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旅人 ニコラス は 羊飼い カタリーネ に投票した。
羊飼い カタリーネ は 負傷兵 シモン に投票した。
負傷兵 シモン は 羊飼い カタリーネ に投票した。
少女 リーザ は 羊飼い カタリーネ に投票した。
青年 ヨアヒム は 羊飼い カタリーネ に投票した。
羊飼い カタリーネ に 4人が投票した。
負傷兵 シモン に 1人が投票した。
羊飼い カタリーネ は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、青年 ヨアヒム が無残な姿で発見された。
《★霊》 羊飼い カタリーネ は 人間 のようだ。
現在の生存者は、旅人 ニコラス、負傷兵 シモン、少女 リーザ の 3 名。
[部屋へと戻れば、
疲れもあってか倒れ込むように眠りについた。
だが。
目覚めを向かえてくれたのは、
爽やかな朝の気配などではなく、
覚えのある透明な気配。
がばり。身を起こす。
感じる魂は、人狼のそれではなく、
紛れもない人間のもの。]
あぁ――…。
[やはり、彼女は人間だったのだ。
願望を信じた己の弱さを恨みつつ。
まだ、終わっていない。
人狼はまだ生きている。
そのことを皆に伝えなくてはと、
決意を抱き、部屋を出た。
新たなる惨劇には、未だ気付かずに――。**]
リーザ、ちゃん……。
だいじょうぶ? ねぇ、怪我はない…?
だいじょうぶ……?
[いずれのタイミングでリーザは戻っただろう。
見かけられたなら、血の気のない頬で膝をついて目を合わせよう。自分より幼い誰かを案じて心のバランスを取ろうとする、よくある反応だった]
[疲労は想像以上のものだった……が、少し考えれば当然のことだった。
食事はささやかなスープのみ。極限状況は続き、発育中の幼い体を雨のなか引きずり回し、精神はころころと入れ替わりを繰り返す。
持つわけがない。
夜露を凌げるところを見つけて休憩や仮眠を取る。親しんだ村の中のはずなのに、山奥の廃村にでも迷い混んだような錯覚を覚える。
どうにか宿にたどり着いたころには、雨雲の向こうには日が登ったのだろう、と感じられる程度には視界が明けてきたころだった]
―自室―
[休憩を、と各々解散した後、少しでも平和な習慣をなぞろうと、机上の日記を開く]
いろんな事がありすぎて…みんな、嘘みたい。
[ゲルトが無残な姿で発見されたこと。
エルナの衝撃的な告白。
爪牙に裂かれる事を受け入れたジムゾン。
終わらない騒動、赤く染まったカタリーネ――]
ごめんなさい、ごめんなさい……。
[生きたかった事。誰かを殺そうと思った事。
結局は、役に立てていない事。
何に対してか分からない謝罪を繰返し
言葉を綴るより多く涙を落とすうち、
いつしか気を失うように眠りに落ちていた]
[動物の命。
人のために奪うのを悪とは思わない。
彼らには彼らの絆があるのだと考えたくない。
こんな"わたし"にしかなれないなら、カナリアに生まれたらよかった。そうでなければ、籠の鳥があのひとならよかった。
鉱山での事故の一例。
そんな無機質な記録の一行になるくらいなら、いっそのこと。自分の弱さの事ばかり、考える]
司書 クララは、能力(去る)を実行することにしました。
司書 クララは、能力(去る)の実行を取り止めました。
ヨアヒムさん発見したら心折れそうです……。
PL的にも。
どっちかが死ぬまで胸襟開けないクララ。
生きたいように生き死にたいように死ぬ、物語を描くって、全体の流れ考える時はPLでも、PCとして動いてやりたいことあればフラグを立てようって感じでしょうか。wikiや前村ざっくり読むと方針伝わってくるから、村建てさんに聞くというより自分で考えることだとは思うんだけど。
文章が変だった。
全体の流れやフラグはPLとして整えても
在り方や選択はPCのものを貫いていいのよ
っていう方針かなーと解釈したのでした。
普段身内で困ったら賽子の向くまま遊んでるのでずれてないかなぁとずっとそわそわしている。
― 村はずれの小屋 ―
[そこにはすでに二人の姿は見当たらなかった
置いてきぼりにされた羊と
まき散らされた赤
鉈はどこに消えただろうか
無表情でその場を通りすぎる際
月の光る闇夜を思い浮かべて
口端をつり上げて一人、笑った
遠く鳴けない代わりに]
[宿の玄関に近づく。リーネは、あのリーネは、あのままここに来たのだろうか。とすれば、この中が平穏無事であるはずがない。
最悪の事態を想定する。――すでに残っているのはわたしだけかもしれない、と。
沸き立つ感情は恐怖よりも悔しさ。
たった一手の間違いで、ここまで詰められてしまうなんて!
