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>>302ネーロ
(え、あ、何、何?)
*小さく肩に触れる感触。突然のことにカッツェは何が起きたのか、イマイチ掴めていなかった*
ネーロ…?
*不思議そうに話しかけ、ネーロの反応を伺った*
>>-968みかさん
バットエンド来ると思って、ここガブリ食われてさよならエンドと思ってたらおもわぬ展開で追いつけてなかった()
>>303 レリー
「……そうか。貴女を満たすことが出来たなら、嬉しいな」
「ふ、その時は、……敬称はいらんよ。互いに平民だ」
彼女の顔は、少し明るくなったように思った。
「健勝にな、ミス・レリー。僕達の話をまた教えに来てくれ」
だから、笑い合う未来はないとわかっていて、僕はそう言った。
《ジルベール😭
何でジルベールはレリーの事、忘れてしまうん?
いい友達になりそうでなれないの本当に悲しい……》
なんかね、途中までレリーと次会ったら友達になれるやんって思って書いてたら、そうだ……呪い……って思い出してとても悲しい気持ち……。
>>#47 ソフィー
カエデと呼び掛ける言葉が私を覚えていることを意味することに気づくのに数秒かかる。
「…嘘よ、ほんとに?覚えてるなんて…」
期待してなかった。あれだけ日が経ったのに。
いや、わかってる。この場に来ても私は自分に嘘をついていた。
もういいのか、なにも隠さなくていいのか。今までの悩みの「縄」が彼女の笑顔に溶かされいく。
「ソフィー、ソフィー…」
私はボロボロと泣きながらベッドに倒れこむように知己を抱きしめた。
「会いたかったよ、ずっと。ソフィー、ソフィー。」
愛しき名前を彼女の耳元にささやく。
「私ね、私ね、あなたに会いたくてね、だからね、頑張って魔法覚えてね、それで結婚ってきいて、オーディションって、そしたら黒狼騎士団って人たちが、だからね、私、国のために頑張って、」
逼塞していた思い、隠していた気持ちが溢れる。
注ぐ相手は優しく私を受け止める。
鼻腔をくすぐる匂いはあの頃の図書館を思い出させる。
>>ジルベール
[異国の客人のもてなしを終え、ふっと視線を外すと、魔のモノだったという、件の貴族がいた。確か、ロートが国外追放としたはずだったが……]
――おい、グラン家の。おまえ。
[肘置きに肘をかけ、頬を手の甲にもたせ掛けると、ニヤリと意地悪い笑みを浮かべる
お前の顔を見て、いま思い出したぞ。
――お前、兄がいただろう?
《次は平民同士だから、ジルベールとため口きいて話すのだけを楽しみにしておこう……
友達未満で仲良くします……友達にはなれない……》
話すべきことは、話した。もうここに未練は無い。
あとはローランに別れを告げ、ロート殿下の言っていた、一つについて回答を出すのみ。
僕には、必要が無いと思った。
伯爵の地位など惜しくない。僕を必要としなかった、愛さなかった家族の遺したものなど、こちらから捨て去ってやろう。その家にあるものにも、未練を持つはずもない。
癪ではあるが、僕が扱えるこの黒き剣。護衛や傭兵には事足りるだろう。貴族の生活しか知らぬこの身でも、恐らくは生きるに不足はない。
僕はこれからについて考え始めていた。
/*
サテンの満面の笑みを見て、少女はもしや、と思います。
*/
>>309 サテン
もちろん!ずっと仲良くしたいし、お手紙もいっぱい書くけど……
……よろしくお願いします、がどう言う意味かわかってないのね?
ふふ。まあいいわ!
