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/*
それは困る、と言うと思っていました。
やっと自由を得たのに、明らかに実子でない年齢の、薹のたったゆがんだ子供という枷など、と。それなのに。
腕を組んで考え込むサテンにまた縋り付いてしまいそうで、けれどもそんなことはしたくなくて、少女は泣きたい気持ちでした。
*/
>>244 サテン
……そうだよ。私たちはお友だちでしょう。
サテンさまは、教会で監視がついたまま暮らしていたのよね。
だったら、なおさら。
孤児院に遊びに来なくたって、楽しいことはいっぱいあるわ。
/*
と、サテンはじっと少女を見つめて言葉を続けました。
*/
>>252 サテン
……うん。お手紙なら、だいじょうぶ。
12歳のつもりでっていうのはちょっとよくわからないけど……ふふ。
フリージアもお返事書くね。
院から出されるお手紙だから、パンフレットとか、里親の案内の紙とか、一緒に送られてくるかもしれないけど。
真に受けちゃだめよ。
あ、それか……
サテンさまが今すぐ、フリージアのこと成長させてくれてもいいのよ!
子供に戻すのができるんならきっとできるんでしょう。
/*
最後の台詞は、おどけた口調で付け加えました。少女のめいっぱいの強がりでした。
*/
*膝を立て、彼の話を項垂れながら聞く
彼の決心はどうやら固いらしい
彼に、ここまで言わせたのに、自分は彼から逃げていいのか?
本当は彼と向き合うのが怖いだけでは?
そのような思いが胸を過ぎる
自分は、復讐を果たせず、敵にも情けをかけられ、無様にもまだ生きている
その上、自害も許されない
せめて、最後に残った彼だけは、彼の願いは叶えるべきでは───
ゆっくりと顔を上げ、エドワードと向き合う*
>>253 エドワード
…………貴方は、本当に馬鹿です
こんなの、茨の道だって、誰にだってわかる事じゃない……貴方が、セルナリアへの忠誠を胸に、わたくしを見捨てても、誰も責めないのに……本当に、愚かなのだわ
でも……そんな貴方を愛してしまった、わたくしも愚かなのでしょうね
仕方ないから……似た者同士、側にいて差し上げます
わたくしは……【この条件を受け入れます】
*困ったように微笑み、初めて会った時のように、そして、な何かに誓うように、エドワードの手をそっと取る*
>>257 ローランさん
[6年ぶりに再会したソフィー姫とローランさんは、きっと誰が見ても愛してあっている恋人同士そのもので……なんて、思っていたら心の奥が、なんだか変な風にチクチクしました。なんか、こう、変な違和感]
[初めての感覚に首を傾げると、ローランさんが、姫に話があることを告げ、いったん彼女から離れました]
ロート「あ……はい。ソフィー姫、ボクとの、結婚のことなんですけれど……」
ロート「ボク、6年前のことも、今まで、本当に何も知らなくて。いつも守って貰ってばかりで、成人しても、まだまだなんです。だから、あなたと結婚する資格はありません。それに……あなたの望まない結婚をすることは、ボクも嫌です」
ロート「だから――あなたとの結婚は、一度白紙にしたいんです」
[思い切って告げると、彼女は目を丸くして、ボクとローランさんを交互にきょろきょろと見ます。小柄な彼女の頭が動く様子は、なんだか小動物のようで、可愛らしいなと感じました]
ロート「でも、諦めるわけじゃないですよ。ボクに……2年ほど、時間をください。その間にきっと成長して、あなたに選んでもらえるよう、努力しますから」
/*……どういうこと、なのでしょう?ローレンスをロートさまが連れてきたと思ったら、婚約を白紙だなんて*/
ソフィー「……あの。そんなこと……カーマインさまがお許しになるのでしょうか。あんなに……あんなふう、なのに」
/*あの日の血塗れのカーマインさまの顔が思い出され、思わず両手で自分を抱き締めました。カーマインさまは、怖い。ロートさまは優しいけれど、どうしても、カーマインさまの、何を考えているのかわからない瞳で見つめられると、怖くて仕方なかった*/
>>221 アルフレド
…声が高い。不用意なことは口にしない方がいい。
《術が禁呪にならないことを確認して》
そうか、ならば…
まず、アニマは万物にあるものだ。我々人にも、ある。核だと思えばいい。自分の魔力がどこから来るのか、集中して探れ。術を練る時に知らず触れているはずだ。
意思を持たぬもののアニマであれば、魔力を注げばその力を引き出し、コントロールできる。
最初は大樹や岩石から始めるといい。
強いアニマを持つものは探りやすいからな。
手を触れて自分のアニマに呼応する場所を、探す。
次に対象の自然物がどのようにして今の形になったのか出来る限り知ることだ。何かが集まっているのか、硬くなるのか、形を変えしなやかになるのか…それが、引き出せる力だ。
魔力に「どう動かしたいか」イメージを乗せ、アニマに注ぎ込む。そうすれば、応えてくれるはずだ。
考えるよりやってみる方が簡単だろうな。
慣れれば、複数のアニマを組み合わせられる。岩の上に泥の沼を作り出したり、風に音を乗せて遠くに声を届けることもできるだろう。
肝心なのは、万物を知ること。そして想像力だな。
アルフレドなら…間違いなくできるだろう。
…せっかく発見した術だ。
継ぎたいと言ってくれたこと、感謝する。
ロート「……兄上は、もう、いません。賊に殺されてしまいました」
[短く告げると、姫はハッとした顔で口元を覆いました。詳細は、ゆっくり話そう。今は、不安を煽っても仕方が無い]
ロート「また、ゆっくり説明します。つまり――ボクが、この国の王になるんです。だから、ごめんなさい、ボクのわがままなんですけど……姫には、ボクがちゃんと、国を治められるかも見守っていただいて……それから、」
ロート「それから、ボクと、ローランさん、どちらを選ぶか決めていただきたいんです。2年も時間を貰えるなら、ボクは、そのとき、あなたがローランさんを選ぶならちゃんと諦めますから」
[隣に立つローランさんをチラリと見ます]
ロート「ローランさん、兄上のことがあるので……ボクは先に戻ります、ね」
[ボクが出ていく前、ソフィー姫は、「待って」と言い、慌てて魔法大会の参加者リストを机から取り出しました]
ソフィー「あの、ロートさま……ひとつ、おねがいがあるのです。もし、もし、まだ【カエデ】という方がいらっしゃったら……わたくしの、親友なんです。あとで、連れてきてくださいませんか?次にいつ会えるか……わかりませんから」
[カエデさん。最後の日に色々手伝ってくれた人。ボクは「もちろん」と言って、姫の部屋をあとにしました]
>>262 グスタフ
核…。
[アルフレドは、グスタフの説明に耳を傾ける。]
分かった、大樹や岩石から始めてみよう。ふふ、いままでのわたしとは縁のないものだな。
[アルフレドは、笑った。自分の魔力に幅が出ること、そしてグスタフのアニマを残せることを、嬉しく思っていた。]
どのようにして、今の形になったのか…。か。
[顎に手を当てながら、続く説明を聞く。]
花ならば、「日光を浴びる」「水を吸い取る」
というところだな。
グスタフ、ありがとう。グスタフのことは決して忘れない。
[アルフレドは、グスタフの手を握り握手をする。]
それでは、達者でな…。
>>255ネーロ
*どれほど心苦しかっただろう。どれほど心細かっただろう。カッツェはネーロを優しく引き寄せ抱きしめる。右手で背中をさすりながら、頑張ったね、お疲れ様と繰り返した*
大丈夫、ネーロの気持ちは間違ってない。大丈夫、私がわかってる。
*あの時大きく見えた背中は無理をしていた。みんなを引っ張った彼を、今度は私が、とカッツェは心に思った*
そして、誰も居ない廊下の薄暗がりで、静かに自身の気を調べる。
大丈夫だったろうか。上手く笑えていたろうか。
患者に要らぬ心配はかけずにすんだろうか。
恐怖も、恨みも、悲しみも、全て心身のうちに封ずることができたろうか。
「ふーー……」
おそらく大丈夫だろう。明日死ぬ身が明日生きる者の気を引いてはいかんのだ。
>>#40 ロート
「ええ……ありがとうございます、ロート王子。」
彼に一度振り返ると、深々と一礼をする。
これからこのセルナリアの王となる彼に敬意を払って。
>>ソフィー
ロート王子の去り際、ソフィー姫は彼に一つ頼み事をしていた。
「親友……オーディションの参加者に、姫のご友人が?」
改めてソフィー姫に向き直ると、俺は控えめに問いかける。
>>259 フリージア
(フリージア、今なんて?)
