情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 エピローグ 終了 / 最新
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
”盟譜学園”
創始者ダーナ=メイフィールドによって建立された、初等部から高等部、大学までを有するミッション系の学園である。
創立100年を迎える2012年、文化祭を目前に学園内はにわかに賑わっていた。
1人目、用務員 栗栖 源一郎 がやってきました。
用務員 栗栖 源一郎は、村人 を希望しました。
−金曜夜・高等部一階−
[私の名前は栗栖源一郎。
いつの頃からか、この学園におけるマスター・オブ・用務員を務めている。ようするにこの学園には用務員と呼ばれる人物は名実共に私だけという事である。
今夜も初等部から大学までの校舎の見回りの任についていた]
へ・・・・・・へーっくし!
さすがに少し肌寒くなってきたな。
[そんな私の肌を温めてくれる家族は側にいないのだが、それは今は語るべき物語ではないだろう。
今夜も夜な夜な懐中電灯片手に夜の校舎を探索する]
[文化祭も近づいて来ているのか、高等部の校舎の中には派手な看板やら張り紙などが放置されている]
ゴミなのか大事なものなのかさっぱり判らんな、せめて歩きやすいように通路に置かないようにしてもらいたいものだ。
[そう愚痴りながらも、はたと高等部教室棟の一階で立ち止まる]
・・・・・・ん、誰かいるのか?
[奥のほうから、物音が聞こえる気がした。
栗栖源一郎たる私は、恐る恐るその方向へと足を運んだ]
2人目、杏里 メイフィールド がやってきました。
杏里 メイフィールドは、C国狂人 を希望しました。
−同時刻/高等部校舎一階−
[いつの頃からだろうか。
この時刻に、この用務員室に通うのが日課となっていた。
自分が何者なのか、もう擦り切れてしまいよく覚えていない。
そんな自分に何を為すのかを教えてくれるものがここにあるから、彼女はここに来るしか無いのだ。
静かな校舎に、がらがらと扉を開く音が響く。
誰も入ることの出来ない部屋。生徒の間では”開かずの間”と呼ばれるこの用具室に、彼女と神父だけは入ることが出来た。
簡単な結界が張られているだけではあるが、この学校の生徒に対してはそれだけで十分有効であった]
ダーナ、私を導いて。
[彼女に自分がどんな感情を抱いていたのか、それすらも朧気だ。
もしかしたらそれは慕情だったのかもしれないし、怨念だったのかもしれない。ただ、彼女の令呪によって縛られていただけなのかもしれない。
だが、少なくとも彼女なしではもう杏里はこの輪廻の輪から出られない。それだけは知っている。
かつて、彼女はダーナの召喚したサーヴァントであった。
今は、人間である。それは願いが叶った結果ではなかった。
この学園の創始者ダーナ=メイフィールドの復活。
それが、残された彼女に課せられた使命だった]
[用具室の中にはテーブルがひとつあり、その上には一冊の本がぽつんと置かれている。
その背表紙には”ダーナ・メイフィールドの日記”と書かれていた。
読む人など杏里と神父くらいしかいないその日記には、死んだはずのダーナの日記が毎日更新されていた。
杏里はそっと、その日記を手に取りページを捲った]
3人目、ダーナ メイフィールド がやってきました。
ダーナ メイフィールドは、おまかせ を希望しました。
[2012年 10月 12日
今年であれからもう100年になる。
聖杯戦争の準備は進んでいるか。
今度こそ、私の復活と、そして第三魔法の成就を。
杏里、私の願いが叶う時が、貴方がその永遠の迷路から解放される日である事を忘れてはいけませんよ。
多くの生贄を代償に、私は蘇り、永遠の命を手に入れるでしょう。
呼び出されるであろう英霊のうちいくつかには、私の意思を植えつけています。
貴方はそれをうまく誘導し、願いを成就するのです]
・・・・・・判りました、ダーナ。
[そっとその日記を机の上に置く。
この日記は結界の外には持ち出せない。読むにはここに来るしか無い。
今日の日課を終え、そっと用具室を出る。
この後、聖杯戦争の開始を見届ける為に。]
−廊下の隅−
・・・・・・ゆ、幽霊?
[物陰に隠れていれば、まるで幽霊であるかのような女性が開かずの間から出てきた。
一体、どういう事なのか。
彼女が去った後、恐る恐るその扉に手を掛ける。
だが]
きょ、今日のところはこの辺で勘弁してやろうじゃないか。
[急に、この扉を開けることに躊躇いを覚えた。
悶々とした気持ちを抱え、そのままこの夜私は他の施設の見回りに戻っていったのだった]
4人目、神父 荏嶺聡一郎 がやってきました。
神父 荏嶺聡一郎は、人狼 を希望しました。
−同時刻/教会 礼拝堂−
――――、
[ステンドグラスより差し込む淡い月明かりに照らされる、十字架に掲げられた聖者の像を見上げていた青年は、聞こえた微かな物音に振り返った。]
おや、今晩は。
このような時間にどうかいたしましたか?
[礼拝堂の扉を開け、入ってきた人影を見て柔らかな笑みを浮かべ荏嶺 聡一郎(えれい・そういちろう)は落ち着いた声音で語りかけた。]
−教会 礼拝堂−
あら、随分他人行儀なのね。
それに来た理由なんて察している癖に。
[つかつかと歩いてきて、神父の前の椅子にそっと静かに腰を下ろす]
ダーナの日記に、聖杯戦争について書かれたわ。
聖杯、英霊の準備は出来ているみたい。
あとは、開始の合図だけよ。
何事にも社交辞令は必要です。
[歩み寄ってきた女生徒――高等部の生徒会長でもある、杏里メイフィールドが腰掛けるのを見つめながら答え、そして続く言葉にひとつ息を吸い込むと、そっと頷いた。]
――判りました。
日付の変わる頃に聖杯の気配を開いておきます。気付いた者達がすぐにでも自ら集い来るでしょう。
[そこでまたひとつ息を吸い。]
見届けたわ。
[自分の右手の甲に、刻印が浮き出てくる。
3画で書かれた”令呪”。聖杯戦争のマスターに選ばれた証]
それじゃ、自分のサーヴァントを呼び出してくるわ。
あとは、よろしくね。
[疼く右手を左手で覆い、すくりと立ち上がり教会後にする]
−金曜夜/高等部グラウンド−
[懐から呪文が書かれたメモを取り出す。
本来正式な魔術師ではない上に記憶も曖昧になってきている彼女にとって、これが無ければサーヴァントを呼び出せない]
何度目、かしら。
[少し下を向き、呼吸を整えた後、彼女は召喚の儀式を始めた。
指を地面に当てると、そこから炎が放たれ、地面に魔法陣を描き始める。
そしてその魔法陣の中央で、彼女は呪文を唱え始めた]
素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。祖には我が大師シュバインオーグ。
降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ.
