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この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
1人目、自警団長 ヘクター がやってきました。
自警団長 ヘクターは、村人 を希望しました。
村の設定が変更されました。
2人目、無頼 陣 がやってきました。
無頼 陣は、C国狂人 を希望しました。
P.セイバー が見物しにやってきました。
P.セイバーは、見物人 を希望しました。
[夜の境内に、剣と剣が衝突する音が響き渡る。
聖杯を目の前にし、最後の勝者が今決まろうとしていた]
くっ・・・・・・
[だが、既にマスターは力つき地に伏している。魔力の供給が絶たれていない事を考えれば命が尽きていないのは理解出来る。だが、このキャスター達相手に劣勢である事は確かだった]
くそっ・・・・・・!
[目の前の侍のような風貌の男。彼がサーヴァントではない事は既に理解している。しかし彼の特殊な戦い方に翻弄され、さらには彼をサポートしているキャスターの術。
意識をしっかりと保っていなければ自我を失う。その中、彼の呼びかけで闇の中何かがうごめく。
自分へと暴走する四輪車。そして行動を制限される磁場。まさに戦慣れとはこの事だろう。
そして、何度目かの鈍痛を受け、地に伏せる。正面からは無頼の刀。勝負あったと、覚悟を決める]
くらえっ!
[元来、無頼の一族にとってこの力は退魔の為に振るわれてきた。
だが、この戦いの中では多くの英霊を葬ってきた。
人を守る剣が、人を守るべき存在を次々と絶ってきた。
これが運命だと言うのならば、なんと暴虐なことか。受け入れる事など出来はしない。
だが、これで最後になる。セイバーへと彼の”魂砕き”を振り下ろす]
・・・・・・勝負あったな、セイバー。
悪いが聖杯は俺たちのものだ。
[手に感触が残る。これで、すべてを手に入れたのだ。
セイバーの体が光へと変わっていく]
負けを認めよう、キャスターのマスター。
・・・・・・だが、忘れるな。
君のサーヴァントは、”闇”そのものだ・・・・・・
[そして、セイバーは光と消えた]
3人目、P.キャスター がやってきました。
P.キャスターは、人狼 を希望しました。
[なんて、悲しい…
呪われし者たち。
誰も僕に愛されることなく、消えていく。
僕なら、絶望だ。
す、と目を閉じる。
ようやく、ここまで来た。]
[すぐ後ろに姿を現したキャスターに振り向く。
だが、勝敗が決した刹那、聖杯が黒く輝き、まがまがしい”何か”が噴出しはじめる。
空は闇に包まれていく。まさに、世紀末のような光景だった]
これは・・・・・・
[ブライの声に、目を開く。]
ああ…
聖杯だ。
ついに、辿り着いた…
[この、闇の凝る器に。
幾度も幾度も、人の願いを受け止めてきたものに。
自然、笑みがこぼれる。]
ふふ…
ふふふ。
あはは…っ!
馬鹿な・・・・・・これが俺が求めた力だというのか!?
[視界が闇に飲み込まれていく。これが聖杯だったのだろうか。だとしたら、いったい何のために戦っていたのか]
教えてくれ、キャスター!!
[闇の中、相棒の名前を叫ぶ]
[既に周囲は暗黒に包まれ、キャスターが何処にいるのかも判別がつかない。声も四方から聞こえ、まるでキャスターがこの闇と一体になっているかのようだ。
これが、セイバーの言っていた闇そのもの、という事なのか]
キャスター・・・・・・?どこにいるキャスター、、キャスター!!!!
[そして、無頼もまた闇へと溶けた]
4人目、監督者 ルーサー がやってきました。
監督者 ルーサーは、おまかせ を希望しました。
−199X年8月某日 樹那町の隣町、忍神町(封鎖区域)−
[樹那にある教会の管理者、ルーサーは、現在封鎖されている忍神町へと入ることが出来た。
辺りを見回しても、そこにはただ人影の無いゴーストタウンが広がるだけ。
もはや魔力は残留しておらず、逆にかつてあったであろう龍脈もその活動を停止していた]
結局、何も判らないままですか。
[ふう、とため息をつき、小脇に抱えたジュラルミンケースに目をやる]
監督者 ルーサーは、村人 に希望を変更しました。
”聖杯”
[3年前にこの忍神町から生物の痕跡を失わせてしまった事件。中心にはこの聖杯があり、またここで聖杯戦争が行われていたのも間違いは無い。
だが何故こんな事が起きたのか。
ルーサーが不在にしていた間の出来事であり、どれだけ調査をしても答えは出なかった。
もはや忍神町には魔力の流れが低迷している以外の異変は無く、魔術師にとっては大事ではあるものの、ただ生物が生息するにあたってはそれ程の問題が起きるはずもない。
ルーサー自身にとっても、教会の上層部にとっても。3年前の事件は過去の出来事となろうとしていた。
ただ、この聖杯の中には、言葉にしづらい何かが潜んでいるような。
まだ魔力が残留しているかのような。
そんな重苦しい存在感を感じていた]
暫くは我が教会で保管する事になりそうですが・・・・・・
[予感。また、戦いが始まる予感]
[そして一ヶ月後、予感は的中する]
5人目、メイド セリア がやってきました。
メイド セリアは、村人 を希望しました。
−199X年9月某日 樹那町/教会−
[セリアは今日も教会を掃除していた。
大事な人が去り、戻ってくるかも判らないこの教会を。
だが、彼女にとってもここに滞留する理由があった。
一つ。埋葬機関より”聖杯”を監視し、再度聖杯戦争が起きる事があれば監督者をサポートする事。
そして、もう一つ。別の”封印指定”の追跡。ランクは低いものの、研究材料としては興味深いサンプルとの事。
遠い異国へと旅立ってしまった彼と過ごした時間は彼女の牙を抜き、今は従事の仕事に幸せを見出している]
ふう、もうみんなこんなに汚して〜。ほんと、みんな○んじゃえばいいんですー!!
[相変わらず、口は悪かった]
ルーサー様ったら、聖杯をこんな所にしまって。無用心ですの。
[今日はいつもと違い、教会の礼拝堂にジュラルミンケースが置かれていた。
常日頃からは几帳面なルーサーからは想像出来ない事だったが、何か急ぎの用事でもあったのだろう。そう考えた]
[だが、近づくと何かがおかしい。
まるで、何かに共鳴しているかのような音を放っていた]
ル・・・・・・ルーサー様!!ルーサー様!!
[目を瞑り、天を仰ぐ]
ついにか。始まってしまうのだな。
我々が何も出来ないまま、再び・・・・・・
[翌日、ルーサーは教会へと報告を行ない。
そしてそのまま今回の聖杯戦争の監督者の任を授かった]
[暦は10月へと変わり、季節は物悲しさを感じる秋という季節へと移り変わる中。
ひっそりと、聖杯戦争がまた始まろうとしていた**]
6人目、姫倉 達生 がやってきました。
姫倉 達生は、村人 を希望しました。
― 10月現在・東ブロック / 樹那病院 ―
[外界の喧騒を跳ね除けるように立つ白い建物。
空ろな静けさと、物言わぬ秋の木の風情を匂わせるたその庭に、珍奇な男の姿はあった。]
…え?
[決して場にそぐわない紋付袴。
四方からひっそりと向けられる視線に意も解さず、立ち尽くしていた結果、ついに看護士らしき男に声をかけられた。
「患者さんが怯えているので…」と。]
[彼は、言われてから改めて周囲を見た。
ベンチで明らかに不自然な方向に視線を向けている患者。
介添えで患者を院内へ避させている看護士。
窓からカーテンに隠れてちらちらと眺め下ろしている子供――。]
[一通り眺め終えてから、髪をがしがしと掻いた。]
ああ。もうすぐに終わりますんで。
[片手にはアナログ型のストップウォッチ。
言い終わって数秒を待ち、止める。
細かい針が、丁度再びのゼロを示していた。]
騒がせてすんません。
あー、あそこの部屋のボウズに、これやっといて。
加藤ー。
[言うや否や、どこからともなく黒い服のお兄さんが現れた。
対峙していた勇敢な看護士は、さすがにびくりと反応した。]
……加藤。
カタギ怖がらすなていつも言うてるやろ。
[加藤と呼ばれた黒服は何かを言いたげに沈黙した。が。
最終的には「すみません若」と頭を下げ、懐から何がしかを取り出した。
看護士へ差し出されたそれは――折り紙。]
ほしたら。
[姫倉は笑顔で頭を下げ、のったりと場を後にした。]
7人目、望月 胡蝶 がやってきました。
望月 胡蝶は、村人 を希望しました。
―樹那町南ブロック/望月邸離れ座敷―
[それは暗月、朔日の夜のこと。人工的な灯も落とされた、墨溜りの漆黒より尚闇い、静謐な廟にも似た空間で。
敷かれた陣の中央に、家紋の九曜を刻んだ黄金の装身具の欠片。
充ち充ちた魔力は、滔々と流れる祝詞に呼応して、礼装の衿を正した娘の横顔を幽かな光で縁取る]
――掛巻も畏き奇しき神霊に依りて。
全き杯の神理に違は不令開世に後れ不令。
宣れ。
夜の守に護恵幸へ賜へと眞空遙に拝み奉らくを、
七天念じ申す大願を成就なさしめ給へと恐み恐み白す。
[生まれた輝きは、夜をも統べる小さな恒星の如く、伏せた目蓋をちりちりと焼いた。房室内のありとあらゆる器物が魔力の唸りに共鳴し、或いは粉微塵に砕け散る]
綾に尊き杠秤の担い手を!
