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神々と人々が地上に共に在る神代が世。
「国」として発展しつつある地より、遥か北東の地にて。
北東の、礫砂漠に半ば埋もれる、神々の加護も祝福も無き土地。
人々がか細く生きる集落に加え、ひとつ前の年より【萌の庭】と呼ばれる場所もうまれていた。
……その北東の地に、どこからともなく忍び寄る寒気。
天使が「儀」の開始を告げる為に舞い降りる。
(Alchemist) 鍛冶の神は、村人 を希望しました。
──北東の僻地・集落よりやや離れた場所にて──
〔集落の傍、泥をもてあそび、滴らせ、灼熱の太陽で乾き固めたような造形物。
一見、岩を刳り抜き造ったようにも見える捻くれた小山の様な形の塔は、十五人の人間の大人が広げた手を繋ぎあわせても、囲いきれない程の大きさがあった。
穴のような入り口がひとつ、高さはそれほど無い頂きの先端近くには熱を逃す穴が幾つか。
入り口の直ぐ内は昏く、様子を伺い知る事は出来ないが、奥には焔のような輝きが見え鉱物を鍛え打つ高く澄んだ音が辺りに響く。〕
三枚翅の天使 が見物しに来ました。
(kkr_3ID) 三枚翅の天使は、見物人 を希望しました。
[天使は主神に仕える天使にして、今回の「儀」にては伝令の天使。
他の天使と同じように、この天使もまたほぼ【詩】そのものに近い存在であり、力なき人間達では畏れを抱かせる存在だった。
丁度良い岩を見つけると、そこへ降り立ち、三枚の翅を広げる。]
[天使はこの地を訪れるのは初めてでは無かった。
唇から滑り出す柔らかな音色は、穏やかな春の木漏れ日のよう。響く音色は、森林の小鳥達がお喋りするような、聞き心地の良いもの。]
──やあ、人間たち。
それに、強きもの英雄たち。
「儀」がそろそろ始まることを告げに来たよ。
最後に来たのは、
昼と夜がそれぞれ七度巡る前だったね。
[大きくは無いのに、辺り一帯に囁きは満ちる。
穏やかで暖かい微睡みの波が、建物や人々の体を通り抜けてゆく。]
君たちは、冬の神を怒らせた。
[天使は柔らかく微笑む。]
冬の神の手(えいゆう)が、神をまつろわない愚かなこどもを斃せば、この地は冬の神になるという約束が消えてしまったんだ。
[ことはもっと複雑ではあったが。簡単に述べるなら、天使の言葉は間違いでは無い。
今現在、神々の加護も祝福も無く、人間達に渡されている土地は、この集落を含めた北東の僻地一帯。礫と砂岩砂漠を越えた砂海の半ばまでを東の境界とした地である。]
だから、神々は新たな取り決めをした。
[それは、羽虫の羽を毟り炙るような楽しい遊びだ。]
それが「儀」だよ。
[天使は両手を緩やかに広げる。]
神が送り込む【被造物】を討てば、この地を人間達に与えようと言う寛大な取り決めだ。
勿論討てなければ、この地はその【被造物】の主である神のものになる。
元は、冬の神がこの地を得る筈だったのだから、はじめの三回は冬の神が、残りは様々な神が【被造物】を送ることとなった。
[最初の五回は四季節巡るごと。次の十九回は二十季節巡るごと。最後の一回は四百季節巡った後に。]
[歳月で言えば二百年掛かる「儀」。人間達にとっては長い時であり、二十五体の【被造物】を討つなど不可能だろう。]
全ての【被造物】を討てば、この地一帯は人間たちのものとなるんだ。
こんなに慈悲溢れた取り決めは無いと思わないかい?
[人間たちの耳に届く天使の音色は、柔らかさが一切欠けることは無く、人間の耳からすれば完璧な音だと言えた。
満ちる響きは、この場にいる人間たちの心を溶かし、眠りを誘うような、穏やかさを帯びている。体を通り抜ければ、頑なな心も開かんとばかりの。]
今からでもこの地を差し出して良いんだよ。
今なら、冬の神の加護と寵愛を享けることも出来る。
[凍り果てさせ、人々の心を完全に砕いた後で、かもしれないが。それは人間の見方からすれば、全てを剥奪された生ける屍だろうか?
だがそれも、ひとつの道だ。]
なんてね。
ふふっ、ここに残っているのは
そんな人間達ではないのだろう?
言ってみただけだよ。
[柔らかに木漏れ日の音色は響く。
「儀」の開始を告げるのは、もう少し後だ。
天使は岩に片足立てて座り、片手を後方に付くと、一対の翅で体と足先までを覆い、一枚の翅を顔に影落とすように翳し、柔らかな微笑みを浮かべて辺りを眺めた。**]
村の設定が変更されました。
大気の英雄 アメシスト が参加しました。
(akimomiji) 大気の英雄 アメシストは、村人 を希望しました。
−音色の降る前の日−
魚を少し分けてはくれないかい。
[深い森のような深緑に染められた織物を纏った男が、海岸沿いに立っている
背中には、木を滴る雫のような形に切り抜いたものに糸を張って音が鳴るようにしたものを背負い
腰には上等な細工の施された長い鞘の長剣、もう一つは誰でも携行しているような短剣。
そして、紐と袋をいくつか携えていた]
『……いきなり何だ、あんたは。
まあ食べるものに困ってるんなら海の神に誓って協力したいところだが…見てわかるだろ?このところ波が高くて船が出せねえんだ。どうも風が強くてな。
俺たちは乾かしておいた魚でなんとか凌いでる状態さ。だから余裕はないねえ』
ふむ。
[もう一人の男は漁師だ。船で沖に出て潜り、木の棒と削った石を紐で括ったもので魚を突いて仕留めている
同じように生活をしている者の集落が近くにいくつか点在しており、小規模な集落になっている
海の神の加護厚き地であるのか、どうやら海の恵みは豊富なようだ
だが、ここのところ天気が芳しくないらしい
男は、漁師の腕で示された海を眺める。
波が凶暴な牙のようにそそり立っては消え、海岸に打ち付ける]
……あれがどうにかなったら漁に出れるかい。
『あぁ?まあ、体調は問題ねえし出れるだろうよ。
でもどうにかするって、英雄様でもねぇと–––––––』
[出れる、という言葉を聞くやいなや続きを待たずに"そうか"とだけ返事をして、波の打ち付ける方向へ進む
波が踝に来る辺りで歩みを止めて、両手を広げて息を吸う]
世界を一息に見渡すもの 世界の全てに在りし者
我が名、アメシスト・ヨアニス 我と其方等、同様の摂理を持つ構造体也
あるいは各個一口の集合体
あるいは確固一団の無生体
我が声よ 隣人よ 友よ 広い世界へ旅立とう
其方等の翼、あらゆる世界を廻りたもう
[言い終われば腕を下ろして空を見る。雲が千切れ、太陽の光が射し込む
そして一帯の風は止み、波は打って変わって穏やかになった]
…お願いできるかな。
[漁師を振り返って、訪ねた
その顔は先ほどまで話していたものと同じ、軽薄な笑みだった]**
/*
>>10
訳:地球っていうでっかいもんからしたら俺もあんたもおんなじ海から来たもんやし同じでええんちゃう?
