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[風は再び澱む。
薬売りは橘と共に去っていった。
ひとり去って、またひとり。
つと立ち上がり、門の外から中を眺める影を見る。
雨はぽつぽつと地面に染みを作った。
――客人の多い日だ。
――もっとも、おれも此処のものではないが。
眼を細める。門のそばまで歩いていって]
このような雨の日に如何されたか。
御用なら、伺いますがね。
[と、武士の出で立ちをした男に問う。]
[いかにも陰陽師、という人物から声をかけられる]
うん?いや・・・・・・
遣いでこの屋敷にやって来たのだが、ここで良かったのかと迷っていた所だ。
して、陰陽の御仁とお見受けしたが、この屋敷の者か?
あぁ。
仰るとおり。
“今は”この屋敷に仕えておりますな。
[首を傾ける薄笑み。翡翠が揺れる。]
遣いの方ですか。
此処は大殿様の屋敷ですが、其方の認識と相違ないですかな?
ならば正しかったようだ。かたじけない。
今は、ということは雇われか。
雇われた意図は・・・某の務めと内容は同じという事かな。
[僅かに目つきが鋭くなる]
…いえ。
此れも私も、道に迷うておるのです。
[恭しく捧げ持つのは、見事な漆塗りの竜笛でした。]
この笛が申すには、紅葉の山へと連れられていった折、
あるじとはぐれ、都へと帰れなくなってしまったと。
対なるもう一つの笛とも、離れ離れになってしまったそうで。
哀れに思いて山より降りてきましたが、都も広うございます。
あるじには未だ行き会えず、こうして迷うておるのです。
それは何より。
[鋭さを帯びた眼にも表情は其の侭で。]
おや。其方も雇われでありましたか。
さぁて、どうでしょうな。
おれが為すのは刀では斬れぬものを祓うことでして。
が、斬れると思うたひとがいたのかもしれませんな。
[謂うと、刀を見て軽く腕を組んだ。]
……務めとはなにを?
道に、迷い?
[まるで笛に魂でもあるかのような物言いに首を傾げる]
京は広く、人も数がおりますゆえ、見つけることは困難でしょうね。
ですが、その笛はわたくしにも見覚えがあるのです。それがどこであったのかまでは憶えていないのですが、それほど昔ではない……。
対となる方を見たもかもしれません。
[この姿で人に会うことなど稀で、だからこそ憶えはなくとも見当がつき]
もしかしたら。
橘の中将様のものかもしれません。
[以前に一度御簾越しであったが声をかけてもらったことがある。慣れない女性の姿に辟易して、こちらから言葉は掛けなかったが、笛を嗜んでいた事も義父の口から聞いた覚えもあり]
ただ、どこに行けばお会いできるのかまでは。
[急速に、空が暗くなって来たようだった。
透明な水滴がぽつりと一つぶ、頭を振ったおとこの額に触れた。探しても、羅生門には生者の気配は無かった。在るのは、おとこと目の前の識。そして──ぬるくあかい匂いと、なつかしき肉のぬかるみを晒す屍骸が在るのみ。
おのれの他におらぬことに気づき、慌てて腐肉のついた指先を法衣で拭う。]
[おとこは、目の前の光の波紋のおごそかさに薄い唇を震わせ、無我の取り出した文を覗き込んだ。
文字を読み取るためには、おとこは息が掛かりそうなほど、無我の傍に寄らなくてはならなかった。とは云え、相手の息がかかるとは到底思えはしなかったのだが、それ故におとこはおのれを息を詰めた。]
…ああ。
悪いね。わたしは、目があまりよくないのだよ。
日の光が強い日などは、眼球の奥がくらくらとゆれるほど。
こうやって近づかなくては、文字が読めない。
な ん──
[おとこの目に、淡く輝いて映るしろい指先が取り出した、筆者の知力をうかがわせる流麗な文字で書かれた文──そこにあったのは、]
たちばな、の。
[その名を心に留めるように、口にしました。]
どのような方なのでしょうね。
この笛のあるじならば…
[白い指がするりと、艶やかな漆塗りの笛を撫でていきます。
その御方が、先だって例の屋敷で行き会った生真面目な役人であるなどとは、狐は思いも寄らなかったのです。]
