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本当に。恐れ多いことだよ。
人が手に持てる物など多くはない。
こぼせばそれはまさに桜の如く散るだけよ。
ならば最初から関わらねばよかったものを。
誰が誰を恨むのやら。だが俺もここにいては誰かを恨んでいるのだろう。当の相手は知らぬことだがな。
あの薬師と童は泣いていた。あやつらの恨みはどこに行くのだろうな。
[少女の姿の若宮が言の葉を紡ぐ間も、節くれた指を若宮にかざしていた。]
…・・
[翳した手に猫の舌先が触れるに、おとこは薄く笑い。
かざした手をもどすと、数珠を持って両手を合わせた。]
[ぴちゃぁあん] [何処かで水音が響き]
[おとこの足元に うっすらとあかい靄が煙る。
常人ならばその靄に気付かぬやもしれぬ。式ならば感ずるかもしれぬ。]
影秀どのは、中将どのと同じく
──もう、現の人ではなくなりましたゆえ。
[云ってから若宮の無邪気さにこまったように、眉をよせた。]
[白藤に近づく男、安倍を見やりどこかで聞いたような声を聞いて其方を見れば、猫を連れた童女と、法師の姿]
こんな所に、子どもなど。
[目を細める。その童女の気配が、どこか懐かしいようにも思えて]
若君様。
[ぽつりと]
[姿は違う。けれど、その歩みも気配焦がれた人と同じもので思わず口にしてからはっとする]
汐さん、白藤さんを、見ていて。
[汐へと声をかけて、童女の方へと足を向ける]
[式の猫の瞳に映るは法師姿の、
名はさだかに思い出せぬが、白藤と大殿邸で逢った時に一緒に居たおとこだ。
この気配──
[あかい霧、
あらざるところに通ずる深き穴のような、その、底無しの虚無、]
[猫は、何かをとらえたのか急に法師を威嚇し始める。
その様子に、慌てて猫をなだめながら]
…そんな…影秀、まで。
[宥めていた手が震えて、思わず猫を落としてしまう。
器用に猫はくるりと一回転して地に下りるが、少年はといえば眩暈を感じたように思わず大路に座り込んで]
………うそだ。そんなの、うそでしょう…?
…よくは、知りませんが。ね。
[目許を指先で拭うと、近づいてきた者に言葉を返し]
其の名。兄さんも言っていた…
貴方は、一体…?
[じ、と見つめる。
片腕。拳に力が籠もり。
何とか紡いだ言葉、少し震えて…
溢るる物を見せたくなかった、という事もあるのか。
視線を白藤に落とす。
もう、震えもせぬ。ただ、緑が赤の上。揺れていた*]
ふ、それでも……何とか、祓いたかったんだよ。
及ばなくても、また力を研ぎ澄まして。
ばかなことだ、な。
[瞑目し]
そうだな。この、くらいくらい闇のなかで。
おれも、だれかを恨むんだろう。
……皮肉なことだ。
[今一度、靄の向こう側のかれらに顔を向けて]
……汐――、桐弥……。
……。
[座り込んだ童女のほうへと寄り、傍にいる法師をちらりと見て]
先程この先で怪異がありましたので、余り寄らぬ方がいいかと。
[声をかけて、童女を見ると、ふるふると震えているようにも見えて]
どうか、なされましたか。
(若君様。ああ、そうだ。この童女はやはり。姿を変えていてもわかる。そしてこのようなことが出来るのは)
[白藤のところにいる男だろうと見当をつける。何より、浚ったのが赤毛の男の方であれば、このような場所にこうやって若宮が現れるはずもない、と]
葛木が恨みを人になげかけた。
あの哀れなキツネが。かわいそうに。そしてそれは私の為という。
私はそれを望まなかったのに。
お前もせめて想う人が恨みで道を外さぬよう願うのだな。
桜の薄紅、人を恨む血の色であればこれ以上は増えぬこと祈るよ。
[一息。力及ばなかったのは自分も同じ。
そして目の当たりにしていた悪友の変貌。目元が少し、歪む]
あぁ、もしこれが現世であればお前とは一度杯でも交わしたかったものよ。鷹もお前を認めていた。
嫌われてしまいましたか。
動物は好きなのですがね。
[猫の形をしたものに威嚇され、困った様な笑みはますます深くなる。生物ではない気配、何処かの力ある陰陽師の式か。無我とはまた異なる赤髪の人形(ひとがた)──を、大殿の屋敷で用いていた影居の姿を思い出し、]
(影秀どのが、中将どのを……なのですがねえ)
[この若宮にそれを告げてよいものか。
おのれが、影秀になしたことを忘れ去ったかのような、おとこのおもての気色。ゆるく首を横に振る。
人食い鬼と化した武士の話をするまえに、]
──ところで、もしや…あなたさまは、
羅生門にのぼろうなどど、思うてはおりませんな?
それは言えぬのか、
分からぬのか。
否、そも識とはそういうものだったかな──
[奪われたは奪い返す。
ままならぬも、すこしずつ穢れを取り込みながら。*]
……葛木が?