訳2:俺等友達やからいう事聞いてな
でも世界の成り立ちってこっちの世界と違うかった
同じ創世の神から生み出されたなら間違ってないのかもだが
[海が穏やかになると、漁師は船を出した。そして沖の方角からざぶんと潜ったような音が耳に届く
それを聴きながら、アメシストは木片を拾い上げる
海岸には時化で壊れたか、試作品だったかの船の残骸がところどころに点在していた
砂を払い、短剣をしきりに動かして手頃な大きさと形に成形する。
そして汚れた表面を削る]
[そうしていると、気づけば漁師が戻ってきていた
気付けば思いの外、時間が経過していたようだった]
『戻りましたぜぇ、英雄さん。
とりあえず漁れるだけは漁ってきましたが、持っていきますかい。
……で、代わりと言っちゃなんなんだが……』
[男が英雄だと知った漁師は、改まった態度に変わった
それはこの時代、特に珍しい事ではない
そして英雄ならぬ者が、神から齎される力を持つ英雄に頼み事をするのも、多くある事だ
アメシストは漁師の言いたい事を、表情と海を気にする様子から察する]
ああ、ありがとう。
……わかっているよ。再び海は荒れる。
どのみち、さっきのは応急処置に過ぎない。…ちょっと待ってね
[海が荒れる原因としてここの者が"アレ"の機嫌でも悪くしたか。あるいは気まぐれで困らせているのか。
もしも"アレ"が関わっているとすればきっと後者だなと考えながら、徴を施して行く
そして漁師の銛を借りて、火を起こす時のように回転させる。
木を削り、紐などが通せるよう上部に穴を開けた]
…できた。これを船に付けておけばさっきの詩と同じ効果があるよ。
今後も漁に出られるだろう
[できた札を漁師に渡す。漁師は何度かお礼の言葉を告げた
簡潔に返事をして、魚を積んだ船に歩み寄る。そして携行した袋に入るだけ魚を詰めた]
…じゃ、今後も豊かな生活ができるよう、僕も神様に願っておこう。
[手を上げて挨拶し、その場を後にした
"聞き届けられるかは別として"とは、口には出さなかった]
[海岸線から離れると、なだらかな坂になっている
"この先に集落がある"という目印か、板きれが階段状になってある程度の距離まで伸びていた
そこを踏み、坂を登る
魚の入った袋が流石に重く、息が切れる]
ここのとこ、飛び、すぎた…かな。
体力、落ちた…?
[はは、と自嘲気味に笑いながら歩き、やがて板は無くなる
代わりに、見渡す限りの平原が広がり樹木が点在する場所に出た
そのうちの一番近い箇所にある樹の下に、一旦腰を下ろして休息をとる
上を見上げると葉の隙間からきらりきらりと木漏れ日が明滅する]
……ちょうど良さそうだ
[その枝ぶりを見て、納得したように呟く]
[十分に休息をとった後。
袋は地面に置いたまま立ち上がり、樹木に向き合う
そして手を合わせ一礼をし、樹を登りはじめる
手を合わせたのは樹木の神への畏れを示すため。たった一本の樹から枝を取ろうが構いはしないだろうが、念の為だ
何かあってからでは遅い上に、できるだけ余計な面倒は起こしたくない
そして太い枝に移り、その先に伸びる細い枝をパキパキと折って下に落としていく]
このぐらい…かな
[十分な量が確保できたと見ると枝から手を離し、下に降りる
それを携行している紐で縛って纏めた
魚の袋と枝の束を手に持って、ふうと大きく息をついた
そして、空を仰ぐ]
空の大口 風の呼び声 樹の耳 海の心臓 そして大地のささやきへと告げる
我が身は木の葉のひとしずく 遥けき想いを風に乗せ
世界の果てまでしみわたる
我が身の血汐は雲となり
世界の全てに移行する
[今度は歌として声に出す。終われば、ふわりと身体が浮いて鳥のように飛び上がる
しかし今回は荷物がいつもよりどうにも多い。常より低く、また速度も遅かった]
着くのは日の入り時刻くらいかなぁ。
[腕が軋むのも構わず、目的地を
–––––––––北東の僻地を目指す]
ー北東の僻地ー
あー…疲れた
[時刻は、太陽が地平線にほぼ隠れた頃合。夕闇が色濃く辺りを支配している
目的地に着けば、集落より少し離れた場所に降り立つ。疲れたと呑気に呟いて、痺れる腕をぶらぶらと揺らす
暫くしてから、持ち帰った枝を更に細かく折って山のような形になるように組み上げた
長い枝も数本残して、持ち帰った魚に口から差し込む
そして積み上げた枝の周囲をぐるっと囲むように突き刺した]
……さて。
[呟き、泥を払い
長い棒を持って、集落のはずれへと向かう
一箇所、夕闇に侵されてもぼんやりと明かりを放つ箇所がある
四つの季節が巡る前、この地を襲ったもの。
或る天使曰く「神をまつろわぬ愚なるもの」陽の雫。そのごく小さき残滓がこの地にはまだ残っている
それは今集落のはずれにて、石を積み上げて作られた小さな塔のようなもので隔離されている
だが、かの者はよく石の隙間から抜け出しているようだった
その度に誰かが、教えた徵で膜を作って戻しているらしい
だが今の所は特に何か害があった、などは聞こえてこない。故に、住民も檻の強化を考えても実行する事はなく今まで共存している
陽の仔とてこの地を離れようとはしていないのが、不思議ではあったが
夜になると急激に冷える土地柄もあり、貴重な熱源として重宝されてもいる]
元気かな。…元気だな。
[腰くらいまでの高さの石の檻の天井をずらせば煌々と燃える紅い塊。アメシストの姿を見るとしきりに揺れた
アメシストは僻地を何度も訪れており、陽の仔との再会も両手の指を全て使っても余りある]
ちょっとごめんね。…いや、今は遊ばないよ
[木の棒を陽の仔にあてるとぷにゅん、と形が曲がった
そして仔の熱によって棒の先端に火がつく
アメシストについていこうとしたのか陽の仔が這い上がるように棒の先端にのし掛かるが、振ってぽとりと落とす]