フリージア、今なんて?
せ、成長?ダメダメダメ、ダメですよ〜
フリージアで人体実験なんか、出来るわけないじゃないですか……
まったく、本当にあなたは怖いもの知らずなんだから……
あはは、随分売り込みが激しい孤児院なんですね。
でも、子供たちのためには、それくらいの方がいいのかな
……孤児院って、いつからお外に出られるんですかねえ
おつとめが大丈夫になったら、教会に神官修行に来てくれてもいいんですよ。
むしろ、わたしがフリージアの孤児院に、セールスに行っちゃおうかな〜
大丈夫になったら、お手紙ですぐ連絡ですよ、約束
>>265 ケラ
ソフィー姫の部屋へ赴く前。
「アンタこそ、セルナリアの為に良い働きをしたな。」
駆け寄ってきた相手に相変わらずそっけない返事をしてしまったが、この国に平穏が訪れたのはこいつの働きが大きいだろう。
因縁の魔法によってすぐに無力になってしまっただけに、その事実に少し自尊心が傷付くものの、俺なりに素直な気持ちを評してやった。
墓下でパトリシアの舞を見て過去を知る不憫な子( ˘ω˘ )
・エルフと人間のハーフ。父は王様、母はエルフ。(カーマイン王とロートとは腹違いの兄弟になるね!)
・夢使いなのは王族の血筋かも知れない
・王に殺せと言われたが森に捨てることで命を免れた
・双眼の呪いは、実は「祝福」だった。生きていけるように、母親からもらったギフト
・産まれたての赤ん坊のまま捨てられたが、運良く木こりに見つかり、“生きたい”と願うカッツェを家に連れて帰った
・物心着くまで木こりに育てられたが、木こりは老死した
ここからはカッツェの古い記憶( ˘ω˘ )
・そのあとは目の力を使って生活していたが「世の中には優しい人がたくさんいる」くらいで自分の目については気付かず生活していた
・ソロンディールと出会い、この目のことを聞かされ、今まで自分が過ごしてきたことは相手を操っていた自分だ、悪いことをしたと思い「呪い」と呼ぶようになった
・カッツェの名付け親はソロンディール。捨て猫を拾った、くらいの感覚でカッツェを弟子にした(カッツェ=ドイツ語で猫を意味する)
・ソロンディールもこの呪いについてわからなかった(祝福だと知れば気づけた
>>266 コータロー
「ふ、君らしいな」
彼は階下へ消えていく。これから待ち受ける彼の生が、幸せであるように、祈りそれを見送った。
「さようなら、コータロー」
>>269 ローレンス
/*ロートさまに、カエデのことを頼んだ後、どきどきしながら、ローレンスに向き合います。彼は、わたくしに、カエデについて尋ねました*/
ソフィー「ええ!カエデという子で……本が大好きな、物知りな子でした。サリーナにいた頃に、図書館で会って、仲良くなって……『ずっと一緒だよ』って、約束したくらいに。でも、戦争のとき、お別れを言う間もないままになってしまったから、気になっていたの。本を使う魔法……きっと、あの子だわ」
/*懐かしい思い出話をして顔をほころばせましたが、ハッとします。ローレンスも、行ってしまうのかしら*/
ソフィー「ねえ、ローレンス……ロートさまが、あなたを選んでもいいと、おっしゃっていたけれど……あの……」
ソフィー「あなたは……2年も、わたくしを待っていてくださるの?わたくしは……あなたを選ぶこともできると……そう思っていて、いいの?」
[弟君は仰られた。
""子供に戻ったグスタフさんを、アルフィリオンさんに育てていただきます。どのように育てるかは、お任せします。""
そう、彼の生活は僕に懸かっている。彼の処分は僕に任される。
身体に依って子どもとして扱うか。
精神に依って大人として扱うか。
彼はどちらを厭う?
奴にはどちらが相応しい?
僕らが奴らに強いられたのは?
–––––そう、魔法の禁止だ。
僕らが奴らに背負わされたのは?
–––––そう、能力に合わぬ酷使だ。
そして、奴らに奪われたのは?
–––––そう、自由。僕らに自由はなかった。]
>>274ネーロ
ふふ、落ち着いた?
*その顔を持っていたハンカチで拭う。鼻が赤くなるほどに、綺麗な碧眼が赤くなるほどに感情を流する彼の顔は、歳上と言うには幼く見えた*
……ええ、傷はざっくりとついていたけれど、痛くはないの。もう塞がってるみたいで。シャワーを浴びた時なんともなかったの。
*ネーロを安心させるため、ニッコリと笑った*
[そうだ、奴らに奪われたのは自由だ。
それならば、彼から奪うのも自由であるべきだろう。
彼の信ずる黒狼の名を負って、無為な時間を過ごして頂こう。
チカラを蓄えることも、知識を使うこともできぬ無為の時間をな。]
それでは、然りと頼まなくてはな。
彼を子どもとする準備を。
[広間で繰り広げられる色とりどりの邂逅。
それを眺めながら、独り言ちる。]
さて、話すべき人はまだいる。呪いが発動する前に、彼女と話さなければ。
コータローと別れて目的の人物を探す。
>>レリー
「見つけた」
よく目立つ赤い髪。古い記憶の箱の住人。
「……やあ、ミス・エリュテイア。ご機嫌は如何かな」
>>カエデさん
[姫たっての希望です。ボクはできるだけ急いで広間に戻りました]
ロート「カエデさん!いらっしゃいますか?あの、ソフィー姫が、目を覚まされまして……ぜひ、カエデさんに会いたいとのことです」
ロート「ボクと一緒に、姫の部屋に来てくれませんか?」
*処罰が発表され、ヘズを離し、呆然としていると、聞き覚えのある声……ジルベールに話しかけられ、まだ考えがまとまらぬ頭でぼんやりとそちらを向く*
>>278 ジルベール
……ジルベール、さま
……いい、とは言えませんが……これも罰、ですものね
……その、わたくしに何か御用かしら?
わたくしと貴方様は……何の接点もありませんわよね?
>>#42 ソフィー
「へぇ、本を。」
サリーナの図書館は俺も時々使っていた。
もしかしたら、彼女の親友とやらにも顔を合わせているのかもしれない、と密かに考えた。
「いずれにせよ、貴女がずっと側にいたいと思えるような素敵なご友人だったのですね。私もそのご友人に、一緒にご挨拶をさせていただいてもよろしいでしょうか。」
と、問いかける。
彼女の好きなものは俺の好きなものだ。
だから、そのカエデという友人にも興味があったし、何より今は彼女から離れるなんて考えられなかった。
つい、そんな我儘を言ってしまう。
>>282 レリー
虚ろな目をした彼女は、見るからに痛ましい。僕のことなどまるで眼中になく、まるで初日と立場が逆転したようだと、密かに笑った。
「……ああ、貴女に用があって来た。僕が君の記憶を失うその前に、ひとつ話しておかねばならんことがあると」
>>#43
突然の頼みに私は驚く。
願ったり叶ったり。
きっと双騎士として国を守ったことに関しての感謝だろう。
それでも構わない、一目会って彼女の笑顔が見えるなら、それは記憶をなくした後も心のどこかで私の道の先を照らすだろう。
「ええ、ぜひお願いします…」
>>285 ジルベール
話……ですか?
……何でしょうか?
*思い当たる節がある
もしや、と心の中で期待しながら、彼の話に耳を傾ける*
>>284 ローレンス
ソフィー「!!」
ソフィー「もちろんよ、ローレンス。あなたもいて?」
/*もう少しローレンスと居られる。それに、カエデにも会える。好きな人に囲まれて過ごせるなんて、幽閉生活をはじめてから、初めてのことです。夢のようで、夢でもいいから、この瞬間が楽しくて仕方ありませんでした*/
>>287ネーロ
(あ、これ言うんじゃなかったな)
*耳が垂れるネーロを見て思うも、それは一瞬だった*
ええ、ついて行こうかしら
(どうしたんだろ?)
