、してやるもんか!!
[勇者は勇者で、魔王は魔王で。
単純に型に嵌められた個性も感情も無い役割。
それなら良かった。
それなら何も考えずに憎めた。呪いのままに恨めた]
[持ち上げられたまま、
闇に浮かぶ瞳は相手から視線を外さず]
…魔王。
貴様には仲間はいたのか?
[何故、そんな問いを口にしてしまったのか。
平坦な声は思いの外、重く響いた*]
魔剣士 フリッツは、竜の子 ダリア を投票先に選びました。
[魔王の知る勇者と。
今は後方で傍観に徹する“エンフェルケスーカの渡り人”、その器である“ナージェスター”の“勇者”は、どの様なものだったろう。]
/*
今日、人間が二人落ちたら村が終わる事実に今気づきました。
最終日、でも私は大丈夫ですが、
どう見てもアルシェス君方面が厳しそうです。
/*
ダリアさんをとても吊りたくないのですが、
この人数だと他に入れて事故も怖いと言う…。
デフォは、魔王さまでした。
[死の大地の行進。
勇者への重圧は想像に難く無い。
勇者一行待遇、はどのようなものだったか。
国同士の力関係。都合の良い利物、個人など国の前では道具の一つだったろう。人権すら無い、…奴隷ですら労働力として存在を認められる…平和よりも欲望やパワーゲームを優先する者の前では、肩書きを敬う意味は無いだろうか。]
― 暗い森 ―
来るな、……来るなっ!!
[少女を抱えた少年へ向けて、魔素を帯びた植物が、蔦を振るい口に似た花を開いて襲い掛かる>>71。
少年は片腕では重過ぎる剣を振るいそれらを払おうとするが、数本を切り落としても即座にそれらは再生し、防戦一方のまま動くことすらままならなくなった。
蔦は当たれば肉が裂けるほどの衝撃があり、食人花は肉を溶かす酸を滴らせる。
それらをどうにか剣で受け止めていると、頭上から紫色の液体が、二人へ向け降り注いだ]
――あああっ!!
[咄嗟に少女の身を庇い背中に受けたそれは、植物が飛ばした毒液だった。
傷口から体内に侵入したそれが激痛をもたらし、少年はうずくまった]
――ダリア?
[少女は既に半身を失い、腕の中に残るのは、竜鱗の浮いた顔と左胸の辺りのみだった。
血の流れは僅かにあるも、それが生命活動と言えるかどうかも疑わしい状態で>>70]
…………何か、
[何かないかと考える。
魔の地で摘んだ薬草>>60が幾つか、道具袋の中に詰まっていた。
少年にとっては正体もわからない、未加工の草。
それでも、僅かでも命を繋ぐ望みにはなるか]
[少年は葉の一枚を噛みちぎり飲み込んだ。
途端に、痛みが遠のく感覚があり、心臓の鼓動が強さを増した気がした。
――ゴルガンタで水を飲んだ時と同じだとは、その時は思う余裕はなかった]
ダリア、これを……!
[少なくとも即死の毒ではないと確認したそれを手で握り、絞った汁をダリアの口元へ垂らす。
効果があるかはわからない、命尽きかけた身には魔の植物が持つ毒素の作用が勝るかもしれないが、少年に出来ることはここまでだった]
[ふと顔を上げ、沼地の方を見れば、そこに居た異形は姿を変えていた>>69。
色こそ紫のままだが、その形は竜とよく似たもの。
そして、アイスが倒れたはずの場所を見ても、その大きな体は影も形もなくなっていた]
……アイス……。
[変化の瞬間こそ見なかったが、沼の異形がアイスの姿形を取り入れたと推測することは出来た。
斃れてもなお安らぎを得ることが出来ないのは、竜も同じということか。
少年は動かぬそれへ向け一歩を踏み出そうとするが、足に絡む蔦に阻まれそれは叶わなかった]
この……っ!
[剣を垂直に落とし断とうとするが、片腕ではまともに力が入らない。
まだ、ダリアを離すという選択肢は取れなくて。
残りの薬草を口に入れ無理矢理飲み下す。
するとさらに頭が冴えたような気がして、爛々とした瞳で少年は剣を振るった。
実際には、それは高揚が痛覚を振り切ったことによるもので、無理な形で剣を操る右腕は軋み、ぶちぶちと線維が切れるような音が一振りごとに聞こえるようになっていた]
/*
ダリア、フリッツ落ち
→エピでアルシェス君魔王城、でも一応大丈夫か。
ただ時間が足りなくなる可能性がある、かな?
