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― 北部 魔王城 ―
[騒ぎを聞きつけ再び魔物が集まってくるまでに、
然程時間はかからなかった。
傷が癒えたおかげか駆ける速度と剣の重さは増し。
敵を斬り伏せながら進んだ先、
荘厳な雰囲気を湛えた長い階段が見えてきた。
空気の重圧が、一段と強くなる。
きっと魔王はあの先にいる。
そう考えて仰いだ高い天井の奥。
舞い降りてきたのは―――…巨大な竜]
アンジェは。
[悪魔司教の不在を察し、呟くも。
声は咆哮にかき消され、次いで振るわれる腕と爪]
[反射的に伏せ避けたが、壁が抉れて瓦礫が舞った。
その破壊力は重々承知している。
何せあの魔導船を、一体でほぼ沈めかけた怪物だ。
振り返りざまに斬撃を飛ばすが、
竜はひらり宙を舞い男の攻撃を躱す]
…………なんだアイツは。
[不安定な階段の足場で剣を構えつつ、邪竜を見つめる。
間近で観察し、纏う雰囲気の異様さ歪さに気が付いた。
死霊術には詳しくないが、その転生に用いられた多数の魂。
人も魔も隔てなく、怨嗟の念を持つ魂の成れの果て。
それが渦巻いていることに、
"同類"である男の呪いが反応した]
[竜が再び急降下し、その勢いのままに牙を剥く。
横に飛びつつ接近の際に斬りつけようと剣を薙ぐも、
読まれていたのか直ぐに爪の攻撃が重ねられた]
――――――ッ。
[翻した剣でその一撃を受け止めるが、あまりに重い。
ふっとばされて階段に叩きつけられる。
態勢を立て直す前に、止めとばかりに竜の爪が迫る]
《―――――…》
[重ねる詠唱、直線的な動きになった竜を捉えるように、
闇から伸び出る無数の黒い腕。
竜は圧倒的な力で其れを振り払い引きちぎり前進する]
[稼いだ僅かな時間の内、男は剣を握り直して床を蹴った。
何度でも絡みついてくる黒い腕にもがきつつも、
竜は咆哮をあげながらその爪を揮った。
駆ける勢いと魔力を足し、男は再度其れを剣で受け止める。
全身に衝撃が走るが、吹き飛ばされずに何とか耐えた]
《―――――――…》
[そのまま詠唱を続ける。
黒い腕の数は更に増し、やがては邪竜を包み込むように。
そしてゆっくりゆっくりと、
鋼鉄をも跳ね返す竜の鱗を侵食し、溶かしていく。
剣を握る男の右手の輪郭が揺らぐ。
今や漆黒の繭で包まれるようになった状態の竜へ、
どろりと暗い闇が伸びていく]
[異様なその光景に、追撃を加える魔の者はいなかったか。
いたとすれば、巻き添えに絡め取り取り込んだ。
…やがて黒い腕は霧散していき。
最後、佇んでいるのは男一人だった。
無表情な瞳は、じっと剣を見つめている。
竜の揮う爪の衝撃は、やはり凄まじかったらしい。
刃に入る無数の罅。
元々、男が使っていたのは友人の剣。
その出自など知りはしない。
魔力で強化していたものの、限界に近いようだ。
修復を施すが、何処までもつか。
まあ良い。
何処まで持つか分からないのは、使い手も同じだ]
― 魔王城 玉座の間 ―
[重い扉が、静かに開かれる。
返り血を滴らせながら、男は無表情のまま。
竜を取り込み階段を上った先、
更なる魔の者の強襲を斬り伏せた後に。
―――…男は漸く"その場所"へとたどり着いた]
そんな面してたのか。
[どうせ奇襲など出来るとは思っていない。
だから堂々と扉から入り、
魔王を見据えて薄く目を細める。
狂態にも"ナジ"にも、視線を向けることはなく*]
[少年の左手が首を絞めるチャペの手を掴むが、その程度ではびくともしない。
息苦しさで視界が狭まるのを感じつつも、彼女の言葉>>155が耳に届いて]
わか……てる、よ。
何度も戦……て、げほ、
[そう、ただ単に敵として、思い入れることもなく倒して来た。
でも、チャペは、そう割り切るには長い時間を共に過ごしすぎて。
まとまらない思考の中、剣を持ち直せば僅かに地面を擦る感触があった。
途端、唸り声が聞こえチャペの手が離れる]
わっ、
[どさり、地面に尻から落ちる。視線は唸り声の主へ]
……チャペ?
