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きみは自らの正体を知った。さあ、村人なら敵である人狼を退治しよう。人狼なら……狡猾に振る舞って人間たちを確実に仕留めていくのだ。
どうやらこの中には、村人が12名、人狼が1名、C国狂人が2名いるようだ。
物語の導き手 アリスが「時間を進める」を選択しました。
― 爆破現場 ―
これは……。
[現場に到着すると同時に、思わず言葉を失った。
その様子を一言で表すならば、
凄惨と言う二文字以外を当てはめるのは困難だろう。]
―――、変身。
リヒタル・ゲゼッツ が見物しにやってきました。
リヒタル・ゲゼッツは、見物人 を希望しました。
[そのキーワードとともに、ゾンネの体が変わる。
内なる力は外なる力へ。
人から人を超えた、新たなる扉の向こう。
―――NEXT ]
こちら、ゾンネ……"リヒタル・ゲゼッツ"
微力並びに勝手ながら、
救出作業に協力させてもらう事をお見逃し願いたい。
[現場に向けて声を発すると同時、
既に作業している者たちと同様に人々の救出を始める。]
―喫茶:月の猫―
[ラジオの音量を少し絞りながら
マスター・ユキエは まあ、と眉を寄せる。
幸福な犠牲者とは何か。
まったく、迷惑な話としか謂いようがない。
“これはお前のためなのだ”
いつだったか、そう囁かれたことがあった。
ほんとうに、迷惑な話でしか、ない。
犯人は――現場に、戻るだろうか。
思い出すのは不自然なほどに 舞う、蚊のこと。
ふと 掌を見る。]
── 第9ビル ──
[しばし過去へ意識を飛ばしていた耳に、ロージアの、現実的な中にも親密さを込めた声が届く。
宮古は背筋を伸ばして対した。]
"フロウディア"より報告の件、了解です。
捜索済みエリアがかなり拡大しました。
データを反映させます。
"フロウディア"、長期稼働による疲れはありませんか。
[手元のデータによれば、ロージアは事件発生後のかなり初期段階から現場入りしている。]
[新しい支援者も到着していた。
"リヒタル・ゲゼッツ"──有名なNEXTからのメッセージを受け取り、宮古はそのデータも救助プランに組み込む。]
[反映されたデータを確認すると、この辺りは捜索済みのようだ。だったら、これより上のフロアの捜索に重点を置きたい]
こちら、リントブルム。
このまま上のフロアに移動しようと思います。
現在、周りに新たな生存者および救出従事者は見当たりません。フロウディアの疲労が溜まっているようでしたら、そちらと合流しようと思います。ご指示お願いします。
[そう伝えると、上のフロアへ行く階段へ向かう]
─ 爆破現場 ─
ま、何にせよ、動いていかにゃあ始まんない、と。
あんまりのんびりしてると、エンストするしな、俺。
[口調は軽いが、呟く内容は結構切実だった。
先に一戦交えていた事もあり、充電量は万全ではない。
途中で充電池が切れてしまえば、できる事は一気に減る]
んじゃ、撤去作業しながら上へ、って事で!
[更新されたデータをチェックし、ルートを塞ぐ瓦礫に向き合う。
必要以上に衝撃を与えないように瓦礫を削り、道をつなげてゆく]
― 少し離れたビルの上 ―
これは……美しい。
なんという"意思"を感じる破壊だろうか!
[爆破現場を見渡せる位置。
そのビルの上で、黒い男は歓喜していた。
NEXTによる、NEXTの為の、ハカイ。]
―――ああ、そうだ。
もはや決定は下された。
『人よ……古き民よ……滅ぶべし』と。
―喫茶:月の猫―
[――電波が乱れましたことをお詫び申し上げます
現在も××ビルでブーストを中心とする救助活動は続いており…
…今入りましたニュースによりますと リヒタル・ゲゼッツが救助活動に加わった模様です…
キャスターが事件現場の様子を伝える。
マスターがラジオを切ろうとしたが、店の客のひとりがそのままでいいよ、と留めた。ゆえに、実況中継は続いて流れる。]
…―― 有名人 だな
[ゾンネ・ユーベルス。明るい日の下で
“正義”を行う最も著名な“NEXT”のひとりだ。
正義のNEXT。救う者がある。
悪のNEXT。壊すものがある。
だがそれは、一概に、か?――ツキシロは、ずっと、考えている。
あの日から。]
「アレ」が出ると途端に茶番じみてくる。
売名行為以外の何物でもないではないか。
[ちょっと不愉快そうに呟く。
ビルの現状を考えて、残る「爆弾」はないか。
今は猶予期間である。「暴発」は例外だが。]
ないわけないって話だけど、やめるわけいかないでしょ。
まだ、できることはある。
[けれど、続々と集まる救援に、意識しないようにしていた疲労が安堵と共に広がるのを実感する。
手が足りるようならば離脱も考えるか、というところだが、それは未だ口にはしないままで。]
うーん。
初回はNPC落ちだとか、そういう部分はせめて事前にwikiに書いておいてください。
開始前に、wikiでも申し上げたんですが…
進行や編成の情報開示は企画人としての責任の範疇だと思います。
─ 爆破現場 ─
……有名人のお出まし、か。
[誰もが知っている顔を見つけて、目を細める。
ゾンネ・ユーベルス。代表的な善のNEXTの一人。
正義の体現者でありながら、悪のNEXTであろうとも決して殺さない、真の善者。
見渡せば他にも、続々とNEXTやブーストたちが集まっている。
中には記憶に新しい個体もあった]
大変なことだ。
[野次馬の中で、きびすを返す。冷めた目で見回すと、道行くニンジンは人の姿に戻っていた]
[柱だった瓦礫を乗り越え、天井だった岩盤を避け、上のフロアに向かって行く。]
フロウディア?
[一人、瓦礫の中で生存者を探すNEXT。>>11自分を励ます様に声を出すも、疲労の色はここからも見える]
……人が集まってきた、か。
そろそろ茶番でも始めるべきか?
[瞳のない視線の先は、遠く爆破現場へ。
それが穿つ人影は……ゾンネ=ユーベルス。]
いや、まだ少々早いか。
今すべき事は……まだ見ぬ同士との邂逅。
……特に、この爆破を起こした人物とは
是非ともお目にかかりたいものだ。
リントブルム。
[かけられた声に背後を向く。一刻も早くと上へ駆けていった《TYPE-blade》の後方、生存者の声を探しながらも上階へ向かっている最中であった。]
馬……じゃ、ここには来れないか。
[見知ったNEXTが、見知った姿でないのに疑問を浮かべて、すぐに自己解決する。
ようやく信用できる手が増えてきた、といったところか。]
……ん?
[ヘリが映す遠景。あまりに遠いショットで
普通の人なら気付くべくもなかったであろう。
画面の隅、何か気になる点を見つける。]
アレは―……何だ?ヒトか?
[すぐに画面はフェードし、気になる点は画面外へ。]
ロージア、あなたの能力を発揮する場は、そこだけではありませんから──
無理はなさらず。
あなたには力をあわせて助けてくれる仲間もいます。
["フロウディア"が"リントブルム"と合流したのを確認し、宮古は小さく頷いた。]
彼らを頼ってみてください。
お待たせしました、大丈夫?