そのとき、が来たらサテンさまも、嫌でもわかるようになるもの。
楽しみね。
>>312 カーマイン
そんな僕に、話しかける影があった。
透けた肉体に、皮肉な笑みを浮かべた亡霊だ。
「……これはカーマイン王。
確かに、おりましたが。それがどうかなさいましたか」
>>304 アルフ
…あ……。
/*
それは、初めにあった頃の軽々しいものとは程遠い言葉だった。思えばこの数日、彼には怒ったり笑ったり、泣いたり色んな姿を見せてきた。彼の子供のように素直で、花のように優しく柔らかな性格に年甲斐もなく甘えていたのだろう。
簡単に好きになってはいけないと思った。
簡単に、過去の思い出を…築き上げてきたもの全てを否定してしまうような気がして。
それでもこの気持ちは
…愛してしまったこの事実は、変えられなかった。
彼の首の後ろに腕を回し、背伸びをして唇に唇を重ね合わせる。
しばらくして離すと、彼をじっと見つめる。
*/
……アルフレド。あたしも…あんたが、…好き…。
>>311 カエデ
/*わたくしがカエデに話しかけると、どうしたことか、彼女はぽろぽろと涙を零しながら、わたくしに抱きついてきました。ああ、きっと、彼女もさきほどローレンスに会った時のわたくしと同じ……愛しい気持ちでいてくれるのだと感じて、わたくしも涙をこらえることができません。なんて良い親友がいてくれたんでしょう*/
ソフィー「カエデ……泣かないで?わたくしも、涙が止まらなくなってしまうわ……」
ソフィー「ふふ、カエデも、落ち着いて。あなたが、わたくしに会うために……たくさん頑張ってくれたことは伝わったわ」
ソフィー「わたくしたちは……きっとまた、これからの時間を埋めていけるのだから……ゆっくりでいいの。ゆっくり、あなたの頑張ったお話、聞かせて?ロートさまなら、きっとお許しくださるわ」
ソフィー「わたくしも、カエデに話したいこと、たくさんあるの。幽閉中、本だけはたくさん、読んだから。ずっといつか、あなたに話したいと思って……心に貯めてきたのよ」
ソフィー「会いに来てくれてありがとう、カエデ」
>>310ネーロ
……もう、ネーロったら
*くしゃっと笑いネーロを抱きしめる。そうだった。ネーロはこんな子だった*
*カーマイン王に、自分の命を使ってでも綺麗なままお別れを出来るように、それが歪んだ感情だったとしても、心を許す相手には底抜けに優しいのだと、思い出す*
ありがとう、それから。
……そうね。この目のことも。ネーロのお祖母様に、お願いできるかしら。
*夢の中で知る、母の愛。父の姿。でもそれは始まりに過ぎない。カッツェの母は──親は、ソロンディールなのだ*
(もう“祝福”なんてなくても、生きていけるさ)
*ひっそりと胸に仕舞う。これは、師匠に伝えなくていい。誰にも話すわけでもなく、カッツェは自分が知れただけで満足だった*
カエデは「ソフィーのためのシンデレラの本の存在を」、「パトリシアとの約束を」、「ソフィーへの思いを」。
1明かす
2明かさない
2(2)
>>315 ジルベール
お前の兄は確か……アルベルト・グラン、だったか。
お前によく似た面差しの、ファルスに忠実で真面目な男だったな。
[皮肉な笑みを浮かべたまま、ジルベールを見る]
あの者はファルスの1番の側近だったからな――ファルスが処刑されたあと、真っ先に呼び出した。
すると、帰順するか尋ねる前に、「一刻も早くファルスの伴をせねばならない」と言ったので、一番はじめにクビをはねてやったのだが……
――おまえ、名をジルベールと言うんだったな
あいつがクビを落とされる前に最後に呟いたのは
『ジル』
という言葉だったよ
お前の名だな?
サリーナを捨て、一族で唯一生き残った、おまえの
[くっくっと、愉快げな笑いをこぼす]
さて……名残惜しいが、時間だな
私はそろそろ行かねばならん
――消えるまでロートと話すが、もう諸君らにかけられた魔法は解ける
諸君らの中には忌々しき裏切り者もいたが……遺書に書いたことがすべてだ
諸君らの魔法には楽しませてもらった。
セルナリアの剣となり、盾となった魔法使いたちよ
これからも、ロートを支えてやれ
では、私は諸君らよりも、先に眠るとしよう
>>318 カーマイン
「な、にを……」
呆けた顔で、目の前の幽霊を見た。
信じられないのに、何故かそれが嘘ではない気がして、思わず胸を抑えた。
お茶もらったのに時間なくてごめーーーーん
後日談タイム解禁です
でも、まだもうちょいやりたい人は時空歪めてやってていいよ
時空歪めてやりたいことやり尽くしてから寝てください!!