……いや、まだだ。本当に事態は最悪なのか。それを把握しなければ。
それにまず体力だ。今のままでは歩くことさえおぼつかない。
ふと、玄関脇の傘立てを見る。色とりどりの傘。
この国の傘の製造技術はずいぶんと高い。とりわけ"リーザ"のこの傘は]
お父さんとの約束の傘。
再開の印。
あの都のコインとともに。
――なぜ、あなたはあの人をお父さんとみとめてあげないの………。
[今はもうそんなことに思いを巡らせるときではない、と思いつつ、ああ、コインはエルナが持ったままだっけ、とふと思い。
エルナ。そうだ、あの部屋だ。
やるべきことに思い至った]
[……貧血めいて、一瞬視界が歪んだ。寝台へと膝を付く。
額を押さえた掌は、既に人のものへと戻っている。
飢えを凌げる程度に喰らって過ごしてきたが
獣としての膂力を振るえば、一息で消耗してしまう]
[裂いた袖も、残る傷痕も、神父の時と変わらないが
前腕だけでは到底足りず、“食事”は上腕へと及んだ。
寝台へと染みていく血液が、姿勢を変える度に
ぐじゅりと嫌な音を立てる]
[肉の隙間から覗く白いものを、破れた袖で隠したのは
次に来る誰かへ対する、せめてもの気遣いだったと
――そんなことを言えば、笑われてしまうだろうか]
― 夜明け ―
[血痕の増えた服は、ゲルトや神父に着せようとしていた
物置にあったものへと変えた。汚れた方は屑籠の奥へ。
体格が違うのだろう、袖が少々足りないのだが
その為だけに自宅へ戻る気にもなれない]
[時折袖口から覗く、新たな包帯と蚯蚓腫れ。
床にぽつぽつと、小さな血痕を残した傷は
今は包帯に覆われている]
……
[厨房で、沸き立つ湯を眺めている]
[淡々と、表情の失せたまま茶を入れた]
[誰かが談話室へ来たならば、そこでようやく
疲労の滲む顔に、気遣いを浮かべてみせたことだろう]**
[疲労していく子達を見守ることしかできない
死者の祈りが意味はあるのかわからない
ただ祈るだけになってしまう]
また、誰か来るのでしょうか。
[談話室の窓に座るように天を見上げた**]
[玄関先でクララ>>4を見た。
小走りにわたしに駆け寄ってきてかがみこみ、わたしと目線に合わせて話をしようとする。
だいじょうぶか、と。怪我はないか、と。
今のわたしの姿はあまりにあんまりなのだが、まずは体が無事なことが第一だろう。
一方で、クララのその様子が、やはりここが無事ではすまなかったに違いないことを知らせる]
クララおねえちゃんは…………大丈夫なの……?
[互いの身を案じる。見たところクララも怪我を負っているようには見えない。
そういう答えが返ってくるだろう。
彼女の目を見る。
今はもう昨夜のような、人狼を処刑しようと言っていたときのような、恐怖と憎しみが渦巻くがごとき濁りは見えない。
その目はきっと、弱弱しいわたしの姿に、弱者同士のささやかな安堵のようなものを見出しているんじゃないだろうか……。
だけど、今はまだそのときじゃない]
リーネおねえちゃんは……ここに来たの……? みんなは………ほかのみんなは大丈夫………なの………?
[わたしはクララの顔が曇るのを見るだろう]
[心には何も無い。
何も見えないし、何も聞こえない。
もうなにもかも終わったんだ。
過去の亡霊は、立ち去るだけだ。
それは悪い夢。
永遠に醒めることのない、悪夢を見続けていた。
今はただ、無力に宙を漂うだけだった。]
[……クララが口にするリーネの最後>>3:149>>3:156に、どのような思いを抱いていいのかわからない。
かろうじてわかることは、彼女もまた、彼女だけの運命を抱えていたのだろう、ということだけだ。
ほかの誰とも共有できない、リーネだけの運命を。
あの青年……ヨアヒムがリーネを退けたのか……人は極限状況に追い込まれたとき、思いもよらぬ力を発揮する。それはリーネのほうもそうだったのだろうし、そこで繰り広げられた叫喚はどれほどのものだったろう。
神よ、父よ。せめてあなたの御許では、かの魂は安らかにあれ。
わたしはクララからひととおりの事情を聞き終えると]
おなかが……すいちゃった。
食べもの、探すね。
[そう言って、できるかぎりの元気をふりしぼって、厨房へと向かった。
腹が減っては戦はできぬ、とは遥か東方の国の格言だったか。
ああ、あとは熱く入れた紅茶が飲みたい……]
まだ、終わっていないんです。
カタリーネさんは、人狼ではない。
彼女は、普通の人間だったんだ。
[そこまで一息で告げれば、
ようやく、肩で息をする。]
僕は、霊能者だから。
死者の魂が見えるんだ……。
[普段は絶対に人に言わない言葉。
平時ならば、気が触れたとでも思われるのかもしれない。
でも。今は。
今だけは、言わなければいけない。]