[見知ったNEXTを見つけて勇気づけられる。しかし、彼女は爆発直後からずっと救護にあたっているのだ。疲労もピークに近いだろう…。]
あなたが助けてくれた人たちは、救護部隊が手当をしてくれている。ずっと一人で任せてごめんなさい。
もうすぐ、大規模な消火活動が開始されるはず。それまで、できるだけ生存者を探しましょう。
[自分を励ます様に、彼女に声をかける]
すでに階下の探索は終わっており、上へ向かう、ですか──
最悪の場合、退路が断たれますが…、
屋上からも脱出できるよう、消防庁にヘリの出動を要請しておきます。
[取り込んだ"協力者"たちのデータを照合し、計算しながら、宮古は救助作戦の陣頭指揮を続けた。**]
[大き目の瓦礫を、エネルギー充填した剣で叩き切る、という、ある意味とっても正しくない方法で除去しながらルートを確保し、上へと向かう。
センサー的な物は、余り優秀とはいえない。
人の気配を辿るのは、自身の感覚のみが頼りだった]
……だいぶ、絞り込まれてるし、これならそんなに時間、かかんないかね。
[応援が来た事も伝わっていたから、そう、呟く。
このビル自体もあとどれだけ持つか──あまり考えたくない考えも意識の隅に引っ掛けつつ、ではあるが]
……置き去りで助かる、なんてのは、そんなにある事じゃないんだから。
むしろ、ここ置き去りされたら、ほぼ確実に……だし。
[だから一人でも、と思いながら、今は先へと駆けて行く。**]
ふむ……いくつかNEXTの反応はあります、が。
[少し悩むような様子を見せた後、
軽くうなずくようにして。]
そうですね、日を改めてご挨拶に伺いましょう。
……同士に出会えることを信じて―――。
[その言葉とともに、ビルの上から影は静かに消え去った**]
[退路が絶たれる可能性…、ここも長く持たない?
だとしたら、あまりグズグズはしてられない。]
フロウディア、急ぎましょう。
[手元のデータを頼りに再び動き出した**]
さて、民の代表の英断は何時になるだろう。
遅ければ遅いほど、血が流れることになる。
そうすれば、民は泣くといい。
[西向きの窓を開けると、彼の身体は
砂に包まれ―]
担いだ神輿が間接的な人殺しだったことに。
[そして、砂が風に舞い散ると白い影。
ところどころに赤い半球が埋まったフォルム。]
征け―……MUJAHIDIN(戦士たちよ)!!!
我々が新時代への聖戦のために。
[紅い半球が次々と開く。粘液が糸を引く。
そして、そこから多数の「蚊」が放たれる。]
キィィィィィィィーン
[子どもにしか聴こえない?怪音が「蚊」を
遠くに運ぶ。追いやられるように都内に広がる。]
ん……大丈夫、ありがとう。
一旦最上階まで行き次第離脱します。階下は……《TYPE-blade》が埋めなければ、おそらく埋まらないでしょうから、そこはあまり警戒しなくてもよいかと。
[階下で新たな爆発が起こる可能性は否定しきれなかったが、瓦礫をどける衝撃などもあり、爆弾があるのならばすでに爆発していて何らおかしくない状況であった。
が故に、その点は楽観視し。斬り開かれた道を上へ往く。]
急ぎましょう、ゆっくりしてる力ももったいないしね。
[最後の一言は通信ではなく、傍らのリンドブルムへ笑いかける**]
[パクリ、と半球が閉じ、ビジネスホテルの窓から
白い影が覗く。無警戒なのか。]
無駄だ。「我々」の爆弾搬入ルートは見切れない。
愚民の味方よ、泣くといい。己の無力さを嘆くといい。
大義は「我々」に有り。偉大なるアッラーに。
[ここ最近は異常に「蚊」が多い**]
―― 路地裏/コンテナの陰 ――
[知らない温もりがあった。
いつも抱いていたものは、足枷の鉄球か、
埃の溜まった床か、――はたまた、彼か。
覚えのあるどれとも異なる感覚に、瞬きをする。]
…………。
[腕の中に、一人の少年がいた。
眠りに就く前の記憶。
猛暑でもないのに、じわりと汗を掻いている理由。
一つ一つを順序立てて整理していった。]
…………
ミスター。
[少年を腕から剥がすと、身じろぎをした。
ゆっくりと瞼が開かれる。]
おはようございます。
[背に手を添えて、彼が身を起こすのを手伝った。]
[耳元を、蚊が飛んで行く。
掌を大仰に動かして、追い払った。]
…………
食事を獲りましょう。
[まだ寝ぼけている風味の少年の手を取り
立ち上がる。
――街は、まだ騒がしい。]
『…………かーちゃん……?』
[少年は、まだ寝ぼけているようだ。]
…………。
[メイドは、何も言わず歩き出した。**]
―喫茶:月の猫―
[――おお、頑張ってくれてるねぇ。
珈琲を啜る、サラリーマンらしき客のがラジオの実況にコメントする。
――リヒタ、なんとか
――リヒタル・ゲゼッツ
――そうそう
――NEXTもああいうのばかりならなあ
――なあ。
――でもブーストだっているんだぞ?
――あれかっこいいよな、一回生で見たけどさ…
政治の行方、仕事の愚痴に並んでNEXTは話題にのぼる。
何気なく聞くには喫茶店は悪くない場所だ。]
[マスターが蚊取りマットのカートリッジをかえている。
虫除けのハーブも香っていた。
最近、ひどく蚊が多い。
月の猫、対策は万全である。
だからこそ、外に出ると余計に。]
「ツキシロくん、気になる?」
ぇ?
「爆発現場、とか」
…――――。
[食器を洗い終わり、手を拭く。]
…まあ、はい。
[―――そうよね、と幸恵は眉尻を下げた。]
[ツキシロは本来、月城と書く。
同じ名を冠する“月城研究所”は、
有名な製薬研究所のひとつ、だった。
数年前のある日、
原因不明の爆発事故が起きるまでは。
テロだとか、
実験の失敗だとか
――NEXTの仕業だとか。
ニュースにも取り上げられ
噂ばかりが流れたが
結局真実は闇の中。]
「気になるのはわかるけれど
無茶はしちゃ だめよ」
…はい
[ツキシロは、マスターに己の真実を伝えては居ない。即ち、NEXTであること。それから、自分が此処に来るきっかけとなった月城研究所の爆発事故のことも。]
[一瞬、暗い窓に写った姿がぶれて
機械仕掛けのような“異形”が重なる。
それも一瞬。]
……――
[何かが回り始めているような気が、した。]
―― 街中 ――
[メイドは歩いていた。
たった一つの温もりの手を引いて
歩く為に歩いて行く。
事件が起こった昨日よりも
街はどこかよそよそしい。
小規模な爆発事故も、幾つか起こったらしい。
喧騒が遠い。
目的も理由も、定まらずに皆逃げて行く。]
『なー、ねーちゃん』
[少年が、腕を掻きながら尋ねてくる。]
?
