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>>380ローラン
「お前らが勝ったらな白狼。
勝っても負けても、遠征が終わったら飲み会だ!」
流れる様にガルセウヌを狙うローラン。
滑らかな速度で間合いを詰めるローランへ、真っ直ぐに槍を突き立てる。
まともに当たらずとも体勢を崩す事くらいは出来るだろう。
もし完全にかわされたのなら、そのまま懐へ侵入されただろう。
と、しようと思考した瞬間。
その刹那、後ろから、上手いとは言えない連携で影から現れ、無理矢理イグニスを狙ったソラが目の端に止まる(>>383)
咄嗟に体を動かし、イグニスの胸を狙う剣の方向に槍を突き立て、剣の軌道上に槍を被せただろう。
庇う
1(6)+2
ポットの蓋を開け、ティースプーンで中を一混ぜする。
十分蒸れただろう。茶こしをかけて、2つのカップに紅茶を注ぐ。最後の一滴まで、丁寧に。
>>373カリン
「お砂糖とミルク、両方ですね。よかったです。ボクもミルクを入れる方が好みなので、濃い目に出していたものですから。」
片方にはお砂糖を、両方のカップにはミルクを入れてカリンの前へ差し出した。
静まった食堂では、茶器を置くかすかな音でさえも響いた。
「絶対に…絶対にですか。
ふふ、本当にその情報は古いですよ。絶対に武力は魔法に勝てないのならば…エルフたちのあんな顔、ボクらは見れなかったでしょうからね。」
淹れたてのミルクティーを一口啜った。
「ですがその言い方ならば…“カリンちゃんが魔法使いであったとき”、魔法の力を消滅させることはできないと、そういうことですね。
残念です、魔法を使えないのならば、お友達は続けられましたのに。」
「……それでは、カリンちゃん。最後に聞きますね。アナタは魔法使いですか?」
「──余計なことすん……しないでくださいよ!」
自分を庇うように立ちふさがるガルセウヌにイグニスは吠えた。
イグニスは素早く剣を抜くとローランに向かって走り出した。無論、手を抜く理由はない。
体をひねりながら、涼しい顔の先輩騎士に向かって攻撃を繰り出した。
1(6)
>>ファルスより、スクルド関係してそうな話
@スクルドの魔力媒介にしてカーマイン召喚。
Aカーマインとファルス、取引(スパイの件を帳消しにする代わりに異種族3人をセルナリアで引き取る。サリーナ国内では死亡したこととする)
Bカーマイン、スクルドは殺すと宣言
C殺すならちょうだいとファルス申し出
Dカーマイン「OK」
シトリンの騎士、エイダン・フォスター
【この命、この剣、貴方の為に捧げます。】
貴方の行く道の盾となり、剣となり、貴方の道を切り開くことを、ここに──
[左腰から黒狼騎士団の短剣を抜き取り、両手で持って胸の前に掲げた。
そして、もう一度、
ファルスの瞳をしっかりと捉えれば、]
この剣と、揺るぎない誇りに誓って。
[声高々に、宣誓した。]
[それは、真剣な表情だった。しかし、その顔も5秒程持たせるのが限界だったようで。
剣を下ろし、ゆっくりと表情を綻ばせると、]
……へへへ、なんて。慣れないことはするもんじゃないっすね。
[そう言って、無邪気に笑った。]*
/*
てことで、エイダンはファルスに忠誠を誓うよ〜!!!国じゃなくて、ファルス王子に誓うよ〜!!
