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次の日の朝、ジンジャーの神様 むすひ が無残な姿で発見された。
ジンジャーの神様や他の人々と共に過ごす不思議な時は、そろそろ終わりのようです。
現在の生存者は、忘れ人 沙華、玉音の娘 ルナ、猫又 セン、過客 呂々、『▓▓▓』 ハジメ、猫の嫁入り きぃ の 6 名。
玉音の娘 ルナは、猫又 セン を投票先に選びました。
『▓▓▓』 ハジメは、猫又 セン を投票先に選びました。
歳神様デスカ?
[首傾げ]
願掛ケ……。
[凝っと呂々を見る]
難しいデス。
ワタシ、願掛けするコト、叶えタ思います。
イイエ、叶えようとしているトコロでしょうか。
[ぽつ、ぽつりと言葉を口にする]
リョリョさん。
旅のミチユキ安全祈願、ワタシからもしていいデスカ?
[ふたつ分の願掛けならば、もっと呂々の旅行き先はより良きものになるかもしれない]
デハ、話、始めます。
[ルナが思い浮かべたのか、手には弦の楽器がひとつ。
それを使いながらの弾き語りをしようと思っただけではなく、つい思い浮かべてしまったらしきもの。
それは、そのような弾き語りをする人間がキャラバンに混ざっていたからかもしれない。
ルナが、指で弦に触れれば、ひとつの音。
異国とも、多少の郷愁もあるかもしれない音が鳴った**]
[ 鮮明な像を結ぶことのない曇りの瞳は
それでも、朧な像を結ぶことは出来る
妹や弟と他の人の違いくらいは見分けもつくし
鼻が詰まっていたとしても
蜜柑と林檎を間違えることも、勿論。
それならなぜ、面を被るのか
言ってしまえば単に、見栄えの問題が大きい所
瞬きせず、焦点の合わぬ目で
じっと見つめてしまうのを誤魔化すため
だから"そう"であること自体
大した秘密とすら思ってはいないけれど
それでもほんの少しだけ
伝える時には緊張して、爪先に込めた力
ほっと、緩めたのは彼の名乗りを聞いた時]
ハジメ さん、ねぇ
年始にあう名前だやぁ
あたしのことも "きぃ"と
呼び捨てしてもらえると、うれしいやぁ
[ 苗字という概念は知っているけれど
残念ながら、自身はそれを持ってはいない
だから、遠慮なく呼ばせてもらおうかと
にこりと口角を持ち上げ]
おおきい ねぇ
これって、あれだらぁ
ひめさん等が乗るやつ
[ 試したことのない馬車の乗り心地も
正直、興味がないわけではない
けれど今、この時を歩くなら
少しでも周囲の空間に触れられるよう
徒歩での遊行を。と、ハジメの傍へ
足を踏まないように気をつけつつ
そっと身を寄せながら、ジンジャーへと]
[ そしてジンジャーの前へとつけば
お財布の中を確認し、一枚借りることにする
深く息を吸ってから
音のなる方へと、硬貨を放り]
神様、どうか―――
[ 二礼二拍手の後
落とした声で、名前と住所を伝える
一年の感謝と、これからを願うことにして]
[ おみくじの紙を指でなぞれば
墨の乾いた感触で、書かれた文字と運がわかる
凶ならば結ぶ木を捜すけれど
末吉ならばどうしようか
しばし考え、鶴の形に折り紙し]
あははっ あんなん言うたで
大きく育てる運が出た
[ ころころ笑いながら、おみくじの鶴は財布の中]
すこぅし お腹がすいたやぁ
何か食べに行くかやぁ
[ 漂ってくる空気には
どこからか、食べ物の香りも混ざっている
彼が行くと言うならば
香りを追いかけて、歩いても構わないし
まだここにいるならば、もちろんそれでも]
それとも
鮎の塩焼き、二人分だそか?