またね。
[天井を元どおりにし、火のついた棒を持って元の位置へ。
魚に囲まれた枝の山に火を移し、ようやく腰を下ろした]**
/*
久しぶりにDo As Infinityの「aurora」聴いてみたら何だかピースが嵌った感覚。
歌詞自体は文明がかなり進んでるけど
[乾いた枝に火は燃え広がり、パチパチと小気味良い音を立て始める。挿した魚が赤く照らされる
火が通るまでの間、余った枝を拾い上げて短剣で溝を掘り始める
深く刻んで、息を吹き込めば小さくヒュウと鳴る]
穴を開けられたらもっと良い音が鳴るだろうけどね
[呟いて、細工を施していく
狭い空洞を空気が通り抜ければ音が出る事はとうの昔に発見されていた
ふと、火の向かいに人の気配を感じる。見れば、集落の者の一人だ
彼はアメシストに勝手知ったる様子で話しかける]
…同じ事ばかりやっていて飽きないかって?飽きないね。
やった事が結果的に無駄になるものだとしても、経験が無駄になるとは限らないさ。
使い道?鳥の鳴き声を真似して、おびき寄せて食べるとか。
…例えばだけどね
[住民は少し眉間に皺を刻んだが、特に表情を大きくは変えなかった
アメシストとは多少会話を交わす仲だ。慣れているのだろう
ひとしきり彫刻を楽しんだ後は枝を傍らに置いて、魚の方に注意を向けた]
…ああ。そっちのはもう食べられるよ。大きめが良ければ少し待つと良い。
…そうだ、歌でも歌おうか
[住民の方にある魚を指して、示した
彼が手に取っても取らずとも、背中に背負った楽器を下ろす
そして糸を揺らしはじめる]
暁に舞い踊るのは 風が運びし種子の群れ
宵闇に顔を出したるは 落ちた葉や実の足跡か
群れは列をなし 命の順列をめぐる
足跡はやがて 風にさらわれ消えてゆく
そうして刻は降りつもる
そうして生死は降りつもる
[ピン、と最後に糸を大きく弾いて終わりの合図とする。
英雄としての力を込めない、ただの歌だ。炎の向かいから間隔のあいた事務的な拍手が聞こえた
アメシストも事務的に笑みを深くした
そしてそろそろ大きいものも焼けたと見えて、魚を一つとり、食べ始める]
…余裕だな、って?…そうでも、ない、よ。
最後に天使が降りた、のは朝と昼が6回回っ、た時だったっけ…。
ごく…。も、そろそろ、"儀"の時期だって、言いたいん…だろ?
僕だって…何も考えてない訳じゃないさ。
何も考えてないならそもそも今ここにいない。
[少し、周囲を見渡しながら目を細める
そして、今まさに何か思いついたと言うように目を開いて、住民に向き直る]
そうだ!皆で歌わないか?気分も明るくなるだろう?それに、団結は時にすごい力になるんだよ。
[また言っている、といった風に住民は顔をしかめた。アメシストは以前から同じような事を何度か住民に提案していた
皮肉を言ったかと思いきや夢物語のような事を語り始める英雄に、住民は彼の本意を未だ計りかねている]
うーん。気が乗らないって顔だね。
…まあ、良いけど
[住民の反応は予想通り。肩を竦めて、食べかけの魚を一気に口に運ぶ]
…さて。日も沈んだし、僕はそろそろ寝るよ。
残りの魚は皆で仲良く食べるといい。食べきれない量を持ってきてしまったからね
[そう言って荷物を纏めて立ち上がり、背中を向けて手を振った
住民は英雄からの明らかな"施し"である事に気付いている。
だがアメシストにとっては感謝され、期待をかけられることは旅の重荷になりうる
故に、あえて胡乱な言い回しをしていればすっかり染み付いてしまった
だが、他人の信頼を取りに行こうとしないのはアメシストの自覚のない悪癖でもあった]
[歩いていれば、砂が足に絡みつく
洗っても洗ってもキリがないなぁ。などと思いながら纏う衣をきつく巻き、寒風に耐える
振り返れば自分の作った焚き火の周りに何人かが集まっていたか。
この頃、見ない顔が増えた。他の地方からやってきた英雄だ
季節が四つ巡る前、この地を襲った"陽の雫"と共に戦った者がいる。名をナジと言い、布で隠された身体には徴が刻まれていた
アメシストはある意味では似た者同士だったなぁ、と彼女に対して一方的に思う
そして彼女は今、王国にて"儀"に参加する英雄を募っている
その王国から来た者もいれば、何処かで噂を聞きつけてやってきた者もいるだろう]
……さて。
[少し歩くと、石を積み上げた簡素な住居が見える
アメシスト自ら長剣で石を切って作ったものだ。床にあたる部分には毛皮を何枚か敷いている
外では夜の風がびゅうびゅうと吹いている]
自然の風は強情なものだ。…というか、そろそろ効果が切れてきたかな。
[季節が巡る前、この地に根を下ろし始めたばかりの頃は頻繁に砂嵐に見舞われていた
それを改善すべく、集落の近くに位置する大きな岩の数個に詩の力を込めた徴を剣で刻んだ
それ以来ひとまず集落に吹く風は落ち着いたが、風鎮の徴は複雑ゆえに繊細だ。
岩が砂や風で削れて徴が歪めば、効力が落ちていく
明日が来れば様子を見に行くかと考えながら、毛皮にくるまって眠りについた]
火の狂戦士 が参加しました。
(kkr) 火の狂戦士は、おまかせ を希望しました。
[炭を零しながら頭をあげ、焦げた腑を落としながら、立ち上がった。
既に神は去り、目の前には熱い泉があるだけだ。
踵を返し、振り返らずに北東へと向かう。*]
ー翌日・天使が降りた日ー
………ん。
[作っておいた窓、もとい壁にあらかじめ開けておいた穴から陽が漏れる
その光によって、目を覚ます
日差しは既に高くなっていた
少し前までは朝が来れば屋内とはいえ暑くて仕方がなく、飛び起きていたようなものだった
これほど陽が高くなるまで目が覚めなかったということは、気温が下がっているということとなる]
…ふぁ。