閉じよ、閉じよ、閉じよ、閉じよ、閉じよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者。
聖杯の寄るベに従い、この意、この理に従うならば応えよ。
誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者。
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ。
5人目、バーサーカー がやってきました。
バーサーカーは、人狼 を希望しました。
[呪文と共に魔法陣が輝く。
最初は淡く、次第に強く。それはあまりにも不自然で、惹きつけるような怪しい光。
それは魔術と呼ばれる力の輝き。
それも、英霊という最上級の使い魔を呼び出す代議式]
……これは、酷いな。
[一際強く魔法陣が光り、それが消え去ると―――そこには、一人の男が立っていた]
[声をかけられ、自分の目の前に居る女性を見て―――皮肉げに笑みを浮かべる。
何かを、諦めたかのように]
ああ、そうだな。そんなことだろうと思っていた。
こんにちは。マスター。
バーサーカー、アステリオスだ。よろしく。
随分と退廃的なのね。
私とは気が合いそうだわ。
貴方の内に飼っている獣も、きっとこれから始まる戦争では満足出来る戦場に出会えると思うわ。
そりゃ最悪の戦場だ。ついでにあんたと気が合うってのもぞっとする。
僕は思わず逃げ出したくなるが……。
[目を細め、女をまっすぐ見る]
なあ、勝ち抜けば願いは叶うんだろう?
ええ、勿論。
[冷淡な表情の彼女には珍しく、少しだけ口元が緩むが]
貴方の思いのままよ。
私はいつも学園にいるから、貴方も学園で過ごしなさい。
そうね、高校の教師としてでも過ごせばいいわ。
学校には裏から根回ししておくから。
[根回しなど必要ないのかもしれない。
この学校の中にいる生徒には、本来気がつくはずの異変を気が付かなくしてしまう効果が施されている。
もしこの男が何食わぬ顔で教室に入ってきたとしても、誰も違和感など抱かないだろう]
・・・・・・これで、私の長い旅も。
終われば、いいわね。
6人目、御厨 学 がやってきました。
御厨 学は、村人 を希望しました。
−土曜夜/大学エリア・図書館−
さて、始めるか。
[深夜、大学の図書館で御厨学は小さくつぶやいた。
足元には、チョークで描かれた魔法陣。
その中に、持ってきた叔父の蔵書を数点放り込む。]
墨で書かれた特別古そうなのを、いくつか持ってきたが、上手い事行くのかな?
[感情のこもらぬ瞳で本を見つめると、呪文を唱え始める。
淡々とつぶやくような詠唱の中、チョークの粉は魔法陣の形を保ったまま、ふわりと浮かび、光りを放ち始めた。]
7人目、アサシン がやってきました。
アサシンは、人狼 を希望しました。
−土曜夜/大学エリア・図書館−
[敷かれた陣を魔力が掻き回る。
輪廻のように、或いは渦のように。
異界より滲み出る奔流の色は、澄明な水の青。
白墨で刻まれた紋様を塗り、設置された蔵書を呑む。
陣に近く在った書棚が揺れた。
そのまた近くで眺めていた書棚が揺れた。
彼らをそ知らぬ顔で囲っていた書棚が揺れた。
収められた本がこぞって震える。
彼らの隙間に埋められた影という陰を、或いは陣に放り込まれた蔵書の染みを、奔流は手繰り寄せ、吸い込み――やがて、純黒に染まった。]
[黒。
闇を湛えたような、血を凝らせたようなその靄は
大きく膨らみ、波と成った。
純黒の高波が地に叩きつけられ、飛沫が舞う。
全てが収まったその後に遺されたものは
男が刻んだ魔法陣と、放り込まれた数点の蔵書のみ。]
成功した、らしい。
[極端に鈍いとは言え、学にも感情が無いわけではない。
霧散した闇の中に佇む女性を見て、成功を確信し、じわじわと喜びがこみ上げる。
だが、どう表現したものか、そのイメージがわかなかった。]
ついにやったぞ!ハッハッハッハァー!
[試しに、諸手をあげて高笑いをしてみる。
しかし、今一つしっくり来ない。]
……いや、違うな。何か違和感がある。
よく考えれば、例え嬉しいとは言え、深夜の学校で騒ぐべきではない。
[少し考え、今度は小さく「よしっ」とつぶやきながら、拳を握ってみる事にした。]
こっちの方が納得できるか……。
[どうやら、しっくり来たらしく、学は何度か同じ動作を繰り返す。
ふと顔を上げると、召喚された女性と目が合った。]
[男の所作は猫のように忙しない。
観察していた女の瞳に、此方を向く男が飛び込んでくる。
数度瞬きしてから、息を漏らした。]
ふむ
[周りを軽く見渡し、足元に散らばる蔵書の一つを手に取る。
女の着物は時代錯誤。色は言うに及ばず学び舎に合わず。
紫黒の髪に、赤い花が咲き、肩には薄い衣が掛かっていた。]
外界は遠く、獣の声はより遠く
さしづめ、書物の蔵といったところか
悪しき想いを抱く方が難しそうじゃの
[拾った蔵書を、細く白い指先で払う。]
して、わらわに何用かな
そこな殿方様よ
[視線は伏せたまま、ぱらぱらと蔵書を捲る。]
淡々としているのだな。
[感情的なサーヴァントも、中にはいると聞いていた。
冷静な方が協力しやすいのだろうが、感情表現を学ぶサンプルとなるパートナーを、心のどこかで望んでいたのは事実だ。]
ま、僕の召喚に答えてくれる者だから、さもありなんと言ったところか。
[どういう表情を作るべき考える。
初対面だし、顔は笑みをたたえている方が良いのだろう。
その方が無難だ。]
僕の名は、御厨学。
君には、聖杯の獲得を手伝って欲しい。
[唇の両端を上げ、学はそう伝えた。]
[蔵書を捲る手を止め、女は顔をあげる。]
はっはっは
淡々と、とは
なるほど、そなたにはそう映るのか
ミクリヤマナブ
[髪と同じ紫黒の瞳に、再び笑みをつくる男が映り込む。
女の表情に目に見える程の変化は無い。
宵闇は微細な変化を隠し、声色をいつもより優しく響かせる。]
聖杯を求めるが故にわらわを望む
相承知した
なればミクリヤマナブよ、仮に神仏閻魔があるとして
それらが聖杯に匹敵する神秘を持つとすれば
そなたは願いを彼らに掲げるか?