長かった……めっちゃ夜遅くなっちゃった……でも、王子についていける決断できてよかった……
>>386 ヨルダ
出されたお茶を啜れば、きちんと淹れた紅茶の芳醇な香りが胸を落ち着けさせた。
「…………エルフ、か。……何をした、とか無粋な言葉聞かないけど……魔法も、武力も、過信は良くないって思うな。……なんて、ヨルダには言わなくても分かるか。
今更だけどさ、首席おめでとう。」
上手いこと言葉に出来なくて、それでも身を案じている事が伝わるように柔らかい口調で言った。
本当に、狡い子だ。どう答えても拗れる内容頭を数度振ると、紅茶を飲み干して立ち上がる。
「……そうだよ。私は陰陽師。……だったっていうのが、正しいかな。
これからも、使う事はないよ。自分の意思では、絶対に。」
仲間の死地や……それこそ、ファルス様の命がなければ。絶対に。
「じゃあね、ヨルダ。紅茶美味しかった。
……次会う時は他人だけど、よかったらまた、お茶を淹れてよ。」
次会う時なんてないだろうけど、それでもまたを願わずにいられない。
他人なら、また一から始めればいい。彼がどうであれ、私にとっては―――唯一無二の、いざって時は頼れるバディなのだから。
>> クロエ
「よ、クロエ。少しやつれたか?」
「本当にお疲れ様、3人で見てたよ。まるで軍師様だったな。」
紫の髪を綺麗に靡かせる女性はいつか見た時よ痩せて見えた。そりゃそうだ、1人で戦ってたんだ。
「お前、このあとどうするんだ?」
**からあげちゃん夜遅くまでありがとう!
カリンは……魔法使わなくなったから許されるとは思ってないけど、使う気はないし、ヨルダの事案じてるよ……
/*
うぅ……話したかったけど、時間的に厳しいかな……
お返事いらないんで、ウィア宛のロルだけ書いてもいいですか……書けたらだけど……
/*
『ソフィー姫。私──俺は、貴女だけの騎士となることを誓います。』
──ある夜。
彼女の前で跪き、この日のために選んだ指環を差し出した。
王女は驚いたような顔をしてから、静かにその頬を朱に染めた。そして、それはそれは幸福そうに指環を受け取ったのだ。
いずれサリーナの王となるファルス王子に忠誠を誓い、同時に目の前の王女を守り抜くと決めた。
そう、誓ったのだ。
*/
「…っし!」
カリンと別れ、心が決まった。
>>ファルス
「翡翠の騎士 楠 仙蔵にございます。
拙者甚だ未熟なれど、国と民とに誠を尽くし、王下の剣となることを宣言致します。
【ファルス殿下に忠誠を誓い、より良きサリーナ王国の未来を描く為に共に歩まんことを。】」
ファルスの前に跪き、翡翠の短剣を捧ぐ。
(⦅生きて帰る。忍びの本懐だろう。⦆)
誓いと、約束を胸に。
>>ブレイ
「……ってえな」
イグニスは自分でしておきながら、ぶつかった男を睨みつける。
「あ。てめえ、クロに初日に切られた鬼野郎だな」
「…………」
現れた影に礼をし、瞼を閉じてその言を聞いた。
影が消えてからもしばらくそうしていた。
直接何か言われることはなかった。
罵られることすらも。
そういう人柄だから、使われていたのだ。
楽だったから。
けれど、頭を上げるには時間がかかった。
どれくらいそうして突っ立っていたのだろう。
>>345 ミズリ
「その成長に少しでも貢献出来たなら嬉しいぞ。」
そしてその先の成長もずっと見たいと感じた。
「んでもって、お前の勝ちってか?ふーん。」
抱き上げた身体を地面に下ろし、頭に手を置いた。
「こんなチビに負けんのは納得いかんな、まあ負けは負けだがな。でも実際これされてる間は俺が"優位"だろ。」
いつかぶりに頭を撫でる。
「なあ、ミズリ。」
気づけば俺はそれを口にしていた。
「俺についてきてくれないか。そうすれば、俺はお前を守れるし、お前だってもっと成長できる、俺だってお前の飯が食いたいし.......。」
彼女はやっと王子に忠誠を誓って、晴れて黒狼騎士団になったのだ。
わかってる、わかってるが。
「俺は、お前と一緒にいたいんだ。」
いっときの間バディだった相手が、濁りなく輝く宝石を受け取る様子を眺める。
と言っても、こちらがサボってばかりだったが。
いつもの緩い笑顔にはなれた。
>>ファルス
「さて。王子サマ?
