情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[1]
[2]
[3]
[4]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
−川津教会−
ぱん、と弾ける音がした。
それは、漆で彩られた聖盃から響いた音だ。
少し理科を勉強したものなら思うだろう。
ラップ音だろうか。教会の家鳴りの音だろうか。
少し魔術を齧るものなら感じるだろうか。
漆塗りの盃から零れ落ちる、余り心地よくない力を。
けれど、盃を管理する双眸はひとつの事に気づいていた。
漆塗りの器のうちを彩る螺鈿の花のふたつが
夜光貝の美しく柔らかな虹色がまるで
黒真珠に嵌め変えられたかのような深黒に染まったことに。
そして、別のひとつが黒ずんだ赤を帯びて輝きを失ったことも。
どうやらこの中には、村人が9名、人狼が1名、C国狂人が2名いるようだ。
[男は、無意識のうちに知っている。
聖盃は清められなくてはならない。
澱みに総て侵食されるようなことあれば
鬼の咒いが成就してしまうようなことあれば
この街が滅ぶ程度ではすまない。
呪いが聖盃を勝ち得るようなことがあれば
古き偉大なる"鬼"の再来を招き、そして
───古き災いの王の怨念により、この世界は破綻する、と]
ライダーが「時間を進める」を選択しました。
期待されてほしくないの? されたいの?
わからない人ね。
[北へ近づくにつれて通報を受けたらしい消防車や救急車の姿が見える]
…大学のほうね。
うちからは離れているけど。
撃った連中が通るかもしれないから警戒はしていて。
[大学近くまで到着すると窓を開けて外を見た。野次馬らしき幾人かが半壊した建物のほうを見ていた]
北の方か……あの様子なら野次馬が集まってるかな。
その中にまぎれて、偵察してくるのも悪くないね。
もっとも、力を使った当人は逃亡してるかもしれないが、他のチームも様子を見に来てるかもしれない。
ともかく、サイドカーを取りに戻ろうか。
[そう言うとバスに乗り込んだ。]
期待されても困るが、期待されないのも役不足と言われているようでな。
いや、さほど気にする事ではない。
[見慣れない車が音を立てて走っている。]
この町は随分と賑やかだな。
拠点は無事ならば、問題はないか。
[警戒を、と言う言葉に一度頷き、右手に意識を集中させた。
その連中が通れば、すぐに宝具を出せる準備はできている。]
こいつはまた随分と…。
[派手にやったな。と言う言葉を飲み込む。
建物は半壊している。]
被害にあった人間もいるんではないのか?
こう言う輩を放っておくのは少々危険ではなかろうか?
[ ゆら ゆら ゆらゆら・・・
――幼い頃、暖炉前でうたた寝をしていると、
決まって父が抱き上げベットに運んでくれた。
幸福だった幼い頃の、そんな夢を見ながら
――くすり、と微笑みが零れる.
幸せな夢は明日の朝まで続くだろう・・・]**
バーサーカー、狂戦士ですか。
成る程、アナタが悶え狂う様も、いいものですねぇ、んフ。
寒いのでしたら、アタシが暖めて差し上げましょう。
ささ、どうぞこちらへ。
[どこからか持ち込んだ寝台に座り、手招きした。]
―埴市北区―
……。
おい。早くせよ。
[跳躍したのも束の間、男はフェリシアを抱えたまま歩いていた。
男はちらちらと背後を見ている。]
……吾が言うのもなんだが
貴様は時代錯誤であろう。色々と。
[男の後ろからのたのたと追ってくるのは、馬。
野次馬に紛れて、馬が一匹。]
―埴市南部・付近バス停/時刻:夜―
――さてな
[ユダの眸に宿る影、が ゆらり
緋色を帯びて濃くなった。
それは深黒に、似ている。]
では気配は遮断すべきか――な、いや。
同じことを考えている組も、居る か…
[パーカーからするりと滑り落ちた手が
手癖のように銀貨を生んでちゃらりと鳴らす。
バスから見える景色を横目に。
サイドカーの場所にたどり着くのはすぐだろう。]
大学に残っていた人はいるのかしら?
宝具なら逃げる時間なんてなかったでしょうし。
それにしても、ずいぶん派手にやったこと。
[人ごみにまぎれて大学の様子を見る。
溶けたような跡]
危険といえば危険でしょうね。
試し撃ちにも見えるし…。
それで、貴方としてはどうしたいの?
許せない?
……。
[明らかに軽蔑的な眼差しであった。
寝台に座った男を見たあと、
ぐるりと洞窟を見回してから問う]
住処は他にないのか?
[流石にあんまりだという感覚があったようだ]
だろうな。
この騒ぎで死ぬ人間がいたとして、苦しむ間もなく死んでいるだろう。
[半壊した建物を見つめながら、試し撃ち、と言う言葉に小さな溜息。
そして、続く言葉には、少しだけ考える素振りを見せて]
犠牲を気にしない相手は私としてはやり辛い。
戦に犠牲はつきものだが、最低限に留めたい。
最も許す許さないは私が決める事ではない。
赦しを乞う者を責める気もない。
[静かに結論を出すと、建物を背に振り返る。]
よって、君の決断に従うよ。私は君の騎士だ。クリスティーナ。
望んだ通りの振る舞いをする。
[既にサーヴァントの気配は感じない。
それでも、辺りへの警戒は怠らない。]
―教会前―
…、教会がある所為か、それとも拠点が多いのか…。
暫く、南地区は警戒した方がよさそ…。
[尤も、…己の魔術の都合を考えると
何気に――良い場所でもある気配はするのだが。
既に車も見えなくなったし、…中のもう一つの気配も去った後らしい。
周囲に、他の参加者の気配が無い事を再度確認して
漸く、教会の扉を押し開ける。]
残念ながら、他にはありませんね。
アタシもこの街に来たばかりなので。
[茨木の問いに、実にあっけらかんとした様子で答える。]
まあ、好きにしてくださいな。
アタシはここで寝ますから。
あ、ただし、せっかく調達した服を汚さないでくださいね。
[そう言って、ごろんと寝台に寝転んだ。]
―埴市南部→埴駅付近→埴市北部/時刻:夜―
気配断ちはどうしようかな……野次馬の中に令呪の反応だけがあったら、他の魔術師が血眼になっちゃうかもね。
無しにしておこうか。
[駅付近につき、ユダと共にサイドカーに乗り込んだ偽一は、そう言ってエンジンをかける。
そのまま北部まで走り、程なくして大学付近へとたどり着いた。]
―埴市北部・大学付近―
[多くの野次馬と、消防関係者で現場はごった返しているようだ。
さすがに近くまで行って調べると言うわけにも行かず、人の輪と少し離れた位置で事態を見守る。]
そうだな――そうしよう。
[頷き、フードをたくし上げて後ろへ落とす。
ヘルメットをかぶり
サイドカーに乗って走る夜の道、
大学側にたどり着けば野次馬に紛れた
「関係者」の気配がそう遠くなくあることが知れようか]
…――
[フードをかぶりなおす。
軽く前髪を指先ではねるように避けた。]
― 埴市北区→―
[帰路は、何一つ感慨の無い夜だった。
野次馬に人を取られ、街ががらんどうというのもあるだろう。]
ただでさえめんどくせーのに
宝具があれじゃあなあ…。もっと面倒だ。
[腕の中の少女を見る。]
お前、俺の名前知らなかったよなあ。
ってことは、あれだろ。
なにも俺じゃなくてもいいじゃねーか。
[ぶつぶつと呟きながら、凡庸な歩みを続けた。]
そう。
[セイバーの答えを聞くと大学のほうへ背を向ける]
貴方の言うとおり、犠牲はつき物よ。
でも、出なくていいものを出すつもりもないわ。
許せないわけではないけど厄介ね。
行きましょう。これだけ人が多くては相手が現れても何もできないもの。
[これを成した相手はもういないと判断したのか、大学を離れていく。
と、令呪の反応に気がついた]
…そんなことを言ってたら、いるようね。
そうか。わかった。
[あっさりとした返事が返ってきたので
恐らく間違いは無いと判断したようだ]
…努力する。
[言ってみたものの、自分のクラスでは難しいだろう。
男が寝転んだ様子だけ見ると、それとは逆に
入り口のほうへと向かってみようと歩き始めた]
ふむ。
人の多い場所は戦に向かないからな。
心得ーーー令呪の反応か…。
[クリスティーナの言葉に反応して、警戒を強める。
敵が争うつもりならば、容赦なく剣を振るうつもりではあるが…。]
近いのか?
