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プリン の能力(下駄を蹴上げる)の対象が シュークリーム に自動決定されました。
次の日の朝、クッキー が無残な姿で発見された。
照坊主の下駄が、どこからともなく シュークリーム の頭に飛んできました。
からんころ〜ん♪…明日は… 豪雨 かなぁ?
目を覚まし、いつもの朝を迎えた君たちは驚くことだろう。
吹き抜けの階段。1階に真っ赤な血に沈むクッキーの姿があったのだから。
いや…それよりも驚くことは。
彼女の身体からは甘くて香ばしい、君たちにとっては懐かしい香り。
『クッキー』の香りがしていたのだから。
君たちは望んでいたものを手に入れた。
心行くまで楽しむといい。
現在の生存者は、タルト、キャンディ、スフレ、ティラミス、ドーナツ、チョコレート、ワッフル、ケーキ、マカロン、プリン、パイ、ムース、クレープ、シュークリーム、ゼリー の 15 名。
「おはよう、ウィンター! ねえ聞いてよ! クッキーの死体からさ、甘い香りがしたんだ。ひょっとしてこれって、味覚が治ったのかな……!?」
興奮覚めやらぬ様子で、僕はテレパシーで話しかける。
必死に湧き立つ血を抑えて、ベッドの上で自分の腕を抱きしめながら。
「だめだめ、落ち着かないと。交流可能時間になるまでじっとしていなきゃね。……そうだ、昨日の話の続きでもしようか。なんの話だったけ。」
「ああそうそう、俺の生まれの話だっけ。残念ながら別に、お坊ちゃんってわけではないよ。親父がパティスリーを経営していて、そこそこそこが儲かってたってだけで。
それなりに街では評判があったから、もしかしたらキミも店名に聞き覚えがあるかもね。」
そこで、嫌な記憶も少しだけ思い出す。
ウィンターも自分のことを話してくれたわけだし、別に今更個人情報の保護なんてきにする必要はないか。
「本当はその店を俺が継ぐはずだったのに、親父のやつが兄貴を跡取りにするって言ったんだ。
グズでノロマで言ったことも出来ないような兄貴よりも、接客もお菓子作りも何もかも上手くやれる俺の方が絶対にふさわしいのに。」
「まあそれでさ、だったら自分で店を経営しようって思った矢先に、この舌がイカれちゃったってわけ。酷い話だと思わないか?」
「さて、俺は二度寝するよ。朝はどうか分からないけど、また夜にでも。」
「そうそう。憑依する相手はまだ考えてないけど、俺はやっぱりキャンディに悪戯したいな。
上手く近づいていい感じになってから、キャンディと親しい別の誰かと成り代わる。なんてどうだろう。……彼女、過呼吸で死んでしまうかもなぁ。」
「キミもなにか思いついたら教えてよ。それじゃあおやすみ、ウィンター。」
クッキーの側にメモが落ちている。
【極上の甘味について】
人の姿をしているが、この世のどんな甘味よりも素晴らしい。
ありとあらゆる病、疾患が治るとも。
※注意
極上の甘味は近い人間の身体を奪うことが出来るため、事故が起こらないようにすること。
特に、睡眠中は無意識におこなってしまう可能性があるため、隔離すること。
/*
あんなデカデカと書かれたカニバリズムの文字は初めてみたよ………追記で色々書かれてるし……
ひゃっほい!るーぷさんは最高だな(白目)!!!!
/*
これは、さ。もしかして霊能の方が頭やばい奴らって事もある???????
人狼側は逃げるために、隠れるために生き延びようとしてるってこと????いやなんかもうわけわかんないけどとりあえずたーのしー!!!!ゆえつゆえつー!!!虚無虚無プリン〜!!!!!
[昨夜は皆に見苦しい姿を見せてしまった。シューはその事を一言謝りたかった。昨日の出来事だって話したかった。
だから今日も朝の交流時間が始まったと同時に、シューは部屋を飛び出したのだ。
しかし、シューは甘くて香ばしい、懐かしい匂いに足を止める事になる。]
「……クッキーの匂い?」
[異様な状況…なのだろう。
クッキーの匂いがする『それ』は、触って確かめた分には人間の形をしている。液体の様なものが付着しており、触れた時に両手にべっとりとついてしまった。
そして、その液体から、形から漂う香りは紛れもなく、あの時に失った甘味の香りなのだ。
試しにその液体を舐めてみる。甘い砂糖と、バターの香りが鼻腔をすり抜ける。
あれほど追い求めてやまなかった甘味が、戻ってきた。
その事に、今朝考えていた事など吹き飛んでしまって。
クッキーの匂いがする『それ』を前にシューは動けなくなってしまった。]
── 昨日の夜のお話 ──
触れる全てが新鮮で、体験する全てが初めてだった。集団生活も、他人も、会話も、なにもかも。
彼女にとって、此処は心地の良い場所になっていた。
味覚が治るまでの期間。この施設にいれば治るものだと信じていたから。ただ、純粋に信じて疑うことすらしなかったから。
だから、それまでの僅かな時間を、彼女なりに楽しんでいたつもりだった。いつもと変わらない毎日を、今日という特別を、楽しみたくて。
それはもちろん、食事にだって当てはまる。
「………粘土?」
キッチンの一角。皆が集まっている場所。端々から聞こえてくる会話。
『あんなもん、人のくいもんじゃねーよ。』
昨日の彼の発言を思い出す。
「……えぇ、えぇ。
ケーキさんの、言う通り…でしたわ…ね……」
弱々しく、小さく小さく呟くと、突然視界がぐらりと揺れる。バランス感覚を失った身体は、そのままゆっくりと右に倒れ込み、近くの壁にもたれかかった。
「………はぁ……はぁ……」
あんなものを食べていたなんて。
あんなものを美味しいと思っていたなんて。
あんなものが日々の楽しみのひとつだったなんて。
考えるだけで、頭がおかしくなりそうだ。
そうしてる間にもまた、視界がぐにゃりと歪んでいく。だんだんと方向感覚を失っていく。
(……皆さんに、迷惑を、かけるわけには……)
壁に手をつきながら立ち上がると、冷や汗と涙が頬を伝う。気を抜けば、今にも意識を失いそうだった。
そういえば、こんな事が今朝も──?
