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青年勇者 アイン は赤の聖痕者に決定されました。
旅を始めて幾らの月日が流れたのか。
どうやらこの中には、村人が2名、人狼が1名、占い師が1名、霊能者が1名、狂人が1名、狩人が1名、共有者が2名、C国狂人が1名、聖痕者が1名、狂信者が2名、呪狼が1名、智狼が1名いるようだ。
国王 ケセドが「時間を進める」を選択しました。
―幕間―
[そうして。
白い砂漠からやってきた、白い衣の少女と竜は、ゴート村から勇者を探して一度目の旅立ちを。
城下町ゴルガンタで、騎士風の女性から伝え聞いたアインという青年を探し。或いは、青年フリッツと女神、そして魔神との出会いを経て、二度目の旅立ちをした。
足取りははじまりの国へ向かったのか。
それとも風に聞くままに旅をしたのか。
それは誰にも預かり知らぬこと。
ただ――耳聡い者なら、勇者・魔軍を問わずして聞き及ぶこともあったかもしれない。
幾つかの小さな村や町を、魔物の襲撃から護りきった竜の噂話を。
或いは聖堂に忍び込んでは出入り禁止となった、みすぼらしい少女の噂話を。**]
/*
うーん。ダリアはグランドエンド狙いかなと思って振りはしましたが、無理そうな気がしてきましたね。そしてバッドエンドに向かって貰えないなら、襲撃も考慮しないとなりませんね。(魔王は襲撃権持って無い)
熱血は求めてない村です。
/*
…小さな村や町くらいなら有りのようにも思えますが、少女の強さが全然分からないので、魔王接触によることの、能力引きずり出しの意味もあったのですよね。魔神誘いは。というお話の開示。
/*
(熱血が駄目なのではなくポジ系熱血は、という話。)
眠いのもあって恐らくネガ方面に考えている可能性もあるので少し寝てきましょう。
そして皆さん楽しんでいって下さいね(遅くなりました)
― 夜明け/宿の屋根 ―
[旅に出てからというもの彼の気配を身近に感じる事が増えていた。
太陽が山の稜線に沈み、死と生が曖昧な時に彼はやってくる。
死の淵に誘いこむ訳でもない、激励する訳でも無い。
目に見える訳でも無いのに不思議と生前と変わらない彼の優しいまなざしを感じる]
私が死んだら真っ先に迎えに来てくれるか?
[問いに対する返答は無く、やがて暁風に乗り彼は去ってゆく。
この戦いが人類陣営の勝利で終われば、トルニータの加護を声高に叫ぶ者同士が殺しあう悍ましい世が到来するのが目に見えている。
死に属する者とはいえ、自分だけに向けられる優しいまなざしは創造神のそれと比べれば遥かに好ましいものだった*]
― 城下町ゴルガンタ 滞在中 ―
[不思議とB・ドラッグの影響が薄い女とは対照的に城壁内での犯罪が目に見えて増えていく。
肩がぶつかっただけで、刃を振るい合う者達。
日々の憂さ晴らしをするかの如く無力な子供へ向けられる暴力。
路地で繰り広げられる陰湿な性犯罪。
城壁に付く者達から選出され新規編成された警備隊からも暴行致死事件を引き起こす者がでる有様。
ゴルガンタの治安は目に見えて悪化していく。
フリッツが街周辺での探索に専念する最中、目の届く範囲で事件が発生すれば助けに入る事もあったが、警察権の侵害を嫌う警備隊から向けられるのは感謝では無く歪んだ嫉妬心。
街路で目を光らせる警備兵から向けられる犯罪者を見るかのような眼差しに心底呆れるしか無い。]
/*
アロラ様が着実にフラグを立てていらっしゃる…。
幸せになって欲しいPCさんが多いのですが、
バッドエンド村なんですよね。
なんてこった。
ところで私、浮いてないか凄く心配なんですが大丈夫でしょうか。
基本的にふんわりとしたファンタジーの世界で生きているので、やらかしていないかがとても心配です。
─── どことも知れぬ荒野にて ───
[終わりの見えぬ戦い。倒しても倒しても、魔物は増える一方。魔物は強く狡猾になっていき、休む暇もない。周りの景色もおどろおどろしい物へと変わりつつあった。
それは確実に魔王城へ近づいている証でもあったが、未だ城郭は見えず。心身は疲弊していく一方。
だが猫は、全く疲れを見せていない。それどころか、進むにつれてどんどん生気を取り戻していくようだった。それが何を意味するのか……]
[猫は勇者一行として戦ってきた。
詳しい方法は頑なに口を閉ざしたが、何かしらの妖術で、行く手を阻む魔物を事前に鉢合わせないように誘導をする事が猫の役目だった。
猫にとって真の目的は、さしたる力を持たない魔物が無駄に命を落とすことがないようにするための配慮だった。
猫は知っていた。この地でニンゲンが最も恐れるべきなのは、魔物ではないことを。この不毛の地、そのものであることを。
一方で、それでも襲ってきた者には容赦しなかった。力も思考も持たぬ者は、どうせ長くはあるまい。そう割り切っていた。]
― 城下町ゴルガンタ ―
[毒を流し始めて幾ばくか経過した。
町中は順調に荒れ始めているようだった。
力の強い者には効果は薄いようであったが、
そんな力の強い者など少数に過ぎない。
世界は多数の力の無い者によって動いているのだ]
順調のようですねぇ
[見張り台の一つにエンフェルケスーカの渡り人は立っていた。
そこを担当している者たちは盗賊ギルドの傘下に収めている]
次は噂を流しましょうか
『魔軍は港町ベイルーンへと侵攻している。
こちらには来ないようだ、とね』
[無防備な町を強襲されれば毒の影響と合わさり、
堅牢な城塞も脆弱なものとなるだろう。
エンフェルケスーカの渡り人はくつりと笑いながら、
城下町ゴルガンダの最期が訪れる時を待っていた]
― 魔王城内部・黒騎士団詰所 ―
[魔王城の中。
騎馬や翼竜を駆る都合である程度のスペースを与えられていた。
約束通りに翼竜を20頭用意し。
自身はその中でも、気に入っている1頭に騎乗すると決めていた。
兵を運ぶ必要があれば、何頭かには籠を持たせるようにして竜に運ばせると決めていた。]
アレも用意しておいた方が良いかしらね。
丁度いい実験台があるのだもの。
[古代遺跡から発掘してきた携行式の小型火器。
飛び道具だろうと目算を付けていたが。
幸か不幸か、試し打ちする相手がいまいち見つからなかったのだ。]
[投石と手槍による遠隔攻撃。
それだけでなく、小型火器の実戦による練習。
アミーにあったのは慢心と言うよりは余裕だった。]
いつか魔王様を倒すような勇者が生まれるかもしれないけれど。
それはそれで楽しみだわ。
[魔剣を一度抜くと軽く振って見せて。
魔術的な祝福なのか、大剣とは思えない重量で操れたのだ。]
[>>9
難民キャンプから上がる火の手。
城壁外のキャンプは攻撃を受けたら一溜りもない。
魔軍侵攻そなえて最低限の旅準備をしていた難民達は侵攻先変更という流言に乗せられた。
籠城用兵糧提供を訴え城門へ向かった代表者が城門で突き殺された事を機に、警備兵から虐げられていた難民の怒りは暴発。暴徒となり城門へ攻め寄せるが攻城兵器どころかまともな武具も無い難民が城内へ入る等夢のまた夢。
城壁から弓の一斉射撃を受け多大な犠牲を出して潰走する難民を追い城門か出撃した重騎兵が難民を追い潰し、重歩兵が難民キャンプに火を放ち掃討してゆく。
老若男女、差別する事無く全ての難民に死が降り注ぐ。
魔軍の侵攻による難民の自然離散が期待できなくなった時に備えていたとしか思えない手際の良さ。
難民という問題は消え去るが、対策に苦慮していた警備隊、資金資材面での供出を強いられている商工ギルドと、難民支援に尽力していた教会勢力という新たな感情的対立構造の下地が作られる**]
/*
凄い、どんどん事態がややこしくなってる…!
