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お二人(宮廷騎士、王様)へ
改めましてカエデです。
これを書いてるのは城での最後の日です。パトリシアと記憶を操作してもらう前にしたためています。
届くのは、そう、今日から三日後ぐらいですかね。
さて、まず私から二点ほど。
最初に。
私はソフィーのことを愛していました。
今回のオーディションの参加もソフィーとの再会が目的です。
私はセルナリアの図書館に勤めていた時彼女に会いました。
あそこでのいい記憶はソフィーとの記憶だけです。そこでソフィーに出会い、私の人生に意味と色が生まれました。一緒に過ごす日々と彼女との約束が私に恋慕という本の中にしかなかった感情を教えてくれました。
王家に戦争に私たちは引き離されましたが、この心は変わりませんでした。パトリシアに会うあの日までは。
二つ目はあなたがたの結婚についてです
その後私はパトリシアと出会い、彼女の人生を護ると決めました。ソフィーはあなた(たち)といたほうが幸せになると思ったから、というのも理由の一つです。
だけど、ここから先が問題です。いや問題なの!
兵士のうわさを聞いて私は死ぬほど驚いたわ。
結婚が白紙?二年後に選んでもらう?
聞いてないわよ!!まったく。まずローランとの関係なんて初めて聞いたわよ!!
まあ、いいわ。どちらが勝つかに私は興味はないの。
だけど、だけどね。どちらが勝ったとしてもソフィーを泣かせたら容赦なく殴りに行くわ。王であっても偉い騎士であっても。記憶なんて関係ない。
こほん、取り乱しました。
まあ私がいいたいのは。
絶対、ソフィーと一緒に幸せになってくださいね。
彼女の親友との約束です。
そして、ソフィーにに私の記憶のことは話さないでください。悲しませたくありません。
一人でいるとき、いつかどこかで見かけたらまた挨拶してください。きっとその時のカエデも喜びます。
それでは。
図書館司書だった カエデより
最後に術を練ろうなどとは思わない。
特別な思いのあるものでもない。
子どもたちが使い、いずれアルフレドも使う。
…誰かの発見を享受するように、この数十年で私もまた使うやもしれん。簡単なものだからな。
私の名も残らなくていい。術さえ残れば、それでいい。
*全ての者に挨拶を終えると、エドワードの元へと戻る
これからは、ずっと彼と一緒……だが、触る事は出来ない
その事実に、胸が打ちひしがれそうになる
だが、彼女はその中で一つの結論に辿りつく*
彼にそれが届かないうちに、背を向ける。
「さようなら、ローラン」
顔が見たかった。最後に言葉を交わしたかった。けれど、あの優しい人に今の顔を見せるわけには行かないから。
だからこれでいいんだろう。
次に言葉を交わす時は何としようかと考える。それを慰めとして今は足を動かそう。叶わぬ夢を見ることだけは許して欲しい。
*考え込むレリーの姿が落ち込んでるように見えたのか、話し掛けて来ようとするエドワードの言葉を遮り、目の前に立つ彼の首に手を回し、自分より背の高い彼に背伸びして、キスをした
驚く彼をよそに、暫くキスをした後、そっと離れ、にこっと笑いかけ、首に回した手をほどく
ちょうどその時に、城の鐘が鳴った
もう、彼とは二度と触れられないが、彼の側にいられない、その事に比べればまだ、未来がある
人を一人殺した、殺そうとした者達の背中に、一生消えない傷を負わせた
そして何より────彼の未来を奪った、その罪は、一生消える事はないだろう
死ねば楽になる……幼馴染の彼と同じ場所へ行ける、そう思った時もあった
だが、エドワードが自分との未来を望むのであれば、自分はそれに寄り添おう