[心地よく響く声色に、やや身を正して女性の瞳を見つめる。]
聖杯より信頼に足ると言うならば、掲げても良いよ。
それと代償だな。願いは適ったが舌は抜かれるなんてのは困る。
[閻魔と言う単語に反応したのか、学はそう答えた。]
ふむ
意気や良し……とまでは言えんが
その答もまた良し
[言葉と共に、女が夜の闇に紛れたように見えたのは刹那。]
由ありて名乗りを返すことはできん
そなたがわらわを呼ぶことも、今はまだせん方が良い
しかして、わらわの名はしかと此処に刻まれておる
[女が現れたのは、男の背後。
後ろから差し出されたのは、手にしていた蔵書。]
――そなたが必要だと思う時に、必要な名で
わらわを呼んでおくれ
[女の肩にかかっていた衣が、遅れて大気にふわりと靡いた。]
[手渡された蔵書をめくり、刻まれた名に目を通す。
教えておいて名乗れないと言うのは、何か訳ありなのだろう。]
承知した……が、名前を呼べないと言うのは不便だな。
仮の名でも良いから考えておいてくれ。
僕にネーミングセンスはおそらく、無い。
[そう言うと、手渡された本を閉じ、描かれた魔法陣に触れる。
直後、床に擦り付けられていたチョークの粉は跳ね上がり、埃のように辺りに舞い散った。]
街に叔父の残した書庫がある。
叔父は大変な書物好きでね、そこを私設の図書閲覧室にしていたのだけど、現在は閉鎖中だ。
しばらくは、そこが住まいだな。
君が、本とあの独特な匂いを苦手としないなら良いのだけどね。
[学はそう言って、図書室の外へと歩き始めた。**]
苦手なものなどありはせんよ
何事も、それを良しと笑うが興というもの
それに
銭などという珍妙なものをやりくりせずとも良いならば
そら、損得に意義など無いというもの
[女は、歩き出した男の後をついて歩く。]
九十九も八百万も、名を吹き込んでこそ存在を得る
言うなれば今のわらわは名も無き童と同じ
暫しの時は、暗殺者とでも呼ぶといい
[肩にかかっていた衣は次第に薄れ、形を変えていった。
衣だったものは肩から滑り落ち、女の手へ。
いつの間にか、手に握ったものは、扇となり果てていた。**]
8人目、志久真 圭一郎 がやってきました。
志久真 圭一郎は、村人 を希望しました。
−土曜午後/生徒会室−
んー…っ。
[伸び。こきこきと首を鳴らす。
貴重な、ほんの少しの仕事の隙間に。
この時期の生徒会室は騒がしく、稼動が長い。
この学校は土曜も授業があるが、それも午前中だけ。
であるにもかかわらず、学内は活気に溢れている。]
[まあ、仕方がない。
当然のことなのだ。
この学校にとって…
いや、この学園都市にとっての大イベント。
秋の文化祭を翌週に控えているのだから。]
[結果として、生徒会は稀に見る多忙を極める。
元々大学が併設されていることもあって自主自立の精神が根付くこの学校において、文化祭は戦争だ。
予算の配分、計画の許可、ゲリラ的な催事の取締りなど、その仕事内容は多岐に渡り、各方面との交渉は長期に及ぶ。
そのため、盟譜大学へエスカレーターで進学する者の多い盟譜学園高等部の部活、生徒会は、秋の文化祭が終わるまで3回生が引退しないことが多い。
そして、その高等部3回生。
現在生徒会副会長を務めるのが、志久真圭一郎である。]
[ただでさえ忙しい中、剣道部の主将でもある彼は、剣道部のメンバーから予算、スペースの確保について大きな期待を得ていて、それをなだめるのにもエネルギーを割かなければならなかった。
あっちが落ち着けば、こっちが燃え上がる。
このところ、そんな毎日だ。
思わず、深く息を吐く。]
…おっと、溜息なんて吐いてる場合じゃないな。
どんどんやっていかないと、このままじゃ大学の方の時間の流れに付き合わされて帰れなくなる。
−土曜午後/生徒会室−
[生徒会長の杏里=メイフィールドは、学園創始者のダーナの娘であるという事もあり、高等部のみならず学園全体からの支持を得ている。
彼女が何を成したというわけでもなく、また彼女の人間性に特筆すべきものがあるわけでもない。
ただ、彼女の発言力はこの学園にとって特別なものであり、それに疑問を持つ者は誰一人いない。
こうして彼女が生徒会室のある棟を歩いて何年になるのだろうか。
それすらも疑問に思われない。
昨年も、その前も。
彼女は生徒会長であったにも関わらず。
それを皆知っている筈なのに、誰もそれを異様だと気が付かない。
それが、ダーナが作り上げたこの学園の仕組みである]
[彼女の足音が高等部生徒会室の外まで来、そのままがらりと扉を開く。
部屋の中には、見慣れた顔。
志久真という名の副会長。
いつもせわしなく働いている印象が強い彼は、今日も文化祭の準備に追われている]
御機嫌よう。
[ただ一言挨拶をして、自分はいつもの所定の位置に腰を下ろし、机の上に広げられている書類に目を通す]
ごきげんよう、会長様、っと。
優雅な登場だね。
[遅れて登場した、言わずと知れた生徒会長に笑いかける。
それと同時に書類を半分、しらっと杏里の方へ流す。]
じゃ、きびきびやっていこうか。
[文化祭が終われば3回生は引退となる。
この部屋での杏里とのこうした気軽なやり取りももうすぐ終わるのかと思うと、少し惜しい気がしたが、自分は盟譜大学医学部への進学を決めている。
学内に残る以上、杏里との関係が終わるということはない。]
優雅、ね。
[書類に目を通して、手元にある判を押していく]
確かに、優雅と言われれば優雅かもしれないわね。
貴方みたいに私は時間に追われて生きていないでしょうし。
[ひと通り目を通し終わり、志久真の方に顔を向ける。
表情豊かではない彼女なりに、志久真へ愛想笑いを返す]
僕だって、別にいつも時間に追われているわけじゃないさ。
やりたいことをやりたいだけやろうと思ったら、時間が足らないな、って思ってるだけだよ。
[少し口を尖らせてそう言いながら、書類を処理していく。]
でも、確かに、杏里には少し憧れるかな。君は何より、自分が自分であることを大切にしているように見えるからね。
[自分がそこに在ることの価値を杏里は知っているのかもしれない。自分は少しでも先ヘ進まなければ、生きる価値を見出せない。
その差に僕は憧れを抱いた。]
[…それは、何代もかけて魔術を先鋭化させることを生まれながらに背負う魔術師の家系に生まれたから、かもしれないが。別に嫌だと思いながらやっているわけではない。自分で選んだことだ。]
貴方のほうが、自分を大事にしているわよ、きっと。
何をするにも誰かの為に、なんてのは間違い。
それも自分の為なのよ。
だから、貴方は貴方を大事にしているわ。
[そもそも、大事にすべき自分など何処にいってしまったのか。
微かな記憶もまた、風に溶けていく。
きっと、志久真とこうやって会話している時間も、数年後にはまた擦り切れていく]
志久真は、まだ仕事していくの?