[クリスティーナの視線の先を追うように辺りを*見回した。*]
[サイドカーを道の脇へ止め、人の輪へと近づいた時、令呪の反応に気づく。]
うん、やはり誰かいるようだ。
まさか、やった当人ではないだろうけど、少し用心しておこうか。
― 埴市東区/ライラ工房 ―
[歩みは、彼女の自宅に着くまで続けられた。
玄関は入れるようになっているらしい。
出た際の、荷物に埋もれていた面影は無い。]
まー、"そいつ"を人形にしてまで参加してるんだ。
余程の望みがあるんだろうけどよ。
[屋敷へ入ると、ソファに降ろそうとして、思いとどまった。
召喚された日、彼女が入っていった部屋へ通る。
そこにベッドを見つけると、彼女を静かに下ろした。]
……ま、寝てりゃあ治るだろう。
俺もすっからかんだし。
メシ――は漁ったらさすがに怒られそうだ。
―埴市北部・大学付近―
[ちらと視線を向けるは
やや遠く、人ごみを少し入ったところ。
ユダは今サーヴァントの気配を遮断はしていない。
近づけば相手からも分かるはずだ。]
――…居るな。
これを為した相手か。
いや……
[この破壊を行った魔力残量を考えれば、
既にここから去ったと考えるが妥当か。]
ギイチ、…戦うつもりは?
此処で事を構えるのは
あまり得策ではないとは思うが。
ああ、アナタも英霊の端くれなら――
[洞窟から出ようとする茨木の背中に、寝転んだまま声をかける。]
――無様な真似はしないでくださいよ。
努力した結果の失敗なんて、凡人以外にとっては全く価値の無いものですからね。
無駄に努力して失敗するくらいなら、最初から大人しく寝る方がまだマシです。
そこのところをお忘れなく。
[ごろんと寝返りを打って、茨木に背を向けた**]
[部屋から出て、水場を探す。
程なくして見つかったそこで、タオルと着替えを発見した。
タオルを水に濡らし、桶も用意する。
部屋へ戻ると、少女の衣服を脱がした。
特に観察する事もなく、淡々と身体の泥を拭い
何やら寝言を言う様を尻目に、衣類を着させた。
下着の類は、面倒なのではかせなかった。]
―教会前―
・・・・・・ふん。
[道中いくつかの英霊の魔力を感じ、そして遭遇した。
あの英霊、気になる。このソロモンと同じ匂いを感じた。
それはつまり、覇権を争う戦争の相手という事になる]
中々楽しませてくれそうだな。
[と、本来いいたい所だが全く持ってそうもいかなそうだ。
頭痛の種は続く]
それにしても。
[アンネリーゼを少し睨む。
我が加減して魔力採取をせぬままでいてやっているものを、無意味にこけにされた気分。
単純にプライドの問題で、少し機嫌が悪い。
とりあえず、アンネリーゼが教会に入っていくのを見送っている]
まさか、こんな所でやり合うつもりはないよ。
他の面子を、一方的に目撃できれば良いと思ったけど、この様子じゃ虫が良すぎるみたいだね。
まあ、ほとぼりが冷めた頃に帰ろうか。
[偽一はそういうと、消火されつつある建物を見ながら肩をすくめた。**]
わかっている。
[その言葉に対しては即答であった。
男のほうを振り向く気配は無いが、それでも足は外へと向かう。
英霊となった以上は、こちらにも目的があるのだ。
かつん、かつん、と長靴の音が洞窟に静かに響く**]
[人ごみから外れた場所にその2人組みを見つけた。
片方からはサーヴァントの気配。
ちらとだけ視線を向ける]
今ここで、戦いたくはないわね。
こういうとき、顔が割れてるのはいやだわ。
[テレビカメラを見つけて、顔を隠すようにサングラスをかける。
相手も戦うつもりはないらしい、とその様子を見て判断し]
行きましょう。
まだ夜は始まったばかりよ。
[セイバーへ声をかけ、その場を立ち去る。
2人組みには笑みだけを向けた]
[参加表明を終えて、再びその扉を開くのは数分の後。
然程時間を掛けず、再び外へと戻ってきた先。
やはり何処か期限の悪そうな男を見て、扉の影に僅か隠れたまま
僅かに眉を寄せた。
機嫌が悪そうなのは、判る。其処まで鈍くは無い。が。
――…睨まれるまで、期限を損ねた覚えは無い。]
……なによう、さっきから。
何か文句あるなら、いえばーじゃない。
―埴市東区/果樹園―
[侵略の支配者は、月の下にて果樹の実を貪る。
己の腕を焼いた焔の感覚。
見れど焦げ跡はなく、変質もきたしてはいないが。]
やーっと終わったと想ったのになあ…。
死んでも仕事とか、……なんだかなあ…。
……貴様等ならどうするのであろうな。
パレオロゴス。ヴラド。
[気だるげに果樹へもたれかかる皇帝の表情は
僅かばかりの笑みを浮かべていた。**]
―埴市北部・大学付近―
そうか。
[ユダは偽一に頷く。己も仕掛けるつもりはない。]
……。
[人ごみ、その隙間から
華やかな赤い髪の女と
神父――聖職者じみた服装の2人組。
関係者、だから、というだけでなく
何処かざわつく感覚。
ユダは眼の上にかかるフードつまみ、
ほんの少しだけ上げた。
僅か、眉を寄せる。]
・・・・・・いや、別に?
[駄目だこの王、完全に拗ねている。
ツーン、という擬音が聞こえてくるほどのふてくされっぷりである。
しかしそれはそれ]
教会の用が終わったなら早めに離脱したほうがいいのではないか?
