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怪人 ケイオス は、道楽者 サンディー を占った。
次の日の朝、自警団長 ヘクター が無残な姿で発見された。
……そして、その日、村には新たなルールが付け加えられた。
見分けの付かない人狼を排するため、1日1人ずつ疑わしい者を処刑する。誰を処刑するかは全員の投票によって決める……
無辜の者も犠牲になるが、やむを得ない……
そして、人間と人狼の暗く静かな戦いが始まった。
現在の生存者は、旅芸人 スザンナ、御令嬢 ヴィヴィアン、謎の男 グリフィス、道楽者 サンディー、怪人 ケイオス、漁師 ニール、娼婦 マグダリン、行き倒れ メルヴィンの8名。
別に、暇潰しにキミともっともっと遊んであげても
いいんだけど………ねえ?
[Sandyの方をちらりと見やる。]
ここにはちょおっと厄介なコがいるんだよねえ。
うん。あんまし派手なことし過ぎるとウゴカナクなっちゃうし。
[黄色い双眸が覗き込んでいた]
[模擬感情なのか否なのかは分からないが、憎しみに似る感情を湛えて]
アァ――厄介?
――どこかで聞いたような――気もするが……なァ!
そらよォ!!!!
[繰り出した蹴りは、途中でザックリと鎌状に]
[スザンナの刃は、グリフィスの腕を硬質の音を響かせて弾き飛ばした]
怪人 ケイオスが「時間を進める」を選択しました
ひまつぶし……なぬうううううっ!?
[薔薇の鞭をピンと伸ばし、その先を向かいのビルのアンテナへと絡ませる。]
あーああーーーーーっ!
[びゅおう!と大きく風を切り、ターザンロープの要領で鞭にぶら下がり、ダンスフロアから逃げようと試みた。]
うへっ。
[規則的にポインターの上を駆ける足取りはダンスよりも見よう見まねの格闘技用。
睡蓮、ポインター、ネオンに蜂、砕けたクラスタの欠片。砕かれた猟犬はもう手元に無い。]
目が回る。
ウゴカナクなってくれたら、俺は嬉しい。
その頃――”Mellow Mute”への移転を試みた者が皆一様に、当該サーバへのaccessが不可能になるという事態が発生した。沈黙領域はただひたすらに沈黙するのみ、ただし以前までとは意味合いが異なる沈黙。その内に繋いで居た者達はどうなったか、幾度問い正しても答えは返らない。
_SERVER:M2 Service Temporarily Unavailable
ぷんすか!!
[向かいのビルの屋上で、Magdaleneはエナメルレッドのヒールで地団駄を踏んでいる。]
仮面の男、ムカツク!!!
とりあえず、その求愛……ことわるっ!!!
[腕をブンブン振って、自信たっぷりに断った。]
第一だ………私が本当に欲しいのはそれなんだよ。
そんなヤツを’たらし’込めると本気で
思っていたのか?
[スピーカーから、音楽とともに嘲笑の篭った爆音。]
ばぁぁか!
天才には天才に相応しい相手に、求愛するさ?
……あのコのようにねえ。
[Sandyを示しつつ。]
だぁれが、デブ蜂なんて!クスクスクス…。
謎の男 グリフィスは、御令嬢 ヴィヴィアン を投票先に選びました。
[放たれた蹴りは跳躍によって回避]
[三日月への侵食は60%に近くなり]
──ちっ。
[舌打ち。刃を投げ捨て拳を握る]
[鎌を一時的な足がかりにGriffithへ迫り]
Winter is here
I'm still waiting there ... !
[その顔面へと拳を繰り出す]
ばーか!ばーか!!
[地団駄を踏み飽きた頃、Magdaleneは何かを思い出す。]
あっ!わすれてた!!
「たたかいのもと」をさがさなくちゃいけないんだった!
……それとも……あまぁい天日干しだっけ??
[首を傾げている。]
[掌から布が広がりトランポリン。
それでも流れる矢印は
随分衝撃的な模様]
んぅ。
[ふるふる、首を振り。
VivienneはAquamarineの花の真ん中。
花びらはきらきら透けて消えて行く。
起き上がれば矢印の上
とんとん、ステップ踏み始め]
なあに、これは。
どうしたの。
[裂けたドレス、摘んで踏まないように。]
――誰だ?
[雀蜂に襲われながら、掴んだ拳へ向けて重いAttackが仕掛けられた。五指が鎌のように、スザンナの拳に抉り込むように突き刺さっていこうと]
娼婦 マグダリンは、怪人 ケイオス を投票先に選びました。
……馬鹿って言う奴が馬鹿なのさ!
[腰に手をあて両足を(二つのポインタを跨ぐかたちで)開いて立ち、ケイオスを指差した。すぐに流された。
電脳内では、既にPGMのコピーを開始して。]
つまり君が一番の馬鹿であっちの蜂が二番。
──Susanna.
[Griffithの問いに答えると同時]
[拳を介し重い圧力]
────ァッ
[呼気][意味の無い筈の]
[右の拳が抉られる]
[ピアスがゆらり展開揺れて]
[仮面へ向け襲い掛かる]
[銀色の弾幕]
[Buzzzzzz..........]
[羽を広げて、虚空を舞う。]
……もしかして、「たたかいのもと」って、コレ?
たたかってる……んだよね、コレ。どう見ても。
たたかいのもと……こわさな……
[Magdaleの瞳孔がゆっくりと開きかけたところで、青い髪の男の言葉が耳に入った。]
ぬぅ……バカじゃないもんっ!