雨が止んだら、探しに参りましょうか。
[ゆれている、
ゆれている。
澱んだ気配が揺れている。
何処まで結界がもつやもしれぬ。
あかもぬかるみも沢山だ。
此処には死臭が満ちている。
花も咲いて
緑も揺れるのに
あやかしもひとも絶えない。]
――ほんとうに、物好きの多いことだ。
[わらう。
此処から先はなにもない、と謂うように。]
そうかも知れん。むしろ、それが陰陽でどうにかなるのかそれとも某のような武士の力が必要なのか分からぬ。
某の務めか。大した物ではないし、笑うな。
人を喰らうものがいる、らしい。
わたくしも、一度目にしただけですから。
ですが、悪い方ではないと、存じております。
ああ、そろそろわたくしは戻りませんと。案内できればよいのですが、出歩くことは許されていないのです。
[舘の方から自分の名前を呼ぶ声が聞こえ、其方を向く。女房の一人が、自分を探しているようだった]
然様、分かりませんな。
斬れば終わるか、祓えば終わるか。
怪異はひとにも憑くと申します。
それと知らず闊歩するか、それと知って振舞うかはさておいて。
[続いた言葉には眼を細め]
――人喰いですか。
……ああ、笑いはしませぬよ。
大したものではないと仰るとはご謙遜を。
それはやはり、この屋敷において起こった
ここ数日の奇妙な人死にに端を発するのですかな?
[其処まで謂ってふと気づいたように]
……ああ、このままでは濡れてしまいますかな。
屋根のあるところに行きますか?
[屋敷のほうへ顔を向けた。]
えぇ、手がかりだけでも得られて助かりました。
わざわざそこまで手数をかけさせる訳にもまいりますまい。
[若き姫君に礼を言い、恭しく頭を下げました。
呼ばれる声を耳にし、その名を胸へと留めます。]
ではまた、いずれ。
[一陣の雨風に、舞うは薄紅の櫻の花びら。
はらはらとそれが地面に落ちる頃には、白糸の若者の姿は既に其処にはありませんでした。]
奇妙な人死に・・・否、詳しい話はこちらでと聴いていたもので。成る程、そのような事が起きていたのか。
ならば”人喰い”と称されて某がこちらに出向くのも頷ける。
屋根がある所か。出来れば長旅で疲れている故少し休みたいのだが、案内して貰えるだろうか。
都を守らん 陰陽師の── 識神 とな。
術師はもう居らぬの…か。
[ぼうとした無我のまなこ。
近づけば、目の暗いおとこにもその色を覗くことが出来る。名を尋ねれば、指先が 辰星 無我 と綴った。
おとこは無我の陶器で出来たかの如きゆびさきと、文をしばらく見つめていた。近目とは云え見つめすぎて「痛」と一度、こめかみを押さえた。]
・・奇縁、なるかな。
わたしは、「兄」に呼ばれて都へ戻らされたばかり。
僅かばかりの法力があるならば、怪事に役立つようにと。
わたしは、花山院の者らしい。
[おとこの記憶には無いのだが、かれ自身が兄に宛てた文におのれの成した修行の成果を書き送ったことがあるらしい。
とは云え、おとこを今になって呼び寄せた「兄」の意図は分からぬ。
真名を知られれば、魂を奪われるやも知れぬと云うのに。何故かおとこは無防備にも、目の前の識に「兄」からの文を見せようと懐を探った。]
ああ、雨だ・・・濡れてはいけない。
こちらの梁の下へ おいで──
春の雨は 冬の雨よりも沁みて つめたい。
[羅生門の下には、皮肉なことにおとこが巻いたはずの車が、にわかに降り出した雨の所為で戻って来ていた。
花山院 師輔の使いの男は、半ば自棄になったように、おとこを*呼んでいた*。]
なるほど、では説明が必要ですな。
おれの知っていることならばお答えしましょう。
長旅とのこと、お疲れ様で。
[すいと手を屋敷へむけて差し伸べる]
ご案内しましょう。
……あぁ、そうだ。おれは白藤と申します。
必要があれば、そうお呼びください。
[と、屋敷へ向けて歩き出す。
話をすれば、部屋が用意されるとの旨を伝えた。
休むまでの間に怪異について聞かれれば、余さず答えた。
雨が散り敷く花びらを叩いている*]