「……………………」
…今は思考が回らない。誰にも気付かれないように、そっとその場を後にする。
吹き抜けの階段を踏み外さないように登り、自室の前へと。
ノブを捻り、部屋の中へと倒れ込むように入れば、バタン、と、扉は閉じられた。**
✼ ✼ ✼ ✼ ✼ ✼
なんとか部屋にたどり着き、彼女は床へと倒れ込む。
「ぅっ………ぉぇっ………んぐっ…」
口許を手で覆い、なんとか込み上げるものを飲み下した。
そのまま這うようにベッドへとたどり着けば、ボスンっと全身をシーツの中へと投げ捨てた。
遠くなる意識の中、またも、声が聞こえた気がした。
懐かしい声、優しい声、大好きな声、
それは──
✼ ✼ ✼ ✼ ✼ ✼
「パパ!ママ!おかえりなさい!」
「ただいま!▒▒▒!良い子にしてた?」
「もちろんよ!だって、きょうをとてもたのしみにしてたもの!」
「ははは、俺達のお姫様は随分と可愛いことを言ってくれるな。」
「あのね!あのね!きょうのおかしはマカロンなのよ!とーってもおいしいの!!わたし、はじめてたべたときびっくりしちゃったんだから!」
「そうかそうか!なら、今度お土産に本場のマカロンを買ってくるとしよう」
「わぁ!ほんとう?うれしい!ありがとう!パパ!!」
「あら、あなたにだけ良い格好はつけさせないわよ?私はそうねぇ……あ、なら、今度一緒にマカロンを作りましょうか。」
「ほんとうに?!わーい!やったぁ!!ママだいすき!!」
「旦那様、奥様、お嬢様。お茶会の準備が整いました。どうぞ、お庭の方へ。」
「あぁ、どうして。
どうしてあの子がこんなめに………」
「奥様、お気を確かに。
大丈夫です、お嬢様はきっと……」
「いいえ、いいえ!私が……私が悪いのよ……私が……」
「お前のせいじゃない。俺だって同じだ。
仕事にかまけてばかりで、あの子をきちんと見てやることができなかった……」
「旦那様……」
これは、なんの記憶──?
私には、覚えがないはずなのに、どうしてだろう。
父と母の顔も、嘉永の顔も、鮮明に思い描けてしまう。
「██████が▒▒▒▒▒▒▒捕まり▓▓!お嬢様は██▒▒████▒」
「███████です!警察に▒▒▒█████▓▓!!!」
「▒▒▒は?!ねぇ、あの子は███████?!」
あぁ、ノイズがひどい。
これじゃぁ、なんにも聞こえない。
何があったの?どうして見せてくれないの?
どうして、なにも思い出せないの……?
「嘉永、あの子には、ここで作った食事以外を摂らせることを禁止します。
…月に2度のお茶会も、もうやめるわ。」
「そんな、奥様……お嬢様はお茶会をとても楽しみに…」
「嘉永。……分かってちょうだい。」
「……家に教師を呼ぶ。だから、学校にも行かせない。あの子をこの屋敷の外に出すことを禁止する。いいな。」
「旦那様……ですが、お嬢様は小学校に行くのをとても心待ちにしておられました。ランドセルだって、もう既に……」
「もう二度とあの子を危険な目にあわせたくないんだ!!!
………………わかってくれ…」
どうしてそんなに悲しそうな顔をしているの?
あぁ、まって。泣かないで。
パパ、ママ、私は大丈夫よ?大丈夫だから、ねぇ、お願い、
お願い…………ねぇ………
✲ ✲ ✲ ✲ ✲ ✲
『素敵なお茶会を開いているんだ。
君もぜひ、どうだい?』
兎に手を差し伸べられる。
小さな私はその手を簡単に取ってしまう。
『良い子だ。さぁ、こちらへおいで。
大丈夫、君のパパとママも一緒だよ。』
笑顔のまま、私は兎について行く。
まるで、不思議の国のアリスのよう。
幸せで、夢ごこちで、私は、わたくし、は──
✲ ✲ ✲ ✲ ✲ ✲
朝が来た。
恐らくは、いつもと違う朝が。
あの人はいない。
苦しいとき、いつも僕を掬ってくれた人は。
「……」
扉を開く。その瞬間、僕を包んだのは、懐かしい──。
「ンンっ…………!?
いよいよアタマがヤられたのかなあ……?
女の子の死体があって、血まみれで。
しかも甘い匂いがするなんて。
オーブンからしてくるバターと砂糖の匂いじゃないか!
これはまるで、焼きたての、クッキー。
甘い匂いがする?僕ビョーキ治った?