[その姿が陽炎のように揺らぐ。
錯覚か、と一瞬思うも。
急激に血の廻り出した脳が、ひとりでに動いたチャペの影、光の剣が触れた先、点と点を線で結んだ]
ああ……そうなんだ。
[少年は剣を両手で握り直し。
ゆっくりと焦点を合わせるように、チャペの顔を見た]
チャペ。
……今まで、きみのことを知ろうともしなくて、ごめん。
信じることがきみのためだと思ってたけど、違った……のかな。
[少年は、光の剣の切っ先を下へ――地面に映る影へ、向ける]
僕らのことが憎かったなら、ずっと苦しい気持ちで旅してたなら、その気持ちを全部ぶつけて欲しい。
きっと、僕も苦しい気持ちになるけど……この先に進むために、それを背負いたいんだ。
[そう言って微笑みかけるけれど、チャペの反応はどうだっただろう。
返るものが言葉でなければ――少年もまた、動くだろう*]
― 北部・魔王城 ―
ええ、最初はそうだったのでしょう
それが形骸化するまで然程時間はかからなかった
[愚かな人間は気づかなかった。
勇者がいれば魔王を倒せると思い込んでいた。
そして勇者と呼ばれた者たちもまた同じ]
最期に頼れたのは仲間だけだった
仲間のためにならば戦える、でしょうか
["ナージェスター"が落ちた後、勇者は何を感じたのだろうか。
"ナジ"の知る記憶にあるのは勇者の背中だけである。
そのあとの事は、知らないでいる]
― 北部・魔王城 ―
もし、仲間が居なくなったら――
それでも魔王の前までたどり着く勇者は、
一体何を求めていたのでしょうねぇ
[魔王はこちらを見ることはない。
"ナジ"も魔王へと視線を送ることはなかった。
ただ玉座の間へと扉を見つめていた]
私は思うのですよ
人間が生まれ育つ土壌がなくなれば、
女神が囁く相手もいなくなりましょう
[そこまで告げたところで扉は開かれる。
訪れたフリッツへと視線を向け、魔王に一礼をすると
"ナジ"は後ろへと下がった]
次の候補など生ませはしませんよ
貴方で、最期です
[聞こえぬだろうか、聞こえていても聞いてはいないだろうか。
フリッツへと手向ける言葉は彼の者が恐らくは
残り僅かな力ある人間であることを告げるもの**]
[光の剣が影へと向けられたその時、チャペの姿は掻き消え、黒い獣が踊り出た。
獣は弾丸のような素早さでアルシェスの肩口に食らいつくと、光の剣が届く前に牙を放して距離を取る。]
はぁ……はぁ……! 違う!
[黒き獣は怒りに吠える。]
憎くなんて、ないんだ。とても、とても大切だったんだよ。
この手で壊すしかなかったんだ。一度壊れたものは、二度と戻ってはこないのに!
アインはいない。射手ちゃんもいない。タンちゃんも、北に向かったみんなもどうなったか分かんない。
[黒き獣は己の影を見つめる。]
これまでチャペがやってきた事を見くびるな! 軽々しく、背負うなんて言葉を使うんじゃないよ。
[黒き獣はもう一度アルシェスへと向かっていく。
何度でも、何度でも、噛みついては離れてを繰り返そうとする。]
それを背負えるのは、チャペだけだよ。
[そこで、魔王はふいに笑う。]
それは良い。
何も無くなるというのは。
[其れは凶貌であり。
即死の呪にあてられかねないものだったが。
扉開かれる前には消え失せ、ナジの記憶に留まるのみか。*]
[光の剣を影へ向けた瞬間、チャペは動いた>>168。
肩口へ喰らいつく黒い獣、それはこちらが反応するより早く、剣の間合いから離れた]
チャペ……そんな。
[チャペは勇者を憎んでなどいなかった。
アインも、エステルも、タンガリザも大切だと言って、――しかし誰もがこの地には辿り着いていない]
そうか、そうだね。
……ごめん、ごめんなさい。
[怒りの叫び、壊すしかなかったという言葉を、少年は謝罪を零しながら受け止めるしかなかった。
ぼろぼろと涙が零れるのは、傷の痛みのせいではない]
なんで、こんなことしなくちゃいけないんだろう。
……大切なものを護るために、戦っていた、はず、なのに。
なんでそれが、壊す側になっちゃうんだろう?