[嗤う膝を励まして心眼を啓く、暴発寸前の奔流が帰結する先。
やがてそれは、人の姿となって、陣の中心に顕現した]
――成功、か?
[眩んだ視力が回復するも待たず、期待と不安で紅葉散る着物の裾を紮げ小走りに駆け寄る。
内側から引き摺られるような感覚は、恐らくは繋がったパスのせい。
零れ落ちそうに大きな柘榴石の瞳を何度も瞬いて、恐る恐る手を伸ばした]
8人目、アーチャー がやってきました。
アーチャーは、村人 を希望しました。
[――闇。
一転。
爆ぜる光。
その波は黄金である。
瞼を網膜を虹彩を一切合財灼くような
その洪水が静まりて
残滓をその身に纏ったひとつの形]
――…、……――
[それ、は静かに眼を開く。
藍の左目、黄金の右眼。爆ぜた光と同じ色。]
[駆け寄ってきた着物姿の人影を見下ろしながら
青年 の 形をしたものは、 静かに問うた。]
貴方が 此度 …
… 私の、主《マスター》であるか。
[右の目元から頬にかけて
痛々しい傷があることが見て取れるだろう。。
否、右半面だけではない。
刃物で剥いだ様な永久に残る傷痕の刻まれた身体が
隠すものなく闇の中に浮かび上がる。
――――即ち、全裸であった。]
[はたり。
焦点を結ばぬ視界に、全裸の男が約一名。
一つ瞬き。
二つ瞬き。
その輪郭が紛れもなく一糸纏わぬ状態であると認め、]
ッ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
[声にならぬ悲鳴が迸ると同時に、平手が飛んでいた]
変質者など喚んだ記憶はないわ!!
通報! ケーサツに通報!
おまわりさーん! 110番! 110番!
全裸の露出狂が此処に居るのじゃー!
[肌色を視野から追い出そうと踵を返す。
高く結われた髪遊ぶ耳先は、含羞のためか仄かな紅に染まっていた。
動揺で足元も覚束ず右往左往、しっちゃかめっちゃかの部屋内に埋没した電話を探す。かなり必死で。切実に]
― 南ブロック / 住宅街 ―
[どこかで誰かが変質者と戦っている頃、姫倉達は帰ってきた。
そこは小屋のような家だった。
剥がれた外壁、焦げたような色の木板。
適当に組んでもここまではなるまいと言わんばかりの家屋。
その癖、到底似つかわしくない立派な囲いと、重厚な木製の門構え。]
もうアレは中にあるんか。
[加藤は頷いた。]
おおきに。
[姫倉も頷き返し、門戸を開く。]
[中に踏み入れれば、そこに廃屋の姿はなく。
囲いと門構えに相応しい、和風の屋敷と庭園が広がっていた。]
[加藤とその他の黒服は、いつの間にかいない。]
見張り頼むわ。
[誰もいないはずの物陰に向けて一言を発した。
物陰の気配は、頷いたように揺らぐ。
姫倉は振り返ることはせず、止まっていた歩みを進めた。
屋敷への飛び石を逸れて、庭の方へ。
玉砂利を横断する際は、玉石が雪駄に進入してしまわないよう慎重に。]
お。
[庭――隅には蔵。
その前に辿り着くと、四本の酒瓶が置いてあった。
中には清酒が満ちている。]
具合はどんなもんかな…。
[独り言を呟きながらしゃがみ、瓶を持ち上げる。
茶色く濁ったガラスの向こうで、水面が弾んだ。]
ん。上々。
[その作業を四本ともに繰り返し、そのどれもに満足そうに頷いた。]
ッ… !? …!!!?
[それはそれはよい音が響いて青年は目を瞬かせた。
互い違いの色の眼を丸くした、あと]
ッ、待 、ち、違う…!!
いや、待て、此れは、かの神に
鎧を捧げた際の――いや、この際其れは後だ。
私を喚んだのは貴方ではないのか!
まず落ち着いてくれ!
[とても失礼なことをいわれた気がするので
青年は必死でそんなことを言い返した。
が しかし確かに何も着ていない。
――黄金の鎧を引き剥がした所為か。
――己の身を蝕む「呪い」の所為かはさておいて
取り急ぎ隠せそうなものを探した。
無論身体をである。]
儂が召喚したのはアサシンのサーヴァントじゃ!
断じて斯様な恥知らずの不埒者ではな……い、……はず……。
[段々自信がなくなってきて、尻窄みになる]
……もしや、サーヴァントとはみな、
その
生まれたままの姿? で召喚されるものなのか?
[ちらちら、背後を覗き見ては目のやり場がなくて下を向く、を繰り返し。
今は効力を失った陣を確認して、指でなぞる]
それとも、不備があったか失敗じゃったか。
すまなんだ、とりあえずは衣服を探して来る。
寸法が合う物があったかどうか……。
[呂律の回らぬ舌で早口に述べる。
とりあえず、一大魔術の高揚だとか余韻だとかは綺麗さっぱり吹っ飛んでいた]
[蔵の錠前と閂を外す。重苦しい、金属の擦れる音。
錠前はポケットに。閂は地面に下ろし。]
ふうー…。
[息をついて腰をとんとんと叩いた。
振り返り、酒瓶四本を抱きかかえるように持つ。]
よいしょ。
[滑らないように位置を調節してから、半ば寄りかかるように扉を開いた。]
[扉が閉じる音。
蔵の中の世界は、窓からの明かり分しか視界を許さない。
その空ろに漂う気配は、先程と病院と似通ったもの。]
明かり、明かり。
…あー。ちゃう。先に下ろさんと。
[姫倉の呟きだけは色を違えない。
カラダごとゆっくりと腰を下ろし、ぺたんと座り込む。]
――誰も見てへんし。ええよな。
[一本、また一本と慎重に瓶を下ろした。
そして、胸が解放され身軽になると、さっと立ち上がった。
けつまづかないよう注意しつつ、手探りに電球を探す。
僅かな明かりを頼りに、宙を掴んでは肩透かし。掴んでは肩透かし。]
[明かりがあったならば滑稽な動作を繰り返した後、漸く電球に辿りついた。
きゅいとひねり、点灯させる。
姫倉の足元には、召喚のための陣が描かれていた。
最後の、たった一画を残して。それは完成していた。]
…………。
ふう。…よっしゃ。
やろか。
[両手で、自分の両頬をはたく。ぱちりと小気味良い音がした。]
9人目、メイアル・ユーリ がやってきました。
メイアル・ユーリは、村人 を希望しました。
―1ヶ月前―
[名を、Mayal=Juri=Von=Schweinitz、と言った。フルネームで名乗ることは余りなく、何よりファミリーネームを名乗ることはまずない。
生まれた土地を離れ、彼の人は別の地に在った。
誰もが寝静まる時間。
そこへと辿りついた]
Will dich stören.
Besser schlafen.
Sie macht mir einen Traum.
Sie berührt, können Sie ein guter Traum.
Wissend, dass Sie einen Teil meiner Träume sind.
―樹那町南ブロック/望月邸離れ座敷―
……アサシン?……否、違う。
私は―――隠れ潜む者ではない。
喚ばれるとするならば、ひとつしか――
[召喚されるときは、と尋ねられ
言葉を一度切る。]
…… ……いや、
[さて、どうであったろう。
己の身体を一応隠しつつ、衣服を探して来るという
小柄な召喚主――マスターを見送る。
魔力が爆ぜた後、散らかった部屋を
互い違いの眸でゆっくりと見回す。
その視界の中に、きらりと光る黄金を捉えた。]
日本語訳。
お邪魔シマース。
あーあ、良く眠ってんね。
ね、あんたはどんな夢を、アタシに見せてくれる?
