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「逃げたい」
「逃げるといい」
「死にたくない」
「生きればいい」
「逃がす気なんて 無いでしょう?」
「そんな事は無い」
「一筋の光明を前に 力尽きる
その時の君の瞳を見るのが 楽しいんじゃないか」
どうやらこの中には、村人が7名、人狼が1名、C国狂人が4名いるようだ。
研究員 マチルダが「時間を進める」を選択しました。
――ギィ
[食堂の扉を、廊下に向かって開く。
それが終わるとくるりと引き返し、テーブルの所に戻ってくると、食堂に居る面々に向かって、深く一礼をする。]
――――
『長らくお待たせしました
それではどうぞ 出口の無い鳥籠の中をお楽しみ下さい』
…鳥籠、だと?
[あからさまに不快そうな表情を浮かべた。]
楽しめだなどと、
ふざけているのか!
[詰め寄る、その視界の端に
ひらりと鬼火。]
…っ?
『所詮、囚われた小鳥です
あなたも わたしも
それならば それなりに それ相応に
籠の中を楽しみましょうと』
[さらさらと、紙にそうペンを走らせて、笑顔で掲げ見せる。]
[口のきけないメイドは
笑顔を浮かべ今度は崩壊しない敬語で書く。
カレルは、対照的に目を眇める]
っ…冗談じゃない。
そんな思考に至る方がどうかしてる…。
―――鳥籠だなんて。
[もう一度吐き捨てるように呟いた。
視線は茶封筒へ。]
−二階・名無しの部屋−
[マチルダの引き攣った悲鳴など意に介さない様子で、身体の隅々まで調べるゼリー状のソレ。
あらかた調べ終えた後、ずるずると床を這って主の元に戻り、右手の形に変化した。]
ふむ、大いに勉強になった。
擬態の際の参考にしよう。
[右手を擦りながらそう言った時、屋敷の柱時計の音が聞こえた。]
む、もうそんな時間か。
ご苦労だったな、マチルダ。
また遊んでやるから、それまで大人しくしておけ。
[ぐったりした様子のマチルダを労うと、部屋を出て書斎に戻った。]
――――、
[ほんの少し口を開いて、ぱくぱくと口を動かすも、そこからは何の音も生まれない。
小さく息をひとつ吐くと、いつものようにスケッチブックとペンを取った。]
『少しの痛みを我慢すれば
これはこれで 快適なのですよ
あなたも すぐにわかります』
[視線の先に気付くと、テーブルに置いた茶封筒を手に取ってカレルに渡す。]
…、―――
[メイドの唇は動くも声はでない。
カレルは眉を寄せる。
それは不快故ではない。
だが、スケッチブックの文章には厭わしげに]
…わかってたまるか。
わかりたくもない。
そんな、こと。
[ふる、と首を横に振り。
差し出された茶封筒を受け取った。
やや慎重に中を確認する。
他にやって来るものがいれば指先で示して見せる]
…何だ…?暗号…?
別に信用なんてせんでええよ?
例えば、なんかの手術に失敗して酷い傷があるかもしれへん。
あるいは何かの事故で見られへん顔なんかもしれへんし、病気で肌が爛れてるのかもしれへんで?
そんな人かもしれへん相手に……仮面を付けてる、表情が見えない程度の事で怯えて相手を拒絶する人なんて俺だって信用できひんしな。
[やれやれ、と肩を竦めるように。]
ま、丁度ええやないか。
互いに信用せぇへん仲ってのも中々おつなもんやし。
[封筒の文字を読むにつれ、
更に不機嫌そうな様子は加速する。]
……
[机の上、文章を見えるように広げた]
どうやらこの拉致監禁「仕掛け人」からの
贈り物らしい。
…どこまでも悪趣味だ。
タイムリミットまで設けて。
時間切れになったら――皆殺しにでもするつもりか?
[よくないほうにしか想像が働かない。]
[出口のない鳥籠を楽しめと、メイドはそう書いた。
少しの痛みを我慢すれば快適と、そう書いた]
ハハッ、まるで人生の真理のようだ。
……そして、敗北主義者の諦観でもある。
ああ、つまり俺らがペットか。俺なんて可愛げ無いやつを愛玩動物扱いとか、ホント趣味悪いねぇ。
――…なんだ。
ああ、そっか、そーだったな。
[思い出したように頭を振った]
ま、いいや。人間の振り、してていいだろ?
途中で飽きるかもしんないけどさ。
…また増えやがった。
[新たに増えた仮面を横目にみて、頭痛がしたのか手を頭に当てると眼を伏せた]
…頭いてぇ。
[カレルの言葉にまた顔を上げる]
鳥籠?
つか、あれ? さっきの二人どこ行った。
[少女と増えた男の二人が溶け合うのは目にしていなかった。
封筒の中が広げられると興味深そうに見る]
贈り物ねぇ。解けばいいってこと?
見てもわかんねぇけど。
…電卓と、
…サインペン…
[ひとつひとつ、確かめるように
几帳面に並べて置いていく。]
……暗号を解けとでも。
ただし、明後日の…明後日?
[少しだけ首を傾ぐ。]
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