それとも、ここでどこかのチームを待ち伏せしたいというのであれば話は別だが。
[足元の犬の頭を撫でつつ]
他にも、57番に斥候をさせる事も可能だ。
無論そこで戦闘になれば魔力は消費する。
我のサポートも無い。
ー川津教会ー
[ライダーたちの気配は既に遠かったか。
裏口を施錠したところで、また木の音がひとつ響く]
…やれやれ、随分今日はご機嫌ね。
[誰に語りかけているのか。
人はいないその場所は、女と聖盃しかない。
今日はもう誰もこないかと感じながら
教会の扉表に明かりを灯そうと、女は扉を開く。
そこに誰か居るなんて思いもしなかったから
結構遠慮が無い]
―埴市北部・大学付近―
[女は笑みを向けて去っていく。
さて男の方はどうだったか。
偽一は笑みを返したかもしれないが
ユダはそんなことをするはずもなく。]
――…… あれは
[ざわめきに紛れる程度の呟き。
在りよう故に刻まれた
かのイエスが眷属への――複雑な、
どろりと毀れるような濁った思い。
負い目か。嫌悪か。それとも。
嗚呼、だって。
本来。己は―――]
[こぼりと タールのように黒。
汚染に引き寄せられた
鬼子の手繰り寄せ。
奇妙な思念が>>*1 僅かに混ざり
また浮かんで消えた。]
うーそだー…。
…ぜぇーったい、別にって顔じゃないじゃん。
[むむむ、と唸るように相手を見やる。
しかしあれほど王の威厳とやらを他サーヴァントには与えている癖に
これだけ見ると、全くそんな気配は一体どこへいったというのか。
…ただ、拗ねたそこらのにーちゃんでしか無い。 うざい。]
――まぁそれは確かに一理ある、かな。さっきから遭遇し過ぎてるし。
[撫でられている犬を見やりながら扉を閉じる。…周囲に令呪の反応は無い。
…大半が先のチームのように北へと向かったのだろうが。
――夜が明けてから、探りに行くのも手か。そう考える。]
…まぁ、数えるだけでも既に4組の気配は見つけてるから
待ち構えてたとして、あんまり益があるとは思えないけど。
斥候するにしても、…もうちょっと魔力が回復した後の方が、よさそ。
[気づく。
この黒の中に 繋がる、 は
己だけではないと。
けれどそれは、僅か。僅かな。
誰かだなど、分かりは、しない*]
フードのほうがサーヴァントみたいね。
[車に戻ってから遠めに2人組みを見る。
セイバーと直接の因縁はなくても繋がりがあるなど、相手の真名がわからぬ以上気づくはずもなく]
セイバー?
[何か反応はあったか。
車を発進させると他の場所へと向かうことにした]
確かにな。
[真剣な表情になり]
魔力を集める事を優先しよう。
当然最終的な目標は龍脈を抑えることだ。
しかしあっさりと手中に収めることが出来れば問題はないが、その際に戦闘にもなりうる可能背もあるだろう。
さて、どうする?
龍脈を探すか、それとも他の方法で魔力を集めるか。
当然、多少なりとも非人道的な方法論も可能ではある。
興味があるか?
[少しだけ、品定めするようににやりと不敵な笑みをうかべてアンネリーゼを見下ろす]
賛成。――出来る限り早急に龍脈を探して、そこを抑える。
…大丈夫。もちろん、それまでに戦闘を全部回避できるとは思ってないよ。
[其れ位の覚悟はあると、腰に手を当て言い切る。
と、続いた言葉に一度ぱちりと瞬いて――
少しだけ不機嫌に眉を寄せる。]
――興味ない!
[何の笑みか知らないが、その言葉の意味は充分に理解した。
…そりゃ、聖杯を望むならそれも一つの手だとは理解している。
貪欲になるならば、ある種効率の良い方法とも言えるんだろう、が。
もちろん、聖杯は本気で欲しい。
けれど一般人を問答無用で巻き込む心算なら、絶対に許さないとばかり。]
―埴市北部・大学付近―
[――本来は。
嗚呼、だが、それでも。
確かに呼ばれたのだ、ここに。
偽一のほうを、見る。
男のほうがサーヴァントだなと
彼は言ったろう。]
…そうだな。
[一度目を閉じて、開く。
収穫がこれ以上はないと判断すれば
サイドカーの方へ戻り、必要と思われる場所あらば立ち寄った後東の拠点へと帰ることとなる。]
そうだな、でも、これからが大事だ。
兜の緒は常に引き締めなくてはならん。
[裏口から出してもらったことに感謝しながら
教会を後にし]
先程の北の騒ぎが少し気になる。
諒一が他に気になる場所があるならそちらに向かうが?
[車を東のほうへと走らせる。家屋の明りが少なくなっていき、真っ暗な闇が目前に迫る。
道路脇の外灯しか目立つ明りはなく。路肩に車を停めると立ち入り禁止のテープを見た。
その向こうに黒い山がある]
ずいぶんと静かね。
若者の多い町なら、そういった人たちの溜まり場になっていそうだけど。
[夜目はそれほど利くほうではない。
けれど、闇に眼が慣れればある程度は見えてくる。
何より、空からの月や星の明りが鉱山跡を照らし出していた]
ふん。
[少し機嫌が直った様子で]
悪くは無い回答だ。
正々堂々と戦う決意は評価しよう。
戦術を考えるなら愚かな事だが、嫌いではない。
ならば、我々の最初の目標は龍脈の確保だ。
その際に他の英霊と激突する事があれば、我は今もてる全ての力を使う。覚悟せよ。
[犬を撫でている手を離し]
この教会を占拠するのは無理だろうが、他の霊的スポットを回ってみよう。ここからは最悪、椅子取りゲームになるかもしれん。急ごう。
――それに手を出さない分の、打つ手は考えるつもり!
[相手の機嫌が、少しだけ和らぐ気配が伝わる。
勿論、機嫌伺いで発した言葉では無いが――少しだけ、安堵した。
これで、相手が一般人に手を出すような英霊ならば、
令呪を用いてでも、それを制する覚悟は、していた。]
それこそ望む所。一応これでも、ちゃんと覚悟してるんだから。
…こっちに気を使われて、力を出し惜しみされたら困るよ。
じゃあ、残り西の方を回るルートで…、…。
[――ふと、背後からの視線を感じて振り向く。
先程挨拶した女性が、しげしげと見下ろしているのを見やって
僅かに、頭を下げた。 …流石に、邪魔だったか。]
どうした。
[止まる主の足に合わせるかのように
動きを止めた瞬間]
…は、は!
そうだな、すっかり忘れていた。
[軽快な笑い声がひとつ上がる。
それから目を細めながら男は続けた]
頼光四天王が一人、坂田金時。
クラスは、ライダーだ。
…改めて、よろしく頼む。
[しげしげ見ていたら気づかれた。
のでこちらも頭を下げたのだが]
…行くところないとか、そういうわけじゃないわよね。
[思わずした心配が宿無しの心配だった。
もっとも、ただ相談しているだけだというなら
灯りを灯した後に飲み物の差し入れくらいはしたかもしれない。
何か言われたら答えるだろう]
扉を出たら教会じゃないし
犬に餌付けするようなものだから、いいのよ。
[なーんて**]
・・・・・・
[視線の先には、アンネリーゼが挨拶したであろう教会の主の姿。
アンネリーゼとは違い成熟した女性の容姿に見えるのだが]
あまり好みではないタイプの人間だな。
[率直に意見を述べた]
どうやら邪魔らしい。
早速、西のほうから巡回していこう。
[どことなく異様な雰囲気を感じながらも、アンネリーゼに移動を促す]
―埴市北部・サイドカーで移動中―
[自分の存在を確かめるように
ユダは緩やかに手を握り、また開く。
魔力にいま、不足はないが]
―――ギイチ、
魔力の回復については
どう考えている?
[彼は言うであろうか。
例えば霊脈のこと。
現在根城の宿泊施設に関しては礼拝堂が置かれていただけはあり、多少なりと利のある地であるのかもしれず。
東部は広い。
セイバーらが向かったのとは離れそれた方角、廃墟の宿泊施設に帰還する。]
戦闘をするのなら、ここならもう少し明るい時間がいいかしら。
貴方には問題ないでしょうけど。
[自分がここで戦うには問題がある。
否、それがどこであろうとも問題は生じるのだが]
後は逆サイドかしら。
行きましょう。
特に何の気配もないし、今は用はないわ。
[車に戻り、西のほうへと向かう。
さすがに駅周辺はまだ明るく、とはいえ駅舎でなく周りの店がだが、人も多く見られた]
西に向かう前に何か食べていいかしら?
朝食べてから何も口にしていないの。
[そう言って24時間営業のファミリーレストランへと入ることに*した*]
あっ、大丈夫ですそういう訳じゃなくって、
……って、女性に向かって失礼でしょーがそれ!
