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―花山院邸・奥座敷―
[やっと知れたと、狐は目を細めるのです。
この方が求めうるものあれば、叶えて差し上げたいのです。]
狐は弱く、いとも容易く殺せども、永久近いほどに生き得るもの。
…貴方が望むならば
[その手を取りて、爪先でそっと綴るのです。]
[ とわ に ]
羅生門に?
[穢れとは、彼の思い深き方を殺した恨みのことかと。]
…行くのですか?
[その方の事も、気になりました。
されど、彼の思い深き方が、狂える程に思う方の事も気になっていたのです。
件の武士を取り殺した狐火は、
そう、なぶり殺す事を楽しんでしまった心の欠片は、
ふらり体を離れ、想われ人の所へと。]
[更に見える景色は移り変わり、
都の大路、遠巻きの人だかりの中に倒れた…否、下半身だけの骸]
[それを見て色めき立つ、白藤を振り返り]
白藤、お前、
吟遊詩人 コーネリアスは、双子 リック を投票先に選びました。
[「汐」の名にぼんやりと思い出す、
羅城門の下で遭った、髪を切り揃えた薬師、
それと言葉を交わした──]
「…貴方は。大切な物を失ったら。
本当に…何も、恨まずに。居れるのですか。」
「私は…捨てれはしません。きっと。
ずっと、引きずる… 」
[泣いていた、顔。]
あの、時のか。
[だがそれでも己が吐いた言葉は欠落したまま。]
──廃屋──
[若宮に突き飛ばされ、おとこはさしたる抵抗もせず、抱いた腕を離した。]
・・……
[おとこは足元の、うらみのまま 震えるおぞましきあやかし 黒髪の。
ははを見る──。]
血を分けた ははが
かくも醜くおぞましきものに成り果て・・…
ああ 暗い部屋ですね
若宮さまの 輝く 淡いろだけが まぶしい
[云いながら、おとこはゆるく首を振る。]
―廃屋―
[それは穢れ。
それは怨み。
それは、死に行く者たちが、狐の心をよぎって逝く時に残した残滓。
その姿のひとつは薄紅の衣纏うもののふに、
その姿のひとつは衣冠乱さず纏う陰陽師に。]
『貴方想うが故に。』
『貴方恋うが故に。』
[口々に囁く言葉は、想われ人の、
若宮様の耳元に。
狂わせたも死なせたも、そなたが在るが故と。]
[縁に座るは、透けて薄れた狐の姿。
黒く染まった一ッ尾の。
それは、惑い揺らぐのを楽しむために、悪い夢を若宮様へと紡ぐのです。
総ての咎(とが)はそなたに在りと。]
[差し込む光に照らされ くろかみが消えてゆく。]
[闇が光に混じり消えるその部屋 若宮の耳元に
生きたる若宮に 囁く死者の声は届くか──]
−廃屋−
[体が、震える。
耳元に届く懐かしい声。
耳元で語りかける愛しい声。
すべては自分のせいだと、声たちは語り、語り]
───っ、…ぅ、っ…
[耳聞こえねば楽だろか。
瞳見えねば楽だろか。
けれど、少年の心が、それを許さず、ただ、両の手で顔を隠して泣くばかり。
大きく響く音、少しだけ顔を上げれば]
[世界はひどく、まぶしい]
[六条院に箱を置いて、事後のことを頼んだ後、また外へと出た]
[どこへ行けばよいのか、考えてみても判らず、ただ彷徨うのみ]
(白藤さんも、汐さんも。ただ流れて京に着ただけなのに)
[憎い][憎いと思うたのは何故だったのか]
[憎く、愛しいと]
[藤の香りがふわりと]
[その方を指し示すように導いて]
[気づくと、朽ちかけた廃屋の前に導かれて]
こんな所に、若君様がいるはず、ない、よな。
[けれども、匂いはそこに留まり、中へと誘う様で]
[気になったものは仕方が無いと、中を覗いた]
――廃屋――
[おとこは、数珠を持たぬ片腕で、黒く染まった狐を抱いた。
荒れた庭の向こう、塀の上をちいさな痩せた猫が掛けて行く。 猫の周囲はうすあかく、また目の暗いおとこにその姿がくっきりと見えるからには、それはまた誰かの──呪を運ぶ猫なのかもしれなかった。]
[切り替わる景色、
またあの少年が映る、]
[まだ泣いている、]
[そして、やつれた法師と、黒い尾の妖狐、
囁く言の葉は少年を惑わし、唆し、
穢れに満ちた、 ]
……──違う、違うのだ、私は、
[叫ぶように、喘ぐようにおとこの唇から、我知らず声が洩れ出でる。]
わたしは、あなたを愛したわたしのまま死にたいと、
己が妄執が、あなたを喰らい尽くす前に消えたいと、
[──気が付いて、ハッと口を噤む。]
───僕の、せい?
僕が、影居様と出会わなかったら。
僕が、影秀の気持ちに気づいていたら。
こんなことにはならなかったのかな?