まだ……
まだ、人 狼 は 生 き て い る。
[告げる声には疲労が滲み、決して大きな声ではないが。
男の双眸は強い光が灯っていた。**]
/*
別にこの世界では霊が見えるといったところで気が触れたとは言われないか。(今更そんなことを思う)
まぁいいか。(頭かきかき)
クララ、異性の部屋に全力で突っ込みすぎでは……とも思うけど、でも誰もいないタイミングでお話するのは今だろか。
ゲルトはゲルトだし、ヨアヒムさんの昨日の事気にかかってるし。いいか。うーん。
[紅茶を飲んだきり大したものを口に出来ていないから、呼吸が落ち着いたら自分も後を追うべきだろう。
けれど、しばらく足は止まったまま。
疑っていたカタリーネが死んだのだから、不安はないはずなのに。
遠目に、談話室へ危うげな足取りで入っていくニコラス>>18が見えてから、ようやく動き出す]
(あとはシモンさんと――ヨアヒムさん)
[元々両手の指で事足りた人数は、もう片手分しかない。あっという間の惨劇。
彼らも談話室にいるかもしれないが、様子だけうかがってこよう。
カタリーネを手にかけた彼に、心痛を和らげる何かを返せなかったのも気がかりだったから]
[意外にも人狼の犠牲者は出ていないみたいだ。
ならばまずはなにより、"占い師"と"霊能者"の存在をつまびらかに(FO)すること。
彼らは人間に与えられた武器。だがそれゆえに人狼の襲撃を恐れてその武器を隠すものが多い。
しかし今はもう出るべきた。むこうもそう思っていてくれればいいのだが。
それからジムゾンの噛み痕の証言の詳細を、三人にはっきり聞く。
そのうえで、その痕が実在するかを実地見聞だ。
実在するなら、その最初の目撃者、証言者は白。
偽装のメリットは皆無。人狼はエルナひとり。そういうことにしておくべきなのだから]
ヨアヒムさん……。
あさ、ですよ。
[ぼんやりと寝台の傍らに膝をつけば、首の痕が目につく。抗いがたい自然は、こうして生命を度々押し潰してきた]
雨がすこし落ち着いてきたから、
きっともうすぐ たすけがきます。
[カタリーネは人間だったのか。
三匹目がヨアヒムを狙ったのか。
真っ白な頭にそんなことは思い浮かばない。
鉱山で囀りをやめたカナリアは助からない。
けれど、落盤事故で鉱夫と共に逝ったものは直前まで歌っていただろうから、空が落ちてくる前なら助かるのではないだろうかと。
混濁した意識のなか、ぽつぽつと話しかける。
だって、兄弟してこんな終わり方ばかり似るなんて、そんなこと]
あの日。
いいたかったこと あるんです。
みんな終わったら……お話、しませんか。
[それきり続く言葉はなくて。
そっと触れたヨアヒムの袖に赤が滲む様は、ジムゾンの腕の噛み痕を思わせる。震える体は立つことも叶わない。
ただ呆然と息のないヨアヒムを見つめていた**]
[ニコラスが人狼だと仮定するにはアリバイの面で無理がある。
やはり談話室にいた三人……その中に狼はいる。
クララ、ヨアヒム、そしてシモン――。
このさい、なりふりなど構っていられない。
少女の画面が剥がれようが、わたしが審問をするしかない。
なあに、もうみんな何が起きても驚くまい。エルナとリーネの死に、新たな人格が現れたくらいに受け止めるでしょ……くすくすくす
…………ぐすっ…………何よ………泣かないの………リーザ………。
わたしは談話室に向かった]**
/*
今回SG化考えずに役職匂わせる方向でばかり動いてたから、めっちゃ非狼取られている……ごめんなさい。(ふるふる)
[あの子はどうしているだろうか
笑顔を取り戻してくれたように見えた少女
視線をさまよわせた先にいてもいなくても
あの金色があせていくのは、残念なことだ
だれよりも ぬれた赤に触れてほしくないと願ったのに]
[人の思考のまま、あせた赤色に目をやる
運ばれていく先を目だけで追って
ゲルトの部屋であったならば、その体には
人らしい弔いをしようかと目を伏せる
心の中で友の名を呼びながら
談話室を離れたのは、それから**]
― 談話室 ―
[談話室にはシモン>>15とニコラスの二人がいた。
ニコラスは自分が"霊能者"である>>19と、はっきりと口にした。
……わかってるじゃない。なんだか雰囲気も心持ち男らしいような。そして人狼はまだ生きている、と>>20
わたしは彼の言葉をひきついで言う]
"占い師"がいないかも確かめないといけないの。
人間のふりをした狼さんを見つける力があるっていう……わたしは違うの。
シモンおじちゃんは? "占い師"じゃない?
[質問への答えを聞きつつ、生き残った全員への確認を促す]
……クララおねえちゃんと、あと、ヨアヒム兄ちゃんにも聞かないと……二人はどこなの?