[この期に及んでの問いだと思われるだろうか。けれど、わからないから、口に出すしかなかった。
返る答えは、もしかしたらないのかもしれないが]
――僕にとっては、チャペも、大切だった。
[幾度も噛みつきを受け、肩や四肢など、あちこち鎧に穴が空き紅色が滲む。
それでも、少年はそれだけは伝えたいと口を開く]
ずっと、励まされてきたんだ。
知らない所で何があったとしても、……それは、本当だから。
何も……返せなくて、ごめん。
[背負うことすら許されないのなら、もう、敵として対峙するしか道はないのだろうと。
近付いては離れ、激しく動く獣へ剣を向ける]
せめて……せめて、忘れないでいるよ。
きみが言ったことや、やったことは、何でも。
[決定的な決別の思いを込め、こちらへ近付く獣の動きへ合わせるように、光の剣を横薙ぎに振るった*]
[光の剣は猫の影を確実に捉えた。
体の中にガラスを散りばめられるような痛み。肉体でなく魂を引き裂かれるような不快感。
襲いくる激痛の中、道連れだと言わんばかりに猫も前脚をアルシェスへと伸ばす。
黒き獣の爪は首筋にはほんのわずか及ばず、アルシェスの胸から腹に深い爪跡を残すに留まった。]
ぐうぅ……あああああああ
[獣は血を吐き、その場へ崩れ落ちる。
それでもなお、アルシェスへ牙を突き立てんとのたうち回った。]
本当に、どうしてなの。
どうして戦わなきゃいけないかったの!
[牛歩のような速度で、ふらつきながらアルシェスのほうへと向かっていく。]
[血に染まった影猫は涙を流す。
影猫は本来言葉を操れるほどの知能は持ち合わせていない。突然変異なのか、望まずとも力を持ってしまったチャペ。
チャペがただの影猫であったのなら、どれほど楽だったか。]
ほらね、影猫ってとても弱いんだ。だから護れるのはチャペだけだったんだよ。
ニンゲンってのはいいよね。いつの時代だって、どれだけ絶望していたって、勇者が希望になってくれるんだからさ。
チャペたちには、それが無いんだ。自分が希望になるしか、ないんだよ。
[魔王。ふと聞いただけでは魔物にとっての勇者に思えても、魔の者の目を通して見ればどうであったか。]
チャペは、あの子達だけの勇者になりたいんだ。だから、ニンゲンとは敵同士じゃなきゃいけなかった。
[黒き獣はアルシェスに牙を突き立てようと飛びかかる。
アルシェスが猫を薙ぎ払おうとすれば、それは簡単にできてしまうだろう。]
― 北部・魔王城 ―
そういうもの、でございますか……
私にはわかりかねますねぇ
先に絶たれるよりは先に絶ちたい
きっとそういう者もおりましょう
それでも魔王を倒せる者ならば、
その者は確かに勇者であったのでしょうね
[魔王の笑みを横目で見て、"ナジ"は目を細めた]
ご安心ください、魔王様
私は永劫魔王様にお仕えいたします故
[そうして、息を潜め魔王とフリッツの行く末を見守るのであった**]
もっと、もっと、一緒に笑っていたかった。
本当なら、ゆーしゃちゃんが、エステルちゃんが、タンちゃんが隣にいたはずなのに! ダリアちゃんは元気にしていたはずなのに! アルちゃんとは、手を繋いでいたはずなのに! アロちゃんや、フリッツちゃんや、レティちゃんとも一緒に過ごせたはずなのに! アイスちゃんと愛し子達も、仲良くなれたはずなのに!
[影猫は悲痛な叫びを上げる。]
チャペは、この世界が憎いよ。
こんな世界にした、運命が憎いよ。
こんな世界を作った、神々が憎いよ。
[もう影猫は立っていることも難しくなっていた。
あと一撃を加えれば、決着は付くだろう。
それでも影猫の瞳には、諦めの色は微塵も燈っていなかった。
辺りの影はもう静まり返っていた。]
[魔王が口を開く。
その声に応じるように、全身の闇がさざめき立つ。
早くアイツを殺せ、殺せと。
男の意識すら飛ばして今にも襲い掛かりそうになるのを、
無理やり踏み止まり抑えながら]
貴様を殺さぬ限り、俺は安らかに眠れんのだ。
[低い声で答える。
剣を抜き、一歩、ゆっくりと足を前へ]
だが貴様は。
――――何が、したい。
人間を憎みながら。
人間より生まれた魔の者を、侍らせて。
不毛な循環を眺め続けてきたのか。
何の為に。
俺は、貴様が憎くて仕方がないが。
貴様は一体、何を憎んでいる。
人間か。世界か。女神か。
………まさか、魔神の操り人形じゃねーだろ?
[止められなければ、緩やかに歩みを続け。
絨毯の中腹辺りで足を止め、剣を構えた**]
っぐ…………ううっ……!