── 停止された時間・或いは別空間にて ──
[異空間エンフェルケスーカ等という類では無いが。
エンフェルケスーカであれば、少女の精神は犯される可能性が大いに高かったか。
“アレ”は、母の様に思っているが。
ナジが知る限り、魔神はあの椅子に座ろうとした事は一度も無いだろう。]
さて。
対価を取っても良いが────
[魔神は少女を見る。
与えられた絞り汁が、どの様に作用するのかを見るように。
そして、今、勇者が振るう剣や、少女に先程は持たされていた光の剣はどのようになっていたか?*]
さて。
対価を取っても良いが────
[魔神は少女を先ずは見るだろうか。
与えられた絞り汁が、どの様に作用するのか。
そして、今、勇者が振るう剣や、少女に先程は持たされていた光の剣はどのようになっていたか?*]
……、あなたは、どうして
[何故彼女は、自身を魔王の元に連れて行こうとしてくれているのか。
魔神の気紛れを知らない少女は、問いかけようとして。
時間の止まった世界の向こう側で、剣を振るうアルシェスに気付いた。]
……アルシェスさん
[護ると誓った少年は。
言葉を忠実に護るように、足掻き続けている。
傷を負い。得体の知れない薬草を口にして。笑みまで湛えて。
――心配そうに眺める少女。
その口元に絞り汁を垂らされれば、体内に魔素と毒性を溜め込む代わりに、魔力の回復として作用する。
砂化していた少女の身体は、胴が戻り。足が戻り。
初めに失った手は生えなかったが、形状は少しばかり回復する。
尤も。中から失われた記憶や意識はそのままで。
――溜め込んだ毒性と瘴気は、残りの命を更に燃やす結果になっただろうが。少なくとも、形状だけは回復する。*]
[半身を失った少女に光の剣を抱かせるのは難しく、それは空の鞘と反対側の腰に下げられていた。
一方、少年が振るう魔剣は傷付けた植物の生命を少年の体力に変換するも、元の負傷とこの場で受ける攻撃の手数が多すぎて、傷の回復とまでは至っていない。
だが、少女の残る左手がその柄に触れたなら、僅かではあるが魔力は少女の方へも流れるか]
[ふと、少年は抱える重量の変化に気付く。
少女の体には、胴や足が戻り、少なくとも表面上は回復が見られた>>101。
ただし魔を帯びた薬草には、それ相応の副作用もあるだろう。
少年の胃の辺りにある熱、今は体を動かす原動力となっているそれが、いずれは内臓を灼き命を燃やしていくように*]
[猫の居場所はどこにも無かった。
ほとんどの場所は枯れ果てていて、たまに居心地の良い場所があったかと思えば、自分よりも強い生き物が先回りをしている。
烏に果敢に挑んでみたはいいものの返り討ちに遭い、命からがら逃げのびてきたところだ。]
ニャイイイィ!
[腹の足しにもならないコバエを食べて、飢えを凌ごうとする白猫。
白猫は己の惨めさを嘆く。
"チャペ"は信じるもの、原点となる場所があったからこそ抗う事ができた。
白猫にはそれが無い。これで本当の意味で、世界と仲違いをしてしまったのだろう。]
[魔将を“望む”ならば。
魔王は、魔剣士の頭を掴んだ手を下へと動かした。
魔剣士はその場から落下せずに浮いた侭となり、魔王の手だけが頭から顔、首元、胸へと下り、魔剣士の心臓部へと手が差し入れる。]
[深く、深く、呪とも魔とも言えぬものが絡み付く。
人としての器を壊すつもりは無いのだろう。受け止めきれぬものは、滴る様に、床に垂れるかもしれないが。
闇渦巻き、魔の魂に偽装された魔剣士は、人でありながら魔を深める。
辛うじて人でありながら、最早、人には見えないだろう。]
竜の子 ダリアは、魔剣士 フリッツ を投票先に選びました。
/*
いや、寝返るルートは実はダート戦近辺からずっとあったのですが、
最終戦で完全に消滅しましたよ!
わぁい。
本当、どうしようかな…。
── 停止された時間・或いは別空間にて ──
その方が面白そうだと思ってな?
嗚呼、まあ期待外れなら仕方ねぇと諦めるが。
[魔神は少女>>100にゆるゆると笑み深めた。]
記憶と意識はせめてはっきりさせたいが。
嗚呼、何かひとつ、奪うのでは無く、ナジに与えさせてみれば面白いか?
[等と魔神は口にする。]
よぉ。
お前と直接話した奴の記憶から、お前が消えるのと、
何か与えられるの、どっちが良い?
答えによっちゃあ、
お前の記憶と意識をはっきりさせて、連れてってやる。
[お前だけ連れてゆくというのは、以前と同じ話>>0:677だったが。*]
ミャウ?