あぁ……また……。
[犠牲者が出てしまった。
守ることも、終わらせることも、出来なかった。
自らの無力さを痛感して、
唇から重苦しい息が零れた。]
[久しぶりに訪れた故郷だが、
それほど良い思い出があったわけではない。
ただ、懐かしさと
人を求めているのを知って、やってきた。
それだけのはずだったのに。
過去の自分を知ってくれてた人がいた。
おかえりと言ってくれる人がいた。
新しい友が、出来た。]
[だが。
これから綴られるであろう未来は、
鋭い爪と牙によって、刈り取られてしまった。
――そう、人狼の手によって。
新たなる友とも触れあいは、
どれほど楽しいものになっただろう。
昔懐かしい人達と話すのも、
きっと、心安らぐ時間となっただろう。
それら全て。
あの夜の土砂のように、脆くも崩れてしまった。]
[ごしごしと、袖で目元を拭う。
部屋の中へと歩み寄り。
友が目覚めぬことを知れば、
見様見真似ながら、幼い頃に覚えた祈りを捧げる。]
……クララさん。
貴女にも、
お話しておかなければいけないことがあります。
[彼女が歩けるようならば、談話室へと促して。
そうでなければ、この場で極力冷静に、
ゆっくりと彼女にも説明を行ったことだろう。
自らの力と、それで見えたもの。
そして、還らぬ司祭の持つ力についても――。]
そう、なの……。
[もちろんその可能性も考えていた。だが実際にそう聞かされると、その言葉>>31は重くのしかかってくる。
ニコラスがこの場で嘘をつくことはありえないだろう。ほかの誰かがそれを覆す証言をすれば、一気に人狼としての疑いをかけられてしまう。
……万一、彼が霊能者を騙る人狼だったとしたら? 占い師であるジムゾンにその正体を見抜かれて、そしてエルナがその口をふさぐために自らを犠牲にしてまであの凶行に……?
いや、エルナの行動と組み合わせると、不自然に思える。
あとはアリバイの存在……例のジムゾンに残された噛み痕のことが確認できれば……ニコラスは白、と言えるのだが……
やはり最大の敵は、疑心暗鬼だ]
狼さん、狼さん、あなたの尻尾はどこにある……。
捕まえないから、出ておいで……。
[ニコラスの呟き>>31に応えるふうにして、わたしは歌った]
[そうして、時間は過ぎる]
……どうするべきだったんでしょうね。
私は、死ぬ時の選択を間違ったんでしょうか。
(最終的なものは…変わらないかもしれません。
占いをおこなった私が元に戻れるとは限らない。)
[話している様子をただ見つめることしかできない]
[出て行ってしまったニコラスを追うべきか少し迷った。
だが、ここは待とう。
そしてわたしと同じく残ったシモンの様子を窺う。
やはり、今残された誰よりも、この男は冷静そうだ。
命のやり取りが生業であった男なら、人狼騒動の渦中にあってもその心を震わせることはないというのか…………それとも、この男こそが…………?
彼が人狼ならば、私一人では……たとえ相手が狼の姿を現さなくても、勝ち目がないだろう。それはレムスが思い知らされたことだ。
まったく、この小さく弱い体が恨めしい。
だから、シモンが人間であってくれれば……と甘い希望も湧かないではない。
ともかく、クララとヨアヒム、それにこの彼の三人から、ゲルトの部屋にいたときの状況を聞きださねば……。
だが。それはかなわぬ希望であると、わたしはすぐに知ることになる>>36]
[エルナにシモン。この村には人狼がいた。
結局、どうして彼らが人を襲うかは分からなかった。
けれど、自ら人狼であると明かしたエルナと、謝罪を告げたシモンを思い出せば、どうにも、この状況を望んで作り出したようには思えなかった。
止むに止まれぬ事情。あるいは本能。それとも。
生まれて死ぬまでただの人間だった自分には分からなかったもの。
――分かった所で、何かが変わるとも思わないけれど]
[自らの死体の隣、寝台に腰掛ける。
年季の入った寝台はいつものように軋みはしないし、たっぷりと血を吸った所に座ってもこの体は汚れない。
暗い夜、閉じた部屋、冷え切った空気の感覚も分からないちっぽけな魂が、彼の言葉を思い出す。
“辛いと言っても良かった”と――真意などわからないから、文字通り受け取るだけ。
今なら言えるな、と思って口を開いて、けれど出てきたのは]
……もうちょっと、生きてたかったな
[ぱたり、ぱたり。音もなく、仕草だけはそんな様で足を揺らして呟いた。
ゲルトも、ジムゾンも、エルナも――カタリーネも、同じだったのだろうか。
そう思えば二度繰り返すことはできずに、自分でもよく分からないまま、視界を滲ませた。
どうやら、死んでも涙は出るらしい。
やっかいだ、と独りごちた]*
カタリーネさん……人間だった可能性が、高いんですね。
[あれほど疑っていた彼女に、淡々と。
占い師だったらしいジムゾンについては触れず。
考えなければならないことがたくさんありすぎて、頭の端が痺れていた]