[振り返ると、少年はあどけない瞳を浮かべている。
邪気も悪意にもまだ目覚めていない、子供の目。]
『ねーちゃんは、どうしてあんなところでねてるの?』
……………。風邪を引かないからです。
『おうちでねないの?』
――――、
[メイドは、何事かを答えようと口を開きかけて
唐突に、立ち止まった。
ついてきていた少年が背中にぶつかる。]
[誰かの声が聞こえてきた。
声――というよりは叫びだっただろうか。
振り返ると、そこにあったのは一つの道場。
打ち込みの声や、床板を踏み込む音がここまで聞こえてくる。]
――――
[メイドは、時を忘れたようにそちらを眺め、]
『あそこがねーちゃんのおうち?』
[幼い声に、我へ返った。]
いえ。違います。
剣道だな、と思いまして。
『けんどー?』
はい。――と。
[今度は、少年が先行して走り出す。
二人して道場にこっそり近付き、
開いている扉から眺める羽目になってしまった。]
『いたそう』
はい。防具をつけていても多少は痛いです。
『でも、かっこいいな。あれってけんでしょ?』
はい。あれを通して撃剣の技術だけでなく
武道に副うことによる精神を強化します。
『へー』
[少年はわくわくして眺めている。]
『ねーちゃんもやったことあるの?』
…………
昔、よくやっていました。
『つよかった?』
…………。好敵手がいました。
全国では惜しくも負けてしまいました。
高校生になったら、また必ず戦おうと
そう誓い合いました。
『へー……』
[少年は、それきり観戦する作業に戻ってしまった。
メイドは、彼でも道場でもなく、空を仰いでいた。]
― メイドのやや後方 ―
[建物の影の中……、
溶け込むようにその男は立っていた。
その瞳無き顔から向けられた視線は、
やや前方を歩くメイド姿の女性へと向けられる]
―― 街中 ――
[緊急自動車のサイレンが、よく鳴る。
メイドと少年は、二人して野菜ジュースを飲んでいた。
少年はストローを吸う度に逃がそうな顔をしている。]
ミスター。
[メイドは、懐からモノを取り出した。]
これを差し上げましょう。
[少年に、銀色のペンダントを差し出す。
サーベルとも竹刀とも取れない剣の形が掘られ
囲うように六芒星が描かれている。]
『これ、なにー?』
[メイドは、そっと微笑んだ。]
私と貴方が出会った証です。
いつになっても、忘れる事のないように。
[少年は、話半分に聞きながらも『ふーん』と頷いていた。
しかし、その視線はペンダントから前へと向けられる。
メイドも顔を上げると、そこにはふらつく足取りの男性。
片手にワンカップを持っている辺り、理由は明らかだった。
メイドが少年を自分の側へ引き寄せようとすると、]
『――とーちゃん!』
[少年は、メイドの手を離して駆け寄っていってしまった。
いつものように――いつものように、眠そうに眺めている。]
?
[声と共に流れてくる気配に、メイドは振り返る。]
…………
?
[女は、はてな、という風に首を傾げた。]
…………まっくろくろすけ……?
[じっと見つめている。]
そう怪訝そうな目で向けるな。
異質な外見は自覚している。
[クク、と苦笑するかのように
黒い影が体を震わせる。]
で、先程の質問だが……―――
君はその異常を、人の為に使う者かね?
はあ。
[笑いに身を震わせる影にも、眠そうな表情は崩れない。]
えれがんとな御姿だと思いますが……。
[ぽつりと呟き、質問を盛り返されれば、
眠そうな顔は、焦点が合わなくなった。]
――――。そうですねえ……。
[考えていたらしい。
焦点が影へと戻ってくる。]
私はメイドですので、難しい事はよく分かりません。
[答える表情は、笑顔だった。頭に咲いた花が揺れる。]
……エレガント、ね。
この姿をそう表現されたのは初めてだな。
ふむ、真に言葉に困るというのは久々の体験だ。
[被った帽子を指先で整えながら、
少しだけ困惑するように首を傾げる。]
―――成程、いやいや……ふむ。
無責任のように思えて、中々に理に適っている答えだ。
メイド、つまり仕える者故に
そこに己の意思が介入する余地はない。
それこそが、他ならぬ君の意思、と。
その格好を視認した時点で理解するべきだったか、
いやいや、これは我ながら愚問を投げかけたものだ。
[メイドは黙って、男の言葉を聴いている。
メイドであるが故に、メイドである事こそが存在意義。
それが自身であり意志であり、仕える者の理。
覚悟は衣装となって現れ、衣装は覚悟を体現する――]
……………
?
[メイドは、瞬いた。影はわらっている。]
……………。
人は小さな悪意に気付かぬもの。
[ぽつりと呟く。]
強大な悪意と強大な敵意。
怒りと哀しみは紅い華を咲かせ、時に萎れる。
平和は相対的な善と相対的な悪を定義し
絶対的な悪意と絶対的な善意に首を傾げる。
悪意と善意の境も自由だ権利だで許してしまう方々を
果たしてヒトと呼んでよい生き物かどうか、
私にははかりかねます。
[メイドは、笑顔のままでそう言霊を投げかける。]
己への敵意と悪意に異常なほどの嫌悪を示す傍ら、
その者自身は容易く他者へと悪意を投げかける。
そして悪意と敵意に塗れながら……
羽ばたく羽に生きるための嘘を飾りつけ、
虚栄と嘘で築きあげた城の中、奴等は地上の覇者となった。
そうしなければ生きられないのだよ。
あの"ヒト"という古い民はね。
それほどまでに奴等は弱い。
―――もはや、どうしようもないほどに。
[だが……と。
少しの無音の時間とともに、再び口無き口を開く。]
今は、私達がいる。
新たなる、次への扉を開けた者たちが。
ならば……新しき者の苗床となる者以外は、
ただの害悪と成り下がるだけだ。
[そうは思わないか?と。
相手の言葉を待つが如く、視線を向ける。]
―街で―
[ツキシロの家は、喫茶店からさほど離れていない。
文庫本をふと開いたが、
今日現れた女性客が手渡してきた花びらが挟まれたままなのを思い出して、そのまま閉じた。
このまま重しをすれば
きっときれいな押し花になるだろう。]
…――
[サイレンを鳴らしながら、緊急車両がひっきりなしに通り過ぎていく。]
―――別に良いがね。
余り馴れ馴れしくされるのも聊か反応に困るものだ。
[もし触ったとしても
実態が在るか無いか不明瞭な感触が残るだけだろう。
まるで飲み込まれてしまう様な消失感と不安感……
それと同時に理解できない抱擁感は感じるだろうが―――]
―街中―
[偶然にも会話するメイドと黒い影の側を
イスラム装束に身を包んだ男が通り過ぎ]
ご婦人、リンゴをひとつもらおう。
「あいよ。」
[近くの果物屋でりんごをひとつ購入した。
そもそも、声明まで行い街を出歩くのは挑発か。]
「あんたいい男だね。一個サービスしてあげる。」
感謝する、ご婦人。
[そう言って、ニコニコ顔の店主のおばさんに
一個分の代金を渡して、二個のりんごを受け取る。
おばさんの首筋は小さいが赤い腫れが見える。]
―……シャク。
[りんごを口にした。]
………、
そうですねえ……。
[影の言葉を受けながら、傍らを通り過ぎる男を一瞥する。
その一瞥はすぐに少年と酒気を帯びた男に向けられた。]
そうですねえ……。
『ねーちゃんにもらったんだ! いいでしょ!』
「おー。よかったな!
よし、失くさないように父さんが持っておいてやろう」
『うん!』
「今日は美味いもんを食わせてやろう。
母さんには内緒だぞ。
それとこれから「シチヤ」っていうお店に行くから
お姉さんにさよならしてくるんだ」
『うん!』
―街で―
……NEXT か
[やはり、蚊が多い。
血色の薄いツキシロは
あまり蚊に好かれてはいないようだが。
犯行声明を出した男と、道一本隔てたところにいるなどと、ツキシロは知りうるはずもなく。]
[新聞や週刊誌で日々行われる
討論と名付けられた不毛な争い。]
[殺すのもNEXTなら]
[生かすのもNEXTで]
[殺すのが人間なら]
[殺すのも人間だった]
[――そして今NEXTを迫害する動きもまた 活発化している。己よりも“優秀”なモノ。そして異形に変ずるNEXTを、“ただの人”は恐れている]
[視線を、二人から外した。]
難しい事はよく分かりませんが
どれだけ時を経ても、羽化しないのかもしれません。
羽化する意思の無い蛹は、ただのゴミですので
お掃除しなければなりません。
[くすりと笑った。
それは――今までに見せた笑みと違いは無い。
いついかなる時も、メイドは同じようにわらう。]
「爆発だって!しかも変なのがラジオから…」
[りんごを口にしながら、おばさんのあーだこーだ
長々しい世間話を受け流している。
いろんな話を振られているが、相槌を打つだけ。]
「ところで外人さん、どこから来たの?」
―………パレスチナ。
[その質問にはぴく、と反応し答える。
視界には父子の姿が入り込んでいる。]
その通りだ、仕える者よ。
私達は変えねばならない。
この歪みきった不自然な断りに縛られた世界を。
その歪みを生み出している元凶を。
……ここで、一つ君に問おう。
[顔に笑顔を貼り付けるメイド。
それに向け、一歩だけ歩を進める。]
―――今、君の目の前にいる影は
主と呼ぶに……相応しいかね?