アロラ様に描写をお任せしていたら、
多分、簡単に人間は滅ぶんじゃないかな…(褒め言葉です)
― 城下町ゴルガンタ ―
[>>5悪化する治安と街の空気の中、主人の様子には変わりがないことに安堵する]
……せめて原因が掴めれば良いのですが。
集団で魅了術にかかっているかのような惨状です。
[町の中に術式でも組まれているのかと探したが、見当たらず。水源地>>0:531などという要所に至っては、部外者の自分は立ち寄ることすら許されず]
アロラ様もどうか御気を付けて。
[敵がどのような手段を講じて来ようとも、自分は彼女の剣となるだけだ。魔王打倒後の世界のことまで、主人が案じていることは知らず。
男にとっての天命は、魔王を討つこと一点だったから*]
― 城下町ゴルガンタ 新月の夜/教会 ―
[月の無い夜だった。
荘厳である教会の内部すら、些か荒れているようだった。
血痕の跡が床に点々としている。
窓の一部は罅が入り、木で立て付けてある。
治安の悪化に伴い人々は教会へ救いを求め、
また不条理へ怒りをぶつけた。
星明かりだけが照らすステンドグラスは、暗く。
薄らと漸く模様を確認できる程度だ。
この街の情報を集める内、それ以外にも幾つかの話が聞けた。
はじまりの国を立った"勇者一行"に、
アルシェスという青年が含まれているらしいこと。
その時点ではレティーシアの名は聞かなかったが、
彼女は今頃どうしているのだろう。
また、村を護った竜の話も耳にした。
ダリアのことが脳裏に浮かんだが、繋がりに確証はないまま]
― 城下町ゴルガンタ教会鐘塔/新月の夜 ―
[警備隊との対立で深刻な警備要因不足になった教会に乞われる形で教会での寝泊まりを初めて初日の事。
街を見下ろす鐘塔に女は居た。
人心の荒廃は街の状況に直結する。
遠くから風に乗り聞こえる悲鳴。
所々で上がる不審火。
人間の心の拠り所となっていたゴルガンタ。
今は見る影もない**]
ん、なに、チャペ?
[少年はあまり深く物事を考えない性質であり、タンガリザのことも仲間のチャペが言うならそうなんだろう、程度に受け止めていたのだが。
そこに掛けられる言葉>>0:672]
いけない……遊び……。
[タンガリザがチャペの胸を鷲掴みにしたワンシーンが脳裏に浮かび、純情少年はぽふんと顔を赤くした。
あれはてっきり一方的に襲われたものだと思っていたけれど、まさかそういうことだったのか?]
わ、わかったよ……言わないよ。
[少年からすれば、チャペだってナイスバディのおねーさんだ。
だからそんな風に囁かれれば、頷かずにはいられなかった*]
― 荒野 ―
[かくて一行は、魔王城を目指し旅立った。
それからどれだけの月日が経ったか。
城下町ゴルガンタの異変は旅人の噂話に聞くものの、そこに辿り着くまでに、幾つもの難所を通り抜けなければならなかった。
少年の頭が、救うべき町ではなく、次の町までの距離ばかり考えるようになるまで、さほど時間はかからなかった]
はあ……チャペは随分と、元気、だね……。
[仲間>>6に向けて声を掛ける、少年の体はあちこちに薬草が貼り付けられていた。
町に着く度買い溜めしていた薬草だったが、前の町で買った分はそろそろ底を突き掛けている。
この頃になれば、少年も気付き始めていた。
他の仲間に比べ、明らかに自分の怪我の量が多いことに]
[率先して前衛に立っていたこともあるだろう。
実戦経験が少なく、発展途上なのも確かだ。
しかし――才能も実力も不足しているという事実を、少年は痛感し始めていた]
へへーん、そのとーり。チャペはすごいのでーす。
これからも任せなさーいってね。
[猫は胸を張って答える。
だが、アルシェスの様子に少し困ったような表情をすると、地図を見ながら何も見えない前方を指さすのだった。]
もう少し頑張りなよ、あと1日もすれば湧き水があるはずだからさ。
[もっとも、この地図も正しいとは限らないのは皆分かっていたが。]
[辛そうな様子を何を言うでもなく、猫は見つめる。
…………とても良い気分だ。辺り一面に広がる暗がりが力をくれる。
影は、影の中でしか生きられない。
こここそが猫の生きる場所だ。
ニンゲンとは、住む場所が違いすぎる。]
そう、違いすぎる……
[誰にも届かない声で、猫は呟いた。]
[チャペの内心はわからない。
ただ、それはチャペが強いからだと思った。
チャペだけれはない、勇者も、射手も。
自分よりはずっと強い]
――僕にも、力が、
[羨望と渇望を抱きながら、歩みを進める]
[そうして月のない夜に、一行はゴルガンタへ辿り着く*]
[難民が問題となるのは、故郷を忘れない事も一つの理由だろう。受け入れる余地のある場所では、難民達本来の土地…故郷を捨て、その街や国の民になる事で受け入れられる場所も、中にはあったろう。
尤も、難民が膨れ上がったり、その街や国の方針に撚る所は大きいかもしれないが…彼らの為の開拓、或いは与える土地の問題もあるかもしれない。]
[難民の問題の一つに、故郷を忘れない者の事もあげられよう。
尤も、故郷を忘れず、戦う意志がある者は、魔軍との戦いに赴ける様な地に向かったり、兵への登用を望んだかもしれない。
難民を受け入れる余裕のある街や国では、難民達本来の故郷を捨て、その街や国の民になる事で受け入れられる場所も、中にはあったろう。
難民の問題は、人数や、その街や国の方針に撚る所は大きいかもしれないが…彼らの為の開拓、或いは与える土地の問題、或いは権勢など。]
── 城下町ゴルガンタ・教会 ──
[教会の近くでも悪質な犯罪>>4が行われ始めようとしていた。教会へと難を逃れようとする者達>>14の中ですら、高揚と粗暴に浸された者がいるようだ。
信徒は幾ら居ただろう。或いは神の声聞ける者は幾人居たのか…。]
[高揚を行動の根源に、城下町ゴルガンタの者達は、教会の教えと正反対の事に手を染める。
それは性に幼き者へも手が伸ばされた。か弱き者達は暴力と性欲が齎す一時の身体の慰めに溺れ、容易く背徳の道を選ぶ。]
[奇しくも、ダリアが隠れ魔神が語らった路地裏では、抑えているが獣の様な嬌声が響く場所となっていたか。
心身共に堕ちる街の様子に、嘗ての暖かさは見る影を失う。エンフェルケスーカの渡り人は何を思っていたろう。]
[教会のステンドグラスの女神は、声聞けず姿見えない者へは、物言わぬ硝子の肖像とのみ映る。女神の声や姿を見える者、僧侶達、弱き者へ慈愛の手を伸ばそうとしても、彼らの数は多くは無い>>8。**]
― 城下町ゴルガンタ 教会礼拝堂/新月の夜 ―
[長椅子の背に腰掛け、暗がりの中で剣を見つめ続ける。
遠い昔に友から引き継いだ剣。由来は知らない。
彼が握っていた頃は、希望の様に光輝いていたのに]
……………。
[今は鈍く赤黒い揺らめきを湛えているように見える。
友が今の男を見たら、果たして何と思うか。
――いや、彼は死んだのだ。
死喰い人の言葉を思い出して、緩く首を横に振った]
─魔軍兵士のキャンプ─
[ダートとその手勢は攻城に備え、魔軍支配下の土地最前線に移動していた。天幕が並び、兵士がひしめき、騒然としている。
肉を引き裂く喜びを待ちわびる魔犬の群、整然と命令を待つ魔軍兵士。攻城兵器を組み立てるトロールの一団、食糧を満載した荷車を運ぶ小鬼。
魔軍内で供給される食糧は主に蛇や鼠の肉だ。それも、毒にまみれた土地で育ったもので、酷い味がする。たまに提供される魔牛は馳走になるが、それでも人間が食べれば吐き気を催す味なのだろう。
ダートは一番高い位置に天幕を貼り、情報を集めていた。]
……ぐぶっ。
奴に踊らされおったか。
[難民の情報が届いている。エンフェルスケーカの渡り人が何やら動いていたようだ。]
同族同士潰し合うとは、愚かな。
[群勢の準備が整ったと連絡がきた。
ダートは天幕を出て、空を見上げた。月の無い夜だ。
大鴉に乗り、軍勢の上を飛ぶ。命令を待ちきれぬとばかりにうずうずとしている隊もある。士気は、高い。]
今夜がゴルガンタの最期だ。
気取られぬよう、静かに進め。
黒騎士の竜の一撃が開戦の合図だ。
行くぞ!
[軍は駆け出した。数刻でゴルガンタの門外に布陣が済むだろう**]
[旅の最中、吟遊詩人の語った物語を人づてにいくつか聞いた。
ひとつは、はじまりの国を旅立ち、旅する勇者一行。>>0:667
薄金の髪の勇者アインが猫獣人族チャペ、戦士アルシェス、射手エステルが、稀少種族の犬獣人族タンガリザと出会うところから語られることが多い。
あまり無い編成の冒険譚は、はじまり頃の物語が人気らしい。
どこか愉快な物語として幾度も耳にした。
話を聞く度に少しずつ変わっていく物語に、興味深く耳を傾けたものだ。
過酷になりつつある彼らの旅路は、過去の物語の人気さと比べ語られることが少ない。
今、彼らがどのあたりを旅しているのか。
検討を付けることは出来なかった。]
[そして時々、不思議な物語として語られる話がある。
人とは関わらぬことの多い種族、竜の逸話だ。>>2
不思議なのは、些か御伽噺めいたその物語が最近本当にあったこととして語られることだ。
はじめは半信半疑であったが、途中出会った隊商のひとりが興奮もあらわに語ってくれたことで、真実なのだと知りとても驚いたものだ。
何故、その竜は人の住処を守るのだろう?
