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[眠るサヤに布団をかけ、その寝顔を見ながら髪を撫でる。辛 い思いをサヤにばかりさせていることを自覚している。今の自分ではどうしようもないことが無力感を加速させる。
背後からミライの叫び声が聞こえる。
ああ…人が皆、こうだとは思わない。思いたくない。
しかし、それでも、そうまでしてもミライは生きたいのだ。
あれが明日の自分の姿かもしれない。
自然と涙が溢れ出し、視界が曇る。
死ぬのが怖かったのではない。人を信じられなくなってきている自分が怖いのだ。]
>>ヤクモ、セポ
引き離されて冷めてしまう。
「もういい。」
「集めていた視線も、好意も全部偽物だったんだね。」
「触んないで。1人でいけるから。」
腕を振り払う。
さあ、向かうしかない。
こことはお別れだ。
起きてるよ。……悪い。直ぐにそっち行くと予定調和を疑われるから少し待ってくれ。
……嫌われようと無理してねえか?お前。大丈夫?
ずっと起きてるから安心してね。
返信も少し時間を開けてからにする。誰に聞かれてるか分からないし。
わかんない。わかんないよ。嫌いなのか、嫌われてるのか。
嫌われてるのか……?嫌われようとしてるわけじゃないのか?お前のいしかと思ってたけど…。
ああ……なるべく待ってるよ。いや、なるべくじゃないな…待ってる。
>>411 ミライ
「───」
頭の中が白く溶け落ちるような衝撃を受けた。
なんでミウがこんなこと言われなくちゃいけないの? あんなに仲が良かったのに。ミウは仕方ないなって、いつも笑いかけてくれたのに。最初にミウに話しかけてくれたのはミライだったじゃん。あーくんと付き合った時だって、一番にお祝いしてくれたのはミライだった。二班の部屋で二人きりで秘密の話をしたり、一緒に写真だっていっぱい撮ったじゃん。それなのに、なんで、なんで、なんで──!
胸が裂け、細かく割れ、そこに冷え冷えとした風が吹き込んだ。怒りだとか悲しみだとかがごちゃ混ぜになって、ぼろぼろ涙がこぼれた。
「ミライの、ばかっ……! ばかばかばか!!」
……古書を確認したら、サヤが死んでから遺言が後悔されんのか。やばい、把握漏れするところだった。
……だとしたら、やっぱりミウを襲ってもいいんじゃないか?サヤを襲うタイミングさえ最後にしておけば。
あーっくそっ……どこをとっても明日の不安はぬぐえない。
>>ミライ
「ばかっ!!……ミライなんて!!……うっ……っひう、ミウだって、ミウだってっ……そんなこと言うミライなんて大っ嫌いだよ!!……なんでミウのこと嫌うの? ミライはなんでも持ってるじゃんっ……ミウが持ってないもの全部!!!」
──嫌い。嫌いだ。
ミウのことを嫌いなひとなんて大嫌いだ!
ミライは一体ミウに何を求めていたんだろう。ミウはミライとは違う。ミライみたいになんて絶対になれないし、頭も悪くて自分で何も出来なくて、誰かに甘えることでしか生きていけない。
……だから嫌だったんだろう。だから、──でもそれなら、言ってくれればよかった。こんなことになる前に、もっと早く言ってくれればよかった。
「なんでみなみんのこといじめたの……!? ねぇ、なんでよっ!! みなみん、死んじゃった!……ミライがやったの!? うっ、く……うう、ええええん……」
「うっ……ひっく、うぅ……」
アオイがいればどうでもよかった。アオイさえ隣にいるなら周りなんてなんでもよかった。違う、ミウを守ってくれる存在がいれば良かった。ミウのことを手放しに肯定して、庇護してくれる相手なら誰だって良かった。
みんなのことが好きなフリをして、──だってこんなに可愛いミウが懐けば、誰だってミウを好きになってくれるって。
───母親の言葉を履き違えたのはいつからだっただろう?
すべてはミライの言う通り。
だって、ミライがミナミをあまり好いていないのは肌で感じていた。よく耳を傾ければミライが、ミナミを傷つける言葉を吐いていたのだって気付けたはずだ。
自分で選んだ。違う、選ばなかった。守られ続けることを選択し続けた。
大切なものは失ってから気づくなんて、なんて陳腐な言葉だろう。こんなことにならなければ、皆の大切さにも気づかなかったなんて!