あんたに触ったら、いい夢が見られる?
あんたを良く知ることが、アタシの起源へ至る道に必要なんだ。
本当はもっと違う日本語を英語に翻訳して、そこからドイツ語に翻訳。
というややこしいことをしてます。
一気にできるのだけど、下の日本語を知られないように…
― 南ブロック/姫倉屋敷・蔵 ―
[羽織紐を時間をかけて解き、黒い羽織を脱ぐ。
下から露になったのは、白い、やはり和装の長着。]
えーと……。
[どこからかコインを取り出し、先程置いた瓶へ近づく。
適当に一本を選ぶと、栓を開けた。
まごうことなき酒の香り。
躊躇わず、瓶の口をコインへ傾ける。
中から臭気の元である透明な液体がこぼれ出て、コインを、姫倉の右手ごと濡らした。]
[静かに歩み寄る。
声は低くもなく高くもなく。女性のようであり、男性のようでもある。
白装束に、プラチナブロンド。闇に煌くのは、血の色を模した眸]
Oh, wir haben gewesen.
Es tut mir leid.
Little, ich muß gehen.
Aus einem Traum.
Der Heilige Gral, dem Traum aufzuwachen.
[口調はおどけたように。そのすぐ後、その場を後にした]
[表、裏と十分に濡らし終えたら、陣へ近づく。]
………。
[一拍の後、瓶に残っていた酒を残らず撒いた。
陣からは出ないように、しかし描かれた線に沿ってという程、繊細な撒き方ではない。
それをまた、残り三本で繰り返し、召喚陣を万遍なく酒に浸した。
撒き終えれば瓶を置き。
持っていたコインで、最後の一画を――書き加える。
がりがりと、石を削る音が電球の頼りない光の下で鳴った。]
[陣の完成。
用済みとなったコインをその辺に捨てた。
かざすように、天秤の守り手を呼ぶための境界へ、手を差し伸ばす。
目を閉じた。
むせ返るような酒気の漂う中、精神を、深く潜らせて行く。]
[詠唱。
此度の戦争への参加資格。
過去を、現在を、未来を。
栄光の中、あるいは絶望の中、踏破した英霊。
人にして精霊の域に達した、非凡の象徴。]
…汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、
[それを掴むためだけに、ひらすらの魔力を回転させた。]
天秤の、守り手よ―――。
日本語訳。
あ、取れちゃった。
ごめーん。
あ、少しだけ貰ってっていいかな。
夢、見たんだ。
聖杯がさ、目覚める夢。
とりあえず日本に来るまでドイツ語で。
グーグル翻訳だから色々違うだろうけど。
―樹那町南ブロック/望月邸離れ座敷―
……これは
[指先を伸ばし、黄金の装身具を拾い上げる。
懐かしきは刻まれた――]
नवग्रह《navagraha》……
……
……सूर्य《Surya》……
[見覚えが、あった。
太陽、の次に続くのは、――月。
青年は少し目を伏せる。
傷痕残る右頬、黄金の眸は闇の中で光を失わない。
ただひとつ、残りし加護。]
10人目、ライダー がやってきました。
ライダーは、村人 を希望しました。
[――消えゆくエーテルの残光。
鋭き青銅の穂先が煌き、瞬間、闇に映える。
されど影長く曳く槍を抱くのは、剛勇誇る戦士ではなく、腕白き娘]
――……ん。
[髪美しき娘が、小さく、春風のごとし吐息を漏らし、身を起こす。
神々が手ずから織り上げたかのごとき、滑らかな白き衣を纏いし姿は、黒雲を集める父神ゼウスの姫神、黄金のアフロディテとも見紛わんばかり]
私を、喚んだのは――……あなた?
[いずこよりか出でた娘は、異装を纏う姿に向けて、問いかけた]
―36時間前・日本―
[少し大きめのスーツケースは銀色。髪の毛は束ねて流し、白装束は変わらず。
ただ、目は隠すようにサングラスをはめて]
Schwere Feuchtigkeit.
Ich habe gehört, dass Japan im Herbst heiß für mich ist.
Jetzt müssen Sie den Kopf.
[移動のためにバスへと乗る。
目的の街まではまだもう少し。
バスの中で、風景を楽しむ事無く目を閉じた。
聞こえてくる言葉は国際空港からのバスとあって今だ多種多様な言語が飛び交う。
その半分ほどは聞き分けることができた。
幼いころから父に連れられて色々な国を旅したから]
アサシンでは、ない?
[聞き咎めて、身体ごと振り返る。
全ての行動は闇に紛れ、足音一つたたない。月明りすらなくとも、夜目が利く。
それは一見小柄な少女でしかない娘が、魔術師としてだけでなく、忍者としての鍛錬も重ねてきたからだ]
それは全裸以前の大問題、
人違いというかサーヴァント違いというか……。
と、と、とりあえず大人しゅうしておれ。
[召喚の媒介に興味を示したらしき丸裸の男を背に、母屋へ急ぐ]
[聴覚と視覚を潰す嵐が吹き止む。
伸ばしていた手はそのままに、ゆっくりと目を開き。]
………。
[目の前に出現した姿に、瞬きした。]
…あ、ああ。こんにちは。
[沈黙の後、出てきたのはそんな言葉。
ちらと見れば、陣は既に輝きを失っている。
漂っていたはずの酒気も、わずかばかりの匂いになっていた。……床は、相変わらず濡れていたが。]
えっと。サーヴァントさん、でええんかな。
うん。そう。俺がサーヴァントさんを呼びました。
[多分。と小さく付け加えて。]
……城元ヤスキヨです。よろしゅう。
[真顔で冗談を言ってみた。]
―12時間前・樹那町―
[手配するまでもなく、メイアルにはこの町に住処がある。
正確には、親の持ち家だった。
この町に聖杯がある。だからこそ両親は日本に良く自分を連れてきたし、そしてこの家を手に入れた。
あまり大きくはない家。
手に入れてから地下室を作った。
そこには魔術に関する本や薬品など、色々なものがおいてあった]
Magic, dem ersten Kreis, Deichsel.
Ich zeige Ihnen, was die Sprache.
[鼻歌交じりに魔法陣を描き始める。
描き終わった後にするのは呼び出すための準備。
誰を呼び出すのかはもう決めている。もっとも、本当に出てくるのかどうかは賭けでしかなかったが]
[箪笥を漁る内に、脳内を整理しようと努める。
――聖杯戦争。
十代の頃から忍者頭の祖父の下で働いてきた、次の任務は聖杯の奪取。
――隣町の惨事。
大学生だった当時、別の任務で遠方へ赴いていたから大事はなかったが、この地に根ざす魔術師として見逃せない災害。
――サーヴァントの召喚。
甲賀五十三家筆頭望月氏の名に於いて、最も相性の良いクラスを]
…………前途多難じゃ。
アサシン以外が何故召喚されたのやら。
しかも、全裸で。
[袂を捲り、左前腕の内側、肘近くに浮いた痣を視認する。弧を描く線対称の三画。令呪だ。
父の着古した数着を見繕い、召喚するなり丸裸で放置してきたサーヴァントの元へ戻る。彼の視線は未だ、家紋である九曜の刻まれた黄金に向いていた]
―樹那町南ブロック/望月邸離れ座敷―
……大問題か。
……それは、…困ったな。
[闇、光のないその中で、
弓兵の双眸は確かに主を見た。
足音のなさ、身のこなし。
此度のマスターは余程の訓練を積んできたらしいと
青年は思い至る。
そうして、本当に困った、というような表情を浮かべ]
承知した。
[命には従い。装身具を手にしたまま
主が戻るまで其処で待つ。]
―現在・樹那町南ブロック住宅街―
[ほんの僅かな時間、夢を見る。
それはいつもの場所。
バスに乗った。降りようとしたら、小銭がなかった。
目的地にたどり着けない夢。
飴玉を一つ、バス賃代わりに渡して、バスを降りた。
目的地ではない場所。
いつもと同じ町。
あの角を曲がれば何があるかも知ってる。
けれども、現実にその町はない。
歩いてたどり着こうとすると、ボールが転がってきた。蹴り返すと、少年がぺこりと頭を下げて去っていく。
少年が何かを落としていく。近寄ると、それは小さなナイフだった]
―樹那町南ブロック/望月邸離れ座敷―
……。
[――全裸で。
と称されたサーヴァントは
黄金の装身具を手に、主を出迎える。]
……この装身具に刻まれたものに
私は見覚えがある。我が主。
ゆえに、貴方の意図するところでなく
何かしら、繋がってしまったのであろうと…思われる。
[青年は口を開き、そう切り出した。
少しの間、物思うように眼を閉じてから、
柘榴の眸へ金と藍の視線を向けた。]
……ヤスキ、ヨ……ん?