エクスくんもいつでもいいよ
>>319ネーロ
ええ、わかった。先に広間に行ってくる。
隅で紅茶飲んでいると思うから、声かけてね
*ネーロが着替えると言うので、素直に部屋を後にする。ドレスケープを着直し、身なりを確認した*
(よし、これで言葉通り元通り…だな)
*コツコツと静かな廊下を進んだ*
>>ロート
ロート。もう時間のようだ。
とはいえ、私が言いたいことは、生きていたうちにちゃんと伝えたからな。今更何もいうことは無い
……きっと、あやつらを殺さなかったこと、後悔する日が来るだろう。
お前がくだした処罰は、ある種、私がしてきたことよりも重い。
その行動による結果は、きちんとその身で受け止めよ
私の罪は、私が背負って死ぬ
お前は、お前の罪を背負え
それがこの、セルナリアの国王たるものの心構えよ
*広間に行くと、カーマイン王の姿はなかった*
(あれ……礼を言いそびれたな…あと、お別れも)
(ま、今更兄貴なんて思えねぇよ。ただの王様だった。それだけだ)
*自分に言い聞かせる。パトリシアから呼び起こされた記憶は、カッツェにとって残酷だった*
(あーあ、私も毎日、こんな食事ができたのかねぇ)
*パチン、パチンと左手の指を鳴らしてディナーにありついた*
(あ。お土産に紅茶もらうの忘れないでおくか。それと、そうだな……褒美は一生分の紅茶にしよう。無くなったら、持ってきてもらおう。それくらい、安い願いだよな?)
*食事を終え、紅茶を淹れる。心温まる紅茶に、久しぶりに心が安らいだ気がした*
>>327 兄上
……ボクは、いいたいこと言えてないんですから。
言わせてください!!
兄上、ずっと、ボクを守ってくれてありがとう。
兄上が……兄上がたくさんの罪を犯しても……たくさんの人に憎まれても……好きな人に、受け入れられなくたって
ボクは永遠に兄上の弟だから。
兄上は、小さい頃から、ボクの憧れで、かっこよくて、優しくて、いつだってボクのことを考えてくれた。
兄上の後にいればそれだけで安心で、幸せでした。
ボクは兄上のことが大好きです。一生、兄上の味方です。
今度はボクが、ソフィー姫を、この国の民をきっと守りますから。どうか、どこかで見ていてください
ボクは、ボクの罪も、兄上の罪も、ちゃんと胸に抱いて、この国を導きます。どんな結果になっても
>>ソフィー
「そろそろ、広間の方へ戻らせていただきます。」
「ソフィー姫。私は一介の臣下です。ですが……もしも許されるなら、またお会いしにきます。」
>>#48 ソフィー
「…ええ、そうね、時間はたっぷりある」
いいえ、もう数時間しかないの。
「きっとロート様も許してくれるわね、王は優しいから」
あなたへの気持ちを隠して、私はあなたの幸せを世界の誰よりも願っている。
「…ソフィーの読んだ本の話、私も聞きたいな」
私は後ろに回した手で、紫の本の瑕疵をなぞり、それを隠す。
この気持ちは、この本は彼女を困らせる、彼女の幸せを私は邪魔できない。きっと彼女は私がいなくても幸せになれる。それなら私のこの行動は「模範解答」だ。
「でもよかった、あなたに会えて。相変わらず、笑顔が素敵。その笑顔ずっと王に守ってもらうのよ…」
その役は私でないのだ。
「じゃあごめんね、私広間にやること残ってるから、」
この国の、私のお姫様に背を向け、「最後」の言葉を送る。
「またね、ソフィー」
さよなら、と言えない私。
涙とともに手を振る私は世界一幸せで、世界一弱い騎士だった。
/*
少女は、割り当てられていた部屋で荷物をまとめたあとロートへと手紙を書いていました。
*/
––––––––––––––––––––––––––
ロートさまへ
フリージアも、お願いを叶えてもらえると聞きました。お忙しいと思うので、お手紙でごめんなさい。
4年前わたしのお父さんがどこかへ連れていかれました。わたしに暴力を振るっていたから。
今どのようにしているかわかりません。
やさしいパパにもう一度会えるのなら、会いたい。
けれど、それがもう無理なお願いならば、フリージアとお父さんの親子の関係を、どうかなかったことにしてください。誰にも知られたくないのです。
それから、これは、お城のそばの教会にもお話が伝わらないようにしてくれると、嬉しいです。
フリージア・フェシュネール
––––––––––––––––––––––––––
>>326 レリー
機嫌良く廊下を歩いていると嫌なものが目に入り、途端に表情を失くす。
敵同士で馴れ合っているエドワードとレリーだ。
だがエドワードに用はないし邪魔をされるのも面倒なので、レリーの位置を確認して近くの部屋へ転移させた。
そのまま自分も部屋に入り困惑するレリーを無視して話し始める。
「おはよう、レリー…
白玉だって…証明できなくて…ふふっ…残念だったね…?」
レリーを眠らせた日、彼女と話した内容を思い出す。
「必死で…狼じゃないって…どの口が、言ったの…?