是非とも、率直な意見が聞きたいものだ。
その通りだ、仕える者よ。
私達は変えねばならない。
この歪みきった不自然な理に縛られた世界を。
その歪みを生み出している元凶を。
……ここで、一つ君に問おう。
[顔に笑顔を貼り付けるメイド。
それに向け、一歩だけ歩を進める。]
―――今、君の目の前にいる影は
主と呼ぶに……相応しいかね?
是非とも、率直な意見が聞きたいものだ。
[近付いてくる影に退くことも無く
メイドはまっすぐと見つめる。]
私はこの状態のセカイしか存じませんので
歪んでいるかどうかははかりかねますが……。
率直に……
率直に……。
[貌の無い顔をじっと見つめる。
笑顔は、また少し眠そうな表情へ戻った。]
…………僭越ながら
47点、でしょうか。
[率直な評価を口にした。]
ほう。
[突如聞こえる爆発音。果物屋店主は怯えたよう。
しかし、イスラム男は逆に堂々としたもの。]
仕方がない。そういう運命にあった、と。
実に、実に気の毒だが「名誉」なことだ。
[「戦士たち」は彼の号令なしに「突撃」することがある。
それもまた要求を突き付けた相手への威嚇となる。]
ふむ、現在の世間一般的には赤点といえる点数だな。
まだまだ私も勉強不足ということか。
……いやいや、むしろ私にしては上出来かもしれないが。
[告げられた評価には、再び愉快そうな声を。]
―――急く事は無い。
こうして言葉を交わす縁があったのだ。
再び出会う縁もあるだろう。
もちろん……その評価が改められる縁も、な。
[熱々の玄米茶をぐいと飲み干して立ち上がる。]
店主や、馳走になったのぢゃ。
茶は悪くないでの、たくあんは精進なされよ。
では、また来るぞい。
[呵呵と笑いながら喫茶店を出た。]
― 街中 ―
[音。爆発の音。破壊の音。
犯人に暴発と称されたその音の方向へ、冷めた目を向ける。すぐ近く、目視できる距離。
悪ははびこる。あざ笑うかのように]
…………?
[無関心を決め込むか、立ち止まり様子を見守るか迷う。だがどうせ同じ景色が待っているのだと思えば、見る価値は無いように思えた。
……しかし立ち去ろうと足を踏み出しかけたとき、息を切らして走ってきた一人の美しい青年と目が合い、訝しむ。
―――何を急ぐ? まるで追い立てられるかのようだ]
我に言っているのか?
[ぽかん、とする果物屋のおばさんを尻目に、
呼びかけられた方を向く。貌が―見えない。]
何を言っているのかわからない。
我に何の用だろうか。
[こちらはテロリストである。
呼びかけられてはいそうですと答えるわけにもいかないだろう。
貌のない男に対してさえ、毅然と警戒を解かない。]
またのご縁……ですか。
[不思議そうに見つめながらも、頷く。]
『ねーちゃん、ねーちゃん』
[影が別の人物に声をかけている間に
くいと袖を引く感覚があった。]
『とーちゃんとあそびにいってくる!』
[とても嬉しそうな笑顔の少年。]
…………
[メイドは、そっと頭を撫でた。
少年は影に気づく様子もなく、駆けていった。]
[短く、それも曖昧に声をかけられ目を細める。改めてその姿を眺める。
記憶には、無い。
……もっとも、自分の記憶は当てにできない。自分の過去は砕けてしまったのだから]
何か用かな?
[短く問う。この青年が何を口にするのか、少なからず興味があった]
用という程でもないがね。
少々君と話がしたかったというだけだよ。
君の持つ意志の強さ……
それは私を惹きつけるに十分すぎる。
[顔の無い貌を向けながら、
身振り手振りでその感情を相手へと伝える。]
この今の歪んだ世界において、
君の様な同士がいる事に心から世界へ感謝をしたいぐらいだ。
―爆発現場近辺―
――――、…
[反応に口をつぐむ。
“そう”であるならばすぐさま答えがあるだろうと思ったのだ。けれど。
耳に空けた、とうに馴染んだはずのピアス孔が痛む。
息ひとつ整えて]
…ひと、違いかな
似てるんだ
知ってた人に
[―――探り探りの態で、言葉を続けた]
ああ、縁だ。
……ふむ、しかし私は少々心配性でもあるのでね。
少しだけ、小さな悪戯をさせてもらおうか。
[メイドへと視線を向ければ、
その影に染まった指先を静かに持ち上げる]
……少々、触れても良いかな?
─ 第9ビル内 ─
[上へ向けて駆け上がる最中、耳に届いたのはそう、遠くもない場所からの爆発音。>>71
駆ける足が止まった]
……ちょ、またかよっ!
[ビル内ではないものの、伝わる震動は少なからず影響を及ぼしてくるはず。
実際、上からはぱらぱらと細かいものが落ちてきていた。
直接ではなくとも、大き目の衝撃がくれば、まずいのはさすがに読める]
……しょーじき、これ以上の可動はきっついんだよ、な……!
[なるべく刻んで使ってはいたものの、そろそろ充電が厳しいのも事実。
救出活動自体もそろそろ大詰めか。
割れた窓から近づくヘリのローター音が聞こえ、視線を向けると、飛びすぎる『消防庁』の文字が見えた]
宮さん手配のお迎え、か……!
お二人さん、ラストスパートかけた方が良さそうだぜ!
[こちらが開いたルートを進む二人、フロウディアとリントブルムに呼びかけてから、上へ。
屋上への扉は、衝撃で歪んだためかすぐには開かず]
……せ、えっの!
[そろそろレッドゲージが見えそうなエネルギーをつぎ込んで、扉自体を叩き切った]
ほう……「歪んだ」世界か。
[警戒を解かないものの、男の方に歩み寄る。
テレビ画面の隅に感じた違和感。
貌の無い男から同じものを感じる―]
申し訳ないが、貴様とそこの女性の話は少し耳に入ってきた。
我が神も、我に同じようなことを仰った。
[シャク、とりんごを食べる。]
簡単なことだ。「我々」が虐げられるを厭うなら
虐げる民からその地位を奪えばいいだけのこと。
知り合いに似ている、か。
[青年の言う人間。それが自分であっても不思議ではない。自分は、過去を断片的にしか思い出せないのだ。
そして。……その記憶もまた、他人事のようにしか思えない]
人違いだな。
私は、君には会ったことも無い。
[過去の自分と、現在の自分は別人だと認識していた。だから事実はどうあれ、この言葉は嘘ではない]
ところで、君は何をそこまで急いでいたのだ?
ただの野次馬にしてはおかしい。この近辺に家族でもいるのか?
─ 第9ビル・屋上 ─
……このタイミングで切れるとか、ちょっとねーだろー……。
いや、途中よりはマシだけどっ……。
[充電池の枯渇は、強制的な装着解除を引き起こす。
それと同時に、圧し掛かってくるのは、装着状態がもたらす身体能力強化の反動で。
黒と緋が消えた後、その場にがく、と膝を突いた。
とはいえ、ここでのんびりとはしていられないのも、事実で。
降りてきたヘリの誘導やら、なにやら。
素の状態でもできる事のために、気合で立ち上がる]
……んで、もって、さっき聞こえた爆発音、って、どこ?