ヤ、スキヨ? ……ヤスキヨ?
[耳慣れぬ音階に、微かに戸惑うように。
口中で、幾度か繰り返し。やがて、納得のいったように、小さく頷いて]
私は、大地揺るがすポセイドンが仔、フェニキア王アゲノールの娘。
アイギス持つゼウスの寵を受けし、クレタのエウロパ――よろしく、ヤスキヨ。
[輝くばかりの笑顔を浮かべて、応じた。その名が、よもや冗談などと、思いもせずに]
11人目、オルグロス がやってきました。
オルグロスは、村人 を希望しました。
閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する。
――――告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えろ。
誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ?
[言葉を告げ終えると足元の魔方陣が輝く。
同時に魔力が大量に吸い上げられていく]
さりとて
貴方にとって、間違いであろうと
私にとって貴方が主であることはたがわぬ事実。
……私はカルナ。
アーチャーのクラスに在る、英霊《サーヴァント》。
名乗るが遅れた非礼を詫びる。すまなかった。
[一糸纏わぬ姿ながら、その態度たるや確かに
名のある英雄に相応しいものであったろう。]
うーん、成功かな?
[魔力を持っていかれた事実。 そして、魔方陣の中に存在する何か。
成功は間違いないのだろうけど、なんだか自信がなかった]
ん、……。
そろそろ時間?
まだ、ねっむいって。
ン、でもそろそろよね、そうよね。
そいじゃ、召還の儀でもおっぱじめよっかな。
[口から滑り出るのは流暢な日本語。とはいえ何を手本にしたのか、色々と混ざっているようだった。
地下室へと降りていく。
魔法陣へと手を翳し、呪を、唱え始めた]
Anfang
告げる
告げる
[一通り肩を震わせた後、まだ口元を押さえながら向き直った。]
や、すまん。嘘。
俺は姫倉達生って言います。
[輝かんばかりの笑顔を向けて名乗ったエウロパに、笑顔で返す。それは多少、まだ笑いの混じったもの。
でも、意地の悪い種類のものではなかった。]
よろしく。エウロパさん。
[非礼も込めてか、頭を下げる。]
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ
誓いを此処に
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者
汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ
[呪の完成。それは、聖杯と陣、そして自分を繋ぐ言の葉。
魔力の奔流が沸く。
全身から、何かが抜けていくような、入っていくような感覚]
…………名乗り云々より、
その格好の方が余程非礼じゃろう。
カルナ?
はてさっぱり知らんのう。
極東のこの国では、その程度の知名度と思うておれ。
[ともあれ目の毒をどうにかするのが先決。下手に夜目が利きすぎるのも考えものだ。]
着付けは……できるわけがないか。
[一時凌ぎに与えた和装を羽織らせ、手早く着付けを手伝う。
ついでに、ぺちぺちと喚び出した存在を確かめた。]
ふーむ見た目は人間と大差ないのう。
アーチャー……弓兵じゃな。
力技のバーサーカーやセイバーよりはマシ、か。
…………名乗り云々より、
その格好の方が余程非礼じゃろう。
カルナ?
はてさっぱり知らんのう。
極東のこの国では、その程度の知名度と思うておれ。
[ともあれ目の毒をどうにかするのが先決。下手に夜目が利きすぎるのも考えものだ]
着付けは……できるわけがないか。
[一時凌ぎに与えた和装を羽織らせ、手早く着付けを手伝う。
ついでに、ぺちぺちと喚び出した存在を確かめた]
ふーむ見た目は人間と大差ないのう。
アーチャー……弓兵じゃな。
力技のバーサーカーやセイバーよりはマシ、か。
12人目、アサシン がやってきました。
アサシンは、村人 を希望しました。
[まばゆい、しかし目を灼かない、どこか優しさを思わせる新緑の輝き。その中で魔力の渦はカタチを得る。
光が薄れるころには、魔法陣の中心に人の姿があった]
…………。
[ぽつん、と。無言で佇む、小さな姿が]
13人目、滝川 志乃 がやってきました。
滝川 志乃は、占い師 を希望しました。
―東北・某所―
………ふぅ。
[分厚い本をぱたりと閉じ、天井を仰ぐ。
古い、所々が朽ち果てた土倉の中は、明り取りの窓以外にも隙間から日差しが漏れ射し、暗がりの中にいくつもの長細い光の帯を作り出していた。
埃がたまっているのか、光の帯の中で無数の細かなふわふわとした物が、ごくゆっくりと床に向かって降りて行く。]
さて、と。
少し練習、しましょうかー。
[のんびりとした口調でそう呟くと、よっこいせという掛け声と共に、座っていた椅子代わりの木箱から腰を上げる。
ぱたぱたと修道服の表面を掃ってから、壁の片隅にあるテーブルに向かって、口の中でぶつぶつと今読んだ本の言葉を反芻しながら歩いて行った。]
――……む。
[不機嫌そうに、整った眉根を寄せる。
命運を共にする主の、早々に偽りを吐いた理由を幾らか思い浮かべて。
――思い浮かばなかったので、気にしないことにした]
タツオ……ね。改めて、よろしく。
[応え、そして。静かに目を閉じて、祈りを天に捧げた]
――クロノスの御子ゼウスよ、その姫神にして戦司る眼光鋭きパラス・アテネよ。
時を越え、我が身を喚びしこの者に、願わくば、勝者の栄光を与えたまえ。
14人目、キャスター がやってきました。
キャスターは、村人 を希望しました。
[そこに生まれしものの源は何であったのか。
そこに請じたものの糧は何であったのか。
それは魂を孵化させた者だけが知る真実。
ただ、一つの現実としていえることがある]
────Glória in térra pax.
(地に栄光あれ)
[請じたものが最初に形作ったもの。
それは、一つの声であった]
[まるで、そこだけ外界から切り取られたような静かな土倉の中は、自分のお気に入りの場所である。
テーブルの上には白い布が敷かれ、そこには、銀色の皿、蝋燭、和紙と、その上に棒のようなものが置かれ、明り取りからの光を受けて、そこだけが妙に眩しい。
まるで神聖な何かのようで、思わず少しだけ厳格な気持ちになる。
和紙の上の棒――何かの柄のような――をそっと手に取り、しげしげと見つめてみる。
それは、黒い地に、キラキラと青虹色に光る何かの破片がいくつか埋め込んであり、淡い光を受けて様々な色に変化した。
おそらく、螺鈿細工。青貝螺鈿だろう。
状態から見て、相当古いものであるようだが、果たしてそれが何であるかはわからない。
片側は丸みを帯びているが、もう片側は、何かで切られたようにすとんと角ばっている。
切られた側の先に、何か付いていたのだろうか。
だが、それを知る術は無かった。]
[依頼主から、「それ」を受け取ったのは二日前。
『家の中から奇妙な物音がする』
そう言って酷く狼狽した顔で、和紙に包まれた柄のような物を手渡された。
それは古物商で数日前に購入したシロモノで、これを手に入れてからというものの、何やら不審な物音が家の中で聞こえるようになり、もしやこれは何かいわくつきの物なのではと、恐怖に脅えるようになったらしい。
(気のせいなのでは)
そう口まで出かかって、その言葉を飲み込むと、代わりに穏やかな笑みを顔に浮かべる。
なぜなら、自分は霊―そう呼ばれているもの―が、報告される多くの現象のなかで、実際に猛威をふるって害をなしている事例など、皆無に近いという事を『知っている』から。
けれど、それを言う事は出来ないし、そもそも、今の自分からするとおかしな発言になるだろう。
ふ、と笑って、胸元に下げてある十字架のペンダントに、そっと触れた。
――私は、悩める人々を救い、祈りを捧げる修道女なのだから。]
[なんにしろ、依頼をされた以上は何らかのアクションをせねばならないだろう。
まあ、適当に、依頼主の目の前でそれらしい事でもやれば良い。
プラシーボという言葉もある。
家の中の物音が、実は単なる建物の古さから来る家鳴りであったとしても、(実際、そういう事例は多いわけだが)『お払いをした。もう大丈夫。』という気持ちがあれば、もう気になるような事は無いかもしれない。
それらしい祈りを本から選んで、暗唱する。
(できるだけ、神聖なモノに見えますように―― )
柄のようなものを再び和紙の上に戻し、銀色の小皿のような燭台に蝋燭を立てて火をつける。それをふたつテーブルの上に置いた。
その間にもうひとつ、やはり銀色の小皿を置き、塩を盛る。
息を一つ吐いてから、ゆっくりと、先程覚えた言葉を唱えた。]
―天にまします我らの父よ
我らをこころみにあわせず、悪より救い出したまえ。
国とちからと栄とは、限りなく汝のものなればなり。
――アーメン
[光が納まった魔方陣の中には無言で佇む少女が一人。
思わず眼を擦った。
その姿が英雄のイメージとあまりにかけ離れていて]
えーと、君がサーヴァントだよね?