[ それと煮スルメと、大アサリと――続けかけ
つい顔をのぞかせた食いしん坊に頬が染まる**]
猫の嫁入り きぃは、猫又 セン を投票先に選びました。
/*
たとえ見える状態が想像できたとしても
この子はそれを望まんだろうなー。という気がする
不便なのはもちろん、不便じゃんねぇ
でも、それ含めて自分なのと
それがあるからこそ、味わうことを楽しんどる感じ。
[ゆらりゆらりと揺れる提灯を先頭に歩いていく。
命の溢れる森は、雨が降ったくらいで命の輝きを失うことはなく。むしろカエルやらカタツムリやら、雨が大好物なやつらが雨の下にやってきていた。]
〜♪ ニャンニャニャーニャ…ニャンニャニャーニャ♪
[そんな姿を見て、猫又は嬉しそうに鼻唄を歌い始める。
森の奥、命が溢れる場所の先にあるものといえば……と想像すれば彼にはひとつしか思い浮かばなかった]
……ここがいちばんおくかな?
…!すげえや、うさぎがもちついてら!
[そこは、滝の流れる湖の畔だった。近くの木々には様々な果実が実り、湖には魚が跳ねる。森の中からケロケロと鳴くカエルの声。唯一異質なのは土手で餅をついている兎たちだろうか?]
[うさぎは、つけた餅を二人に差し出して来るだろうか**]
猫又 センは、忘れ人 沙華 を能力(襲う)の対象に選びました。
さて、どこまで話したろうか。
そうそう、座敷牢に囚われるあのお方の話だったか。
魔女や小鬼や冥土なんてものが跋扈する世界でやつはどうにも普通に見えた。ほかと違うのは足に巻きつかれた大量の鎖と、酔いしれることの無い幸せそうな笑顔だけ。彼は過去を嘆くこともなにかに酔いしれることもなかった。
吾輩は訊ねた。
『お前は自由じゃないのにどうしてそうやって笑えるのだ。人間はいつだって何かに酔いしれ何かを嘆いていたというのに。』
彼はこう答えた。
[君は人間の一面しか見ることが出来ていなかったんだね。人間はね、嫌な時は一人で嫌だというし嬉しい時はみんなでうれしいと云う。
この街の人は悪い方へと酔いやすいんだ。だから僕はみんなが少しでも笑顔に戻れるように手伝っている。]
[僕はみんなの役に立てているんだ、それが何より幸福なんだ][もしかしたら僕は『幸せ』に酔いしれているのかもしれないね]
心底理解出来ぬ男だった。それでも誰かのために何かをすることが心底嬉しいのだと言うことはわかった。**
店の主の発作が起こった。きっかけは…なんだったろうか?きっかけなんてなかった気がする。
悪意を、邪気を、憎悪を撒き散らしながら手当たり次第に暴れ狂う。彼をアヤカシに例えるならばなんだろうか。厄災に相応しく土蜘蛛あたりが無難だろうか?