*ネーロに言われるまま、カッツェは部屋へとついて行く*
>>ソフィー
ソフィー姫からの問いには、少しだけ表情を緩めて答えた。
「たった2年くらいどうってことありません。……俺はあれから6年の間、ずっと貴女だけを見てきた。今更、何年待たされようとこの気持ちは変わらない。」
「……本当は、今すぐ貴女をこの城から攫い出してしまいたいです。けれど、俺はロート王子の誠意に答えたい。そして、貴女には自分自身の心で選ぶ権利がある。」
そっと彼女の手を握った。
「俺もロート王子に負けぬよう頑張ります。2年が経ったあかつきには、俺のこの気持ちを伝えさせてください。」
>>270 サテン
やっぱり、だめかあ。ふふ。
/*
少女はおどけた口調のまま笑い、そして小さくつぶやきます。
*/
じゃあ、サテンさまの歳にはずっと追いつけないままね。
……
そうね、おつとめはたぶんあと3年くらいでできるはずだけど……
フリージアは神様に仕えるお仕事はできないわ。
だって、
/*
気の触れた父親から受け続けた仕打ち。指先から温度と力が抜けて、諦めることで自分の心を守っていたあの感覚が一瞬だけ蘇ります。
それを自分の口からサテンに伝えることはどうしてもできませんでした。
差し出された小指をじっと見つめます。
*/
>>270 サテン
……。
/*
いっとき、少女は口を固く結んでいましたが、やがてにっこりと笑ってた言いました。
*/
約束は、いまはしないわ。
だってサテンさまのこと、びっくりさせたいんだもの!
>>286 カエデさん
ロート「よかった、それでは、ご一緒に行きましょう。ふふ、今日は精神体じゃないから……ちゃんと、ご案内できますね」
[カエデさんと一緒に、塔の階段を登ります]
ロート「……あなたの、本が失われる前に、姫と話せて、良かったですね。ボクは……兄上のことがありますから、ここで失礼します。そこに見える扉が、姫の部屋です。どうぞ、行ってきてください」
>>#45 ロート
「ええ、その節はありがとうございました。それではいってきます」
大きな扉一つ隔てた先に彼女がいる。
この国の王妃になる女性で、私を救ってくれた恩人。
幾年ものときが経ち、私はここに来た。
時を、距離を超えてあなたへの思いを伝えにきた。
パトリシアとの約束が私の背中を押す。
両親は私に命を与えた。本は私に知識を与えた。賢狼は私に言葉を与えた。
ソフィーは私に生きる意味を与えてくれた。
だからは私はここに来た。私はここにいる。
離れていくロートの背中に音を出さずに「幸せ者」とつぶやく。それはこの城の日々で感じた収斂された衷心だった。
「さて」
扉に手をかける。
震えた小さな背中はもうそこにない。
扉の先のあたたかい光は優しく彼女を抱いた。
>>288 レリー
「僕は、初めて話しかけられたあの日、貴方の事を思い出せないと、そういった」
「そのことに偽りはない。けれど、数日とここで過ごすうち、実のところ記憶は蓋を開いた」
……あの踊り子の舞によって。よりによってミスを眠らせたその夜の前に。
「その時、僕はミスに声をかけなかった。僕と貴女はお互い敵だったから。
ただ、ね。今になって、僕も貴女も敗者となってようやくそれは間違いだと気づいた」
僕は彼女に笑いかけた。その顔に涙はない。泣いている少女はかように強き戦士となった。それでも彼女は、僕との思い出を大事にしまってくれていた。
「幼い日に、泣くあなたに声をかけた。気の利いたひとつ言えず、ただそばにいるしかできなかった朴念仁は、確かに僕だった」
「貴女に、幼き日のことを思い出したと、確かに感謝を受け取ったと。それから、幼き僕をそのように思ってくれたことに感謝していると、それを伝えに来た」
>>294ネーロ
………?
(まぁいいか、邪な気持ちも無さそうだし)
*さっき驚かせてしまったと言う後ろめたさもあり、素直にケープを脱ぎ、背中を向けた。ドレスの上からでもわかる、肩から斜めに走る傷が顔を出す*
これで良いかしら
(全部見せなくてもいいよな?)
ベッドに腰を掛けるソフィーと、その隣のローランを見つける。
駆け出して抱きしめたい気持ちを抑えることがこんな難しいとは。
胸を押さえて、私はスカートをつまみ、姫とローランに挨拶する。
「初めまして。図書館司書をしています、カエデと申します。ローラン、そしてソフィー姫、お目にかかれて幸せです。それで、なにか御用が…?」
初めまして、その言葉を出した喉は裂けそうだった。
ソフィーが私を覚えているはずがない、はずがない、きっと。それでもカエデと名乗ってしまうのは一縷の望みを持ってるからだ。まったく諦めの悪い…
でも双騎士としての活躍を彼女に褒められるならこれ以上のことはない。
わざわざ思い出してなどおこがましいことは言えない。
それでも私はなぜかニコニコしている理由に私を関連させたがっていた。
顔を上げて私は彼女の言葉を待った。
>>291 ローレンス
/*わたくしの問いに、ローレンスは、優しく頬を緩めました。ああ、なつかしい。本当に、ここに彼がいるのね、と、思わずわたくしも一緒に頬が緩みます。彼は、待っていてくれると、何年でも待っていてくれると言ってくれました。攫ってしまいたいという言葉に、嬉しくてどきんと胸が鳴りますが――*/
ソフィー「……そう、ですね。ロートさまは、わたくしと予定通り結婚することも出来るのに……わたくしの意志を尊重してくださったんですもの。ロートさまとのお約束は、果たさなくてはなりませんね」
/*正直、今は、ローレンスのことしか考えられません。でも……ロートさまが優しい方なのは、昔から知っています。ちゃんと彼にも向き合ってみようと……そう、思いました。ローレンスは、待ってくれるのだから。そう思った時、ローレンスはわたくしの手を握って、「ロート王子に負けぬよう頑張ります」と*/
ソフィー「今は、あなたのその言葉が、このぬくもりが、とてもとても嬉しいです。どうか、2年後……ロートさまに負けないように、頑張ってください、ね?」
>>298 ジルベール
*彼の話を聞き、驚きで思わず目を見開く
彼は確かに《思い出した》と、そう言った
彼は確か、この国から追放という罰だった事を思い出し、自分に別れを言いに来てくれた事に気付き、思わず笑みが零れる
そして、ジルベールに穏やかに微笑み、ぽつぽつと語り始める*
……思い出して、くれたのですね
ありがとうございます……わたくし、とても心が満たされました
……国から追放とお聞きしましたが、いつかきっと、巡り会う事もあるでしょう
その時にもし、はじめましてとなっても、何度でも、わたくしは貴方様に微笑みかけると、そう、約束しますわ
……まだ、お話なさりたいお方もいるでしょうから、わたくしはこの辺りで、失礼させていただきますわね
ジルベールさま、さようなら……またいつか、お会いしましょう
>>299 ケラ
わたしは、戦争の前、ケラを王宮で見かけたと言ったね。
あの時、わたしは、魔法が使えるばかりに迫害されて家族からも疎まれて、心が荒んでいた。
その時、君の歌を聴いたんだ。乾いた心に、水が降り注ぐような感じがした。あの時から、僕の支えは君だった。
そして、君とここで再会し、改めて君の心の美しさに触れた。
君のことを純粋と言ったね。この一週間、君は妖艶な笑みを浮かべたかと思えば、子供のように無邪気な一面もある。
ニロを想う、強い母親でいる時もあった。
そんな純粋な君に、わたしは惚れたんだ…。
ケラ…、わたしと、結婚してくれないか。
ずっと…、そばにいてくれないか…。
[アルフレドの声は震えていた。果たしてこれが正解の道なのかも、分からなかった。
ただただ、自分の素直な気持ちを、伝えたかった。]
愛してる…。
>>301 カエデ
後ろでドアノブを捻る音がした。
俺は彼女の柔らかい手を包む両手をそっと離す。
そこにいたのは、眼鏡をかけた気弱そうな女。
真に騎士の力を持ち、白玉に救いをもたらした魔法使いの一人。
「……ああ。」
俺は彼女に軽く会釈をし、少しだけソフィー姫から離れる。
そして、親友の再会を静かに見守ることにした。
>>296 サテン
……!
そうよ!
とびっきり素敵なレディになって、サテンさまをびっくりさせるわ!
