ユーリは、女中 リーリ居るわよ。リーリちゃんの後ろからついてきているわよ。ほら、悪い狼さんから守らないといけないし。

ユーリは、女中 リーリちゃん、ええ、勿論いいわよ。

ユーリは、女中 リーリ[リーリの告白に、しばし考え込むようなそぶりを見せる。それは常日頃見せる柔和な表情とは違ったもので]

ユーリは、女中 リーリちゃん、忘れてなんか、いないわ。このワタシを「王子様」だなんてなかなか言う人いないしね。

ユーリは、女中 リーリちゃん、そうね、ワタシもリーリちゃんのコトが好きよ。可愛いし。

ユーリは、女中 リーリちゃん、前に「ぐだぐだに甘やかしてダメにしちゃいたい」と言ってたの、実行してみようかしら。くすくす…

ユーリは、女中 リーリ[そう笑いながら、リーリに手を伸ばそうとして、その手が止まる]

ユーリは、女中 リーリ、とか言って、いつものようにやれば良いんだろうけどな。

ユーリは、女中 リーリ――そうだな。真剣に告白してきた君にはそれは失礼だろうから、正直に言おう。

ユーリは、女中 リーリ[いつもの言葉遣いとがらっと変わる。本来のものへと]

ユーリは、女中 リーリ、アレは「営業スマイル」だ。あの言葉遣いだと、女性は油断してくれてするする懐に入れてくれる。

ユーリは、女中 リーリ、そして美辞麗句を並べて、女をいい気にさせて商品を買ってもらう。それが俺の商売さ。

ユーリは、女中 リーリ、――という、「普段のユーリ」が作られたものというネタ晴らしをしたところで、

ユーリは、女中 リーリ、がっかりした？だから何度も言っただろう「俺は悪い狼だ」って。

ユーリは、女中 リーリ王子様なんて、現実にはいないんだよ。

ユーリは、女中 リーリ[リーリがスカートを強く握りしめる様から視線を逸らす]

ユーリは、女中 リーリ、すまないな。「やさしい王子様」というのには程遠いキャラの俺とか好きじゃないだろ？

ユーリは、女中 リーリ、側に居たいとかも、触れたいとか以前に「詐欺師」と怒ってもいいんだぞ。

ユーリは、女中 リーリ[自身の伸ばしかけた手を引っ込め、リーリを抱きしめたくなる衝動を堪えた]

ユーリは、女中 リーリ[いつもの笑顔が消え、硬い表情でリーリの反応を待つ――]

領主の娘 ロザリーは、司祭 ジムゾンジムゾンさま、とても素敵なお手紙ありがとうございます。じっくりと読ませていただきましたわ…。

領主の娘 ロザリーは、司祭 ジムゾンさま、わたくしにこんなお言葉をいただける日が来るなんて、思ってもみませんでしたの…

領主の娘 ロザリーは、司祭 ジムゾン少しずつになってしまいますが、お返事をさせてくださいませ。