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……はは、は。 あはははは…っ。
本当に、なんて…因果な喜劇だよ、これは…っ。
……はは、は。 あはははは…っ。
[可笑しくてたまらないというかのような、乾いた虚ろな笑い声が、
クララから漂う血のにおい混じりの空気を震わせる。
ひとしきり笑い終えた男は、最後の人狼を見つめて]
[大切だった養父も、心から想ってた友人も、
そして――…心の何処かで惹かれていた彼女も。
心傾け大切に想ってきた相手の全てが、人狼だった男は。
やわらかな夢のような日々と、
微笑みあった村人を喰らった最後の人狼を見つめる。
その胸奥、かつて信じた人狼の遺した夢の残滓のように、
微かに澱んだ昏い水面が、小さな歓喜にさざめくのを感じる。
ふっと、見も知らぬ自身の親と、生まれを思った。
彼らも、同じように感じたのだろうか…]
俺も―――…殺すかい?
[誘うようにも、抗うようにも響く声音で……けれど。
彼女の心ひとつに己が身を委ねることを歓ぶかのように、
歪んだ笑みを浮かべ、やわらかに空色を細めた*]
……俺はね、クララのことを、大切にしたかった。
守りたいと、想っていた。
ヨアヒムのことも…
心から、大事な友人だと想っていた。
人狼だったから、なのかな…それとも…?
…自分でも、もう、わからないよ…。
[人狼であったと分かった今でも、やはり、心の何処かで、
友人だと思っている青年を想う。
それから、目の前の最後の人狼を。]
だから……。
クララが望むなら、俺の命は、クララの物だよ。
[――戦禍の国の、”落し物”として生まれて。
持ち主が誰か、知らないままひとり、育った男は。
自分の持ち主だった、かつての養父を想う。
彼の還りたかった……けれど人狼であるがゆえに、
壊すことを恐れて帰れなかった、
やわらかで優しい夢のような、桜抱く故郷。
それを壊したのが……
彼女だと分かってはいても、憎しみは心を過らず]
[綺麗だと見惚れた横顔と、いつも丁寧に本を捲っていた
細い指先を、そっとと見遣る。ふっと唇が綻ぶ。
生かすも殺すも……その手の中に。そう、心から希う*]
― 回想/シモンの子どもの頃―
[戦禍の最中の孤児収容施設。
大勢の子どもで、ぎゅうぎゅう詰の生活。
痩せこけたその子は、いつもお腹を空かせていて。
大人たちの噂話から聴こえ近付く、戦争の足音に怯えていた。
餓えと不安と諍いに震える日々が終わったのは、
幾千もの血に濡れた軍靴によって、街が蹂躙されたその朝。
気付けば、崩れた瓦礫の下敷きになっていて。
視界に映るのは、崩れた壁の残骸と、
あちこちからから立ち昇る灰色の煙。
生き物の焼ける吐き気を催すような匂いが、鼻を突く。
救いを求める怨嗟のような呻きが、あちこちから響いていた]
― 回想/シモンの子どもの頃―
[全身の痛みと、左足の裂けた傷痕から溢れ出る夥しい血に、
すうっと身体が冷え意識の遠退くのを感じた。
ああ、やっと死ねるんだな…と思いながら、
ゆるり空色を巡らせれば。
地面に広がる、澱み黒ずみはじめた赤の中。
綺麗だった瞳を微かに血走らせ、苦悶の表情を浮かべて
こと切れている修道女の顔]
『……、………?』
[いつものように、彼女を呼ぼうとするも。
渇いた唇から漏れた掠れた囁きは、声を結ばず。
ただ、ひゅうひゅうと、自分の喉から漏れる喘ぎのような
呼吸だけが、鼓膜を震わせた]
― 回想/シモンの子どもの頃―
『ねぇ、ころされるのって、いたい?』
『こわい? 』
[そう尋ねた時。
いつも優し気だった彼女の表情を、曇らせてしまった]
『……心配しないでいいのよ。 こわいことではないの。
御身元へ召されるのは、生まれ変わる為なのだから。』
[暫く何かに悩むように、睫毛を伏せた彼女は。
本心からだったのか、ただ慰めるためだったのか、
微かに痛まし気に微笑んで、そっとその子の頭を撫でた。
彼女がそう言ったから、死ぬのがこわくなくなった。
寧ろ、子ども心には、現実のつらさとひもじさの方が、怖かった。
早く死んで生まれ変わりたかった。
なのに―――…]
― 回想/シモンの子どもの頃―
『おい、おい・・っ、生きてるか?』
[遠退く意識の底、知らない男の声が、命を引き戻した。
救援軍の一人だと、後で知った。
身寄りのないその子を、引き取ってくれた恩人。
たくさん傷のある、けれど、あたたたかな笑顔と、
少し乱暴に頭を撫でる、大きな掌]
[拾われた命だから、この人の物だと思った。
いつか、この人の為に、死ねたら嬉しいと、思った。
―――…そうしたら、すこしだけ。
こんな自分でも、役に立てる。
生まれて生きてよかった…きっと、少しだけ、そう思えるはず。
幼い子ども心。けれど、心からの決心だった。
その願いは、想いは。叶わなかったけれど――…*]
―翌朝・談話室―
[自分を…還れぬ夢の故郷の桜の下に、埋めてほしい。
それが終わったら―――お前を解放するよ、自由になれ。
そんな残酷な遺言を残して、ひとり、置いて逝った養父。
自由になど、なりたくなかったのに。
望みは、ただ――あんたの為に、死ぬことだけだったのに。
解放されてなお、囚われたままだった狂った心]
―翌朝・談話室―
……ごめん、なあ…。
[微かな囁きは、かつて―――そして今、
自身のせいで殺してしまった帰らぬ人々にだったのか。
それとも、守れなかった大切な人狼にだったのか。