煮るなり焼くなり好きにしてくれて構わないんだけど、あんまりいたぶられると魔法使って逃げちゃいそうだからさ」
「一瞬でケリがつくやり方がいいなー……なんて」
[そして、ゆっくりと鞘に短剣を戻した時。
ファルスが何かを手渡した。
それは、砕かれたと思っていた黒狼騎士団の誇り。エイダンにいつも強さを与えてくれていた、シトリンの宝石だった。
掌に転がるそれを見て、エイダンは目を見開き、叫ぶ。]
えっ、えっ、ええええええ?!
な、なんでこれがここに?!俺、あの、砕かれて、あのっっ!!!
[まさかの出来事に頭の処理が追いつかず、ただただ驚くばかりだった。]
俺の、石……シトリン………
[それでも、戻ってきたその輝きは本物で。]
…良かった………本当に……よかったっ…!!
[そっと宝石を両手で包み込む。
安堵に潤んだ瞳から涙がひとつ、こぼれ落ちた。]*
/*
魔法軍を率いてセルナリアがサリーナに攻めいった。
自身の強さを誇る黒狼騎士団も、全力の魔法軍にかかればひとたまりもない。
個の強さを重んじたローラン・アルグミュラーもまた、魔法を前に苦戦した。
それでも、信じていた。ファルス率いる黒狼騎士団が負けるはずはないと。
信じていた。まだローランがただの農民だった頃、憧れたあの背中を。
捕虜として敵国に連れられた先で、カーマイン王の前に立たされた時も、どこかでわずかな希望に縋っていた。
この国が──ファルス王子が、屈するわけがないと信じていた。
*/
>> ファルス
「……機密保持ィ?」
騎士団の団長から予想外の単語が出てくる。
片眉を上げてよく飲み込めない顔をするだろう。
「……そうだな。まあ、取引だ何だ……最初に必ず機密保持については取り決める。
ただ、商人の決まりきったテンプレみてェなモンだから、不足あれば特例を継ぎ足す、だな。
まあ、人が決めるもんだ。合意さえ取れてりゃ何とでもなるよ」
>>399 アラタ
……………………は。
[されるがままにされ、言われるがまま、言われたことを聞いていたけど。けど。けど。それって何?なになになに?]
……あたしに、騎士を捨てて、裏切り者で国外追放のアンタについてけって言うの?
……それは……
バディだから?
>>391カリン
「勿論です。どちらともにも絶対はございませんから。
あぁ、ありがとうございます。しかし、魔物も入れる入団試験、一体どうなっているのでしょうね。この試験で首席と言うのもなんだか居心地の悪いものです。お母様とお兄様は喜んでくれるでしょうが……
そうです、そういえばボク、紅茶は家族と友人以外振る舞わないのですよ。
あぁ、申し訳ありません。話が随分とずれましたね。」
今度こそ邪魔は入らない。カリンは頭を振って、紅茶を飲み干す。その目には決意が見えた気がした。
「そう、でしたか。カリンちゃんは陰陽師…魔法使い。
魔法を使わずとも、魔法を使える者を野放しにはしておけませんね。
ボクはボクが正しい道を歩むため、このまま見過ごすことはできないでしょう。」
「従って………、
さようなら、カリンちゃん。残念ながら、二度とお茶は淹れられません。」
ヨルダも立ち上がるとスカートを摘み、柔らかな笑顔で微笑んだ。
最後は、お兄様のお墨付きの正しい笑顔で。
>>404 ファルス
「まさか?