[会釈を返してくれた女性の問いに
ぶんぶんと手を振って、否定を返そうとした――ところで。
男から飛び出た言葉に、ひぃ、と声が上がる。
正面切ってタイプで無い、というのは如何なものか。]
え。ええっと、わかった。判ったからちょっと待って…って!
あの、長居してすみませんでした!
[移動を促されて、慌ててもう一度女性へと会釈を向けると
漸く、教会前から移動を開始した。
先に来た方角とは別の道へと向けて、一路西へと**]
金太郎…か…?
[考える。]
…分からないな。
こうしていても。
[放棄。]
俺には分からない。
あんたが他の連中と比べてどうなのか。
俺が、他の連中と比べてどうなのかも。
情報を集めよう。
[歩く。
土地勘だけは、劣らないだろう*]
―東部:廃墟宿泊施設―
[戻ってくれば
今宵は休息ということになろう。
彼が用意していた地図を眺めながら頷く。
崩された大学の位置に、赤いペンで×を書いた。]
―――――…
[北に位置する遺跡群、寺、それから中央の宮。
観光案内でもするように、偽一は語ったろうか。]
失礼だと?
この王を邪魔者扱いしたのだぞ、むしろ我への無礼をかの教会の主は詫びるべきだ。
まあ、いい。行動に移そう。
[そしてアンネリーゼに犬と共に付いていくが]
・・・・・・ アンネリーゼ、それが君の強さなのだろうが、あまり人を容易く信用しない事だ。いつか命取りになるぞ。
[ぼそりと忠告を囁き、それ以降は少し黙っている**]
まあ、その名前のほうが解りいいだろう。
[頷いた。
幼名がその名前であったことは間違いない]
解らなければ、知ればいいんだ。
生きている人間にはそれが許される。
考えるのも、悩むのも、たっぷりできるのが
若い人間の特権だよ。
[老成したような言葉を投げ、それから歩き出す。
主の説明に時折首を傾げたりしながら
今は己もまた学ぶことに集中する**]
―埴市東部・廃墟礼拝堂―
[それは丑三つ時も回る頃。
気配は消したままなれど
黄昏色の衣身に纏い、磔の聖人像から少し距離を置いて、ユダは立っていた。]
―――――…。
[睨むような、どこか暗い眼で像を見据えている。]
…ナザレの イエス
[声に混じる色は幾重にも重なる感情は清濁正負入り乱れ、沈殿した深黒に似る]
おれの、 願い
叶えて見せよう
先に裏切ったのは――お前、なんだ…
[ごぼり。
滴る闇の衣に浸る影、深く、繋がって呼んでいる**]
とりあえず、アサシンが赤側っぽい。気はする。
あとはたぶん、ローズが狼?を受け持ってるとは思うんだけど。
…そ、それでもあと一人…。
―埴市東区/果樹園―
[木漏れの月は謳う。もうすぐ夜は明けるのだと。
収穫を待つ果実は謳う。ここに異国の風は吹かぬのだと。]
الله أكبر
[男が呟く言葉は、この国のものでも、
ましてやオスマン・トルコに根付いた言語でもない。]
الله أكبر
[神は偉大なり。
時に食事の前に、時に定められた時刻に、
時に、己の命を擲ち、神の障害を破壊せんとする時に。
メフメトにとっては、どの意味合いも持たぬ言葉として。
ただ、明日も昨日も訪れぬ朝の一時に、呟く。]
[祈りは静かに、幕を下ろす。
瞼を開けば、見上げていた空が白んでいる。]
もうすぐ半日ほどか。
[男が羽織っているのは、先刻までの急ごしらえではない。
赤字に白い三日月の装飾――祖国の旗を真似た外套。]
意気や無し、意義や無し
朽ちた躯が背に率いるものなど尚のこと無し。
亡国の皇座を抱きて、吾が身はここに在る。
……あの娘が吾が力をと明白に願ったのであれば
吾は今一度だけ、皇帝となれたものを。
[彼女が"メフメト2世"を願ったのであれば
そこに立つのは、"メフメト2世"であっただろう。
彼女が"力を"と願ったのであれば
暴虐の指揮者として、芸技の粋を吹き荒らしただろう。
されど、どちらでもない。
メフメト2世でもなく、力の化身としてでもなく
そのどちらでもない存在が、朝と夜の境界に立たされていた。
夜は、もうすぐ明ける。
けれど、まだ夜は明けてはいない。]
[最初に男が求められたのは、皇帝としての資質だった。
純朴であった訳でもない。
神に祈る事の無為を、それとなく気付いてもいた。
純朴であったわけでもない。
生来のものか、帝王学の賜物か、人より頭の良い少年に育った。
だからこそ。
無為と同時に、神に祈る事の意味を気付き、
何を放置すれば厄介事が起こり
何を行えば、何を行う事を求められているかも、気付いていた。
幼き皇帝として、先代に替わり、世を初めて見た時から。
皇帝とは何か。
少なくとも、庭の手入れに精を入れる者を、皇帝とは呼びはしない。
[皇帝となる前。皇帝候補の民草であった男の選択。
怠惰を望み、世の頂に憧憬を覚えもしなかった青年の
最初にして最後の選択。
面倒だから。
それを拒否すれば己を襲うものは何か、分かっていたから
"殺される"より先に、弟を殺した。
全ての始まりで、そして、ただそれだけの話。
男が死を、己に寄せさせる直前まで、歩む事となった道の話。
面倒事を葬り、葬り、火の漣を繰り返し続けた結果、
いつの間にか、
"最も偉大なスルタン"とやらが生まれていたというだけの。]
[そうして走り切り、漸く亡骸となった後に待っていたのは]
ああ、
…… めんどくせえ事、ばかりだ。
[男の澱みは焔のように、熱く赤く黒く、ざわついていた。]
地面へ倒れ伏した偽一は、自身の腕を見た。
義父に切られた箇所が、赤い筋となって腫れている。
見上げればナイフを持った義父の姿。
刃引きされているとは言え、切りつけられれば腫れもするし、出血もする。
偽一の腕には、そんな傷が無数についていた。
苦痛と疲労に顔を歪めながら、自身のナイフを取ると、すかさず怒号が飛んだ。
「苦しい時に顔を歪めるな!むしろ、笑え!笑顔は体の硬さを取り、敵に不安を与える!」
今日の訓練は、いつまで続くのだろうか。
自身の全てを叩き込もうとする義父の執念には、恐怖すら覚える。
……ああ、そうか、この人は消えるのが怖いのだ。
身を起こしながら、偽一はそう思った。
―埴市東部:廃墟宿泊施設―
[偽一は施設の一部屋で目を覚ますと、うんざりしたような様子で煙草の箱へと手を伸ばした。
この手の夢を見るのは、もう何度目だろうか。
見るたびに義父から呪われている気分になってくる。
ふと周りを見ると、ユダの姿が見えない事に気づいた。
どこかで寝ているのか、あるいは起きて席をはずしているのか、それは解らない。
煙草をふかしつつ、テーブルに広げられている地図を見る。
どうやら、埴市の地名と場所をユダに教えてるうちに、眠ってしまったらしい。
偽一は立ち上がると、顔を洗うために洗面所へと向かった。]
―埴市東部・廃墟宿泊施設―
[朝は近く、
礼拝堂のステンドグラスが曙光に透けてとりどりの色を落とす。
描かれた使徒、其処に裏切り者は いない。
いないはずの。
けれど今、
確かに此処にいるモノ。
彼――ユダは廊下に置かれた椅子に座り眼を閉じていた。眠っていたのかいないのか、やがてゆっくり瞼が上がる]
[それにしても、昨日は随分収穫があった。
3人のマスターの顔と3体のサーヴァントを確認できたのだ。]
大学の女魔術師は、どこかで見たような気がするが……思い出せないな。
[記憶が、頭のどこかで引っかかっているような感覚がもどかしい。]
後はユダと霊脈について話したんだっけか。
古来より宗教施設などは、その流れ上に建てられやすいと聞いた事はあるが……あの礼拝堂はどうなのだろうな。
強力では無いにしろ、少しは魔力の回復に役に立つのかもしれない。
いざと言う時のために、めぼしい場所を周って置くのも悪くないか。
[顔を洗いつつ、そう思った。]
[どこからか水音がする。
けれどそちらには行かず、
ユダは机の上に広げられたままの
地図に視線を落とした。]
…霊脈 か
[イエスと共に旅した中でも
確かに何かしらの力感じる地はあったものだと
幾つか可能性としてあげられた場所を指先で辿る。
煙草の匂いがする。
なんとはなしに箱を手にとってみた。]
おーっと龍脈争奪戦…?(
…しかし正直、今回は自分初回で落ちる予感しかしていないので←
多分あれでこれでゴニョゴニョ。
っていうかなんだ。
今回はアズマートが3営業か。
ログ追い付けないよ無理だよ!!wwwwww
[顔を拭きつつ部屋に戻ると、煙草の箱を手にしたユダの姿が見える。]
やあ、おはよう。君も吸うのかい?