いつか聞いてみたいと、そう思った。
最後に、神殿で噂話を耳にしたのは、各地の聖堂に忍び込む少女の話だ。
不思議な雰囲気を持つという少女は、もしかしたら女神様の御使いかもしれない、という話もあった。]
信徒 レティーシアは、月虹 アロラ を能力(占う)の対象に選びました。
/*最初がリリさんだったので、
ゴルガンタルートを取る場合、占いたい人をセレクト。
初期設定のままでも良かったけど、
うっかり選択し忘れてリリたんを占うと、
\多分死ぬ/*/
― 新月の夜/城下町ゴルガンタ・入り口 ―
[さて、その町に辿り着いた時、共に居た者は果たして何人だっただろうか。
少なくとも少年はそこに辿り着き、そして立ち尽くしていた]
……なに、これ……。
[町は荒れ果てていた。
魔物によってではない、人と人が争い、悲鳴や怒号があちこちで飛ぶ。
はじまりの国で生まれ育った少年には、想像もつかない惨状であった。
否、この町もかつては、強固に守られ平穏であったはずなのだ]
[しかしそれよりも。
飢えと疲れと渇きが、少年の思考を支配していた]
[目の前に、飲める程度に澄んだ色の水があったなら、迷わず口にしようとするだろう*]
>>0:597>>0:600>>0:601
……♪
[ 微かに感じられた魔王の反応に、ごろごろと喉を鳴らすように
去りゆく掌を感じ取って、捕まえた刹那に唇を落としたのは
それは親愛の情であり、忠誠の儀であったかもしれない。
能く仕えよ。その言葉に対する返事のようで。
魔王の手が離れると、リリは手を上げて、笑顔のまま首を傾げる
それはまるで、"いってきます"と、言っているのかもしれない。
もう一度、頭を大きく下げて、一歩、二歩、後じさり
そのまま回れ右をして、玉座の間を退出するだろう。
そして、悪魔の司教が従えた屍どもも、ぞろぞろと司教の後へ
最後の屍は忘れる事無く扉を閉めて、画して間に平穏が戻る ]
どうして門に誰も居なかったんだろう……?
[猫の小さな疑問は、他にも思った者が居ただろうか。
変な感じ。
それにこの町に近づいた時から妙な殺気が漂っている。町の様子は、案の定と言う他ない。極めつけには、町の者は皆こちらを睨んでくるのだ。]
チノニオイ……
[鼻をくすぐる甘い香り。
猫は獣の本能を、心の奥深くへと押し込めた。]
やった、お水だー! チャペも飲むよ!
[町にある小さな井戸。アルシェスの後に続いて、チャペも水を口にする。]
──────えっ……?
[それはとても美味い水に思えた。猫の産まれ育った場所を思い出す、毒々しい味。獣を呼び覚ます味。
だが、ここはニンゲンの町なのだ。
あってはいけないはずのものが、ここにはあった。]
― とある村 ―
[さて、吟遊詩人の語る物語には、飛錫する修道女の話もあったかもしれない。
幸か不幸か、レティーシア自身の耳に入ることは未だ無かったが。
とある村に滞在し、その村の農作業や狩りの手伝いをしていたある時のこと。
堅牢なるゴルガンタが危ういらしい、という噂を隊商から耳にする。
詳しく話を聞いてみると、随分ときな臭い話>>26>>27である。
お礼を言って商人と別れ、教会に足を運ぶ。
女神像の前に跪き、祈りを捧げる。]
女神様…女神トルニータ様…
また、多くの命が失われようとしているようです。
北へと向かうほどに苦しみは深く、強く。
かなしみに溢れんばかり。
人は、魔ではなく人へと憎しみを募らせているように思えます。
戦うべきは魔であり、人ではないというのに。
私に、何が出来るでしょうか。
わたし、は……っ
―― 魔軍兵士のキャンプ ――
……。
[ 死喰い人の演説の最中、悪魔の司教リリ・リリトは密かにその中に
そして意気を上げる魔軍の声に併せるように、高らかなる朗唱。
それは十重二重に積み重ねられた神聖語で、各々の判別がつかない。
多重朗唱。
たった一つの口から十も二十も違う音と言葉を同時に発する
『行くぞ!』というダートの言葉に併せるように、完遂させた。
士気を高め、恐慌や暴走に精神を陥らせ辛くする奇跡、
物理、魔術の垣根なく、一定の炎に対する耐性を与える奇跡、
そして、身体能力を高め、直接的に戦闘能力を高める奇跡。
悪魔の司教リリ・リリト…いや、アンジェであった時代からも
仲間の戦闘能力を最大限強化するという技術は折り紙付きであった。
兵士達も自らの能力の向上を感じるだろう。
が、それは死喰い人の演説による高揚と疑う事は無いだろう。 ]
……あー。
[ ふと、進軍を開始する魔軍を尻目に、何か気になるものの気配
それを感じ取った悪魔の司教は、軍団から離れ、一人ふわりと歩む
それは難民たちがゴルガンタ重装騎兵に蹂躙された場所だった。 ]
[ 難民たちが死を迎えた場所にリリ・リリトは足を運んだ。
ここは都市を遠くに臨む事が出来るが、決して近い場所ではない
蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う民を蹂躙し、蹴散らした場所だ。
なにがあったのか、断末魔の記憶を手繰れば簡単にわかる
悪魔の司教は、意味のある言葉を紡げない唇を震わせ
そう、嗤ったのだ。肩を震わせて、可笑しくて仕方がない、という
そんな風体を見せながら、哂う、嗤う。
埋葬も鎮魂も為されていないから、怨念が漂って
一つを手繰ればまるで紐に繋がれているかのように次々と手繰れる
非業の死。無念の死。様々な負の感情に塗れた其れは――
さぞ、愉しい不死者を作りあげる事になるだろう。 ]
[ リリ・リリトは積み上げられた怨念を束ねる。
――理不尽に蹂躙された恨みを晴らしたいでしょう?
――糧食の代わりに鉄の刃を食らわされた連中の
その腸を引き摺りだして、食らってみたいでしょう?
――その貴方達の悲願を、私が叶えてあげる、と。
そうとでもいいたげにおかしそうに笑って――神聖語の朗唱 ]
《死者の蘇生(レイズ・デッド)》
[ 両の手を広げ、掲げた瞬間に――
死んだ筈の難民たちが次々と起き上がってゆく。
ゴルガンタに対する恨みと、食欲を満たす以外の意思はなく
ただ只管に殺し、食らう肉人形が放たれたのだ――。 ]
ほんと!? それは良かった。最近、元気ないから心配していたんだ。
でもゆっくり休まなきゃダメだよ? この先に教会があるみたいだし、今夜はそこに泊まることになりそうだね。
町がこんな様子じゃ、そうもいかないかも知れないけど。
[少し残念そうな顔を浮かべ、明かりの乏しい通りに目をやる。
……毒じゃなかったのか?
水がどのようなものなのかまでは、猫にも分からなかった。]
[悪魔の司教リリ・リリトが大きく頭を下げ、何処か軽快で楽しげなものを思わせる様子で、間を退室してゆく。
元より、人にとっては平穏など無い魔王の間ではあるが、人気というものは無くなったか。*]
さて、行くわよ。
今夜がゴルガンタの最後の日……存分に破壊して。
そして、後はいつものように何か珍しいものがあれば取ってきなさい。
[その言葉に呼応するように。
翼竜達が天に舞う。
暗い夜だったが……竜達には関係ないようで。
目的地へと的確に飛んで行くのだった。]
私たちの一撃が開戦の合図となるわ。
派手にやっちゃいなさい!
[闇夜でも彼女の持つ魔剣は独特のオーラを纏っていた。
そのオーラを配下の面々は感じ取っていたのだろう。
魔剣をゴルガンタに向けて掲げると。
翼竜達が一斉に火炎を放っていく。
三方を崖に守られた地形なれど。
天に舞う竜達には関係のない話だった。]
貴方達、深追いはする必要は無いわ!