[その原因を半ば確信して予測しながら、外に出て軽く体を動かす。終われば身なりを整える
天使が降りたのは、その頃だった]**
竜の背に棲む少年 エメット が参加しました。
(keise) 竜の背に棲む少年 エメットは、村人 を希望しました。
――雲海――
[雲をせき止めるかのように連なる峰へと打ち寄せる雲が、陽光を浴びて鮮やかに煌めく。
どこまでも歩いていけるかのように思える、確かな質感を持ったそれは、近くへ下りてゆくと多数の氷の粒となって頬を掠めた。
高所の空気は冷たく、薄く、雲から突き出た山稜に一切の植物は生えていない。
おおよそ人が棲める場所ではないこの高地に一人、襤褸を纏い佇む少年は、げっそりと痩せこけた頬の上にひときわ目立つ眼球を、ぎょろぎょろと動かしている。]
村の設定が変更されました。
――▒よ、▒▒▒▒▒▓▓▓ ▓▓░░░░░。
[ひゅう。と吸い込んだ息は、ほとんど言葉にはならず、しかし確かな意味を持った詩として空へ響いた。
声変わりする前の、しかしかすれた、高音の旋律は、尾根から吹き降ろす風に乗って、遠く、遠くへと運ばれてゆく。]
――雲は、▒▒▒▓▓▓▓の泉░░░░░░慰め ░░░░░░。
[天と地が奏でる荘厳な旋律。少年の目は、耳は、皮膚は、それを感じ取る。
少年の吐息は、さしずめ唱和といったところ。
やがて、雲海の一角で、新たな雲が生まれ出る。]
░▓▒▓ 火の狂戦士の生誕の逸失伝 ▓░░▓▒
祭祀王おわす国にて語り部かたるところ
辺境の地より女まろび出でん
詩の力濃ゆき女は神の寵愛を欲し祀所にて乞い願う
神は聞き遂げたり
燃え盛る焔は天へと逆巻く
幾本もの焔柱に囲まれた中央にて絶命の狂乱と叫びがあった
火の神の寵愛を受け、魂ごと燃やし尽くされながら、女は赤児を産む
転がり落ちた黒ずみがそれである
神は黒ずみを取り上げ、両腕に抱いた
赤児の魂もまた、人としての濁りを燃やし尽くされん
人間の卑小な魂はそこで死んだ
悪意も妬みも嫉みも燃やし尽くされ、
悲哀も憎悪も慟哭も嘆きも全て燃やし尽くされ、
慈しみも憐れみも友愛も愛欲も全て燃やし尽くされ、
残ったものは、己の半身を占める神の血への怒りのみであったという
たれが神の心を知ろうや
赤児は青森の境岩の小神の祠にて、誰の手も借りずに育ち、齢十にしてはじめて空を見ん
その膚は石のように冷たく硬く、裡を焦がす怒りは火山よりも熱かった
░ ▓ ▒▓
▓▒ ▓▒░░▓
そして放浪の旅ののち、赤児は英雄ではなく狂戦士と呼ばれん・・・
――虚空░░░░░░█████ ██░░░░░░░░満たそう。
[どこまでも連なる峰は、大陸を横断する巨竜の背。
高く、高く聳えるその大地に分断された空に、雲を生み出すこと。
それこそが、「無から有を生み出すもの」、「湧き出るもの」、泉の神が少年をここに置いた意味。]
――▒▒▒▒▒▒寂し░░░░░░░░お▒▒▒▒ 水路░░░░░░
[少年のぎょろりとした目は、雲海のはるか先へと向けられている。
金属のように硬質で滑らかな山肌は陽の光を浴び、雲海に鮮やかな光と影を落とす。
上空には、太陽に輪をかけるように、虹が出ていた。**]
サイエ が参加しました。
(tayu) サイエは、おまかせ を希望しました。
『畏れ多くも神々の加護へと叛を唱え
詮無きあらそいに躙られ果てようと?』
[そう述べた或る英雄の、確信と威厳に満ちた横顔を見た。
そうだ。
神とは人の意思や営みを遙かに超越する大いなる存在。
その憐れみひとつ、舌打ちひとつの前に、人間など嵐の前の羽虫に同じ]
── 王都 ──
[よくよく考えた。
英雄達と問答を重ね、幾度も神殿を訪ね、また一人で祠に篭り我が心の神に臨んだ。
それから、季節がひとつ巡るよりは前。
王都を出て北東の僻地を目指す]
心はいまだ迷いの中にあるけれど。
この眼で見よう。
ー つちくれ、雪しぐれ
ー 風吹く夕暮れ
ー 繋ぐ手の温もり、共に墓守り
[「儀」への誘いをもたらした英雄の、瞳に映る想いはなんだったのか。
考えながら詩を紡ぐ。
ふわりと軽い空気に包まれる感覚、
皮を継いだマントをなびかせ、駆けるような速さで]
[サイエは、特別に名を知られるような偉大な英雄ではなかった。
身に備わる「詩」の力が人より強かったから、なるべくしてそうなった。
神の祝福を受けるような器ではない。また、過酷な運命に晒されたこともなかった。
ただ、真摯に我が身を修め、王国と人々の世のために働くことを望んできた。
人に近しい、人でしかないごく普通の英雄]
[神々の御心など及びもつかないけれど、
だからこそ私のような英雄こそ、「人間の地」をこの眼で見て心で感じて知ならければならないと思った**]
/*
その辺答えると細かくなるから、決めてないとだけ言えば良かったな。聞かれれば答える→決めていると思われる、のコンボは避けたいのですよ。
[寝起きの身体に一瞬、淡く色付く影が落ちる
それは地面を泳ぐようにすぐに離れて孤を描いていく
その影の主には憶えがある。ああ、などと言いながら見上げれば、丁度三枚の翼を持つ天使が岩に降り立った所だった
それは天使特有の柔らかな、それでいて確かな色を持って告げられる。
その聞き心地の良さに少し眠気が戻って来たほどだが、頭を振って払った
手を翳して陽を防ぎ、天使の言葉に耳をすませる]
[冬の神について、儀についての言葉を天使から聞く
言ってみただけ、と冗談めかした発言を聞けば>>7細い目を更に細くして、口角を上げた
"儀"に至るまでの過程を、アメシスト自身も経験した。
陽の雫討伐令及び冬の英雄オーリン・ウル。そしてナジ、カルヒと、狂詩の落とし子英雄エルラム。
結果的には陽の雫は大部分が滅んで金属塊となった。今では鍛冶の神の手に渡っている