嘘吐き…」
深い、深い、光の当たらない深海のような瞳でレリーを真っ直ぐに睨んだ。
バチッと目を開けて、
「目が覚めたの!夢から帰ってきた!」
仰向けに寝そべったまま叫ぶ。
そして薬の入っているはずの袋をまさぐり、自分用の薬を仕入れ損ねた事を思い出し落ち込むのと同時に、僅かに残った品ものに気づいてハッとする。
「疲労に効く薬、あります!残り少ないですが、欲しい方はリンミュールまでどうぞ〜」
商売のチャンスを逃すまいとアピールしたあと、
近くにいた女性に声をかけた。
>>レリー
「お嬢さんお疲れ?良かったらおクスリサービスしますよ!」
小さな麻袋を勢い良く差し出す。
おねがいへのコメントしきれなかったら申し訳ないけど、もう、黒狼騎士団に絡まなければ、ほぼほぼOK(サービス)
カーマイン・ロートパートは終わり!!!!
2時までにソフィーでお返事して、最後にロートで締める
時間がのびのびになって申し訳なーーい
話せますレリー!
あとカエデに話しかけようと思ったけど、カエデがあまりにも綺麗なら締めくくり方したからやめた!
広間に戻って、レリーとジルベールを待つ。
わたしも多分大丈夫ですが自信がない()
あとネーロのその時そばにいた方が良かった気がする後悔があるけれど
多分居ない方が正解ルートな気がするので
広場で茶をしばいていよう
>>たしこちゃん
わたし3時まで起きてるので、アルフレドと居ても大丈夫だし、他の人のとこへ行っても大丈夫ですよ!
>>335 ネーロ
*エドワードと歩いていたら、突然見知らぬ部屋に飛ばされ、驚き、辺りを見渡すと目の前にはなんと────
ネーロがいた
彼に怨嗟の声を向けられ、ああ、この子はわたくしを許せないのねと察した
謝罪などしても、この子の中の憎悪は消えない……なら、せめて*
おはよう、ネーロ
ご機嫌いかが?
ええ、目障りな猫に邪魔されて、本当に残念な結果になったわね
……その嘘吐きに、大切なカッツェを傷つけられて……今、どんな気持ちなのかしら?
ねえ、ケット・シーさん?
*エドワードはこの場にいない
なら、この場では黒狼騎士団を演じ、彼とは決別すべきだと、そう思った*
(また、待ってた、なんて言うとどんな反応するんだろうな)
*カッツェはローランに紅茶を注ぎながら、少し口元が緩んだ*
「けれど」
「それでも」
『良かったのかなぁ?』
「新しき王は禍根を沈め」
「新たな渦の目を知らず生む」
「僕たち黒狼の下僕は死ねど」
「僕たち黒狼の名は滅せず」
『恩讐は二度三度繰り返す』
/*部屋から出ていくローレンスとカエデを見送り……ぽすんとベッドに倒れ込みます。これは、夢なのでしょうか*/
ソフィー「たいせつなひとに会うって……こんなにも、満たされることだったのね」
/ふと、窓から空を見ると、満天の星。空くらいしか見るものがなかった日々は、こんなに美しいと思いませんでした。今は、見るもの全てがきらきらして見えます*/
ソフィー「……わたくしだけ、生き残ってしまって、ごめんなさい……お兄さま、お父さま、お母さま。だけど……わたくし、きっと、幸せになって会いに行きます。与えられるものではなく、ちゃんと、自分で、えらんで」
/*夢だったら、どうか覚めませんようにと思って目を閉じました。眠りに落ちる瞬間――瞼の裏に思い出したのは――いつか、カーマインさまにお礼のお手紙を渡したときの、カーマインさまの、はにかんだような困ったような……今では考えられない、少年のようなお顔でした*/
*ネーロと話し終え、広間へ向かうと、金髪の少年に突然話し掛けられる
確か、薬売りと名乗っていただろうか?