それとも新しいビョーキなのかよ」
フラフラと、さながら砂糖に集まる蟻のように。
……死骸に集る蟻のように。
"クッキー"の側へ近づいていく。
「キミがさ、たったひとつだけの意味で"おいしそう"に見えるなんて、僕どうかしてるよねえ?」
目を開く。どうやら、朝を迎えたらしい。
昨日の吐き気はもう既になく、ただ今はどうしようもない虚しさだけが心の中を支配していた。
「………夢……あれは、誰の記憶…?」
頬を伝う涙に気が付き、袖でぬぐい取る。
分からないことが多すぎて、処理速度が追いつかない。
けれど、外には出なければならないんだろう。
もしかすると、"しょくいんさん"が戻ってきているかもしれないから。戻ってきているのなら、昨日見た光景の説明だってあるかもしれないから。
だから、彼女はノブを回し、そっとドアを開けて外に出る。
きっと、いつもと変わらない朝が、そこにあるはずだ。そう願って。
「………っ、これは、甘い、におい…?」
あぁ、けれど。
その願いが、叶う事はなかったのだ。*
/*
朝だけで白灰あわせて15個くらい投下したわたしです、おはようございます。
合法的カニバリズム!!!!楽しんでいきましょうか……( ◜ᴗ◝)
「何だよ…これ…」
部屋から一歩出た瞬間に分かった。これは、甘い香りだ。
まさか、治ったのか?でも…確かに昨日キッチンを見た時には粘土しかなかった。仮に治ったとして、この甘い香りはどこからしてるんだ?
香りに導かるまま歩を進めればそこには、あのちんちくりん…クッキーの姿があった。
いつも通りに目を覚まし、共同スペースへ向かう。
ここ数年繰り返してきた言わば日常である。
「今朝は寝坊しなかったわ。
どう?わたしの目ざましい成長に感涙に咽ぶ者あり喝采を浴びせ快哉を叫ぶ者あり…」
『いい匂いがする』
そう思った。
ただそれだけだった。
「これは…クッキー……?」
もの言わぬ何かと化した少女と目が合ったような気がした。
>>8 パイ
「…え…あ…?」
[後ろから声を掛けられ、シューは反応できずにいた。
いつもは気分のよさそうな橙色を放っていた彼、パイはしかし、その言葉の端々から執着…紫色が混じっていた気がした。
その事に違和感を抱くと共に、彼から『女の子の死体』と『血まみれ』の言葉が聞こえた。
…死体?
死臭がする訳ではない。死体が放つのであろう悪臭とは大きくかけ離れたこの匂いは…何か巨大なジンジャークッキーか何かが転がっていると言われた方が、不審に思いつつもまだ納得が行くほどだ。
それほどまでに、『それ』からは生き物の香りがしなかった。]
「クッキーちゃん…なんスか…?」
[ようやく絞り出せた言葉は、その一言だけだった。]
/*
人間食べる嫌悪感はちゃんと『ある人はあるよ!』って……ある人はあるけどない人はないんだな、なるほど。
マカロンは甘い匂いはするけどそれは人間だから食べたくないって気持ちだね。
あと、甘い物を口にするならもう一度家族と一緒にって考えてるから、あとは理性がもつかどうかですね!!!頑張れマカロン!負けるなマカロン!!
声をかけてから、彼女の視線の先に気づく。
それと同時くらいに、パイが目の前の"甘い何か"の先端を咥えるのが見えた。
それをなんと呼ぶのか、僕は知っている。
────クッキー、だ。
けして、お菓子ではない。豊かな髪の毛が、血に濡れて地面に張り付いている。翡翠の目をした可愛らしい少女。
じゃあ、パイは、今。
視覚と嗅覚が余りに乖離しすぎていて現実感を失いそうだった。無意識に喉が鳴る。彼に何をしているんだ、と怒鳴らなかったのはその行動を理解できるから。
嬉しい嬉しい嬉しい!!甘い甘い甘い!!
口の中の1年ぶりの甘みに叫び出したい、なんでわざわざ人の形にするんだ思う存分食べられないじゃないか。ああイヤだイヤだイヤだ!!!!
ああ、そうだ。
彼の目が見えないなら何も言わずに口に突っ込んでやればよかった。きっと幸せに食べたんじゃないか?クッキー。
>>12 シュークリーム
「ンンっ!つい、見えてる前提で話しちゃうよねえ。
僕ほんとウカツだよ。うんまあ、そんなカンジ……
でもほら、メモが落ちてる。
"【極上の甘味について】
この世のどんな甘味よりも素晴らしい。
ありとあらゆる病、疾患が治るとも。"
だってさ。
この"薬"飲んだらキミの目が治るかなあ?
スプーンないから、"薬"つけた僕の指でも舐めてみる?」
「マジで食えんのか…これ……」
クッキーだったものに近付く。近付けば近付くほど、甘い香りは強くなり、紛れもなくこの女が香りを放っているのだと分かってしまった。
こんなの異常だ。甘い香りはしてるけど…どう見たって目の前にあるのは人間だ。
分かってはいるはずなのに、気が付けば赤い血液を指先ですくい、口へと運んでいた。
「…甘い」
>>14 パイ
「あ、気を遣わせて申し訳ないっスね…。
ええと…メモ…"薬"…?」
[『極上の甘味』と記されたメモをパイが読み上げてくれる。
『それ』がその『極上の甘味』と言うのなら…クッキーちゃんの形をしたこれは死体ではない?
病や疾患を治してくれるなら、甘味の匂いを感じる以上『極上の甘味』と呼んでも差し支えはない…?
うまく思考の処理が追い付かず、パイの言う"薬"と言うワードを反芻する。
…目がまた見えるようになる?