[瞳孔は元に戻ったようだ。]
IndeRisealでは、エキシビジョンや掲示板がこぞってM2の異変について報じていた。幾つもの情報が混ざり合って、やがて意味を為さない喧噪に成り果ててゆく。
そのサーバを好む人々は蟻のようにNEWSに群がり、我こそ委細を暴いてやろうとM2へあらゆる手段での接触を試みた。その結果彼らが得たのは、M2に異変の起こる以前の僅かなlog。M2は破壊された訳では無い。ただ「ダウン」しただけのようだという推論が出されたが、”落ち”たサーバはNET上には存在しない存在になる。存在しない存在を捉えることが出来るのかという議論に終止符が打たれなかったので、事実は確認されなかった。やがて、それらの情報はIndeRisealから全体へと拡大し始めた。
…何かキミは、子供というか何というか。
[ふつふつふつふつ]
しかしながら、天才に向かって馬鹿とはねえ。
身の程知らずにはオシオキ…といこうか。
そこのお嬢さん、巻き添え食らったら笑って許して。
[Ay ee ay ee ay
I'm Your little butterfly.
Green, black and blue
Make the colors in the sky.
右のスピーカーから新たな音楽。
左は依然としてCaptain Jack CENTERFOLD]
Upswing Mixだよ?食らえッ!
[以前の”蝶”が、REMIXされ空に舞う。]
[目の前に現れた蝶。
高く空を舞い、その矢印をかわしてみせる。]
子どもでも馬鹿でもないもんっ!
天才って、人に言われるから天才なんだようっ!!
[薔薇の鞭を振り回し、蝶を捕らえて地上へとはたき落とす。]
[I've been searching for a man.
All across Japan.
Just to find, to find my samurai.
Someone who is strong but still a little shy.
Yes I need, I need my samurai.
重々しいスピーカーを揺らし、自らも踊る。]
フハーハッハッハッハッハッハ!!
私は天才!不滅!!不滅の天才!!
私は私…だ、っ!
『アンタに答える義務なんかないわよっ!!』
[表情が歪む]
[右手は既にその形を変えNoiseが走る]
[狭い範囲に展開された無数の雀蜂が爆裂]
[男のAvatarを形成するclusterを破壊]
[針の弾幕が男を吹き飛ばす]
アァァァァアァアッ!!
[悲鳴]
[右の手首から先が、消失]
[歪んだ拳は男の手中]
莫迦?
[小首を傾げて踊るように矢印を踏む。
重力など無いように。
蝶と蜂とが舞っている。]
笑って許す?
ああ、皆Ticketを持っているのね。
そうなのね。
[ほころぶ唇、ふふと笑み]
あの蜜蜂、なんだかかわいい。
言い返されてすぐキレるようじゃ、子供(ガキ)だね。
[大した時間稼ぎにならなかった、と秘かに溜息を吐いた。新たな光彩。彩りは更にパターンを複雑化させて踊る。踊っているのは自分/蝶々/色/景色。
FIELD/o 外側へ向け、自分の前へドーム型に展開。ポインター達が当たっては弾けて勢いのまま後ろへ流れて行く。FIELDは次々削られて、剥離した欠片が蝶と共に流れて行く。
タスクの切り替え。Tindalosの新たなコピー作成を諦めた。]
踊ってやろうじゃない……。
サムラーイ?
そんなの、幻覚だよね?
あっ……そうだ♪
仮面の人にはぎゅーっと反省してもらおっと♪
[薔薇の鞭を両手に持ち、慣れてきたのかエナメルヒールで矢印を背負った蝶をポンポンと軽快に踏んでみせる。]
薔薇の園にご招待してあげるね。
"Have a Good Trip...."
[強烈に甘い香を放つ薔薇を掌に乗せ、仮面の男に向かって薔薇の花を吹き飛ばした。]
[Ay ee ay ee ay,
I'm Your little butterfly.
Green, black and blue,
Make the colors in the sky.]
Wo!!
[気持ち良く踊っているところに、薔薇の花。
首を振った勢いで、仮面にコツンと当たる。]
あっ!?!?!?!?
[仮面が落ちる。その中には、スピーカーと小型カメラが2つ。
どうやら、正体は人間型アバターではないらしい。]
見たねッ!!
[急いで仮面を装着し、”蝶”の難易度を上げる。]
[そと耳を押さえて]
大きい音。
すごい音。
貴方は音を使うのね?
踊るわ、素敵ね。これはDanceStage?
まるで花畑。
[楽しそうに楽しそうに笑うと、
くるりとターン、
さて視界には蝶と鴉と蜂と矢印。]
………うん。見た。
[真顔でコクリと頷いた。]
っていうか、何そのか……うわあああっ!!
[スピーカーに気を取られているうちに、目の前の蝶の数が増えていたことに対して反撃が遅れた。]
何これっ!
蝶々多過ぎるって!
生態系崩れるからっ!
[慌てて鞭ではたき落とす。]
……roBot?
or a Peeping Tom?
[仮面の下に在ったのは――思う間も無くばりばりと、FIELDの千切れる音がリズムを添える。当たって落ちた薔薇の花はstepの下を流れ去る。Vivienneを振り返って]
……薔薇はお嬢さんへ。
[Sandyは一度Chaosと対峙している。
”正体”を知られたからには、「手応えのある部分」を
見出された可能性もある。スピーカーの音が僅かに震える。]
[四方をSandyが取り囲む。]
キ、キサマ………増えるのか!?