[手配されたお迎えがやって来ると、ヘリのパイロットに最初に飛ばすのはこんな質問。
ここからそう遠くな場所、と聞けば、浮かぶのは思案のいろ]
あー……いや、俺近場に愛車置きっぱだから。
巻き込まれてたら泣けるな、と思って。
[何を考えているのか、と周囲に問われたなら、返すのはこんな一言だったが。
そちらの状況も気にしているのは、態度にしっかり表れていた]
[仮面越しの笑顔を感じ取り>>25]
はい。二次遭難しないよう急ぎましょう。
[脱出をしつつ、生存者を探すも人の気配はない。避難したのか、それとも…。
首をぶんぶん振って、嫌な予感をふり飛ばす。
爆発の原因も最終的な被害状況は後で聞けるだろうが、どうしてこんなひどい事をするのだろう?
どぉぉん、また爆発音>>71]
もう、何なんでしょう。犯人はいくつ爆弾を仕掛けたのかしら?
[ 少し泣きそうな顔をしてたが、仮面のお陰でそれは隠し通せたか]
―自宅マンションから―
[身支度はさほど長くもない時間で済んだ。
大きなバッグを担ぐと、パソコンはそのままに、モニターの電源だけを落として、部屋を出た。
爆破事件の影響だろうか、道路はかなり渋滞していた。
現場はかなり遠い筈だが、消防車が数台サイレンを鳴らしながら通り過ぎて行った。++]
その通り。
この世界はどうしようもなく歪められてしまった。
一部の愚かな者が甘い果実を貪り食う醜悪な理。
それを振りかざし、力を持つ我々を恐れ
軽蔑し……更には虐げようとしている。
[手を広げ、まるで太陽を掴むように伸ばす。]
最早、手遅れに近いこの世界。
しかし諦めてはならない……あの光に導かれ扉を開けた我々は
少しでもこの世界を変える責務がある。
―――多少、乱暴な手を使っても、な。
[拓かれた道を上へ駆け、時折もう少し道を広げたりと撤去作業を行うなか、遠くのようで近く、もう、耳慣れてさえきた爆発音がした。
振動はこのビルも揺らし、砂礫を呼ぶ。]
……っんと、飽きもせず!
[その爆発の起こした被害の規模は、死傷者は。
小さく、少なくあれと心のなかで願いつつ、そのうちにヘリの到着を知らせる音が聞こえてくる。]
キツいのはあたしも同感、よ。
とっととスパート、ね!
[気になっただけ。それにしては、青年の様子は普通のそれと違って見える。……が、深くは探る気はなかった]
この馬鹿騒ぎは、NEXTによるものなのだろう?
何の意図があるのかは知らないが、だったら騒ぐだけ無駄だ。私のような一般人は、せいぜい成り行きを見守ることしかできん。
世界の行く末はNEXTのものだ。そこに一部のブースト関係者を含めても、大多数の人間が枠外なのは変わりない。
我々善良な一般人は遠巻きに眺めながら、無気力に無力を振りかざし、ただ眺めるのがお似合いなのさ。
[そこまで口にして、爆発現場に視線を向ける。
これほど長い台詞を口にしたのは、ずいぶん久しぶりな気がした]
ー屋上ー
[変身を解き、息を整える。空にはヘリコプター。宮古さんが手配してくれていた機体だろう。
疲れを隠して、風薙さんがヘリコプターを誘導している。]
…。
[ヘリコプターが屋上に降りる間、屋上から周りを見回す。
惨状の真っ只中にいるのだが、他の風景はいつも通り。
空はいつも通り青いし、街の向こうには富士山が見える。]
どうして…。
[いつも通りの生活を送るはずの人たちが、こんな事件に巻き込まれる。そんな理不尽な事、許せない。]
[気になっただけ。それにしては、青年の様子は普通のそれと違って見える。……が、深くは探る気はなかった]
この馬鹿騒ぎは、NEXTによるものなのだろう?
何の意図があるのかは知らないが、だったら騒ぐだけ無駄だ。私のような一般人は、せいぜい成り行きを見守ることしかできん。
世界の行く末はNEXTのものだ。そこに一部のブースト関係者を含めても、大多数の人間が枠外なのは変わりない。
我々善良な一般人は無気力に無力を振りかざし、遠くからただ眺めるくらいがお似合いだろう。
[そこまで口にして、爆発現場に視線を向ける。
これほど長い台詞を口にしたのは、ずいぶん久しぶりな気がした]
我の神と似たことを言うのだな、貴様は。
諦めてはならない?当然だ。
我は「諦めた」ことなどありはしない。
[両手を高く掲げる。その手は白く人間のものではない。
りんごを落とし、顔の前を通ると同時に両の手を強く合わせ―]
どごぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!
だが、貴様らが想う世界と「我ら」の為そうとする
未来が完全に同一とは限らないだろう?
[貌の無い男への―傍らの女性との関係も見えず
彼は一味だと判断したが―牽制のつもりか、
先程親切にしてくれた果物屋から爆発音が聞こえる。]
境遇を変えたければ、矛でも何でも手にとって
戦わねばならない―「我ら」はそのような世界からやってきた。
― 病院 ―
[どちらかと言うと戦いに特化している身体はあまり救助作業には向かず、出来る事と言えば漏電した電気系統の修理や補修、断たれた電源類の代わりに発電機の役割をする程度のことしかできずそのせいか斃すべき敵の情報もあまり入って来ない]
爆発の原因が分かればまだ手の打ちようはありそうなのだが。
[謎の爆発に関しては未だ原因が分からぬまま、多くの怪我人を診る事が出来る病院で発電機の代わりに電気機器を動かす事に力を使っていた。
望まぬ形で手に入れた異形の姿は人に見せびらかすものでもないし、NEXTを嫌っている大多数の視線もある。
それゆえに人の入り込まないであろう電気室で発電機の代わりをしている方が、自分に合わない救助をしているよりは身の丈に合っている事は確かではあった。
未だに警察等も爆発の原因が掴み切れていないらしい事はナタリアからの連絡で聞き及んではいる、それゆえに爆発物の件が気になるのも事実であった]
道行きが同じうちは良い。
だが、我が神と「我々」と道を違えるときが
来たなら、我は容赦なく「世界」の敵に回ろう。
[貌の無い男とメイドの女性を強く睨みつける。
やはり今の爆破はふたりへの牽制のようだ。
「意思」の籠った瞳を向ける。]
少なくとも「我々」にはこの聖地日本を
石器時代に戻してやる程度の力がある。
―……下手に触れると、貴様らとて
千と一の夜に沈むことになるぞ、忘れるな。
[あくまでも毅然とした態度を崩さない。]
[目前で《TYPE-blade》のブーストが限界を告げ、変化を解除する。
膝をつく姿も長く見せず、ヘリの誘導にあたる様子を見れば、自分も加わるべきであろうと、そちらへ向かう。
途中、意識をゆったりと日常へほどいていく――]
―爆発現場の近く―
…そうだな、NEXTがやったことだ。
そして救助に向かったのもNEXTと…それから、“普通の人間”で。
[男は語る。
その内容は、そう、やはり何処かで聞いたような気がした。あの研究所で]
…―――一握りが掴むというそれに
あんたは何も思わないのか……
一般人だって、思うことはある、
…―――それは共存じゃ、ない、…
[また何処かで爆発音。
ツキシロは現場を睨んだ]
── 第9ビル ──
[出動を要請したヘリが屋上へと向かうのを見る。
救援隊がそこに到達したならば、ビルの中の未確認エリアはほとんどなくなったということだ。
一部の進入危険エリアを除いて。]
NEXTやブーストにすら近づけない場所に生存者がいるはずはない…
[そう「計算」して──決断し、指示を出す。]
──全員撤収、願います。
――――。
[男の、演説のような言霊を聞いている。
特に口を挟む事も、頷く事もせず
眠そうな表情を爆発した辺りに向けた。]
今日はよく爆発する日ですねえ……。
[のんびりとした口調で言う。
睨まれている事にも然程気付いた様子は無く
遠くへ逃げて行く男の姿を見る。
少年は――一人立ち尽くして泣いていた。]
…………。
私は、世界をどうこう、という壮大な話には
あまり興味がありませんので、宜しいかと思います。
なにぶん、メイドの身分でございますから。
[威嚇するような男の口調にも、メイドはただ笑っている。]
報告、上階に抜けるまでの間、救援の声や反応は確認されませんでした。
生体反応関知等行えるNEXT、もしくは何らかの装置がない限りこれ以上の救助は難しい可能性があります。
よって、何よりあたしを救助してほしいなー!