主人を選ぶ己の目は正しかったと確信しましたとも」
「国を捨てる、か…………」
肩をすくめて、含み笑いで唇を歪める。
「タイミングよく、たった今国に捨てられたところでしてね」
/*
なるほど、ファルス王子は最期まで凛々しかった。
最期までカーマイン王が差し伸べた手を拒み、サリーナの王子として──騎士として、敵国の王を睨んでいた。
王子が殺されたあの瞬間を忘れることはないだろう。
あの時、ローラン・アルグミュラーにとって大事な何かががらがらと音を立てて砕けた。
*/
アルバート!
[思わず、その背に声をかける。
彼は立ち止まっただろうか。いいや、立ち止まっていなくても、エイダンは大きな声でこう叫ぶ。]
頑張れよ!!
[ニッと、歯を見せて笑えば、団長の元へ行くアルバートを見送った。
そして、次は自分の番だ、と気合を入れ直す。決意を団長に告に行く前に、少しだけ風に当たりたかった。
決意を揺るがさないように、最後に自分自身を納得させられるように。もう一度だけ、自分を見つめ直す為に。
そっと、その場を離れ、砦の外へと繰り出した。
ヒルダがその後をついてきたのは、また別のお話。]*
/*
アルバートとのお話はこれにて〆です!!!ありがとうございました!!!たくさんお話できて幸せでした!!!!!!!!!!アルバート!!愛してるぞー!!!
/*
はい!次ぃ!!ウィアへのロル!!!!
あああ間に合うかな!!!唸れ私の指と脳みそおおおおあああ書いてきます!!!
/*
─────憧れていた背中は呆気なく崩れ落ちた。
次に、アルベルト・グランが死んだ。
アーロンの降伏を耳にした。
ヴァイルが死んだ。
レイヴが帰順した。
レベッカが地に伏した。
ローラン・アルグミュラーは立ち尽くしていた。
ファルス王子の亡骸の前で、ただ立ち尽くすことしかできなかった。
ああ──あの真っ直ぐな目をしたサファイアの後輩騎士は、今頃無事だろうか。
いつも余計な世話ばかり焼く、あのガーネットの宝石を持つ狂狼は。
呆然とするローラン・アルグミュラーをあの紅い瞳が捉えた時。
初めて恐怖が湧いた。
彼にとっての“理想”が目の前で潰えた時、途端に震えが止まらなくなった。
*/
>>416 アラタ
ふうん、尊敬ですか。
[バディだからって言ったら断ろうと思ってた。口先だけの都合のいい甘い言葉でも吐こうものなら蹴っ飛ばそうと思ってた。
困っちゃうなあ、こんなの。不器用なやつ。でもあたしも大概素直じゃないからな]
わかったよ。
あたしはヒーローになりたかったの。きっとそれは、騎士団じゃなくても、出来ると思うよ。
でも、あたしがアンタについてくんじゃないよ。
あたしがアンタを引っ張ってってあげる。
去り間際、まだ廃棄されていなかった蓄音機を撫でる。この子には世話になったものだ。
ノイズ混じりに聞こえるは、ヨルダの声で。
「……!」
本当に、彼らしくて心から憎めないその一言に、小さな笑みが零れた。
彼は、何だかんだで私に甘い。
「……さようなら、私のお友達のヨルダ。
……はじめまして、ヨルダ・ノア・リューンベリ殿。」
誰に言うわけでもなく、蓄音機から足を遠ざけた。
>>420 ブレイ
「は?」
イグニスは突然猿真似を始めたブレイを見つめると、大笑いをした。
「あっははは、ははは! いやぁ、どうもね、くっく、俺は生憎サリーナ語しか話せねえが、猿語も話せるたァ、鬼ってやつは随分博識なんだな?」
ブレイに向かってひらひらと手を振る。
「……あー、絆ね、遅刻野郎がほざくもんだな。別に俺は事実を言ったまでだぜ? てめえがいうなら、絆があるから切ったんだろ? 何熱くなってんだよ」
片方の眉を上げて、さも怪訝そうに相手を見つめる。
>>418 ファルス
「えらくまあ物好きというか、あー……
研究者とかの方が向いてそうだよなあ。好奇心がモノを言うような職の方がさ。
…………良いだろう」
提案を飲んでその先はどうなるのか、と尋ねる前に動いたのは、他に失くすものがないからだ。
それ以外に?さあね。
結んだ髪の束を掴み、反対の指先で耳の後ろを払うようにして後頭部を撫でる。
風はかまいたちのように鋭い刃となり、縛った髪を落とした。
>>418 ファルス
「俺は生まれたとき未熟児で、体が弱かった。
死神が連れていけないように女の名を付けられたし、小さいうちは女の格好をさせられてた。
これはその名残……だったものだ」
そして、それを両の手で捧げ持ち、跪く。
「ファルス王子。
……ファルス・サリーナ。……様。
ここに、貴方への忠誠を誓う」
「そうだな……珍しくオカに上がったし、隣の国の御用聞きでもして帰るかね。
その後はアレハンドロに帰って……
東国の香料か絹でも仕入れに行くか。」
>>ファルス
[アラタと約束してあげたあと、ファルス王子のところに走る]
あっ!!ファルスだんちょー!!