[本人は気づかない。何かが現実と違うことに。
まるで悪い夢でも見ているかのような。]
アアアアアアアアア!?!?!?!?
[沢山の猟犬。飛び掛る。狙いはChaosの体
―に見える部分ではなく]
来るな来るな来るな!!
畜生!!貴様ら次は、”金色の空”へと招待してやるからなッ!!!
[逃げるように転移。しかし、その間もChaosは
悪夢に*苦しんでいる*だろう。
蝶と足場は、残響に乗ってしばらく続いたがやがて。]
― anti Paulo ―
ガッ―――ハァ…!!!
[紅い絨毯を滑り
天井に堕ちる
細まる尖塔
滑り落ち
硝子音]
[天井/床に叩きつけられて]
[動かない]
[右の胸には幾つもの穴が空き]
[白銀/灰の髪が乱れて散らばっている]
[スザンナの手は、意味ない文字列へと拡散を]
………むぅ。
どうやら"Bad Trip"だったようで……お気の毒様。
ま、いっか。
なんだか踊り過ぎて疲れちゃった。
少し休んでから、また次の「きらきら星」を捜しにいこうっと。
まったねー。ばいばい!
[そう言うと、眼下に映る2人に手を振った。]
[薔薇に包まれ――*転移*]
[Sandyを見て、小首を傾げる。
流れてくる薔薇もリズムに乗って。
そっとソレを拾い上げ]
ありがとう、白鴉――Sandy.
[Chaosはもう仮面をつけてしまっていた。
DumDumDrum、律動を刻んで空気を振るわせる]
蝶だわ。
[群れて極彩色。
Vivienneは本当に楽しそうに見上げた。]
[右腕を押さえ、吹き飛ぶ男を見る]
[荒い息を吐き]
[男は動かない]
────DEMILUNE...
『駄目ね。侵食の度が深すぎる。
一度分解して組み立てないと使い物にならないわ』
止めを。
『決定打がないの。こちらの損傷も酷いわ。
もしここでまた攻撃を受けたりしたらどうなるか』
────。
[口を噤み、雀蜂を呼ぶ]
[無数に無数に無数に]
[針が展開]
[螺旋を描き]
[羽音が回廊に響き渡り]
[動かない男へ向けて飛翔]
[ポータルが開く]
『戦略的撤退ってやつよ』
[雀蜂の行く末は見届けず、転移]
─ anti Paulo → IndeRiseal ─
[音楽に混じった悲鳴。狂ったように難易度の上がった蝶々達の乱舞に阻まれて、いまはもうChaosが何をしているのかが全く掴めない、誰のPGMが何をした?]
どう致しまして、Vivienne。
[Vivienneが楽しげに見上げる蝶にFIELDが完全に破壊される。回避しきれなかったポインターがSandyの肩口を抉って飛び去った。やがて、蝶が消えた頃には既にChaosの姿は無く、Sandyは微かに呟く]
what did he he see in his…… his CAMERA……?
――…せ。
殺せ。
[切り開かれた胸と雀蜂による損傷――Virusの根が幾らか破壊されたようでは――ある][が]
[破壊され、右目が完全に顕になった硬質のマスク]
[――Flash Back]
蜜蜂が行ってしまう。
またね。
機械の貴方も何処かへ行くの?
今度また踊ってね。
[瞳は映す、数多の色を。
ちかちか、奔る、情報の煌き
片手に薔薇。
取り残された花びらが暮れる街に散る。]
─ IndeRiseal ─
[転移した先は店舗ひしめく裏通り]
[雑踏の音が聴覚に雪崩れ込む]
──はっ……。
[右手の先はNoiseに揺らぐ]
修復を──。
[猫のAvatar──何かのPGMだろうか?─がTrushBoxの上にちょこんと居座る]
[その隣、わずかな段差に腰を下ろし]
『Recovery開始。まずは右手の再構成から』
[TrushBoxに詰ったジャンクデータをclusterに分解]
[分解したclusterをAvatarに吸収]
[右手首から先に、蛍光色のワイヤフレームが構成され]
[Modeling]
『完全修復はちょっと無理ね。見た目の問題だけだけど』
そうか。
『DEMILUNEは……ちょっと時間がかかりそうね。
ここじゃあDATAも足りないわ』
──Morgan?
『そうね。そうした方が良いと思うわ』
[よろよろと立ち上がり、裏通りを更に奥へと]
[低空衛星の回線を経由し、幾つもの神の手たる軍事施設の回線を経由――目標を捕捉、接触、セカンドタイムは膨大な時間に][――の][――の][を][――の中][――や][め][複数の][][反]
ろォォォォォ!!!
[雀蜂が襲い来る直前に、転移――]
[蝶、単体で見ればpointerに穿たれた部分を掌で押さえて、Vivienneから距離を取る。アバターの傷口からは幾らかdataが流出し続け]
残念だけど俺も行くよ。
まだ小さい傷で済んでいるうちに。
君がお仕置きをくれたから、すっかり無防備だ。
[『……dmage. no PGM for Recovery. please choose the PGM』]
[Virusに侵食され、右腕はJunkDataと化した]
[地面に落ち、ぼこぼこと泡立つ]
[グリフィスはその場を後にし、探査結果に従って歩みを進める]
[Sandyから流れるDataを眼で追う。
さらさら。
端から光って淡く積もる]
そう、残念。
また遊びましょうね。
遊戯は始まったばかりなのだもの。
[微笑む。
後ろで手を組んで、小首を傾げた。]
でも、わたしの眼はあげない。
[薄暗い裏通りを奥へ奥へと進む]
I stand at your gate and the song that I sing is of moonlight
I stand and I wait for the touch of your hand in the June night
The roses are sighing a Moonlight Serenade.