そんな出来過ぎた話があるだろうか。ただ、既に『おかしのいえ』の常識は昨日から崩れ去っている事も確かだ。
………もしもそうなら、試してみる価値はあるのだろうか。シューは逡巡する。]
「うっ───なんだこれ。」
久々に鼻をついた甘くて香ばしい香りに、僕は眉根を寄せた。
吹き抜けの階段には人だかりができていた。近付いてみると視界の端に赤が映った。これは──血だ。
僕は目の前の亡骸を見て、言葉を失った。
「───────」
ああ、なんて美味しそうなんだろう。紛れもなくそれは昨日まで、僕と言葉を交わしていた可憐な少女であったのに。
一歩前に出ると、僕よりも先にここにいたプリンが床に飛び散った血を指で掬って舐めていた。
そんな非人道的な行為にさほど嫌悪感を抱かなかったのは、彼女から漂う香りのせいだろうか。
>>プリン
「なあ、この匂い……クッキー、だよな。」
ワッフルの朝は遅い。むくりと起き上がると、しばらくそこでじっと始動を待つ。しばらく経って、昨日の会話を思い出す。
「……ゼリー、何が言いたかったのかしら……」
そうしているうちにも、もう交流の時間が始まっていることに気付く。ワッフルは眠い目をこすりつつ、皆のいるところへと向かうのだった。
甘い香りに誘われて、足が自然と前へ進む。
懐かしいにおいがする。甘い匂いがする。
これは、そう、確か──
「クッキー………さん?」
吹き抜けの階段。そこから見下ろした先に広がっている、甘い匂いとはかけ離れた赤色。その中に、クッキーが横たわっていた。
「うそ……どうして?
これは……なんなんですの…」
今にも倒れそうな程に頭がクラクラとしている。もし、あの赤色が本物なのであれば、少女は死んでいるはずだ。そんな光景を見て恐ろしいはずだ。それなのに、身体は何故か別のものを求めている。
歩みが止まることはない。
>>パイ
「………今は遠慮しておくっス」
[シューが考えた末の結論は、問題の先送りだった。
それが死体かどうか、全盲のシューには分からなかったから。
だからこそ、『それ』を死体ではないと…"薬"だと断じる事もシューには出来なかった。
パイの申し出を断ったシューは、思案する。]
「そう言えば…クッキーちゃんに割り当てられた部屋はどうなってるっス?」
[オートロック式の扉は時間外はロックされているが、今は交流時間だ。ロックも外れているだろう。
シューは、よろよろと立ち上がると、クッキーの部屋へと歩き出す。
部屋に入れば、昨日会話した少女が寝息を立てていると信じて、目の前の現実から逃避するようにその場を後にした。]
☆ ☆ ☆ ☆
甘い、甘い、甘いもの。
甘い匂いのする、香ばしい匂いのする、
甘い、甘い、甘いお菓子。
──クッキーは、何処?
☆ ☆ ☆ ☆
階段を一段一段降りる度に、甘く香ばしい匂いが強くなっていく。
それは、まるで、眼下に見える少女から漂ってきているように。
「…………クッキーさん…」
目の前に少女を捉え、ようやく理解する。
やはり、匂いはここから溢れ出ているようだった。匂いだけでこれなのだ。きっと口に含んだら、ずっとずっと、待ち望んでいた味が広がるに違いない。
既に集まっていた住人が、少女の血を舐めている。どうやら、本当に美味しいらしい。
「………いけませんわ。
こんな事、私にはできません…」
伸ばしかけた手を握りしめ、胸の前で押しとどめる。いくら甘い香りがしたって、いくら懐かしい香りがしたって、目の前の少女は人間で、クッキーなのだから。
しかし、少女の血に群がる住人達を見続ければ、また決心が揺らいでしまいそうだった。
だから、マカロンは彼等から少しだけ距離を取る。共有スペースの隅のソファに腰掛けて、どうにか気持ちを落ち着かせたかった。*
/*
あれ、誰も美味しいなんて言ってなかったっけ??
あーーーーー眠くてミスってるうううすまんんん後々の会話を聞いたり、みんなの表情を見て察したってことにしといてくれええええごめんなさいいいいいい
[鏡の前で、髪を何度も確認する。大丈夫。寝癖はない。目の下も確認する。大丈夫、クマもない。あまり眠れなかったけど。ポケットにはお薬を。そして最後に、さくら色の口紅をすっと塗る]
大丈夫。今日の私にスキはないんだから。
きっとしょくいんさんも戻って来てる。
いつも通りよ、いつも通り……
「……ねえ!!甘い匂い……しない???」
びっくりした様子で小走りに入ってくる。そこで目にしたものは、ワッフルが予想もしないものだった─────
「み……みんな、どうした……の……?」
[ふと、可能性を思い至って、駆け足で階段を降りる]
ねえ!しょくいんさん帰ってきたんでしょう?
今日の甘味はクッキーなんでしょう?
私、いい匂いがするの!
もしかしたら、もう病気が治……
[1階にたどり着いたとき、既に何人かいる先客と、そこに倒れ伏す女の子の姿が目に飛び込んできた]
…………え?
[やはりと言うか、縋る思いで開けたその部屋に人の気配はなく、否応なしに現実を直視させられた気がした。
シューは耐え難い連日の出来事に、口を抑えて蹲った。
これから、どうしたらいいのだろう。
解消される事のない疑問を抱きながら、シューはクッキーの部屋を後にした。]
/*
スフレさんの掴めない感がすごいな……
遅かったかって言って慰めるでもなく、声をかけるでもなく、もう会話の対象がプリンくんに移動してるこの……なんていうか、この……感じ……掴めない男感出てるな〜〜すごいなぁ……
>>31 シュークリーム
彼女の笑みを見て、もう一度謝罪が飛び出す前に唇を閉ざした。
謝ることに、意味などない。彼女に申し訳なさを感じていても、彼女の記憶を取り除いてやることはできないのだから。
彼女が階段を上がるのを見送る。部屋に帰ったのだろう。恐らくは。彼女の背中が消えると、吸い寄せられるように死体に目がいった。
「こんなものを見ては、食欲も沸かないな。申し訳ないが僕も先に部屋に戻るよ。気分が優れないんだ」
──嘘だった。
きっと誰もが、同じ欲求を抱えている。彼女を動かそうだとかそういう話をしている人たちを、本当は手伝わねばならない。
だが、僕は。
/*
キャンディちゃんの頭撫でたい……大丈夫だよって声掛けてあげたい……マカロンなにやってんだ……隅っこで固まるにはまだ早いよ……早いですよー!!!