それはもう、僕がおじさんじゃなかったらな〜ってサテンさまが思うくらいの素敵な!
あ、フリージアは、サテンさまならおじさんでもいいんだけど……
だから、そのときは、ええと……
/*
少女はしばし思案します。
こういうときなんて言うんだったっけ。ええと……そう、
*/
そのときは、「おともだち」から、よろしくお願いします!
>>301 カエデ
/*ローレンスとお話していると、ギイ……と、扉が開く音がします。そちらの方を見ると……ああ、やっぱりなつかしい。嬉しくて、笑顔で、人を迎えるなんて、何年ぶりでしょう*/
ソフィー「あら?ローレンスと、カエデは初対面なの?ローレンスも、魔法の大会に出場していたのではなかった?」
ソフィー「カエデ、前に会った時と……変わらないわね。悪い意味ではなくてよ、優しくて、やわらかい、あなたの雰囲気がとても大好きなの。わたくしとお話したこと、覚えていらっしゃる?むかし、『ずっと一緒だよ』って、お約束しましたよね。あなた、本の魔法を使うのでしょう?どんな魔法なのかしら……きっとあなたのように、聡明で、柔らかい、優しい――」
/*そこまで話して、ハッとして口を抑えました。思わず、ローレンスとカエデを交互に見てしまいます。*/
ソフィー「ごめんなさい!わたくしったら……こんなに一方的に話してしまうなんて、自分勝手ね……」
>>302ネーロ
(え、あ、何、何?)
*小さく肩に触れる感触。突然のことにカッツェは何が起きたのか、イマイチ掴めていなかった*
ネーロ…?
*不思議そうに話しかけ、ネーロの反応を伺った*
>>303 レリー
「……そうか。貴女を満たすことが出来たなら、嬉しいな」
「ふ、その時は、……敬称はいらんよ。互いに平民だ」
彼女の顔は、少し明るくなったように思った。
「健勝にな、ミス・レリー。僕達の話をまた教えに来てくれ」
だから、笑い合う未来はないとわかっていて、僕はそう言った。
>>#47 ソフィー
カエデと呼び掛ける言葉が私を覚えていることを意味することに気づくのに数秒かかる。
「…嘘よ、ほんとに?覚えてるなんて…」
期待してなかった。あれだけ日が経ったのに。
いや、わかってる。この場に来ても私は自分に嘘をついていた。
もういいのか、なにも隠さなくていいのか。今までの悩みの「縄」が彼女の笑顔に溶かされいく。
「ソフィー、ソフィー…」
私はボロボロと泣きながらベッドに倒れこむように知己を抱きしめた。
「会いたかったよ、ずっと。ソフィー、ソフィー。」
愛しき名前を彼女の耳元にささやく。
「私ね、私ね、あなたに会いたくてね、だからね、頑張って魔法覚えてね、それで結婚ってきいて、オーディションって、そしたら黒狼騎士団って人たちが、だからね、私、国のために頑張って、」
逼塞していた思い、隠していた気持ちが溢れる。
注ぐ相手は優しく私を受け止める。
鼻腔をくすぐる匂いはあの頃の図書館を思い出させる。
>>ジルベール
[異国の客人のもてなしを終え、ふっと視線を外すと、魔のモノだったという、件の貴族がいた。確か、ロートが国外追放としたはずだったが……]
――おい、グラン家の。おまえ。
[肘置きに肘をかけ、頬を手の甲にもたせ掛けると、ニヤリと意地悪い笑みを浮かべる
お前の顔を見て、いま思い出したぞ。
――お前、兄がいただろう?
話すべきことは、話した。もうここに未練は無い。
あとはローランに別れを告げ、ロート殿下の言っていた、一つについて回答を出すのみ。
僕には、必要が無いと思った。
伯爵の地位など惜しくない。僕を必要としなかった、愛さなかった家族の遺したものなど、こちらから捨て去ってやろう。その家にあるものにも、未練を持つはずもない。
癪ではあるが、僕が扱えるこの黒き剣。護衛や傭兵には事足りるだろう。貴族の生活しか知らぬこの身でも、恐らくは生きるに不足はない。
僕はこれからについて考え始めていた。
/*
サテンの満面の笑みを見て、少女はもしや、と思います。
*/
>>309 サテン
もちろん!ずっと仲良くしたいし、お手紙もいっぱい書くけど……
……よろしくお願いします、がどう言う意味かわかってないのね?
ふふ。まあいいわ!
そのとき、が来たらサテンさまも、嫌でもわかるようになるもの。
楽しみね。
>>312 カーマイン
そんな僕に、話しかける影があった。
透けた肉体に、皮肉な笑みを浮かべた亡霊だ。
「……これはカーマイン王。
確かに、おりましたが。それがどうかなさいましたか」
>>304 アルフ
…あ……。
/*
それは、初めにあった頃の軽々しいものとは程遠い言葉だった。思えばこの数日、彼には怒ったり笑ったり、泣いたり色んな姿を見せてきた。彼の子供のように素直で、花のように優しく柔らかな性格に年甲斐もなく甘えていたのだろう。
簡単に好きになってはいけないと思った。
簡単に、過去の思い出を…築き上げてきたもの全てを否定してしまうような気がして。
それでもこの気持ちは
…愛してしまったこの事実は、変えられなかった。
彼の首の後ろに腕を回し、背伸びをして唇に唇を重ね合わせる。
しばらくして離すと、彼をじっと見つめる。
*/
……アルフレド。あたしも…あんたが、…好き…。
>>311 カエデ
/*わたくしがカエデに話しかけると、どうしたことか、彼女はぽろぽろと涙を零しながら、わたくしに抱きついてきました。ああ、きっと、彼女もさきほどローレンスに会った時のわたくしと同じ……愛しい気持ちでいてくれるのだと感じて、わたくしも涙をこらえることができません。なんて良い親友がいてくれたんでしょう*/
ソフィー「カエデ……泣かないで?わたくしも、涙が止まらなくなってしまうわ……」
ソフィー「ふふ、カエデも、落ち着いて。あなたが、わたくしに会うために……たくさん頑張ってくれたことは伝わったわ」
ソフィー「わたくしたちは……きっとまた、これからの時間を埋めていけるのだから……ゆっくりでいいの。ゆっくり、あなたの頑張ったお話、聞かせて?ロートさまなら、きっとお許しくださるわ」
ソフィー「わたくしも、カエデに話したいこと、たくさんあるの。幽閉中、本だけはたくさん、読んだから。ずっといつか、あなたに話したいと思って……心に貯めてきたのよ」
ソフィー「会いに来てくれてありがとう、カエデ」
>>310ネーロ
……もう、ネーロったら
*くしゃっと笑いネーロを抱きしめる。そうだった。ネーロはこんな子だった*
*カーマイン王に、自分の命を使ってでも綺麗なままお別れを出来るように、それが歪んだ感情だったとしても、心を許す相手には底抜けに優しいのだと、思い出す*
ありがとう、それから。
……そうね。この目のことも。ネーロのお祖母様に、お願いできるかしら。
*夢の中で知る、母の愛。父の姿。でもそれは始まりに過ぎない。カッツェの母は──親は、ソロンディールなのだ*
(もう“祝福”なんてなくても、生きていけるさ)
*ひっそりと胸に仕舞う。これは、師匠に伝えなくていい。誰にも話すわけでもなく、カッツェは自分が知れただけで満足だった*
>>315 ジルベール
お前の兄は確か……アルベルト・グラン、だったか。
お前によく似た面差しの、ファルスに忠実で真面目な男だったな。
[皮肉な笑みを浮かべたまま、ジルベールを見る]
あの者はファルスの1番の側近だったからな――ファルスが処刑されたあと、真っ先に呼び出した。
すると、帰順するか尋ねる前に、「一刻も早くファルスの伴をせねばならない」と言ったので、一番はじめにクビをはねてやったのだが……
――おまえ、名をジルベールと言うんだったな
あいつがクビを落とされる前に最後に呟いたのは
『ジル』
という言葉だったよ
お前の名だな?