ヨアヒムさんの腕、怪我してるみたいなんですけど――みんなで見た方がいいかもですね。
ジムゾンさんのと、そっくりだもの。
みんな、かわいそうに。
[寝台の下に滑り込んでいたナイフをじっと見つめたあと。
ご足労させてごめんなさい。そう言って。
離人感にふわふわした足取りで、一度談話室へと行くことにした]
[次いで少女が、占い師かと問うてくれば>>30
無言で首を横に振った。その名を騙るつもりなどない。
あくまで探しているだけなのだから]
[だからこそ、あの日、占い師はエルナと共に死んだのだと
そうニコラスから聞いた瞬間>>31、動揺を露わにした。
これまで一度も、占い師を頼ろうと言ったことがないと
動揺する理由を説明出来ないと、良く分かっているのに
どうしても押し殺しきれなかった]
[――あの夢想>>3:46は、叶えられるものだった。
自殺めいた真似ではあったが、試してみても良かったのだ。
目的を無くし惰性で進むことに、思うことがあるのなら]
/*
シモンさんが色々材料を出してくれているけど、
推理はリーザちゃんにお任せしようとか考えている暢気な霊能者がこちらです。
[クララが談話室へと向かうならば、
大丈夫かと声をかけながら、
自らも共に向かう。
シモンとリーザもそこに居ることを告げれば、
もう、こんなに少なくなってしまったんだ……と実感してしまう。
自分を除けば、残り3人。
容疑者は、既に絞られている。
そう自らに言い聞かせ、
歩を進めながらも思案に暮れるのだった。]
疑われつつ疑えばいいんだろうけど、あんまりアリバイ絶対だったんだよ!ってなるとクララはシモンさん一択になってしまうのでどうしよう……むずかしい。
シモンおじちゃん、紅茶、おいしい?
[わたしは素直に物欲しそうな態度でシモンに聞いた]
わたしも、飲みたいの。もらっていーい?
[そういって、置いてあるポットを指さす。
もちろん、本心から紅茶を欲しているわけじゃない
……多少は、欲しいけれど。
案外、こういうところに表れるのね、と思った。
ティーカップを手にする、指先ではなく、腕の無駄な力の入りかたや、唇の微かな震え。紅茶が喉を通るときの、その動きの硬さ。
それが狼の証拠だなどとは言えないけれど。
取り繕っている何かがあるのだとしたら、それをはがそうと動くいたずら者の小娘を見て、彼はなんとするだろう?]
おじちゃんでも、やっぱり……怖い?
[本命はあくまでゲルトの部屋の現場の証拠だが、その補強になるものでも出てくれば幸い、と。]
そういえば、
リーザちゃん……昨日は外で過ごしたみたい、です。
詳しいことは聞いてないけれど…。
[道中ふと赤ずきんの騒動が過って、あの血はリーザのものではなかったらしいということを伝える。ニコラスの横顔をぼんやり眺めながら、これまでとこれからを思案する。
談話室に踏みいる足は、どうしても震えていた]
―談話室―
戻りました。
クララさんは無事だったのですが、
ヨアヒムさんは……。
[談話室に入れば、
シモンとリーザに事の説明を。
ヨアヒムのことを告げれば、
自然と表情が翳る。
だが、泣き言など言ってられる状態でもない。]
―談話室―
[談話室に入れば、血生臭い匂いから一時解放され、
紅茶の香りに包まれた。
だが、持ってきた報せは、芳しくはない。
クララが報告するのを聞きながら。
同意を求めるような視線に気付けば、
一つ頷き。
傍らで、苦い表情を浮かべていた。]
怖くはないな。
ただ、なんというかな……疲れた。少し。
[それは半ば本心であったけれども、少女に聞かれても
本当の理由は口にしない。
“村が戦場に変わるってのは、複雑なもんだな”と
手の中で揺れる薄茶色を見下ろして、ぽつりと呟いた]
嬢ちゃんこそどうなんだ。
今日はえらく、肝の据わった様子だったが。
[占い師を確かめよう、だなんて、早々言える事じゃない。
存在を信じていないにしろ、秘匿するためにしろ]
……絶対に死なないだとか、腹でも括ったか。
それとも、疑ってる奴でもいるか
[――リーザが成熟した精神を抱えている事など露知らず
あくまで、少女として接してはいたけれども。
肩肘張らないままで、何となしにそう問うてみた]
[血の止まった今では、もう強く痛むこともなく
負った傷のことは、特段意識していなかった。
真新しい包帯は、襟元から覗くいつもの物と同じ様に、
時折ちらちらと姿を見せている]
ヨアヒム、お兄ちゃんが……。
[やはり、人狼の犠牲者は出ていたのだ。
また一人、減った。
人狼の牙が、あるいは――投票による処刑が。また一歩、自分にも近づいているのを感じる。
一方、"容疑者"が絞られた事実を喜ばしく思う自分に、唾棄すべき苦々しさを覚える。
そんな思いを振り払うつもりで、わたしは本題を切り出す]
ねえ、昨日、クララお姉ちゃんと、シモンおじちゃん、それに、ヨアヒム……お兄ちゃん……三人でお部屋を片付けたんだよね……?