そしてごく一部分が陽の仔として、ここで住民と奇妙な共存関係となっている
ちらと、戦場の跡を見る
そこには萌の庭と呼ばれる場所ができていた。英雄エルラムによって、植物が群生するように生えたのだった
冬の英雄オーリン・ウルは冬の神との契約を喪失した。
彼が陽の仔を討てばこの地は冬の神のものとなっていたが、それも同時に反故になった
結果的には、北東の地は人間に渡されることとなったが神々はこの地を諦めていない。
その結果が天使の言う"儀"だった]
[内容は、季節が巡る前に或る天使に聞いたものと共通する。故に確認するように耳をすませた]
…神々は何故、この土地に固執するんだろうね。
いや、逆か。先に約束を破ったのは人間(こっち)側か。
[昼は日光が容赦なく照り夜は寒風吹きすさぶ
土は栄養を蓄えておらず硬く、種を蒔いても大きくは成長しない。
魅力的な土地とは言えないが、それより神々にとっては人間達が約束を反故にした事の方が大きいかと考える
独り言ちるように呟くが、天使の耳には入ったか]
[今でもこの地を差し出しても良い、と天使は冗談めかして言う>>6
無論、住民の中で誰一人として同意する者はいなかった
冬の神の加護と寵愛、と天使は言うがそれは決して人間達に都合の良いものでないことも解っていた
彼等はどれだけ不便な土地であろうと、此処以外で生きる術が無いのだ
無論、この土地に愛着のある者もあろう。此処で生まれ出でて他の土地の事を知らぬ者は何人いるだろう]
…………。
[アメシストはこの土地に人間が残る限りは立ち向かいたいと、この場にいる
故郷を、帰る場所を失う哀しみを知っているからだ
もしも戦いで果てるならばそれもまた本望だ
大気の英雄の本分は嵐のように荒れ狂う勇猛。凪の平穏は合わないと、巡る季節の中で思い知らされた
そして不老の力を持った今、人間の可能性を見てみたいとも思う。
神々の加護なきこの地をどれほど護れるのか。人間の可能性は何処まで行けるのか
初めて神々と人間が対立するこの地で戦う事はある種の誇りだとも考えていた]
/*
あっ、何人かは去った人もいるみたいな話が聞きたくてですね…(そういう弱さがあっても良いのだ、と)
まあその辺は、どちらかと言うと、エルラームにまるっとお任せしたいところもあるな。
…そうでしたね。
それが当然の摂理だ。
[考え事の最中に降ってきた天使の音色は>>48何処までもやわらかで心地が良い。
彼への返事に本来は、と頭の中で付け加えた]
特にはありませんね。
…よく知っていらっしゃる。でも完全に死を喪った訳でもありませんよ、天使様。
[まよいごと天使は呼んだ。彼に対抗するように微笑んで、なるべく柔らかな声色で返事を返した]
ふふっ、そうだったね。
[どこか楽しげに天使は零す。
翅の影の下で、アメシストを見詰めていたが何も無いならば、そこで対話は終わろう。*]
…さて。
[天使から更なる言葉はあったか。あったならば会話の終わった後にあらためて周囲を見回した
季節はそろそろ種が撒かれる頃合いだ。だが風の温度はむしろ収穫の頃合いに近い
故に、季節ではなく冬の神の被造物に由来する気温の低下だと判断した]
………。
[天使からの話が終わればウオオオ、と決起する声が背後から聞こえる
振り返れば各地から集った英雄が一つの塊となって結束を強めている様子だ
真剣にこの土地を護りたいという者はあの中に何人いるか。自身の武勇を示し、あるいは高めたいという者も中にはいるだろう
軽率に討伐に参加して名を知らしめたい、という者はいないと思いたい]
[だが、ものは試しだ。住居に戻り、置いておいたあまり布を手ごろな大きさに裂く
指を噛んで血を出し、血液で徵を描く
空気の振動を何倍にも大きくする効果を持つ徵だ
それを口元に巻いて、住居を出る]
皆、聞いてくれ。
これより我々が相手するものは野獣とは違う。神の造りしものだ
油断が即、死に繋がることを常に考えておけ。
君たちの個の力がどれだけ強かろうと、個々の力だけで勝てるものではない。
連携と、結束が肝要になる。…それぞれ、自分がどうするべきかよく考えるんだ
[徵の力で遠くまで声が響き渡る。英雄達はそれぞれ顔を見合わせて困惑している様子だったか。
誰か、返事をした英雄もいたかもしれない。いればアメシストはその場に留まり、返事をするだろう]
/*
会話が終わってしまった(天使真顔書終)。今のうちに、被造物やら何か聞きたい事あればというのは無いのかいい。ヒントくらいどんどん放出するのに。(岩をバンバン
………。
[落ち着くと、目を瞑って集中し、大気の流れを読む。そして風の吹いてくる方向を判断する]
あっちか。
[長剣を抜く。しゃらん、とこの世のものならざる清涼な音が響き、刀身が照らされ淡く輝いた
そして風上に切っ先を向けて、詩を紡ぐ]
我 暴風の賢者なり
あらざる風をあるべき姿へ
あるべき地をあるべき姿へ
花は揺らぎ 地は起り 鳥は過ぎり 季節も過る
見えぬ獣はやうやう激しく 風はいよいよ牙を剥く
さあ 刻は今 満ちゆこうとしている
[ふわりと浮かび、風上へと飛んで行く
その行き先には獣の牙のように二つ、大きな岩がせりだしている箇所がある]
─ 七日七晩が前 ─
[この地に着いたのは儀の七日七晩前であった。
その日>>3、天使が空を舞い、七日七晩後に儀が始まると聞く。
夜の神々の訪れと共に、火の狂戦士は共に旅をしてきた蹄ある獣を捌き、この地に住まう者、英雄の別なく振る舞う。
肝と脂と一番の柔肉を、この地にいる鍛治の神へと捧げ、他を餐った。]
国でも招きの声を聞いた。
お前たちのうち、神の令で来たものはいるか。
[大きな焚火を囲んで暖をとり、肉を喰らい皮袋の酒精を呷り、話を交わす。]
ところで、あれらは竜に神の被造物か?
