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村は数十年来の大事件に騒然としていた。
夜な夜な人を襲うという人狼が、人間の振りをしてこの村にも潜んでいるという噂が流れ始めたからだ。
そして今日、村にいた全ての人々が集会場に集められた……。
自警団長 アーヴァインは、村人 を希望しました。
魔界には昼はなく、生命の黄金に輝く太陽もない。
不変の闇黒の空は天鵝絨の艶めく雲を湛えてほの明るく地上を照らし、その光は冴え冴えと、地上の星明りに似て熱も無ければ眩く目を射ることもない。
聳え立つ槍のように切り立った峰峰は、ルビーのごとく輝く炎の池を抱き。
銀の幹に黒瑪瑙の葉を茂らせた森林が冷たい大地を覆う。
苦痛の悲鳴、怨嗟の呻きが風に乗ってどこからともなく運ばれ。
霧に包まれた辺土で下級悪魔達は、不用意な愚か者を嘲り嗤うと同時に、己がその不運を味わわずにすんだことに胸を撫で下ろす。
だがそれも、宝石で築かれた塔に住まう力ある貴族達にとっては、鳥の歌声ほどの価値もない。
渇きの君 ザリチェ が参加しました。
渇きの君 ザリチェは、おまかせ を希望しました。
[……さらりと紗の裳裾を引き摺って、白い素足が床を踏む。
物憂げに額に垂れ掛かる髪をかき上げ、しゃらしゃらと衣擦れの音を残して、露台へ滑るように歩んでいく。
都から外れた辺境に建てられたこの塔の、露台からは眼下に繁れる森を、地平の彼方には壮麗な魔都の光が望める。
かすかに陶酔の色を浮かべて、彼はその光を瞳に映した。
微風が吹き、蒼い髪と薄衣がわずかにたなびく。
透ける衣は伸びやかな肢体を隠さず、青みがかった凝脂の肌の、形の良い丸い乳房も、無毛の下腹部に生えた男の徴も露わに見える。]
[ほっそりとした女の小魔がしずしずと現われると、命令を待つ仕草で跪いた。
彼は振り向くと、小魔に笑いかけ先程までの戦場──寝乱れた褥を手を振って指し示した。
そこには敗者──無謀にも「決闘」を挑んだ若い貴族だったが──が気息奄々として横たわっているのだ。
客人を「丁重に」外へ放り出すように命じ、彼はまた風に髪をなぶらせて、眼下の景色を眺める。
おそらく小魔は運び出す前にこっそりとおこぼれに預かるのだろう、いそいそと客人の身体を引き摺って部屋から出て行った。
その頃には先程の情事もすっかり彼の心の中から消え失せていた。]
[ふと思いついたように、悪戯な笑み浮かべ指笛を鳴らす。
甲高い響きが終わるか終わらぬかのうちに、風に乗っていななきと蹄の音が近付いて来て、それは空を駆ける夜色の悍馬へと変わる。
露台に身を寄せた闇馬に、彼はひらりと跨った。
漆黒の獣は主の意を汲んだのか、何も命ぜぬうちに宙を踏みしめ駆け出した。]
[闇の馬は黒鉄の刃のように風を裂いて奔った。
蹄の下には滑らかにきらめく雲が、恐ろしい速度で背後へと流れていく。
瞬く間に塔と森は消え去り、暗黒の大地の上を魔を乗せた馬が飛翔する。
流れる漆黒のたてがみを掴み、彼は鞍も手綱も付けていない馬の背で高らかに笑った。
その歓声は純粋な悦びに*溢れていた。*]
村の設定が変更されました。
村の設定が変更されました。
地上の穢 ロネヴェ が参加しました。
地上の穢 ロネヴェは、おまかせ を希望しました。
[部屋は広い。
陰鬱な色をした石で出来た平板な床や壁に装飾は無いが、雑多な悪魔が犇めいていた。獣の姿をしたもの、鳥の姿をしたもの、人に似たすがたをしたもの、形容し難いもの、形を留めてはいないもの、姿の美醜の差はあれど、何れも非常に程度の低い悪魔である。
それらを辺りに侍らせながら、ロネヴェはからだを湯船に沈めている。眼球に直接蝙蝠の翼を生やした小さな悪魔を指先にとまらせ、濡れた髪を片方の手でかきあげた。]
……ヴァイイ伯が身罷られたの。知ってる?