かたじけない。某は富樫影秀と申す。
これでも守護大名の家計だが、某はまだまだ奉公の身だ。
暫く世話になると思うがよろしく頼む。
[今までの経緯を聞きながら、*白藤の後に付いていった*]
[去る男に頭を下げて、自身も戻ろうと振り向く。
雨を避けるかのように走り、そして自身の間へとようやく辿き、待っていたとばかりの*女房の小言を聞き流した*]
嗚呼…影居、さま。
[嬉しそうに、やっと楽を奏で終えた少年は微笑み立ち上がって庭先近くまで]
…お会いしとうございました。
さ、こちらへ。
それ以上濡れては、花だけではなく貴方様まで冷えてしまう…。
[両の手を差し出して招く様は抱き締めるを求める子供に似て]
[微細な粒子が流れを表す―― おとこが文(ふみ)へ目を落とす間(ま)も、無我は茫と顔の向き変えぬままであったから横顔を見つめることになる]
[あかく ぬるく 底なる人々の想いが重なり重なり羅城門は、またゆぅるりと隅から鬼をうみいだし――]
「術師はもう居らぬの…か。」
[後を託す事になったおとこへ頷く]
「わたしは、花山院の者らしい。」
[文を探り、傍へと呼ばうおとこのもとへ 擁かれるように]
[俄かに雨が死臭をくちくちと冒し 誰その声が響いてきた]
[暗がりの中、無我はおとこのこめかみに指を伸ばし――ひたり。手のひらを頬、顎へと*触れさせた*]
[庇へと上がったおとこは、差し招く若宮の傍に跪き、面を伏せる。]
私もお会いいたしとうございました。
若宮さま……いえ。
[すっと顔を上げ、若宮を正面より見詰める。]
季久さま。
[本来は口にすることさえかなわぬ筈のひとの名を呼ぶ声には、幾分かの情がこもっていた。]
[正面に近づく姿をじっと見つめながら]
…貴方様はいつも…樹の影から姿をお見せになるのですね。
[最初に出会った内裏で迷子になった日を思い出したのか、少しだけ口許に笑みが生まれた。
血の繋がりを持つもの以外が呼ぶことはない自分の名を呼ぶ声に滲む感情に、微かに瞳が揺れる。
そろりと、指先は彼の指先に触れられたらとばかりに躊躇いがちにのばされ]
[「いつも樹の影から現れる」という若宮の言葉にクスリと笑う。]
それ故の名ですから……
[目の前の若宮の瞳に宿るいろに、気付いて居るのか居ないのか。
涼しげな顔で、伸ばされた指先をそぅっと手に取り、*恭しく戴いた。*]
[少し瞬き、そして小さく笑む]
影に居る…ですか。
本当ですね…。
[自分の指先を掬う冷たさに少し睫毛が頬の上に影を落とした。
自分の熱が彼を驚かせはしないかと、ばかり、少しだけ*不安でもあった*]
―大殿邸―
[粗方の状況説明の後、休憩もそこそこに
先に挨拶をしてくるという富樫を
白藤は門まで見送った。
庭では薄紅梅と桃花色の花びらが緑の苔に映えている。
雨を吸い、澱んだ空気の中でさえ鮮やかだ。
富樫の薄紅の着物にも似ていたかもしれない。
傘をさした富樫の背が見えなくなるころ
屋敷の方へちらと視線を向けた。]
大殿さまの様子は――相変わらずか。
[腕を軽く組んで、開け放たれたままの門に凭れた。
常の笑みが薄れて、ふと物憂げなかおになる。]
足りないだろうねぇ。
……おれでは。
[通りへ向けた筈の眼は、何処か遠くを向いている。
屋敷の死のにおいは、
羅生門から広がる陰のにおいと似ている。
祓う祓わないではないと影居が謂ったのを
白藤は知る由もなかったが、
聞いていたならば同意しただろう。]
……否、何人でかかろうと同じか。
本当に、根が深いことだ。
[呟く。人の気配。表情は、薄笑みに戻っていた。]
―橘様の屋敷・門―
ありがとうございました。
また要り用なれば、汐の名をお呼び下さい…
[頭を下げれば頂いた傘を開き。
屋敷を出て通りへと出る。
屋敷に背を向け。其の全貌も見えなくなりつつあるとき。
小さく息を零した]
ふぅ、あんなに良くして頂けるとは。
是非とも馴染みになりたいもの…
[薄く笑みを浮かべて居ったが。
其の足を向ける先や、次第に感ずる気。
次第に表情も引き締まっていく]
…陰陽師。ならば、祟り…か?