言わなくちゃいけないことが、ありまして……。
[……どきどきする。でも、今日は風紀当番もいないから。それに、きっと、今しか言えない]
……あの。あたし、団則違反をしてしまいました。
ちょっと。えっと。一緒に居たい人が、できちゃって。
……あたしからじゃないんですけど……ほっとけないって言うか。
あたし、ヒーローになりたかったんです。だから、黒狼騎士になって、色んな人を助けたかった。
きっと、ファルスだんちょーとなら、できたと思います。
でも。ごめんなさい。
【この剣を、お返しします】
短い間ですが、ありがとうございました!!
/*
>>ちかさんへ
ウィアへのロルたぶん間に合わないのであとで青鳥かどっかに投げますね……頭が回らなくてエイダンが言わない言葉ばっかり出てきてるからたぶんもう今日はロル書けない……すいません……
ソラ・カルセドニ 享年?歳
セルナリアがサリーナに攻め入った際、魔法取締役としてかの国の魔法を看破、対策をいち早く周知しサリーナが善戦出来るよう尽力した。
しかし、魔法に対処できる人員の絶対数が足りず、戦局は徐々に劣勢となり最後には城壁を突破されてしまい、敗北、捕虜となる。
同輩であり友人であった仲間の為、そしてファルスの描く理想の国を目指して歩んだ道は絶たれ、一度は死を選ぼうとする。
しかし、亡きファルスの意思を守る為、そして仲間に事の顛末を伝える為に生き残る事を決断。
帰順後はセルナリアで同じ境遇のサリーナ人に、ファルスの意思…魔法と異種族への偏見を失くす事に尽力した。
帰順から更に数年後、アッカード地方にある墓の前で紺碧の髪のハーフエルフと共に、アッカード家の長子に墓参りをしている様子が見られたそうだ。
余談ではあるが、同じサファイアの騎士で帰順したローランとは密会、ひいては反乱の恐れありとして接触禁止となる。これはロート王が即位後撤廃された。
ロート王即位後の彼(彼女?)の記録は不明。
––––––大陸歴1177年
【ノル地方リューンベリ領 報告書】
10月1日 クリストフェル=ベリ
サリーナ王国西部にセルナリア王国が侵攻したと伝達。具体的な位置は不明。
リューンベリ領も国境が近いため警戒態勢へと移行する。中央へ応援の要請を検討。
10月2日 メルタ・セイデリア
西部に情報を送れと伝達したが返信はなし。被害の規模が大きかったのか。
流れてくる噂によると戦火は拡大しているということ。応援の要請とともに義勇兵の募集を開始。
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10月◯日 クリストフェル=ベリ
我が領でセルナリアの兵の侵攻が確認された。メルタ、パトリクの死亡を確認。
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10月×日 ヨハンネス・アレクサンデション
中央から黒狼騎士団が応援に来てくれると伝達あり!領主の弟君がいらっしゃるようだ。過去、エルフ討伐で活躍されたお方とのこと。これで戦場は俄然サリーナの有利になるだろう!