彼に手渡された薬を驚きのあまり受け取り、唖然としながら、そのまま返事をする*
>>338 リンミュール
え、ええ……まあ、疲れては……いるわね?
この薬は……一体、何なのかしら?
成分を、お聞きしても?
>>280 ケラ
見ろと言われて黙って視線を落とす。
彼女が持つロケットには見覚えのある騎士が映っていた。
「こいつ──」
ああ、やはりか。
「……知ってるもなにも。そう年も変わらないのに先輩風吹かして、聞いてもないのに年中妻の話をして、正義感が強くて、自分より他人のことばかりで──あの馬鹿なダレンだろ。」
「−−拙き僧は、子に帰すようだよ」
「拙き僧は、退化するの?」
『へーぇ』
「いーや」
「別にいーや」
「力を果たせぬ者などいらない」
「力を持て余した、黒狼の名折れなど知らない」
『泥水を啜りし汚れた獣』
>>341 カッツェ
ふと、カップを目の前に差し出された。
顔をあげればそこにはカッツェの姿が。
紅茶を俺に差し出しながら特に何を言うでもなく、少し口元を緩める女の様子に、なんとなくきまりが悪くなる。
「……また俺を待ってたのか?」
まあ、遠慮なく紅茶は受け取るのだが。
「しかし世の国民は広く知る」
「城を昏睡させし黒狼の名を広く知る」
『拙き僧にも黒狼の名は冠される』
「子は詰る」
「子は誹る」
『セルナリアの仇敵を誹謗する』
「くすくす」
「くすくすくすくす」
/*
任せるよ京ちゃん!
話してる最中に「あーら!」って乱入してきても、時空歪めまくっても……ね。
待ってます。
*/
もう胸のうちは燃えない。それでも苦しいと思った。燃えぬ心は、何もかもを恨みとするわけには行かないから。
そして闇に囚われて霞んでいた、走馬灯にもにた記憶の濁流が僕を飲み込んだ。
今思えば、あれも、これも。不自然なことは沢山あった。
その全てがあるひとつの仮説を持ってすれば、説明がつくのではないか?
兄が処刑された後のこと。僕は突然伯爵家の当主となった。当然運営する手腕などはなかったが、執事をはじめとする使用人たちは妙に協力的だった。
その執事に教えられて資金援助を頼みに行った商家も、異国からの客人も。
全てが僕の必要とするものを与えてくれた。だからグラン家はことを起こす前日まで、伯爵家としてあり続けられたのだ。
当主とは、こんなにも楽な仕事であるはずはない。
ましてや、敗戦国の王族と血を分ける元公爵家となれば、まず好意的な扱いを受けることはない。帰順していながら潰れた家をいくつも見た。
*広間の奥を見ると、見知った顔……ローランの顔が見える
相変わらず辛気臭い見なりね……ああ、最後なら、一応お別れしに行きましょうか
と思い、彼に声を掛ける*
>>ローラン
こんばんは、ご機嫌いかが?
……良かったわね、何もしないで"勝て"て
騎士としては負けたけど、陣営としては勝利だものね?
試合に負けて、勝負には勝てた気分って、どんなものなのかしら?ねえ?ローラン?
*彼にはどうにも憎まれ口を叩いてしまうが、お互い正体が知れた身
特に気にせず、彼に突っかかる*
それをおかしいと思わなかった。
思えなかった。思わないようにしていた。
けれど、おかしいくらいに、僕に都合のいい世界。
––––––––それを作れた人物は、おそらく一人しかいない。
「兄、上……」
剣技と戦術に優れていた兄は、この戦の結末もおそらく知っていた。
父母が死んでからは屋敷の外にでることこそ叶わなかったものの、ある程度の自由が許された。だから僕は兄が激務に追われていたのを知っていた。
戦況が芳しくないからだと思っていた。しかし、それにしても眠りにもろくにつけぬほどの量は、仕事にしてはおかしいと、当主となった今は思う。
兄の居ぬ間にみた彼の机にあった手紙には、見覚えのある商家や異国の名前が、刻まれていなかったか?