それでも、あれは潰してあげましょうか。
[竜達が鉤爪を使って投石を繰り返していく。
徐々に門自体にもダメージが蓄積されていくだろう。
やがて、ある程度のダメージを与えたところを見計らって。
アミーが取り出したのは遺跡から発掘した小型火器。
それを門に向けてから、意識を集中させるとそれに呼応するように火炎弾が打ち出されたのだった。]
……へえ、なかなかいいじゃないこれ。
[初めての実戦投入された小型火器。
それが打ち出した火炎弾がついに門を打ち破っていた。
そこからダート率いる軍勢は一気に突入していく事だろう。]
/*
アミー君のRPがこう、良い意味でぬるっとしていて面白いのだが……もしかして。いや、まさかね。(往年のプレイヤーさんが過る)
― 城下町ゴルガンタ/新月の夜 ―
心配かけてごめんね、チャペ。
[チャペ>>47に微笑みを浮かべ、眉を下げながら謝る。
周囲に他にも仲間がいたなら、きっと同じようなことを言っていただろう。
自分が他の人より怪我が多い、自覚はあったから]
[水による体調変化>>0:532はこの時点ではまだ出ていなかったから、表面上は少し元気になった程度に見えたかもしれない]
教会か……。
……うん、町がこんなことになってるなんて、思わなかった。
[人同士が作り出したのであろう悲惨な光景に眉を顰めつつも、視線はチャペが言う教会のある方向へ]
<<来る>>
何が……?
<<敵だ>>
[無意識の内に交わされた会話。
側に立つ公子を幻視した数度瞬く。
両手を正面に突き出せば極光を思わせる光と共に
月白色の柄を持つ魔槍が形成される。
曇りガラスを思わせる十字の穂先は、魔力の充填を受けて色水が注がれるかの如く淡藤色に染まった。]
[間を置かず闇夜を飛翔する翼竜が火を放つ。
城壁監視塔、兵舎、厩舎、武器庫。
燃え上がる施設を確認すれば、これが組織的攻撃だと直ぐに理解できる。]
敵襲!
[塔の上で叫べば、階下で待機していた担当者が教会の鐘を鳴らし始める。それに唱和するかの如く街の各所で緊急事態を告げる鐘が鳴り始める。]
[想像以上にバリスタの動きが悪い。
いまだに発射される気配も無く、弓兵により闇夜へ放たれる火矢も恐慌状態の兵がバラバラに放っているのかそれぞれが明後日の方向へ飛んでゆく。
最悪とも言える状況に自然と舌打ちが漏れる*]
― いつかの記憶 ―
『――――……♪……♪』
[歌が聞こえる。
乾燥したひろい空に、ヒビ一つない不毛の丘陵に。
城の尖塔から果てに向かって、遠く、遠く響く歌。]
[大きくはない声だった。
けれども、隣に座る少女にとって何よりも近く在る声。
砂漠に差す歌という名の水滴は、
いろのない景色をどこまでも透き通ったまま飛んでいく。
鳥のように。星のように。
うたわれるは古き信仰。遥か昔に交わされた約束。
今はもう時の彼方へと過ぎ去ってしまった、意義の無い誓いの詩。
竜が人を助け。そして――砂漠が白い理由。
彼女が其れを歌う度。
少女はいつも口にした。
『どうして?』と。
――歌姫は、さて何と答えただろう。
少なくとも、少女はあまり好きではなかったことを覚えていて。
それでも、いつも笑っていた"その人"の顔を、思い出そうとして
――目を覚ました。]
― とある村の近く・林 ―
ん……
[2人――1人と1匹の姿は、村外れの樹の上に在った。
竜の体重を支えても、僅かに撓るばかりの大樹の枝。
少女は、ありがとうと小さく呟いて、ざらついた表面を撫でた。]
もう、皆寝たかな……。どう思う? アイス
[視線の先、重なり合う葉の向こうに、灯の落ちた村が見える。
――人の住まう場所に泊ることの難しい二人にとって、旅の休息は野宿に限られる。少女一人なら許可をする村人も中にはいたのだろうが、竜を一人きりで眠らせることは、他ならない少女自身が承服しなかった。]
― →とある村 ―
[葉擦れの音を聞きながら、二人でゆっくりと樹を降りていく。
――新月であるからだろうか。
まるで光を吸い込むような空だった。
まるで、海の底に沈んだ村のようだった。
それは足を踏み入れても変わらない。
小さな足音と、竜の微かな羽ばたきだけが夜の中に響いていて。]
……この村には、どのあたりにあるんだろう?
[少女が探すのは一つの建物。
――女神を奉り。希望を与え。勇者と魔王の物語を紡ぐ源泉。
信仰の家――教会、或いは神殿だ。*]
[ただでさえ死者の町の様相を呈していた其処は、
今や燃え盛る地獄のような状態だった。
混乱した住人は逃げ惑い、衝突し、半ば暴徒と化し。
教会を目指して駆け出す者も多かったが、
その道中の混雑で更に諍いが起き始めていた]
―――――…話は後だ。
[短く言い捨て、アルシェスと同行者たちを見やる。
噂通りならば、彼らが勇者一行なのだろうか]
この町は見ての通り、既に軍が機能していない。
助ける気があるなら手伝ってくれ。
[それだけ告げて、男は城門の方へと駆け出した*]
/*
レティ君のメモでの話し振りが、知ってる人のように思えて仕方ない。
というか、これは大変だ。赤ログの描写の時間がとれない。
──────────この感じ
そうか、随分と早いお出ましだね。
[鐘の音に猫の声はかき消された。
これはこれまでのような魔物じゃない。数も桁違いで、組織立っている。
それが指し示している事は明らかだった。
魔王の配下の軍勢。
深い付き合いこそ無いが、魔の者として知らぬはずがない。]
みんな! チャペは町の人達を避難させてくるよ! いつも弱い魔物を追っ払ってるあれ、人にもちょっとは効くんだ。それまで何とか、持ちこたえて。
[言うが早いが、有無も聞かずに城門の反対側へと駆け出していく。
その場にタンガリザも居るならば、手をひいて一緒に連れていこうとしただろう。]
[町の中、教会に次いで高い場所。女神・トルニータの像の上。そこに猫は登った。]
さあーて、お手並み拝見と行かせてもらうよ。
どうする? あの子たち、簡単にはやられないよ?
勝とうが打撃は避けられない。いざとなったら手柄を貰ってやってもいいよ。あはははは!
[果たしてそれは、勇者と魔物、どちらへ向けられた言葉だっただろうか?
猫の目が、夜の町に光った。]
― 城下町ゴルガンタ 入り口周辺 ―
[駆ける足は止めないままに、剣を抜き空を睨む。
焔で微かに照らされた空を旋回する、翼竜遣いの群。
其れを貫く一閃の光を確認し、視線を前へ]
《意趣返しだ》
[城門を突破し、雪崩のように流れ込んでくる大量の軍勢。
その向こう側には、蹂躙された兵士たちの屍が山となっている。
剣を空を薙ぐ様に振ると、
魔軍兵団の頭上へ無数の鋭い杭が出現し、容赦なく降り注ぐ。
死喰い人が出現させていたものより大きさは小さいが数は多く。
掠りでもすれば身体が麻痺するだろう呪詛を込めて。
そうして杭の攻撃から生き残った魔物を、躊躇なく切り捨てていく。
門周辺で生き残り奮闘していた人間の兵士たちも交え、
ゴルガンタ入り口周辺は混戦の様相を呈する]
女神様…私は。
この世界の人の全てが、あなたの勇者であるように思うのです。
私もきっと、あなたのものなのでしょう。
この腕が千切れ、四肢を失ったとしても。
[胸に手を当てる。
期せずして触れた胸は黒点があった場所。
徐々に小さくなり、痛みも引いた知らず奇跡の起こった場所だ。]
この鼓動が鳴り響く限り。
あなたの勇者でありたいと願います。
―回想・昔の事―
[昔、女は盗賊を生業とする一族に産まれた。
生まれてから盗むことは息することと同じであった。
だからあの日も盗んだ。噂どおり彼らが勇者であるなら、その結果は上々であろうとそう、思って。
結果が死んでも死ねない、何度も生まれ変わる魂を手に入れ。
最初はそれが面白かった。
勇者なんてどうでも良い。知識や経験はそのまま若返る、それに近かった。
当然、神童だなんだと褒めそやされたこともある。
案外気持良かった、最初のうちは。
それが100年も続けば段々飽いてくる。
200年もすればうんざりだ。
正直魔の者とのいざこざには興味無かった。その日が楽しければ良いと思っていたから]
[けれど――。
勇者に協力し、魔王を倒すこと。
そこに「平和」だとか「人のため」という大義名分は女にはない。
ただ、自分の為に。繰り返す天声を止めるために、ただそれだけのために女は勇者を探した]*
[人を殺め、魔を喰らいつつある自身にその資格は、本当は無いのだろうけれど。
信じることぐらいは、許されていたかった。
ゴルガンタへ旅立つことを決めて、ただ祈りを捧げる。
夜を待って、ここを出るつもりだ。
新月の晩は魔物が活性するという説もあるが、決心は覆らなかった。
その晩。教会の扉を開けて外に出ると、不思議な物音>>69が聞こえた。
あたりを見回して、ふいに空を見上げる。
月の無い夜。大きな影が舞い降りる様に目を見開く。]
な……
[よくよく目を凝らすと、竜の背に少女が乗っていることに気付くか。
いつか聞いた話>>34が頭に蘇る。]
みつかい、さま?