彼の店は朱い『境』に包まれ彼は1歩として外に出ることは出来ない。店の中で独り身体を掻きむしり、呪詛を吐き、声を潰して、喚いていた。
店の外で佇むのは白い髪の大鬼。紅い椿が良く似合う。
チラリとそいつは吾輩を見て言った。
[すまなかった]
『なぜ吾輩に謝るのか』
[若店主に、随分とご執心なようだったからな]
『吾輩はヒトに情など移さんよ』
[私にはそうは見えなかったがな]
願ってくれるというのなら、是非に。
しかし──── 欲が無いね、ルナ嬢。
[過客が若い頃などは、願えと言われれば湯水の如く願いが湧き出たものだ。
だのに彼女は、それを捧げてくれるのだという。
良い子とでもいう風に頭に伸ばした手は、拒まれたろうか。
触れられたなら、軽くだけ、その頭を撫でてみよう。
そうしてその先、結われた銀糸にまで触れる事は、許されたかどうか。
叶うとて叶わぬとて、移ろいゆく空色に願いを一つ、投げるだけ]
[では────と。
手に楽器を持つ彼女に、自然視線が吸い寄せられる。
弾かれ響いたその音は、不思議な音色をしていた。
耳障り良いだけでなく、そわりと心が撫でられる。
決して不快ではないが、何処か浮足立った心地にさせられた。
或いはこの気持ちが、郷愁とでも言うのか。
帰る場所の無い過客には、過ぎたる気持ちだ]
…………美しい音だ。
[この音色ならば、彼女の玉音をよりいっそう引き立てるのだろう]**
彼の発作が引き、静かになった頃白い大鬼は去っていった。
吾輩は店主に駆け寄った。静かに呼吸する店主は焦点の合わぬ目でこちらを見ていた。そして、またニコリと笑った。
『どうして笑うのだ、貴様は街の皆に見捨てられたのだぞ』
[そうだね、でも、だからこそ、僕は嬉しい。誰かが悲しみに酔いしれて過去を見るのをやめたということなんだから]
[僕は人間が、みんなが好きなんだ。]
『理解し難いな、好きだからそれがなんだと言うんだ』
[それはね、きっと君もいつか分かるよ]**
[光の雨を受けながら、森の奥へと進む。
雨の下。集まる蛙やカタツムリ。
陽気な鼻歌が響く森の中。
そうして、辿り着いた森の奥。]
綺麗。
[光を反射し輝く湖。
水飛沫を上げ流れる滝。
そこには小さな虹も現れる。
たくさんの命の声。匂い。
その中で、
ぺったん、ぺったん。]
月から降りてきたの?
[うさぎのもちつき。
一定の音を聞きながら。
やがて、うさぎは、つきたてのお餅を差し出してくる。
しゃがんで、そのお餅とうさぎを見て、]
くれるの?
[小首を傾げ、そうしてセンを見上げ、
にこりと笑う。]
みんなで?
[そう言えば、蛙もカタツムリも、
木々の合間からは、鳥や鹿、猿。
様々な生き物が、現れて、集まって。
動物たちの宴会が始まる。**]
忘れ人 沙華は、猫又 セン を投票先に選びました。
おっと、っと、みんな出てきたにゃあ!
[みんなで、という言葉に誘われるように姿を現す動物達。餅を食べたり、餅を分け合ったり。
猿は木の上から果物を取って配り、鳥やカエルは暖かな歌を歌う。
猫も、うさぎからもちを受け取ってもぐもぐと口に放り込んだ。もちもちと伸びていく餅を噛み切れず四苦八苦しているが、その顔には『美味しい』と書いてあるようだった]
美味いにゃ、これ!
[動物たちが、にぎやかに宴会を楽しむ。
森の遠く奥で主である大きな犬が嬉しそうにその宴を眺めていることだろう。**]
あれから数日たった。店の主は変わらず鎖に繋がれた生活をしている。吾輩は彼の幸せが解らずいい加減不気味に思えてきた。
吾輩は店を離れることにした。拠点にするには悪くなかったが、あんな不気味な奴がいてはおちおち眠ってもいられない。
吾輩は、いつもと同じように塀に登りとたとたとあの店を離れていった。
ふと、吾輩は気づく。
街の様子が少し変わっている気がする。
魔女と小鬼が、石遊びをしている。白と黒の石をひっくり返しあって楽しそうに笑っていた。
心配性の少女が秘書を連れて会議場から出てくる。いつもより少しスッとした表情をしている気がする。
あの冥土が働いている。私一人ではたらけます、と前見た時よりも活き活きしているような気がする。
皆、相変わらず何かに酔いしれてはいるけれど、それでも過去を嘆くよりも今を見ているかのような顔だった。
あの店主が暗い思いを食ったからだろうか?