[皆が寝静まる真夜中。
どうしても眠る気になれず、そっと布団を抜け出した。集会所の入口近くに置いてあった懐中電灯を手に、外へと一歩踏み出す。
相変わらず、外は真っ暗だ。
集会所から少しだけ離れた場所で立ち止まり、空を見上げた。
分厚い雲が通り過ぎ、空の星や月を隠してしまう。懐中電灯の光を消せば、辺りは暗闇に包まれた。
けれど、なぜだろう。
あれだけ怖かったはずの暗闇が、今は、少しだけ心地良い。ここには自分ひとりだけなんだと錯覚させてくれるような気がして。全てが飲み込まれていくような気がして。
だから、届くはずのない言葉を口にする。
今日、皆に選ばれてしまった、彼女への想いを。伝えられなかった言葉を。]
………あの日、この呪いが村を襲った日、俺にさ、毛布掛けてくれたのって、ミライ……だよな……?
もし、そうじゃなかったら、無視してくれていいんだけどさ、
…あの時、目が覚めた時、毛布が掛けられててさ、少し心が軽くなった気がしたんだよ。嬉しかったって言うと、またちょっと違うかもしれないんだけど。
でも、こんな状況でも、優しくしてくれる奴がいるんだって、心配してくれるやつがいるんだって、だから、
[言葉が、途切れる。]
[頬を、暖かいものが伝っていく。]
……守って、やれなくて、ごめん。
頼ってくれって、言ったのに、
約束、した、のに、
[最後に見た彼女の姿を忘れることは、きっとできない。
彼女の言葉も、皆に向けられた視線も、表情も、なにもかも。
あの背中を、一生、忘れることはできないだろう。]
………本当に、ごめん、ミライ
[またズキリと、頭が痛んだ。]
>>ミライ
ふぁ……そろそろもどるか…。
(久しぶりき満足するまで演奏した。少しは気が紛れた気がする…集会所に戻ろうとした時に、星を眺めるミライの姿があった。
高校に来てから、何だかんだと突っかかってきては満足そうにしていた天真爛漫な笑顔は、もうないみたいだ)
「(それも当然か……。)」
……よ、ミライ。…お疲れさん。まああれだな。とりあえず休んどけ。別に死ぬわけじゃなし。
(眠気がピークに来ていて頭はふわふわするが、なるべく彼女の機嫌を損ねない言葉を霞む思考なりに導き出す)
わりいなギリギリになって…慎重に行動しようとしたら上手く意思疎通できなかった。お前はこのまま黙って寝てくれてもいいし返事は自由にしてくれ
時間的に俺はこれが最後になると思う。
…あんま長くは一緒に頑張れなかったけど、心強かったよ。本当に。俺なりにこのメンバーで勝ち抜く方法、探してみる。
重苦しい空気から逃れるように、ボイスレコーダーのひとつを手にして集会所の外へ出た。
どこからか微かにギターの音が聞こえる。
「夜はバタついてもうて、ろくに喋られへんかったから占い師について感じたことを簡単に残しとく。霊能者は明日、結果聞いてからにするわ」
「真贋については正直、どっちもどっち、て感じかな。
組み合わせは本物と辻占てやつやと思うてるけど」
「影裏くんの今日の様子から、封印されたいうのはほんまや思てる。>>193 〜 >>217とか。
1ターン奪われた焦りとかもきっとあって、一所懸命考えてくれたんやろなって。
誰が何を発信したか、ってことに重きを置いてるんやな。
誰か息継ぎの仕方は教えたってほしい」
「対して大柳くんは、意外と対話も積極的にするんやなと思たわ。『人狼ゲーム』以外の部分でも、な」
「事が起こってからもみんなのために動いてくれとったし、>>3 みたいに自分の意見が変わったことをサクッと話せるのは身軽さがあるなぁ思うわ」
「ただ、楯突くみたいになるけど>>209 でぼくを怪しいていう理由が少々こじつけぎみに感じた。
金枝くんのことは占ってほしいとは言うたけど、結果が人間やったらとりあえず了解、で済むもんやないか?
この辺はスタンスの違いやろかな」
「ま、喋るきっかけになれば、て理由を自分から言うておきながら今日はさっぱりあかんかったから、明日は頑張ろかな」
「今晩は、こんなところで」
………ありがとう。
あんま力になってやれなくてごめんな。
今夜は俺、マコを襲撃しようと思う。一か八かだけど。
見守ってくれな。あと………俺も好きだよ。お前とは違う気持ちだけど。仲間がミライで、よかった。
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