[白猫はふと良い匂いが漂ってきている事に気が付いた。
期待などしてはいなかったが、それでも食欲だけで匂いのする方へと歩を進める。]
ウニャァーン!
[ああ、なんてことだろう。
アロエが生えているじゃないか!
白猫に植物の名前は分からなかったが、これが食べ物であることくらいは分かる。]
ミャーン!
[白猫は喜々としてアロエに噛り付く。その身から湧き出るゼリー状の汁は柔らかく、仔猫にとっても食べやすいものであった。
白猫にはなぜだか分からなかったが、きっと飛び散った汁の薬効だろう。体の傷がほんの少し和らいだ気がする。]
[どうしてこんな場所にアロエが生えているのか。
それは、チャペとタンガリザが一緒に食べていた、あのアロエに起因していた。
残りを風呂敷に入れていたタンガリザがベイルーンを訪れた時、偶然種が一つ零れ落ちた結果だった。]
ミュウゥ
[そんなことは知らない白猫だったが、空腹を満たそうとアロエを食べ続ける。]
――――ザシュッ
[それは突然の事だった。
アロエが根こそぎ剥ぎ取られ、唖然とする白猫の目の前でぽとりと地面に落ちてしまった。]
記憶と意識はせめてはっきりさせたいが。
対価では無く、ナジから与えさせてみるのも面白いか?
[等と魔神は口にする。
それは今は未だ冗談の類いではあるが。]
よぉ。
お前と直接話した奴の記憶から、お前が消えるのと、
何か与えられるのと、どっちが良い?
答えによっちゃあ、
お前の記憶と意識をはっきりさせて、連れてってやる。
[まあこのままで良いと言っても良い。
その場合でも、何かしらする可能性は無くは無いものの。]
[白猫が上を見上げると、そこには魔の影響を受けたのか、角が生え羽根が鱗へと変わり、酷くいびつな形になったカモメがいた。
カモメは白猫を馬鹿にするようにニタリと笑ったように見えた。]
キシャアアアァァァ!
[なぜだろう。影猫に弄ばれた時よりも、烏につつかれた時よりも、ずっと腹が立った。
許せない、という感情がふつふつと体の奥底から湧き上がってくる。
猫は全身の白い毛を逆立てて怒った。]
ニャウ! ギャウ!
[猫は怒りに任せてカモメを目がけて飛び上がったが、その幼い爪がカモメに届く前に、頭をぺこんと叩かれて地面へと落とされてしまう。
カモメは挑発をするように白猫の目の前へと降り立つ。]
[答えが出次第、少女の周囲は元に戻り。
勇者の近くに魔神は現れ、少女へと手招きするだろう。
少女が来れば、共に毒の沼地へ向けて歩み始める。
周囲の魔物は、魔神と少女が見えないかの様に勇者にのみ攻撃を向け、魔神と少女は毒の沼地の上を浮く様にして歩み、そして対岸へと辿り着くか。
魔王城の面々も、魔神や少女を無視する様に反応は無いだろう。]
[勇者がそれに、どう思うかは魔神の知った事では無い。
少女が裏切ったとも囚われたとも、どの様にでも好きなようには見えるだろうか。*]
[ところが白猫は、突然毒気を抜かれたようにその場から逃走を図る。
カモメは面白がって白猫を追いかけようとしたが、その白猫の後ろ姿がカモメが最期に見た光景となった。
白猫には見えていたからだ。カモメの背後から近寄ってくる魔狼の姿が。]
ミュアウゥ……
[暫くして白猫がその場へと戻ってみると、そこには喰い荒らされたカモメとアロエが落ちていた。
白猫は仕方なく、魔狼の食べ残しを口に含む。
ほんのりと虚しい気持ちになるのだった。]
[魔神の問いかけに瞬きをする。
その言葉にどれだけの意味があるのか、少女には分からない。]
……その二つなら、
消えるほう、かな
[少女にとっては、今の状況こそが最後の望みであり、それが叶えられるならば何かを与えられるのは贅沢ではないか、という結論でしかない。
尤も、魔神にとっては別の意味があることなど、知る由もなく。]
[少年と離れること。
――少なくとも、今の彼は少女を庇って戦っている状態だ。
もしその枷が剥がれるのならば、今以上に戦うこともできるだろう。傷を負い、血を流し、不要な傷を負うことも、なくなるはずだ。]
……うん
[彼を見て。目を細める。
――ごめんね、と。
届くことはないだろう謝罪を、口にした。]
[――答が出れば、空間の凍結が解除される。
手招きされる少女は、少年にはどう見えたのか。
少女は一度だけ振り返りそうになり。
堪えるように、つよく目を閉じた。*]
[約300年前。
"ナージェスター"は"勇者"のパーティーに所属していた。