少なくとも彼らの顔に苦痛の文字は見受けられない気がした。ただただ…穏やかに見えた。
『この光景をつくることが、アイツの幸福であるのか?この光景を奴は見ることが出来ないというのに。』
吾輩はそう思うと無性に腹が立った。この街の奴らはあの若者に大して冷たすぎるのではないか
やつもやつだ。何かに酔いしれていないなどととんでもない、奴はこの街のモノたちとは違うものに酔いしれていた。
やつの幸福は、自分勝手だ。
" 逢った "時、か。
……では、楽しみにしておくとしようか。
[ 最早、こうやって言葉を飛ばす分には
口を開き、音にする必要も無かった。
" 呂々 "も此の世界の産物か、と
疑ったりもしたが────
邂逅した時の楽しみとは
中々に、人間臭い御仁のようで。
矢張り、己と同じ様に
閉じ込められたヒトなのだろう。
────そう再度、認識した。 ]
此方はジンジャーで参拝している処だが
其方はいかがかな ?
[ 呂々の口調から察するに、
此の世界へ閉じ込められたのも
深刻には捉えていない様子。
ならば神様を楽しませるために、
ひとり腕を組み必死に頭を悩ませている──
そんな訳でもなかろう、と。 ]**
『おい、おきろ店主』
[いたたたたっ…!いたっ…!な、なんだ…?!]
店の奥の揺れる木製椅子に座って眠りこける若店主を叩き起す。驚いたような顔が、目が、瞳が揺れる。
『吾輩がお前を外に連れ出してやる。鎖を解け』
[え、え?は???]
『ここから出るぞと言っているのだ、早くしろ!』
イライラする、惚けているならとバシリと猫パンチをお見舞してやった。人間は本当に察しが悪い、憎たらしい限りだ。
[ち、ちょっと待ってくれ!気持ちはありがたいけれど僕は外には出られないんだよ!それに…外はもう暗くなるだろう?これから日が暮れるというのに、出ることは出来ないよ!]
そんなことを気にしているのかこいつは。アホか、アホの子か?いや、大阿呆の大空けだ。間違いない、むしろ疑問系にしたら疑問符に失礼だ、そうに違いない。
『そんな心配はいらん、吾輩が貴様の行く先を照らしてやる。貴様は正しく幸福を得るべきだ、貴様は吾輩の思う自由を知るべきなのだ。』
そういうと吾輩は【自らの尾に火を灯した】。
揺れる燃え盛る尾が、まるで行燈のように世界を照らす。吾輩が歩けばそれに合わせてあかりは世界を包む。
『吾輩に名をつけろ、若店主。』
『吾輩が、貴様の行く先を照らし明るい未来を示す導となってやろう。』
吾輩とあのお方の付き合いは、ここから始まったのだ
ーーーーー………
[という壮大な出会いを果たしたこの鬼灯提灯。
中の火には火車(カシャ)という猫の魂が宿っているんだ、僕の昔からの相棒でとても大切な……]
『飼い主様ー!大嘘つくにゃよー、オイラしってんだぞー?オイラより先にこの縄張りに来たやつは一人もいないんだろー?』
オイラはセン、猫又のセン。『街』の雑貨店で飼われている『野良猫』だ。今日はちょいと…ちょいと…せ、説教食らってる。にゃはははは!(汗)
[嘘なもんか、君が持ち出そうとしたこの鬼灯提灯が無かったら、僕はおめおめ外出だってできないんだよ?とても大切なものなんだからなくす訳にはいかないんだ!]
膨れ面で彼は答える、怒っているのに怒ってるように見えない、間抜けな顔だ。
[と、とにかく! これは無くされたら困るからあまり持ち出さないように……こ、こら!セン君!!!]
『いいだろ別にー!オイラもこいつ気に入ってるんだもん!絶対無くさないからさー!今日は『旦那』をうちにご案内する約束してるのにゃ!だから一番いい案内役の姿しないとね!ほんじゃ借りてくよーーー!!!』
[せ、センーー!まちなさいーーー!!]