サリーナを捨て、一族で唯一生き残った、おまえの
[くっくっと、愉快げな笑いをこぼす]
さて……名残惜しいが、時間だな
私はそろそろ行かねばならん
――消えるまでロートと話すが、もう諸君らにかけられた魔法は解ける
諸君らの中には忌々しき裏切り者もいたが……遺書に書いたことがすべてだ
諸君らの魔法には楽しませてもらった。
セルナリアの剣となり、盾となった魔法使いたちよ
これからも、ロートを支えてやれ
では、私は諸君らよりも、先に眠るとしよう
>>318 カーマイン
「な、にを……」
呆けた顔で、目の前の幽霊を見た。
信じられないのに、何故かそれが嘘ではない気がして、思わず胸を抑えた。
>>319ネーロ
ええ、わかった。先に広間に行ってくる。
隅で紅茶飲んでいると思うから、声かけてね
*ネーロが着替えると言うので、素直に部屋を後にする。ドレスケープを着直し、身なりを確認した*
(よし、これで言葉通り元通り…だな)
*コツコツと静かな廊下を進んだ*
>>ロート
ロート。もう時間のようだ。
とはいえ、私が言いたいことは、生きていたうちにちゃんと伝えたからな。今更何もいうことは無い
……きっと、あやつらを殺さなかったこと、後悔する日が来るだろう。
お前がくだした処罰は、ある種、私がしてきたことよりも重い。
その行動による結果は、きちんとその身で受け止めよ
私の罪は、私が背負って死ぬ
お前は、お前の罪を背負え
それがこの、セルナリアの国王たるものの心構えよ
*広間に行くと、カーマイン王の姿はなかった*
(あれ……礼を言いそびれたな…あと、お別れも)
(ま、今更兄貴なんて思えねぇよ。ただの王様だった。それだけだ)
*自分に言い聞かせる。パトリシアから呼び起こされた記憶は、カッツェにとって残酷だった*
(あーあ、私も毎日、こんな食事ができたのかねぇ)
*パチン、パチンと左手の指を鳴らしてディナーにありついた*
(あ。お土産に紅茶もらうの忘れないでおくか。それと、そうだな……褒美は一生分の紅茶にしよう。無くなったら、持ってきてもらおう。それくらい、安い願いだよな?)
*食事を終え、紅茶を淹れる。心温まる紅茶に、久しぶりに心が安らいだ気がした*
>>327 兄上
……ボクは、いいたいこと言えてないんですから。
言わせてください!!
兄上、ずっと、ボクを守ってくれてありがとう。
兄上が……兄上がたくさんの罪を犯しても……たくさんの人に憎まれても……好きな人に、受け入れられなくたって
ボクは永遠に兄上の弟だから。
兄上は、小さい頃から、ボクの憧れで、かっこよくて、優しくて、いつだってボクのことを考えてくれた。
兄上の後にいればそれだけで安心で、幸せでした。
ボクは兄上のことが大好きです。一生、兄上の味方です。
今度はボクが、ソフィー姫を、この国の民をきっと守りますから。どうか、どこかで見ていてください
ボクは、ボクの罪も、兄上の罪も、ちゃんと胸に抱いて、この国を導きます。どんな結果になっても
>>ソフィー
「そろそろ、広間の方へ戻らせていただきます。」
「ソフィー姫。私は一介の臣下です。ですが……もしも許されるなら、またお会いしにきます。」
>>#48 ソフィー
「…ええ、そうね、時間はたっぷりある」
いいえ、もう数時間しかないの。
「きっとロート様も許してくれるわね、王は優しいから」
あなたへの気持ちを隠して、私はあなたの幸せを世界の誰よりも願っている。
「…ソフィーの読んだ本の話、私も聞きたいな」
私は後ろに回した手で、紫の本の瑕疵をなぞり、それを隠す。
この気持ちは、この本は彼女を困らせる、彼女の幸せを私は邪魔できない。きっと彼女は私がいなくても幸せになれる。それなら私のこの行動は「模範解答」だ。
「でもよかった、あなたに会えて。相変わらず、笑顔が素敵。その笑顔ずっと王に守ってもらうのよ…」
その役は私でないのだ。
「じゃあごめんね、私広間にやること残ってるから、」
この国の、私のお姫様に背を向け、「最後」の言葉を送る。
「またね、ソフィー」
さよなら、と言えない私。
涙とともに手を振る私は世界一幸せで、世界一弱い騎士だった。
/*
少女は、割り当てられていた部屋で荷物をまとめたあとロートへと手紙を書いていました。
*/
––––––––––––––––––––––––––
ロートさまへ
フリージアも、お願いを叶えてもらえると聞きました。お忙しいと思うので、お手紙でごめんなさい。
4年前わたしのお父さんがどこかへ連れていかれました。わたしに暴力を振るっていたから。
今どのようにしているかわかりません。
やさしいパパにもう一度会えるのなら、会いたい。
けれど、それがもう無理なお願いならば、フリージアとお父さんの親子の関係を、どうかなかったことにしてください。誰にも知られたくないのです。
それから、これは、お城のそばの教会にもお話が伝わらないようにしてくれると、嬉しいです。
フリージア・フェシュネール
––––––––––––––––––––––––––
>>326 レリー
機嫌良く廊下を歩いていると嫌なものが目に入り、途端に表情を失くす。
敵同士で馴れ合っているエドワードとレリーだ。
だがエドワードに用はないし邪魔をされるのも面倒なので、レリーの位置を確認して近くの部屋へ転移させた。
そのまま自分も部屋に入り困惑するレリーを無視して話し始める。
「おはよう、レリー…
白玉だって…証明できなくて…ふふっ…残念だったね…?」
レリーを眠らせた日、彼女と話した内容を思い出す。
「必死で…狼じゃないって…どの口が、言ったの…?
嘘吐き…」
深い、深い、光の当たらない深海のような瞳でレリーを真っ直ぐに睨んだ。
バチッと目を開けて、
「目が覚めたの!夢から帰ってきた!」
仰向けに寝そべったまま叫ぶ。
そして薬の入っているはずの袋をまさぐり、自分用の薬を仕入れ損ねた事を思い出し落ち込むのと同時に、僅かに残った品ものに気づいてハッとする。
「疲労に効く薬、あります!残り少ないですが、欲しい方はリンミュールまでどうぞ〜」
商売のチャンスを逃すまいとアピールしたあと、
近くにいた女性に声をかけた。
>>レリー
「お嬢さんお疲れ?良かったらおクスリサービスしますよ!」
小さな麻袋を勢い良く差し出す。
>>335 ネーロ
*エドワードと歩いていたら、突然見知らぬ部屋に飛ばされ、驚き、辺りを見渡すと目の前にはなんと────
ネーロがいた
彼に怨嗟の声を向けられ、ああ、この子はわたくしを許せないのねと察した
謝罪などしても、この子の中の憎悪は消えない……なら、せめて*
おはよう、ネーロ
ご機嫌いかが?
ええ、目障りな猫に邪魔されて、本当に残念な結果になったわね
……その嘘吐きに、大切なカッツェを傷つけられて……今、どんな気持ちなのかしら?
ねえ、ケット・シーさん?
*エドワードはこの場にいない
なら、この場では黒狼騎士団を演じ、彼とは決別すべきだと、そう思った*
(また、待ってた、なんて言うとどんな反応するんだろうな)
*カッツェはローランに紅茶を注ぎながら、少し口元が緩んだ*
「けれど」
「それでも」
『良かったのかなぁ?』
「新しき王は禍根を沈め」
「新たな渦の目を知らず生む」
「僕たち黒狼の下僕は死ねど」
「僕たち黒狼の名は滅せず」
『恩讐は二度三度繰り返す』
/*部屋から出ていくローレンスとカエデを見送り……ぽすんとベッドに倒れ込みます。これは、夢なのでしょうか*/
ソフィー「たいせつなひとに会うって……こんなにも、満たされることだったのね」
/ふと、窓から空を見ると、満天の星。空くらいしか見るものがなかった日々は、こんなに美しいと思いませんでした。今は、見るもの全てがきらきらして見えます*/
ソフィー「……わたくしだけ、生き残ってしまって、ごめんなさい……お兄さま、お父さま、お母さま。だけど……わたくし、きっと、幸せになって会いに行きます。与えられるものではなく、ちゃんと、自分で、えらんで」
/*夢だったら、どうか覚めませんようにと思って目を閉じました。眠りに落ちる瞬間――瞼の裏に思い出したのは――いつか、カーマインさまにお礼のお手紙を渡したときの、カーマインさまの、はにかんだような困ったような……今では考えられない、少年のようなお顔でした*/
*ネーロと話し終え、広間へ向かうと、金髪の少年に突然話し掛けられる
確か、薬売りと名乗っていただろうか?