私はそろそろ別のところに行こうかなと思っているんだけれど。
[ちょっと踏み込んだ発言だったのだが、杏里の態度はいつも通りだった。それが嬉しくて、こっそりと笑う。]
いや、今やってる分が終わったら、逃げるよ。
で、一通り回ったら、そのまま帰ろうと思ってる。
どうせ明日も来るし、だらだら残っていたら大学の方の仕事まで押し付けられそうだ。それは勘弁してほしいからね。
[残り少なくなった急ぎの書類に目を通す。
「学園都市」と呼ばれる盟譜学園近隣の住民は、多くが文化祭に対して協力的だ。中流以上の家庭が多く、トラブルも少ない。そういう意味では仕事は楽でもいいはずなのだが、何せ規模が大きい。増やそうと思えば、いくらでも仕事は増えてしまう。]
そう。
じゃ、私も明日顔を出そうかしら。
[どうせこの学校から外には出られない身。
少しでも自分のいる場所があるならば、誰かがいるならばとまた明日もここに少し居座る事にした]
志久真君が帰ろうと思ったら、声かけて。
[そう言うと、机の上に置いてあった小説に手を掛ける。
つまらない恋愛小説だが、図書館の本ももう殆ど読んでしまったし、仕方がない]
お、杏里も明日来れるのか。
じゃあ、どんどん仕事を押し付けていこうかな。
[笑う。少し憂鬱な明日が、楽しみになった。]
これが終わったら帰るよ。
ちょっと待ってね。
[書類をファイリングして、「処理済」の棚に入れる。
データは逐一PCに移しているが、だからと言って書類そのものを紛失するわけにはいかない。]
そう。
[読んでいた小説に栞も挟まず、そっと机の上に置く。
また明日、ここで開く為に。
鞄も持たず、生徒会室の扉へと歩いて行くと、ふと足を止めて]
じゃあ、行きましょう。
私は校舎の中を見て回るつもりだけど、志久真君は?
[そう言いながら、後ろに居るであろう志久真へと顔を傾ける]
そう。
じゃあ、行きましょう。
[読んでいた小説に栞も挟まず、そっと机の上に置く。
また明日、ここで開く為に。
鞄も持たず、生徒会室の扉へと歩いて行くと、ふと足を止めて]
私は校舎の中を見て回るつもりだけど、志久真君は?
[そう言いながら、後ろに居るであろう志久真へと顔を傾ける]
じゃあ僕は、外の方を見回って帰ろうかな。
[そう言いながら、生徒会室を出る。
名残惜しい気もしたが、手分けして見回った方が早い。
特に外は暗くなる前に終えてしまわなければならない。]
バーサーカー は肩書きと名前を バーサーカー アステリオス に変更しました。
ああ、メイフィールド君。
よかった、捜していたんだよ。
[生徒会室前の廊下。
部屋を出てくる杏里を見つけ、声をかける]
あら、来週から勤務される先生ですね。
御機嫌よう。
お名前は・・・・・・何でしたっけ?
[表情を変えず、そう言葉を投げかける]
9人目、クリストファー ラヴロック がやってきました。
クリストファー ラヴロックは、村人 を希望しました。
−西ブロック/体育館裏−
――聖杯の寄る辺に従い来たれ
天秤の守り手よ――
[むき出しの土に描かれた魔方陣を片手で触れ、魔力を流し込む。
令呪が現れたのは金曜日の夜。文化祭で提供する料理を何にしようか、などと考えていると、不意に右肩にちくりとした感覚が走った。
現れた三画の意味と、自らの役割を調べ上げ、満を持して迎える召喚の儀式は、あっけないほど簡単に終わる。]
[人の良さそうな、そして困ったような笑みを浮かべ]
はは……。今度は覚えてくれよ。
石宮牛彦(いしみや うしひこ)だ。
少しいいかな? 文化祭のことで聞きたいことがある。
[部屋を出て鍵をかけるなり、見知らぬ人に声をかけられる。
文化祭の関係かと思ったが、新しく赴任する教師のようだ。
一応、生徒会には既に知らされていた。]
ああ、新しく赴任してきたっていう。
生徒会副会長の志久真圭一郎です、よろしくお願いします。
猫 が見物しにやってきました。
猫は、見物人 を希望しました。
[溢れ、迸る魔力。
それが齎すは眼が眩むほどの、刹那の輝き。
魔力がクラスという名の枠組を得て
一つの個へと存在を変えてゆく―― ]
なんや、俺を呼んだのはキミかいな?
狙ってやったんやないとしても、物好きなやっちゃなぁ。
[そんな声が響いた]
猫 は肩書きと名前を キャスター 猫 に変更しました。
[溢れ、迸る魔力。
それが齎すは眼が眩むほどの、刹那の輝き。
魔力がクラスという名の枠組を得て
一つの個へと存在を変えてゆく―― ]
なんや、俺を呼んだのはキミかいな?
狙ってやったんやないとしても、物好きなやっちゃなぁ。
[そんな声が響いた]
挨拶したところなんですが、ごめんなさい、僕は、暗くなる前に外の方を見て回らなければいけないので、先に失礼します。
じゃあ会長、後は任せます。
では、また来週に。
[一礼して、先に外へ出た。
小走りで、まずは運動場の辺りへ向かう。]
10人目、一由 智 がやってきました。
一由 智は、村人 を希望しました。
[例えば、此処に白紙があるとしよう。
何も書かれていない、
真っ白な、まっさらな白紙だ。
その上に、インクで文字を連ねていく。
図形でもいい。
書かれた、その紙を束ねたものを
仕舞いこむ器こそ人間。
銘記し、
保存し、
再生し、
再認する。
記憶と呼ばれるもの。
人を形成する、人を人たらしめる
存在の証明、その在り様。]
[そ*は。
その“*”“***”が***に
***事で*な ****。
問*か**。
問****。
*か*** *――――
**――と*** ―――*****
忘却の果て。****
**―― に、 ******]
―盟譜学園:東ブロック(大学エリア)図書館―
……ぁ。
[何時を示す鐘か。
橙がかった光が窓から差し込んでいるのに気づき
少年は顔を上げる。
傍らには、山積みの本がある。
そのジャンルは雑多で、
片端から漁るように読んでいるさまが見て取れた。
――本の虫、一由 智(いちよし・とも)
全国模試の優秀な成績も相俟って
少々知られた名ではある。]
志久真君、また明日。
[小走りに去っていく青年を見送り]
どう、学園は見て回ったりしたのかしら。
少しは慣れた?