初めて"勇者"と出会ったのははじまりの国だったろうか。
女神から信託を得て、集い、旅立った。
英雄叙事詩にあるような極々有り触れたスタートライン。
その旅の中で起こった数々の出来事は語ることもないだろう。
国同士の醜い争い、人の業、飽くなき欲望。
終わって見れば"勇者"たちは人ではなく、
魔の者を滅ぼせるモルモットとして扱われ煽てられていたのだろう]
[海を渡る時は沿岸を進むことになった。
無論大きな商船や王家の船があれば遠洋に出ることもできただろう。
然しながらただのモルモットにそんなものを貸し出してくれることはなかった。
聖水にしてもそうだ。
一つ一つは大した値段ではなくとも安全な航海をするにはその量は計り知れないものとなる。
神殿は"勇者"の仲間の内、神官を担保として聖水を貸し出した。
魔を滅ぼせる力を持ったモルモットは実験動物に過ぎない。
対価としてその身を差し出させ――戻ってきた神官は――――]
["ナージェスター"は盗賊ギルドに所属していた。
盗賊の技と闇魔法、その二つを使いこなし移動の手配などもしていた。
戻ってきた神官を見て、届けられた聖水を確認し、
"ナージェスター"はその国の王家の船を盗み出した。
そんなことをすれば無論唯では済まない。
船を操る船員も居ないのだ。
"勇者"の仲間たちだけで進むことができたのは沿岸に沿って航行することだけだった。
追手は当然やってくる。
皆には真摯に説得し貸してもらったということにしたが、
薄々は感づかれていたことだろう]
[魔素が濃くなるにつれておかしくなる者も出てくるものだ。
神官の魔法に頼り切ることはできなかった。
"ナージェスター"は事前に薄めた魔素や毒を仲間に投与していた。
毒に慣らしていきながらたどり着いた不毛の大地。
それでも魔王の統べる地では僅かな効果しか得られなかった。
少しずつ病んでいく者たち。
魔人の集落を滅ぼしてはその身を喰らい生き延びる。
壊れていく中で良心が残っていた者は勇者が撤退に首を横に振っても戻っていった。
後の物語で戻った話がないならば恐らくは道中で力尽きたのだろう。
魔石の巨人と交渉し、身を焦がしながら燃える水を手に入れて、
毒沼の浅い地点を渡る術を知り渡っていった]
[四天王や強敵を下し、辿り着いた魔王城。
"ナージェスター"は一人狂うことなく"勇者"を支え続けていた。
いや、"ナージェスター"は最初から狂人だったのだ。
盗賊ギルドのアサッシンとして物心つく前から育てられ、
数々の毒素や魔素への抵抗をつけられ、
身体も技を得るという名目で穢されて――。
女神の信託を得て勇者候補と出会い、ここまでやってきた。
"勇者"がどれだけ人としての道を踏み外そうとしてもずっと傍にあり続けた。
何故なら、狂っていた"ナージェスター"を助けてくれたのが"勇者"だったから]
[仲間は残り僅かだったかもしれない。
皆が皆、狂っていたのかもしれない。
それでも其処までたどり着けたのは――]
ねぇ、" "――
[呼んだのは"勇者"の名前。
くすりと笑いながら告げるのは約束の言葉]
何があっても私が貴方を護るよ
私はずっと貴方の味方だから……
だから魔王を倒して、一緒に帰ろう
[そう告げてしまった。
"勇者"に希望を植え付けてしまった。
希望が失われた時に人に残るのはぽっかりとした穴だけだというのにだ]
[そうして"ナージェスター"は落ちてしまった。
約束を守れなかった。
そして約束ごと、感情も、記憶も奪われてしまった]
["ナジ"は知っている。
自分の知っている勇者候補が"勇者"となったことを。
"勇者"とは、"魔王"を倒した存在のこと。
そして"魔王"とは――]
["ナジ"は魔王に告げた。
"魔王様が魔王様である限り、
私は忠誠を誓いましょう"
それは、"ナージェスター"の独りよがりな約束の記憶。
それを果たすためのものだった*]
― 北部 魔王城 ―
[ずるりと体内を侵食される感覚。痛みは無く。
唯、僅かに残っていた何かが。剥がれ落ちていく。
抵抗をしている。
己の中を渦巻く呪いも。揺らぐ己自身も。
喘ぐ様に、もがく様に。
心の臓を掴まれながらも。
身体から力が抜ける。
剣の柄を持つ右手が震える。
嫌だ。手放したくない。これだけは。
滴る鮮血に混じり、絡みついた魔の残渣が垂れる。
何が起こっている。何故、素直に殺さない。
単に魔とするならばそれで良いではないか、何故!]