[MOONLIGHT SERENADE]
[近づく気配に背後を意識し]
『……しつこいわね』
[SANNAの声]
[右折・右折・左折・直進]
……追い打ちをかけないんだね。
予言しよう、いやするまでも無いか、君は”生き残れない”。
だからソレはそのうち俺が貰うよ。
[白い鴉は*飛び立った。*]
[ちらりと見上げた電光掲示板にMellow MuteのダウンのNEWS]
[サーバの消失]
[足を止めNEWSに見入る]
『どういうことかしら』
[呟き]
[飛び立つ白鴉、見上げて微笑む]
だって壊れたら遊んでくれないでしょう。
うん、そうかもね。
それでもわたしは構わないの。
だってそういう存在だから。
駄目よ、あげない。
Melvinと約束があるもの。
駄目よ。
[布もまた体の一部、
引き裂かれても痛みは無い。
だって最初から持っていないから。
ぼろぼろになってもきっとずっと少女は*笑っている*]
『都合が良いのか悪いのかわからないわね』
["風"が起こる]
[堆積するclusterを巻き上げ]
[前髪が風に流され、夜闇に紅眼]
御令嬢 ヴィヴィアンが「時間を進める」を選択しました
知ってても―― 「教える訳ァねェだろ、馬ァ鹿!」
[黄色い右眼を細めて]
[マスクの奥の黄色い左眼を見開いて]
ア、ハ、ハ、ハ、ハ!
――ボロボロのAIは、屑らしく、――崩壊しなァ!
[疾走]
[――ギャンと、鎌がせり出し――]
お前の方がぼろぼろに見えるが。
[バックステップ]
[CALL:Hornet-Sting]
『ここはあまり派手に破壊しないほうが良いわ。
住人を怒らせると面倒よ』
[数を絞った雀蜂が彼女を護るように展開]
【Inc.】の――AI――が…世界の秘密を得ようなんて、万年……早ェんだよ、馬ァ鹿…が。
誰も――識れる訳が――…クク、ハハハ、ハ。
Cats Child――?
[停止直前に*呪いの言葉を*]
[PGM NAME:noname]
[稼働するためにメモリの大部分を使用していたPGMを、ようやっと終了させる事が出来た。何しろ容量の非常に大きなfileだから、終了するだけでも一苦労である。
今頃はIndeRisealあたりで、M2のダウンした原因を必至で解析しようとしている事だろう。
PGMの名前はまだ無い。Sandyがそれを見付けたとき、PGMは名付けられて居なかった。一度も使用されて居なかったのか、試用したは良いが名を消されたのかは判らなかった。名が無くてはPGMを呼び出す事も実行する事も出来ない。だからただno nameとラベルを付けた。]
[誰が何のために製作したのかは皆目分からない。]
[targetをサーバとするAttackPGM。”サーバを落とすだけ”という効果はAttackというにはささやかすぎるようだが。]
……ねえ、M2停止の噂は聞いた?
実はアレはね……こないだ私が拾ったPGMが……
ねえ、生きてる?
[停止・倒れる男を困惑の表情で見下ろし]
【Inc.】──?
『対象の中に【Inc.】も含まれているけれど』
お前は何を知っている?
お前は私を何だと。
猫の子供と。
『Masterに因縁でもあるのかしら』
「本来であれば」、これは破壊対象。
『だけど少し事情が変わってきたわ』
尋問の必要を。
『聞き出せるとも限らないけど』
…………。
[針が展開。男を囲み]
[数ドットの浮き][引きずるように]
――だ、ま、れ、よ…。
俺はもう”死にそう”なんだ。
M―2―沈黙空間――か――。
[スザンナとの遭遇前に届いた声に、そう返し――]
─ IndeRiseal / JunkShop ─
[店の奥に一人の老人]
[目深に被ったフードの奥から通りを見据え]
Dr.Morgan...
[神妙な態度で店内へ入る]
[老人はにたりと笑い客人を迎え]
DEMILUNEの修復を頼めるだろうか?
『あと、この拾い物もお願い。
気が付いたら暴れると思うからふんじばった方が良いわ』
[老人にORDERを告げると、彼女は店の片隅に蹲る]
[目を閉じ、メモリの負担を軽減]
[静かに、*修復が開始される*]
知ってるような口振りじゃない。
一体何なの、これ。いや、何っていうのは判ってるのかな。何故知っているようなの。
[DUSK CITYで様々な戦闘が、激しく行われるより少し以前の会話。]
俺――が知る訳がねェだろ―。
言葉と意味と単語と、何が必要で必要ではなく、優先順位すらも区分が出来ねェってェのによ。「それが何か」について、単語を導き出せるかすら危ういぜェ――ケハハハハ!