[地理を理解したか、という意味でアステリオスにそう返した]
[志久真と名乗る少年からの、礼儀正しい挨拶。
それに少しばかり感心し、忙しなく去って行く後ろ姿を見送る]
……ふぅん、なかなか優秀そうな腹心だな。
[他人が居なくなれば、演技も必要なく。
口調を変えて、率直な感想を口にする]
できた、かな……。
……えっ、ね、こ……?
[眩い光の向こうから現れた予想外の存在に、拍子抜けしてしまう。
言葉を喋る以上、ただの猫ではない事は理解できた。が、できたのはそこまで。]
喚んだのは、たぶん、僕だと、思う……。
けど、なんで、猫……?
[杏里の問いには、肩をすくめる]
一日体験して学んだことは、僕の居るべき場所じゃないってことくらいかな。
教師をやれってのは冗談かと思ったが、まさか本気とはね。
この僕のクラスと真名、本当に理解してるんだろうな?
なんで猫て、キミも難しい事聞くなぁ。
生まれた時には猫やったし、原因なんてわからへん。
きっとボクが猫やから、猫なんやろ。
[尻尾でパタと、床を叩く。]
ま、それでも不服なんやったら……――
11人目、キャスター がやってきました。
キャスターは、村人 を希望しました。
―盟譜学園:東ブロック(大学エリア)図書館―
……いけない、もうこんな時間か。
閉め出される。
[3冊ほど本を抱えて立ち上がる。
図書委員の権限を最大限に利用して、
今では手に入れることが難しい本を
気ままに閲覧することが智の日課であった。
勉強熱心で真面目な生徒。
人畜無害そうな、やさしげな風貌と相俟って
そんな評価が彼を形作っていた。]
……ああ、先生に
本を返そうと思ってたんだけどな。
[先生、というのは国語教師・御厨のことである。
呟きつつ、智は左手の甲をそっと撫でる。
影になってよくは見えないが、
其処には歪な3画の痣が浮かび上がっていた。]
まあ 今日は大事な日だし。
[暮れなずむ空を、智はうつろを内包した静かな眸で映す。]
明日でいいか。
忘れないようにしないと。
[本には付箋がびっしりとつけられていた。
手続きを済ますと、鞄を片手に図書館を後にする。]
さて、と。
このあたりでまずはご挨拶しておこうかな。
このたびバサカ役をやらせていただきますKAMEです。
話の中心の相方なのでわりと重要な役っぽいですが、平常運転でゆるっとやっていきます。ヨロシク。
−土曜夕方/帰途−
[外での文化祭の準備の様子を一通り見終えて帰途に就く。
と言っても、そんなに家が遠いわけではない。
20分も歩かぬうちに、古ぼけた自宅は見えてくる。
緑に囲まれた、ほの暗い屋敷。
ごく狭い霊地の上に建つ、志久真の魔術、その根城だ。
もう妹は帰っているだろうか。
部活の関係で学校に残っているかもしれないな。]
[そんなことを考えながら、門をくぐる。
もうそこにいるのは、盟譜学園高等部生徒会副会長にして剣道部主将の3回生、志久真圭一郎ではない。
古き魔術の輩、志久真家の当主がそこにいる。]
えっ、あれ、……猫が人間に……。
不思議な人、いや変身する猫かな?
[目の前の男(元猫)を自分の理解できる範囲の存在に引き戻そうと努力する健気な少年。]
ともかく、君が僕のサーヴァントなんだよね。
僕はクリストファー=ラヴロック。
君は……?
[自室の椅子に、深く体を沈める。
そして、じ、っと左手の甲を見つめる。
微かな疼き。
少し前から感じていたが、いよいよ強くなってきていた。
志久真の魔術を越えて疼きを送る何か。
心当たりの数は少ない。
…本命は、待ち望んでいたものだ。]
くりすとふぁー・らぶろっく、やな。
とりあえず暫くの間よろしゅう頼むわ、少年。
いやー。
お固そうなマスターやったらどないしよ思とったんやけど
気楽にやれそうで良かったわ。
[クリストファーの手を握れば、ぶんぶんと振る]
ボクの名前か?
せやなぁ……それがまぁ、いっぱいあってなぁ。
[わざとらしい、考える素振り]
―――うん、それは秘密……ってことでどないや?
あら、今の貴方を見ていると教師でも差支えなさそうだけど。
[悪態に近い言葉を投げかけつつも]
倒すべき相手も学園内に潜んでいる筈よ。
なら、貴方も教師の身分のほうが何かと便利だと思うけど。
それとも、いつここの生徒に手をつけてしまいそうかと。
そんな心配かしら。
・・・・・・あら。
えっと、一由さん。
[今の話を聞かれていないかと心配にはなるが]
今度赴任された、石宮先生よ。
高等部の先生だし、貴方も習うことになるかもしれないわね。
[ぞくり、と、身体が震える。
当代で触れることは遠くかなわぬはずの根源に、自分が触れられるかもしれない。その可能性が、令呪だった。
ぐ、と己の体を抱き、冷静さを取り戻させる。
自室の机の引き出しを開けると、そこに召喚の儀式を行うための道具が揃えられている。自分ではなく、前当主である父が揃えたものだ。だが、その父はもう自分に当主を譲り、表の立場、学者として、アメリカへと移り住んでいる。
父は悔しがるだろう。
だが、今の当主は自分だ。]
そんな心配はしていないけどな……。
まあいいさ。たしかに便利ではあるのだろうし、どうせ短い間だ。適当にやるよ。
[囮としても、これ以上の立ち位置は無いだろうし]
で、今日のご予定は?
う、うん、こっちこそよろしく……。
[ぶんぶんと振られるままに。]
名前を秘密にするサーヴァントって、過去の記録とか日誌によると、マスターが未熟な場合によくいるみたいだけど。
僕ってそんなに頼りないかな……やっぱり子供だから?
[感情の起伏を隠せない様子は見た目や年齢の通り。
不満も露に食って掛かる。]
一応これでも正式に魔術刻印を受け継いだ魔術師だからね。
見くびられるのは心外だよ。
それ以外に理由があるのなら、ちゃんと説明してくれないと。
信頼関係構築のための、最低限の条件だと思わない?
ふう。だめだだめだ、落ち着かなきゃ。
[…召喚の儀式は、聖杯の力が強い盟譜学園内で行わなければならない。時期はよくない。学園祭の直前は、禁止されていても遅くまで人がいる。だが、それは大したことではない。少なくとも、他の魔術師にさえ出会わなければ。]
夜を待とう。
始まるんだ。
…聖杯戦争が。
あー、ちゃうねんちゃうねん。
誤解させたみたいでゴメンなぁ。
[細い目をさらに細めて、からと笑う]
まずな、ボクはキャスターの英霊やねんけど……
所謂、魔術師のクラスのサーヴァントやないねん。
この意味、わかるか?