[小刻みに震う指先が、遂に剣の柄を離したのと同時。
どさりと床へ崩れ落ちる。
機械的な動作で、それでも剣の柄に触れて。
男は魔王を見上げる]
俺は自分が安らかに眠る為に、貴様を殺しに来た。
……でも、それだけではなかった。
思い出したんだ。
[其れは何の話の続きだったのか。
淡々と、言葉を紡いだ*]
― 北部・魔王城、バルコニー ―
[地下から抜け出し、飛び立つ。
魔軍兵士として造り替えられた身なれど、
命令は未だ無い。
鳥は己が望むままに城の外を悠々と飛び、
魔王城の一角にあるバルコニーに留まる。]
クェー…
[バルコニーから中を眺めつつ、
3歩歩けば忘れる、鳥は何も思わない。*]
こいつは、今から吾と行動だ。
ク、ク、ク。さて裏切りか、人身御供か。
お前の好きなように解釈しろよ。
[魔神は嘲笑う。
勇者には魔神の姿が見えるだろう。
そうして、魔神は少女を促す。毒の沼地のやや上を浮いて歩く間、消耗は無く、歩みは出来るだろうか。*]
[直後、魔神から返って来たのは嘲笑う声と言葉>>119]
なっ――待て!
そんな、どうして……!
[ダリアは自らの意志で魔神へ歩み寄った。
それは確かなことで、しかし裏切りだとはどうしても信じられない。
追い掛けようとする少年を遮るように、魔物の攻撃が少年へと殺到する。
魔神とダリアを無視するかのような動きに、ますます少年は混乱する。
ただ――魔物がもうダリアを傷付けないことに、ほんの少しだけ、安堵を感じて]
僕じゃ……力不足だった?
[護り切れなかった、むしろ護られてばかりだったことを思い、ぽつりと言葉を零した。
それは剣戟に掻き消され届かぬ程度の声量で。
少年が周囲に集う魔物と戦っている合間に、二人は遠ざかり沼の上を渡っていく]
[それでも、抱えるものがなくなった分歩みが早くなったのを感じて、そう思った自身への嫌悪を誤魔化すように薬草の葉を数枚、歯で毟り取るようにして口にした*]
― 北部・魔王城 ―
[魔王とフリッツの戦いが終わる。
其れは戦いと言えるものであったかは
"ナジ"が判断することはない。
元より魔王が敗れるはずがないのだから。
そうして新たなる魔の者が生まれる過程を見ながら、
"ナジ"は異形の竜を操っていく。
微かに動いた魔神の気配。
それが近づいてきている気がしたのだ。
アルシェスはどうしていただろうか。
異形の竜は彼の者が近づいてこないならば、
その場に残し飛び立とうとするだろう]
― 毒沼のほとり ―
[ようやく毒沼の縁に辿り着く頃には、二人の姿は随分と遠く離れていただろう。
宙に浮けぬ少年には、自力で最短距離を進むことは出来ない。
足を止めた途端、今まで溜め込んだ分とばかりに発作的な咳が始まった。
それは微かに血の混じるもの]
[しかし、すぐ近くで異形が動く気配>>124があり、少年は呼吸を押さえつけるようにしながら顔を上げた。
それはどうやら飛び立とうとしているように見えた]
くっ……待てっ!!