全く人にお勧めできない有害物ではあるが、英霊が長寿を願うってのも変だし、吸わせても構わない気はするな。
[適当な場所にタオルをかけると、腰を下ろす。]
−洞窟内/朝−
んフー、良い目覚めです。
[寝台から起き出し、奥の湧き水で顔を洗った。]
ちべたいっ!
さて、バーサーカーはどこでしょうか。
―埴市東部・廃墟宿泊施設―
… … おはよう
[ユダは箱を手にしたまま偽一を見た。
有害、と聞けば視線を一度手にした箱に戻して]
人におすすめできないものを
お前は自分で口にするのか?
そもそも、これはなんなんだ。けむたい。
[ユダの時代、ヨーロッパにまだ
タバコは伝わっていない。
箱をテーブルの上に置くと自分も腰を下ろした。昨日の話題の続きのように尋ねる。]
…霊脈を探すか?
実は僕、炎を操る魔術師で、常に火がついたものを身近に置いておく習性があるのだよ。
……ま、嘘なんだけどさ。
酒と同じく、健康に悪い娯楽品ってとこかな。
[そう言いつつ、箱を懐にしまう。]
霊脈探しか、そうだな……元勢宮辺りに行ってみようか。
食事は駅付近で済ませるって事で。
[さらっと嘘という偽一を、
ユダは胡乱気に見た。
因みに部屋の中でフードはかぶっていない。]
酒と?
あれは――酔いが問題だろう、
別に悪いわけでは、
[酒、で思い出すの葡萄酒だ。
――これは私の血。
――パンは私の肉。
ユダはふと眉を寄せて黙った。]
元勢宮、か。
昨晩妙に彼処だけ静かだった …な。
[地図に視線を落としてから、頷く。]
[ユダは ふと、北のほうをへ顔を向けた。
此処からは見えないが、あちらにもまた
仏閣や遺跡群がある。
サイドカーに乗り込むと
気配の遮断を解いた。
走りだせば流れだす景色。
明るくなってから見る現代の街は
夜見るのとはまたずいぶんと違っている、と
ユダは感じた。]
→埴市中央部へ
―朝・北地区拠点―
[昨晩は西地区も回り、結局成果無しで戻ってきた。
土地の調査という点では多少はあったのかもしれない。
寝室に寝具と呼べるほどのものはない。
マットレスがひとつ置いてあるだけだ。
ホームセンターで購入したシーツをマットレスの上に広げ、同じく購入した毛布を被る。
今でこそ豊かな暮らしをしているが、占い業を始めたころは一日食べるのがやっとだった。
だからこそこの古びた何もない屋敷でも特に問題は感じていない。
セイバーにはソファで休むように告げて、仮眠程度の睡眠をとる。
己の身体に魔術刻印と呼べるものはない。
まだ言葉も喋れないころに適正を見るためにほんの一部が埋められただけだ。
それも、拒否反応が酷く取り除かれて取りきれなかった部分が残っただけのこと]
―埴市東区/果樹園―
[朝が来た。
男はりんごを齧りながら、日溜りを歩いている。]
食料には事欠かないのだがな。
[陽が昇るにつれ、人の気配が増えて行く。
みずみずしいりんご。手入れされた数々の果樹。
種類の多さも当然ながら、自然発生したものとは数えられない。]
また面倒なところに城を構えておるのだな。
[屋敷をちらと見た。
中で誰かがうごめく気配はなく
朝の日差しに優しく包まれている。]
[魔術回路の量は多いが、彼女に扱える魔術はその起源に連なる初歩のものだけ。
他の魔術はどれだけ構成を変えても使うことは出来なかった]
…もう朝なの。
仕事中より早く感じるわね。
[起き上がり、服を着替えて居間へと顔を出す。
セイバーがいれば声をかけて出かけることを告げた]
日の高いうちなら戦闘になること少ないとは思うけど…相手次第ね。
行きましょう。
―埴市東区/ラウラ工房―
[背後を幾度か振り返り、中へと通じる扉を開く。
どこからでも脱出出来るようにか、魔術的な意味があるのか
ラウラの屋敷の入り口は、複数あるようだった。
中へ入ると、埃のにおいが鼻へ入り込んだ。
召喚時の片づけが済んでいないのか、はたまた――。
フェリシアが眠っている部屋の扉を開く。
……目覚めた形跡は無い。
音を立てず、ゆっくりと蝶番を所定の位置へ戻した。]
[踏み知れば年季を知らせる床板に、足を留めかける。
廊下の壁には、幾つか園芸用の道具が立てかけてあった。
一部のみ置いてある辺り、収納の労が滲み出ている。
目指す先は、調理場。]
料理を用意する体力は回復しているであろうが
疲労は嗜好の思考を奪うであろう。
[屋敷を熟知している――訳ではなく、
食べ物のにおいを辿り、調理場へと着いた。
部屋の隅には、氷室らしき白い箱。
与えられた知識のままに、扉を開いてみるも
冷気が腕をなぞっただけで、中は干物漬物が暇そうにしていた。]
…むう。
また吾を探して出歩かれてはかなわん。
書置きを…
[フェリシアの部屋に戻ってきて、紙とペンを拝借した。
…紙にしてもペンにしても、手にしっくりとくる。
年代物らしい。]
……長々と書いても途中で破り捨てられる可能性もある。
半日で分かったが、貴様は気が短い
そして貴様が何の疑問も持たず安心する書置きだ。
…ふむ。これは中々に心が躍る。
まるで神話を創作する筆者の心地だ。
[芸術的である、などと呟きながら筆を走らせた。
内容は、以下のようになった。]
[腐った果実。変わり果てた種。
支配者の焔は渦をまく。]
――
[混じるは澱み。ようで違う澱み。
男のそれよりも鋭利で、繊細で、
静かな静やかな、殺意に似たいろ。]
――
ほう。
…王と聖人は、孤独なもの――
だと、思っておったのだがな。
[こぼれたのは驚嘆と、愉快と
べつのなにか。]
―北区・ホテルの一室―
[カーテンから差し込む光に、ゆると目を瞬く。
…目覚めは存外に快適だった。
魔力の半分以上はまだ戻っていないにせよ、随分とマシになったらしい。体も心なしか軽く感じる。
…さて、キャスターはどうしていたか――
然程気にする事もなく幾らかの荷物を抱えると
隅へ無理矢理に寄せた家具の合間を縫ってバスルームへと向かった。
しっかりと鍵を掛けた上で(いくら英霊相手でも覗かれる趣味はない)
湯浴みついで、簡単に身仕度を整えると
荷物の中から白のニットワンピとレギンスを引き出した。
酷く簡素だが、元より身なりにそこまで拘らないし、何より機動力を求めるのであれば悪い選択ではない。
ようやくバスルームから出てきたのは、
中に入ってから、些か短いとは言い難い暫しの時間を要して後。]
…さって、と。
[昨夜はあれからぐるっと西地区を回って――
ある程度、龍脈の目星をつけたところでホテルへと戻ってきた。
…なれば勿論、そこを日の高い内に再度確認する必要はあるとして。]
――けどまずは、昨日の光かな。
[昨晩明けた今なら、比較的関係者に鉢合わせる可能性は低い…筈だ。
上に昼間であれば野次馬も多いだろう、戦闘を避けられる可能性も格段に上がる。
ましてや、これ以上遅くとも――何かしらの介入で
形跡が無くなる懸念を考えれば、今すぐ行動に移さない理由はない。]
私、ひとまず昨日光った場所に行ってみる事にしたから。
[そう言い残して、出掛ける準備。
言葉裏に単独行動だと告げるそれに、文句の一つも出たかもしれないが
だん、とそれなりの札束を相手の目前に積んで、見やる。]
――行ってみる事にしたから。
…その間に貴方が着る為の服、買ってきて。 フツーのやつ!