きっと兄は、死に支度をしていた。
終わるサリーナを見据えていた。側近としては裏切りと言える行為を、なぜ彼はしていた?
「は、……ははは」
乾いた笑いがこみ上げた。闇こそなければ簡単に、こうも簡単に答えを得られた。
遺される者のためだ。
それは誰か?
もうあの家に残る人間は、一人だった。
ジルベール・グラン。彼の弟、僕のこと。
どうしてそんなことを?
その答えに、無知を貫くには僕は人に触れすぎた。数日前であれば、気づかなかったかもしれないのに。
––––––––愛していたから。僕を、家族として。
なるほど、相応しい罰だった。ロート殿下が、ここまで見据えていたかは定かでないが。
僕が欲しいものは、本当はすでに手の中にあり、けれどその人が僕のために最期に残したものを、僕は今失おうとしていた。
てのひらを、見る。曇眼で見逃した。自ら手から零した。衝動で兄に会いたく思ったが、それに踏み切るには、ローランとコータローの顔がちらついた。
「……生きろということか。なあ、アル兄様」
幼き頃の呼び名を口の中で転がす。
愛されていたと、その事実を嬉しく思うには、失ったものは大きかった。それでも自死するには至らぬこの心が今は少し憎い。
「やはり、僕にここから持ち出すものなど、何も無い。この心ひとつあればいい」
それでも、これは友らに救われたものであるから。
これ一つ、あとは何も持たないで門出を迎えよう。
「今日この時の咎を負う」
「子供の身ながら永遠に負う」
『エルフの民はその子を持つ』
「エルフの子は黒き狼」
「かつて悪逆を尽くした黒き狼」
「無垢で無慈悲な誹りが注ぐ」
「無邪気で無辜な詰りが注ぐ」
『この戦の英雄に注ぐ』
兄上と別れた後、広間に戻ります。空いた玉座に無意識に兄上の姿を探してしまう自分を、パシッと殴りました。
長い別れや、これからのこと、集まった魔法使いたちの色々な感情が渦巻く広間をすすみ、ボクは玉座に座りました。
――どこからか、歌が聴こえる。
復讐は復讐を呼び、形を変えて帰ってくる。
それでも前を向かないといけない。
誰かを傷つけても、誰かを救わないといけない。
また、誰かを救うとき、別の誰かを傷つかないといけないかもしれない。
何が正解なのかは、わかりません。それでも、結果を受け止める覚悟をもって、正面から戦っていこう。
歴代の国王が、兄上が背負ってきたものを背中に感じながら、ボクは、背筋を伸ばし、目を閉じて、これからすべきことをひとつずつ、考えていくことにしました。
ボクはこの国を、きっと今よりもよくしていく。
――それが今までボクを守ってくれた兄上への
――この国を守ってくれた、忠義の魔法使いの皆さんへの
――ボクができる、恩返し
これで仮締め
私に余裕があればもうひと喉くらいやるかもしれないけど、
ここで締めでもいいって感じの締め
尊さに浸るよゆうがない……
まだお返事してないとこあれば教えて!!
「竜族の娘は追放される」
「爬鳥の娘は忌避される」
「しかして娘は忘れない」
「城塞の屈辱を忘れない」
『災禍の目は潰えない』
「くすくす」
「くすくすくすくす」
>>350 レリー
「ん?……あぁ、あれだけ大口を叩いておいて無様に負けた気高き気高きご令嬢か。」
カッツェから受け取った紅茶を口にしながら、そう答える。
それにしても、こいつは相変わらず腹の立つことを言ってくる。
あの死にたがりの魔法研究員サマは、こんな女のどこがいいのだか。
どうせなら、ロート王子は俺の記憶からもこいつを消してほしい。
「ハ、何もしてない騎士崩れに負けた女が、悔しそうに突っかかってくるのが今は愉快でしょうがない気分だよ。それ、あまりやると負け犬の遠吠えにしか見えないぜ。」
[蓄音機は騒めく広間で最終章を記録する。
一人佇むアルフィリオンは、新たに重なる不協和音に気がついた。]
>>エクス
やぁ、呼んだかな。
君ら、黒狼と名乗ったが、あの3人の残党かい?
