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記憶を食べてしまっても、何処かに残っているのだと思えば、まあ良いのではないか。
残るくらいに何かをしてみるとか?
どうせメモを取るのだろうに。
――頭は忘れても、身体は覚えているかも知れんな。
[だが持ち帰っても6畳一間だ! 持ち帰られた方が良くないだろうか]
ごはん!!
ますたーの、たまごやきはでますか!
[ごはん=たまごやき。
たつみちゃんをぽふぽふした。
ねますか?ねるですか?]
しまったほのぼのをみずから。
ちょっとふじょしのチガサワで邪推ましたが
いえほのぼのです
ねますねるです。ねろでした。
たろうさんののどが!たろうまーくつーのカウントダウンが。
ようし最終発言だ。
皆お疲れ様。楽しかった。じゃあ3人お持ち帰りでよろしいな?
さすがにマルグリットに手は出さないが。
マークツーは朝起きられないから入らない。大丈夫。
じゃあ又!**
つかいきりだと……おそろしいにとたちだ。
[<<一由 智>>を太郎さんのふとんに抱き枕としていんしておいた]
わたしまねます。
こんどこそ!おやふみなさい。
たべる!!
[たまごやきは正義!
夜食とか時間とかまったく関係なかった!]
たつみちゃんと、いしださんは、おやすみなさい?
[うと。
ねむ。
…たまごやき待ちのまま、毛布に丸まりくるん。
そのまますやぁ。
お疲れ様でしたおやすみなさい**]
荒波を越え、海洋生物の襲撃を耐え、僕達はアメリカの地に辿り着いた。全てはユキミヤの天才的な舵取りと、マルグリットのお陰だ。特にマルグリットはプラカードで宣言した通り、手にした鉈で次々と海洋生物を滅多切りにした。鮫も。鯨も。鰯も。
最後に掲げられたプラカードを、今でも鮮明に覚えている。
『海よ 命のちょぞうは十分か』
アメリカの地も安全とは言えなかった。まずは安全な場所を確保しなければ、生き残りや設備を探すことも叶わない。狂乱するマルグリットに続き、ペンタブで遊撃していく。
『リーダー 人がいるようだぜ』
マルグリットがプラカードを掲げると時を同じくして、ユキミヤも同じことを言った。銃撃の音。ゾンビを圧倒する数人の兵士。――生存者だ。僕達は彼らに向かおうとするゾンビを打ち倒しながら、合流を図った。
マルグリットがプラカードで通訳をこなしてくれる。アメリカの兵士達は、僕達がこの地の医療技術の発展に期待してやってきたと理解してくれたようだ。
誰もが首を横に振る。ゾンビに対する手立ては無い。だが、自分達が隠れている場所に案内することならできる――と、彼らは活気に満ちた顔で言った。
『僕の名前はクリスト・ファー。会えて嬉しいよ』
彼らの隠れ場所は、シェルターのような軍事基地だった。ゾンビに汚染される前に確保することができたのは幸いだった――と、彼らの代表であるクリスト・ファー氏は語る。
クリスト・ファーは様々なことを教えてくれた。軍事基地の食糧の量。武器の量。種類。扱い方。設備。電気代。人件費。運び込まれたポルノ雑誌の数。生き残りの数。クリスト・ファーが実は記憶喪失のエイリアンであること。世の中には色んな人がいるものだ。
『おれは この 重火器を選ぶぜ』
マルグリットは早速武器の物色を始めていたようだった。ユキミヤはどこかおどおどしている。彼女は閉所恐怖症なのだ。仕方がないだろう。クリスト・ファーの仲間は他に数人いた。若女将のシロウズ。米兵きっての○し屋イシダ。ケルベロスと呼ばれた鬼軍曹アンリ・メイフィールド。一般人のハジマ。
彼らの顔から希望は失われていない。それどころか、着々と今後のプランについて考えている。明日はTRPGで遊ぶか、食糧の配分はどうするのか、食糧がいつ頃尽きてしまうのか、貧乳は品乳と改めるべきではないか、幼女と少女の境は――などなど。
「僕達も会議に参加させていただいて宜しいですか」
これまでは絶望しか見出せなかった。次々と失っていく隊員。見えない反撃の機会。彼らとなら、もしかするとゾンビを一掃し、僕達の世界を取り戻せるかもしれない。
部屋の隅にはマネキンがあった。マネキンが此方を見つめている。目は帽子を被っていて見えないが、口許は確かに笑っているようだった。マネキンも喜んでくれているのだ。ここがターニングポイントに違いない。
――ふと、ゾン美のことが浮かぶ。ゾンビを根絶やしにするということは、彼女も斃すということだ。そんなことはできない。彼女だけは助けるのだ。例えアメリカの医療が役に立たなくても、愛とペンタブに国境はない。誓いは破らない。ペンタブと彼女と共に陽の下を歩くのだ。
僕は施設を借りて、早速ペンタブを造り始めた。
彼女がゾンビ化してから数時間が経っている。汚染も進行し、かなりの変異が進んでしまっているだろう。もう救うことはできないのかもしれない。これはそんな僕の弱音に対する喝であり、希望だ。彼女に対抗し得るペンタブを――今はそれしか頭になかった。
平和な時間が続く。この地下シェルターでは、ゾンビのことも、家に置いてきたインコの餌も心配する必要はない。ゾンビの事を忘れてしまいそうになる。
