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《マキタ》
AZができてからもうすぐで、ちょうど100年。
100年を迎える瞬間に地球にいる人間はみな、滅される。
正確に言えば、人工衛星に暮らす罪人たちもみなまとめて。
火星に住む者以外はみな等しく、消される。
人類のために幸光電社が100年を費やした『AtoZ計画』は、もうじきに終わる。
計画を完遂させるため、火星からの特派員として俺はAZで働いている。
《マキタ》
火星での生活をより早く安定させ、そして発展させるためには、地球に残った資源が不可欠だった。
しかし、地球には未だ数十億単位の人間が暮らしている。
──────ならば、消してしまおう。
結論が出るまでに、そう時間はかからなかった。
元より見捨ててきた人々だ。
倫理観や道徳は、人類の存続に必要のないものであった。
人々をおびき寄せ、幸せな幻を見せながらひと息に消すための箱として電脳世界AtoZが生まれた。
《マキタ》
そう。
だから、AZ民の幸福度は維持されなければならないのだ。
未だ地球の現実世界で暮らす頑なな人々が、「AZで暮らしたい」と願うように。
現に、そんな人の数はどんどん減っているし、もう数百人かそこらのはずだ。
《マキタ》
あとは、AZが100周年を迎えるめでたいその瞬間に『全てのスイッチが切れる。』
AZ民たちはみんな、そのときは眠くなるんだそうだ。
それは永遠の眠りとなる。
同時に、地上に暮らす人びとの集落めがけて人工衛星が落ちる。不幸な事故によって。
衛星に住む罪人も、地上で暮らす人々も燃えて灰になる。
そして誰もいなくなる、という寸法だ。
ニウニウこれにて締めです!!ニウニウについて語りたい部分もありますがそれはTwitterにちびちび書く…かな?多分。
最後のアークほんとに……甘酸っぱい気持ちをありがとう!
《マキタ》
計画の全貌を知っているのは、幸光電社火星本部の、その中でも限られた人物だけだ。
地球支部の社員は皆、もともと地球で暮らしていた人間のみで構成されている。
計画が完遂すると同時にその糧となる運命だし、それを知らずに最後まで職務を全うする。
モモコさんもその例外ではない。
例外ではないと、思っていた。
いやあ、今回も楽しかったなあ!
よくわからない間に終わっちゃったけど……まあいいか!
俺が俺である限り、きっとこれからも楽しいよね!ははは!
じゃあ、また会う事あれば!
/*最後に、にっ、と笑顔で皆に笑いかけ、意識を閉ざした。*/
マキタへ♡
今更だけど、無理な注文に付き合ってくれてありがとう。
迷惑ついでにもう一個お願い聞いてもらうね♡
参加者へのお詫びと対応は……任せた!
今回のプログラムの、採れたてほやほやの結果を持って火星本部に交渉に行ってきます。
当たり前だけど、人の幸せって一辺倒じゃなくて、すごく面白かったでしょ?
きっかけはなんでもいい、火星の人たちに観察されて娯楽になるとかそんな理由でも。
生かされてさえいれば、『AtoZ計画』が見直されるならその先はどうとでもなる。
マキタがどんな顔してこれを読んでるか、目に浮かぶなあ♡
モモコちゃんを甘く見てたことを悔やむがいい!
《マキタ》
内ポケットにしまったメモを頭の中で反芻する。
今回の入所者を見送ったら、モモコさんが帰って来る前にもう一度読もう。
そして燃やしてしまおう。
文字通り、電脳世界の塵芥にしてしまおう。
きっと、本部ではまた門前払いに近い対応しかしてもらえないはずだ。
計画は必ず完遂される。
俺は何食わぬ顔でモモコさんを迎えて、そしてAZと彼女の最期を見届けなくてはいけないのだ。
《マキタ》
─────もう一度、広間に残った面々を順に見渡した。
打ち合わせにあったモモコさんの台詞は、思いのほかすらすらとなぞれる。
「『新しく始まったばかりの取り組みでしたから、ハプニングもありましたし皆様の中にも賛否両論はあるかと思います。
此度の結果や頂いたご意見をもとに幸光電社は、そしてAZは』」
「『より良いものとなることをここにお約束いたします。どうぞ、よろしくお願いいたします』」
《マキタ》
奥歯を噛み締めて、恭しく礼をする。
ああ、俺がこの世界の住人だったならこんな思いはせずに済んだのだろうか。
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