彼に手渡された薬を驚きのあまり受け取り、唖然としながら、そのまま返事をする*
>>338 リンミュール
え、ええ……まあ、疲れては……いるわね?
この薬は……一体、何なのかしら?
成分を、お聞きしても?
>>280 ケラ
見ろと言われて黙って視線を落とす。
彼女が持つロケットには見覚えのある騎士が映っていた。
「こいつ──」
ああ、やはりか。
「……知ってるもなにも。そう年も変わらないのに先輩風吹かして、聞いてもないのに年中妻の話をして、正義感が強くて、自分より他人のことばかりで──あの馬鹿なダレンだろ。」
「−−拙き僧は、子に帰すようだよ」
「拙き僧は、退化するの?」
『へーぇ』
「いーや」
「別にいーや」
「力を果たせぬ者などいらない」
「力を持て余した、黒狼の名折れなど知らない」
『泥水を啜りし汚れた獣』
>>341 カッツェ
ふと、カップを目の前に差し出された。
顔をあげればそこにはカッツェの姿が。
紅茶を俺に差し出しながら特に何を言うでもなく、少し口元を緩める女の様子に、なんとなくきまりが悪くなる。
「……また俺を待ってたのか?」
まあ、遠慮なく紅茶は受け取るのだが。
「しかし世の国民は広く知る」
「城を昏睡させし黒狼の名を広く知る」
『拙き僧にも黒狼の名は冠される』
「子は詰る」
「子は誹る」
『セルナリアの仇敵を誹謗する』
「くすくす」
「くすくすくすくす」
もう胸のうちは燃えない。それでも苦しいと思った。燃えぬ心は、何もかもを恨みとするわけには行かないから。
そして闇に囚われて霞んでいた、走馬灯にもにた記憶の濁流が僕を飲み込んだ。
今思えば、あれも、これも。不自然なことは沢山あった。
その全てがあるひとつの仮説を持ってすれば、説明がつくのではないか?
兄が処刑された後のこと。僕は突然伯爵家の当主となった。当然運営する手腕などはなかったが、執事をはじめとする使用人たちは妙に協力的だった。
その執事に教えられて資金援助を頼みに行った商家も、異国からの客人も。
全てが僕の必要とするものを与えてくれた。だからグラン家はことを起こす前日まで、伯爵家としてあり続けられたのだ。
当主とは、こんなにも楽な仕事であるはずはない。
ましてや、敗戦国の王族と血を分ける元公爵家となれば、まず好意的な扱いを受けることはない。帰順していながら潰れた家をいくつも見た。
*広間の奥を見ると、見知った顔……ローランの顔が見える
相変わらず辛気臭い見なりね……ああ、最後なら、一応お別れしに行きましょうか
と思い、彼に声を掛ける*
>>ローラン
こんばんは、ご機嫌いかが?
……良かったわね、何もしないで"勝て"て
騎士としては負けたけど、陣営としては勝利だものね?
試合に負けて、勝負には勝てた気分って、どんなものなのかしら?ねえ?ローラン?
*彼にはどうにも憎まれ口を叩いてしまうが、お互い正体が知れた身
特に気にせず、彼に突っかかる*
それをおかしいと思わなかった。
思えなかった。思わないようにしていた。
けれど、おかしいくらいに、僕に都合のいい世界。
––––––––それを作れた人物は、おそらく一人しかいない。
「兄、上……」
剣技と戦術に優れていた兄は、この戦の結末もおそらく知っていた。
父母が死んでからは屋敷の外にでることこそ叶わなかったものの、ある程度の自由が許された。だから僕は兄が激務に追われていたのを知っていた。
戦況が芳しくないからだと思っていた。しかし、それにしても眠りにもろくにつけぬほどの量は、仕事にしてはおかしいと、当主となった今は思う。
兄の居ぬ間にみた彼の机にあった手紙には、見覚えのある商家や異国の名前が、刻まれていなかったか?
きっと兄は、死に支度をしていた。
終わるサリーナを見据えていた。側近としては裏切りと言える行為を、なぜ彼はしていた?
「は、……ははは」
乾いた笑いがこみ上げた。闇こそなければ簡単に、こうも簡単に答えを得られた。
遺される者のためだ。
それは誰か?
もうあの家に残る人間は、一人だった。
ジルベール・グラン。彼の弟、僕のこと。
どうしてそんなことを?
その答えに、無知を貫くには僕は人に触れすぎた。数日前であれば、気づかなかったかもしれないのに。
––––––––愛していたから。僕を、家族として。
なるほど、相応しい罰だった。ロート殿下が、ここまで見据えていたかは定かでないが。
僕が欲しいものは、本当はすでに手の中にあり、けれどその人が僕のために最期に残したものを、僕は今失おうとしていた。
てのひらを、見る。曇眼で見逃した。自ら手から零した。衝動で兄に会いたく思ったが、それに踏み切るには、ローランとコータローの顔がちらついた。
「……生きろということか。なあ、アル兄様」
幼き頃の呼び名を口の中で転がす。
愛されていたと、その事実を嬉しく思うには、失ったものは大きかった。それでも自死するには至らぬこの心が今は少し憎い。
「やはり、僕にここから持ち出すものなど、何も無い。この心ひとつあればいい」
それでも、これは友らに救われたものであるから。
これ一つ、あとは何も持たないで門出を迎えよう。
「今日この時の咎を負う」
「子供の身ながら永遠に負う」
『エルフの民はその子を持つ』
「エルフの子は黒き狼」
「かつて悪逆を尽くした黒き狼」
「無垢で無慈悲な誹りが注ぐ」
「無邪気で無辜な詰りが注ぐ」
『この戦の英雄に注ぐ』
兄上と別れた後、広間に戻ります。空いた玉座に無意識に兄上の姿を探してしまう自分を、パシッと殴りました。
長い別れや、これからのこと、集まった魔法使いたちの色々な感情が渦巻く広間をすすみ、ボクは玉座に座りました。
――どこからか、歌が聴こえる。
復讐は復讐を呼び、形を変えて帰ってくる。
それでも前を向かないといけない。
誰かを傷つけても、誰かを救わないといけない。
また、誰かを救うとき、別の誰かを傷つかないといけないかもしれない。
何が正解なのかは、わかりません。それでも、結果を受け止める覚悟をもって、正面から戦っていこう。
歴代の国王が、兄上が背負ってきたものを背中に感じながら、ボクは、背筋を伸ばし、目を閉じて、これからすべきことをひとつずつ、考えていくことにしました。
ボクはこの国を、きっと今よりもよくしていく。
――それが今までボクを守ってくれた兄上への
――この国を守ってくれた、忠義の魔法使いの皆さんへの
――ボクができる、恩返し
「竜族の娘は追放される」
「爬鳥の娘は忌避される」
「しかして娘は忘れない」
「城塞の屈辱を忘れない」
『災禍の目は潰えない』
「くすくす」
「くすくすくすくす」
>>350 レリー
「ん?……あぁ、あれだけ大口を叩いておいて無様に負けた気高き気高きご令嬢か。」
カッツェから受け取った紅茶を口にしながら、そう答える。
それにしても、こいつは相変わらず腹の立つことを言ってくる。
あの死にたがりの魔法研究員サマは、こんな女のどこがいいのだか。
どうせなら、ロート王子は俺の記憶からもこいつを消してほしい。
「ハ、何もしてない騎士崩れに負けた女が、悔しそうに突っかかってくるのが今は愉快でしょうがない気分だよ。それ、あまりやると負け犬の遠吠えにしか見えないぜ。」
[蓄音機は騒めく広間で最終章を記録する。
一人佇むアルフィリオンは、新たに重なる不協和音に気がついた。]
>>エクス
やぁ、呼んだかな。
君ら、黒狼と名乗ったが、あの3人の残党かい?