俺はオルグロス、たぶん君のマスターだと思う。
[手の甲に熱ともに刻まれた令呪、明らかな証拠である。
だけど、疑問を持ってしまった。
それはきっと目の前の少女から戦いを連想できなかったからに違いない]
[祈りの言葉と共に十字を切り、テーブルの上に置いた小瓶を手に取った。
その小瓶を軽く振ると、蓋をしていない瓶からは、透明に光を弾いて、いくつかの水滴がこぼれる。
そうして瓶の口に指を当てる。指先を濡らした。]
我は汝に言葉をかける者なり――
我はキリストの御名において命ずる、いかなる箇所に身を潜めていようとその姿をあらわし、汝が占有する領域より逃げ去るべし」
[濡れた指の先が、柄に降ろされて小さく十字を描く。]
我らは霊的な鞭と見えざる責め苦でもって、汝を追い立てる者なり。
主によって清められたるこの世界より離れることを、我は汝に求める
――離れるべし
いずこに潜みおろうと離れ、神に捧げられたる聖物をもはや求めるなかれ
父と子と精霊の御名により、聖なる大地は汝に永遠に禁じられたものとなすべし――
Fit via vi.
(道は力によって生じるもの)
[声は三つに分かれる]
Petite et accipietis.
(求めたなら得るでしょう)
[ひとつは壮年の男。
ひとつは幼き子供。
ひとつは老いた者。
それぞれが和音のように言葉を重ねて作り出す]
Pulsate et aperietur vobis
(叩けばあなたの為に開かれるでしょう)
15人目、ランサー がやってきました。
ランサーは、村人 を希望しました。
―樹那町南ブロック/望月邸離れ座敷―
……それもそうか。
[格好について あいすまぬ、ともう一度詫びた。
知名度に関しては、どうやらそのようだなと
静かに頷いたのみ。
手早く着付けられる様を
感心したように見て]
感謝する、我が主。
…これはこの極東の国の――民族衣装であろうか。
[長い、ゆったりとした袖口を指先でゆるり握り、
しげしげと眺めた。]
[―――歌が聞こえる
カタリカタリと小さく響く、声なき声のその歌は
静かに、花橘の如く…ただ静かに
常盤の山に咲き誇る
遠山の花の如きは我が心
空行く月と思い馳せ
連理の枝はまだ折れず
横雲再び紡がれる―――]
Quo fata trahunt, retrahuntque, sequamur.
(運命が運び連れ戻す刹那に、私は頭を垂れる)
[やがて声は一つにまとまり]
Si vos es meus Era.
(あなたが私の主であるのならば)
[白と赤に彩られた人影の前に現れる姿は青年。
長い衣の裾を揺らし、左の胸には右の手を重ね左の手には一冊の本。
静かに頭を垂れ膝を折って示すは従属の意思であった]
然様、弓兵だ。
[マシ、という声が聞こえれば
少々苦笑のような表情を浮かべた。]
我が父は太陽神であるが、母は人であった。
人の子で在ればこそ人と変わらぬ姿。
此度喚ばれし多くの英霊もまたそうだろう。
[袖口から手を離し、居住まいを正す。]
我が主、貴方の名前を聞いても構わないだろうか。
[祈りを捧げるエウロパをぼけーっと見つめる。]
………。
エウロパ。エウロパか。
なんでやろうなあ。
[ぶつぶつと独り言。
頼りない明かりでも、ライダーの足元の酒――今は匂いを失ってただの水だが――が反射して、輝く。
……と。]
あ。
[ぎりぎり陣から追い出されずに転がっていたコイン。
酒浸しの中転がっているそれを見つけた。]
[歌声が響く度に、光が何処からともなく
それはまるで、歌声に導かれるかの様に
緩やかに集まった光は、刹那、その姿を変える。
その様、光芒一閃
現れたのは、異形ではなく人の形
その姿は、紛れもない武士の出で立ち。
動きやすさを追求したのであろう鎧に身を包み
その腕には、6mはあろうかという長槍。]
……嬢が俺を呼んだんで?
[視線は、この部屋にいるもう一人の人物へと。]
…なるほど。
[笑い混じりにため息をつき、拾う。
コイン――そのユーロコインの表面には、確かに。
彼女らしき姿が書かれている。]
まあ、それはさておき。
……えっと。
[コインをポケットにしまいつつ。
―――色々と問うべきことを、すっぱり忘れた。]
[魔力の放出が収まるころ、奔流が収まり、そこに一人の青年の姿を見た。
右手の甲、そこに熱を持つ令呪が教える。
己が呼び出した英霊だと]
――――…。
いらっしゃい、現世へようこそ。
言う通り。アタシがあんたのマスターだよ。
で、アタシの準備のとおりなら、いいんだけど…。
[ちらり、と緋色を向けるのは陣の一角に置かれた粉末。触媒として使ったもの]
アタシはメイアル・ユーリ。
あんたの名前は?
それと、クラスは何? 本もってるってことは、一つしかなさそうだけどね。
該当クラスとしても妥当かなぁ。
………………。
[数秒、オルグロスと名乗った男を見つめた。そして一度目を伏せ、少しだけ口元をゆるめ、口を開く]
召喚いただき、まずはお礼を申し上げます。
[鈴の鳴るような声も、子供のソレ]
私の真名はハサン・サッバーハ。
アサシンの、サーバントです。
―樹那町南ブロック/望月邸離れ座敷―
……もしや慣れてきたのではあるまいな。
一応言っておくが、
全裸で表を歩いたら公然猥褻罪で逮捕されるぞ。
[そんなことで警察のお世話になってはたまらないと、神妙な顔で説いて聞かせた]
民族衣装、じゃな。もう大分廃れてしもうたが。
少々動き難かろうが、我慢して貰えるか。
丈もそれくらいで丁度よかろう。
なかなか似合うておる。
――さて。
[主の声を、振り仰いで]
ん、そうね。
堅苦しくやるのは、このくらいにしましょうか。
まずは食べて飲んでというのも、悪くはないわ。
召喚されたその時から、仄かにだけど、酒の匂いも漂っているしね。
[味わうように、見知らぬ香を含んだ空気を肺腑に満たす]
葡萄酒では、ないようだけど……ま、なんだって、いいかな。
[刹那――
柔らかな光の帯は、刺す様な確かな輝きになり、目を射抜く。
思わず目を瞑ると同時に、下腹にずきりとした痛みを感じ、上体が屈み込んだ。
勢いでテーブルに手をつくと、物が床に落ちる音がする。目を開くと、足元に先程の柄が落ちていた。
咄嗟に手を伸ばし、拾って懐に仕舞う。]
……な…
[痛みに顔を歪めながら、先程まで儀式をしていた場所を見上げる。
そこには、確かな光を遮る者――
逆光のせいか、暗闇に慣れ過ぎた目のせいか、捉えられたのは輪郭だけだったけれど。
大柄の、鎧のようなものを身に付けた――男。]
ええ、と…。
[影が口を開き、自分を呼んだのかと尋ねる。それは、 どこか時代がかった口調で――
突然の事に未だ上手く現実に戻れていない思考をなんとか引き戻し、言葉を紡ぎだそうとした。]
………よ、呼んでませんっ
儂は望月胡蝶。
まあ忍者の名など便宜上の記号でしかないが、一応な。
おぬしを召喚した魔術師であり、
絶滅危惧種のジャパニーズ・ニンジャじゃ。
平たく言うと戦闘もこなす諜報員じゃな。
ここは儂の実家の離れじゃ。工房にしておる。
ちと召喚の余波でしっちゃかめっちゃかじゃが……。
此度の聖杯戦争に巻き込まぬため、
使用人たちには暇を出して慰安旅行に行かせた故、
好きに使って貰って構わぬ。
[一頻り、自己紹介と状況説明。
帯を結び終えて口元に満足気な笑みを浮かべた。
いくら暗いとはいえ全裸をのさばらせておくわけにはいかない]
太陽神、か。儂にはちと眩し過ぎるのう。
カルナはどこの国の英霊なのじゃ?