オイラのお気に入りの鬼灯提灯と一緒に、今日は大事なお仕事にゃ!!!**
/*
セン君の話かと思ったら、セン君の手に持つ鬼灯提灯のお話でした(ちゃんちゃん)
途中からこいつなんか実は意識あっても面白そうだなって((
これは、誰が生み出したのやら……
神様の仕業、ではなさそうだな。
ひとまず、イカ焼きでも…食うか?
[ 曇りのない瞳でも、うごめく店のヒトは
影のように映っただろう。
しかし、受け取った2つのイカ焼きは
紛れもなく色と匂いを持っていた。
両手に持った串の、片方を彼女に渡す。
座れる場所があれば、其処に腰掛けて。 ]
ふむ……なかなか、これは
………美味いんじゃないか?
[ 口をもぐもぐ、と動かしながら
隣の彼女に目をやれば にこりと。
──── ああ、そうだ。
神様を見つけたら、
こうやって一緒に食べようか。
誰かと会話しながら食べるのは───
こんなにも " 楽しい " から。 ]**
[縁もたけなわ、宴会は続く。動物たちの宴に猫は浮かれる。腹もいっぱいになり、どうにも眠くなってきた]
んにゃ…ふふっ、楽しいなぁ…
クマが踊ってら……んにゃ………
向こうじゃうさぎとカエルの相撲だ……ん…
[リリンリリンと揺れる鬼灯提灯、内に灯る火が暖かく揺れウトウトとし始める。 少し宴会から距離を置いて近くの木に背中を預けた]
…なあ鬼灯や…鬼灯提灯や……オイラぁ、最初は面倒ごとに巻き込まれたァって思ったけど……ふふ、案外こういうのに巻き込まれんのもわるくないにゃあ……。
[うつらうつらと、頭が船をこぎ始める。
それに気づいた何匹かの鳥や動物達が彼に寄り添って暖めた。]
……沙華ぁ…、たのしぃなぁ…えんか、ぃ……
[にへら、と笑って宴会を共に楽しんでいるであろう沙華の方を向く。眠気でもう視界は朧気だ。そういえば、案内の途中だったような……とちらと思考の隅で考えたが……眠気と温もりに耐えきれなくなったのか、そのままストンと眠ってしまった。]
[くうくうくるる、という寝息が小さく響いていた。]
猫又 センは、玉音の娘 ルナ を投票先に選びました。
/*ルナを吊って(ルナとまた縁を結びたいセンくん)
沙華を噛み(そばにいる沙華ともっとそばにいたい)
みたいな感じで行くかな
恐ラク、ワタシもワタシの祖先も、そのまた祖先も、遠い遠い祖先も、ずっと窮極の原型と言えるモノ、神秘の謎に情熱抱きマシタ。
旅、沢山します。
尽きせぬモノ、探検と脅威味わう為。
[そこまでルナが語れば、一度目が伏せられる]
砂の溢れる地。
陽照る酷暑に月冴える極寒。
邑に街。
大河の畔と井戸の傍に、人々営む。
往来の門の神。
嵐と雷雨の神。
夢と眠りの神。
翻る神々あれど、3の神治めん。
[染み入るように響く、弦が震え]
影と幻の民、邑から邑へ街から街へと渡り歩く。
瘤持ち獣と荷車の群れ。
荷載せてゆき、砂漠にて睡る。
乾きは、湧泉にて癒やし。
夜な夜なの火の番、楽器を鳴らし心を慰む。
邑や街、定住の民の地。
行き交う砂の民は、集いても過ぎゆく者。
喜びは一時、されど、歓びは永き。
キャラバンの娘、ルナ。
舞い踊る玉音の鈴振り。
陽の元で舞い、月の元で舞う。
民、星の聲をきき、導きの元に歩む。
[そこで、ひとつ弦の響きをおさめ]