[一度だけこちらを振り向いた>>125のは何を意味するのか。
その行き先はどうやら魔神たちと同じのように見えたから。
痛む肺に無理矢理空気を入れて咳を抑えると、異形の竜の背へ、半ば飛び乗るようにしてしがみつこうとする*]
― 毒沼のほとり ―
[ばさり――
異形の竜は甲殻類の様に硬質な翼を羽ばたかせた。
空を飛ぶモノは物理的に飛行するか、
魔法的に飛行するかのどちらかで飛んでいる。
重いように見える翼を羽ばたかせながら疾駆し始める異形の竜。
>>129アルシェスが乗った後鞍に座れたかも確認せずに動き出した。
異形の竜は毒の沼を疾駆する。
疾駆し羽ばたくがその重量感ある巨躯が空を飛ぶことはなかった。
やがて異形の竜の後方、尻を思わせる部分に突起が出現する。
出現した突起から高圧で圧縮された沼の毒水を吐き出しながら、その勢いを以て漸く異形の竜は空を舞う。
毒水は眼下の沼から補給され、
噴出された毒水は雨のように沼に降り注いでいく。
沼の上でのみ有効な無限機関として飛翔する異形の竜は、
魔神を追ってゆっくりと進んでいった]
[その速度は沼上を航行するよりも早いが
魔神よりも遅い。
魔神の姿はすぐに見えなくなるだろう。
――異形の竜の推進力は高圧で噴出させている毒水である。
毒水は雨となり降るがその幾分かはミストとして周囲を漂い始めるだろう。
毒の霧の中、異形の竜はアルシェスを乗せ魔王城の前まで飛行することだろう*]
― 北部 魔王城 ―
[今更、自分がどんな存在に成り果てようとも。
執着など何もない――といえば、嘘になるけれど。
呪と魔に絡みつかれ、男が最も恐れたのは。
たったひとつ、忘れてしまうこと。
床に転がった剣の柄に指先で触れたまま。
どろりと滴る闇が、男の周囲の床を昏く染める]
さして面白い話でもない。
ただ、昔、友達に言われたんだ。
人を救いたい。
そう言っている彼は、とても綺麗で。
俺は同じにはなれないと思ったけど。
俺にもできることがしたいと思った。
[闇が溶けかけたままの手で、剣の柄を握る。
刃の無い其れを、床へと立てた]
くだらない話、だろう。 笑えよ。
[言葉の通り、男は歪に笑い、そして]
[それは何処か物悲しく儚げな、
港町の夕暮に、船乗りがよく口ずさんでいた]
《――――――…》
[朗々と口にするのは、歌のような詠唱。
立てた剣の柄より放物線を描く様に、
波紋のように広がる淡い光。
昔から、光を扱う魔法はとにかく不得手で。
自分がそういう存在なのだと知っていた。
もはや殆ど魔と成り果てた今、
どれほどの意味があるかは分からないが]
[己が人としての魂が、揺らぎ消え果てしまう前に。
その残渣の欠片を代償に。
魔の力を弱め、人を癒す呪いを。
もしも"次"があるならば、僅かでも届けば良い。
或いは何の意味もないことかも、しれないが]
魔王。
[呪いを終えれば顔をあげ、眼前の男へ目を細める。
刃の無い剣の柄の先を、相手へ真っ直ぐ差し向けて]
―――――――…ッ。
[立ち上がろうとして、崩れ落ちる。
文字通り、体勢だけでなく、存在そのものが。
ずるりと闇と同化するように、溶けだして。
からりと。
溶けた手から落ちた剣の柄が、転がり音を立てる。
その存在の終りを、示唆するように*]
/*
眠すぎて、とにかく殺してくれという描写になってしまいました…。
ぎぎぎ。もっと悲惨になりたい。
まあ、御墓でも回収できるかなぁと思いつつ。
戦士 アルシェスは、魔剣士 フリッツ を投票先に選びました。
/*
なんか綺麗な感じになっているのが凄い自分で許せないので、
ここから魔王さまがぐっちゃぐちゃにしてくれるのを期待。
[ねむねむしながら]
[――少年と別れ、少女は魔神と共に毒の沼を行く。
竜に騎乗する時に感じたそれとは異なる、独特の浮遊感。
湯気のように立ち込める毒気も、魔王城に近付く程に纏わり付く瘴気も、不思議と感じられなかったか。
まるで――そう、幽霊となってしまったかのような。]
[やがて視界に入るのは、魔の地を覆っていたそれよりも暗い黒雲。
簡素な岩山に佇む、厳かな魔王城。
この世の絶望を一身に背負ったかのようなその姿を、少女は呆けたように見上げて。]
………?
アイン、さん……?
[――門の前に佇むその人影に、首をかしげた。
だが、声をかけようとも、彼がこちらに気付く様子はない。
そのまま魔神に連れられて、少女は城門の中へと入っていった。]
[一層濃くなる瘴気。
本来であれば弱りきった少女を蝕み、一息に殺してしまうであろうそれは、まるで存在しないかのように避けて通っていく。――それでも幾らかを吸引してしまえば、口元を押さえて咳き込んだ。
――既に侵入者があった為か。
城の中に蠢く魔物はただでさえ飛び出た目玉を血走らせ、物騒な武器を手にしている。
中には、何者かに殺戮された死体の山さえあった。床ばかりではなく、天井にまで破壊の跡が見られ、――どれだけの戦いがあったのか、今は想像することしかできない。
そうして、幾つ目の角を曲がった頃だろうか。
――無数の屍。無数の血糊の中。
ぽつりと置かれた、干からびきった、赤い実。]
………、
……………りんご?