それなら、今のうちにね。
[矢筒に手を掛け、弓を弾く準備を完了します。]
>>346ローラン
ふふ、そうね。待ってたわ。
*紅茶を飲むローランに、気づかれていたことが可笑しくて、また笑う。紅茶を誰かと飲むことは楽しかったっけ。カッツェは笑った*
「貴族の娘は忘れ去られる」
「愛しき思いを忘れ去られる」
『ねー!』
「触れれば忘れ」
「愛せば忘れ」
『誰の記憶にも残らない』
ぐにゃり
手足がズレてもなくなるだけで死にはしない。
だが首は…想像の通りだ。
ニィッと焦点の合わない瞳孔が開き切った目で一度レリーの顔を覗き込んでから、背後に回る。
そして部屋から出た後寄った厨房で拝借した包丁でレリーの服を切り裂いた。
「これは…僕からの、呪い…
カッツェと…同じ傷…背負って、生きて…いけ…」
まぁカッツェの傷は治したけど、と内心呟きながらレリーの背中に包丁をつぷりと刺した。
殺さないように、でもゆっくり痛みを感じるように。
肩口から腰まで時間をかけて、時には肉を抉りながら、深い傷を作っていった。
カランと用済みの包丁を床に落とす。
「止血は…誰か、できるでしょ…
僕の用は…これだけ…
…さよなら、レリー…
レリーが、不幸で不幸で…死にたくなっても…死ねなくて、苦しんで苦しんで苦しんだ末に…死ぬことを、願ってる…」
レリーの髪を引っ張りキスをしそうな距離で呪詛を吐き捨てると、空間の箱を消してその部屋を去った。
えへへ( ◜ᴗ◝ )
超絶一方的に喧嘩売って帰ってみた( ◜ᴗ◝ )
こんなことしてる場合じゃねぇカッツェにも書かねば
僕はひとり、会場を見回した。
この場にいられるのも、あと少し。
「……参ったな、彼に合わせる顔がなくなってしまった」
ローランには別れを告げると約束していたけれど。
どうしたものかと、考えていると、ふと彼の言葉が思い出された。
>>359 ケラ
「本当にお節介なヤツ。」
ケラの口から知るダレンに、ふ、と唇の端をあげる。
「……あれは俺が、アイツとアイツを腫れ物のように触る周りのヤツらに腹が立ったから好き勝手言っただけさ。礼を言われるようなことなんて何一つしてないっていうのに、そうやって……。」
「……あんな馬鹿なヤツのことは忘れて、花の魔法使いと幸せに暮らせよ、歌姫。いや……ケラ。」
今は亡きダレンを軽く揶揄して、ついでに彼女に祝福の言葉を贈った。
>>カッツェ
「遅くなって…ごめんね…カッツェ…」
レリーとのやりとりなどなかったかのような態度でカッツェの側へ行く。
「えっとね…先に、村への行き方…だけど…」
話しながら徐に自分の付けている鈴付きのチョーカーを外して差し出す。
「このチョーカー…鈴に、行きたいと願えば…案内、してくれるよ…結界も…通れるから…失くさないように、だけ…気を付けてね…」
>>343 レリー
「僕が風邪に効く薬と他の薬草を混ぜて作ったオリジナルブレンドなんだよ!だから実はどんな成分になってるかはわからないんだ〜。
でも!僕のお客さんは風邪にも効くし元気がでたよ!ってベタ褒めなんだよ?まぁまぁお守り代わりに持っていきなよ、お金は取らないからさ!」
珍しく小声しかし早口で話した後、袋を強引に握らせると、さっさと他に受け取ってくれそうな人を探しに行く。
>>357 ローラン
……相変わらず、口はご達者ですこと
……口は災いの元、というものね
いいわ、今回はこの位にしてあげようかしら
ああ、そんな事より……貴方、あのクソ新国王陛下とソフィー姫の取り合いをするんですって?
蓄音機で丸聞こえだったのだけど……本当に傑作ね!