[それだけ叫ぶと、肩で息をしながら影を困ったように見上げる。
段々と、影に色彩が着いていき、表情や格好がわかるようになってきた。
その姿は、確かに現在の物ではなく。
あきらかに、ここには存在し得ない物で――]
えっと、です、ね。
[明らかな狼狽の色を浮かべ、うーん、と腕組をしながら、自分でも考えを整理しながらゆっくりと話し出す。]
…私、貴方を呼び出すつもりは無かったんです。
というか、私がしていたのは退魔の儀式でして…
まあ、全然正式なモノじゃないんですけどねー、まねっこみたいなものでして…あ、そんな話はこっちに置いとい、て、と。
[ひょこっと荷物を横にどけるような仕草をしてから、何かに気付いたように手をぽむっと叩く。]
そう、何かの間違いってやつですね、きっと!
うっかり道を開いちゃったみたいです、ごめんなさいっ!
/*
と言うわけでハサンちゃんでーす。ヨロ!
フェイト村はハサン一度も出てないから僕がやっちゃえーって思って設定提出したんですが、なんか最終的な設定はコレってハサン? みたいな感じ!
ううむどうしようかなーと迷える子羊でござるのことよろ。*/
呼んでねぇ……って、そりゃ可笑しな話ですわ。
事実、魔力は確かに嬢から流れてやがる。
こりゃ、マスターは嬢以外に考えられねぇってもんで。
[目の前の女の様子を見て、首を捻りながら口を開く。
その間にも、相手も状況を整理できていないのか、
意味のわからない事を口走っていた。]
道を開いただけ、ねぇ。
ああ、そりゃつまり―――。
[歌が聞こえた、つまりはそういうことだ。
道を開いたのは女で、呼んだのは……違う何か。
その時、槍がぼやけ揺れ、不思議と縮む。
まるで、今この時はこの姿が正しいかと謂うかの様に。]
……―――。
―――ま、うっかりでもなんでも良いですわ。
闘う機会が与えられた……それだけって話で。
[聖杯戦争。
それが自分の呼ばれた戦の名らしい。
五十八度目の戦……いや、一度目か。
"自分の為"に戦う"戦"というのは。]
嬢、ちと悪ぃですが……暫く魔力を吸わせて貰いますわ。
これも、偶然俺を呼んじまったのが悪ぃと諦めてくんなせぇ。
[ゆるりと垂れた頭を持ち上げて術師を映すは朱の瞳。
一つ二つ、瞬きをしてから青年は口元に静かな笑みを添えた。
胸に重ねていた手は一冊の本を両手で支える]
貴方が望まれたクラスであればよいのですが。
[それから、また静かに胸に手を当てた。
表情はひどく柔和なもの。
サーヴァントと呼ぶには躊躇われるくらい。
今で言うなら───草食系男子、というやつだ]
…私は、ミラ・リキヤの大主教ニコラオス。
此度の聖杯戦争には、キャスターとして召致されました。
[そこで静かに頭を垂れ、持ち上げたあと首を傾げて尋ねる]
マスターのことは、如何様にお呼びすればよろしいのでしょう?
ブドー酒。……芋焼酎とかならあるけどなあ。
[視線を彷徨わせたが、姫倉の表情は冴えない。]
ああ。これは召喚に使った酒やから…。
飲む用やったら、今は切らしとるはず。
……そやな。街の案内がてら、買いに行ってもええけど。
どうする?
[ライダーを、上から下まで見て。]
そのままで出て行って、バレたりせえへんやろか。
ま、ますたぁ?
[聞きなれない言葉に、思わずオウム返しになる。
はて、自分は酒場でも経営していただろうか。それにしたって、呼ばれるべき肩書きは「ママ」のはずだ。
再度ずきりと痛む下腹を手で押さえて、じっと相手の目を見据えた。]
…呼んでしまった原因には、心当たりは無いわけじゃないんですが…。
ど、どうしましょう…。
[魔力が流れていると、男は言う。
つまりは、この痛みはそういうことなのだろうか。
ふぅ、と溜息を一つ吐くと、頭をぷるぷると振ってから、決心したように口を開く。]
……ええい、乗りかかった船ってやつですね。
女は度胸!私に協力出来ることがあれば、なんなりと手伝いましょう。
お任せあれ!
そしてこの世の未練を断ち切って、しっかり成仏しておくんなさい!
未練……未練ねぇ。
[自分は死ぬ時に、未練を残したのだろうか、
少なくとも、未練はなかった。
そう、思ったのは"if"
だからきっと、自分に未練はない。
そもそも此の身は既に―――― ]
別に、んなもの無ぇって話で。
成仏なんざ、遠の昔に済ませてますわ。
[そういえば、目の前の女のは格好からすれば吉利支丹だろう。
それが成仏って言葉を使うのだろうか?などと少し疑問を抱く。]
いえ、ね。 別にその船が豪華な旅船ってんなら乗っちまうのアリっちゅう話ですが。
嬢が乗るのは、血生臭い戦船ですわ。
求める者が無ェ奴が乗っていいモンじゃねぇって話の上に……
別にまぁ俺としちゃあ、俺が消えるまで嬢が生きてりゃ十分でして。
別にいいよ、礼なんてさ。
お互い目的があるんだからさ。
[ハサンと名乗った少女の言葉に絶句した。
目の前の少女が、暗殺者だなんて信じられなかった。
しゃべる声も、体系も全てがただの子供にしか見えなかったから]
[どれだけ絶句していたかは定かではない。
きっと、時間はだいぶだったのだろう。
だけど、目の前の少女は不変不動だった。
その佇まいはやはり、普通ではないのかもしれない]
ごめん、見かけで判断しちゃ駄目だよね。
暗殺者か、悪くないよ。
オッケー、効率よく殺していこうか。
[目当てのサーヴァントがいた訳じゃない。
そして、目の前のサーヴァントの強さも正確もまだわからない。
だけど少女と暗殺者、そのアンバランスさは武器になると確信できた。
だって、自分がその罠に今はまってしまったから]
未練が、無い。
[ならば何故この霊は、この世に留まっているのだろう。
そもそも、自分は何か、根本的に勘違いしているのだろうか。
柄には、何かの強い思念や霊的なものは何も感じなかった。
つまりは、そこには確かに『何も存在していなかった』のだ。
存在していない者を、柄を媒介に、―― 呼んだ?]
『私が? ――いいえ、きっと、ココ、が。』
(マスター、魔力を吸う、霊―― )
[何かが繋がりそうな気がする。
記憶の糸を必死で手繰り寄せて、しばらくしてからようやくその答えが見つかった。]
もしかして、貴方は、………英霊…?
[――『聖杯、戦争』
誰かに尋ねるでもなく、呟きのように漏れたそれは、不可思議な空間の中にすとんと落ちた。]
なんだ、気付いてなかったんで?
[少し呆れたように、小さく息を吐いた。]
確かにこの身は英霊に間違いないですわ。
んで、臨む戦場は……
―――聖杯戦争。
[短くなったとは言え、
未だ5メートル近くはあろうかという長槍を肩に担ぎ、
その男は、ニヤリと笑った。]
[目の前で笑う男に、少し決まり悪げに眼を逸らす。]
…知識としては知ってましたけど。
まさか、自分がその中に飛び込む事になるなんて、夢にも思いませんでした。
血生臭い戦舟…。
大丈夫、そういう事には慣れてますから。
[にこりと微笑むと、少しだけ首を傾げる。]
英霊さん……ええと、お名前はなんでしょう?
私は志乃、滝川志乃、と言います。
嬢って呼ばれるのは何だか性に合わないので、名前で呼んで下さいな。
[よろしくお願いします、と言って、手を差し延べた。]
―樹那町南ブロック/望月邸離れ座敷―
……慣れてなどいない 。
[心外だったようだ。
全裸で召喚されたものが云う事でもない。]
こう、ぜん、…わいせつ?
[一度では変換叶わなかったらしい。
一度繰り返してから首を横に振った。]
そのような破廉恥なことはしない。
安心なされよ。
[主の神妙な顔には頷いた。
廃れている、と云われた衣装の袖口を、もう一度握る。]
―樹那町南ブロック/望月邸離れ座敷―
モチヅキ コチョウ。
… 月―― चंद्र 《Candra》。
[異国の――彼にとっては故郷の―言葉を口にし
耳慣れぬ言葉混じる説明に耳を傾ける。]
ニンジャの、コチョウ。
……、諜報、ならば分かる。
成る程、……国が違うと随分と差異がある。
[真顔で頷く。]
使用人への気遣い……――やさしき、
正しき主であらせられる。
[柔らかに互い違いの色の眼を細める。]
[届いた名前には口元で笑みを作り]
ンー、オッケーオッケー!