義勇兵の集まりが悪い。傭兵も検討する。
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▼月△日 イクセル・エリクソン
最近傭兵の募集に華奢な者が多い。あれで戦えるのか。志望も後衛ばかり。足りないのは前線だというのに。弓のうまくない者から前衛へと回す。
市街地に火が回り損害大。戦場の縮小を目指す。
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×月◇日 クリストフェル=ベリ
最前線のヨルダ隊が隊長のヨルダ・ノア・リューンベリ含め全兵士行方不明。
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◯月▪日 クリストフェル=ベリ
ヨルダ隊全兵士、本日以降死亡と見做す。
士気の低下が見られる為、新たに決死隊を組む。最終作戦へと移行。
我らがサリーナの誇りを胸に!
■────今より四年後、1177年10月某日■
その日、セルナリア城門外にて、ファルス=サリーナの処刑が公開で行われた。民衆も多く集まり、その日は城の周辺は騒然としていた。
亡国サリーナの王子ファルスは、魔法による枷で拘束され、魔法の刃により断頭される。
セルナリア王カーマインの意図により、その処刑には黒狼騎士団の捕虜たちは全員立ち合わされることとなる。
セルナリアに残る記録書に拠れば、ファルス=サリーナは死の瞬間までカーマイン王を睨み続けていたということである。
騎士団員たちはファルス王子の処刑の瞬間、「殺せ」と喚く者、怨嗟の目で睨み上げる者、呆然として瞳に光が宿らぬ者、目を閉じて黙りこくる者、様々であったそうだ。
時は来た。
蓮凛丸を王子の側にいた騎士に渡すと大きくよろめいて、だから言ったのに……。と呆れながらも、ファルス王子に一礼をする。
二度と会う事はない、私の義と身を捧げた御方。
王子の手配だろうか。港に止まった船に乗れば、砦がよく見えた。
翡翠のような深緑の姿を探しても、私の瞳には彼はいない。
良い別れが出来たので悔いはないが、最後に一目と思った自分の甘さに頭を抱えた。
ふう、とひと息吐いて気を取り直すと、ブレイ、グラジナ、ウィア、クロエ……そして、ファルス様のお姿を見つめる。
その背はしゃんと伸び、多くの家臣に囲まれていた。その姿を見るのが最後なのだと思うと胸が締め付けられて、足元に転がる荷物に手を伸ばせば……そこには、小さな箱があった。
「……何これ?間違えて持って帰って……え。」
箱の中には、花と鈴をあしらった根付で。こんな綺麗な物を渡す人は一人しか知らない。
勢いよく甲板から下を覗き見れば陸は遥か遠く。
「⦅…………教本の御礼?いつの間に。流石、忍びの者……。⦆」
へら、と表情を緩めるように笑えば、帯紐に根付を結び付ける。漆の光沢できらりと光る根付は腰元で揺れた。
失う物と、得る物が大きかったこの国の土を踏む事はない。
それでも、胸に秘めた誓いと約束は消える事など決してないのだった。
■記されることの無い記録の裏の真実■
───ファルス=サリーナも、過去のサリーナ王族と同じく、強い潜在能力を持っていた。
そして、その従兄弟である公爵アルベルト=グランも。
かつての間者、スクルド・リラの教えを受け、三年の極秘特訓の末、その能力を発現させられるまでに技を磨く。
ファルス=サリーナは、相手の魔法を打ち消す能力を持っていた。
アルベルト=グランは、歴史書にある記憶操作術を。
魔法が禁じられたサリーナで。国民の憧憬の的である王子が。その側近が。魔法を習得しているなどほかの誰も思わなかった。
ただし、この能力は限定的にしか使えない。サリーナ王国の滅亡を防ぐ力はなかった。