神父さまが噛まれた痕を見つけたのって、誰なの……?
[それこそがあわれな犠牲者ヨアヒム>>3:28であること、その証言は、シモンとクララの二人から取れただろうか?]
[こちらの言葉に、むしろシモンは緊張を解いたようにも>>55。リラックスした態度で紅茶を注いでくれる]
子供あつかいしないでよ〜。
でも、疲れてるときはお砂糖が元気にしてくれるよね。
[素直に、砂糖入りでいただくことにした。こんな状況だけど、いや、こんな状況だからこそ、こういう時間が必要だと、心から思う。疑っている相手だけれど、ティータイムを共有する者同士、奇妙な共感を覚えてしまう。
『疲れた』>>56と語る言葉に嘘は感じられない。本心だろうか――それがたとえ狼のそれだとしても。
そんな、本音が漏れるような空気の中、ぽつりと質問>>57]
死にたくない……うん、死にたくないよ。
[その言葉にどれだけの意味が乗っているのか、もはや私自身にもわからなくなっている。
死しても転生を繰り返す霊でありながら、死の恐怖、いや、生への渇望は消えることがない。
そのうえ、一度一度の生のたびに、そこで関わった人たちの生が、乗る]
エルナおねえちゃんがどうして死ななくちゃいけなかったのか……人狼ってなんなのか。
それを知るまで、死にたくない。
それに、それに……お父さんとお母さんに、もう一度、会わなくちゃ。
[気が付けば、思いのままのことを話していた。シモンへの疑いのことなど、その瞬間は霧散してしまっていた]
[あの人の飢えは満たされたろうか
一緒に狩りをしてみたかった、初めての仲間
言葉少なな彼の真意をくみ取るのはエルナには難しい
それでもせめて追いかけられるようにと
もらえた言葉だけは忠実に守ろうとした]
どんな色だったんだろう
[隠れるのも見つけるのも上手な人だから
獣になった姿は見たことがない
もう少し一緒にいたら見れていたのかもしれないと思えば
少し残念だった]
[エルナの我慢がきかず、始めてしまったこの騒動
そのつけを払わせているかのようだった 大切な、仲間にも
ヨアヒムの腕の噛み跡を見たなら、初めて、そう思ったことだろう
しかし今は入らず、クララが部屋から出ていくのを見送った
あの子は、守るために誰かを傷つけるだろうか
それはエルナにとって本望ではない
なんとしてでも阻止しなければならないことだったけれど
彼女が生きるための力になっているというなら、
それが誰かに生きる力を与えるというのなら
やはり光を失ってほしくはなかった
そっとその場を離れて、ゲルトの部屋へ
かつての友はどうしているかと様子を見に行くことにした**]
どうして私の声は届かないの。
どうして私に声は届かないの。
[思い起こせば、辛い人生だった。
何をしようともあと100歩は足りない。
それでも何とか折り合いを付けて、前だけ向いて過ごしてきたんだ。
諦めるつもりだなんて、これっぽっちも無かったんだ。
諦めが悪いから、悔しかった。
悲しかった。
寂しかった・・・・・・]
[あの時違った道を選んでいれば。
そう後悔した事も何度もあった。
けれども、それが無ければ成り立たない自分がいた。
この道を選んで始めて、自分になれたんだ。]
誰か、誰かそこにいるの?
[失ったはずの感覚に、何者かの気配を感じて。
赤ずきんは声にすがりつく。]
[自分か誰かの死を覚悟する猶予がほしくて
こんな状況でも秩序めいた何かがほしくて
数を頼りに投票と処刑をしようと思っていた。
――けれど、もう後がないなら。
乾いた血に塗れた刃の重さは、
踏ん切りのつかなかった自分の責任の重さ。
無謀だろうと、おとなしく結末を待つのだけは許されない]
ヨアヒムさんの腕…たぶんジムゾンさんの噛み痕と一緒です。
わたしでは気づけないこともあると思うので――どなたか一緒に行ってくださいませんか。
[ゲルトの時はあんなに恐ろしかった赤。
もう関わらずにいられなくないけれど。
冷たくなった彼らと向き合うのは――辛い。
同意する者がいれば、共に現場へ向かおうと**]
リーネ
[ゲルトの部屋まで 名前を声にしながら
呼ぶ声に応えはあっただろうか
あったなら途中ででも歩みを止めるだろう
すがるような声に、手を差し伸べたい気持ちは抑えて
カタリーネの隣へ、そっと近づく
獣にも人にもなりきれなかった黒髪の人狼
人である自分を好きになることはないとあきらめていた
どうあっても牙をむかずにいられないから
身近な誰か――人を守ることで
仲間に似たなにかになれればと思ったのだけれど**]
ああ、リーネ
そこにいたの
[声が届いたことを再度確認して
どこか寂しそうな色が瞳に宿ったものの
声をかけられなければ
ゲルトの部屋で彼女の顔を見て
どこかで閉じこもっていただろうと思い直す]
……あんた、死んだの
[どうしてよ、と問うように]
エルナこそ。
[覚醒しきらない意識にねぼけまなこをさすりながら、
気怠そうに。
今日はもう疲れた。
あと1000年は眠っていたいのだ。]
こんな場所で何やってるんだい。
髪色なんて変えちゃってさ。
少女 リーザは、負傷兵 シモン を投票先に選びました。
ああ、この髪ね
元がこの色なのよ
ここまでしか黒くなれなかったわ
[残念そうにため息ついて髪を持ち上げる]
変なとこで寝てると、風邪引くよ
[まるで生きているかのように語りかける]
もうみんな起きてくる時間よ
そろそろ起きなきゃ
寝てたいなら、それでもいいけど……
ここじゃない気がするわ
んー、似合ってるかも。
[まるで変わらない。
これまでと、何も変わらない他愛もない会話。]
いいじゃないのさ。
もう、羊の世話をする必要も無くなったんだし。
[あの仔達はどこへ行った?