そんな心配はしていないけどな。
まあいいさ。たしかに便利ではあるのだろうし、どうせ短い間だ。囮としても、これ以上の立ち位置は……。
[近寄ってくる気配を察知し、言葉を止める。
現れたのは一人の男子生徒で、杏里の知り合いのようだった。
杏里に紹介され、彼に一礼する]
こんにちは。
来週からこちらでお世話になる石宮牛彦です。どうかよろしく。
ところで明らかに日本人の顔してないよねアステリオス。
なんで日本人の偽名付けたかな。まあいいやハーフって設定にしておこう。
―盟譜学園:中央ブロック生徒会室前廊下―
石宮 、先生。
[確かめるように名前を繰り返し、
石宮のほうを見た。]
はじめまして。高等部2年、一由 智です。
よろしくお願いします。
[丁寧に頭を下げる。ごく普通の対応であった。]
えっと、教科は何を?歴史とかだったら嬉し……あ、
そうだ。これ、図書館の利用記録です。
[忘れないうちにと生徒会会長に紙の束を差し出した。]
−土曜夜/生徒会室−
[持っていた鍵を使い、生徒会室の扉を開ける。
入って、中から鍵をかける。
ここなら、誰も入ってくることはない。
スーツケースに入れた召喚の儀式を行うための道具をひとつずつ丁寧に取り出し、床に順番通りに並べていく。
父の用意した古びた小物を配置。
召喚の力を安定させる魔法陣を描く。
召喚のための韻を紡ぐ。
全ては来ると知れぬ聖杯戦争のために準備されたものだ。]
ふぅ、ん。
[一見すると軽薄そうに見える態度は鼻についたが、相手の言い分を聞く程度の分別は持っている。]
キャスターなのに、魔術師のクラスじゃない……?
よくわからないけど、キャスターという言葉の意味が違うってこと?
ごめん、僕にはわからないみたいだから、説明してもらえるかな。
あら、ご苦労様。
[一由から図書の利用記録を受け取り]
一由君も、今日は文化祭の準備かしら。
あまり遅くまで学校に残らずに、用事が終わったら早く帰るのよ。
[別の意味での忠告でもあったが]
僕の担当科目は哲学です。
聖書の時間の後にある、選択制特別授業の一つになりますね。高等部なら誰でも受けられますので、興味があれば受けに来てください。
[記憶している自分の役割をそらんじる。
哲学にした理由は、これが一番適当にやれると杏里に言われたからだ]
その通りや、少年。
ボクはキャスターはキャスターでも
[勿体つけるように、一呼吸]
―――……演者《CAST》の英霊、キャスターや。
そして、演者には演者のルールがある。
それは幕が下りるまで自分の本当の名前や存在を観客に見せへん事や。
そんな事したら、お客さんも白けてしまうやろ?
……そしてそれは、もちろんボクにも当てはまる。
この聖杯戦争って演劇の終幕まで、
ボクの真名はお客さんにばれる事はない、ばらす事もできへん。
スタッフロールは終幕に……ってな。
12人目、風来坊 アーチャー がやってきました。
風来坊 アーチャーは、村人 を希望しました。
―生徒会室―
[描かれる魔法陣に、召喚の韻律に鳴動して魔力が送り込まれる。
魔力が形作るのは召喚者の従者たるサーヴァント。
単なる使い間を凌駕した、仮初の肉体を得て具現した英霊の魂―――
それが像を結んだ時、光の奔流が弾け―――
そこには、男が一人じっと立ち、目の前の年若い術士を見下ろしていた。
身長は2メートルを少し越えたほど、この国でかつて着られていた、古風な衣装を身に纏い、小さな黒い帽子を頭に乗せている]
……俺を喚んだのは、お前か?
[短く一声、目の前の男は問うた]
哲学……
[ぱちぱちと智は2度ほど瞬く。]
そうなんだ、
暗記科目じゃないのって、どうも苦手なんですけど。
興味はあります。
授業を受けに行ったときは、よろしくお願いします。
[小脇の本を抱えなおし、一歩下がる。]
それじゃあ、ぼくはこれで失礼します。
先生、会長、さようなら。
[頭を下げ、帰路に着く様子である。]
ふむ……。
[細い顎をつまんで、しばし男の発した言葉の意味を考える。]
……残念ながら仕組みは理解できないけど、僕との繋がりじゃなくて、世界、もしくは聖杯との繋がりによって君のルールは縛られているってこと?
一応確認しておくけど、君の言う観客には僕も含まれているんだよね。
せめて共演者くらいにはなっておきたいと思うんだけど。
仮に、舞台が白けることを覚悟で、僕が令呪の力を借りて君の真名を知ろうとした場合、ルール違反の罰則は何かあるの?
難しいテストがある授業ではありませんので、気楽に受けてくれればいいですよ。
[人畜無害。そんな言葉が似合う少年に、優しげな笑顔で手を振る]
さようなら、一由君。
車に気をつけて帰りなさい。
13人目、菊見 桂 がやってきました。
菊見 桂は、村人 を希望しました。
−土曜/夕方:北・高等部体育館−
ねーねー。
[たん、たん、たん、たんたん]
居残りしてでもパーペキにしたいっちゅう気持ちは
菊見ちゃんも良うわかるんやけどー
[たん、たん、たん、たんたん
たん、たん、たん、たんたん]
流石に下校時間ブッチはさー
俺も帰られへんちゅーかー
[首に引っ掛けた紺色のヘッドホンが揺れるのは
集まって文化祭のステージを前に放課後特訓を繰り返す
クラス一群──まさに一個小隊とも呼ぶべき人数に混じって
とてもそうは見えない風貌の風紀委員長が
彼らに帰宅帰寮を促しているからに他ならない]
[たん、たん、たん、たんたん
たん、たん、たん、たんたん。
ラジカセから景気の良い音楽は響いている。
なかなかのアップテンポにも拘らず、
息の上がる気配のないまま尚も続く振りの中]
なーなー。
まだ本チャンまであるんやしー…
君らそろそろ帰んなさいってー。
ねー?
[それも、まるで毎日彼らと特訓を続けていたかのような
キレのある動きで、その統率を乱さないまま促すから
性質が悪いというか区切りが悪いというか
高等部の体育館は運動部が休部中にも拘らず未だ灯りが消える気配がなかった]
[からかうような杏里の言葉には、面倒そうに息を吐く]
残念ながら、期待に応える気はないよ。適当にやらせてもらうさ。
そもそも哲学なんて、それくらいがちょうどいいだろ?
そんな無茶苦茶なルールって……まぁ、イレギュラーなクラスだから、なのかな……。
……うーん、正直言って全然納得いかないんだけど、現実なんだから仕方がないよね。
[ふぅ、とため息。]
わかったよキャスター。
名前の件は、ルールに従うしかないみたいだね。
でも、君が僕のサーヴァントであることは事実で、君の能力について僕が知るのは問題ないんでしょ?