[くるくると]
[意識を苛む言葉]
──廃屋・部屋…→庭先──
[おとこに人としての感覚があるならば、首筋にふれる外気は随分とつめたくなっており、それが、おとこと若宮は長い時間部屋に居たことを示していることに気付いただろう。]
[にゃぁああ]
[泣き続ける若宮を尻目に、しわがれた猫の声に惹かれるように、おとこはくろい狐を抱いたまま、外へ]
誰ぞの怨みを背負うか。
犬、猫、けものに罪は無いと云うのに
ああ、醜いのはひとばかり。
[濡れた琥珀の瞳は、法師の傍らに黒き狐の影を見る。
少年には、呪いの力も、不思議を知る瞳もないはずなのに、それが見える]
……?
[うまく、声を紡げないまま、その光景を瞳におさめる。
少年の足音が近づいていることは、知らぬまま]
[かさり]
[歩けば音が響き、天井の隙間からは赤い光りが差し込み、それもやや紫へと変化して、夜が近いことを告げる]
(ここは。荒れているのに、人の気配がする)
[敗れた御簾の内を覗いても、やはり無人で、奥へ奥へと匂いは指し示し]
[ふるふると、こころに繋がる糸が震える。]
[ずきん、と頭が痛む。
額からこめかみにかけて、内側から疼くような、痛みが走る。]
[ふと、庭の方へと目を向けると、そこに人影を見つけて柱の影に身を隠した]
(あれは、暗くてよくわからないけど。でも)
[あの法師だと、何かが告げる]
(それじゃあ、若君様は、ここに? でも、法師が連れて行ったという確証なんて無い。
でも、法師だけじゃなくて、あれは)
[人影は一人ではなく、何かを抱いていて、揺れる尾を見て人でないことに気づく。
若宮でないことを知ると、御簾の内を通ってまだ奥へと]
[先の会話には滲まなかった色を含ませるそこの二人。
ゆるりと目を開け、わずかな呟き]
…何が違う。
[鏡を見て驚愕するもの二人。その相手は自分と縁がないとは言えぬが二人が持つような感情は持ち合わせず]
それがお前達の本性だろうよ。影居、白藤。
──廃屋・庭先──
[おとこは猫を撫でようと喉元に手を差し出す。
そのゆびに、痩せた猫は噛みつき──おとこの手のひらから、ぽたり 血が流れた。]
・・……
[かさり] [たん たん たん]
[人が何かにぶつかりながら歩く──音が、おとこの耳にも届いた。屋敷の反対側から中庭、おとこの近くへ。足音は近づき、一度ぴたりと止まる。目の暗いおとこは、それが桐弥であることには気付かない。]
[その、より暗い部屋にたどり着いたのは、法師の姿を見てから僅か後の事で、破れ、色もあせた几帳を手で寄せて中を覗く。そこには、淡い光りが一つ]
(若君、さま)
[腰に下げた短刀を握る。蹲り、泣いているように見えた。
几帳を手で払い上げたまま暫し眺めて]
[苦痛に息荒げ──と言うてもおとこはとうに死んでいるのだから、それはおとこの魂がそう感じているだけであるのだが──、顔を歪ませながら橘を見上げる。
何時の間にやら、片膝ついて座り込んでいたようだ。]
本性だと?
[淡き黒狐は、法師の赤き血滴る指を見て、
そっとそれに舌を這わすのです。
それは傷をいたわるものなのか、
滴る生き血を味わうものか。
あるいはそれは、両方なのかもしれません。]
[その、より暗い部屋にたどり着いたのは、法師の姿を見てから僅か後の事で、破れ、色もあせた几帳を手で寄せて中を覗く。そこには、淡い光りが一つ]
(若君、さま)
[腰に下げた短刀を握る。蹲り、泣いているように見えた。
几帳を手で払い上げたまま暫し眺め]
思えば宮も哀れなことだ。
宛てなる者は宮を忘れ、宮は頼む者に忘れられて現世を生きるとはな。
影居よ、次は宮様を鬼とする気か?
それはそれで面白く見させてもらおうか?
泣いて、おられるのですか。
誰の為に。
何故、こんな場所にいるのですか。
あの法師にでも、連れてこられましたか。
何故、あの法師は貴方様をここに連れてきたのですか。
[問う声に責める響きは無く。ただ呟くように口にした]
[暫くは、あてもなく往来を眺めていた。
遣えた屋敷へ戻るつもりにはならなかった。]
……花山院。
[呟き、その名を冠する屋敷へ向かう。
目指すは奥の座敷──]
──……→花山院邸・奥座敷──
つねひと。
[小さな、足音。
次第に近くなってきたそれに、少しだけ、顔を上げる]
…。
[何故、という問い、答えられなくて首を横に振る。
そんなの自分が教えて欲しい、とばかりに。
少しだけ、唇をかんで、そしてまた俯く]
[血をなぞり、触れる舌先のやわらかさ。
薄い笑みを浮かべたおとこのおもては、若宮にどう映ったのかわからない。]
[にゃぁあああ]
[猫がまた鳴き、さかしく素早く獣らしく 塀の向こうへ姿を消す。
何処かへ──誰ぞを怨み あやめんが為──。
猫の去り際、葛木のために汐が薬を分けてくれたときの。
箱を開いた時と、同じにおいがした。]
…・・汐どの か
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