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■遠征日誌■
記録者:ソラ・カルセドニ
朝食はウィア・ディーガとクロエ・ド=ベルティエが腕によりをかけた、オムレツやトーストをはじめとする手製の料理。大変美味だった。
食事を各自終えた頃、人質を取った山賊が襲来。団員がこれを撃破。人質も無事に救助された。尚、エルモント・グラジナとミズリ・ミズハによって無力化された山賊4名は、捕縛し本国へ引き渡す事となった。
その後、人質が魔の者であるという容疑が上がり、これを軟禁状態とした。尚、日誌担当のヒルダによって、本件と前述した山賊引き渡しの件についての詳細は本国に連絡済。
この日の手合わせは、クロエ・ド=ベルティエとイグニス・アッカード。終始激しい応酬が行われ、最後は疲れの見えたイグニスをクロエが捉える形で勝利を収めた。今年の新人騎士のレベルの高さが伺える、素晴らしい手合わせだった。
夜、黒狼騎士団を騙る他種族によって、砦が魔法による結界で覆われる。尚、首謀者であるウィア・ディーガは団長の手により除隊処理となった。
砦からの脱出は、犯人グループが提示した条件を満たす事でしか出来ない為、数日間外界とのやり取りは絶望的である。
/*うわぁぁぁぁぁぁウィアちゃん達に騎士団正式加入して欲しいよぉぉぉぉぉぉ!!!!!
でも入ったら死んじゃう……死んじゃう……。*/
■遠征日誌■
記録者:ソラ・カルセドニ
朝食はウィア・ディーガとクロエ・ド=ベルティエが腕によりをかけた、オムレツやトーストをはじめとする手製の料理。大変美味だった。
食事を各自終えた頃、人質を取った山賊が襲来。団員がこれを撃破。人質も無事に救助された。尚、エルモント・グラジナとミズリ・ミズハによって無力化された山賊4名は、捕縛し本国へ引き渡す事となった。
その後、人質が魔の者であるという容疑が上がり、これを軟禁状態とした。尚、日誌担当のヒルダによって、本件と前述した山賊引き渡しの件についての詳細は本国に連絡済。
この日の手合わせは、クロエ・ド=ベルティエとイグニス・アッカード。終始激しい応酬が行われ、最後は疲れの見えたイグニスをクロエが捉える形で勝利を収めた。今年の新人騎士のレベルの高さが伺える、素晴らしい手合わせだった。
夜、黒狼騎士団を騙る他種族によって、砦が魔法による結界で覆われる。尚、首謀者であるウィア・ディーガは団長の手により除隊処理となった。
砦からの脱出は、犯人グループが提示した条件を満たす事でしか出来ない為、現在外界とのやり取りは絶望的である。
【ガルセウヌ、結界外部にて】
弾き飛ばされたガルセウヌは、そのまま激しく木に激突する。
奇襲的な魔法の力に当てられた為対応が遅れたのか、急所こそ避けたものの、強かに体を打ち付けた。肋骨の一本か二本は折れたかもしれない。
「クッソがぁぁぁ!!!」
だが、その様な痛みなにするものぞ。即座に起き上がり、痛む体以上に燃える眼球を滾らせ王子の元へと向かう。曇り、そして透明な壁になったそれ越しに、王子がウィアに剣を向けている姿が見えるだろう。
しかし、ガルセウヌに許されるのは、見ることと、会話を聴くことのみであった。
押し進もうとする体は、結界により阻まれ、少しも進むことは出来ない。
ならば、と槍を抜く。
先日、魔猪に放ったように。体の血肉を解放し、最大の一撃を構える。
そして放たれる【全力の一撃】
自信と実力に裏付けられた武の投擲は、凄まじい勢いで壁に向かい。
その勢いのままガルセウヌの頬を掠め、兜の一部を破壊しガルセウヌの後方へと帰っていった。
いともあっさりと、ガルセウヌの武の全力は、魔法の力に跳ね返されたのだ。
── いつかの記憶。夜に見た夢 ──
少年が黒狼騎士団に入ろうとしたきっかけは、小さい頃からよく家に出入りしていた伯父だった。
伯父は黒狼騎士団の一員であり、誉れ高き戦士であった。平民だった彼ら一族の誇りだったのだ。
だからこそ、彼──エイダン は、黒狼騎士団に憧れを抱いていた。もう少し詳細に語るのならば、黒狼騎士団の一員である伯父を、一番に尊敬し、憧れていた。この国のだれよりも、ずっと。もちろん、王様以上に。
「おじさん!!けいこつけて!!」
たまの休みに訪ねてくれる伯父に、幼いエイダンは毎度の如く稽古を強請る。しかし、それを苦笑しながらも了承してくれる伯父が大好きだった。
木でできた手製のナイフを振り回し、敵に見立てた丸太へ撃ち込んでいけば、それを稽古としていた。所謂子どものごっこ遊びと変わらない。
──けれど、その遊びが本格的な稽古に変わる事に、そう時間はかからなかった。伯父がエイダンの熱意を真剣に受け止めてくれたから。この日は、彼にとっての記念日となった。
エイダンが10になる頃。報せが届く。
〈アンドレー・フォスターは此度の任務をもって、黒狼騎士団から退団とする。〉
簡素な紙に書かれたたったそれだけの文字。
そう、それだけの文字に込められた意味が、エイダンの思考を奪っていく。
いったい、どうしてそうなったのか。
伯父は誉れ高き黒狼騎士団の戦士である。
除名されたなどという事は有り得ない。
それでは、いったい、何故?