[放置されていたためか、瘴気を帯びてぐずぐずに腐り始めている。
遠慮がちに。足を止めた少女は、それを拾い上げ。
――思い出したのは、いつかの街での、会話だっただろうか。*]
魔王 ケテルが「時間を進める」を選択しました。
― 北部・魔王城前 ―
[>>138異形の竜は魔王城の城門前にたどり着くと羽ばたきながら着地をした。
幾ばくか駆けながら勢いを殺し、停止するとその場に巨躯を横たえた。
背中に吐瀉物があっても気にすることはない。
そもそも外骨格の上からなので感覚に薄いのである。
異形の竜の役目は望む者を運ぶだけ。
フリッツの時と同様に魔王城の門前に運べば役目は終わったとばかりに動かなくなった**]
― 魔王城・門 ―
[どさり、と。
沼を抜けた途端、転がり落ちるように、少年は異形>>148の背から降りた。
そして空気を貪るように喘ぐ、そこもまた濃い瘴気に満ちた地ではあったが、毒液そのものよりはまだ呼吸に伴う苦痛は少なかった。
それでも、その行為により多量の瘴気を更に取り込んでいることに変わりはないのだが]
[もう動きたくないと訴える体を無理矢理起こし、少年は立ち上がる。
そして魔王城の威容を見上げた。
視界が定まらず、この場で抱くべき感情も思い出せなかったが、ただ、進まなくてはと思う。
魔神と共に去ったダリアを、追わなくてはならないのだから]
[しかし、門に数歩近付いた所で少年の足は止まる。
苦痛に支配されぼやけていた感情が、それ>>141を見た瞬間に形を取り戻した]
アイン……。
……勇者、さま……?
[ずっと、探していた人だった。
面影はそのままに、しかし生気のない顔に土気色の肌。
名を呼び近付く少年を認識すれば、それは与えられた役割通りに、剣を構え侵入者を排除しようとする]
勇者さま!
[少年の叫びごと引き裂くように、かつての勇者は剣を振るう。
咄嗟に避けた少年を、焦点の合わぬ瞳がぎろりと見た]
[――呼び掛けても無駄だとはわかっている。
それと似た術は何度も目にしていた]
こんな所で、……会えるなんて。
[掠れた声で語り掛けるように言いながら、少年が抜いたのは光の剣]
本当なら、これは、きみが使うはずだったんじゃないの。
[勇者の証とも言える得物を、かつて勇者と呼ばれていた少年に向ける]
ねえ、エステルさんも、タンガリザも、チャペも、いなくなっちゃったんだよ。
ダリアには酷い怪我をさせちゃった。
……きみが一緒にいたら、もっとうまくやれたかなぁ?
[言っても詮無いことだろう、アインを手に掛けたのが、仲間だったはずのチャペだったのだから。
少年は力ない微笑みを浮かべた後、腹に溜まる重苦しいものを地に吐いて、再び顔を上げた]
でも、……今は僕が勇者なんだ。
[アインの面影を残す門兵は、話を聞いてなどいないのだろう、再び剣を振り上げていた]
ダリアを助けなきゃ。
魔王と戦わなきゃ。
……僕が、やるしかないんだ。
[少年も光の剣を振るい、そして魔の者が鍛えたのであろう剣を受け止める。
かつて、鍛錬としての手合わせは幾度かしたことがあったか。
未熟な少年では勇者には勝てず、それでもさすがだなぁと笑っていたのだ]
行きます……勇者さま。
[誰も聞いてはいない宣言と共に。
少年は呼吸を止めるようにして、一歩を踏み込んだ**]
[――――――嗚呼、頭が]
[がんがん、がんがん、がんがん、止まない]
[音?痛み?それすら分からない]
[引き千切られて気が狂いそうだ。否、とうに狂っている]
[抱えきれない闇ばかりが溢れて、後には何も残らない。
負の感情ばかりが募るけど、
行き先を失い心臓が握り潰されているようで。
もう何も思い出せない。
此処は何処?床に転がっている此れは何?
目の前にいるこれは、誰?
只管に苦しいばかりで。此れがまた、永劫続くのか]
[魔王より放たれた一撃が、闇を切り抜ける瞬間。
もし、其処に少女の姿が現れたならば。
黒い瞳は一瞬だけ、我に返ったように。
じっとそちらを見つめただろうけれど]
[斬り捨てられて床へ醜く潰れ落ちたのは、
どろりと黒い液体の溶けだした何か。
屍体というなら、屍体だろう。
人ならば触れるだけで害をなすような、悍ましさ。
魔と呪に絡め取られたまま]
[白猫は影猫から身を隠しながら過ごす。
どうしても守りたかった相手は、今や己に仇なす存在となってしまった。]
ミャウゥ……
[チャペの記憶が残っていれば、どう思うだろうか?
