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西に漁港、東に山城、
街と都会の狭間に、現と御伽の狭間が生まれようとしています。
名物も、名産も、名前さえ無いこの街に。
ハロー、マイ・ヒーロー。
ルーフェの呼び声は、皆様にはどう聞こえましたか?
各々の正義に燃える心を、楽しみに待つ観客が一人、先立って名もなき村にいるのでした。
1人目、呼び声 ルーフェ がやってきました。
呼び声 ルーフェは、村人 を希望しました。
栄える町の狭間。
人と人が行き交う拠点にしては、生体反応が僅少。
活気――というと抽象的ですが、人類が衣を嗜み食を求め住に安寧する、そういった生命活動も乏しい。
動きに山のない渓谷。
土地柄に人柄も似る、とでも言いますか。
平和……。
その単語が相応しいかと言われると否。
正しくは、平凡と称すべきでしょうか。
この村に住まう方々は、悪い方ではないのでしょう。
火のないところに煙は立たない、ではありませんが、
動きが、あまりにも“静”でありすぎる。
――けたたましく鳴り響くルーフェの叫び声。
その姿は、誰もが知るべきかつての名作に登場する人物の“それ”であった。
静かなる村は、ルーフェの村獣に響き渡る勢いの警鐘に、
一時誰もが耳を立てた。
−−深夜に鳴り響いたルーフェの警鐘に、村の住人たちは飛び起きたが、見知らぬ少女の言う狼など、小さな村の隅から隅まで探しても全く見当たらない。
余所者がとんだホラを吹いたな、などと言いながら、ルーフェの声を信ずるものはいなかった。
夜分に叩き起こされた村人は怒り、ルーフェをまともに相手にしない。
宿に困って大声で騒いだのか? と心配する村人もいたが、ルーフェは丁寧に辞退する。
狼少女は村人をバカにしない。
自らの発言が嘘だ、と明かすことはないのだった。
ヒーロー、いけません。
この村の人々は、ルーフェの声を聞き入れる器量がないようです。
これでは、この村は狼たちに一気に潰されることでしょう。
名もなき辺境の村、地図から一つ失せたところで、史実には何の影響さえ及ぶこともないのでしょうが。
皆様は、
無垢で無実な村民たちが無残に死にゆく果てを、見過ごすことをするでしょうか?
ですからルーフェは呼び起こします。
過去に英姿を振るったヒーローを。
人々の困難に寄り添うヒーローを。
この村の壊滅を救う、
英雄たち。
このルーフェの呼び声に是非とも呼応せよ。
【los rufe! komm Held mein lieb!】
2人目、ネコ がやってきました。
ネコは、おまかせ を希望しました。
meはネコである。名前はにゃい。
茶色のトラ柄に、長い尻尾、毛並みはまあまあ。
自慢のヒゲに、チャームポイントはサファイヤブルーの瞳。
“ペロ”と呼ばれるヤツも中にはいるらしいが、meにそんな名前はにゃい。
meは三男坊…もとい、カラバ侯爵の元で、ぬくぬくとなに不自由なく過ごしておる。
カラバ侯爵がここまで裕福になれたのも、meもおかげよの。にゃっにゃっにゃ。
平和な日々をゴロゴロとしていると、いつものようにうたた寝をしていたようだ。夢も見た。しかも朧げではなく、鮮明に。
──見たことのない港、街並み、お城。やけに星空が輝いている。にゃぜmeがここにいるかはわからない。
観光のような気分ではにゃく、少しヒゲをピンと伸ばしたくなるようにゃ、そんにゃ張り詰めた空気。
寝静まった村の中、meは聞こえたのだ。
はっきりと捉えたのだ。警告のようにゃ、嫌なにゃ予感を。全身の毛を逆立てたくにゃるようにゃ、とても大きにゃ声を。
【狼だァァァァァァ!!】
【狼が出たぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!】
声色からしてまだ幼い。にゃぜか意思の強さを感じる声の張りに、meは少しばかりの“殺気”を覚えた。
少女の声は続く。
【本当です!!】
【本当なのです!!!】
【東の山岳から、村の麓まで狼が来たんだ!】
家々に灯がともされるも、しばらくすればあかりは消えていく。イタズラと思われても無理もにゃい。なにせ、こんな真夜中だ。
そして、狼などとこんな村に来るはずがないと。そんな村人の声が聞こえなくもにゃい。
少しの間があき、もう一度少女の声を耳にする。
【los rufe! komm Held mein lieb!】
──ここでmeは意識を失った。否、戻ってきたというべきか。次にmeの視界に入ったものは、カラバ侯爵の顔。寝苦しそうにしていたところに出くわしたそうにゃ。
お礼を言い、カラバ侯爵にしばらく旅に出ると伝え、身支度を始める。
meは思案する。あれはお告げにゃろう。そして、meの力を借りたい、と。
そういう風にmeは考えた。いいゃろう。
久しぶりに知恵を働かせるか。
こいつを履くのも久しい。ふふん。懐かしい気分だ。
3人目、オフィーリア がやってきました。
オフィーリアは、おまかせ を希望しました。
瞬きをした瞬間に、私の世界は一変しておりました。愛しの王と先程まで談笑していたはずが、ここは一体どこだと言うのでしょう。我が国とは似ても似つかない小さな村が目の前には広がっていました。
あたりは暗く、どうやら夜のようでした。しんと静まった村はよそ者を拒絶するようで、彼が傍にいないことが、酷く心細く思えます。
仕方なく1歩1歩と足を進めるうち、ようやく遠くに人影が見えます。それは小柄な少女と――ふさふさと柔らかそうな耳を携えた、二足歩行の猫のようでした。
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