誰にともなく告げて、部屋に帰った。
これ以上おぞましい自分の欲を見たくなくて。
自室のドアを閉めるやいなや、胃のあたりを抑える。
夜から何も口にしていないから、酷い飢餓感に目眩がした。
「────」
あの人の名前を呼ぶ。そうして座り込んで、頭を抱えた。
「お部屋に……戻らなくては……
もうすぐ、朝の時間が終わりますもの…ね。」
意思が上手く定まらないまま、彼女は自室へ戻ろうとした。
階段を登る時、倒れた少女が目に入る。
あぁ、やはり、美味しそうだ。
そう思った。
٭❀*日記٭❀*
変な夢。
昨日の続きみたい。
朝起きたみたい。
日記も書いてる。
クッキーの美味しそうな匂い。
なつかしい甘み。
ああ、あの砂のようなクッキーは、今食べたらどんな味?
待って……ちがうわ、あれは、
あれは、明日がお誕生日の「クッキー」……女の子だわ。
ひとじゃないの。
なにがなんだかわからないわ。
先生、先生はどうして私を、ここに。
ここに紹介したのですか。
たしかに私、治したいと泣きついたけれど。
こんな変なところ……いますぐ……先生……
《朝に起きて、共同スペースに行く。毎日の流れ作業が体に染み付いていた。
だが、今日はひとつ違うところがあるとすればそれは──────。》
《クッキーが死んでいる事だ。》
《周りがクッキーがと連呼してくれるお陰でどんな奴が死んだのか俺でも分かった。顔は相変わらず認識出来ない。認識出来ないのに、どうしてこんなにも》
《俺は急いで自室に戻った。傍から見れば、ショックを受けているように見えたかもしれない。
本当の所は"食欲と恍惚の笑み"を抑えきれそうになかったから。》
…ふ……っはは!なあ、スプ。
お前も俺とおんなじ気持ちなんだな!こんなにも楽しくて心が踊るのは初めてだ!
《一頻り楽しそうに笑った後、聞こえてはいたテレパシーの返事をする。》
クッキーだっけ。あいつ美味しそうだよな……。甘い匂いをプンプンさせてさ。ほんとに薬ならあの女食ったらちゃんと治ったりしてな。
《どうせ死んでいるんだ。俺が殺した訳じゃないし、死んでる奴に情なんて湧かない。例え人間だとしても食べる事に抵抗はなかった。》
……おー、お前も中々酷い目にあってんのな。そりゃさっさと治さなきゃいけねえやつだ。
《言葉は少ないが、心からの言葉だった。あの手の職業は味覚が不可欠だろう。夢を奪われかけ、せめて自分の手で道を切り開こうとした矢先にそんな事がおきれば誰だって。》
おう、寝ろ寝ろ。夜から本番だからな。起きたらテキトーに返事くれ。
……憑依の話なあ。夜にでもスプと本格的に話すつもりでいるけどよお、合理的な考えすっとスプは憑依しない方が有利だと思うんだよな。
俺はヘイト溜めかねないし、病気治してえから戦略的にも噛み合いそうだけどさ、スプはその心配はなさそうだからさ。
少なくとも、過呼吸女(キャンディ)とウジウジ男(チョコレート)からは信頼されてんじゃねーの?第三者目線だけどよ。
……でも、せっかく憑依する力を得たんだ。そんな事よりさあ、その信頼を踏みにじってあいつらの泣き叫ぶ声を聞きてえな。
/**/
誰かと恋愛したい気持ちと、でもこいつはあの人以外の人間?に心許さないだろうなって気持ちがあるけど
フラグ立てたら食われるか食わされることになって地獄だなって。
《面白いから。たったそれだけの為だ。
一言にこの世の喜びと愉悦、嘲りと悪意を込めた様な声でそう言った。
遊び過ぎて身を滅ぼすつもりは更々ない。
だが、スプが言った通りキャンディと信頼関係を結び、お互い離れたくないと思った所で他の奴に乗り移ればさぞ悲しむ事だろう。
それを、見たいと思ってしまったのだ。》
……ま、具体的な話は後でしようぜ。スプの意見も聞きてえ。
「おはよう、ウィンター。この施設でこんなに目覚めの良い日が来るとは思わなかった。実は、プリンとクッキーのからだを運んでいる時に、少し彼女を齧ってみたんだ。もちろんプリンが見ていない時にだけど。」
「───すごく甘かった。バターの香りたっぷりのふっくらとした肌が、口の中に広がるんだ。キミもクッキーが腐る前に一度騙されたと思って食べてみなよ。」
僕は今朝の夢のようなひとときを思い出して、うっそりとして言った。
「そうそう、気になることが一つ。『極上の甘味』ってメモが落ちてたの、見た? 人の姿をしているが、この世のどんな甘味よりも素晴らしい。ありとあらゆる病、疾患が治る……って。」
「人間の身体を奪うことができる、って俺たちにぴったりあてはまるよね。頭の回るいかれたやつは、あのメモを見てこう思うかも。極上の甘味を見つけだして、食べてしまおうって。」
「まあ、俺たちが二人でかかればここにいるやつらなんか屁でもないけどね! はははっ」
僕はいつも以上に機嫌が良さそうに──実際すこぶる気分が良かったけれど──にこにことその顔に笑顔を浮かべた。
そして、ウィンターの見解に相槌を打ちながら耳を傾ける。
「そうだな、そこに関しては同意するよ。客観的に考えれば、俺は誰かになりたがるタイプには見えないだろうし。俺の憑依はここぞという時の切り札にしておいたほうが、戦略的にも物語的にも美味しいかもしれない。」
物事っていうのは何事も緩急が大事だ。僕を信頼しきってくれている人が、その心を踏みにじられて“どうして”と怯えた子犬のような目をしてくる光景を浮かべる。
───ああ、なんて素敵な展開なんだろう!