……期待したのが間違いだったね。
試しに使ってみたけそちゃんと”落ちた”んだよねー…座標呼び出してみたけど反応無いし。
死にかけのところ悪いんだけどさ、重いから半分持ってよ。
[スザンナとの接触で、稼動の限界が来た。
全てのPGMは停止――スザンナによって、Dr.モーガンの場に運ばれ――数刻の後、自己修復PGMにより、停止から休止へと移行]
[ノイズが消えて――Sandy自身、そんな事を意識上で認識している余裕は無かったのだが。vivienneから離れて、再びCALL]
まだくたばって無いの。
暫く共有しといてよ。っていうか、少しメモリを貸してよ。もっと使ってみようにも、戦闘中にこんなん動かしたら全部止まっちゃうからさ。
[さて受け取れる状態か、と思案して、送信を躊躇ったままで居る]
――…フラスコ 金 銀 の 父 母 の 夢の中
這いいずる――…
[制御の崩壊]
――ァ?
―――――ア…何だ、お前こそ――未だ――。
Virusと、あの忌々しいAIに俺(Attack PGM部)を削られて――ケッ――停止―寸前――だ―ゼ。
……何だ。しぶといね。
[ぞんざいにアーカイブを送信。解凍すれば、名前のないPGMを使用する際に回線を通じて、容量の共有の強要。]
再生用の、ちゃんと機能してる?
アレを君にあげちゃった所為で私はあれ以来、自分の分を作るのも持ってくるのも忘れちゃったまんまで、殆ど再生効かないんだから……。
何だ――俺に――Attackを――せずに――か?
[崩壊した身体に無理矢理アーカイブが押し込まれるのを認識]
[身体が本来の動きとは別の動きとならん事を――]
ガ――
[解凍と同時に――PGMが組み込まれていく]
もう……拾いたいから拾って、拾った物が壊れてちゃ仕方ないからってPGMをあげたのに、あげたんだからちゃんと活用してよって事。取り返したいとは別に思わない。
しかし……そんだけ毒突くんだったら、いま送ったのだって拒絶して棄てるくらいの反抗をすれば良いのに、何故そうしないのかな。
ticketの所有者にATTACKを。
その為に必要では無さそうな事でもするGriffithが。
commandを受けた訳でも無いのに……どんどんズレていく。
そもそも、目的だけを目指すのならいまのデータ共有だって多分受け入れるべきでは無いし、”ticketの所有者”である私とこうして話す必要すら無いよ。
……違う?
投票を委任します。
謎の男 グリフィスは、道楽者 サンディー に投票を委任しました。
――お前は、製作者――の――
[サンディと対した時のように、混乱は起こらない。
液体めいたPGMに触れた時のそれは、情報の読み取りを阻害させるための撹乱]
行き倒れ メルヴィンが「時間を進める」を選択しました
娼婦 マグダリンが「時間を進める」を選択しました
旅芸人 スザンナが「時間を進める」を選択しました
─ Dusk City → IndeRiseal ─
[TrushBoxが並ぶ場所に、薄紅色の薔薇の花が咲く。
──ゴミ溜めに、薔薇の花を。]
ぷふぁ…のうわぁぁぁぁぁっ!
[Telegraph Poleに絡めた薔薇の蔓──その先に咲く薔薇の花。Magdaleneを抱えた花は、彼女の重さでバランスを崩して不意に下を向いたらしく、Magdaleneは羽を広げる暇も与えられないまま、TrushBox群へと真っ逆さまに落ちてゆく。]
────ガラガラガッシャーーーン………
あいたたたぁ……
[その音に驚いた猫のAvatarが、慌ててその場から逃げ出した。]
[なんとか起きあがり、地べたに座る。
視界をふさぐのは、頭からかぶったTrushBox。
ブンブンと首を振り、しばし暗闇と格闘。]
ぬぅ……転移に失敗したのかな……?
天球のキラキラ星が通った跡が見えたから、ここに合わせて来たのに……!
[Telegraph Poleに蔓を巻いて咲き誇る薔薇の花と同じ、薄紅色のチュニックワンピースを真っ黒に汚したMagdaleneは、TrushBoxを被ったまま腕組みをして考え込む。]
─ IndeRiseal / JunkShop ─
[かろうじて自己修復PGMが作動はしているようだが、行動全般が「イカれている」][何処からかのData Linkを通じて、展開されたPGMにうめきを上げる][透明な鎖がガッチリと満身創痍な身体を拘束しているようだ][右腕はない][右胸は雀蜂により、幾つも穴が空いている][足はガタガタだ][Attackの作動もままならない]
[左眼だけを覆った硬質なマスク][ギロリと黄色い両眼を、老人に向ける]
Error-Searchhg....Please Wait....
eye-camera : 0 errors
skin-feeling sensor : 0 errors
...........
...........
0 Errors are found.
--------------------------------
あれ?内部は"0 Errors"?むぅ……おかしいなぁ……。じゃあ、外部Error?それとも、Rose:Mary_Magdaleneの転送Error?
[不意に腕をぶんぶん振る。顔に近いらしい場所で、何かがこつんとぶつかった。]
Error Found....
[頭から被ったTrushBoxを両手で取り去り、ブルブルと首を左右に振る。Junk品にもならないTrushが、Magdaleneの髪から勢い良く振り落とされた。]
[気を取り直し、羽を広げてBuzzing。
ticketから伸びる光。天球きらきら。]
……この近くにも星が2つ。
近いよね。きっと。
行ってみようっと。
― → Junk Shop―
― Own moun ―
[お菓子の家に腰掛けて、
破けたドレスに手を当てる。
少しずつのRecovery、彼女の横には天球儀]
動かなくなるくらい
はじけて遊べたら楽しいわ。
[歌うようにつぶやいた。]
やっぱりそれくらいシないと駄目かしら。
先に壊れてしまうかしら。
もっといろんなものを見ないといけないわ。
[ぱちぱち、瞬き自分の瞼に手を当てて]
― IndeRiseal / JunkShop ―
[JunkShopの軒先。
道すがら聞いたServer Errorの話や、壁に書かれた数字の意味に小首を傾げつつ、天球の指し示す星を目指して店の中を覗く。]
……きらきら星が2つ。
どこ?だれ?