答えは直ぐに明らかとなる。
『他種族にやられたそうだ。』
『治る見込みはないらしい。』
『過激な種族だったらしいぞ、子どもを人質にとって……』
『卑怯な奴らね……ほんとに許せないわ。』
子どもの耳は敏感だ。大人が隠れて話していたとしても、聞こえてきてしまうのだ。
学校でも習ったばかりだった他種族についての話。サリーナ国特有の教育を受けて育ったエイダンは、その会話を聞く度に、殊更強く他種族への憎悪が募っていった。
"他種族は憎むべきものだ。"
その事を信じて疑わない。
いくら伯父がそうではないと語っても、この想いだけは覆ることはなかった。
ただひたすらに、真っ直ぐに、幼く素直だった心のまま。他種族は悪だと思い込む。
そしてまたひとつ、自分を嫌いになっていくのだ。
魔法が使える自分自身を。
それも、伯父を焼いた炎しか出せないこの能力を。
悔しさに唇を噛み締める。
舌の上に鉄の味が広がった。**
「チィッッ!王子ぃ!聴こえますか!!王子!!!」
普段は鎧によって隠れている赤髪を振り乱し、灼熱色をした赤瞳を燃やしながら、壁を殴る。手甲が砕け、手が血にまみれる程何度も。
しかし、王子達には声が届かないようだ。
代わりに、自身達の目的を語るウィアの声が、反響するように聴こえる。恐らく、これも魔法の力によるものだろう。
「クソッこりゃぁ……。」
自身には、何も出来ない。その事実に打ちのめされる。
この規模の魔法に対処出来るものは、魔法取締役ですらいないだろう。
セルナリアへ応援を頼むとしても、栄誉ある騎士団への侵入を許し、あまつさえそれに王子が巻き込まれたとなると、あっさりと救援を頼むと言うわけにもいかない。ガルセウヌには判断しきれぬ程の、重大すぎる外交問題となる。
つまりは、ガルセウヌには、後輩達がこのゲームに勝利することを願うしか、出来ないと言うことを認識する。
「っっっ気張れよお前らぁ!!!!
騎士団の誇りを守り抜いてみせろぉ!!!!」
ガルセウヌは、聞こえないと知りながらも、吼えた
食事を終えて寝支度を整え、割り当てられた寝室へ足を運んだ。
「あーあ、コソコソするのは得意なのになあ。
ああも『いる』って明言されちゃたまんねえよ。
どういう作戦で行くか…………」
ベッドへ肢体を投げ、小さな声でぼやく。
今はまだ命の危険はない。
けれども己の正体が明かされたときにはその限りではないのだ。
「ま、起きてから考えるか」
厨房で誰かが来るのを待っている間に返事をしたためたメモを、ウィアの元を離れる間際にヒルダの鎧の隙間に挟んでおく。
「心配性なぁ……まぁ、妹がいるからな、俺。ヒルダの扱いももそういう感覚なのかもしれねぇ。ま、ヒルダの方が歳上だけどな。
手合わせな!次こそってか明日こそ!絶対だぞ!つーか、膝をつくのはそっちだっつの!俺のダガー捌きを前に立ってられるかな?
…あ、いや、打撲部分が痛むなら無理はして欲しくないんだけどさ。
まぁ、とにかく残念だ。乗馬の練習もしばらくお預けだな。ここから帰る頃までにマスターできなかったら、また俺の後ろに乗せてやるよ。
エイダン」
出来る限り、客観的に書いた日誌を閉じて、明日の当番が見つからなくて嘆いてしまわないよう、棚の見やすい位置に戻します。
そして、男性部屋を後にして、また城壁へとやって来ました。気持ちの整理がつかない時はここに度々来てしまいそうです。
思考を切り替えなければいけない事は分かっていましたが、未だに踏ん切りがつかない自分に若干の嫌悪感を抱きつつ、夜空を見上げてウィアとの対話を反芻します。
思い出すのは孤児だった頃の記憶。教会に拾われるまで身を寄せ合う仲間すら持てず、生きる為に盗む事も厭いませんでした。
盗んだ事がバレた時は半殺しにされて森に棄てられた事もありました。その時は名も知らない騎士に保護されたそうです。
黒狼騎士団になった理由をファルスへの憧憬以外で挙げるなら、あの時助けてくれた騎士やその後ここまでを支えてくれた教会のシスター、そしてその仲間達みんなに報いる為、でした。
彼らへの想いの為にも、ここで負ける訳にはいきません。
ウィア達に譲れない物があるように、自分にも譲れない物がある事を再認識しました。
ある程度思考がまとまると、そのまま静かに目を閉じます。明日への気力を養う事でしょう。
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