「……にしても、酷い言われようだね。その悪口みたいな呼び方で伝わっちゃう俺も俺だけどさ!」
「まあ、このあたりはなんでもいいや。キミに先鋒を任せて、ここって時に俺が力を使うってのでもいいし、お互いに憑依したいやつを決めてルーレットにしても面白いし。」
「どちらにせよキャンディの件に関しては、もう少し泳がせておきたいかな。キャンディの大好きな飴をたっぷりあげて、あとでその倍の鞭を打つんだ。
今から彼女の反応が楽しみでしょうがないよ!」
/*
甘味の村 情報整理
狼=極上の甘味
人が死ぬと甘味になる?
何故甘味を感じられないのか?
甘い思い出と共に過ごす「おかしのいえ」
どんな病でも治せる極上の甘味。
→本当に治る?病気の再発の危険性は?そもそも本当にそれは極上の甘味なのか?
形も見た目もそっくりに作る事が出来る機械。
→死体は作られたものか?
死体は…クッキーは何故外にいたのか?
→夜時間の規則を守らなかった?つまり、夜時間に外に出る事ができる存在がいる?
それとも時間外で外に出る事が出来る抜け穴がある?しょくいんさんの介入?
しょくいんさんとは一体なんなのか。
職員、食員、蝕引、植員、、
/**/
みんなの好みのお菓子にチョコレートって付いててワンチャン初日犠牲者になりそうすぎるから
今日で物語をある程度描写しておきたい……。
ただRP面倒だとは思うけどね
**キャンディ現実逃避しそう
なんでクソサイコ野郎でこの村入らなかったんだ……?
ツンデレなだけの普通の子にしてしまった……
部屋の端で汗をかいていた。
梅雨の絡みつく湿気のような不快な汗。
逃げた。俺は愛すべき仲間から逃げた。
目覚めはいつも通り、支度もいつも通り、移動もいつも通り、登場の際の口上も──そろそろレパートリーに不安が残るが──いつも通り。
違ったのは空気だった。
幸か不幸か今日、最後の到着となってしまった俺は扉の前で異変に気づく。
久しくその部分の嗅覚を使ったことがない俺にはほんの少しの匂いでも、砂糖を袋ごと使ったクッキーのように甘ったるかった。
何が起きたのか分からないままだったが、続いて部屋を覗いた時、頭の中の混乱は混沌に変わった。
クッキーが死んだ。
そしてそれを食べていた。
畢竟、俺は部屋に入らず踵を返す。
怖くなったのだ。
俺は人間と同居していたつもりだった。
そしてその全てを愛しているつもりだった。
しかし、俺はその対象を恐れてしまった。
全てを愛すなど結局、高度な理想に過ぎなかったのか。
俺が抱いた恐怖という感情はこの家での数年間を頭ごなしに否定する。
お前が積み上げてきたつもりのものなんて自分の中でしか存在してないものだ、と。
視界が、思考が、モノトーンの中に溺れていく。
"クッキーが死んだことなんてどうでも良かった。"
たかが新入りだ。
でも彼らとの生活を、全てを無に帰すなんてことは認められない。
なら、どうするか。
そう考えながら俺は部屋の隅で震える。
至った答えはシンプルで。
至った答えは救いようもなく。
至った答えは曲がっていて。
至った答えは盲目だ。
「死体を見て怯える彼らを愛そう。
人を食べる彼らを愛そう。」
奪われたのは味覚だけじゃない。
純粋な理性すら欠片も残っていないのは自覚している。
**発言時間関係なく話せるのは狼の特権だよな……うずうずしすぎると非狼透ける???
それどんだけ暇してるんだよって話か……
てるてるどんな感じで出るんだろ
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気がおかしくなってしまいそうなら、もういっそのこと部屋の外に出ない選択肢を選んじゃいそうなんだけどそれはありなのか……?
甘い誘惑に負けて死体を食べようとしてしまうくらいなら、たぶん彼女は部屋から出ることを拒否するんだけど……
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たぶん、人の血を舐めて愉悦になってる人を軽蔑すらしそう……でも自分にも同じ欲求があることを否定できない恐怖があるから無理そう……一番にしにそう……
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最初こそ私らしくないロル書こうね!!意識しようね!!ってなってるのに時間が経つにつれて頭の悪さが露呈していくからもう無理。。。ってなってる。
小説読もう、最近読んでないから読もう。積んでる小説片付けてこう。たぶん10冊くらいある。。。どんだけだよ。。。
[夜の交流時間が始まった。
この昼の間、シューはずっと考えていた。『あれ』は本当に死体だったのかと。
血も、肉体からも甘味の匂いがするのは…おかしい、はずだ。
何年も関わってこなかった甘味に触れてしまったばっかりに、甘味を感じない事が当たり前な今までの常識が、容易く崩されているのだ。自分の感覚すらも信用できない。
だからこそ…『あれ』を死体と断じてはいけない──そう心の底で警鐘が鳴っている──直感に、シューは従う事にした。
謎を解き明かしてからでも遅くはない…まだ自分たちは何も分からないのだ。
…例え行きついた答えが、逃れようのない真実…死体だったとしても、恐怖に震え縮こまるよりは…マシだろう。
………死体じゃないなら、食べても問題はない、し…。
真実を知りたいのか、食べる為の理由を探したいのか、シューにはもう分からなかった。]
スペース内に充満する"甘い香り"、忘れていた感覚に、入口で一瞬たじろいだ。"クッキー"の死体。いや、これも粘土で作られたまがい物かもしれない。どちらにしてもこの香りは、焼けたバターと砂糖と小麦粉のシンプルな匂いであることは間違いなかった。
「…罪は許された。これは僕へのプレゼントだ。そうでしょう?」
喜びが沸き起こる。ニヤリと笑って臆することなく近づくと、固まりかけている血溜まりを両手で掬い音を立てずに啜る。…感嘆のため息が漏れた。
「………」
[部屋を出て、吹き抜けの階段を下る。クッキーの甘い香りは気持ち程度だが緩和されているように感じた。半日が経ち、血糊も端から少しずつ乾燥しているからだろうか。