[怒気を滲ませ視線を向ける先のひとつは、仔竜の姿だった。
もうひとつは、火の中に飛び込んで来た軟体物だった。
火の狂戦士は、むんずと軟体物を掴み、しげしげと見た。]
ふッ!!
[岩に着くと全身を使い勢いをつけて、長剣で大きな傷をつけていく
神が造り、命すら得たその剣は岩であろうと土塊のように簡単に溝をつける
尤も、同じく神の造りしものには同じようにはいかないだろう]
ッらぁッ!はぁッ!!
[溝は複雑な模様を形取り、やがて大きな徴となっていく]
…ふぅー…。…ふ、もう一個。
[描き終われば息を整え、反対側の少しずれた位置にある岩にも同じ徴を施して行く
終わる頃にはすっかり息が切れ、ふらふらと羽虫のように地に降りた]
–––やっぱ…り体力、落ちた…な。
[岩に凭れ、ふうふうと荒くなった息を整える。このまま岩に身体を預けて眠ってしまいそうになるのを堪えた
風上に近づいたからか先程より風が強い。砂粒が顔にあたる感触も強くなっている]
…大分、近いようだ
[少し移動しただけでも風が強く感じられるということは、被造物がすぐそこに来ているのだろう。だが姿は見えない
何らかの力で隠されているのか、ただ見えないだけなのか
だがそれを追求するほど今は暇ではない
息が整えば岩と岩の間に歩を進め、それぞれ描いた徵に手を翳した]
もの言わぬ隣人よ 荒れ狂う暴風を預ける
我が敵 彼方より来る
大気のかいなを持って迎え入れよ
汝らが叫び 彼方まで届かんことを
汝らが悲哀 天の果てまで響かんことを
[翳した手の先にある徴が淡く光った
施したのは暴発の徵。被造物が描いた徴の正面に来れば、爆発するような強い空気の振動が襲うようになっている
どれ程通用するかは未知だが、試験的にもやらないよりは良いだろうと思った]
…割と疲れたね
[思いの外、体力を持って行かれた。被造物との戦いを前に不安が増すが、他の英雄もいる。彼らと力を合わせなんとかやろうと、気を引き締めた
そして再び詩を紡ぎ、集落へと舞い戻る]**
─ 七日七晩が前 ─
これが陽の雫だと?
[ぐぅと力を籠めれば、ぐにゃりと手の中で形を変える。
人間達と地上を蹂躙する災厄【陽の雫】があり、以前この地へ討伐の令があった。その残りが、これだと言う。
狂戦士の手は何時しか炎に包まれ燃え盛りながらも、赤い軟体物を離すことは無かった。
更に力を籠めれば、弾け散りそうな【陽の雫】の残り滓だったが、唐突に細長い突起が生まれ花のようなものが咲いたのには眉間に皺を寄せた。]
これにとって、
神も天使も戦いの為に来れないここは安息地か。
ころして良いのではないか。
[赤い軟体物を離し焚火の端に投げ捨てると、肉が付いた骨を放った。じゅうじゅうと軟体物が蒸発させるのを横目で見ながら問いかける。]
狂詩の半英雄 エルラム が参加しました。
(tayu2) 狂詩の半英雄 エルラムは、おまかせ を希望しました。
ー 北東の僻地 ー
[窪地。風除けに積まれた礫の壁の内側に、人間達の智慧が息衝く畑があった。
農夫が二人…正確には農夫と、英雄]
…
[そこだけ、乾ききって痩せた砂ではなく落ち着いた色合いの『土』がある。
まだこの春の種蒔きを受けていない畑を、耕していた]
─ 七日七晩が前 ─
[この残り滓は【陽の仔】とも呼ばれているようだ。
討伐の令に赴いた英雄達は、冬の神から契約の代償を捧げきらせず無理矢理に従順な英雄を奪い去り、神からの令を完遂せず、災厄を生かし続けている。なるほど神々に、より見放されても仕方がない行為だった。
火の狂戦士は、肉を歯で引き千切り喰らいながら話に耳傾ける。]
冬の神の被造物と戦う覚悟はあるのか。
[他愛無い話をしながら夜は更ける。
あくる朝、残る蹄ある獣は【萌の庭】に離した。奇跡を起こせば良い話だったが、餌になる草は他にろくに生えてなどいなかった。*]
[畑の近くの大岩の上
老いた雄山羊が立っている。
獣の鬱金の眼差しは静かに、未だどの神も統べていない大地を映していた]
…いえ。もう少し、ここニいます
[いかなくていいのかと農夫に問われ、エルラムは困ったように少し笑んだ。
響き渡った鼓舞の声>>53のことを言ったのだろう]
はたしは、わたしのすベキことろ、考えています
[連携と結束。
この半英雄にとってはいまや、調和は苦手とする本分。
調律の狂った耳障りな声で穏やかに囁いて、
けれど覚悟ならばあった。
心は常に人々と共に。 儀の時に備えている**]
─ 七日七晩の間 ─
[火の狂戦士は、北東の僻地を捨てなかった集落の人々と英雄を見る。
昨晩の小さな宴で、顔は知れた。
賑やかな歌に故郷を思い歌っていた英雄の視線を横切り、目的の相手を見つけた。
集落の農夫と、英雄の中でも、ここを守ろうと呼びかけ行い為す頑強な考えを持つ者達だ。]
備えはどうだ。
おれは火の堀か壁をつくりたいと思うのだ。
構わないか。
[以前、【陽の雫】を待ち構えた時に氷の囲いを丘につくったと聞く。
火の狂戦士は、農夫とエルラム達何人かの英雄に問いを向けた。**]
/*
狂戦士的には集落の民は不要というか、危ないし邪魔なので何処かへ行っておけだけど、アメシストは共に戦おうなのかな?一応RPで摺り合わせしておくか。
[元は麻袋だった襤褸と、いつの間にか持っていた小さな指輪。
それが少年が持てる全てのもの。
そもそも少年は、記憶を持っていない。
自分がどこから来たのか、どこで育ったのか。