慈悲をかけてもらえて、よかったじゃない
そうねえ……貴方と、あの愚か者なら……貴方の方が、まだマシかしら?
だから、餞別にこれをあげる
いらない、だなんて言わせないわ
何かあれば、これで涙を拭きなさないな、泣き虫ローレンスさん?
*苦虫を噛み潰したような顔で、彼を睨みつける
そして、彼の手に無理矢理ハンカチを押し付ける
魔力を込めた糸で編み込んだ、特別製のハンカチだ
耐久性は勿論の事、捨てても落としても戻ってくる"スグレモノ"
彼に対する嫌がらせには相応しいと、贈り物はこれを選ぶ事にした*
《ちなみに、ハンカチにはローレンスと縫ってあり、これが持ち主の証として魔法が発動する仕組みです( ◜◡◝ )》
>>367ネーロ
*ローランとケラと、それとなく晩餐会をしているとネーロが現れた*
ええ、行きたいと願えばいいのね
(ネーロに、会いたいじゃなく?)
*鈴付きのチョーカーを受け取ると、可愛くチリンと音がした*
「……相応しくも無ければ、大したかちもないがな」
それでも今の僕にはこれしかない。
時間によって少し回復した魔力をかき集める。僕が魔力で生み出せるのは、これ一つのみ。
そしてそばにあった紙にメモを残してそれに括った。
これ、わたしレリーに話しかけようとした内容をネーロの前で話すと、ネーロ発狂する、やばいやつどうしよう
*城塞の外れを、魔術の突風が吹き抜ける
誰もいない場所で、誰も喋る相手のいない外れで、一人の子供の髪がたなびく*
*五大素あるうちの唯一の極められた魔術の風は、誰しもが顔を覆うほどの、あまりに暴虐な豪風だった*
*その場にいた子供などひとたまりもなく*
……やはり、この姿にいつもの帽子は、似合いませんわね。
*紅き髪に、紅き甲冑を纏う一人の娘が舞い立ち、エクスの帽子は追い風に乗って遥か彼方へ消えていく*
/*ネーロの頭を撫で、ロートの元へ行く途中、カーマインは扉の前に立つアルフィリオンを見た*/
>>アルフィリオン
やあ、エルフ殿。
この度は、我が国のために最後まで戦ってくれたそうではないか
頼もしいことだ。やはり余興ではなく、護衛として賞を与えるべきであったな
私の目が節穴であったよ
[フッと、自嘲気味に笑う]
さて――貴殿は、何か褒美は要らんのか?
特に、貴殿は今後罪人の面倒を見る仕事までしてくれるそうだし……叶うものなら、ロートに伝えておこう
《みかさんww
そうだ、これ治るかダイスしよう( ◜◡◝ )
ネーロに付けられた傷は
1跡形もなく魔法で治る
2治せるが、傷跡が残る
1(2)》
……ふっふふ
2年もある、2年もありますわ。
ねぇ、エドワードさん、エドワードさん!
詳しくお聞きにならないで!
わたくしね、貴方に遠慮せず、このお気持ちを伝えられるようになりましたのよ!
>>366 ローラン
ふふ。…あんたのそういうところが、きっと可愛くて好きだったんだろうね。
/*
ケラ。
名前を呼ばれ一瞬目を丸くする。しかしすぐ嬉しそうに目尻に皺を寄せるとくしゃっと彼の頭を撫でる。
*/
……約束、覚えててくれたんだね。
さあて、あたしも早くアルフを探さないと。どうしても…話したいことがあるから。ありがとう、ローラン。…あんたも、どうか幸せで。
/*
そう言ってショールを翻すと、鼻歌交じりにその場を離れていった。旦那が伝えたかったことはちゃんとつたえることができた。あとは彼は彼の時間を、自分は自分の時間を大切にせねば。
*/
(そうだ……覚えていないだろうし、礼を言うようなことでもないけど、彼女に残しておこう)
*カッツェはサラサラとメモにしたためた*
*
*
踊り子 パトリシアさん
ありがとう
カッツェ
*
*
*物心つく前の記憶を手に入れたことは彼女のおかげだった。長年の疑問が解決したことはありがたい。それを伝えたい、カッツェのただのエゴだった。けれど、彼女の舞に感謝した人がいたと、残しておきたかった*
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