[惚けたような声は夜に静かに溶けた。*]
― 城下町ゴルガンタ・入り口付近 ―
[空に光る槍が奔り、翼竜の胴を穿つ>>72。
それを合図とするように、魔法や遠距離攻撃が可能な者は空の翼竜を。
残りは門から雪崩れ込む敵軍を相手に戦い始める]
[そして少年の目の前では、虚空から現れた杭が魔の軍勢を貫いていた]
すごい……!
[こんな状況でもなければ、剣だけでなく魔法も使いこなす彼に向けて、心から称賛の言葉を放っていただろう。
しかし目の前では、人間と魔物が入り乱れての攻防が繰り広げられている]
[少年の武器はたった一本の剣。
それでも少年は、ごくりと唾を飲み込むと、覚悟を決め混戦へ飛び込む]
やああああっ!
[気合いと共に振り抜いた剣に、確かな手応えが返った]
― 城下町ゴルガンダ ―
くくっ、良い声が聞こえますねぇ
[魔軍が押し寄せてくると城下町は阿鼻叫喚となったようだ。
備えあれば憂いもなかっただろうが、
備えもなければ同族同士で諍いを起こしていてはしようがない。
伝達を担う盗賊ギルドはその任を全うすることはなかった。
寧ろ誤報を飛ばし、今その住処は蛻の殻となっている]
[自分へ付いて来てくれた青年>>71へ]
アルシェス、無理はするな。
不味くなったら、教会へ行け。
[彼の実力は未知数だが、一言そう告げる。
先程、一瞬表情の中に垣間見えた気がする高揚の色。
それはまさに崩壊していくこの町で見続けてきたものであり、
だからこそ過った不安が声となった。
実際、今この場所で、
魔物相手に勇猛果敢に闘い果てる人間兵士たちの姿は異様だ。
殆ど防御することも無く、
血を流してもいっそ愉快そうに笑って相手に襲いかかり、
最終的には死んでいく。
一時的には戦力は上がっているだろうが、
冷静さを失している分、
総合すれば良い結果を生んでいるとは思えない。
>>81敵へ斬り込む姿に狂気に呑まれた様子はない。それで良いと、小さく頷いた]
[勇者と別れたあと、向かったのは街の武器屋。
これから旅に出るなら弓も矢も予備が必用だ。持てる数は限られるが、鏃さえ勝っておけば自分で屋を作ることも出来る]
……少しは勉強してくれると嬉しいけど。
[人の良い店主は既に顔見知りだ。勘弁してくださいよ、と言いながらそれでも幾ばくかのおまけをつけてもらう。
念入りな準備だけれども、今度の旅は長いのかい?
そう問われれば、そうだね、長くなければ良いけどと軽く返して店を出た。
それから薬草や食料を調達してから宿へ。
今日までの宿泊費を精算したなら旅立つ準備を万端にして。
向かったのはギルド。そこにいた勇者>>0:654に問われれば瞬き、相手を凝視する。
]
……気安く女に過去を聞くものじゃないよ、例え勇者でもね?
[軽い調子で言えば、上段を行っているととられるだろうか。己のみに起きたあれそれを事細かに打ち明け話、なんて性に合わない]
それでも何もかも黙ったまま、もついていくと言った手前まずいと思ったか溜息を一つつくと目にかかる前髪を掻き上げた]
強いて言うなら数百年続く繰り返しを終わらせるため、とでも言おうかな。
同じ記憶を持って生まれて生きて死ぬのに飽きたんだ。
[甚だ不親切な説明と言えるそれに勇者は納得しただろうか。
されなくてもそれ以上を説明する気はない]
信じろとは言わないよ。私もあんたのことを100%勇者だなんて信じていないしね。
勇者だと思えないと思ったら離れて行くだけのこと。
[警戒したければ警戒して良いと告げた]
― 城下町ゴルガンタ/教会鐘塔 ―
[十字槍を再構築すればこちらへと飛来する翼竜の姿が視界に入る。放たれた火球を回避すれば鐘塔は耳障りな鐘の音を響かせ崩壊してゆく。
女は回避機動から空に"着地"し、空を駆ける。
宙を蹴る度に足元では虹色の光が瞬く。
まるで虹の上を駆けるかのような動き――再び火球を放とうとしている翼竜との間合いは瞬く間に縮まり、横薙ぎの一撃が首を切り飛ばす。]
――――……、
そ、その……
[咄嗟に思い返したのは、いつかの村で教会に侵入し損ねた時のこと。大層女神の信仰が強い村で、竜の姿を見た彼らが、忽ち魔物と勘違いして襲い掛かってきた時のこと。
アイスに飛翔の号令をかけ忘れ、続く声も僅かに震えていた。]
ち、違うの。この子は悪い子なんかじゃ、
――みつかいさま?
[だが。
彼女が口にした言葉に、動揺よりも疑問の方が勝ったらしい。
少女は瞬きを幾つか。
竜は、白い手が撫でる動きを以って、地にゆっくりと足をつけた。*]
― 城下町ゴルガンタ/市街 ―
[地を見下ろせば路地を20余名の部隊が進軍してゆく。
穂先を地に向け、宙を蹴れば真っ直ぐに降下。
隕石の如く空から落ちてきた女はその一撃で隊を半壊に追い込み、自分を中心に交差する二つの円を描くような斬撃で通りに立ち並ぶ民家ごと残存部隊を切り飛ばす。
崩潰してゆく民家は粉塵を舞い上げながら通りを塞ぎ急増の防御壁となった*]
/*
何か描写落しがある気がします…。
しかし、眠い…。眠いのです…。
あと、アルシェス君が凄い可愛いです。
戦闘中にこんなに癒されて良いんでしょうか。
[その胸元の黒点は…服の下隠れたそれ…どうなったろうか。
完全に消し去る事は叶わぬまでも、最初の時ほどにか弱まりはしたろうか。
それは、レティーシア次第だろう。**]
―― 城下町ゴルガンタ・城門付近 ――
……ぅ。
[ 戦況はあまりよいとは言えないようだった。
人間は予想以上に善戦している。それが薬物による一時的な狂騒…
それであったとしても、人間の希望を挫くには完勝でなければ
戦う事すらも無意味と、この世界を産み落とした女神に呪詛を
口走る程度でないと、魔軍としては勝利であったとは言えない。
内部から既に腐り落ちてゆきそうなものを力攻めしておいて
苦戦を喫するような事などあってはならないのだから。
蹴散らされた難民を材料にした食屍鬼(グール)達が戦域に到達
警備隊に向かって食らいつくさんと牙を剥き始めるだろう。 ]
……♪
[ そして、戦いの最中で生み出される数多の死体に
悪魔の司教として大いに満足する。
彼ら人間は殺せば殺す程、殺されれば殺されるほどに
増大する敵の兵力を見て、どのように感じるだろうか。
一度復活した後に殺されれば流石にこれ以上の再起は出来ない
技術や魔術といったものの殆どを喪うといった欠点もあるが ]
《死者の蘇生(レイズ・デッド)》
[ 五指を開いての神聖語の朗唱は、
打ち倒された魔軍の兵士や人類側の兵士達を再び立ち上がらせる
突然に起き上がった死体に襲い掛かられるその様は――
前線の戦士達に如何程の精神的動揺を与えただろうか。 ]
─ とある村 ─
[胸に付けられた印>>91は女神の奇跡により消え失せた。
けれど、神職であれど人の身だ。
悩みや澱みは完全に消えるものではない。
何かきっかけがあれば、また魔に魅入られることもあるだろう。
女神の加護を信じられる今は、暗闇の中も怖くは無い。
動揺を含んだ弁明の「この子」は彼女が騎乗していたものだろう。
とても大きい、なにかのいきもの。おそらくは、竜だ。
魔に堕ちぬ限り、人にも魔にも介入しない生き物のように思う。
視線を向ければ害意は感じず、けれど気圧されてまた少女へと視線を戻す。
反復された言葉>>88に少し迷いながら首を縦に振る。]
教会に現れる少女がいると、聞きました。
何かを探しているのか、伝えたいのか。
あなたは……何者なのですか?
[問いかけつつ、少女を観察する。
けれど、やはり害意は感じられない。*]
蘇生……? 死霊術か?