[チャペの苦悶の声>>176が響く中、少年もまた胸から腹を引き裂かれ呻きながら片膝を着いた。
のたうち回る獣を剣でいなすも、呼吸は徐々に乱れていく]
どうして、……かな。
[女神に聞けば答えが返っていたのか、それとも。
今の少年には何も言えないまま、ただふらつき近付くチャペへ剣を構えることしかできない]
そっか。……チャペは、すごかったんだね。
チャペにしか出来ないことを、ちゃんとやったんだ。
[涙を流す影猫>>177へ、囁くような声を掛ける]
……でも、勇者が希望になるのは、何でだろうね。
物語があるから? 女神さまの言葉を受けたから?
なんでニンゲンにはあって、チャペたちにはないんだろう……。
[こうして、言葉を交わせる程に近い存在なのに、何故それは非対称なのか。半ば独り言のように呟いた後]
それでも、僕は……!
[世界がままならないことを、大切なものを壊さなくてはならないことを知っても]
この世界を、諦めたくないんだ!
[その一念だけが、きっと少年を、勇者の側に立たせていた]
[傷付いてなお、諦めの色のない瞳を見せる影猫>>181へ、少年もまた真っ直ぐな瞳を向け対峙する]
これから先痛みを背負っても、きっと同じことを言うと誓うよ。
チャペ、影猫の勇者、――自ら希望となったきみに、敬意を表して。
[正式なやり方はわからないけれど、光の剣を一度垂直に、天へ切っ先向けるように掲げて]
行くよ――チャペ。
[人間の勇者として、滅びを願うものへ最後の一撃を与えるべく、少年は駆ける**]
さ……せ…………な……い…………
[影猫がそれを受け入れることはない。ほんの僅かでも体が動くのなら、影猫のためにあがく。
光の剣の刀身をその体躯に浴びるその瞬間まで、必死に攻撃を避けようとした。]
体が、動かない。希望が、消えていく。消えていく……
せめて、これを……
愛し子たち……タンちゃん……
[悲しきかな、影猫が最期に思い浮かべたもの。それは勇者一行としてのチャペではなく、やはり魔獣としての自分だった。
攻撃にはならない、何かを包み込んだような影を飛ばすと、その行き先を見届けることなくチャペは事切れた。]
[ちろちろと小さな影が逃げていく。
それは風が吹けば消し飛んでしまいそうな程に脆弱で、身を守る術を持ってはいない。
捕まえようとすれば簡単に壊すことだってできるし、何もしなくともじきに消えてしまうだろう。
ここからできるだけ遠くまで逃げるように暗示をかけた魔力。
それがチャペの守りたかった者達にまで届くか、チャペが知ることはできない。
影の後には足跡も残りはしなかった。**]
――――…
[まだ、少女の体は完全には動かない。
蝕む毒を消し去ることはできても、それによって生じた内部の損傷や、魔力の過剰放出によって無理矢理動こうとした代償は、ふらつきとなって残っている。
浅い呼吸。ようやく輪郭を取り戻し始めた視界。
それでも、立ち上がろうと。
光と影の交差する先に、手を伸ばそうとしたのは。]
……チャペさん、
[――ちがう、と。
在り様を憎み、運命を憎み、世界を憎み。
女神に聞かされたそれと同じように、滅べと呪う彼女に伝える為に。
共に暮らしていたはずなのに、裏切られた物語を知っている。
人であったのに、人から見捨てられたおんなの人を知っている。
人間であるはずなのに、享楽の為に魔についた人を知っている。
昨日まで笑いあっていたはずなのに、名残も無く絶望に焼き尽くされていった人々を、何度も見てきた。
それでも、皆を、自分の名を呼んでくれたチャペを、滅べと呪うことだけは、少女にはできず。
届くことのない言葉は、眩いばかりの光の向こうに、溶けていった。**]
魔王を殺さぬ限りか。
[人の呪いの如何なるものか。
魔王は、魔剣士の言いように笑みを浮かべた。
悍ましい、魔王の笑みだ。
重い空気が面変えるような不可思議な心地を与える。黝く色付くような。]
ここまで来たのだ。
答えてやろう。
[鷹揚に低い声を響かせた後、]
全てだ。
[軽ささえ覚える程、簡単に告げる。]
人も世界も女神も。
お前の言う、魔神もな。
[パチン]
[魔王が指鳴らすと闇の球体が生じて母娘の狂態を包み、ぷちゅんと消失したか。転移か潰れたかは包まれただけかは定かでは無い。もしも転移であれば、苗床としての場へかもしれないが。]
[褪めたあかい眼差し。
射抜く即死の呪眼は、常の抵抗を求められる。
抵抗を為す度、どくりと心臓が歪な音を鳴らさんか。
抵抗に失敗すれば、死に落ちるだけ。]
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