記憶は靄が掛かったようにおぼろげで、唯一覚えているのは、自分が濁流に突き落とされ、捨てられる、最後の瞬間の母の表情。
その映像さえ、今は薄れてきている。
少年は、あの時確かに一度死んだ。
そして、気付いたら、竜の背に居たのだった。]
[小さな錫の指輪を覗き込むと、世界が違って見える。
一面のパノラマは、丸い額縁に切り取られ、雲の頂を拡大する。
あるいは時折、遠く離れた風景が見えることがある。
鍾乳洞の天蓋に開いた穴から差し込む陽光。
井戸を覗き込む人の顔。
水辺に咲く水仙。
波打ち際で木片を拾う男。
いずれも水が見た光景だ。]
[指輪をそっと口に含むと、不思議と金属の味はせず、指輪についた露は蜜のように甘い。
ごろんと横に転がると、体の片側、陽光に当たる背中だけが暖かった。]
(ひとりは、やだ。)
[かつて棄てられ、命を落とした少年は、ここで命を終えることも受け入れていた。
だけど、寂寥は募る。
竜の硬い大地に、そっと寄り添うように眼を閉じた。**]
――夢――
[微睡みの中で、少年は水中に沈む極小の粒子、あるいは一粒の種子となっていた。
温度の無い流れが、種子をどこかへ運んでゆく。
水路(みち)はうねり、くねり。
時に明るく、時に暗く。
少年には、もとより選択肢などは無く、流れに身を委ねるのみ。]
[それは水に溶け出した意識が感じたものだったろうか。
地面の下に、地表に、空中に、自分が世界中のいたる所に存在するように思えた。
滑らかな水の音と感触は、とてもリアルで。
回転しながら瞼の上に感じる、空は眩しく。
そして、遠くから水を伝って聞こえてくる、金属が打ち合うようなリズムに。]
――░░░░░░░░░ ░░░
[少年は、やがて歌っていた。
舌に錫の指輪を感じながら紡がれる、歌詞の無い即興の鼻歌は、リズムに合わせ、水を響かせるように、淀みなく流れる。]
――北東の僻地――
?
[突如、水の感触が消える。
代わりに乾いた空気とざらざらとした土の感触が身を包む。
竜の背にいたはずの少年は、目をぱちくりさせ、いそいそと身を起こす。
先ほどまであった雲海は姿を消し、目の前には荒涼した大地が広がっている。
少し向こうに、岩の塔が見えた。
少年は、指輪を右手の親指にはめ直すと、ゆっくりと立ち上がった。**]
[集落に舞い戻れば、英雄の一団の中に入る
そして何かを探すように首を回す
聞くと七日七晩巡る前より、炎の力を持つらしい英雄が来ているようだった
陽の仔を素手で持ったという話を、集落の何処かで耳に挟んだ
そのとき住民に聞いた特徴を元に、辺りを探す。
果たして一団の中にはいただろうか]**
──北東の僻地・集落よりやや離れた場所にて──
〔コォ・・・ン・・・〕
〔澄んだ音が反響する。
波紋よりも深く世界を刻む魂を震わせる。〕
〔コォ・・・ン・・・〕
〔一定の律を持つ澄んだ音。
老樹よりもふるく巻き起こる風よりも新しい。〕
〔コォ・・・ン・・・〕
〔少年の目の前には奇妙なる岩の塔。
そこから高く澄んだ音は聞こえて来る。
ひとつあいた窖のような暗闇が岩には在った。*〕
村の設定が変更されました。
無貌の語り手 が参加しました。
(kkr_2ID) 無貌の語り手は、人狼 を希望しました。
村の設定が変更されました。
村の設定が変更されました。
─ 七日七晩の間 ─
[冬の英雄オーリン・ウルの庵は【萌の庭】にあった。
生きた芽で描かれた「萌の徴」の端を一瞥し、火の狂戦士は問うた。]
何ゆえ、冬の神を裏切ったのか。
力を得た代償を支払わず、利のみを得たのか、オーリン。
[淡々と問うた。]
一度は国に戻り、春の英雄に会い話したそうだな。
間違っていたと。
[再会の譚は尋ねずとも耳に聞こゆ。]
お前はそれで善いのか?
良くとも冬の神はお前に火竜を討つ力を与えたろう。
であれば、後の運命を何故甘受しなかったか。
ー音色の降る前日>>29ー
『そりゃァ英雄様がたが歌えば奇跡が起りますがね。
被造物が襲って来たってぇ時に我々が呑気に歌ってる場合ですかね。』
無駄ではないさ。
…本当にやるかどうかは判断を任せるけど、その辺はまあ僕が保証しよう
[アメシストの理想論に、住民は訝しげな表情を崩さない
歌は確かに心理的に効果的であることを住民も知っている。
数少ない娯楽として、見えない明日を明るく照らす
だがしかし、被造物が襲ってきた時に歌うというのは今ひとつ合点がいかない様子だった]*
─ 七日七晩の間 ─
[蒸気か地熱か。
それとも人の手によるものか【萌の庭】は穏やかな庭を維持していた。
当時描かれた巨大な徴や、歌われたという歌も維持の一端を担っていたに違いない。
かしこに鳥や獣が見え、この庭のみが緑を保っていた。火の狂戦士が離した獣ものたりと憩う様に歩んでいる。
火の狂戦士は淡々と続けた。]
お前は知っていた筈だ。
力を得る【契約】の代償に何を求められるかを。
冬の神は約を守る善き神ぞ。
[幾つかの言葉が交わされた後、【萌の庭】を後にする。]
ー七日七晩前ー
[その日は、アメシストではない者が歌っていた
楽器の作り方も何処かで発見されては伝来しているようで、中を空洞にした木に皮を張ったものを叩いている者もいる
たまには賑やかな宴に身を寄せるのも悪くないと、歌に手拍子で応えていた
ふと、故郷を想い歌う英雄の視線が逸れる>>65。
目線を追うと、毛皮に身を覆う者の姿が見えた
近くの者が"さっき素手で陽の雫を掴んでた奴だ"と他の者に言うのを聞く]
…へぇ?