それでもゾンビ達は確かにこのシェルターの外をうろついていた。イシダが外へ出向き、シェルターの中からアンリが対空ミサイルを操作してゾンビの数を減らす。彼らの連携は見事なものだった。
時々、マルグリットも操縦席に座った。彼女は対空ミサイルよりも重機関銃を好んだ。広範囲にぶっ放せる上に、敵味方問わず一気に殲滅している感覚を味わえるのが醍醐味らしい。
「シロウズさん。そろそろ、僕達も攻勢に出るべきではないでしょうか」
彼女は冷静だった。弾の数にも限りはある。ゾンビが何人いるかも分からず、どうすれば根絶やしにできるのかも不明な以上、外でスタミナ切れに陥る危険性がある。だが、逆に食糧の数にも限りがあることは分かっていた。
「考えてみます」
彼女はそれだけを返答して去っていった。恐らくイシダと共に過ごすのだろう。恋慕とはいかないまでも、彼女達が良い仲なのは周知の事実だ。アンリが録画した映像を見せてくれた。なるほど。
まだ、僕達に明日はあるらしい。
誤算だった。僕達にクリスト・ファーという名将がいるように、彼らゾンビにも、束ねる存在がいるということを考慮すべきだったのだ。
アンリは火炎放射器でゾンビを焼き尽くし、マルグリットが重火器で残りを殲滅する。ハジマと僕とクリスト・ファーは、彼女達についていくので精一杯だ。
ここに、ユキミヤとイシダとシロウズの姿は無い。時間は少し遡る。僕達の前に、普通のゾンビとは違うモノが襲ってきた。それは一瞬の出来事で、白兵戦に熟練したイシダでさえも、攻撃を防ぐのでやっとの有様。
「あの牛のようなゾンビに再び会ったら……」
奴の姿は今は見えない。ユキミヤを○され、シロウズを傷つけられた怒りでイシダは燃えた。彼の槍捌きは別格だった。牛のようなゾンビを撤退させるに至ったのだから。
シロウズは基地へ帰ると言った。どうするかは言わなかったが、自明の理だ。傷つけられた人間がゾンビ化を防ぐ術は無い――イシダは、彼女に付き添って基地へと帰った。二人がどうなったのか、僕達にはもう分からない。
『親玉のおでましのようだ。ボス』
マルグリットがプラカードを掲げる。直後、響き渡る地鳴り。やはり、奴を越えなければ僕達は日本へ渡ることができない。日本へ渡ることさえできれば、何とかなるかもしれないのに――!
力ない僕達三人を護るように、アンリとマルグリットは前に出た。無言で構える火炎放射器、そして重火器。牛のゾンビが唸りを上げると共に、二人は戦闘を開始した。狂乱の宴だ。あの二人はことここに置いて、好敵手に出会えた喜びに震えているのだ。
『ここは任せな リーダー』
マルグリットがプラカードを掲げる。僕達は悩む選択肢を与えられなかった。あのような暴威を前にしては、ペンタブはあまりにも無力だ。近代兵器の力に頼るしかない。彼女達に謝罪と感謝の言葉を残し、僕達は走った。
海へ。海へ。ひたすらに海へ。ペンタブを海に浮かべれば、後はもう何も心配は必要ない。二由も、アーノル子も、ユキミヤも、シロウズも、イシダも――そして今別れたばかりの二人も。彼らの仇を、討たなければならない。
海が見えた。クリスト・ファーが一目散に駆け寄る。
「危ない!」
ハジマが制止の声を上げるも、一歩遅かった。
牛のようなゾンビが、その豪腕を忌憚なく振るう。クリスト・ファーのファーに直撃し、ファーごとクリスト・ファーは吹き飛んだ。彼の体が海へ落ちていく。あれでは、クリスト・ファーのファーはもう二度と使い物にならないだろう。
「くそっ、アンリさん達はダメだったのか……」
為す術がない。血塗れの牛のようなゾンビが此方を睨む。ここで死ぬわけにはいかない。仇も、ゾン美も、まだ何も為してはいないのだ。だが体が動かない。僕とハジマは、牛のようなゾンビが振り下ろす一撃を、ただ見つめた。
「諦メルニハ、早イデス」
僕達を包む煌びやかな光。一体誰だ。僕達には知らない声。顔を挙げれば、閃光の向こうにふくよかな乳房が見えた。まあるいおしりだ。くびれはくの字。剣を携えるあの女の子は、一体誰なのだろう――。
天から、光が舞い降りる。それが衛星兵器の輝きだということを、僕達は知る術もなかった。牛のゾンビと謎の女の子が拮抗する。
「……ありがとう、見知らぬ人」
僕とハジマは今度こそ舟に乗り込んだ。アメリカの地が遠く去っていく。僕達の命を明日へ漕ぎ出させてくれた彼らは、無事でいてくれるだろうか。
今は、祈りことしかできない。
「この先に、混沌の渦があるんだね」
ハジマが日本の方向を睨みながら言う。そう、この先には全ての発生源がある。ゾン美がいる。
僕は、彼女を愛している。それはこの手に握り締めたペンタブに誓って言える。だが、彼女のゾンビ禍が、多くの犠牲者を生んだ。命を奪った。僕らは彼らの思い出と命を捨てながら、ここまでやってきたのだ。
僕は、ゾン美を愛している。
そしてあの時、何もしなかったツケを払わなければならない。
ゾン美を――殺すのだ。
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