[誘導されるヘリに現場の状況を叫ぶが、正直なところ立っているのがギリギリな状態でもある。
最後の一言はジョークではあるが、笑い出しそうな膝を踏み込んで、ヘリに手を振る。]
――……ああ、やはり良き音だ。
意思持つ者の力とは、例外なく美しい。
そういう意味では、私は貴方の『ファン』といっても良いのかもしれない。
[牽制の爆音すら、影にとっては心地好い音色だったらしい。
物思いに耽るような仕種をしながら、
目の前の男に再び顔を向ける。]
私達が思い描く未来は違っても、
現在の在り様を壊してしまいたいのは同じ。
ならば今は争う必要もない……
縁あれば争うことになるだろう、
ならばそれは"その時"で十分という事―――
それまで貴方の意志ある戦いを、
私は楽しみにさせてもらおう。
[爆発事件に関しての事柄に考えを巡らせる、ここまで爆発物が不明で有ると言う事はまず間違いなくNEXTが絡んでいる事は間違いないだろうと思う。
だとすれば能力は確実に遠隔爆破であろう事も、しかし爆破の範囲がまちまちでそれこそ今病院を狙って爆破をさせれば更に被害は甚大になるであろう事も予測がつくが、病院では何も起こらない。
『そう言えばこの病院は待合室まで冷房を利かせて涼しいようだ』
高温多湿は菌が繁殖しやすいとかなんとか、前にナタリアが言っていたような気がする、自分にはあまり関係のない話だと思っていたせいかうろ覚えだが。
そんな事を考えていると不意に電気室の扉が開けられてそちらに視線をやると大人についてきた子供のようだった]
(NEXT体を見られるのはまずいか……)
[傍から見れば病院の電気系統を破壊しているようにも見られ兼ねない、一時的に送電を止めても二次電源に十分に蓄電をしてあるので大丈夫だろうと判断して変身を解く]
[青年の言葉。夢のように美しいそれに笑みがこぼれる。
あの光によって、過去は砕かれてしまった。
過去の世界と、現在の世界は違うのだ]
それは、そうだ。普通の人間も救助に向かうだろう。大事な人手だ。
しかし、それは対抗と言えるか? 普通の人間である彼らは、NEXT犯罪にしっかりと対抗できているのか?
[一拍おいて、首を横に振る。さも残念そうに]
私には、暴君に虐げられ、傷を舐め合う貧民の姿に見えるよ。
そう、誰もが思うだろうな。一般人だって、たしかに思うことはある。なぜ自分はあちら側では無いのか、とかな。
共存などまやかしだ。……いや、共存という言葉がすでにまやかしか。
同じ人間同士なら、そもそもそんな言葉は必要ない。
ほう、ならば各々好きに動いていいだろう。
「我ら」と貴様ら。少なくとも中途までは
同じ道行きであるようなのだから。
[果物屋からは細く黒煙がのぼっている。
両手を下ろすと、褐色の―人間の手に戻る。]
おんな。アレは貴様の知り合いか?
[そう言って、泣く少年の方を向く。
ただ、厳しい表情のまま。]
精々気をつけると良い。この国の首脳陣が
「我ら」の要求を飲まねば、血が流れ続ける。
気の毒だが、「我々」は誰にでも平等だ。
平等に厳しい―……無差別だと言えよう。
外を歩くなら、気をつけるといい。巻き込まれぬよう。
― 爆破現場・ビル内部 ―
[粗方の救助活動が終わったのだろう。
ブースト装着者たちに遅れる形で、
変身体……リヒタル・ゲゼッツとなったゾンネが屋上へと姿を現す。]
こちら、ゾンネ=ユーベルス。
協力の許可、感謝いたします。
[スゥ、と背中の翼によるものか
音もなくゆっくりと空中に浮かび上がる。]
――何か、ご協力できることは?
[手元のマップから、ビルの外へ離脱した者のマーカーが消えてゆく。
屋上チームからの報告が最後となろう。]
僕も、救助活動は充分に遂行されたと考えます。
ありがとうございました。
[伝わらぬ動作なれど、頭を下げる。
追悼の思いもこめて。]
幸いにして、かの少年にはまだ「聖なる耳」があるだろう。
「我ら」の戦いの「雄叫び」も、
かの少年なら感じ取ることもできるだろうか。
[ただ厳しい表情のまま。]
[携帯電話を取り出し、今日行く筈であったアルバイト先の会社の番号をプッシュ。]
あ、すみません、高嶺です。
そちら方面へ行く道路が通行止めになったみたいで……ええ。すみません。
トワルは……はい。分かってます。はい。
では、今から電車で向かいますので……はい。では。
[ピッと電話を切って、黒煙棚引く方角を見詰めた。]
ロージアさん、
僕が下で受け止めますから安心して飛び降りてくださっても結構ですよ。
[そう返しつつ、データ上で《TYPE-blade》らの撤収を見届ける。]
ヘリは一度、近くへ下ろして重傷者を病院へ搬送させます。
僕は、隣の都営駐車場に設営された臨時救護本部に向かいます。
ご用があればそちらへどうぞ。
……ね。
[既に救助対象、に困ったように顔を見合わせた。
変化の解けた生身の人間の顔になれば、お互いの表情の機敏はよくわかる。疲労の見えるその顔に、自分も同じような顔をして、笑う。]
まあ、やることやったんだし、名誉の負傷ってことなんじゃないの。
一人じゃたぶん、あたしもどっかで埋まってたかも。
それは勿論。
貴方を縛り付けるつもりは無い……
貴方は貴方の"意思"の通りに好きに動いてください。
いや、中々に楽しめる一時でした。
[軽く手を叩くような仕草。
それでも、その掌からは音は出ずに。]
[屋上にいる人たちが最後の脱出組らしい]
了解しました、撤収します。
[遅れてやってきたリヒタル・ゲゼッツに気付いて>>116]
ゾンネさん、あなたもいらっしゃったのですね。
この災害、事故ではないですよね。やはり…
[NEXT犯罪なのでしょうか、とは怖くて聞けない。]
救護本部に行けば、詳しい情報が聞けるかしら?
――――。
はかりかねます。
[知り合いか、と問われれば、そんな答を返す。
表情は変わっていない――ように見えた。]
聖なる耳……ですか。
不可聴領域――17kHzのことですね。
[問いかけるでもなく、独り呟く。
ないている少年から目を離すこともなく。]
そういえば、先程腕を掻いていたような気もします。
ヒーローでも現れない限り、難しそうですね。
[眠そうな表情は、未だ取れない。]
…………。
せいぜい、これ以上蚊に刺されないように
気をつけるといたしましょう。
ご忠告ありがとうございます。
[厳しい表情の男に、向けるものはやはり笑顔で。
確信か探りか――言霊の真意は華の中。]
坊や、こんなところでどうした。
[子供の相手は不得手ではあるが、あまり長く送電を止めるのもまずい、上手く追い出す事が出来るだろうか。
こんな事もあろうかと電気工事の作業服は準備済みのため、自分が怪しまれる事はまずないはずだ]
ここは病院内に電気を通す為の部屋だ。
……虫よけ?