きっと優しい顔をして影猫を撫でようとするだろう。チャペとはそういう猫だった。]
[チャペが影猫のために戦ったあの地。
そこにはもうチャペの亡骸は無かった。
元々が影なのだ。魔力が完全に霧散すれば、跡形も無く消えてしまう運命だ。
後にはチャペがいつも持ち歩いていた手編みのポーチと、零れ落ちた掌大の尻尾付きボールだけがそこに残っていた。]
[食べることも、肥料になることもない、食物としての意味を喪失した、赤い実。溜め込まれた瘴気は、持つだけでも掌から少女を蝕み、食らわんとする。
早鐘。悪寒。臭気。
――けれども、少女はそれを手放すことはできず。
枯れ果てた赤い実を携えて、城を更に奥深くへと進む。]
――――、
[魔物はまだ、多くがうろついている。
壁にしみついた血糊も、元からあったであろう魔素の染みも。恐らく正常に育った人間が見れば、恐怖を催し、嫌悪に溺れ、『さすがは魔王の城だ』とでも語るのであろうか。
――呼吸が拒む。
――足が拒む。
息を止めようとしても、開いた眼球からあらゆる呪が入り込み
少しずつ少しずつ、少女から生命を殺いでいく。]
っ、………
[魔神の影響下にあってなお、目を細め、口を強く閉じる。
――一瞬、置き去りにした少年のことが頭に浮かび。
振り払うように、ただひたすらに前へ、前へと歩いた。]
[暗示のかからなかった愛し子が一匹、その場に近づく。
ボールを見つけると、警戒心と好奇心を交互に見せながらゆっくりと近づき、つんっとボールをつつくと、転がったその様子に驚いて飛び退き、唸り声を上げる。
しかしやはり好奇心に負け、再びボールへと近づいていく。
それを幾度繰り返したか。とうとう影猫は、ボールに擦り寄り遊び始めた。
もう届かない悲しき思い。その証だけが独りぼっちで残るのだった。**]
[途中で、魔神は少女へと道行きを示し、姿を消そう。
闇の中では見ているかもしれないが、その方が面白いとばかりに。
少女が無視されるのは、玉座の間の内に入るまでか。**]
[身体は重く。
意識は薄く。
呼吸は苦しく。
正常に育った人間からすれば、少女のそれそのものが狂気の沙汰か。自ら地獄へ歩み行く少女の肌は再び竜鱗が浮き、実を握った指先も、砂へと変じようとする。
時間が足りない。
命が足りない。
身体が足りない。
――それでもまだ、たった一つ。遣り残したことの為に。]
そう、なの?
[少しばかり荒くなった呼吸で、魔神の言葉に目をまるくする。
手の中の赤い実を見つめ、臭いを嗅いでみるが、そこにどのような奇跡が起きたのかなど、分かるはずもなく。]
…………、ん
たべてみる
[意を決したように、齧る。]
[――舌触りとか。味とか。
そういった問題ですら、もはやない。
噛んだ瞬間に広がる腐乱臭は鼻を抜けて脳へ至り。
染み出る液体は口腔いっぱいに飛び散って。
まるで――泥を煮立てて、飲んでいるかのような。
食への冒涜。圧倒的な呪詛の塊。
――嗚呼、この実は腐っている。]
ぅ、…っ
[嘔吐感が襲ったのは、魔素の影響だけではあるまい。
胃からせりあがった酸味と混ざり合い、更に臭気は酷くなる。
口元を押さえ、――ぐっと呑み込んで。]
…………、
[一口。また一口。
涙を堪えながら、なんとか食べきれば。
――確かに、女性の言う通りの効能はあったらしい。
砂化していた指先は、再び元へと戻り。
肌に浮いていた竜鱗はそのままだったが
奥へ進むごとに酷くなっていた息苦しさは、薄れた。]
……ほんとだ
[驚いたように、目をまるくして。
手に付着した実の液体を、まじまじと見つめた。]
[――フリッツが命を賭して遺した『呪い』は、再び少女に歩くだけの力を与える。全てが元通りになることは無かったが、それでも、望みを叶えるだけの時間の猶予を。
途中からは、女性の姿が見えなくなり、一人きりで歩かなければならなくなったが。手に残る実の感触だけを支えに、ひたすらに歩いた。]
[知らない。――知っている。
分からない。――分からないはずがない。
でも、過ぎった"彼"とは、あまりにも違う。
形が違う。いろが違う。気配が違う。
あれではまるで、形を持つことを許されない、化け物だ。
でも。]
…………、
[どろりと溶けた液体のような"それ"を、ただ見つめる。
球体に包まれ。玉座の間からいなくなるまで。
じっと、目が離せないまま、呆けたように瞳に映していた。**]
竜の子 ダリアが「時間を進める」を選択しました。
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