[炎に関する能力を持つ英雄だろうか。なれば、場合によっては被造物に対して有利になるかもしれない
後ほど話しかけてみるか、と考えてはいたが、その日は彼を見失ってしまった]
─ 七日七晩の間 ─
[火の狂戦士は七日七晩の間、英雄達と話をし冬の神の【被造物】に対しての備えを行った。
集落の近くには、鍛治の神が在ったが何かを鍛える音が響いているも、神がいるという畏れ多さに閑散としていた。時折、その辺りで【陽の仔】を見ることもあるという噂がひとつ流れていた。
集落を後ろに控えた【萌の庭】の更に向こうを防衛の円の最外枠に定め他の英雄の力にて乱杭の岩壁を設け、滾らせた火の海を作るのは前日と定めた。*]
ー七日七晩の間ー
『何か、いつもより寒いわねぇ…』
『風向きも去年とは違う気がする。”儀”の関係かなぁ…』
[住民の話す声を耳に挟む
興味を惹かれて、近寄った]
確かに、この風はただならぬ気配を纏っている。
あっちから来ているようだ。
[風上と思しき場所に指をさす]
…ああ、不安にしたかい。
僕が言っても胡散臭いけど…信じてほしいな。英雄の力を
[不安げな仕草をする住民にそう言って、その場を後にした
空気の流れに敏感な英雄でなくとも、寒風が何処から吹いてくるか察した者はいるだろう
そして、その情報は住民や英雄の区別なく共有された]**
/*
きょうせんし君から、
距離1mの地点にある岩Aの高さは50mです。
距離は分かりませんが、岩Aと同じ大きさ岩Bの見え方は1cmです。
この時、きょうせんし君から岩Bまでの距離を求めなさい。
尚、きょうせんし君の背は考慮しないものとします。
──北東の僻地・集落よりやや離れた場所──
[足元には、いつのまにか、見慣れた模様が刻まれていた。
少年が行く先々に、この模様は刻まれる。
これが実は、「泉」の徴であることを、少年は知らなかった。
やがてここにも水路(みち)が開き、清浄な水が涌くだろう。]
[ぴくん、と、少年は岩の塔を見上げる。
音は、そこから発せられていた。
微睡みの中、水を通して聞いた音が、今度は空気を通して、大地を通して、違う響き方をする。
正確なリズムと、美しい音律を刻むそれは、どこか荒々しくもあり、ある種の畏怖さえも感じさせた。
これは間違いなく、人ではなく、神によるもの。
そんな確信を得ながらも、元より失うものも無い少年は、塔に一歩一歩、近付いていった。]
─ 儀の前日 ─
[火の海は広がった。
【萌の庭】と岩の壁を越えて近づけば、夜の帳を払い眠りを邪魔するほどの明るさがうまれた。
燃え盛る火の海に、火の狂戦士は語りかける。]
私は火である
私は燃え続け広がるものである
風は私を大きくした 水は私を避けて逃げる
土は冬の神の被造物を見つけ 私をそこへ運ぶ
私は、冬の神の被造物を喜びのうちに包む
私こそ至福の時を齎し 冬の全てを融かす
私は火だ 脈打つ火だ 冬に襲いかかるものである
[うまれ広がる火の海に詩を向ける。
冬の神の被造物に、火の海自ら襲い掛かる詩を捧げた。*]
[大気は陽炎のようにゆらめき、岩肌は熱く照りつけ、吸い込んだ空気も皮膚と喉の粘膜を焼く。
蒸気のシュウシュウという音が響きに加わり、それは新しい「何か」が生まれるのを待ちわびる歓声のように聞こえた。
塔の下部、少年の目の前には、冥く中が見通せない窖。
その奥で、焔の光が、揺らめく。]
ヒッ。
[吐息が漏れる。
窖の中で一際響く音に驚いたか。
恐る恐る中を覗き込もうとした少年は、熱風を浴び熱くなった岩肌に触れてしまう。
思わず引き寄せた右手の、骨と皮ばかりの親指に嵌めた錫の指輪が、音を立てて闇の中へと転がり落ちていった。*]
〔望むのは星よりも清浄な耀きか?
望むのは穢れ堕ちた不浄の澱みか?
窖の壁には立て掛けられた武器があった。
或いは傷一つ無い平岩に置かれた武器があった。
否、見回せば防具らしきものに装飾と思しきものもあった。〕
〔〔〔〔〔〔〔コォ・・・ン・・・〕〕〕〕〕〕〕
〔幾重にも音が響く。〕
〔手にした其れを掲げ見る。〕
〔その足元に錫の指輪が転がり来た。
奥から、少年へと眼差しが向けられる。〕
〔指輪を拾うでも無く眼差しだけが向けられている。*〕
/*
ぷひー。
多分、塔関係の描写、色々間違っているけれど気にしないことにしよう。
>>89 おっほほ。kkrさんありがとう。
あ、あの、邪魔して、ご、ごめんなさい。
お▓おいら、指輪を落として░░
[炉の焔が揺れる。
奥にいる影は、見ることはあたわず、ただ視線が自分を捉えたことだけを感じた。]
だ 大事な█環なんです。
[焔が揺らめき、様々な長さの金属管を束ねたフルートを照らした。]
〔眼差しが興味の色を無くし、其れに視線を戻した。
足元に転がった侭の錫の指輪は、窖の裡に入らなければ手にとれないだろう。
鍛治の神に対し、錫を投げ入れるということ。
それに対しての眼差しだったのかもしれない。〕
〔裡に這入れば、より何が置かれているか見えるだろう。
喩え暗く見えないものがあっても、「見える」筈だ。〕
〔仮に入って良いかと問うても視線を向けるだけだろうか。【詩】の結晶が如き、その眼差しを。
良いも悪いも言わず、言葉にするならば勝手にすれば良いというところだろうか。*〕
/*
いそいそと埋葬しよう。
〔やがて何か得心したのか錫の指輪を拾い、少年へと視線で窖の裡を示した。小さな岩の机に雑然と何かが置かれており、その近くに座る為のものではないかと思しき場所と岩もあった。
その近くの壁棚らしきものには、肉が熱で自然に干されたものがあり、良い匂いがした。
少年を気にせず、錫の指輪を手で練り始めた。
不可思議なことに、指輪は簡単に形を変え始めようとする。少年の反応が無ければ、そのまま好きに弄われてしまうだろう。*〕
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