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>>64 クロエ
「───はぁっ」
体を捻る。クロスさせた長短二振りの剣で、その重い太刀を受け止める。
刃を返すと一旦体を引く。バックステップで距離を取るが、まだ金の瞳は戦意を失わない。
イグニスは長剣を放り投げた。騎士の誇りを忘れた訳では無い、けれど。
アッカードの家に入り、騎士を目指した時から、イグニス・アッカードの武器は二刀流。──けれど、そのごく本流。かつて、ただのイグニスが、復讐の為に磨いた剣はこのごく短い剣ひとつ。
逆手に構えた短剣と共に再びクロエに近づくと、イグニスは高く跳躍した。狙うは彼女の首元。
獲物を追う瞳が、ギラギラと光っていた。口角が、意識の外で上がる。
懐に飛び込むとイグニスは一息でクロエに短剣を突き出した。
「解りました。その様に」
王子からの指令を聞き、即座に動き始める。
実際、悪魔に取り付かれた騎士を城に移送する必要も出ていたからだ。
幻覚によって騎士すら不覚をなすのなら、寧ろ数は少ない方が良い。
今頃城にて情報操作をしているであろうアルベルトと、ローランを呼び出す為にも丁度良いだろう。
「ゲホッ
聴いたなおまぇらぁ!!!!
王子からの勅命だぁ!!
……フッ、まぁ、この場を去ろうとする者は今更、一人もいないと思うがな。
スパイの奴に関しても、少なくともこの森からは出ていないだろうしな」
「エレノア!そこの二人を頼むぞ!
クラウヴィス!道中悪魔と遭遇しない様に慎重に戻れよ!物資は出来るだけ置いていけ!
分かっているとは思うが、内容については他言無用だ。喋れば俺が斬ると思えよ」
ガルセウヌの部下達は、即座に準備をし、城へと戻っていっただろう。
[辺りを見回したけど、イグニスもいないし、ソラとユーディトが困ってたので、カンタンに野菜炒めを作った!あり物ですぐごはん作れるあたし、お嫁さんにしたい騎士ナンバーワンでは!?]
おまたせ!!野菜炒め作ったよ!もうちょっと欲しかったら、テキトーに増やすね〜!
タマゴがあるから、玉ねぎや干し肉入れてオムレツでもつくろっかな。
あ、一応宣言しておくけど、投票は【クロエに合わせておく】ね。
タイガーアイ ミズリは、アメジスト クロエ を投票先に選びました。
>>66 イグニス
「っ………」
重い一撃が軽やかに返される。距離を取ろうと地を蹴るイグニスを、クロエはその双眸に捉えながらも深追いはしない。
エルフの血を継ぐ痩身の女は腰を落とし、手に持っている曲刀を斜めに、鋭角に両手で構えた。
毎日薄暗い屋敷の中で机に向かって本を開いた。戦術、武器、立ち回り。その体に対応しきれないものはすべて知力で補った。
───来る。投げ出された剣は一瞥するのみで、クロエは短剣を構えるイグニスを、煌々と輝く瞳に映す。
高く跳躍したガーネットをきっと見上げ、月夜が刎ねる刃を横薙ぎに突き出した。
「────。」
イグニスの首筋には長刃が宛てがわれていた。そして、クロエの首にも。
彼が繰り出した短剣はあと数ミリ深く突き出されていれば、確実に彼女の命を奪っただろう。
「ボク一人じゃどうしようもなーい!」
恐らく今日で最後。
そのトリの当番を務めるのがどうして切ったり焼いたりの料理しか出来ない自分なのでしょうか。
厨房から鳴り響く悲痛な声は誰かに届いたのでしょうか。
目の前に広がるのは、今朝炊いたものの結局使う事なく冷ご飯と化した大量の釜の飯。
明日砦から帰るというなら、保存の利くおにぎり…いえ、焼きおにぎりを作りましょう。
準備をしていると、ミズリが手伝いに来てくれている事を確認しました。
>>67 ミズリ
「あ、あ、ミズリありがとう………!!!
おかずは任せていいかな…!!」
強力な援軍に心の底から安堵して、最後の料理当番を務めるのでした。
>>69 ソラ
まっかせて〜!!
こーゆーことなら得意だからさ!!
[鼻歌を歌いながら、オムレツを人数分作る。ふふん、慣れたものです]
ソラは主食をよろしく〜!
>>イグニス
───相打ち。
クロエは剣の構えを解かず、目の前の金色の瞳を見つめていた。ぎらぎらと光るその眼を覗き込んでいた。
鼓動はまだ、激しく胸を打っている。
つうっと鈍く銀色に光る水滴が、クロエの頬を伝う。
終わってしまった。同じ黒狼騎士団の一員として、これがアメジストの石を胸に戦う、最後の試合だった。
これがアメジストの騎士、クロエ・ド=ベルティエの最期だった。
最初の涙がこぼれてしまうと、あとはもう止めどなかった。糸が切れて離れた首飾りの玉のように、涙がぽろぽろと散らばっていく。
静かに涙を流しながら、クロエは笑った。
いつかの手合わせの時のように、その笑顔は曇りなかった。
気づけばもう日は暮れ、1日も終わろうとしている。
空腹に気付き、流石に食事をしようと食堂へと向かう。
途中、王子の号令を聞いて悲しくなる。グラジナは今頃、どうしているだろうか。ひどく扱われていないだろうか。
騎士団を志した仲間なのだ。丁重にとは言わずとも、せめて今まで通り接してあげてほしいと思った。
「…………美味しそう」
朝餉をとっていないこともあり、野菜炒めの匂いにお腹の虫はひどく反応する。合掌をし、食事にありついた。
刻一刻と終わりの足音が近づいてくる。
これでよかった。
黒狼騎士団の誇りにかけて負けるわけにはいかなかった。
異種族と魔法使いは悪しき者。禁忌の存在。
ーーじゃあ俺は何が違うんだ?
ずっと聞こえないフリをしていた小さな心の叫び。
鎖で雁字搦めにして見えない所へ追いやったはずのそれは
いつの間にか耳元にいて今にも鼓膜が破れそうだった。
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