あの屋敷の周り…上手くすればあの屋敷にも取り入る事が出来ようが。
問題は其の祟りは同業による物か。か…
―件の屋敷・門前の通り―
多少…其方の知識があるとは言え。
同業が出した手なれば、此方が下手に手を出す物ではない、が。
[ゆるり。傘を少し持ち上げ、見ゆる先は先刻訪れた屋敷]
…はて。そういえば。
彼の男の言葉はいかな事か。
[門に凭れる人影。其の目は細くなり。
一見すれば見定めようとしているようにも見えるかも知れぬ。
歩み寄るべきか否か…はたまた、其の男自身か]
[雨はなおも降っている。
故か人通りは多くない。
歩いてきたのは目立つ箱を背負った禿の薬売り。
傘から雫、此方を見ていた。
顔を其方へ向けると、翡翠が小さく揺れる。
笑むように眼を細めた。]
行商目的ならば橘中将で十分だと思うがねぇ。
[届くかどうかはさておいて、
揶揄するか、素直な感想か、そう呟いた。]
[…耳は良いのか。
細めていた目とは裏腹、声を掛けた]
流れな物で、ね。
[其の笑みに返すように。
すぅ、と口元もつり上がる]
典薬寮のに、何時お得意を取られるか分かりませんので、ね。
[往来で派手な騒ぎは起きぬと思ぅたのか。
それとも話せる者と思ぅたのか。
一歩ずつ近づいていく]
兄さんは…役人、かい?
そうかい。
[歩み寄って来るのを止めるわけでもなく、
腕を組んだままその様子を見つつ]
典薬寮か。
確かに上客を取られるのは一大事だ。
[薄笑みのままで謂う。]
いいや。おれは流れの陰陽師だ。
故あって今は此処で雇われの身だがね。
[と、屋敷を顎で示して見せた。]
牧童 トビーが「時間を進める」を選択しました。
今は根を張れておりますが、ね。
何時発たなければならぬか。
[ふふ、口から息が漏れる。
顎で示された屋敷。ゆるりと見上げて]
成る程…兄さんも流れ、か。
私と比べちゃあ、いけないのかも知れませんが。
[口元。目。どちらも薄い笑みを携えたまま。
屋敷を向いたまま尋ねた]
所で。この屋敷の…気、と申しますか。
これは、他の屋敷…他の者にも移りますかねぇ…?
[ゆっくり。傘で男からの視線を遮りつつ]
一時でも根を張れるならよいことだ。
まぁいつかは流れる根、早いか遅いかだけだがね。
[見上げる薬売りを流し見て]
さぁて、流れは流れさ。
比べてどうのという話は雅でない。
[軽い調子で謂った。
傘で視線を遮る所作は眼に入っているだろうが別段何も謂わず]
――其方も気になるか。
ああ、そういう意味でもある種同業だねぇ。
伝染るだろうな。
否、既に伝染っているかもしれないねぇ。
今は大人しいが、いつまでもつやら。
[門の上、配置された白い鳥の式が小さく羽を広げた。]
[雨の音が耳をつく]
この分じゃ今晩はお預けだな……。
一つ聞くけど、他の貴族の女もこんな風に暇なの?
[後ろでカツラを湯で洗っている女房に声をかける。付の女房は二人で、二人共に年老いていた。女性に興味を持たせぬ為なのか、その逆であるのかはわからなかったが]
「そのようなことはありませぬ。皆、それぞれに笛を嗜んだり、交わす文のため懸想したり、見目麗しく保つため日々の努力をいたしております故」
……おれには、関係ないな。笛くらいなら吹けるようになっても良いが。
[なおこの姿のまま留まるのには理由があった。京からでようと思えば出られたが、おそらく門を過ぎたところで捕まるであろう事と、もう一つ]
[探している屋敷があった。朧気に記憶に残るだけのその庭を、そこに住む主を見たいと言うだけのもの]
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