いいよいいよ。
クラスなんてどうだっていいの。
ああ、正確には、呼び出したあんたがバーサーカーだったらどうしよって思ったくらいでさ。
アタシはあんたを呼び出したかった、クラスは二の次。
聖ニコラウス。
あ、トナカイ乗らないんだ? 違うな、トナカイは引くんだ。乗るのはソリだ。
乗ってたらライダーだよね。
アタシのことは何でもいいよ?
マスターって呼びたきゃそれでいい。メイアルでもユーリでも。
あんたがアタシに忠誠を誓うのなら、どの呼ばれ方でも一緒さ。
慣れてる、ね。
嬢ちゃんも魔術師って訳か、こりゃ失礼。
[クク、と苦笑すると、目の前には差し伸べられた手。
それが、握手を求めている物だと理解すれば、また笑った。
滝川と聞けば、ある人が思い出されるが……
まぁ、恐らく関係はないだろう。
もし縁の人物ならば、自分の兜……鹿の角を拵えた、を見れば少しは反応がありそうなものだ。]
ありゃ、嬢と呼ばれるのは嫌ですかい?
俺は本多平八郎……っと、今はこっちじゃなくてもいいんでしたな。
[今はなくなったらしき風習を、知識から知って頭を掻く。]
改めて、ランサーの英霊、本多忠勝。
――そんじゃま、一つ宜しく頼みますわ、志乃さん。
[長槍を虚空へと消せば、その手を取り、握った。]
―樹那町南ブロック/望月邸離れ座敷―
[一呼吸置いて]
…眩しい、だろうか。
私にはもう、かの加護は薄い。
[また少しの間眼を閉じる。]
私は――インドラプラスタの……クル族の者。
……そういって、分かるだろうか。
今、この時代では…あそこは、
我が郷里は…どうなっているのだろう。
[僅か、表情が翳った。]
本多、忠勝。
[名前を告げられて、しばし口をぽかんと開けたままになる。
それは、史実に疎い自分でも、充分に知った名だった。
確か――戦国最強の武将ではなかったか。
聖杯戦争は、英霊を召喚して戦うものだとは知っていたが、いざ自分の目の前に、歴史上名の知れた武将が立っているという事になると、中々凄まじい光景である。
急に空間を息苦しく感じた気がして、思わず喉がごくりと鳴った。]
ランサー…。ああ、なるほど。
それでその槍なのですね。
[苦笑されて、少しだけ頬を膨らませる。]
私、こう見えても一族の長なんですよ。
まあ……まだなったばかりですけど。
本多さん……ええと、それも何か他人行儀ですね。
………ただかつ、なので、たっちん、と呼んでもいいでしょうか?
へぇ、その年にして女人の身で当主ですかい?
そりゃぁ大したモンですなぁ。
[一族の長と聞けば、素直に感嘆の意を示す。
己の時代には考えられなかった事だ。
その後の、己の呼称の話しになれば、は?と思わず聞き返す。]
いや、嬢。
流石にそれは却下ですわ……。
――ん、大丈夫。バレたって、困ることはないもの。
[主の問いには、からからと笑みを浮かべて]
真名が知れて困るのは、それが弱点に繋がるからでしょう?
眼光鋭きパラス・アテネや、銀弓持つアルテミスならいざ知らず。
私、戦に出たことなんて、一度もないもの。
弱点があろうがなかろうが、今更、変わらないわ。
[それに。と、前置きして]
お酒は兎も角としても、
ヘリオスが未だ天空高くを翔けるうちに、街の様子を知っておきたいしね。
おや……目的ですか。
[目的。何気なく口にされた言葉に、目を細めた。
なんでも願いが叶う聖杯。そのデタラメな宝物を奪い合う戦争。
その知識は、喚び出された時点で頭に入っている]
差し障りなければ、聞かせていただいてもいいでしょうか。
我がマスターはどんな目的を?
―女だから、ですよ。
[相手の感嘆の声に、少しだけ複雑そうな笑みを返す。]
嬢、じゃないですって、ば。
たっちん、はダメですか?
じゃあ、…ただっちとか、かっちゃんとかどうでしょう?
[いくつか他の候補を挙げてみたものの、相手はなんとも言えない微妙な表情をしていた。]
もー…
意外とワガママなんですね。とりあえず母屋に戻りましょうか。
[言いながら、土蔵の重い扉を音を立てて押し開く。
暗がりから明るい日の光の下に出ると、眩しさから思わず目を*瞑った*]
[嬢、との呼称に反論されれば、ククと笑い。]
おっと、失礼。
どうも、こんな呼び方をするのが癖でしてね。
[なるべく気をつけますわ、と笑いを噛み殺す。]
……いやいや、嬢。
そんな可愛らしい響きは、流石に遠慮願いますわ。
[我侭と言われようが、流石にアレだ。
なんとか無難な所へ落ち着く様に説得しつつ、
促されるまま、扉の外から差し込む陽の光を肌で感じていた*]
[細めた目は、そこにある殺意を隠す。
「オッケー、効率よく殺していこうか」
そう言った彼は、気付いているだろうか。
その最初の標的が、自分になる可能性があることを。
私は目の前の男を値踏みする。
この男が、仕えるに値するかどうかを]
対した願いじゃないよ。
体が悪くてね、巧く動くようにしてもらおうかと。
[嘘をついていないが、本当でもない言葉を継げた。
眼を細めたハサンは真実に気づいただろうか?
もっとも、気づかれても対した問題ではないのだけど]
それより、ハサンとかアサシンじゃ問題だな。
なんかほかの名前なかったの? ばれにくいような奴ね。
[願いの話はそれまでと戦いへ向けた話へと切り替える。
遅かれ早かれしなくてはいけない話だから]
…。は?
[早速蔵の外へ向けて歩もうとして、立ち止まった。
すごい勢いで振り返る。大げさなほどに。
上から下まで見る。腕は白くて細い。]
戦いに出たことがないて。
………アホンダラ。
バレてもどうってことないて、んなことあるかい。
お前、そんなん襲われたらどないするつもりなんか。
俺が護ったる言うたかて、限度言うもんがあるぞ。
[だとすると推測される彼女の戦い方は一つなのだが――。]
……なあ、エウロパさん。
どうやって戦うつもりか、聞かせてくれへんかな。
委細詳しく。
[とても満面の笑顔で、問いかけた。]
私を?
[朱色の瞳が、一つ、二つと瞬いた。
クラスではなく自分を、という言葉は予想の範疇外であったからだ。
矢継ぎ早に告げられる言葉にいくらか面食らいながらも
その柔和さは保たれたまま、むしろいっそう濃くなったようにも見える]
トナカイ…ご所望であれば、折り合いがうまく付いたときにでも
お眼にかけることができればよいのですが…。
そうですね、橇に乗ることがあればきっとライダーでの召致になったでしょう。
どうやら、他の誰かがライダーのクラスで召致されているのでしょうけれど。
[微かな動作に合わせて長い衣が揺れる。
首を傾げれば癖の少ない髪も僅かに揺れた]
…アル、では少し雄々し過ぎるでしょうか。
[悩んだ挙句に作った呼称。
目の前の相手の性別は、ちょっとわからなかった]
身体を治すため、ですか。
……ああ、なるほど。確かにあなたの身体は少々、普通とは違う。
[観察し、その佇まいに違和感を感じ、すぐに答えを出した。何のことはない。彼は―――]
私の名前はハサン以外にありません。
他の名が必要なら、どうぞ名付けください。我が……主殿。
……昼間は戦いがないって、聞いてたんだけどな……。
[ぼそりと小さく呟いて、首を傾げて]
言わなかったっけ。私のクラスは、ライダーよ。
――教えてあげるわ、マスター。
[主の表情に負けぬほど、白皙の頬に笑顔を満たして]
ライダー
騎乗の英霊とは、本人が強者である必要はなく。
その手で、最強のモノを操れば良いのよ。
[――どこか遠くで、時ならぬ雷鳴が響いたような――そんな気もした]
―樹那町南ブロック/望月邸離れ座敷―
うむ、破廉恥じゃと自覚はあったのじゃな。
ならば不幸な事故、黒歴史として闇に葬るとして。
……というか何故全裸。
もしや魔力が足りぬか?