[低空を飛び過ぎてゆく翼竜。
胴に穴が開いているもの、首が無いもの。
先程自分が討ち取ったものが空を舞っている事に気付けば舌打ち一つ。
瓦礫の中から立ち上がる獣人歩兵隊の姿を確認すれば、跳躍して後方の民家屋上へ退避する。
翼竜と比べ、四肢を砕かれた事で動きな緩慢なゾンビ兵はまだ良いが――]
戦友や家族に追い立てられるか。
[燃え上がる家々が照らしだす光景。
士気への影響は深刻な上に、敵を倒しても減らないどころか味方の死者がそのまま敵陣に加わる惨状。
絶叫が市街各地で響き渡る*]
あ、あの……。
[>>83再び、名を呼ばれて。
言いたいことはいくらかあったが、飲み込んでただ、はい、と答える]
[先程自分の中に生じた感情を、少年はまだ理解していない。
それこそがこの町を荒廃させた原因だとも]
[ただ、彼と離れ兵士たちに交じっていれば、その異様さを感じ取れずにはいられなかった]
なんで……!
[痛みも恐怖も忘れたように、傷付いてもなお突っ込んでいく。
それは狂気であったろうが、少年の胸の内に生じた震えは、それに対する怯えだけではなかった]
ああ、僕にも……あんな強さが欲しい。
[それは単なる無謀であるのかもしれないが。
自分が普通の人間だとよく知っている少年は、血筋でも才能でもない何かを見付けようと躍起になっていた。
それがなければ、勇者たちに追い付けないから]
[しかしそんな思考も、目の前に迫る軍勢の変化>>92に中断させられる]
え……にんげん……?
[生ける屍。
そのようなものが兵士として使われることもあると、話には聞いていた。
しかし目の前に迫るそれは、人ならぬものと見做すにはあまりに生々しく]
[そして少年の目の前で、つい先程斃れた、今まで隣で戦っていたはずの兵士が、むくりと起き上がり牙を剥いた>>93]
うわああああっ!!
[思わず叫ぶ。悲鳴を上げながら、剣を振り回す]
[人を斬ったという確かな感触。
しかしそれは、死体を殺し切るには至らず。
ぞぶり、と、肩口に嫌な熱が走った*]
/*
描写から見える範囲で戦闘能力を判断すると
人類側
フリッツ Lv50
レティ Lv35
アル Lv10
魔王側
ダート&リリ Lv60
チャペ Lv25
リザ Lv5
ぐらいかな?
ダリアは全力でやればLv1000とか行きそうな別枠。
[その後。
あからさまに怪しい猫耳女とお米犬のやりとり、それを見た勇者の結論>>667を聞けば、思わず額に手を当てた。
そも。二人とも魔に近い物に見えるのになんだろうこの警戒感の無さは。
これじゃ魔王にたどり着く前に騙されて死ぬじゃないだろうか……誰か、保護者はいないものか、なんてもう星人であるはずの彼の、行く末を思わず心配したりした。
そんな自分の思惑など気付かないまま自分の名を告げ紹介されれば、内心はともかく頭を軽く下げて]
よろしく。
[ふりかざす手には合わせるほどテンションの高さは持ち合わせず。
ただ、犬と猫には気を付けよう、とは口に出さずに]
……勇者ってのはお人好しなんだろうか……。
[だとしたら、自分が会った“勇者”は彼とはまるで別の種類の人間であったと、あの時を思い出しながら、彼らのあとを少し後ろからついて行くのであった]*
─ とある村 ─
[傍らの竜は静かに信徒を見つめるばかり。
一定の呼吸音は鳴ることはあれども、唸り声程に大きくはない。
それでも、張り詰めた夜気が震えるには十分だったのだが。]
それは……確かに、私のことかもしれないけれど
私のわがままでしていることだから
みつかいさま、じゃ、ない……かな?
[旅する中で少女と竜が吟遊詩人の唄になるとすれば、それは去ってしまった後。けれども、これまでしてきたことの自覚があればこそ、人づてに伝わってしまったのかもしれないという想像はできる。]
私は、私があまりに多くのことを知らないということを知ったから
たくさん、たくさん世界のことをしりたくて
それで……、……その、
[僅かに恥じ入るように視線を落とす。
けれどもすぐに、深呼吸をして、まっすぐと信徒の女性に瞳を向けた。]
人間が、ちしきを一番多く集めているのは
どこの村も、女神さまを祀る場所だから
……こっそり、いろんなものを読ませてもらっています
ごめん、なさい
これは、人間、じゃない。
[両手剣を構え直す]
死者は蘇らない!!
[自身に言い聞かせるように叫んで。
緩慢に振り下ろされた死者の手を弾き、その胴体を薙ぎ払う。
呼吸はやや乱れていたものの、もうその剣に迷いはなかった*]
へえ、なかなかやるじゃない。
[猫は影を町に放つ。魑魅魍魎が跋扈するこの町、目立つようなものではない。
猫は暫くの間、女神像の上から動かなかった。だが]
『そこのお前、何をしている? 早くあのニンゲンどもを地獄へ……』
[烏頭の怪人には猫が消えたように見えただろう。一瞬の錯乱の末に、背後の気配に気が付き振り向くのだが、その時にはもう遅い。]
邪魔、しないでくれる?
[抜けるような笑顔の猫と、文字通り爆散した怪人だったものが、そこにはあった。]
[崩れ落ちた死体は、再び起き上がって来ることは無かった。
どうやら彼らもちゃんと"殺せる"らしい。
は、と短く息を吐く。
それならば、二回殺せば問題ない。
膨大な犠牲者の数を嘆くのは、全て終わった後で良い。
ただ、剣に迷いが無くなった青年>>103の姿に、
微かに心が痛んだのはきっと気の所為だ。
自分にそう言い聞かせ。
魔物を切り崩しながら、男は真っ直ぐ一点を睨む。
此処までの戦闘で、この奇怪な術の行使者は特定していた]
《灰に還れ》
[死体の群の間隙を付き、剣に焔を纏わせながら、
>>93悪魔司教へと剣を振り上げるように斬りかかった**]
― とある村 ―
[少女の言葉を黙ったまま聞く。
みつかいさまじゃない。と
疑問符を付けて言われたなら、小さく微笑んだ。
話される言葉に相槌を打ちながら聞いて、謝罪には首を横に振る。
少女の両手を取るように手を伸ばし、
拒まれなければそのまま、暖めるように柔らかく握るだろう。]
どうか謝らないで。
知りたいと思うのは悪いことではないと思うわ。
確かに教会には見せられないものや、
理由をいえないものもあります。
霊山なんかがそうね。
説明はせずに、踏み入るべからず、としているわ。
端的に言うと、危ないから、だけど。
知りたければ、堂々と来て問えばいいと思うの。
― 城下町ゴルガンタ・入り口付近 ―
[肩が大きく上下する様から、少年に余裕がないことは見て取れただろう。
しかし少年にはもう迷いも、退こうという考えもない。
その視線は真っ直ぐというより、据わったものへと変化しつつあったけれど]
――あ、あいつが!?
[焔を纏う魔剣士の一撃>>105で、少年もまた、明らかに屍兵と様子の違う人物に気がついた。
しかし魔剣士が蹴散らす端から、再び軍勢が彼女へ続く道を塞いでいく]
く……こ、ここは、通さない、ぞ!!
[だからせめて、親玉に斬りかかる彼の負担が少しでも減るように。
少年は剣を振るい続ける**]
[怪人の影から、猫の影が這い出てくる。それを猫は、実に嬉しそうに眺めているのだった。
次に猫に近寄ってきたのは、逃げまとう町人たちの一団だった。]
『あ、あんた、勇者一行の猫獣人じゃねえか。俺たち一般人がこんなに困っているのに、何安閑としてやがる。早く戦いやがれってんだ。』
[そうだ、そうだと口々に文句を言う町人達。理性も何もあったもんじゃない。]
ふふっ、ニンゲンも吠えるんだね。
[その時から、本当の意味でここにまともなニンゲンはいなくなった。縦に裂けた猫の瞳が妖しく輝く。]
チャペの言う通りにすれば、みんな助かるんだよ? みんな、生き残りたい? いつ消し飛ぶかも分からないその命がそんなに大切?