それなら、今のうちにね。
[矢筒に手を掛け、弓を弾く準備を完了します。]
>>346ローラン
ふふ、そうね。待ってたわ。
*紅茶を飲むローランに、気づかれていたことが可笑しくて、また笑う。紅茶を誰かと飲むことは楽しかったっけ。カッツェは笑った*
「貴族の娘は忘れ去られる」
「愛しき思いを忘れ去られる」
『ねー!』
「触れれば忘れ」
「愛せば忘れ」
『誰の記憶にも残らない』
ぐにゃり
手足がズレてもなくなるだけで死にはしない。
だが首は…想像の通りだ。
ニィッと焦点の合わない瞳孔が開き切った目で一度レリーの顔を覗き込んでから、背後に回る。
そして部屋から出た後寄った厨房で拝借した包丁でレリーの服を切り裂いた。
「これは…僕からの、呪い…
カッツェと…同じ傷…背負って、生きて…いけ…」
まぁカッツェの傷は治したけど、と内心呟きながらレリーの背中に包丁をつぷりと刺した。
殺さないように、でもゆっくり痛みを感じるように。
肩口から腰まで時間をかけて、時には肉を抉りながら、深い傷を作っていった。
カランと用済みの包丁を床に落とす。
「止血は…誰か、できるでしょ…
僕の用は…これだけ…
…さよなら、レリー…
レリーが、不幸で不幸で…死にたくなっても…死ねなくて、苦しんで苦しんで苦しんだ末に…死ぬことを、願ってる…」
レリーの髪を引っ張りキスをしそうな距離で呪詛を吐き捨てると、空間の箱を消してその部屋を去った。
僕はひとり、会場を見回した。
この場にいられるのも、あと少し。
「……参ったな、彼に合わせる顔がなくなってしまった」
ローランには別れを告げると約束していたけれど。
どうしたものかと、考えていると、ふと彼の言葉が思い出された。
>>359 ケラ
「本当にお節介なヤツ。」
ケラの口から知るダレンに、ふ、と唇の端をあげる。
「……あれは俺が、アイツとアイツを腫れ物のように触る周りのヤツらに腹が立ったから好き勝手言っただけさ。礼を言われるようなことなんて何一つしてないっていうのに、そうやって……。」
「……あんな馬鹿なヤツのことは忘れて、花の魔法使いと幸せに暮らせよ、歌姫。いや……ケラ。」
今は亡きダレンを軽く揶揄して、ついでに彼女に祝福の言葉を贈った。
>>カッツェ
「遅くなって…ごめんね…カッツェ…」
レリーとのやりとりなどなかったかのような態度でカッツェの側へ行く。
「えっとね…先に、村への行き方…だけど…」
話しながら徐に自分の付けている鈴付きのチョーカーを外して差し出す。
「このチョーカー…鈴に、行きたいと願えば…案内、してくれるよ…結界も…通れるから…失くさないように、だけ…気を付けてね…」
>>343 レリー
「僕が風邪に効く薬と他の薬草を混ぜて作ったオリジナルブレンドなんだよ!だから実はどんな成分になってるかはわからないんだ〜。
でも!僕のお客さんは風邪にも効くし元気がでたよ!ってベタ褒めなんだよ?まぁまぁお守り代わりに持っていきなよ、お金は取らないからさ!」
珍しく小声しかし早口で話した後、袋を強引に握らせると、さっさと他に受け取ってくれそうな人を探しに行く。
>>357 ローラン
……相変わらず、口はご達者ですこと
……口は災いの元、というものね
いいわ、今回はこの位にしてあげようかしら
ああ、そんな事より……貴方、あのクソ新国王陛下とソフィー姫の取り合いをするんですって?
蓄音機で丸聞こえだったのだけど……本当に傑作ね!
慈悲をかけてもらえて、よかったじゃない
そうねえ……貴方と、あの愚か者なら……貴方の方が、まだマシかしら?
だから、餞別にこれをあげる
いらない、だなんて言わせないわ
何かあれば、これで涙を拭きなさないな、泣き虫ローレンスさん?
*苦虫を噛み潰したような顔で、彼を睨みつける
そして、彼の手に無理矢理ハンカチを押し付ける
魔力を込めた糸で編み込んだ、特別製のハンカチだ
耐久性は勿論の事、捨てても落としても戻ってくる"スグレモノ"
彼に対する嫌がらせには相応しいと、贈り物はこれを選ぶ事にした*
>>367ネーロ
*ローランとケラと、それとなく晩餐会をしているとネーロが現れた*
ええ、行きたいと願えばいいのね
(ネーロに、会いたいじゃなく?)
*鈴付きのチョーカーを受け取ると、可愛くチリンと音がした*
「……相応しくも無ければ、大したかちもないがな」
それでも今の僕にはこれしかない。
時間によって少し回復した魔力をかき集める。僕が魔力で生み出せるのは、これ一つのみ。
そしてそばにあった紙にメモを残してそれに括った。
*城塞の外れを、魔術の突風が吹き抜ける
誰もいない場所で、誰も喋る相手のいない外れで、一人の子供の髪がたなびく*
*五大素あるうちの唯一の極められた魔術の風は、誰しもが顔を覆うほどの、あまりに暴虐な豪風だった*
*その場にいた子供などひとたまりもなく*
……やはり、この姿にいつもの帽子は、似合いませんわね。
*紅き髪に、紅き甲冑を纏う一人の娘が舞い立ち、エクスの帽子は追い風に乗って遥か彼方へ消えていく*
/*ネーロの頭を撫で、ロートの元へ行く途中、カーマインは扉の前に立つアルフィリオンを見た*/
>>アルフィリオン
やあ、エルフ殿。
この度は、我が国のために最後まで戦ってくれたそうではないか
頼もしいことだ。やはり余興ではなく、護衛として賞を与えるべきであったな
私の目が節穴であったよ
[フッと、自嘲気味に笑う]
さて――貴殿は、何か褒美は要らんのか?
特に、貴殿は今後罪人の面倒を見る仕事までしてくれるそうだし……叶うものなら、ロートに伝えておこう
……ふっふふ
2年もある、2年もありますわ。
ねぇ、エドワードさん、エドワードさん!
詳しくお聞きにならないで!
わたくしね、貴方に遠慮せず、このお気持ちを伝えられるようになりましたのよ!
>>366 ローラン
ふふ。…あんたのそういうところが、きっと可愛くて好きだったんだろうね。
/*
ケラ。
名前を呼ばれ一瞬目を丸くする。しかしすぐ嬉しそうに目尻に皺を寄せるとくしゃっと彼の頭を撫でる。
*/
……約束、覚えててくれたんだね。
さあて、あたしも早くアルフを探さないと。どうしても…話したいことがあるから。ありがとう、ローラン。…あんたも、どうか幸せで。
/*
そう言ってショールを翻すと、鼻歌交じりにその場を離れていった。旦那が伝えたかったことはちゃんとつたえることができた。あとは彼は彼の時間を、自分は自分の時間を大切にせねば。
*/
(そうだ……覚えていないだろうし、礼を言うようなことでもないけど、彼女に残しておこう)
*カッツェはサラサラとメモにしたためた*
*
*
踊り子 パトリシアさん
ありがとう
カッツェ
*
*
*物心つく前の記憶を手に入れたことは彼女のおかげだった。長年の疑問が解決したことはありがたい。それを伝えたい、カッツェのただのエゴだった。けれど、彼女の舞に感謝した人がいたと、残しておきたかった*
>>362 ネーロ
いっ……あぁ……こ、の……クソね……こ………!