そうならば、むしろいきなり叩いた儂が詫びるべきであったのう。
すまぬ。
[日本の刑法についてこと細かに説明していたら夜が明けそうだったのでスルーした。
さすがの聖杯も六法全書まではカバーしてないか、などと考えつつ。
爪先立ちになって先ほど張ったばかりの頬を優しく一撫でした。それ以上は手が届かない]
[キャスターの方をじぃっと見て、少し見上げるように上から下へ]
目、赤い色なんだ。アタシのより少し黄色混ざってるけど。
いやぁ、別にね、トナカイに乗ってるとこが見たいわけじゃないよ。
それに、あんたがその格好で乗ってたってありがたみ薄いじゃん?
やっぱサンタさんはさ、白いお髭に赤い服じゃなくちゃ。
まあ、ソリに乗ってどんな宝具使うんだって気もするけど。
アル? アルか、アルねぇ。
名前の一部ってのはびっくりだけど、相性ならそんなもんか。
アタシの場合、どっちかで呼ばれること多かったし。
じゃあ、そうだなぁ、アタシはなんて呼べばいい?
いつまでもあんた、じゃ何だか悪い気がしてさぁ。
キャスターって呼ぶのも名前呼ぶのもNGっしょ。
主云々より、魔術師として、忍者としての気構えでもあるからのう。
『音もなく、臭いもなく、知名もなく、勇名もなし、その功天地造化の如し』
一般の者を巻き添えにするようなこと、あってはならぬ……絶対に。
[それが聖杯戦争であっても、と押し殺した声で小さな拳を握る]
儂がアサシンのクラスを望んでおったのも、それ故じゃ。
派手な戦闘狂では、手に負えぬ。
[対峙するサーヴァントはどうだろうと闇の中で瞳を眇め]
いんどらぷらすた?
よく分からぬが、インドかのう。
カレーと象とサリーの国じゃな。
気になるなら、後日調べてみればよい。
………。
[ライダーをじっと見つめる。]
本気らしいな。
[笑顔は一転して沈み、俯いて、頭を掻いて、苦笑い。]
まあ、ええわ。
ほしたら行こか。エウロパさん。
離れたあかんで。後、足元気をつけて。
まだ濡れとるから滑りやすい。
[つるっといって頭を打って、最初の脱落者に。
なんて笑えない冗談だろう。]
…そのよう、ですね。
夕焼けの色に似ていると、言われたことがあります。
[見上げる視線に朱色が瞬く。
自分の瞳の色をじっくりと見たことはなかった]
実際にはトナカイに触れたこともなければ橇に乗ったこともありませんが…
赤い服がお好みですか?頂ければ着替えますけれども。
[軽く手を持ち上げれば袖が僅かな動きに揺れる。
そもそも今は爪先立って見えていない]
お気に召さないようでしたら、何か別の呼び名を考えます。
ですが、本名が知られてしまって問題があるのは術師もサーヴァントも同じかと。
なので…
[続けようとした唇が止まる。
提案に驚いたという風体だった]
私、ですか?……あまり、ぱっと思いつくようなものは…。
[体の異常はすぐにばれたらしい。
まともな部分の方が少ないのだからしょうがない。
それに洞察力は悪くないのも確認できて何よりだ]
まいったな、名前はないのか。
俺は名前付けるのとか苦手なんだよなぁ。
うーん、じゃマスターとして命令しようかな。
自分の名前を考えてもらう。
[なんかいい名前がひらめかなかった。
だから、無茶振りをしてみた。
性格の判断にもなるだろうし]
―樹那町南ブロック/望月邸離れ座敷―
…それは、流石に。
主、それも女性の前にて申し訳なく。
[酷い黒歴史ができてしまった。
これも呪いだろうか。
何かと不幸が付き纏う、
この「マハーバーラタ」の英雄は。]
……否。私は生来…
黄金の鎧を纏っていたのだ。
生まれたときから、身体と一体であった。
我が父、太陽神《Surya》の加護であったのだが…
水浴びの際…雷霆神インドラに捧げよと望まれ、
この身より刃をもちて引き剥がした。
その時の、名残だろうかと――
[其処まで云って、頬を撫でる手にひとつ、瞬きをした。
それから、気になさるな、と表情を緩め
今は和服の下、隠れた傷を布の上から手を添えた。]
…この身、深き呪いに蝕まれている。
不運も私には数多いがそれは私だけのものである。
――貴方が気に病むことはないのだ。我が主、コチョウ。
[それから。
幼くもみえる主が語るニンジャとしての在り様を耳にする。]
――…険しき道であるな。
……成る程、アサシンの英霊を望まれるわけだ。
その信条に…私も深く同意する。
戦いは、…夜を駆けるべきである。
日の下で暮らすものには、平穏な日々を。
[金の眸は太陽の光宿し、胡蝶の柘榴石の双眸を捉える。]
……インド。
……嗚呼、…恐らくは、其処であろうかと。
[頷き。調べても見ようと答え。]
とりあえず、これから此処に…世話になるなれば
まず、この惨状を、片付けてもかまわないだろうか?
[マハーバーラタの英雄は――几帳面だった。]
……む。信じてないの?
言っておくけど、私の宝具は――、
[言いかけて。既に屋外へ出ようかという主の背へ、溜息を]
……ま、いいわ。
あとで、後悔させてやるんだから。
[呟いて。言われたとおりに、濡れた床には注意を払って、そろりと抜けて]
……じゃあ。
案内、お願いするわね、タツオ――それとも、マスターのほうがいい?
夕焼け?
ああ、そんな色してる。
空の色ってさ、色んなとこで見たけど、アタシはこの日本の色が好き。
[着替えようかといわれると、大げさに手を振った]
いいのいいの。
アタシは別にその格好に拘ってるわけじゃないからさ。
[名前のことにも同じように手を横に振る]
あはは、だいじょーぶだよ。
アタシの名前なんてそんな大層なものじゃないしさ。
家名ならわかるかも知んないけどー。それは名乗らないから。
…悩むなら勝手に呼ぼうか。
えっとー。
[暫し考える素振り]
命令、ですか。
[眉根を寄せる。不可解な主を見据える。
生前、そんな命令を下されたことは一度も無かった]
ならばそうですね。私の名はファフ。そうお呼びください。
[しかし、その名はするりと出てくる。
そう名乗ると、決まっていたかのように]
…なんだか、私にはもったいないような表現のような気もするのです。
[日本の空の色、といわれてもまだぴんとはこない。
見てみたいとは思うのか、少し興味がありそうな顔をした]
そう仰るのであれば、そのように。
[一つうなずいて見せたあと、主同様に考えるような素振り。
それから少し考えるような間が空いて]
……。
───EΛATO。
[小さく一つの単語を上げた]
すいませんでした。
前のキャスターですこんばんは。
皆さん注意書きは読みましたか?
ありがとうございます。(ぺこり
今回、サブGMとして参加をしています。
よろしくねっ
[ハサン、いやファフの表情がなんだか面白かった。
不可解ながらもしょうがなく従う、そんな様子が見て取れて]
失礼失礼。
でも、あるじゃん名前。
[思わず笑いそうになったことについては即座に謝罪した]
さて、そろそろ出かけようか。
戦場視察が必要っしょ。
[暗殺者ならば暗殺を実行するための下見は必須に違いない。
だったら、早いうちにポイントを決めてしまった方がいいだろう]
期待しとくわ。
[笑う。大げさなものではなくて、ささやかな笑い。]
お好きなようにお呼び下さい、姐さん。
……あ。これから外では姐さんて呼ぶから。宜しく。
その都度、適当に呼び名が増えるかもしれんけど…。
[蔵から外へ出る扉を両手で押して開いた。
いきなりの眩しさに、手をかざす。
誰もいない庭。陽を差された土と、池から漂う水の匂い。
ししおどしが、気味の良い音を立てて鳴った。]
あと、そう。
姐さんに一つ魔術教えとくわ。
困ったら使い。
[周りを見渡して、誰もいないように見える物陰を見て。
向き直り、ちょいちょい、と手招きをする。]
[以前、一度だけそう名乗った。
いや、そういう偽名を貰った。
無数に偽名を名乗ったけれど、
二度同じモノを使うのは初めて。
それは認めがたいが、
ただの気まぐれで思いついたに違いないものでも。
与えてくれた相手が特別であったからだろう]
あ、いえね。
「前の」と言っても、Fate村4の、とか、そういう意味ではないんですよ。この村の舞台となる聖杯戦争の前に起こった聖杯戦争…冒頭でうちのマスターと「前の」セイバーが戦っていた、あの時の聖杯戦争でキャスターだった、って意味なんです。
懐かしいなあ。ふふ。
僕はFate村4には参加していません。
3にもほぼ参加していませんでした。
だから今回は、新鮮な気持ちです。
よろしくねっ
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