「たたかいのもと」知ってるかな?
あ。Susannaさん!
[店の奥にいるSusannaに向かって手を振った。]
きらきら星のひとつはSusannaさんだったんだ♪
[そう言うと、JunkShopに入ってゆく。]
ん……?もう1つのきらきら星は……そこのヒト?
[仮面を被った男―AI―を、じぃっと観察するように見つめる。]
―IndeRiseal / JunkShop―
クフゥ……クフゥ……。
[スピーカーから怒りの声]
見つけたぞ、太り過ぎの蜂サンよぉ。
よくもこの天才に恥をかかせてくれたねッ!!
[スピーカーが展開。
音楽が流れ始める。宙を舞う矢印の出現。
中空がまるで”金色の空”]
──IndeRiseal──
[バネの無い戦車は、薄汚れ暗灰色になった細いビルの壁面に着地した様だった。ちょうど、simpletextの電光掲示板があるビルの裏隣。狭い割にやたらに高さだけがある。]
[口を開かず、ただ響く「声」に僅かに頷き]
では──、お前の知っている事を教えてもらおうか?
お前と、【Inc.】のつながり。
"猫"とのつながり。
そして"S2"とお前のつながりを。
[言い終えると同時、DanceMusicの爆音]
[眉を顰める]
……どしたの?Susannaさん……
[羽がピクリ、空気の揺れを認識。
Magdaleneは慌てて外に出る。]
loud speaker....!!
ごめんね、Susanneさん!
話はまた後で!
[JunkShopの外に飛び出る。
目の前には、金色の空――]
[雀蜂をCALL。無数の雀蜂はまるで小さな霧]
『うるっさいわねぇ…!』
[一喝と共に霧が蠢く]
[音源へ向け、一直線]
[同時、Magdaleneが店外へ]
ハ!
――知るか、屑AI――。
[爆音][矢印の出現][動けない身に何をかわす事が出来る?]
ハハハハ…
[無味に声をあげる]
[駆けてゆくマグダレンに眼をやることもなく]
今の私には、見境なんてつかないよぉ?
[”金色の空”のように埋め尽くす矢印は
JunkShopの入り口に向かっていく。]
中にいる人、誰だか興味もないが巻き込んだらごめんね。
悪いのはそこのおバカな蜂だからねっ。
[イントロに乗って踊る。]
フハハハハハハ!!!
[Welcome to the wonderland, a place for you and me.]
[鞭]
[戦車はビル壁面を落ちながら──!]
よし、いいぜ!
ビル間の溝に落ちるより、窓を突き破れッ!
[戦車はNeilを乗せたまま、壁面で1回転。
そのまま、窓に突っ込む。馬共々、得体の知れない透明/灰色/黒の断片を浴び、頭から血を流しながら──!]
古い記憶が正しければ、この奥に確かもっと小汚いエリアがあったはず。
屑AI、AIは所詮AIだ。
屑であろうが塵であろうが主の命を全うするまで。
口を割らないというのなら、
[CALL:DEMILUNE / 修復は8割完了]
[三日月を男の首に]
──壊すまでだ。
[爆音][黄金の矢印][店が僅かに抉り取られ]
[暗い昏い金の空に露呈]
[金色の空に向かって鞭を打つ。薔薇の蔓がしなやかに宙を舞い、矢印を次々とはたき落とす。]
……悪趣味な仮面だし、悪趣味な色してるしっ!
きっとこういうのを、「変態」っていうんだ、きっと!
[働き蜂がMagdaleneにそっと耳打ち。『こういうヒトはアブナイよ?』]
うん。わかっ………
……………?
[聞き慣れない蜂の羽音が、Magdaleneの横を次々と横切ってゆく。]
今のは……スズメバチ?
イッタイ、ドコノ子……?
[Magdaleneの瞳孔が、ギロリと開いた。]
紅い猫――掌握の手――申し子――魔性――。破壊分子――苔生した地下室――
名前のないかいぶつが――S2の魂を――
――クククク
[脅しに屈した訳ではないのだろうが、単語の羅列だけが音声に]
[首に突きつけられても嘲笑を浮かべている]
[金色の空に照らし出されて、JunkShop一帯は異次元めいている]
オイ――スザンナ、そこの糞爺でもいい。
コレを離せよ――。
[身体を拘束する透明な鎖を首を僅かに動かし指し示す]
俺は、どうせ転移すらも今は出来ねェ。ケケケ。
相当にガタが来てやがンだよ。
[If you treat me right,then maybe you will have a key.]
このticketに載っているコたち…。
なーんか妙なバイナリ持ったコがいたんだけど、
キミたちみんなそうなのかい?
[This world is very special,and I'll show it just for you.]
だったら、私もかなり危ないからキミたち
みんなここで始末しちゃうよッ!!
[All you have to say is "Yes, I do".