[その間、このお金は好きに使っていい、と一言添えた。
――如何せん昼間に連れ歩くには目立つ。本当に目立つ。
…まぁ、全裸よりは確かに良いだろうが。
服の調達は不可欠だが、調達の為に共に行動をするには時間が惜しい。
逃げる手段だけはある、万が一何かあったら喚ぶ。と言い含め。
…男が実際に納得したかどうかは知らないが、ともかくホテルを後にした。]
…、 ――
[明確に。向けられた「声」が
聞こえた。気がする、ではない。
届いた、確かに。炎の渦、熱の気配。]
…、――何
[聞こえてくる声には威圧感が ある。]
[王。
なるほど、王――か。と。
澱みに渦巻く気配へ意識を向ける]
…おれ だけでは、
なかった、のか。
こんな。澱みに。
−西区・朝−
[教会を出て西区へとアンネリーゼと犬と共に移動し、魔力の収束する位置が無いか調べるべく散歩を続ける。
夷隅山と、それに付随する道路や休憩施設。
自然に囲まれた優雅な地域ではある。誰にも気がつかれず戦闘を行う事や、もしくは待ち伏せする箇所としては最適とも言えるのだが、残念ながら魔力の通り道と思える場所を発見する事は出来なかった]
だがこの地域の調査は実に有意義だった。
龍脈を押さえてからになるとは思うが、ここを戦場とした上で誘い込めるのであれば有利に事を運ぶことが出来るだろう。
さて、既に朝となってしまった。
そろそろ人目につき始める頃だが、調査を続けるかなアンネリーゼ。
我は危険を承知で探索を続けることを提案しよう。
我々に許された時間は潤沢ではないと判断する。
[市街地を避けるなら、このまま北に移動する事になる。
道の傍にある看板を見つけたので、近寄り確認する。
北は寺院だけではなく遺跡の発掘現場でもあるようで、観光名所として推されているようだ]
―中央区:駅前→―
[昨夜と似たようなルートを使い、
駅前に辿りつく。駐車場が多いのだろう。
ジェット型のヘルメットを取ると
ふると一度首を振って髪に風を含ませた。
ふと、耳澄ませるようにフードを引っ張る。
眸に揺れる、深い黒、ゆらり。揺れ。
呼ばれれば、答えて偽一の後に続く。
駅前は夜に比べ人通りが多い。
朝もやや早ければ登校中の学生の姿が見えようか。
家電量販店の前、新型のテレビにバラエティ番組が垂れ流しになっている。美人占い師の特集、とテロップが流れた。クリスティーナもまた顔を見せていた。気づけば気づくだろうが、注意していないと見過ごすだろう。]
―北区・ホテルの一室―
強情な奴だ。嫌いではないが。
仕方あるまい、好きにしろ。
[だが、アンネリーゼがこちらに背を向けた瞬間、指輪から一体の虫を実体化させアンネリーゼの背中に張り付かせた。
今日はそれなりに魔力の調子はいいようだ。犬と虫の2体くらいであれば、大きな戦闘行動に出なければ大丈夫だろう]
しかし、この王に通貨を献上するなど。
普通は服をそのまま献上する所だろ。せめて仕立屋に連絡を取るくらいは・・・・・・
[と、不平不満をぶつぶつ言っている間にアンネリーゼは部屋から出て行った]
くっ、いくらマスターとはいえこのソロモン王にこのような扱いをするとは。
犬『そうかな、時に正妻には常に頭が上がらなかったと記憶しているが』
ええい黙れ!
犬『宜しいではないか。主を畏れれば長寿を得、主に逆らう者の人生は短い。これは王の言葉だった筈だが』
・・・・・・くっ。
[愛玩犬ごときに1本とられたのが悔しいようだが、渋々と現代通貨の束を握り、自身も外出する]
わぁ!驚いた!
活動時間がズレているので、
その対処の為の別行動命令だったのだけど
こうも早く反応があるとは思わなかttt
まぁこれで安心。おk
―中央区:駅前―
さて、飯を先にするか、元勢宮を先にするか。
[何気なく辺りを見回していた偽一は、家電量販店前で流れていたテレビ番組に気づいた。]
うん?……んー?
[テレビに近づくと、2本の指を出し、映し出されているクリスティーナの目にかぶせてみる。]
あれ……この髪、この口元……昨日会った女魔術師によく似てるなー。
頭に引っかかってたのは、これだったのか。
[少しすっきりしたが、テレビに出るような有名人が聖盃戦争に参加するものなのだろうか、と偽一は半信半疑である。]
他人の空似かもしれないが、覚えておくか。
[その時、自分の腹が鳴った事に気づく。偽一は飯を先に済ませることに決め、近くのコンビニへと足を運んだ。]
[ホテルのロビーではまた昨日同様に痛い視線を浴びてはいるが、何食わぬ顔で歩きまわる。
近くにある埴市の紹介が書いてある冊子を一つ手に入れ開く。
服飾についてはどうしても中央区か南区の商店街にいかざるを得ないようだ]
服装についてはアンネリーゼに同意しよう。これでは目立ちすぎる。早急に入手する事を考えればできるだけ中央区で事を済ませたい所だ。
[そう言い、冊子を懐に忍ばせつつホテルを後にしてまずは中央区に]
[程なくして、お茶のペットボトルとサンドイッチを手に戻ってくる。
ユダの方へサンドイッチを投げると、「それが今日の朝食、元勢宮で食べよう」と言った。]
―中央区:駅前―
[さすがに人通りが多くなってきた。
視線も気になる。近くのそれなりな店にとりあえず入る]
スーツ、といっていたな。
[近くの店員を呼び止め、スーツを見立てさせる。
試着室に通され着てみるが]
む、これでは窮屈すぎる。戦闘には不向きだ。
すまんがもっと動きやすい服を用意したまえ。
[しかし、数着試着したがどれもスーツの域を出ず、窮屈さに我慢が出来なくなって店を出る。
少し歩くと、今度はそれほど高級そうではない一般的なメンズショップを見つけて物色する]
ふむふむ、これなら。
[前の店よりも少し薄手で腕を動かしても自由がきく物が揃っているようだ。ジャケットとズボンを黒基調で揃え、それとは別に濃灰色のYシャツも。靴も革靴に履き替える。
しかしどうしても主張したいらしく、少し大きめに開いた襟元からは金色のネックレスが複数覗いていた。
試着したまま会計を済ませ、今まで着ていた法衣は何処へ消えたのかは不明だがそのまま店を出る]
これで一安心のようだ。
[それでも、カジュアルではあるものの全身黒ずくめ、しかも金色の装飾品がちらちらと光るその風貌はそれはそれで目に留まるらしく、時折視線を感じる]
犬『それでも下々の目に留まるのは、王のオーラが成せる業だろうな』
こればかりは隠しようがないな。辛いところだ。
[のどかな光景である]
[用事も済んた事だし、と懐から案内図を取り出す。
この近くには、神宮があるようだ]
マスター不在だが、致し方あるまい。
あくまで偵察が目的だ、無理はせん。
[そう犬に告げ、元勢宮へと足を運ぶ]
っ、と
[サンドイッチとペットボトルを両手で受け取り、抱えたそれに視線を落としてからひとつ頷いた。]
行こう。
[元勢宮の方へ顔を向ける。
距離があったのか、まだソロモンの存在には気づかなかった。]
―埴市中央部・元勢宮―
埴市のど真ん中にしては、随分と静かな場所だな。
[偽一は、元勢宮の敷地内を歩きながら、ユダにそう声をかけた。
人影もまばらであり、駅周りの喧騒から、切り取られたかのような不思議な場所に思える。
何か文字の刻まれた石碑が建っていたが、それすらも古くてよく読めない。
歩きながらサンドイッチをほおばっていると、昨夜、教会付近で見た男が視野に入って来た。
すばやく令呪を見るが、反応は無い。]
うわあ、美味しくないシチュエーションだ。面倒な事にならなきゃ良いけどな……。
[そう呟いた後、男のサーヴァントに「やあ、こんにちは。良い天気ですね」などと、遠くから声をかけた。]
…孔の、空いたようだ。
[偽一に答えるが
独り言めいてもいる。
楠繁り、風に揺れているというのに在るのは静けさ。
ビニールを開くのに
難儀しつつ、
やっと取り出したサンドイッチをくわえたとき、サーヴァントの反応に気づく。]
(…あれは、昨日の )
ん?