さあ、蚊が電気が苦手という話は聞いた事はないが。
蚊が多い?
街中にか?
[蚊に食われるとかゆくなるから嫌だとあれこれ話してくれる子供の言葉に東京で蚊が大量に発生するのは珍しいなとぼんやりと考えて]
とにかく、虫よけなら白衣の先生方に話を聞いた方がいい。
電気を直さないと怪我をした人を治療出来ないからな。
[ 周囲の、街の人間達の様子はどうであろうか?
テロの暴威を恐れつつも、自分達が圏内にあるという緊張には些か乏しいかも知れぬ。
ある者は実況中継に見入り、ある者は作業を中断して窓や屋上から黒煙の上がる辺りを眺め……
そんな中でも全く変わりなく仕事をし、普段通りの生活を続けようとする者もいる。
大きなバッグを肩から下げて、大通りをえきの方角へ向かって歩く若者も、そんな一人に見えたかも知れない。]
…――まやかしかどうかなんて
[鎮火していく。
野次馬にこの場から去れと警官が誘導する]
解らないじゃないか…
[この人混みのなかでも
―――NEXTは、
それとしらずとも引き合い呼び合うものなのかもしれない。]
……はぁ? 飛び降りんの? 正気?
降りてもいーけど、この体じゃ受け止められても痛いからヤ。
ってより、野次馬に絡まれるからもっとヤ。
ヘリが無かったら、そうしてたかもね。
[通信に力ない声をかけつつ、リヒタル・ゲゼッツが姿を表せば一礼し。]
……先ほど、もう一つ爆発がありました。
ここほど大規模ではないようですが、救援の手はあちらのほうが足りていないはずです。
[煙は、屋上にくれば視認できた。黒煙の上がる方向を指差す。]
ほう―……喜ばしいことだ。
かの少年は「戦士」として選ばれたということだ。
[表情を変えず、その笑顔に返す。
腹の探り合いなのか、そうではないのか。]
言われずとも、「我々」は神の御言葉にのみ
突き動かされる。楽しめたならそれはそれで結構。
ならば、この先も見ているがいい。
不浄なる者が保身に走るか、義に動くか。
―……「我ら」の弾は愚鈍なる民にはわかるまい。
ましてや、無菌室のようなこの日本では避けられまい。
[そう言って、ふたりに背を向けた。]
[続く2人の反応に、再び視線を戻して
了承の意を表すかのように首を縦に振る。]
いえ、今の世の中……その様に接してもらえるだけで
どれほどのNEXTがお礼を言いたいことか。
……先ほどの爆発音ですか。
了承しました、向かってみましょう。
[リヒタルの体が、ゆっくりと光に包まれる。
刹那、一際眩く強い光を発すれば……
影すらも残さずに、リヒタルの姿はその場から消えていた。]
戦士………。
ミスターが大きくなったら
どのような大人になるのでしょうね。
[メイドは、少しずれた言霊を返し
去り行く白装束の男を見つめる。]
なるほど。
ミスターも、神に仕えるメイドのようなものなのですね。
お互い、頑張りましょう。
[そんな言葉で、彼を送り出す事となった。
白装束――見ようによってはメイド服に見えなくも?]
[青年の声に含まれる感情。それがやはり、ただの野次馬とは違う色に見えた。
何かあるのか。それは何なのか。共存という言葉は繰り返される]
……少々おかしな話になってしまったな。初対面同士で語る内容でも無い。初めて会った者同士であるのなら、まず口にするべき言葉は別にある。
私はブライアンだ。君は?
[子供に対して言うには少しぶっきらぼうすぎる物言いだっただろうかと考えを巡らせるも、当の子供はまったく気にした様子はなく、おじさんの髪と目はゾンネみたいでカッコイイと言われる始末だった]
ゾンネみたいで、か。
アレに似るというのはいい事なのかどうなのか。
[少なくとも以前ゾンネと間違われて偽善者扱いされた事もあるので、彼に対してはあまり良い印象は持っていない、間違われてから髪も伸ばした。
やる事もパフォーマンス混じりに見えるし、不殺の精神というのが自分には理解できない。
確かに相手も過ちやNEXT体に変身した時の高揚感から力の加減も分からずに過失で殺してしまう事もあるかもしれない、そう言った場合は赦す事は大切なことだろう。
しかし、その力に溺れ、酔っている者は生命活動を止める事でしか止める事は出来ないと割り切っていた]
[は、と眼を見開く。
締まった、と謂う表情が長い前髪のした覗く。
顔は半分隠れている。左目だけがあきらかだ。]
…――本当に。
[取り繕う。NEXTということを
公にしたくはない。
共存を、と口にしながら矛盾している。]
ちょっと 気が動転していたんだ…な
……ブライアン。
おれは…、サフォア。サフォア・ツキシロと、いう。
[名乗り、まだ他人の空似とは思えなかったのか
視線を向けて、反応を、待った]
[シャッテンはナジームの去り行く背中を見送りながら
改めてメイドの方へと顔を向ける。]
……さて、少々予想外の展開になってしまったが。
君は、これからどうするのだね?
[掲げた指先は未だ触れぬまま。
影の男の顔の前を彷徨っている。]
世界は、変わらなければならない?
[ゾンネさんの言う言葉を聞き返す様に言う>>123]
世界が変わるって…、
人間とNEXTが仲良く共存できる世界でしょうか?
[思った事を口にして暫く考えて…]
あ、行ってしまわれた。いつも思わせぶりなんだから…。
[ヘリコプターが着陸しても、機内で今の言葉を考え続けていただろう。]
ー世界が変わるって、どういう事なのだろう?
…………。
お仕えするべきご主人様も見つかっておりませんし
特筆して取るべき行動は考えておりません。
[掲げている指先に注意を向けることなく
泣き続ける少年を見つめている。]
…………。
[逃げ出した父親の姿は、もうここからは見えない。]
……サフォア・ツキシロ。
[名を聞き、脳に浸透させる。断片的な過去に、その名と同じ音を照合する。もはやくせになった、ほんのわずかな間]
変わった名だな。だが、よい響きをしている。
[それまでと何ら変わらぬ表情だったが、それは正直な感想だった]
―地下鉄駅―
[ ICカードを改札機に触れさせ、構内に入る。
何本かの線でダイヤの乱れはあるものの、目的の電車は運行しているようだ。
事件のあった場所を大きく迂回することになるので、時間は掛かるが今はこれが一番確実な交通手段である。
若者は迷うことなくホームへ下る長いエスカレータに乗った。]
―銭座線ホーム―
[さすがに電車は遅延しているようだ。
売店で買ったのか、椅子に腰かけて
新聞を読んで電車が来るのを待っている。]
ほう、押賣ギガンツは負けたか。
[スポーツ欄を見ているらしい。]
ああ、すまない。
……君は、NEXTが怖いと思わないのか?
[ゾンネへの感情をぐるぐると考えているとまだその場に居たらしい子供に心配そうに声をかけられてしまい苦笑した。
子供の、ゾンネへの憧れの感情を読み取ってそう尋ねれば悪い奴をやっつけてくれるNEXTは怖くないと元気な声が返ってくる]
そうか。
だが、あまりNEXTには関わらない方がいい。
NEXTの全てがいい人だとは限らないからな。
今東京中で起こってる爆発事件の犯人もきっとNEXTだ。
[あけすけな子供のあまりにも直球すぎる言葉に再度苦笑を浮かべて、しかしこういう子供たちをこそ守らなければと密かに決意を固めて、爆破テロに関しても口にする]
爆発前に音が?
よく無事だったな。
いや、それよりもどんな音が聞こえた?
警察にも話したのか?