それとも、とっくにあの世へ行ってしまったか。]
私、ずっと二度寝するのが夢だったんだよね。
本当の意味で気を抜ける日だなんて、物心付いた時から無かったんだから。
[今日を生きるのに一生懸命で、
止まる事なんてできやしなかった。
家族であるオオカミにだって、隠れて会わなきゃいけなかった。
快活な羊飼いを演じるのは、もう充分堪能したさ。]
[もう一人、シモン。
騒ぎが起きる前、向こうから気さくに話しかけてくれた相手だ。
騒ぎの中では、彼の経歴もあり、落ち着きもあり、
何かと頼りにしてきた気がする。
彼が人狼だったなら――?
夜にならずとも、身体能力では一番秀でている。
残っているのは、自分以外は女性と子供だけ。
果たして。
彼が人狼だったなら、処刑出来るのだろうか。]
[頼りになる。信じたい。
そう思う反面。
”だったらどうしよう”
それを一番色濃く感じる相手でもある。]
はぁ……。
[質問には言葉ではなく、ため息が零れた。
が、今こうして足元へと視線が落ちるまでは、
男の視線は司書と元傭兵の間を絶え間なく行き来していた。]
家畜だって恩くらいは感じてるんじゃない?
あんたがちゃんとしてないと
どこにいくかわかんないよ
食いもんにされるのが幸せでもあった
そう思ってあんたの後をついて行った子だっているかもね
[羊の言葉はわからないけど、そう冗談まじりに
それに、と付け足す]
二度寝はあんまり好きじゃないわね 結局だらだら寝ちゃってさ
一日終わってやっと 起きときゃよかったかもって後悔するんだもん
あんたにそう教わったんだよね
[直接言葉はなくても
快活にふるまう羊飼いを見て 無意識に張り合っていたのか
好きでもない裁縫がいつのまにか仕事になっていたのだ]
朝食食いっぱぐれるのもやだから、そろそろあたしは行こうかな
みんなも食べてるといいんだけど
[そう言って、人の声がする方へ耳をすませ**]
そんなご立派なもんじゃないさ。
[頬杖をつき、何度も羊を連れて歩いた道を見やる。
雨に濡れた草が青々と美しい。
カタリーネにとって羊は道具に過ぎなかった。
もっと大きな目標があったから。
けれど。]
それなら、羊飼いになった意味くらいはあったかな。
[エルナなら分かるんじゃないかって、ちょっとは期待したのに。
こちらも冗談めかして笑う。]
きっと何も思っちゃいなかったさ。
私には分かるよ。
あの仔ら獣は嘘つかないもの。
[それをなぜエルナの前で言った?
皮肉? それとも同情?