撃ちもらした蜂がスピーカーに当たる。
音楽に混じり、苦痛の声。
音楽が盛り上がり、怒りも盛り上がり、矢印も盛り上がる。]
──破壊かどうかの判断は、Masterに任せる方が良さそうだ。
問題はMasterにどうやってコンタクトを取るかだが──。
……良いだろう。お前への対応は当面保留。
障害となるのであれば破壊するが。
[DEMILUNEで拘束の鎖を切断]
今はあちらの方が"障害"だ。
[破壊された天井からChaosを見上げ]
[新たな蜂をCALL]
[Magdaleneの様子に気付くことなく]
[雀蜂を纏い三日月を構える]
やはりか。あの”危険な気配”は、”アイツ”だけ
じゃあないようだなあ………みんなここでGood-byeだ!
[Let us...]
[矢印を雀蜂で相殺──重い]
[蜂の霧を潜り抜け矢印が店へ]
『妙なBinary?』
[疑問は声にならず]
[DEMILUNEで矢印を斬り伏せる]
ケ――。
[ずるりと壁を僅かずり落ち、スザンナの後姿を見送る]
[JunkShopに向かってきた無数の矢印は、一刀両断され霧散]
アアアアアアアッ!!
[咆哮とも悲鳴ともつかぬ声を上げ、矢印を切り裂き、鋭い羽音を鳴らしながらChaosに近付く。肩や太股から血―に類似したPGMコード―を流しているのも構わず、Chaosとの距離を詰める。]
クラエ………
「アイノムチ」……………!
[Chaosに薔薇の蔓を巻き付けようと試みる。]
[蔓が、Chaosの体に巻きつく。体?]
キミは確か…”見て”いたんだよねえ?
じゃあ、巻きつける場所はそこじゃあないだろ。
そこ、危険だよ?
[fly-ay-ay-ay la-di-da-di-da-di-dah
To the golden sky...]
[DEMILUNEを構え、店内を様々を足がかりに跳躍]
[高く、高く]
Aqua de beber
Give the flower water to drink
[AQUA DE BEBER]
[目指す対象は──展開するSpeaker]
Aqua de beber
Give the flower water to drink
[上段に構えた刃を歌声と共に振り下ろし──]
[Chaosの声が聞こえないのか、Magdaleneは構わずにChaosの体―とおぼしきモノ―を薔薇の蔓で締め上げ、自らもその「体」に絡み付く。]
クラエ…………
Beeeeeeeeee!!!!!!!
[Chaosの「体」に、己の身体から生えている針をズブリと突き刺す。]
………………!?
[It's the paradise of smile.
Where the sun will...ザ…ザザッ]
ギィィアアアアアア!!!
[スピーカーは頑丈なのか、切断には至らなかったものの
強打されたことは確かである。一瞬音楽が途切れ、
苦痛の叫び声が発せられる。スピーカーから。]
アアアアア……。
[Chaosの首から下が、少し薄れているようだ。]
──「こちら」が本体か!
[以前の戦闘記録]
[手ごたえのない]
[Speakerに馬乗りになり、刃を構える──下向きに]
[刺突の形]
The rain can fall
On distant deserts
The rain can fall upon the sea
The rain can fall upon the flower
[勢いをつける様に高く振り上げ──]
ギャアアアアッ!!!
[「本体」を攻撃され、情けない叫び。
La-da-di-da-di-da-di-dah
iiiiiiiiiiiiiii ]
やめ…やめてくれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!
[揺さぶって、振り落とそうと]
──IndeRiseal──
[──…面倒なので、その後Neilがどう行動したか、現実時間にして数十分前の話をまとめてしまおう。
Chariot(戦闘馬車)は、両方の馬が泡を吐いてそれでも暴走しつづけた。最初にビルだけに留まらず、低いビルの妙な突起飾りやら真っ赤な鳥居やら、得体の知れないマネキンやらを破壊し巻き込みながら、Neilの運転で目的の貧民街とでも言える区画に辿り着いた。
そこは黒いチューブ状の店舗だけが何か得体の知れない生物の巣の様に重なっている、特殊エリア。その内の一本に、NeilはChariot(戦闘馬車)でチューブを引き裂く覚悟で突っ込んで行く。真っ黒なはずの馬の目が真っ赤だった。]
──IndeRiseal/Black Tube──
[入口で、轢き殺しかけた老人が持っていたあり得ない程旧式のTVが、
【区域封鎖― IndeRiseal― 91−237564−Virus Storm】 【区域封鎖― IndeRiseal― 91−237564−Virus Storm】 【区域封鎖― IndeRiseal― 91−237564−Virus Storm】の情報を流す。そしてそのままそれをキャッチボールの要領で受け止めたNeilの片手の中で壊れた。]
アァン?
さっきの覆面野郎が追って転移して来た──区域じゃねえ…か?
Virusだと。
[旧式TV型PGMを放り投げ乍ら、片手でチケットに付属する透明の球を覗き込む。]
[…更に中略。]
[現在、Neilの戦車の暴走はまだ止まっておらず。
地下に連なり、無限に続くかと思える真っ暗なチューブのうねりの中を、戦車にはNeilの他に一人の同乗者が居る。額の生え際が少々危うい…サップグリーンのジャケットを着たNeil曰く「おっさん」。おっさんの名はNormanと言う。腕の良い修理屋の1人だ。]
久しぶりなのに店を破壊して悪かった。
他のヤツらにも謝っておいてくれ。
おれはどうにも出来んが、多分後からスポンサーが金を払う。
あー、最初のPGMだけじゃなくVirusも流行ってるらしい。
そっちも見てくれ。
何、走りながらじゃ無理だって?
イヤイヤ、止められたら苦労はしてない。
Beeee......
[Chaosの「体」に突き刺した針は、虚しくマントを切り裂き、宙を舞う。]
ナニ……………!?