[猫は悪い笑みを浮かべる。]
もうここには逃げ道なんてないんだよ。しょーめんとっぱしたほうが、いいと思うなー。
『それもそうだな。よ、よし。みんな、行くぜ!』
[そんなことをして何になる。
力なき者が向かったところで、できる事は死ぬことだけだというのに。それでも、ニンゲンに疑問を持つことは許されない。
戦っている者と出会えば、きっと大きな足手まといになることだろう。]
― とある村 ―
[不意に手を包む体温に、目を丸くして。
遅れて、女性の手が自身の手を包んでいるのだと気付いた。]
…………、
うん
――ありがとう
[零れたものは笑み。あるいは緊張から解き放たれた頬の緩み。
――幾つかの村を回った少女は、既に信徒が、彼女のように優しい言葉をかける人ばかりではないことをしっている。
だがそれでも、共に出た感謝の言葉は、確かな笑顔と共に。]
――――
[ただ、傍らにいる竜のことを問われれば、僅かに沈黙が生まれた。]
……うん、そうだよ
私の友達
[頷く。曖昧にではなく。呼気を落ち着けるように努めて。]
ずっとはできないって分かってる
でも、今は……できるだけ一緒に、歩いていきたいの
私が何も話せない頃から、ずっと一緒にいてくれたから
……私は、まだ何も見せてあげられていないから
[――記憶に蘇るのは、父であった存在の最期。
たとえ竜種であるとしても、いつか別れなければならない時は来る。
少女はそれらを理解した上で――これまでの何よりも、明瞭にその意思を告げた。]
おねえさんは、この村の人……?
[次いで出た言葉は、僅かに首を傾げながら問いかける。*]
あーあ、久しぶりにこの窮屈な格好を解きたかったってのにね。
でも残念、ニンゲンが負けるって決まんなきゃ、見せてあげる訳にはいかないなー
[けたけたと笑う猫は、今なお翼竜たちが飛来してくる夜空を見上げる。]
さ・て・と
本丸はどこかなー?
[戦場は、今の猫にとって好奇心の的でしかない。**]
今から、魔に魅入られたと思われる町、
ゴルガンタへ行くの。
あ…レティーシア、よ。あなたと、あなたは?
[胸に手をあて名を名乗り、少女と竜へ、視線を向けて名を問う。]
悲惨な場所だと思うけど……一緒に行く?
人の、どうしようもない愚かさを見ることになるかもしれない。
もしかしたら、人を嫌いになるかもしれない。
けれど、それもまた世界の真実のひとつだと思うの。
[少し迷いつつも、世界を知りたいのならばと問いかける。
まっさらに見える少女に見せるには、酷な場所だと思う。
けれど、少女は勇気を秘めた目をしていると、思ったから。*]
[――純血の竜種は元来、人とは異なるいきもの。
苔色の竜もまた、人語を話すことはできない。もしも人語を話すことができる純粋な竜種がいるのだとすれば、いつかの霊峰にいた老竜のように、長い時に身を浸した賢竜だけの特権だ。
一緒にいたいのか、という問いに、竜はぎょろりとした眼を瞬かせた。
尾の一つも振らず待機し続けるその様は、友というよりも、忠義の士が傍に控えている様に近かっただろうか。]
ふふ。ありがとう
[少女が撫でると、竜は短い唸り声を鳴らした。]
魔をたおすために
[初対面の少女にとって、その言葉の奥にどれだけの葛藤と、覚悟が隠れているのか、知ることはできない。だが今この時、彼女の口から発された言葉は確かな響きを伴って、少女に届く。]
……私がこの村に来るまでにも、いろんな人がいました
おびえるひと。立ち向かおうとするひと。
いつもおこっているひと。優しいけれど、悲しい眼をしたひと。
声も、顔も、こころも。みんな違うのに
どうして困ったことがあると教会へおいのりに行くのか
少し、分かった気がします
[眼を細めて、温かなものを見るように。]
祈りが届くか、どうかではなくて
きっと、自分のために祈ってくれるひとのために
助けてくれるよう祈ってくれるひとのために
感謝を捧げに行くんですね
[ゴート村や、フリッツから貰ったリンゴ。そして手を包んだ他ならない彼女自身の温もり。声も、顔も見えない誰かではなく、きっとそのようなものを信仰しているのだろう――と、言葉にできないながらも、少女は思った。]
魔に魅入られた、町……?
[ゴルガンタ、という名前には聞き覚えがある。
だが、少女が知るそれを形容するには似つかわしくなく。]
私は、……ダリア。
ダリアといいます。
この子はアイス
[大切な何かを仕舞うように、胸に手を置いて。
もう片方の手は、竜の鱗をなぞった。]
はい。私もいきます
たとえ、どんなものを見たとしても
大事なのは、真実そのものではなくて
それを知って、私がどう考えるかであると思うから
[注がれる不安げな視線。
言葉にこそ出さなかったものの、心配をしてくれてありがとう、と僅かな微笑を以って返した。]
…………、その
[傍らの竜を見上げる。
竜は相変わらず、生来の鋭い眼光で二人を見下ろしていて。
元からくらい色の苔色の鱗は、新月であるためか、今にも呑み込まれそうな漆黒に彩られていた。]
良ければ、――いっしょに乗りますか?
[提案は困ったように。或いは恐る恐ると。
果たしてレティーシアはどのような反応を見せただろう。
もしも彼女が乗ると答えたなら、そのまま彼女の手を引いて、ゴルガンタに向けて夜の空の旅が始まることだろう。**]
ク、ク、ク。
いや、今は悪魔司教のリリ・リリトか。
命名式、めでてぇな。
良かったじゃねぇか。魔王様に名付けられて。
[魔神はそこで一頻り愉しげに笑う。]
── ゴルガンタ会戦前 ──
お前に良い事を教えてやるぜ。
邪竜の屍がある。
死んでからも魔にじっくり浸され、
魔素を含んだ屍だ。
[元から身体能力の高い竜。
骨格は太ければ、重量は巨大な魔物達を遥かに超える。
当たり前の話だが、全力で何かに当たった時の衝撃は恐るべきものだろう。
魔素を多量に含んだものが、所謂、飛行可能のスカル・ドラゴン、それともドラゴンゾンビとなるかは不明ではあるが。]
[ゴルガンタ会戦時という話でも無いのだろう。
無論、リリがその時に使いたいと思えば別だが。
魔王城に攻撃や守りとして配置したり、毒の沼地と不毛の大地を進もうとする勇者達へ襲い掛からせる事も出来よう。
勇者アンジェが道半ばで死したように、殺す事が出来る。
蘇らせた邪竜を、単身、何処かを滅ぼすのに向かわせても良いだろう。]
ク、ク、ク。
吾を愉しませろ。
愉しく面白く使えよ?
[魔神は心底愉しそうに嘲笑(わら)い、そして消えた。**]
鎧袖一触と行きたかったけれど。
なかなかどうして、やるじゃない。
[翼竜の背に乗ったままで、戦場を見やる。
光槍が翼竜の胴体を貫く>>72と、翼竜が落下していくのが見えた。
そしてその光槍を操る使い手が別の翼竜を倒すのも>>87]
すごいわ、まるで軍神ね。
[魔王軍と敵対している相手ではあったが。
その実力を素直に賞賛して見せた。
その後も次々と魔王軍に被害を与えていくのを見やり>>89>>95]
予定変更ね――
[指で配下には指示を出す。
他に何か指示があるまでは遊撃隊としてゴルガンタの各所に火を放って暴れまわるようにと。
そして、こちらに光槍を放った相手以外にも強い人間は居るようだし>>75
油断せずに、戦うようにと。]
[手槍を手に取ると、アロラの足元へ向けて投擲した。
無論、これで殺せるとは思っていない。
あくまで注意をこちらに向けさせるためのものだった。
そして翼竜の背から声をかけて。]
はじめまして。
貴女、ずいぶんと強いのね。
まさか、翼竜を複数体倒せる人間が居るとは思わなかったわ。
[そう言い放つアミー自身も見た目は人間だった。
まあ、翼竜の背に乗って漆黒の甲冑を纏い。
古代文明の遺産のような武器を複数持つ辺りは普通の人間とは言い難いだろうが。]
ただ、困るのよね。
ゴルガンタは魔王軍の前になすすべも無く崩壊しました。
これが私たちの筋書きだったのだけれど。
[そう言って笑う。
その合間にも配下の黒騎士団は遊撃隊として炎を各所に放っていくのだが。]
まあ、良いわ。
頑張って抵抗したけれど結局は壊滅しました。
そちらの筋書きでも絶望は与えられる。
[笑いながら語るその姿。
そして、大剣を抜き放つと、一礼して。]
魔王軍 黒騎士団 団長アミー
……貴女のお名前は?
[騎士を名乗りながらも、騎士の戦いとは程遠いやり方を好むアミーだったが。
こんな風に名乗ってから戦闘に入る事は多々あったのだ**]
[始まりの国から勇者一行についていく自分。
仲間が戦い、仲間が謎を解き、仲間達が助け合う傍らで彼もまた見守ると言う立ち位置を確保していった。]
あっ!あそこに敵がいるっすよ!
背後に回って挟み撃ちするっす!