[声を掛けられた方へと振り向く。
強い魔力の気配。オセがソロモンをかばうように前に出る]
・・・・・・ やはり、そう簡単に愉悦に浸らせては貰えないようだ。
[あくまで距離を取りつつ、相手の行動の様子を見守る。
オセは既に戦闘準備を整えている。最も、相手がマスターと共に行動している英霊ならば互角に戦うには及ばない可能性が高い。
あくまで撤退戦。
しかし、相手の素性を知る好機である事も忘れてはいけない]
嗚呼、良い天気だ。
そんな晴天の下、まさか事を交えるわけではあるまいな。
[周囲を見まわし]
下々を犠牲にするのが貴君らの信条、とあらば応じるより他ないがな。
[まっすぐ話しかけた男性から視線を外さず語りかける]
いやいや、まさか、まさか。
ここは神聖な場所ですからね。それを乱すような真似はいたしません。
[相手の言葉遣いから下出に出た方が得策と判断し、そうする事にした。]
可愛らし犬をお連れですね。だが、ただの犬では無いらしい。
あなたの僕か戦友なのかな。
何か魔力を感じます。
[相手に戦意は無いようなので、少し会話を試みる。]
ただの捨て犬だ。餌を与えたら懐かれて困っている。
[胸を張って嘘を付く。
当然、嘘と知られることも承知の上]
君も随分愉快な友人をお持ちのようだ。
先程から一言も口を聞いてくれないようだが、内気なのかな。
[そう言うと、少し上から目線でアサシンを見つめる]
なるほど、動物好きなのですな。優しい方のようだ。
[話す気は無いと言う事らしい。
長居は無用かと、偽一は思い、言葉をかけられたユダをちらりと見た。]
[魔力の負担が気持ち軽くなっている。
どうやら此処は確保に値する地のようだ。
ならば、相手も此処の下見か。
だとしたら厄介。
ここで引けばみすみす龍脈候補を渡すことにもなりかねない。
場合によっては仕掛けるという戦術論も考慮せざるを得ないかもしれない。
アンネリーゼが今何処にいるのか。戦闘を行ってもマスターからのパスが通じる場所にいるのだろうか]
[さて、この王の気配纏うサーヴァントは、何者か。
まだ手を付けていないサンドイッチは手にしたまま、
フードを逆の手で少しだけ捲り上げた。
影の落ちたような眸が覗く。]
別に。そういうわけではない。
口軽くべらべら喋る必要性を見出していない、だけ。
[少し首を傾いだ。
気配遮断をしていない状態、
サーヴァントで在ることは分かっていように
友人と表現するらしい。]
捨て犬 な。
[目を細める。]
ハハハ、すいませんね。
最近の若者は、口の利き方を知らなくて困る。
[ユダと目の前のサーヴァントでは、どちらの方が古い存在なのだろうかと、他愛も無い疑問が浮かぶ。]
では、失礼しますよ。さ、行こうか。
[そう言ってユダを促すと、用心しつつ元勢宮の外へと歩き出した。**]
[視線を向ける偽一にユダは目配せをし
小さくささやいた。]
…霊脈だ ここは
[それで偽一も察するか。
彼も此処を偵察しに来たのだろうと]
――…。
[偽一は去ることを選んだようだ。
霊脈候補を明け渡すか、僅かに眉を寄せる。
単独での行動ならば気配を消して
掛かることもできようが。
今は偽一の後に従う。]
――また いずれ
[そう 一言残して。]
そうだな。
また、いずれ。
[背中を見送る。この龍脈には然程興味が無いらしい]
犬『王よ。彼らとは本当に腹の探り合いのみで良かったのか?』
・・・・・・ 好きにしろ。
[こくり、と頷くと愛玩犬がうっすらと全身に光を帯び、まるで光の弾丸のようにアサシンに向かい高速で駆け出す。ソロモンは指輪に手を当て、その光景を離れて見守る]
俺だけでは――か。
見識とは、そこを改める為でもある。
己より優れている者。
己とは意を異にする者。
己と、似た考えを持ちながら
時に違う道を歩む者。
―埴市東区/果樹園―
[アーチャーは、荷物を抱えていた。
荷台に詰まれた大量の袋。
縛ったりしていない為、中身が覗いていた。
果樹園で収穫できる果物。
それを元に作られた軽いデザート、そのタッパー。
なぜか野菜まで入っている。
それはというもの。]
ふむ……。朝から精が出るであるな。
これは、貴様が育てたのか?
[果樹に触れ、見上げる。
管理者らしき夫婦は、困惑しながらも肯定を告げていた。]
色は元より、形が良いな。
余程大切に育てたのであろう。風雨に堕ちた形跡も見られない。
あの果物などは、果実に紋様を浮かばせているのか?
試食が出来ぬのは残念であるが
見た目の美だけではなく、遊び心がある。
実に芸術的な果樹である。
[甘夏に一つ、目をやった。
夫婦は感謝の意を述べた後、何事かを囁き合い――
「では、一つ食べてみますか?」と薦めてきた。
その後
「これはどのような調理法があるのか?」とか
「貴様等は果樹を育てる器だけではないのではないか?」とか
「連れの女が一人、腹をすかせて駄々をこねていてな…」とか
様々な事を言ってみた結果、荷台の結果を生んだのだ。]
まさに皇帝の威厳の下に民草はひれ伏すのである。
――と言いたいところではあるが、肉がない。
どうしたものか。
[屋敷の玄関から、一つずつ荷物を運ぶ。
荷台が空になるまで、氷室と玄関の往復を続けた。]
[オセがアサシンの背後から光弾となって襲いかかるのを見ながら、周囲を散策する。
一部、人気が無く龍脈の影響がこの周囲の中で強く感じられる箇所。何かの石碑のようなものが置かれ、人が立ち入れない場所があった。
周囲を確認し、おもむろに入る。僅かだが魔力の流れが起きているのを感じる]
今は大っぴらには無理だが、即席な施術を行う事くらいは出来るだろう。
[指輪を擦ると、3体を召喚した時と同じように光の魔道書が現れる]
ソロモンの鍵よ。我に叡智を。
[かつてソロモン王があみ出したと言われる魔術の全てが記録されているスペルブック”ソロモンの鍵”。
指輪が王に与えた叡智の一つである。
またもや風も無くページが捲られて行く]
סדר שבעים לתגובה סרה.