[続け様に、Susanneの斬撃が視界に入る。慌てて宙返りをし、Chaosのloud speakerから身体を離した。]
………………?
[Chaosの絶叫を耳にしたMagdaleneの瞳孔は、いつの間にか収縮していた。]
[強い力で揺さぶられる]
[突き刺した刃を握り、堪えようとするが]
──っ!
[振り落とされる]
["重力制御"など持たぬ身では、落ちるしかなく]
[せめて受身を]
[間に合わず、ビルの一つを巻き添えに]
[clusterの破片が土煙のように舞い上がる]
[Drモーガンが近づいてくる]
クソ――。Ignis......
[緩慢な動作で左手を掲げてSub PGMを起動]
[しようとし]
何だ?
ケケケケケ、おめでたい奴だな―― 直れば――吹き飛ばすゼ――クハハ!
[Virus除去(これは採取も兼ねているようだ)のために、幾つものケーブルに繋がれた。丸い膜が発生し、その中にこぽりこぽりと液体が満ちて胸元を包み込む]
うわあああっ!?
[ヒラリと着地しようと試みるも、Chaosに揺さぶられた衝撃で空中姿勢を崩してしまったようだ。]
―――ゴンッ!
[ビルの壁に、頭を打ち付けた。]
畜生…畜生……畜生………。
[呪詛を唱えるような呟きがスピーカーから。]
今のは痛かったぞ……痛かったぞォォォォォォォ!!!!
[よろよろとステップを←←→→←←→→と踏む。]
……解禁だ。さらに高難易度の世界へようこそッ!
[ちょうど間奏のあたり。マニアックな”金色の空”。
Chaos搭載のヴァージョンではExpertいうらしいが。]
[ビルの窓辺に座り、額を擦っている。]
あいたたた……っつー。
[働き蜂は、Magdaleneを心配そうに見つめている。『大丈夫?』『痛かった?』]
……ううん。大丈夫。
よっと。
[ピョンと勢い良く立ち上がり、羽音を立てて空を舞う。]
みんな、ありがと。隠れてて。
[働き蜂を髪の中に隠し、薔薇の鞭を構えて身構える。]
[Chaosのけたたましい声。鼓膜と羽がビリビリと震える。]
……………何よこれ!
[金色の空は、無数の矢印で覆い尽くされている。]
[名前が光っている。
水色の瞳、蛍光色を帯びて輝くPraibaTormarine
小さな祈り、LittlePrayer]
知らない人がいるわ。
賑やかね。
とっても賑やかだわ。
[立ち上がって両手で天球儀を掲げたまま
コンペイトウが螺旋を描いてとりどりに
彼女の周りを巡る花、花の唄]
[――転移。]
──IndeRiseal/Black Tube──
あんたは腕一本でどんな修理もこなすんだろ?
おおおおおお。
イテテテッ。
やっぱ神経にクるな。
と言うか崩壊寸前だもんな。うへえ。
[蜘蛛の様に8つに割れたNormanの腕。ブツブツと文句を言いながらも、Neilの上腕部と二頭の馬(House of Death)に、プラグを差し、レーザーを打ち込み、精密な手術を行い、彼等を本来の姿へ戻していく。]
なんで、おれが今更Underに戻って来たかってか?
好きで戻って来るわけがねえよ…──。
まあ、あれだ。
まともにバラすと【奴】との契約違反になりかねんが。
【取り戻すため】…──だ。
例えば、幾らあんたが完璧な修理屋だからって、不死の技術はないだろ。
[苦虫を噛み潰した様な苦笑。]
[Arrowが舞う]
[彼女にも追撃するように]
[降り注ぐArrowの乱舞]
[崩壊寸前のビルに膝立ち]
『ほんっとーにキリが無いわ!』
[対抗するように無数の、無数の、無数の雀蜂]
[爆破し舞い散るclusterが二重の煙幕]
[飛来するArrowをSTEP・STEP・STEP]
[FreezeArrowを駆け抜けて]
[雀蜂を纏わせた三日月を構え]
[届かない]
よいしょっと。
[薔薇の鞭を網状に形作り、再び上昇。]
なーるほど。
胴体はemptyなんだー。ふーん……。
[掌の上で薔薇の花を咲かせ、ニヤリと微笑む。]
おわっ!ととと……っ
[足元は、「かろうじて」矢印の指示するステップを維持しているようだが。]
【取り戻す】
その為のバトルなんだぜ。
[具合を確かめる様に左腕を振り上げて、また降ろす。
一瞬、胸元のチェーンに結びつけたNeilに不似合いな赤い石のついたペンダントトップと思しき物に視線を落とした。]
[Teardrop&fire…──誇り高き魂の色…。]
──IndeRiseal/Black Tube…→???──
[PGMの修理が終わり、Normanが「ま、何に巻き込まれてるにせよ。取りあえず。今後は針に気をつけろよな。」と言いながら、しょぼくれた煙草型のPGMを口に運んだ。]
[その時──、]
[黎明の如く、チューブの暗闇が正面から向かって来る光に掻き消された。]
[光の色は黄金。]
[バチバチバチバチバチ…損傷を受けたスピーカーから
火花が飛び散っている。荒い息遣いの音。]
クハァ……クハァ…。
キミたち…タフ……だねえ…。
[疲労?の色が見られる。]
私を除くキミたち全員、”危険な気配”を持っているんだな?
そうとしか考えられない…天才が、ここまで……。
[発する音楽はもはや惰性。]
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