[ロネヴェの指先で、眼球はギィギィと啼いた。]
誰が伯の首を取ったのかしら。ああいい気味。あんなのはさっさと領地を明け渡して何処へなと消えればいいのよ。
ええ。近々、伯の後継者の選定が行われるそう。
わたしへもお声が掛かるわね。きっとよ。
[眼球は、ロネヴェの手の中で潰れた。長く伸ばしてある爪の間から、潰れた水晶体と血が滴り湯船に落ちた。]
だから、新たな領主に相応しいよう、きちんと身支度をしておかなくてはね。
[ロネヴェの爪が長く伸びる。腕の一振りで身近にいた下級悪魔達を切り裂いた。息絶えるものの断末魔と、息絶えぬものの悲鳴の中で、粘り気のある血糊を浴び、肌へ塗りつける。
燭台のうえでは蝋燭が黒い炎を灯し、ロネヴェの濡れた肌をほの暗く*照らしている。*]
触れずの君 ウェスペル が参加しました。
触れずの君 ウェスペルは、おまかせ を希望しました。
[高らかに黒鉄の馬が翔け、
蹴り上げた風が届く場所。
黒曜石の森の果て、
煌めく魔都の残滓が揺れる。
葉擦れの音は硬質で、
玉石の泣き声の様に澄んでいた。
黒曜石の森の果て、
訪れるものを拒むように、
その館は建っている。
端整ながら気難しげな有様は、
館の主によく似ていたかもしれない。]
[窓辺より、ひとつの影が伺える。
館の主、名をウェスペルという。
立て襟のブラウスをきっちり着込み、
崩れた様子は微塵もない。
その一室は書の森だった。
一定の法則に従って、結晶のように規則正しく
暗い虹のように、沈んだ夕闇のように
背表紙が並んでいる。
書の森の真ん中で、ウェスペルは椅子に腰掛け
葡萄酒色の古びた本に視線を落としていた。
蜀台の緋色が揺れる。]
――来たか。
[かれは、顔を上げた。]
[窓の傍には言葉を伝えるための使い魔が居る。
翼を大きく広げて羽ばたいた。]
御苦労。
――ヴァイイ伯の話だな?
[使い魔は一声啼く。]
……選定の、候補者か。
あぁ、噂は風よりも速く駆け抜けるな。
面倒な輩が館を踏み荒らして困る。
[眉を寄せると呟いて、
口許を手で覆うと眼を細めた。]
いいだろう。
私ほど領主に相応しい者も居るまい。
――他に誰が選ばれているのやら。
[金の瞳は鋭く光る。
森の向こう、今は領主亡きかの地を見つめるように。
ほの暗い闇を照らす蜀台の炎が
*予感に震えるように大きく揺らいだ。*]
[暫く、館には悲痛な叫びが充ちていた。円形に似た多角形の部屋の天井は高い。単純で広い造詣は叫喚を佳く響かせる。
やがて、呻くものも無くなる。
彼女なりの”身支度”として篤と魔物の血を浴びたロネヴェは、上機嫌に湯からあがる。床に流れた血肉は、ゆるゆると部屋の隅へ向かって流れて行く。床の、壁際のあたりには点々と孔が空いており、夥しい血を飲み込んでいた。
伝書の為の使い魔が、多角形の一辺に設けられた扉からそっと忍び込み、用件を伝えた。]
あぁ、いますぐ傅き、領主様と呼べば良いわ。
[使い魔は、与えられた言葉以外を持たず、翼を広げて逃げるように飛び去る。]
どうせ、いまにも判ることよ。
[ロネヴェは声をあげて笑った。]
[豊満な乳房、なだらかにくびれた腰、肉付きの良い尻。血を滴らせる白い裸体は、薄明かりを受けて其此処に濃い陰影を作る。
それらの造型ひとつひとつを確かめ、満足げに笑みながら、ロネヴェは肌を拭う。髪を梳く。胸元の大きくあいた黒いドレスを纏う。金銀、玉石の装飾品を身に着ける。
深いスリットの入ったドレスの裾を脚へまとわりつかせるようにしながら、鱗と短い翼を持つ、四つ足の魔物の背に乗る。いまは主を持たぬ地へ向かうべく、魔都の煌めきにほど近い館をあとに、魔物は地を蹴る。]
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