『それ』がそのままにされているのか、運ばれたのかは視力のないシューには分からないが、『それ』があったであろう場所は避けて、シューは共同スペースを目指した。
誰かがその血を啜っていたとしても、声を掛けられなければ気づかないだろう。]
「やあ、愛すべきノロマ共、朝夕の礼拝は済ませたか?」
例えありえないことが起きたのとしても俺は昨日と同じ俺ではないとならない。
「朝は顔見せられなくて申し訳ないな、会いたくて仕方ない奴はいなかったか?」
そして事情は知らないふりだ。誰が、何も、どうしたかも。
適当な人から適当な話を聞き、適当に相槌を打つ
「··········なるほど。事情はわかった。」
「クッキー·····、残念だ。さて、これは一体どうなってるんだ?」
朝は顔を出さなかった。
共有スペースへ入る。忘れていた甘美な香りが僕の鼻腔を突く。
背を向けた男がしゃがみ、俯いている。
僕は状況を確認するために歩み寄った。
《窓がなく、日が昇ってるかなんて分からない朝。それが俺の日常だった。……日常だった、はずなのに。
朝起きて見たのは目を疑うような光景。血に沈む新入りの女の姿に血の気が引いていくのを感じる。
人は好きじゃない。病の事を馬鹿にして、俺を見下してくる。だが、死んでほしいとまで願った事なんて1度もなかった。
自分から声を掛ける前に、誰かが声を掛ける前に、自室に閉じこもる。とてもじゃないか、人と話す気になんてなれなかった。
そして、そのまま布団を被って目を閉じる。夢であればいい。そんな幻想を抱きながら、失神するかのように意識を失った。》
あの香りが幸せだったころの記憶を呼び覚ます。
遊園地に行った日。諍いのせいで、日が暮れる前に帰ることになった。あの人は帰りの車の中、甘い物でも買って帰ろうと言った。こんな気分で帰るのは嫌だから、と。
チョコレートケーキとチーズケーキ。あの人は甘い物が苦手だけれど、そういう時はいつも僕に合わせてくれていた。
共に食べれば甘味も悪く無いと、そういって。
《次に目を覚まし、備え付けの時計をのろのろと見ると夜中になっていた。夜時間の始まりだ。
もしかしたら、あれはリアルな夢だったのかもしれないと共同スペースに向かう。
その扉の前でお気楽女と会うがいつもの朗らかな雰囲気はなく、どんよりと沈むような雰囲気を感じ取る。ああ、あれは夢ではなかったのだと思いながらも出会ってしまった手前、気まずいので声を掛けた。》
>>46 シュークリーム
……はよ。もう夜だからちげーけど。
…………昨日は、よく寝れたか?
《昨日はシュークリームを部屋まで送って行った。いつもなら布団蹴っ飛ばして寝てたなかったか?と軽口を叩くが、そんな余裕はなかった。》
目を開く。
とはいえちっとも眠りは訪れず、けれどただぼんやりとしていた。ぼんやりとしているだけで、時間が過ぎ去っていった。
さすがに、何かを口にしなければならない。
さて、口にできるものは二つだろう。無味無臭の粘土か、人か。粘土の残りはそう多くない。……だから、いずれにせよ、生きてる限り選択肢などありはしない。
僕は体を起こしてドアノブを捻る、
命を奪われるにしろ、餓死するにしろ、人を食らうにしろ。それは人としての死を迎えると言う事ではないのだろうか。
────僕はあとどれくらい人として生きられるのだろう。
へえ、それはいいな。匂い通りの美味さなら安心したぜ。別に食うのに抵抗はねえからさ。
つーか、食いもんそれしかねえだろ?粘土はもうじきなくなるだろうしよ。
周りの奴らは肉を食うのに躊躇してっけどよお……さっさと食えばいいのに。長持ちしねえのは目に見えてっから腐っちまう。
《カニバリズムに対して理解がある訳では無いが、別にどうでもよかった。生きる為ならなんだってやる。今までも、これからもそうして俺は生きていくのだ。》
あー……そんなもん落ちてたな。チラッとしか見てねえけど。
多分、あれは俺らだろ。人間じゃねえ、か。上等な書き文句だ。
今はパニック状態だからなあ。多分、俺らの事を食う流れになるだろ。生きる為に仕方ねえってな。ま、お互い食われねえように頑張ろうや。
《下卑た薄ら笑いを浮かべる。バレっこない。少なくとも、証拠がないのだから。
頼もしい共犯者であるスフレと共に、晴れやかな気分のまま笑い飛ばした。》
[自室で目を覚ました。全部夢だったらいいのに、と思うけれど、朝塗ったばかりのリップの色がまくらに移っている。これは、朝の続きだ]
夢じゃない…………いやよ。いやだわ。いやだけど。
朝は混乱したけれど、状況を整理しなくては。
いつまでも、誰かに甘えてはいられないわ。
[昨日、発作が出たとはいえ……スフレを頼ってしまったことを思い出して、頭をふるふると振った。
いちばん弱みを見せたくない人に弱い所を見せてしまった。今日こそ、ちゃんと自分で立たなくちゃ。
大丈夫。大丈夫。大丈夫……私は大丈夫]
>>56 ケーキ
「…そうっスか…なんかごめんっス」
[察させて、気を遣わせてしまった事に申し訳なさを感じつつ、状況を把握しているケーキの言葉に、心強さも感じた。]
「あはは…なんだか、現実感がなくて…気が滅入るまで行かないんスよ…感覚が麻痺してるのかも知れないっスねー…。
死体…やっぱり、死体なんスかね…?」
[これから、自分たちがどうなるかなんて考えもつかなくて。
永遠に続く闇の中に投げ出されているような感覚は、いっそ自覚できない分マシなのかもしれない。そんな気持ちだった。
そして、ケーキからも『死体』と聞いて、皆の共通見解はやはり『死体』なのだろうかと思案する。
やはり、あの『謎の機械』をもっと詳しく調べる必要がありそうだと感じた。
彼にこんな事を頼んで良いのかは分からないが、一人が少し不安だったシューはケーキに問いかける。]
「自分、これから昨日の…あの機械を調べに行くんスけど…来てくれるっス?」
だろ?その為にお前はあの女を落としといてくれ。その方が余っ程、面白くて楽しい事になりそうだからな。
……は、特徴で覚えてやってるだけマシじゃねーか。分かりやすくていいだろ?
