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[墓守猫は、1週間に1度現れては特等席である改札口にちょこんと座り、その姿はまるで改札を行う駅員のようであった
しかし、だんだん1週間に1度だったのが、2週間に1度という風に『出勤する』間隔が開くようになった。
駅長は墓地にお参りするごとに、墓守猫が墓の前で寝転んでいる姿を見るたびに]
今日はここでお休みかい?
まあ、無理はしないでね…。
[大分弱ってきているようにも見えたのでそう声をかける
そして…、ある日。]
おお、ぺるじゃないか!久しぶりの『出勤』かい…?
[久しぶりに駅にやってきた猫はじっと立ち止まり、
駅のほうを眺めて、一声『にゃあ』と鳴いたと思えば]
あっ…、行っちゃった…。
[ふっ…、といつの間にその猫は姿を消しただろう。
これが駅長の記憶に残る墓守猫の最後の姿だった]
[今にして思えばあれは最後の別れの挨拶だったのかもしれない。
そう信じたい]
[リリーを撫でながら、墓守猫ぺるのことが頭をよぎる
思わず、頬からぽたりと一滴、抱き上げる猫に落ちるだろう]
[2年程前に姉が亡くなってからというもの、
フィアの家の中はずっと悲しみに包まれたままだった。
けれど、両親とは悲しみを分かち合う事はできなかった。
フィアと姉はよく似ていたから、父も母も、フィアを見ると、
悲しそうな顔を見せる事があって、それが一層辛かったのだ。
家を居場所にしにくくなったフィアは、
姉の墓をよく訪れるようになった。
フィア自身の悲しみを紛らわすために。
そんな時、ぺる、と呼ばれて愛されていた猫は、
いつの間にか近寄ってきて、寄り添ってくれていた。
あの灰色の猫がしてくれたように]
[その猫も死んでしまってからというもの、
フィアは悲しくて墓を訪れる事もしなくなって、
自分の部屋に篭りがちになった。
けれど、自分の中で何かを変えるきっかけが欲しくて、
フィアは再び墓を訪れたのだ。今日という日に。]
私。自由になりたかったんだと思う。
お姉ちゃんの代わりでも、悲しみに沈んでる自分でもなくて、
もっと軽く生きられる自分になりたかった。
……でもさっき、別の灰色の猫さんを
墓守猫さんだと思ったの、悪い事しちゃったかな。
優しくなぐさめてくれたのは、
ぺるじゃなくて、灰色の猫さんなのに。
[“代わり”にはなりたくない自分が、
知らず知らずのうちに代わりを求めてしまったのは、
何だか悪い気がしたのだった]
……あれ、また別の猫さんだ
[茶色い猫が視界の端に映って、目で追いかけていくと、
お姉さんがぴょいっと抱えたのが見えて]
いいなあ。猫さん飼いたいな。
[フィアはそのお姉さんが茶色い猫の飼い主なのだと
勘違いしたまま、墓に向きなおるとぼやいた。
家族に動物アレルギーが居ると、
家で猫を飼う事は出来ないから。
墓は静かにそこにあって、フィアの話を黙って聞いてくれる。
話をすれば、自分の中の気持ちが、
何でも整理できていくような気がしているのだった。
墓に備えた白い花が、風に揺れていた**]
村の設定が変更されました。
《ぐるぐる》
[撫でられて猫の喉が鳴ります。
抱き上げられても嫌がらないのは、それに慣れており、且つ、撫でる手が気持ち良い証拠。
猫は撫でまくってもらい、大変満足しておりました]
[そんな折、ぽつりと猫に落つる雫がひとつ。
毛並みの上に落ちたその感覚に、猫は雫が落ちてきた方を見上げます。
どうやら抱き上げた人物から落ちて来たようでした]
みゃあ
[猫は一声鳴き、相手の身体をよじ登るように前脚を動かし身体を伸ばします。
相手の肩辺りに前脚を置き、顔を頬へと近づけて]
[ぺろ]
[ざらざらの舌で相手の頬を舐めました。
撫でてくれたお礼、の心算なのかもしれません**]
―うめちゃんside―
[この「ぼち」には今のかいぬしだけでなく色んな人が訪れる。
むかしは、こうして「ぼち」を歩いている時誰かに呼ばれてもそっぽを向いたものだけど、いまは違う。
かいぬし以外にただおびえていたワタシに、
「ぼち」に来るひとはそんなにこわくないよ、だいじょうぶだよ、と、
教えてくれた猫がいたから。
……しかし、やっぱりこのひとのことはしらないひと、としか思えないワタシである。
今のかいぬしならば何か知っているかもしれない。
何せ家ではおはなやさんをやっているのだから]
[前のかいぬし――今はこの「ぼち」の片隅でねむっているそのひとは、
だがしやさんをやっていた。
今のかいぬしもけっこうおせわになっていたらしい。
だからワタシのあたらしいかいぬしになってくれた。
今のかいぬしにも、むかしはずっとそっぽをむいていたものだが……]
「……にゃん?」
[地面に降ろされた。もういいのかな?