目の前の最後の人狼を、一人残していくことにだったのか。
薄れ閉じゆく空色の視界の端。
愛おしんだ淡い薄紅の最後のひとひらが、
幾人もの血の香りの残滓を漂わせ、
昏く澱んだ空気に溶けるように、はらり、*散った*]
―??―
願いたいことがある。
幹に刻まれた年輪のように、積み重なった記憶が“これまで”になって、そのひとを形作ってゆくのだろうと思う。それは、その人を見つめたときに目の奥に見える痛みだったり、強さだったり、優しさだったりもする。
あの最後の日、昔のことを話してくれた棗。
冷静で、頼りになって、そんな姿の奥に寂しさと優しさを隠していた、大切な仲間。
ずっと支えてくれて、最後まで頑張って、生き延びてくれた。
誰がなんて言っても、僕は棗の味方なので、これからも生きていってほしいと思ってる。
このことが始まった夜明け、この不器用な手は、一冊分の紙束を支えられる力しかない、そう思ったので――
その手でできる分のことを、やってみた。
ただの自己満足、随分と身勝手な性格だ。
だって、一緒にいるといったけれど、それでもやはり――残して置いてきた。
だから、もう何も出来ない。言葉も届かない。
それでもやはり、願わずにはいられない。
今は難しいかもしれないけれど、いつか、生きていて良かったと、一度でもいいからそう思ってほしいと――そんな、どうしようもないきれいごとを。
出来るなら、別れたあの日のように抱きしめたいけれど、腕がないからかなわない。
あんな手でも、いま、こんなにも欲しい。
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2月3日
図書館に行った。
脚立から落ちて本をばらまいて、司書さんに注意される。
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そのときのことは、この二行から思い起こすことしか出来ない。
たぶん、すごく迷惑をかけたんだろうな。
なんて言われたんだっけ「図書館ではお静かに」、ちがう、これは別のとき。「どいてください」――本を下敷きにしてしまったんだっけ、たぶん、そんな感じ。
驚いた様子はなかったと思う、少し迷惑そうだったかな、どうだっけ。ただ、投げかけられた目線が、落ちて打った箇所にちらりと落とされた、そんな気がしたので。
たぶん、本当は優しい人なんだな、と思った。
―シモン襲撃後―
[徐々に男の身体から血の気と、力が抜けてゆくのを感じた。
完全に動かなくなったのを確認し、そっと牙を離す。
これで、この閉ざされた村から、人間はいなくなった。]
―――……あは…あはは…
楠、柳、勝ったよ…
…ハッピーエンドだよ…
[形見の絵本とぬいぐるみ。
そして、手帳を抱きかかえ、仲間に報告する。
散って行った仲間達の死を無駄にしなかった。
人狼の勝ちだ。喜ぶべきことだ。
しかし、感じるのは虚しさのみ。
なぜ?勝ったのに。望み通りに、なったはずなのに。]
― 回想/ヨアヒムの死後―
[友人だと思っていた人狼を、その手にかけた瞬間、
脳裡を過った、幾つもの記憶とも夢ともつかぬ断片>>4:77]
初めて逢った時、雪道の溝におっこちていた青年>>4:58
どこか、心許なげで、放っておけないような気がして.
彼が働いていると聞いたから、様子を見に宿へ行った.>>4:59。
手帳を使っている様子と、常の物忘れから。
記憶に困難を抱えているのは気づいたけれど。
いつも一生懸命で、周りを思い遣ってばかりで、
無理にでも笑おうとする彼に。
大切だった養父を亡くした心の奥の、
冷たくなっていた何処かが、あたためられるような気がして。
食事の為といいつつ、宿に通う頻度が増えた自分に気づいていた]
― 回想/ヨアヒムの死後―
[記憶のことだけにとどまらず、慣れない村の生活で、
色々と心細かったり、ままならぬと思うこともあるだろうに。
『大丈夫』が口癖の彼に、
いつのまにか自分もそう口にできるようになっていて。
その変化が、嫌ではないことが、不思議だった]
[彼が、友達がほしいのだと、零したのはいつだったろう。
思わず、きょとんとした様子で、見返してしまった。
一般的には、この村で彼がよく話す人達や、
自分は、友達という範疇に入るのではないかと、想っていたから]
― 回想/ヨアヒムの死後―
『…こら。友達が欲しいなんて言われたら、ちょっとさびしいぞ?
俺は、ヨアヒムのことを、
とっくに友達だと思っているんだから。
一人でいるとき、ふっとヨアヒムの顔を見たいと思う。
どうしているだろう、会いたいな、と考える。
ヨアヒムが笑っていてくれると、嬉しい。
楽しそうに笑う声が好きだ。
ただ、料理したり掃除したりを、見ているのも好きだ。
何か困っていたら、頼ってほしいと思う。
助けになりたいと、守りたいと思っているよ。
―――これは、友達じゃないか?
ヨアヒムにとっては、足りないか?
[微かに不安そうな空色をむけて、首をかしげれば。
彼はどんな顔をしたのだったか。]
― 回想/死ぬ直前―
[舞い散ったひとひらの薄紅とともに、
男の命の灯火が掻き消える瞬間。
心に浮かんだのは、友達だと告げた時の友人の顔。
それから、泣きそうな顔で笑った、あの夜の微笑み。
その理由を、きけることがあったなら……。
そう願いながら、空色を閉じた**]
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