なにやってんすかアルシェスさん
ちゃんと状況みて!
そんな傷痛くないっす!まだ君は動けるっす!だから立ち上がって攻撃するっす!
[戦闘の度にそんな掛け声をいっぱいかけている。]
[だんだん戦う相手も強くなっていく。
風呂敷にはみんなが退治した魔物から得た戦利品やお金を自分が回収しているのでだいぶ膨らんでいる。
次の街にでも着いたらそれで首輪でも買ってチャペに贈ろうかとかそんな想いで担いでいく。]
ねえ勇者様…
次の街はまだっすか…?
オイラ疲れてるっす!勇者様休憩!!
休憩いれるっすよ!
だいたいブラックっす!
毎日毎日働き詰めっす!街に着いたら一週間くらい休暇必要っす!
[文句言いながらもついていく。次の街はゴルガンタ。
どうやらオフが満喫出来そうなところではなさそうな雰囲気。]
/*
どの辺で人間やめようか悩んでいるんですが。
(既に大概止めている説)
初回堕ち狙いなら、そろそろギアをいれていかねば…。
/*
>魔王さまメモ
私も気づかれていないと思ってました…!ありがとうございます。
メモ通知も私に言ってくれたのかな、と思っておりました。
ただ、タイミング的に今から通知しても気づかれなさそうだったので、再通知しなかったと言う…。最悪、表の描写で聞くと言う手段もあるし、絡みに行ったから今度はメモ見て貰えるかな、という期待もあり。
ということをメモでお伝えすると長いので、感謝の意を込めて此方に。
/*
ところで、折角おこめ犬がやってきたのに、
逢えないとはどういうことですか!
世の中は理不尽だ!!
ほねっこあげたい。
アルシェス君が可愛いから良いけど!
人間か……?
[軌道は自身の身を直接狙うものではなかったが小細工を警戒して数件隣の民家の屋根へ跳躍して回避行動を取る。手槍が飛来してきた方向を見上げれば闇夜を飛ぶドラゴンライダーの姿が視界に入る。]
魔軍のように勝ち戦に恵まれていないからな。
地獄のような負け戦から生き延び続けていれば自然と強くもなる。
アロラ=C=エスティエールだ。
アミー。お前は戦場に何を求める。
[まるで大火にバケツで立ち向かうかのような現状。
質を凌駕する圧倒的な数の前に時間稼ぎしかできない。
それでもその時間稼ぎが誰かの命を救うかもしれないと、逃れる事無く時間稼ぎを続ける。]
人間か……?
[軌道は自身の身を直接狙うものではなかったが小細工を警戒して数件隣の民家の屋根へ跳躍して回避行動を取る。手槍が飛来してきた方向を見上げれば闇夜を飛ぶドラゴンライダーの姿が視界に入る。]
魔軍のように勝ち戦に恵まれていないからな。
地獄のような負け戦から生き延び続けていれば自然と強くもなる。
アロラ=C=エスティエールだ。
アミー。お前は戦場に何を求める。
[まるで大火にバケツで立ち向かうかのような現状。
質を凌駕する圧倒的な数の前に時間稼ぎしかできない。
それでもその時間稼ぎが誰かの命を救うかもしれないと、逃れる事無く時間稼ぎを続ける**]
……。
[ リリ・リリトは死体が死体を生み出すことに満足していた。
必要なものを持ち出して使え、という魔王の言(>>48)により
用意したのは宝物庫にあった黒魂石。
それは、魂を封入し、儀式の媒介、マジックアイテムの創造等
多岐にわたる用途を持つ希少品。
それの他には多少の魔力が封入された武具を持ち出していた。
黒魂石には戦場に倒れた者達の魂が吸い寄せられるように封入される
何某かの再利用を考えていた悪魔司教だったが――
魔神の齎した情報によって、その用途は完全に決まった。 ]
[ 魔素を大量に含んだ邪竜の屍。
その口ぶりから、その邪竜は死して多くの時を経たと想像するに難くない
ただの屍人形として黄泉返らせるだけでも問題は無い。
竜というものは、喩え死体であったとしてもその身体能力、巨体、
それらは人間に対する士気を大いに挫くものになるだろうから。
しかし、それは勿体無い――と本能でリリは想うのだ。
竜族の持つ多彩な能力、知恵、技術。
それらを、ただの肉人形で終わらせるという事に。
十羽一絡げで使い潰せる死体とは訳が違う、貴重で強力な存在。
《完全なる蘇生(リザレクション)》を行うには月日が経過し過ぎている
それは現実的ではないだろう。――口元に笑みを浮かべた悪魔司教
心、此処に非ず、という風体で考え事をしていたから
だから、剣を振りあげる戦士に対する対処が遅れてしまった。 ]
……!
[ 刃に纏った炎は、司教の身体に近付くにつれ、その存在を薄くし
撃ちこまれる頃には、完全に消失していたのは、戦いの最初の段階
多重朗唱によって込められた、耐火防御の賜物だ。
完全な耐性ではないものの、リリの扱う奇跡は窮めて高い効果を出す
しかし、物理的な刃に対する防御は厚くはない。
戦線での戦闘に積極的に参加するつもりがなかったが故に
自身に対する防御呪文は、魔術師の嗜みである"力場の鎧"のみ
物体にも非物体にも、様々な防御にも使える代物ではあるが
その物理防御能力は板金鎧と比べると弱く、布鎧に毛が生えた程度だ。
だから、魔剣士は感じるだろう。一瞬の抵抗の後、あっさりと皮膚を割く
その刃の感触を。 ]
[ 肩口を捉えたその剣は侵攻を開始するも、途上で止められてしまう。
正確に言えば、皮膚を切り裂いてはいる。
しかし、刃をそれ以上先へと進ませることは出来ない。
それどころか、徐々に刃を押し返していっているのだ。
そう、魔王の"祝い"によって増幅された力による再生能力によって。 ]
……♪
[ 悪魔司教の双眸が剣士の瞳を見つめて――哂う。
そして、剣士は気付けるだろうか。同時に奏でられる朗唱に。
一つ目の朗唱は直ぐに終わる。その朗唱が終えると同時。
右手には盾。静脈を流れる血液のような赤黒い血の色
左手には鎚。赤黒い血の色と、禍々しい造形を持つ、悪夢の鎚。
そして両手、両足を覆うように、装甲が悪魔司教を包み込む。
ガントレット、サバトン、ヴァンブレイス、グリーブ…
それは外側から内側へと埋めるように生み出されてゆく。
そして、完全に装甲化が終わる前に、二番目の朗唱が終わる。
その朗唱は敏捷性の増強の奇跡。我が身に食い込む刃
それを撃ち上げんとした鎚の速度が急に増すだろう。
刃を弾くことは出来ただろうか。
――朗唱は、まだ続く。* ]
ダリア「大変よアイス!」
アイス「おっ、プリンの賞味期限をうっかり切らしてしまいましたかな?」
ダリア「それもあるけど、今はお話の方よ」
アイス「と、言いますと?」
ダリア「ゴルガンタの戦局がよく分かっていないわ!」
アイス「入り口付近で魔軍兵士とフリッツとアルシェスとリリ、街の中で翼竜とアロラとアミーが戦っておりますな」
ダリア「さすがアイスね! やはり竜は凄いわ!」
アイス「竜ですからな!」
ダリア「ところで、私のアイデンティティーが魔竜軍団と邪竜の存在であまり意味がないものになっているのだけれど、街についてからどう立ち回ればいいのかしら」
アイス「まあそうですな。強そうに見えたが実はとても無力な少女が絶望に暮れて泣き叫ぶ様とか晒すのを求められているのでは?」
ダリア「なるほど。やりたかったこととは違うけれど、今後はその方向で模索してみるべきかしら?」
アイス「一考の価値はありますな。方針の修正でログが書けなくなっては意味がありません」
ダリア「なるほど、頑張ってみるわ。嗚呼、ロミオ! どうして貴方はロミオなの!」
アイス「努力の方向性が違いますな!」
[憎悪とも、怨嗟とも、狂気とも、それは判然としない。
勇者の道程は困難を極めた。人々と国々の裏切りにていの良い利用、飢えない為に手を汚し、命乞いをする魔人を殺し子供を殺し命を奪い、その肉を喰らい啜り、毒の沼地を超え、仲間の発狂と死の懇願を聞き、そして…彼は成し遂げた。]
[
―――――…‥選択の愚かさを知るが良い‥…―――――
]
[魔王の言う通り。
その選択は愚昧極まり無い物だったが、それでも勇者は何度繰り返しても、魔王を殺す選択をしただろう。
その選択は最早、執念では無く、目的でも手段でも無くなっていた。
“魔王を殺す”。
勇者に残っていたのは、ただ、それのみだった。]
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