[やがて眠そうな声が聞こえたならば]
……ふふ。
[ふわり、笑い、センの隣へ腰かける。]
楽しい。
[クスクス笑い、彼を暖める動物たちとともに、センの頭を撫でる。
寝息をたてる彼の肩へ、こてんと頭を乗せ、]
うん。
楽しい。
[また、そう言って目を閉じた**]
[姿も見えぬまま交わす会話。
彼の人とは違い、向こう側に居る人物を疑ったりはしていない────
というより、その必要も無かろうと思っているだけ。
どうせ目の前に相手は居ないのだ、どういう素性の相手だろうと、実害はないのだから。
何にしたって、己が愉しめれば良いのだ]
ご婦人になら、蜜柑より喜ばれる物があろうに。
お前さんは存外朴念仁のようだなあ。
[からかう様な口調ではあるが、相手との仲を邪推しているわけでもない。
同じ境遇の者がもう一人居るのか、と。そんな事を考えるだけ。
それにしても、名も知らぬ相手からの差し入れを、よく素直に受け取って貰えたものだ。
そのご婦人とやらは、どうやら警戒心が足らぬと見える]
ふぅん、中は苺なのか。
[仄かに覗く赤色を指先でなぞり、小さく鼻を鳴らして]
美味けりゃ良い、嗚呼、確かにそうさね。
自分が美味いと思う物を
他者に与えようと考えるのもまた、道理か。
ふふん、有難く頂いておこう。
["お前さんは良い人だね"、と。
紙で包んだ苺大福を袂に落としながら、嘯いてみたり。
返礼をする律儀さだとか、気に入りを選んで他者に贈る気遣いだとか。それらは素直に好ましく思えた。
それも、彼の人の身の上を知らぬから────その手を汚す赤を、知らぬから。言える事かも解らんが。
或いは知ったところで、嗤って流してしまうのやも]
あたしは今、此処で出逢った娘子に
無聊を慰めてもらっているところだよ。
どうにも物語を集めるのが好きでね、
その娘の身の上話を聞いているのさ。
……ン。
愉しませる為に連れてこられたのに、
己の無聊を慰めてちゃ不味いのか。
ふふ、此処は案外愉しくって、
神サンを喜ばせるのをついつい忘れちまう。
[これでは、神より過客の方が愉しんでいるのではなかろうか。
異国の空気に触れ、姿の見えぬ相手と言葉を交わし、常なら出来ぬ事柄は、乾いた心を潤す様だもの]
だが、参拝するっつうのも愉しそうだ。
此処の神サンへの礼儀なんかは知らんから、
どっかで粗相をやらかしちまいそうだが。
[後半は、何処か似合わぬ困った風な声音で。
それはそれで一興か、などと。都合よく考えるのも、すぐなのだけれど]*
木に身を持たれかけ目を瞑る二人。
周りには彼らを温める動物達。
吾輩はひょいと提灯の中から火の頭を伸ばして周りの様子を見る。
少し離れたところでこちらを見つめる大イヌ、さらにこの森より遥か遠くから感じる何者かの視線。
なるほど我らはそいつによってここに呼び出されたのか。無性に腹が立つ、早く起こして元の世界に帰ろう。
そう思って手を伸ばそうとしてーーー………
止めた。
糞餓鬼の間抜けな寝顔が、なんとも飼い主様に似ておるのだ。ここまで間抜け面だと起こす気にもなれぬ。
そう思い返し、吾輩は提灯の中に身体を戻し火の姿に戻る。
明るすぎては寝づらかろ、そう考えればすうっと灯火は小さくなっていくのだ。
さて、吾輩も少し眠ることとしよう**
ふふっ やっぱり、屋台 だらぁ?