[眉を寄せて。項に手をやり翡翠に触れる。
ひやりとはしなかった。]
――そうか。
あいつは、泣いていたよ。あんたのために。
おれは好きにしろと謂った。……とめてもどうにもなるものでもない、が。
[止めるべきだったのだろうか。わからない。
続く言葉には俯き目を伏せて]
ああ、そうするさ。
ただもう……祈り願うことしかかなわないからな。
[影居。あのようなおとこだっただろうか。
ひどくするどく、鬼のような。]
……それは光栄、嬉しいことだね。
あの鷹から、何か聞けないかとも思ったんだが。
[猫の姿の式に威嚇された おとこの足元には あかぐろい あの犬の首がある]
[怨] [うぉぉおおおおん][怨] [怨] [怨]
─花山院邸・奥座敷─
[その肩が震えているのは、泣いているのか、笑うているのか。
己が泣きたいのか、笑いたいのかすら、もはや狐には判りませんでした。]
…もはや、もはや只の獣では居れぬ。
[己が何を為したのか、狐には良くわかっておりました。
そして、取り殺した彼の武士は、紛う事なくあの笛の方の仇であったとも。]
…出会わなければ、焦がれなければ、只の獣で居れたというのに。
[胸の奥焦がす悔恨の焔。
…けれども気づいてしまったのです。
幾度も弄び、死に追いやる事を…あの時の己は楽しんでいたと。]
月白は私以外には懐かぬよ。あれは賢くてな。
私が陰陽師を厭うこと常日頃もうしていたら覚えてしまったらしい。
襲われなかっただけでもよかったと思え
[少しだけ、口元緩め]
祈り願っても帰らぬものは帰らぬがそれしかできないのは私も同じ。
守らねばならぬものをともに守ろうとした者が穢してしまった。
友と思っていたのも私だけだったらしい。
そしてその方をお守りしていた者も…恨みの塊であったな。
たのみにするものもなく。憐れなものは恨みに汚れた。
私一人、道化のようであったろうよ。
[自嘲気味に笑う。
ただ、耐えきれなかったのは目元、ひと筋だけの水の跡。
[法師の男の言葉に顔を上げる]
羅生門に、登る?
登るって屋根に、ですか? それとも、梁?
[だがしかし何故そのようなことを童女に聞くのか、とも思い。やはり不思議そうに法師を見た]
[丸くなっていた背を伸ばし、数珠をかかげ、
墨染め法衣のおとこは、桐弥に一礼を──。]
──怪異ですか。
[怪異が起きている事は、承知と云わぬばかり。おとこは羅生門にひろがる新しいあかい海をことを、知るがゆえ、若宮をとどめようと言葉を掛けたのだった。]
[桐弥に、]
のぼるのは、内側に入るため ですよ。
死体が放り込まれ── 夜盗が寝床にしている場所ですゆえ。
《お嬢さん》が行くような場所ではないと。
[おとこは、桐弥が弥の君でもあることはもちろん、ただの人とおぼしき桐弥が、なにゆえにか若宮の気配を察しているとは思い及ばず。]
怪異が、なにごとか──聞いてもよいだろうか?
そうだな、実に賢い。
主が陰陽師嫌いじゃぁ、仕方がないねえ。
[つられるように、笑みを。]
――……守る。若宮様か。
[靄のむこうの、術で少女の姿をした“少年”。]
宮中も、恨みやたたりに囚われていたか。
否、宮中であればこそ、か。
[道化のようだ、とわらう、
零れるしずくを見て、ぬぐおうとしたか手を伸ばす]
[ふわり。
狐は白き夜着のまま、乱れ髪のまま風になるのです。
いえ、それは。
心を乗せたまぼろしなのでしょう。
大路に乱れ咲く枝垂桜の枝の上。
腰掛け狐は笛を吹くのです。
割れ笛の紡ぐ調べは、乱れ乱れて嘆き哭く。]
[法師へと向けて]
登っても、あそこには何も、ありはしません。
あるといえばあるのでしょうが。
[現のものでないものなら、あそこには一つ二つといわず]
怪異は、。
[目の前の若宮の前で言うことを憚られて言い淀み]
一人の陰陽師が、呪いを受けて息絶えた。それだけのことでございます。ですが、こちらの童に見せるのは酷かと思いまして。
…嫌っていたが…信用していなかったわけではないのだがな。
鷹には伝わらなかったらしい。そこまで人の感情教える術は知らん。
[影居も白藤も陰陽寮も、嫌っていたが信用とはまた別物]
役目であれば宮中も、宮様も、だ。
それが…このざまでな。
[伸ばされた手、逃げることはしないが]
…そういうことは想い人にしてやれ。
次は色恋で恨まれる羽目になるのはたまらぬ。
来世は静かに生きたいものだからな
[怨] [怨<won>──] [うぉおおおおん]
[咆哮ととも] [犬首からあかぐろい雫が滴り] [おとこの足元に怨み渦巻く ひろいひろい池をつくる]
[桐弥に話しかけながら、おとこは人肉をむさぼり大きく育った怨みの塊を、ゆびさきで撫でる。]
……隔たりがある、か。
仕方のないことだ。
[ふ、とわらう。]
――皮肉なもんだねぇ。
[眼を閉じて、すいとしずくを拭った後]
想いびと、ね。
あいにくどうにも……そういう方面には鈍くてね。
まぁ、何かしらの恨みはごめんだから、従うとしよう。
[本気か冗談か
そんなことを謂ってから手を離した。]
鈍いのはお互い様だがとばっちりはくれてくれるな。
[眉間の皺はもう顔から消えないらしい。
ふい、と霧の鏡をのぞき見て]
…また誰か、恨みを持ったか。それとも恨みに捕らわれたか…。
ここで何をしてもせん無きことだが…かくも哀れな人の世よ。
[俯いて、呟く言葉に込めた感情はそも何か──*]
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