王子ファルスは囚われる。アルベルト=グランも別房に。
しかし、それを。そしてその処刑日を。密かに国外に知らせる者がいた。
処刑当日、ファルスは初めて城の外で魔法を使用する。
処刑台の上で、魔法の枷を外す。当然、それは騒ぎになる。
アルベルト=グランが魔法を発動する。その記憶操作術は、群衆に紛れたジゼル・フェアリーフォードの水の魔法に乗って、その場の人々に降り注ぐ。
───式神を宿した形代が飛んでくる。
カリン・ユズリハのものである。
形代はファルスの形を作り、断頭台に横たわる。
人々が、形代を本物と認識し、悲鳴や怒号が飛び交う中、王子ファルスは、ぼろをまとい民衆の中に紛れ込んだ。
**
イグニス・アッカード
享年22歳
彼は黒狼騎士団に所属したが、特に大きな武功を残すことは無かった。乱暴な口調に、すぐに手が出る性格。武功どころか、問題を起こして咎められることもしばしばだった。
最期は、セルナリアへの帰順を拒否し、処刑された。
しかし、不思議と彼の死後を悼むものは農民から騎士まで、それなりに多かったという。
彼の妹、カミラ・アッカードはこんなことを言っていたという。
「兄さんは、いつもなんの価値もない宝石のかけらを眺めていました。いつか死ぬことがあったらこれも共に葬れと」
/*
ご挨拶をば!
恩讐、気まぐれ、忠義と素敵なファンタジー世界を構築してくださったちかさんありがとうございました!!
イベントや当番、バディ制度等RPをする上で楽しい要素を沢山盛って頂いて楽しかったです!
そして同村して頂いた方もソラに構って頂いてありがとうございます!もしも次があればプレイアブルでも観戦でも、何かしらの形で参加させて頂ければと思います!!
ファルスは逃れた。
妹を捨て、騎士の仲間を捨てた。
そう心の中で自らを責め苛む。
しかし、ファルスにはずっと大きな目的があった。
……無辜の民を救うこと。
ファルスは、王族でなく。一人の民草として、人々に向き合い、助けていこうと決意した。
それが、サリーナの民の幸福に繋がると信じたから。
── エイダン・フォスターの未来 ──
[ファルスから手渡されたシトリンの宝石をそっと短剣に嵌め込んだ。
輝きを放つその黄金色は、漸くあるべき場所に戻ってきた。思わず、顔が綻んでしまう。
この砦での遠征で、色々な事が起こった。いや、起こりすぎた。
その中で、エイダンの価値観は変わってきていた。それが良い方向なのか、悪い方向なのかはわからない。
けれど、確かに見る世界が変わっていた。
心の突っかかりが取れ、スッキリとした気持ちになっていた。
だからこそ、これで良かったのだろう。
問題はまだまだ山積みだ。異種族を恨む気持ちが完全に消えたわけではない。
しかし、王子に捧げると誓ったこの剣と命をもってして、ゆっくりとでも、確実に、解決していかなければならないのだろう。
そしていつの日か。互いに、姿形や能力など関係なく、尊重し合い、話せる日が来る事を願って。]*
* * * *
──4年後。
命を捧げた王子は処刑され、仲間は圧倒的な力の前に散っていった。
捕虜となったエイダンは、その処刑を目の当たりにしていた。
黙ったまま、ただ一点を睨みつけ、かの王子の顛末を見守った。
心にやどした小さな復讐の炎。
セルナリア国の門番を勤めるゴーレムを壊し、謀反をしかけるその日まで。
その炎が姿をみせることはなかった。
* * * *
夜明けが目前まで迫って来ていた。
太陽が昇った時、クロエ・ド=ベルティエは死ぬ。そして、夜明けと共にルーチェ・シュヴェルトとして生きる。
「ウィア──いいえ、ジゼル。行きましょう。」
そうして、彼女は新たな人生を歩き出した。
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