彼との未来を守る為に、自分の足で歩いていこう
そう思いながら、彼と共に城の門を潜り、外界へと赴いた*
>>393 カッツェ
カッツェが言わんとすることにコクリと頷く。
僕だからできること。
僕だけができること。
カッツェがもう人に怯えなくていいように。
カッツェが進む道を真っ直ぐ前を向いて歩けるように。
「これくらい…しか…思い、浮かばなかった…
それにね…呪いは…二つもあったら、大変でしょ…?」
そう言ってゆっくりと目を開き…僕の瞳を持つカッツェを見つめた。
カチリと目が合う。
僕はくしゃりと笑って呪いをかける。
「…カッツェが…僕を、忘れませんように…
ずっと…僕のこと…好きでいてくれます、ように…」
自分の後ろに空間の穴を開ける。
そこへ飛び込んでカッツェが見えなくなるまで僕は見つめ続けた。
[ここでの自分は敗者であり、逆らう力など持たない。それは分かっていた。
そもそも自分にそんな力は無い。それならば。]
……最後の、お願いね。
[力無い言葉に反し、小鳥たちはバッと散開する。
城の窓という窓から白い羽が舞い、小鳥が飛び出していった。]
[小鳥たちはセルナリア中へと散らばってゆく。
何の力も持たない小鳥ではあるが、いつか誰かの記憶のささくれを呼び起こすだろう。少しずつ、少しずつ。
その頃にはパトリシアは何も知らない踊れぬ踊り子であっても。]
[小鳥たちがいなくなり、パトリシアの足元に散った白い羽も霧散するように消える。光の粉が彼女の希望であった。]
……カエデ、ごめんなさい。
[少しだけ目を伏せて、今此処に居ない彼女のことを考えた。]
/*
恩讐の村、お疲れ様でした!
ローランの物語もこれで締めさせていただきます。
セルナリアへの様々な恩を抱えてローランはこれからも生涯この国に仕えます。2年後、ソフィーがローランを選ばなかった時は、その時こそこの恋心に終身刑を。選んでもらっても選んでもらえなくても、ローランはもう前を向いていけるんじゃないかなー。
しばらくはソフィーのお部屋にデートしに行きますし、ケラのお店に姫に贈る花を買いに行きたい。
レリーからもらったハンカチも持ち続けるし(ていうか持ち続けざるを得ない笑)、カッツェのところへは時々お茶を飲みに行くよ。
ジルベールとはもう会えないだろうけど、ローランはこれかも彼を生涯の友だと思って生きていきます。多分、短剣はずっと腰にさして持ち歩くと思う。
村建て人のちかさん、同村してくださった皆さん、一週間遊んでくださりありがとうございました!
*/
[この国で「黒」が抑制され押し潰され続けるものであるならば。
その上から「白」が塗りたくられ続けるならば。
きっと小鳥は記憶を芽吹かせるのであろう。]
転移した先はビアンカと僕の秘密基地。
特になんてことはないけれど、村の森にこっそり作った小さなログハウス。
座り慣れた椅子に腰をかけると使役していた猫達を皆呼び出して主従の契りを破棄した。
「…怖がらせて…ごめんね…
村の皆のところに、行っておいで…」
猫達は戸惑い、怯えながらも足元でお別れの挨拶をしてから去って行った。
「…光の妖精、さん…幻滅させて…ごめんね…?」
光の妖精は違うと首を振りながらも悲しそうに僕を見つめる。
「ふふ…大丈夫…
…もし…妖精さんが、気に入ったなら…カッツェの元へ…行ってくれたら、嬉しいな…
…今まで…ありがとう…もう、自由になって…」
……よいしょっと。
ふう。
おはようございます!
……帰りました。
/*
少女は荷物を抱えて、暮らしていた孤児院へと戻ってきました。
鞄の中身を順に整理しながら、この一週間のことを思い返します。
*/
サテンさまに早くお手紙を書かなくっちゃ。
……あら?