さすがにそれも秘密じゃあ、力を合わせることもできないし……。
そろそろ暗くなってきたし、続きは僕の工房で聞かせてもらえるかな?
[今更ながら、いつ誰に見られるかわからない場所であることを思い出して、そう提案した。]
ずいぶんと簡潔だな。
だが構わん。その方が話が早くていい。
[左手に隠された令呪。その中に三画からなる、主の証――令呪が備わっている事も、男は知っている]
確かに俺には、求めてここに喚び出される理由がある。
……狙って呼んだのかは知らんが、悪くない。
お前と戦う事に文句はない。ただ、一つ先に言っておく。
[そう言って、その巨体の男は、魔法陣の中でいささかかがみこみ、魔術師を見つめた]
俺の仕えるべき主君は別にいる。
俺はお前と共に戦う事に異存はないが、お前を主と呼ぶ気はない。厭なら令呪とかいう奴を使っても構わんが……
まあ、そういう事だ。
−北:高等部体育館→高等部教室棟−
[振りが続き、音楽が続く中
幾度か責任者に帰宅を促しても動く気配がない]
しゃーないなー…。
ほな菊見ちゃんもっかい一回りしてくるさかい
そんときには鍵返してやー?
ほんま頼むで自分らー
[曲の切れ目で踊りの一群から外れ
声をかけると威勢のいい返事が返ってきた。
呆れ半分、笑い半分で面子にゆるりと手を振ると
その足は校舎のほうへと向かう。
先ほどの名残か、足は軽快なリズムを踏んで
紺色のヘッドホンとともに長い髪がぽんぽん撥ねた]
もちろん、ボクの演じる演劇を喋る事は問題あらへんよ。
ま、これも縁やと思ってあきらめてぇな。
[ぽんぽん、と肩を叩く]
ってわけで、ボクは猫で名前はまだ無いって事で頼むわ。
そんじゃま少年の言うとおり移動しよか?
ところで、地理の把握は出来ているかしら。
もしまだなら、少し散歩でもする?
そうね、とりあえず高等部の敷地とか。
[バーサーカーの方に顔を向ける]
―土曜:学園都市西/盟譜学園前一般住宅エリア―
[通いなれた道を歩く。
秋に花開く金木犀の香りが風にのって届く。
一由智は一人暮らしだ。
学園の生徒が多くすむ学園寮――ではなく、
一般住宅エリアの一角、部屋を借りて住んでいる。
借りている、というには
少々勝手が過ぎる改造が施されてはいる。
現代を生きる魔術師。
その工房であるが故に。]
お互い様だと思うけど。
[苦笑する。
そして、自分を覗き込む目から目を逸らさず、応える。]
僕が欲しいのは忠誠じゃない。
一緒に戦ってくれる仲間と、勝利だ。
それに君が足るなら、極論、僕を嫌っていても構わない。
僕は魔術師だ。
君と一緒に聖杯を勝ち取りたい。
それより大きなものは、何もない。
[難儀なことになったと思っているところ、気楽そうに肩を叩かれ、がっくりと項垂れる。]
……諦めるというか、認めるしかない、よね。
じゃあ、移動しようか。
僕の工房は、東区の住宅街だよ。
父が用意してくれた屋敷だから、僕の力ではないけど。
ご近所で目立つのも困るし、さっきの猫になるか、霊体でついてきてね。
ああ、それと、少年って呼び方はやめてくれる?
僕はきちんと名乗ったはずだし。
呼び難ければ「クリス」でいいよ。
[一通りの要望を伝えて、東区へ*向かった*]
―土曜:学園都市西/盟譜学園前一般住宅エリア 一由の家―
さて、と。
[鞄を置く。
どさりと大きな音がした。
殆ど暮れた西日だけがほの赤く差し込む部屋の壁には、
付箋、付箋、付箋、付箋。
突き刺されたメモ、ピンで重ねられたメモ。
付箋、付箋、付箋、所狭しと付箋。
病的なまでに貼り付けられたそれらは
彼の織り成す結界の構成要素であった。]
はじめようか。
[ちゃきり、と古めかしい小刀を鞘から引き抜いた。]
[杏里の提案には、少し考えてから頷く]
地理の把握か。
聖杯のおかげで頭には入っているが……まあ、自分の目で確かめておくにこしたことはないな。
よし、行くか。案内を頼むよ。
−土曜夕方:北/高等部教室棟1F廊下−
[学内はどうしても慌しかった。
それは学生たちの若さもあるのだろうけれど、
年に一度の学園祭に対する熱気に他ならない。
放課になっているはずなのに教室を巡れば生徒がいるし
早く帰るように促せば飾りつけの花が足りないだの
揃いで着る予定のTシャツのプリントが間に合わないだの
実に心地好い騒がしさだ。
菊見が帰宅を強制するような行動をとらないのも
その心地好さを楽しんでいるからであり
生徒達もまたその自主性から翌日に負担が出ない程度に
無理を通そうとしている──と、彼自身は思っていた]
−土曜夕方/高等部教室棟−
[少し面食らった。
いつもの彼の素行ではあるが、この学園において浮きに浮きまくっている。
これで彼が風紀委員というのは奇跡としか言いようがない。
教室棟の入り口にアステリオスと共に足を踏み入れたまま、不思議な踊りを踊り続ける風紀委員に見入っていた]
[階段から降りてくる足音に気付いて見上げると
女子生徒の一群が賑々しく。
スカートの中を見るつもりはないわけだが
ひらりと手を振って彼女等と挨拶を交わすことも忘れない]
お疲れさん、気ィつけて帰るんやでー。
[勿論、ただのんべんだらりと校内にいるようなら
尻を蹴飛ばしてでも容赦なく帰宅帰寮を促すが
それとこれとは風紀委員長の中では別らしい]
もー、いーくつ寝ーるとー、ってな。
[はあ。
髪の先を指に絡めながらつく溜息は
実に楽しげで、まるで遠足前の小学生のようでもある]
ところで杏里、数学の屋久杉先生と美術の秋山先生に告白したのだが、あっさり断られてしまった。
彼女たちを口説くいい方法は何かないだろうか……ん?
[杏里の様子に気づき、その視線を追う。
そこに、この学園の違和感のような何かが居た]
これはまた、珍妙な。
ふ。はははは……
なるほど、大いに結構!
[答えを聞いてしばし。愉快そうに大声を上げ、ばしっと目の前の年若い魔術師の肩を叩いた]
お前の魔術師としての腕は知らんが、その意気や、まあ好し。
しばし同じ夢を見るには十分だろう。
では、今後ともよろしく頼もうぞ……
…………ところでお前、そう言えば名は何と言う?