だな。一応、俺が先鋒やるつもりでいとく。
俺がやんなら誰がいいとかあれば今の内だぜ?なきゃ適当な奴にしとく。
いいぜ、あの手の女はピーピー喚くから飼っとくのに丁度いい。後々に年若い女の神経を抉るような甘言、楽しみにしてるぜ。
《物語というのは、肉体的にも精神的にも、酷ければ酷いほど心に刺さる。
可愛らしい御伽噺のお姫様のような女を優しい言葉で包んで、薄汚れた外界に晒さず優しく丁寧に育てた女を守り通すよなんて甘言で誑かして、そして───────殺す。
きっと、何もかも奪われた奴の悲嘆の声は何よりも"甘い"。
人の不幸は蜜の味とよく言ったものだ。いつから気付いたか定かではないが、他人が苦しむ様で心が軽くなる事があった。きっかけは恐らくこれだろう。》
…………クッキー
[相変わらず、いい匂いがする。美味しそうな匂い。
むかし、母と一緒に焼いたクッキーの匂いそのもの。
ああ……とっても美味しそうな……
思わず、階段の途中で足が止まる]
ねえ、クッキー。私、ちゃんとお祝いしようと思っていたのよ。
ティッシュペーパーで、お花を作って、色紙を集めて紙の鎖を作って、あなたのお部屋を飾ろうかと。
即席だから、そのくらいしか出来ないけれど、少しは、ね?
どうしてこんなことに……
>>60 シュークリーム
……謝んなよ。俺が匂いにつられてバカみたいに行ったらああだっただけだ。つーか、こんな狭い施設で知らねえ方が無理だろ。
《申し訳なさそうなシュークリームを見て、こっちまで心のわだかまりが出来そうで言葉を投げかけるが、どうにも慰めるのは苦手だ。》
まー……非日常みてえなもんだよな、あんなの。
……口が悪い事を重々承知で言うがよ。あれで生きてたらバケモンだよ、新入りは。
《死体なんて、日常に生きてれば親族の葬儀でぐらいしか見ない。ど素人ですら分かる血の量に沈むクッキーを思い出して顔を歪めた。》
……いいぜ。お気楽女にしちゃあいい提案じゃねーか。こんなところでいつまでもウジウジしてられっか。おら、目の代わりになってやるからさっさとしろよ。
《控えめに頼むシュークリームを鼻で笑い飛ばし、大胆不敵な笑みを浮かべた。こいつからは見えないだろうが、空元気だ。だが、表情と言葉に張りを持たせなければ滅入りそうなので、こうやって自分を誤魔化す。
そして、シュークリームの隣に並んで機械の所までついて行く事だろう。》
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非常事態において、守られるべき者、己よりか弱い者と行動をともにすることで落ち着きを取り戻す。
よくある現象だ。
ワッフルを部屋へ送り、殺風景な自室のベッドへ腰掛ける。
自分の目で見たものしか信じない。
見たものは信じなければいけない。
頭を抱えた。
あれは紛れもなくヒトの体であったし、香ばしく甘いあの香りは、やはり紛れもなくそのヒトの体から発されていた。
「どうかしてるわ。昨日今日出会った人間を、食べるなんて」
部屋へ逃げ帰る前に、幾人かが"片付け"ようとしていたはずだ。
まだあるのだろうか。
運ばれるそれは、どこも欠けていなかっただろうか。
それとも、もう?
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「こんばんは」
誰に向けるでもない簡単な挨拶とともに、共有スペースの椅子に腰掛ける。
呼吸が浅くなる。
空気を吸うと、あの芳香が鼻腔をくすぐるからだ。
>>62 ケーキ
「たはは、確かに。…少し辛いくらいには、香りが強いっスからね…」
[彼が言葉を選んでくれているのを感じ取って、だけど不器用な物言いが少しおかしくて。シューは少しだけ笑みを零した。]
「そうっスね…どこを触っても…血の感触を感じたっス。あの量だと生き物なら死んじゃうっスよね…」
[告げられるケーキの見解は至って真っ当だと感じた。…本当にクッキー当人だったなら。だが。]
「と、と。…えへへ、ありがとうっス!」
[いつもの調子で振舞い、連れ出そうとしてくれているケーキに、1歩遅れてシューも歩き出す。
その振る舞いを見て、シューもいつも通りの振る舞いを習う事にした。
少し、らしくなかっただろうか。
落ち込んでいた自分を心の中で鼓舞する。
ケーキにも、心の中で再度お礼を言いながら。
人が近くにいる事でこんなに安心出来ると思っていなかったシューは、ケーキの握る手に少しだけ力を入れた。噛み締めるように。]
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