巫女さん等が、甘酒振舞ったりとか
そういうのも風情があるもん、ねぇ
[ せっかくならば、白無垢よりも動きやすい
白衣に緋袴姿の方が良かったと
冗談がてら、ほんの僅かに唇を尖らせる]
そうね、先ずは イカ焼き
お肉も欲しいでぇ 焼き鳥も
[ 屋台の中で蠢く人が、どのような姿をしているのか
視力の足りない自身の瞳では確認する術もない
傍にいるはずのハジメの姿も、屋台の人も
手に持ったイカ焼きの串さえも皆一様に
ゆらゆら淡墨で描いた輪郭が見えるだけ
本当にそこにいるのか、どんな姿をしているのか
指先で輪郭をなぞればきっと、わかるだろうけれど]
ねぇ おいしいやぁ
ご馳走、取り合わんの
なんか、久しぶりかもしれん
一緒におってくれて
ありがとう ねぇ
[ こうやって言葉を重ねるだけで十分
心の中に描くことができると、にっこり笑って
そういえば、己が生み出したものは
金箔と睡蓮鉢、それに狗尾草程度
これだけでは少々寂しいと苦笑い]
なんも出さんのも、芸がないかねぇ
せっかくだで、祭囃子でも
[ 自分の暮らしていたところでは
祭りといえば爆竹を鳴らすものだった
邪を祓うために投げられる爆竹の破裂音
とはいえ、あればあまりにも煩すぎる
思い描くなら、桜並木に相応しい
明るく切ない篠笛の音を選ぶことにして]
楽しい ねぇ
[ バザールが終わるまでか、夜店が途切れるまで
自分自身へ聴かせるように
"楽しい"と、幾度となく繰り返し
ゆったりと辺りの空気を楽しんでいった**]
そうかい、それは良かった。
────嗚呼、そうだ。
砂糖漬けなんかもいけるんだよ。
ほら、これなら長く保つからね。
ま、持って帰れるかは解らんが。
[桃を二切れ、食む姿>>40を横目にちらり。
気に入ってくれたのだろうと当たりをつければ、此方も朗らかな心地。
続けて、砂糖に漬けた桃の瓶詰めを差し出してみせる。
恐らく桃とは無縁の場所に棲むだろう彼女が、帰ってからもそれを味わえる様に。
ところで。一切れ目に感想が零れなかったのは、夢中で食べていたからだろうか。
だとしたら、そのいとけなさは微笑ましく、好ましい。
つい頭を撫でたくなる手を制し、ゆたりと花見を続ける事として]
[紡がれる音の波。
ゆるりと伏せた瞳は、無意識の内に。
誰かの語りを聞くのが好きだ。
誰かに語って聞かせるのも、また。
それはただ、物語を得、与える為だけに非ず。
確かに一つの繋がりを得るも、また]
……さて。
お返しはルナ嬢と同じ女神サンの話を、
とでも思ったが────
此処の神サンの様子は、どうだろうね。
[ぐるり、首を回して一柱の姿を探す。
愉しげに語らう面々の姿も、ちらりと見えはしたろうか。
はて、さて。残りの時間はどれだけか。
多少急かされる心地で、過客は紙束を捲り始める。
彼女の語りに報いる物語を、選び取る為に]*
……さて。
お返しはルナ嬢と同じ女神サンの話を、
とでも思ったが────
此処の神サンの様子は、どうだろうね。
[ぐるり、首を回して一柱の姿を探す。
愉しげに語らう面々の姿も、ちらりと見えはしたろうか。
はて、さて。残りの時間はどれだけか。
多少急かされる心地で、過客は紙束を捲り始める。
彼女の語りに報いる物語を、選び取る為に]**
そちらも連れがいるのか。
なるほど……語り部か?
───…いや、逢っての楽しみだったな。
参拝の礼はあるが、知らぬなら其れでいい。
此処の神は、作法よりも
楽しみが御所望らしいからな。
では、後程……と言っていいのかな?
[ 異国の者なのだろうか。
なんにせよ逢えるのが楽しみな事だ、と。]**
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