[威勢よく言ったはいいが、名前を聞いていなかった事にはたと気づき、真顔に戻って問うた]
ところで杏里、今日は数学の屋久杉先生と美術の秋山先生に告白したのだが、あっさり断られてしまったんだ。
しかし聞けば秋山先生はまだ未婚と言うし、結婚も予定していないという。
まだチャンスはあると思うのだが、彼女を口説くいい方法は何かないだろうか……ん?
[杏里の様子に気づき、その視線を追う。
そこに、この学園の違和感のような何かが居た]
これはまた、珍妙な。
・・・・・・
菊見君、もう少し静かに指導出来ないものかしら。
あと石宮先生、職場恋愛は結構ですけど、もう少し侘び寂びというものを弁えられてはどうかしら。
[季節の節目からだろうか、少し頭痛が]
―土曜:学園都市西/盟譜学園前一般住宅エリア 一由の家―
[小刀は業物であるらしい。
部屋の中心に立ち、躊躇いなく左手首に刃を滑らせた。]
――とじよ<みたせ>
[ぽたり、と 古びた紙の上に赤が落ちる。]
とじよ<みたせ>
とじよ<みたせ> とじよ<みたせ>
とじよ<みたせ>
繰り返す都度に五度……ただ満たされるときを破却する。
[静かな声が響き、円を描いて光が湧き上がる。]
白より黒の全へ到る
我ら、やごころの智を喰らう獣なり。
[――魔力の奔流が風を巻き起こす。
結界を構成する付箋と、中心に在る“本”が
ばらばらと捲れはじめた。]
――つげる<しるす>。
汝の身はわがもとに。
我が命運は汝の剣に。
聖杯のよるべに従い、
この意――この理に従うならば、こたえよ。
[するどい痛みが左手の甲に走る。
目を眇めながら、続けた。
彼の詠唱は独特なものが混ざっていた。一由の一由たる所以を織り込んだ契約の言葉だ。]
志久真。
志久真圭一郎。
志久真という魔術師の家系の今の長。
それなりの力があると思うよ。
もちろん、君たちと…
サーヴァントたちと比べれば、足元にも及ばない程度だけどね。
…さて。人に名乗りを求める時は、自分も名乗る方がいいのではないかと僕は思うのだけど、どうだろうか。
[誓いの言葉を続ければ
眸が淡く、青緑色に色を変える。
魔力が体の中で暴れている――――]
汝三大の言霊をまとう七天。
抑止の輪より来たれ――天秤の守り手よ。
[刹那、――弾けた。]
馬鹿なことを。
与えられた時間は少なく、そして僕は常に本気だというのに。
[杏里の冷ややかな指摘には、悲哀に満ちた表情で首を横に振る]
で、メイフィールド君。そこの彼は何者だい?
志久真、圭一郎。
[反芻するように、噛み砕いてその名を呼んだ。]
聞き慣れん名だがなるほど、姓があるなら由緒正しき家の出であろうな。さしずめ御曹司とでも言ったところか。
いや、気にする事はないぞ。俺も昔はよくそう呼ばれたものだ。
で、だ。俺の名……つまり真名を知りたいという事だな。
[浅葱色の束帯を身に纏ったまま、男は足音を立てて一歩、魔法陣から踏み出した]
俺は『――――』。あるいは『――――』と自称する者だ。
だがこの度の戦では、敵方にそうそう名を知られてはならんのだろう?
お前の好きな名で呼ぶがいい。
−土曜夕方:北/高等部教室棟1F廊下−
[たん、たん、たん、たんたん。
先ほどの振りが、ヘッドホンから流れてくる音楽のせいで
足元で自然にリズムが刻まれる。
危く手まで動き出しそうになったところで]
おや。
[聞こえた声に動きが止まった。
聊か阿波踊りっぽい見た目だ]
静かに指導したら必ず帰るもんかね、生徒会長殿。
どうせならやる気を削がずに上手く唆すんが
腕の見せ所とちゃいますのん。
[間抜けっぽい動作を元に戻しながら
首を傾げて見下ろした。
髪とヘッドホンが幾等か撥ねる]
確かに貴方の言うとおりかもしれません。
しかし、貴方がお祭りのように騒ぎながら注意しても説得力が無いのも事実ではありませんか。
[はあ、と軽くため息をつきながら]
風紀委員長の菊見さんよ。
あ、こちらは来週から赴任される石宮先生。
よろしくね。
14人目、アヴェンジャー がやってきました。
アヴェンジャーは、人狼 を希望しました。
―???―
[上も下も判らぬ、何処か水中の様な場所に 少女は揺蕩っていた。
ぴくりと、指先が動く。薄らと開いた視界に、色は見えない。
真っ暗な――空間で、一度、にど。
その あおい瞳を 緩やかに瞬いた。
喚ばれた ような気が する。]
[ ――だれの、 声。 だろう。
その声を手繰る様に、耳に意識を集中し――
じわりと、
指の先から、己を飲み込む黒に気付く。
音も無く、浸食するそれは]
――― !
[声は、でない。
その代わり、 再び
こぽりと小さな泡が漏れて、再び消える。]
風紀委員長、ね。
なるほど。やる気を削がずにという方向性は素晴らしい。圧力をかけ続ければいずれ、堰も決壊してしまうだろうしな。
[興味深そうにその姿を見、そしてそれをたしなめる杏里を見る。
生徒の自主性とか、校風の自由とか、まあ別にいいかとか、そんな言葉が頭をよぎり……]
来週からここでお世話になる石宮です。よろしく。
[いろいろスルーすることにして、にこやかに挨拶した]
ん、なるほど。
…この時代では、姓があるのは当たり前のことなんだ。
例えばここ、盟譜学園には数多くの学生がいるけど、姓がない生徒はいない。少なくとも僕が知る範囲では、だけどね。
望めば聖杯からこの時代の一般常識くらいは得られるんじゃないかな。それがどのくらい戦いの役に立つかは分からないけど、さしあたり君はこの時代に生きる者に偽装しなくちゃならない。
―盟譜学園前一般住宅エリア 一由家―
[弾ける魔力の渦。
その光が消えた頃、その広げられた陣の
真ん中に増えた一つの影。]
――…、…。
[見る限り――齢十二、三程だろう、
ただの少女の姿をするそれは、
ぱちりと、 不思議そうにあおの眼を瞬いた。]
さて、さっき言った通り、ここは、盟譜学園という。
巨大なる学園都市、その中心だ。
と言っても、ピンと来ないのかもしれないけど。
盟譜学園は聖杯の力がとりわけ強い場所だ。
ここが戦場になることは多いだろう。
君が望むなら、案内しよう。僕はこの場所について詳しい。
必要ないなら、僕の家へ案内する。
僕の家は学園の外だけど、強い結界が張られている。
ここにいるよりは安全だと思うよ。
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 エピローグ 終了 / 最新