הנה הכניסה, היציאה כאן.
הזרימה היא קטעה, יהיה מזג למרחקים.
[空間に光る、小さな六芒星の魔方陣が二つ。
その二つをソロモンは手に取り、一つはその石碑に、もう一つは自分の手の甲に貼り付ける]
まあ、気休め程度か。
[数時間と持たない魔方陣によって、多少なりとも魔力は効率良く流れ込む。
どのみちオセが浪費してしまえば元も子もないのだが]
―埴市東区/ラウラ工房・召喚の間―
[溶けた跡は、即席の修理がなされていた。
天井には青のシート。
日光を程よく落とし、水面のように揺れている。]
さながら深海といったところだな。
[朽ちた大砲は、突き刺さったまま放置されていた。
メフメトと共に召喚された、堕落を与える武具の一。
宝具の赤光もなく、触れれば鉄が剥がれて床に落ちた。]
肉は後で確保に向かうとしてだ。
……さて、どうしたものか。
城を建てる民草もなければ、
吾がイェニチェリもカプクルもおらぬ。
それでも戦うのであれば、再び皇帝としてあるべきなのだろうな。
………。
―埴市東区・有栖川邸・自室―
[体中のアチコチが痛む。そして昨夜は自らベットに入った記憶もない・・・手を額に当て記憶の整理・・・
――あの、痴れ者がっ!!
飛び上がるようにベットから跳ね起きた!!
が、、、足下に転がる水桶と捨て置かれた泥だらけの衣類に気がつき。]
ふ、ふんっ!!余計な世話を焼いたと見える。
[さらに、サイドテーブルに見慣れた便せんが一枚。
"何を隠そう、吾は皇帝だぞ"
? ? ? リシアの頭の中にクエッションマークの嵐が巻き起こった ]
[見届けた皇帝は、召喚の間から物音がした部屋へ。
蝶番を厳かに鳴らすと、大柄は内へ一歩、踏み入った。]
よく眠れたか民草。
爽やかな良い朝である。
特別に、吾に挨拶をする選択肢をやろうではないか。
[ベッドで困惑している女を見下ろした。]
[当の本人に聞かねばならぬ事が山ほどある。
取り急ぎ衣服を整えるが、一晩で回復は出来ぬほど吸い上げられた魔力が魔術回路から悲鳴を上げる。]
まずいのぅ・・・まずは魔力の回復が先じゃの。
[昨日は食事どころか昼前に紅茶を飲んだだけだ、コレでは戦闘どころか、おのれのサーヴァントさえまともに扱えまい。
―正しくは、、、扱えてさえないのだが。]
―埴市中央区/元勢宮―
[偽一の後を少し遅れてついて行っていたユダは
勢い付けて振り向いた。
赤みを帯びた黒髪が揺れる。
ポケットの中の掌に銀貨。
それを己の影へと落とす。
深い沼に沈み込むようにそれは溶けて消え
足元から生えてくる――漆黒の鋭く長い獲物。
奇妙に真っ直ぐ長い鍔がある。
剣か。それにしては長すぎる奇妙なかたち]
――…
[く、と歪に眼を眇めかすかにわらい
握り振るうまでは恐るべき速度。
そのまま犬へ叩きつけた。]
[魔法書の角で殴りかかられ、それを見やる。
英霊にとって避けられる程度のものであり
むしろ当たる方が難しいと言えただろう。
だから、皇帝は特に動く事はしなかった。
魔法書が直撃し、それでも皇帝は表情を歪めはしない。
じっと、女を見下ろしている。]
申すがいい。
聞いてやろう。
[感情的に激昂する女とは逆さまに
皇帝は静かに、続きを促す。]
―埴市中央区/元勢宮―
ギイチ。
あれは狂犬だったようだ。
[早々に安全な場所に移動したであろう
己のマスターに向かってそんなことを謂った。
手にした獲物は滴るような闇と黄昏色に移り変わる。
元勢宮の奥の方、何かしら
大きな魔力が発動したようだ。
睨むようにそちらを一瞥した。]
[ 当たろうと当たるまいとどうでも良かった。
一喝すると、アーチャーの腕を引っ張りテラスへ向かう。]
そこで大人しく座っておれ!
[冷蔵庫の見慣れぬ食材に、チラとアーチャーを見やるも
黙ったまま朝食の用意
急ごしらえだが、【ハムエッグ・コーンスープ・トマトサラダ・クロワッサン・フルーツのヨーグルトソース】
テラスのテーブルに置いた。]
・・・ふん、気に入らねば食べずともよいがの。
犬『疾い!』
[光の化身となり直接敵を撃つ。本来の姿とは程遠いがこれこそが第57柱オセの戦い方。
方向転換を行ったが、その衝撃で大きく吹き飛ばされる。体躯があと一回り大きければ食らっていた]
犬『面白い、少しだけ付き合ってもらうぞ』
[オセの体が再び光を帯び、ぐっと溜めを作った後飛翔する。それは直接アサシンに襲いかかるわけではなく、まるで光が屈折していくように壁や木々、その他障害物を次々と蹴り飛び交い、そしていつの間にかアサシンの頭上から降り注ぎ、魔力を帯びた光牙を穿つ]
故に。
優れた人徳と、優れた破綻を身に宿さねばならぬ。
人徳だけでは、破綻は破壊を巻き起こす。
破綻だけでは、人徳は革命を引き起こす。
一方だけでは、一方の者しかついてこぬのよ。
――破綻なぞ、このような澱みと出会う前から
吾の位に刻まれている。
―埴市中央区/元勢宮―
[――なるほど これが
人の身にあらざる英霊としての力であるらしい。
生前では考えられなかった。
ユダは自嘲のような、嘲笑うような
歪な笑を微かに浮かべた。
彼の存在を示すもののひとつ、形となったそれは手に馴染む]
…忠犬か
[犬の声はユダに聞こえようか。
鋭角描いて獣は飛んだ。]
!
[頭上だ、と気づいたのは一瞬速いか否か。
辛うじて漆黒の獲物にて牙を受け止めるに足るか]
[ まずは体力回復とばかり、自分の皿を綺麗にすると
ミルクティーを一口、新聞の一面に目を通しながら
やっと、人心地が付いたようだ。]
・・・で、昨晩は斥候「だけ」ではなかったのかの?
他のサーヴァントと戦いがあった様子とも見受けられぬが、
コレはそなたの仕業であろ?
[人差し指でつんつんと指摘するまでもなく、新聞の一面には、デカデカとキャンパスの校舎が半分溶けた異様な惨状が載っていた。]
よもや関係のない人を巻き込んだりしておらぬだろうな?
戦闘だったにしても、なぜ我を呼ばなかった?
そなた一人で何もかも片付けるつもりか?
我はそんなに信用ならぬか?頼りにならぬか?
――もう、、、これ以上・・我一人で置き去りにされるのは嫌じゃ!!
[怒りがこみ上げ、悔しさと、寂しさがごっちゃになり
訳がわからなくなってきた。
ただ、最後は涙声になり・・・ぽつりと呟いた・・・]
[1]
[2]
[3]
[4]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新