いいや、これといって深い意味は無いのだろう。
カタリーネにとって、それはごく自然な言葉でしかなかったのだから。]
私も行こうか。
私にとっちゃどうなったってもう知らないけれど、あの4人の行く末くらいは見届けたくなったよ。
[曲がりなりにも見知った顔。
最期を供にした人々。
罰は当らないはずさ。]
羊飼いのあんたが好きだったよ
[カタリーネの求めるものがなんであっても
人として過ごせた日々はかけがえのないもの
ぬれる青い草を見つめ 赤を思い出す 床をぬらす赤を
獣の牙で羊を傷つけたりはしない だって、羊は人ではない
人である自分は好きになれなくても、人は好きだ 焦がれるほど
だからこそ人である自分は認められない]
獣は嘘をつかないか、そうよね
だからなれなかったか
そんなふうに言うあんたが、やっぱり好きだよ
[詫びの言葉を言わないエルナ
その友は、やはりカタリーネ以外にない]
あんたがいなくなったら悲しむ子はいるわよ
あたしなんかより、ずっとね
[共に来てくれるというなら、彼女と談話室へ
それがどんな結末でも見届けるつもりで**]
[談話室へと足を進めながら
床の血痕を見て ぬれ続ける草を見て
そわそわと視線をさまよわせる
焦りといら立ちと飢えが、同時に襲う
――雨、まだ上がらないの いったい、いつになったら……
太陽まで眠りについてしまったというのか
床の赤
あれは誰の血? 誰が傷ついてできたものだというのか
カタリーネにリーザにシモンにニコラスに ヨアヒム
生きているのを確認できているのはクララだけ**]
私は羊飼いってのは好きじゃなかったね。
[羊飼いになりたくて、なった訳じゃないのだから。
けれど、そう言った矢先には]
まっ、嫌いでもなかったけどさ。
[決して無意味な生活でもなかった。
それなりに楽しかった。
それで充分さ。]
[自分が居なくなって悲しむ者。
少ないけれどエルナ以外にも友達はいたし、涙もろい北のばあさんなんて、そのままショックでぽっくり逝かないか心配になるくらいだ。
もちろん、牧羊犬達も悲しんではくれるだろう。]
それでいいじゃない。
これまで散々居なくなった仲間を悲しんできたんだもの。
最期くらい、こっちから悲しませてやっても。
[それが真であっても、偽りであっても。
知らなきゃそれはもう現実ってもんだ。]
それにね。
[少しだけバツの悪そうな顔を浮かべて。
それでいて、苦笑する。]
嘘をついていたのは、私のほうさ。
最初は目的があって、エルナと仲良くしていたもの。
[人狼が自分の前に現れたのなら、人の代わりの餌を探してやろう。
そう考えて始めた羊飼い。
だけどもし、人狼が人の形をしていたのなら、自分が友となって人と獣との新しいあり方を。
それがもう一つの計画だった。]
けれども、嘘から出た真って言葉もあるだろう?
[世の中そんなものさ。
境界なんてありはしない。
ただ気が付いたら、そうなっている。]
[昔から持ち合わせていた、微かな違和感。
エルナがやって来る日には必ず獣達はざわめいた。
確証なんて無かったし、本気でそう思っていたのかも怪しい。
ただ、興味を惹かれたから。
そうだと嬉しいな、だなんて思ったりもして。]
そうそう。
[陰りはすっかり消え去り、カタリーネは笑う。]
前言撤回さ。
獣は嘘をつくよ。
牧羊犬なんて、悪戯をした後には分かりやすく目を逸らすんだからさ。
[冗談を言える事が、何よりもの幸せなんだ。]
負傷兵 シモンは、旅人 ニコラス を能力(襲う)の対象に選びました。
負傷兵 シモンは、少女 リーザ を能力(襲う)の対象に選びました。
そう、ヨアヒムお兄ちゃん>>3:28、なのね……。
それで、クララお姉ちゃん>>66も、シモンおじちゃん>>63も、その噛み傷を実際に見ているの? ……そう、ありがとう。
それに、その傷はエルナおねえちゃんがつけたものじゃないのね……。じゃあ、きっとヨアヒムお兄ちゃんを……ころした……狼のつけた傷……。
[この推測は、このあとクララが話したこと>>68と一致する。
ともかく、クララとシモンの証言は一致。噛み傷の実在、エルナとは別の狼によるものであることも。これでこの証言がブラフでないことはわかった。
……もっとも、ヨアヒムがその第二の狼の手にかかって死亡している今、後追いの確認でしかないのだけれど……。
そんなことを思っているとき、クララから思ってもいなかった質問>>66。
…………そうだった。人狼を探すことに夢中になっていて、わたしが何をしていたのか、説明していなかった]
……あっ、そうか。そうだったね。
ごめん、話してなかったの。
えっとね……。
リーネおねえちゃんはなかなか見つからなかった。
結局、村の西のはじっこまで探して回ったの。
[レムスのことや、リーザの家のことは省いて話す]
もうどこにいるか、わかんない……って思った。
そしたら、少し離れたところから、羊のなきごえ……ふつうじゃない……悲鳴みたいな……声がしたの。
そっちへ走ったら、小屋があったの。動物を入れておく、簡単な小屋なの。大扉が開いてて、外からでも小屋の中が見えた。
……中にリーネが立ってた。おっきな、刃物を持ってた。
足元に羊さんが何匹も倒れてて……。
きっと……リーネが、持ってた、刃物で……。
[言葉が詰まる。演技ではない。
羊たちの死を思い出してのこととクララたちには見えるだろうか。だがわたしはその羊たちの死骸に囲まれ、鉈をぶら下げて立ち尽くすリーネの姿を思い出して戦慄していた]
わたしを見て、リーネおねえちゃんは………びっくりしてた。
それで……刃物を、わたしに向けたの……。
[そうだ、彼女はわたしに驚いていた。恐れていたようにさえ見えた]
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