/*
荷物に紛れて、なにかが鞄からカランと床に落ちました。
少女は親指と人差し指で拾い上げます。
*/
なにかしら?これ……
恩讐の村
ほんとにお疲れさまでした。
やりたいことやり終えて満足です。
みなさんの優しさのおかげでカエデという存在が生まれました。
またどこかで同村した際はよろしくお願いします!!!!
*カッツェの左目から、涙が流れる。一雫溢れると、両目から涙がとめどなく溢れてきた*
そんな!どうして!呪いはこの目だけっ──
*言いかけたとき、ネーロの言葉を意味を汲み取る。しっかりと、ネーロと目が合った。ああそうか。これはそういう、ネーロの*
そんなことしなくても、私、私はずっと、ずっとネーロが!
*ネーロを抱きしめようと腕を伸ばす。しかし、その腕は空を切り、行き場をなくす*
*初めて見るわけではない。毎日見ていた朱い瞳。その瞳が、あまりにも寂しげで愛おしそうにするから*
私も、大好きよ
*袖で涙をぬぐい、見えなくなるネーロへ微笑んだ*
[アルフレドは、こんなに幸せでいいのだろうか。と自問していた。
レベッカのこと、レリーのこと、グスタフのことを考えると、胸が苦しくなる。]
[だけど…、城を見上げるケラの横顔を見つめる。]
ーわたしには、守るものがある。ー
[それが、生きがいだった。アルフレドは、肩に添えた手に、ケラが気付かない程度に、少しだけ力を入れた。]
《私なりに〆をさせて頂きました
触れられないの、本当にしんどくてせめて……と思い、キスさせてしまいましたが、最初で最後になりそうなので……
レリーがこれから改心するか分からないので、呪いは解けるかもしれないし、解けないかもしれない
もしかしたら、10年後に自害出来ない呪いが解ければ、自害するかもしれないです
どうなるかはエドワード次第、みたいな所がありますが、彼に恋に落ちれて良かったなと思います
レリーは復讐の為に嘘をつくし、滑稽だと分かっていても、人あたりのいい自分を演じてみせる子ですが、エドワードへの気持ちは本物です
2人の明日はこれからだ!という事で何卒……
盛大に、時空を歪めてごめんなさい!
エドワードとレリーは魔法がかかった後、世界中旅に行きます
レリー2つ目の呪いがあるので……
もし、旅先で会う事や戻ってくる事があれば、その時は皆と普通の話が出来たらなと思います
では、皆様1習間同村して頂き、ありがとうございました!
村建てのちかちゃん、素敵な村をありがとうございます!
また、青鳥の方でお礼や交流が出来たら、と考えておりますので、よろしくお願いします
それでは、お疲れ様でした!》
鐘…か。
《身体の軋む音がする。滲む視界に映るものは、徐々にその大きさを増していくようだ。》
「これまで、か…」
《これまでの、自分に未練などない。大人の姿のうちに話しておきたい同胞ももう、いない。》
《グスタフは今とこれからの時間に対して意味を見出そうとはしていなかった。
元より何も持っていない。城に来て、虚しさひとつを得て、出て行く。》
小さく小さくなりゆく身体を眺めて、それでもなお感情は動かなかった。、
[音を届けた空間に歪みが走った。
規則正しい響きはそのままに、不協和音だけが吸い込まれる。
そして、広間は戻った。
まるで何もなかったかのように。
戯れに走った一音は不快感を与えたはずなのに。]
……!
転移魔法、か?
それにしても消え方が奇妙だ。
何だったんだ、あの少年は。
滅んだはずの、今度こそは引導を渡したはずの黒狼騎士団を名乗るなど。
まだ、奴らは滅んではいない?
いや、そんなことはないはずだ。確かに今日、皆、処分は課されたはずだ。
まぁいい、処分の内の一つは僕の手の中だ。
10年はこの目で確と見張ることができる。
[そうして、最後の1人の処分が下るのを、フェルマータを奏でる広間で待った。]
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