[どうやらその子は最初に爆発したビルに居たらしい、初めにキーンという高い音が聞こえて頭が痛くなったと聞かされ警察にも話したが周囲の大人は聞こえていなかったらしい事も聞く]
[彼の姿が消えゆけば、それを一礼して見送る。
完全に見えなくなったところで、ぽつりと呟いた。]
――世界は、変わらない。
[その呟きは誰に向けたものでもなかった。
しかしそれでも誰かの耳に届いたかもしれないし、あるいはヘリの轟音にかき消された。]
[屋上から、地上に降りるまでの間に、左手首の銀の上に指先を滑らせる。
怨念めいた空白を投げつけつつも、キアは先に頼んだデータを転送してくれていた]
……んー…………場所もばらばらなんだな。
ほんっとに、わけわかんねぇ。
ふつーの仕掛けじゃあないんだろーけど……。
[爆発のあった場所をチェックして、呟く。
とりあえず、今のところ愛車は無事のようで、その事には心底ほっとしていた]
?
[メイドは、影の声が間近で聞こえるまで
気付いたような素振りを見せなかった。]
――――
ええと。
[瞬く。
メイドは、何を感じているようでもない。
消失も、不安も――麻痺して届かない。]
……
懐かしい心地です。
後、少々くすぐったいですね。
[言って、メイドは、やはり笑ってみせた。]
/*
中の人の独り言は、なるべく抑えよう、と思っているんだがっ!
これだけは、言わせてください。
ナジームの人の、球団ネーミングが逐一ツボにはまるっ……!
[風薙たちを乗せた消防庁のヘリがローター音をさせて降りて来るのが見えた。]
撤退の終了を確認。
[そう告げて、<東風>も安全圏へと移動する。
ヘリを迎える側には担架がいくつも並ぶ。
それら重傷者を乗せて、ヘリはすぐに病院へと向かう予定だ。
病院の方でも、"協力者"とともに受け入れ準備を整えているとの報告だった。]
よろしく頼みます。
えっと、ヘリコプターは病院に向かうんでしたよね。
[機内で待機しているパイロットさんに訪ねてみた]
私は、特に怪我もしていないですし、宮古さんのいる救護本部へ向かいます。現場近くにバイクもありますし、この事件について詳しい情報が聞きたいですし。
[宮古さんなら、何か知っているかもしれない。たとえば犯人につながる情報や事件の動機とか…]
ん、何かいいました?
[ロージアが何か言ったようだけど、プロペラ音にかき消されて聞こえなかった。>>149]
→病院から救護本部へ
── 第9ビル 付近 臨時救護本部 ──
[変身を解くと、熱風が頬に触れた。
完全に冷却機能が働いているはずのブーストを装着していたのに、シャツが肌に貼付く。
じっとりと締め付けられるような、今の宮古の精神状態を示したかのようなそれ。]
……。
[違う違う逆ですよ、とパイロットさんに言われて]
あっ、救護本部から病院でしたか。
では、着陸し次第、怪我人を搬入する作業を手伝いますね。
……では、私はこれで失礼させてもらおう。
君の選択もまた、私の楽しみでもある。
[その言葉とともに、
シャッテンは音も無く……影に包まれ消えて行った**]
蚊の大量発生……大人に聞こえない音……
うむ……分からん。
[元よりあまり頭を使って考える方ではないし、学生時代も成績は良くなかったのだった。
推理らしきものを期待していた子供のがっかりした表情に少しだけ申し訳ない気持ちになったが、おじさんもNEXTなら悪い奴やっつけてねという言葉にはこくりと頷く。
独特の髪色と眸の色は隠しようがなかったため、子供にもバレていたらしい]
警察にその話をしたのなら、話を聞いた警官がよっぽど無能でなければ今頃は他のNEXT達やブーストにもその話は回っているかもしれない。
[とそこまで話してから大分話こんでいる時間が長くなっている事に気がついて]
……俺がNEXTとバレているなら、本当はここを修理してるわけじゃないと言う事も分かっていたのか?
どちらにせよ少し作業をする、変身するが……大丈夫か?
[予備電源も大分目減りしてしまっているらしい事に気づいて変身しようとするも、子供の手前変身していいものか迷って尋ねてみる、生でNEXTを見られる事で興奮している子供は恐怖はあまりないらしいので子供は意外と強いなと認識を改めつつ変身した]
[少しずつ人が退けていく。この会話も終わりが来たようだ。
奇妙な邂逅だった。だが、この邂逅もいずれ記憶の破片になるだろう]
この爆破事件の犯人は、何が目的かは知らないが……力を使ってしまった。一度使ってしまったら、何かと理由をつけては使い続けるだろう。
NEXTの強大な力は使わないでいることが難しい。自制すべき善側ならともかく、好き勝手する悪側なら特にな。
[青年にそう言って、きびすを返す]
私はそろそろ行くよ。
ツキシロ君、可能ならば少しの間、この街から離れることをおすすめするよ。
……うーわー、予想はしてたけど……。
[地上に降り、搬入待ちの担架を見て、最初に口をついたのはこんな一言。
手伝おうか、と思った矢先、視界がぐらついた]
……ち、今んなって効いてきたな、さっきの……。
[さっきの、とは即ち、バスジャック関連での道路標識への激突の事。
一先ず邪魔にならない位置に下がると、は、と息を吐いた]
……一休みしたら、バイク取りにいかねぇとなー……充電もしねーとならねぇし。
……何でもない。
早く世界が全部平和になればいいなって、思ったの。
[口にした言葉の真逆を、問うてきたヴィクトーリアに笑みを作って返す。
平和になればいいと思うのは本心だ。間違ってはいない。
けれどそれと同時、同じくらいに、この世界は平和にはならないのだろうと、そう考えていただけだ。]
[振り返ると、そこに影はなかった。]
?
[メイドは、頭の花を調整しつつ
騒ぎが大きくなりつつある果物屋のあたりを見る。
少年は道行く人に話しかけるも
爆発事故のせいか、真剣に取り合っては貰えていなかった。]
…………。
[一人が、交番へ連れて行こうと提案すると
もう一人が少年の腕を掴もうとする。
けれど少年は、首を横に振った。
大人が諦めたように手を離すと
少年は辺りを彷徨い始めた。]
――――。
[メイドは、近寄る事もせず眺め続けている。]
先程も言ったが……捨てるも自由だ。
君が望めば、脆弱な影など消えてしまうだろう。
逆もまたしかり……
望めばたやすく、私と繋がる。
願わくば、君が私と同じ道を選ぶことを――――
怪我はありませんか──
[現場から戻って来た"協力者"の姿を見かければ、その疲労困憊した姿に強いて張りのある声をかけ、給水所へ案内する。]
着替えが必要な方や、休まれる方は、近くの消防署の宿直室を借りてありますのでそちらへ。
シャワーも浴びられますし、簡単な治療も受けられます。
こんな時ですみませんが、
今回の作業にかかわる治療費やパーツ交換の場合は、必ず領収書をもらっておいてください。
申請の際に必要となりますので。
[まだ周囲に残る熱気が肌を煽るけれど。
幻聴のように妹の声を思い出すけれど。
今は、公務員としての責任を優先して、その場の収拾に努めた。]
おっと。宮さんも、お疲れです。
……俺は、例によって例の如くでへたばってるだけだから、なんて事ないですよー。
[職務を果たす宮古>>164に気づくと、笑いながら言って、肩を竦める。
例によって、が示すのが充電切れの後の反動なのは、恐らく言わずとも伝わる事。
《TYPE-blade》に関しては、秘匿部分が大きいものの、充電池が切れての強制解除→ぶっ倒れの連鎖は何度か見られていたから]
あー……こんな状況だけど。
どっか、充電できるそうなとこ、ないですか、ねぇ……。
今、重ねてなんかあると、ちょっとヤバイ。
夜になると、太陽光、ってわけにも行かないし。
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