まあいいや。せっかく、せまいかばんの中から出してもらったのだし、やりたいことをしよう、ワタシは]
[ワタシにだいじなことを教えてくれた猫の「はかば」のばしょを、ワタシは知っている。
だからまよわずに歩いていける。
……べ、別に抱き上げられた方が楽につけるとか思ってはいないよ?
何かの気配に気付いてうしろをふりかえって、首を傾げるのは、そう、
単に気になるからである。どうしてさっきみたいになかよくしようとしないのか、と。*]
―シオンside―
[「お墓参りに行ってくる」と告げたら、
母は売り物の花の中からみずみずしい花を用いて花束を作ってくれた。
あとでふつうの客に売る値段の半額を請求されてしまったが、まあ、
これが一度目というわけではない]
……なんか、時が経つのは早いもんだよなあ。
うめちゃんもすっかり大きくなったし、私も……もうコドモじゃあなくなっちゃったし。
[風は相変わらず吹いて、生活感のあまりしない香りを運んでいる。
花の香りにはちょっとだけ詳しいけど、それもだいぶ距離を詰めなければわからない。
気分的には終わってしまった夏の香りしかしないようなものだった。*]
うわっ、くすぐったいなあ…。
[ざらざらとした感覚が頬から伝わります。
リリーが頬に流れた雫を拭ってくれたのでした
まるでリリーに『泣かないで…』、と慰められたかのように]
ごめんね…。つい…あいつのこと思い出しちゃってさ…。
いつまでも悲しんじゃいけないんだよね…。
あいつに叱られちゃうからね。
[なんだか励まされたような気がして、少し落ちついた]
ありがとう、おかげで元気出た。リリー。
[もう一度リリーを抱きしめて感謝のほおずりをするだろう]
[ほおずりをすれば、リリーを地面に下ろし]
じゃ、私は行くね…。
[と本来の目的地に向かうだろう。
リリーがついていくなら止めはしないだろうか*]
あ、ここは。
[こっそりと猫の跡を付ければ、そこにあったのは墓守さんの。
本当は今日も会いたかったあの猫。
猫が何を思うのかは知らないけれど、運命を感じずにはいられなかった。]
あたし、そういうの信じるからさ。
チャー、あんたもこいつに会いに来たのかい?
[チャーではない。]
[木陰になって気が付かなかったけれども、どうやら先客がいたようで。
なんだかちょっぴり派手な人。初見で踊り子かと思ったのは、当たらずとも遠からずだっただろう。]
寂しいですね。
この間までこっち側にいた猫が、あちらへ行ってしまうのは。
[懐かしむようにそっと語りかけてみるのだった。]
あたしの脚があの頃のままでも、あいつにはきっと届かないから。
[小さなつぶやきは誰に語るでもなく、風に消え入るように。**]
村の設定が変更されました。
【お知らせ】
編成予定ですが、現在は希望がありませんでしたので以下のシンプル編成で考えています。(闇狩人や聖痕など入れても良いかとも思いましたが)
7人:ダ狼証村村村村
8人:ダ狼証村村村村村
9人:ダ狼証村村村村村村
※証=公証人
ぼっち狼も何だかな、と思えたのでC狂を入れても良さそうに思えましたが、一応C狂入れるのは参加者から希望があれば、にしたいと思います。
※公証人役職について
この役職を入れる事で、各自毎日何枚でも【遺言メモ】が貼れます。このメモは、公証人死亡時かエピローグになるまで公開される事はありません。
村の本参加人数については、10月1日の8時50分頃にその人数に確定し、9時に村が自動的に開始するようにする予定です。**
―うめちゃんside―
「……にゃーん?」
[いきたかった「はかば」についたあと、わたしはまたもついてきていたひとのことを見上げて首をかしげた。
ひとのコトバをつかえたのなら「そういうの、ってなぁに?」と訊けていただろうに。ざんねん。
やっぱりそれについても今のかいぬしならしっているのだろうか。
でも、「あいにきた」のは確かだったから、
ワタシはこくりと首を下に振った。
……もう一回、の方がいいかな?
顔をあげた後そう思ったので、もう一回]
[ついでに、だ。
ワタシはかいぬし――昔も今も含めて――にはうめちゃんと呼ばれているから、
つまりチャーではない。だから首をぷるぷると横に振った。
……なんだかスッキリしたので、ひと声鳴きながら「はかば」へと近付いた。
すりよったところで、あの猫の声が聞こえるわけではない。
でも、毛を逆立てようという気持ちにはならない。前もそうだった]
[かくて。
落ち着いた気分で墓守猫の「はかば」に寄り添って、まるまっている茶色い猫の完成である。
吹く風の穏やかさに、つい耳がぴくりと動く。
なるほど、今のかいぬしが秋というきせつを「好き」というのもわかる気がする。**]
8人目、フード姿の人物 がやってきました。
…………。
失礼しました。
貴女達も墓参りといったところですか。
[ぺるの墓の前を開けるように退けば、入れ替わるように向かったのは、猫か人か。]
[丸まったり、誰かと喋る様子に、暫くの間、近くに佇んでいたが、やがてあてどなくその場を後にするよう歩き出そうとするだろう。**]
村の設定が変更されました。
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