*彼の逆鱗に触れたせいで、命に関わりかねない傷を負う
痛い、苦しい、このまま死にたくない、とという思いとともに、床に這いずる
彼の姿を目で見送った後、医療魔術の呪文を唱えた*
>>360 カッツェ
「アンタ、変わりものだ。まぁ…エルフの弟子って時点で、相当な変わり者か。」
全てが終わった今、こいつももうすぐお師匠とやらの元に帰るのか。
カッツェが淹れる紅茶なら、またいつか飲んでやってもいい。
そんなことを思った。
>>378ネーロ
(え、でも。ネーロの、ケットシーの住むところにネーロはいるんじゃ)
*不思議な返事に、疑問符がかおをだす。それもつかの間、ネーロにお礼とお願い事をされて、すぐに消えた*
私もよ。何もできなかったけれど。ネーロにそう言ってもらえると光栄。……これでいいのかしら
*カッツェは目を閉じる。ネーロを見る時は閉じなくても良い瞳を伏せるのは、なんだか不思議な気分だった*
*医療魔術特有の白い紋が交じる円形の陣が床に浮かぶ
傷を光が包み込み、止血どころか、傷は跡形もなく消えた
恐らく、彼女の"死にたくない"という思いが通じたのだろう
ほぼ医療魔術など使った事はなく、魔法学校で学んだ魔法のみで、傷を綺麗に治療してみせた*
……ちっ、あのクソ猫……次会ったら、ミンチにしてやるのだわ
*忌々しそうに呟きながら、魔力の消耗が激しいせいで、貧血の時のように、ふらふらとなっている体を引きずりながら、広間へと行った*
「2年もあるね」
「でも、2年しかないね」
「瞬きする間だね」
「6年の半分にも満たないね」
『ねー!』
「2年後に生まれる新たな王よ」
「数多の恩讐を生み出せし王よ」
『我らが黒狼の主に相応しい王よ』
「あの女……くだらないものを押し付けやがって。」
落としても落として戻ってくる、嫌味なハンカチに悪態をつきながらレリーのもとを離れる。ロート王子とのことを言われたこともそうだが、何よりもアイツにあの名で呼ばれたことが腹立たしくてしょうがない。
やはり、俺はアイツを忘れられそうにもない。
その時、何かが飛んできた。
咄嗟に手を出してそれをぱしっと掴む。
「これ……」
−−黒い短剣。
目を丸くして、飛んできた方向にばっと顔をあげる。
しかし、望んだ姿はその先にはない。
>>380ローラン
変わり者……ふふ。そうね、私は変わり者ね
この血も、生まれも、なにもかもが。
でも、宮廷騎士のローランさんも、相当な変わり者よ
(私にちょっかいを出すニンゲンは、お前くらいなもんだ)
*くるくるとティースプーンを回す。誰にも話すつもりがないことも口にしそうになる。何故だろう、カッツェは不思議だった*
……そうね。変わり者同士仲良くしましょ。
あの森に来ればいつでも相手するわ。
*ふと、そんな提案をしていた*
>>レリー
………………あなたにかけた“おまじない”覚えているかしら。
何処かで心苦しくなった時、右手の甲に息を吹きかけてから就寝なさって。少しは良い夢、見られると思うから
*彼女の枷を、罪を、和らげるつもりはない。自分の出生を知ったカッツェは、複雑な心境でいた*
*けれど、やはりソロンディールと過ごした時間が、思い出が、カッツェを作っている。黒狼騎士団の一員より、エドワードの弟子のレリーを気にかけてしまうのだ*
*カッツェは、レリーのことを忘れないだろう。それはどこか自信があった。深い間柄でもなく、疎遠でもなく。その関係に愛など絆などなかった*
*これは何でもない。ただの助言。カッツェの施したまじないの効果を教えただけに過ぎない*
>>368 リンミュール
え、ええ……そうなの、では、貰っておきますわね……
*彼の薬の効能に曖昧に相槌を打ちながら、立ち去る彼を見送る
レリーの手には、袋がある
それを、魔法で異空間にしまった後、再びふらふらと広間を歩く*
>>373 カーマイン
最期の面会かな、カーマイン王。
貴方の選んだ魔術師たちには黒狼者は混ざっていなかったよ。
あながち節穴とも言えないようだが?
[王が笑うのに合わせ、片頬を上げる。]
僕の願い?
ああ、どこかで言わなかったかな。
"僕らは平穏無事に暮らしたい。"
そう、それだけだ。自由を損なわれず、何も侵されず、平穏無事に暮らせればそれでいいのさ。
まぁ、10年ほどはこの国で楽しませてもらうけどね。
その辺りについては、弟君に請求させて貰うよ。
[ふらふらと、窓から外を見ていた。
皆思い思いの時間を過ごす中、自分だけが訳もわからず過ごしている。それが不安だった。]
......え?
[窓辺に何かが飛んでくる。それは、純白の姿でちちち、と鳴いた。]
あ......。
[小鳥の瞳を覗き込み、その深い色に飲まれる。
「今の」パトリシアには飛ばした記憶の無い小鳥。
「占い師であった」パトリシアが飛ばしていた小鳥。
白く光る羽に、恐る恐る触れた。]
>>391ネーロ
………………!?
(また)
*背中のときと、同じ衝撃。これはきっと*
*ネーロの、部屋での出来事と、今の出来事を重ねて思い出す。冷静さをいつも欠かさないカッツェの顔は、リンゴのように赤く染まっていた*
え、え?
(もう、治った、いや…上書きされた?違う、これ、何?)
*とっさの出来事にカッツェは戸惑う。青の紋もなんて言うネーロの顔を、まじまじと見る。しかし、ネーロの目は閉じている*
ネーロ、まさか、あなた………………
(交換、した?)
っ......!
[頭が痛くなる程の「記憶」が襲う。
数日間の出来事が一斉に駆け巡った。]
ああ、ああ......そうなの。そうだった。そうだったわ。
あたしは本当に、ダメね。
[ぽつりと言い、目頭を抑える。
自嘲を込めた笑いを浮かべて袖から紙片をばらまいた。]
>>387 カッツェ
ええ、覚えています
あれ、そういうおまじないだったのね
ありがとう……わたくしからも、これを
それは普通のお菓子よ
何の変哲もない、ね
……非常食に持っていたのだけど、貴方が作ってくれたお料理が美味しくて、食べる機会がなかったの
だから、それは貴方にあげる
……じゃあ、またね、カッツェ
あのクソ猫がいない時にでも、お茶をしましょ
*手をパンと叩くと、小綺麗な包装に包まれたマカロンが出てくる
それをぽい、と彼女の手元に投げて寄越した
彼女には、弟子の先輩として、後で色々聞こうと思ったレリーは、またねの言葉と共に手をひらり、と振り、その場を離れた*
今から追えば、これから国を出るアイツの背中くらいは見送ってやれるかもしれない。
そう思ったが、俺は敢えてそうしないことにした。
「趣味の悪い魔法よりも、よっぽどマシなプレゼントだったよ。……ジル。」
心の氷原に温かな火が灯る。
俺たちのあいだに、特別な言葉は必要ない。
俺は腰に黒き短剣をさして、もう二度と会うことはない友を心に棲まわせた。
(まさか、背中の傷も)
*赤く染まるカッツェの顔は、みるみると蒼白に変わる*
*膝から崩れ落ちるように、カッツェはネーロの頬を両手で包み込む*
ねぇ、どうして……ダメよ、そんな……
>>394 カーマイン
正しく汲み取って頂けて何よりだ、カーマイン王。
僕らの時間は長い。
平穏無事を敷くのも大変だ。
そう、僕は何代先まで見れるかな。
一先ず、弟君のお手並みを拝見させて貰おう。
[かつてない量の小鳥たちがパトリシアの周りを囲む。
真っ白なベールのように、きらきらと光った。]
……知ってる? あたし、もうすぐ母様のこと忘れちゃうんだって。踊りも踊れなくなるの。
踊れないのは、構わないわ。もう魔法なんて使わずに済むもの。
[衣装を揺らしくるりと回る。鈴の音が鳴り響いた。]
……あたしが母様を忘れたら、もう二度と母様は誰の元にも居られなくなるわ。永遠に誰にも知られずに、彷徨って、彷徨って。
忘れちゃ、忘れちゃいけないのよ。
誰の命も、道も、曲げられちゃいけないの。
まだ、まだ……。
お二人(宮廷騎士、王様)へ
改めましてカエデです。
これを書いてるのは城での最後の日です。パトリシアと記憶を操作してもらう前にしたためています。
届くのは、そう、今日から三日後ぐらいですかね。
さて、まず私から二点ほど。
最初に。
私はソフィーのことを愛していました。
今回のオーディションの参加もソフィーとの再会が目的です。
私はセルナリアの図書館に勤めていた時彼女に会いました。
あそこでのいい記憶はソフィーとの記憶だけです。そこでソフィーに出会い、私の人生に意味と色が生まれました。一緒に過ごす日々と彼女との約束が私に恋慕という本の中にしかなかった感情を教えてくれました。
王家に戦争に私たちは引き離されましたが、この心は変わりませんでした。パトリシアに会うあの日までは。
二つ目はあなたがたの結婚についてです
その後私はパトリシアと出会い、彼女の人生を護ると決めました。ソフィーはあなた(たち)といたほうが幸せになると思ったから、というのも理由の一つです。
だけど、ここから先が問題です。いや問題なの!
兵士のうわさを聞いて私は死ぬほど驚いたわ。
結婚が白紙?二年後に選んでもらう?
聞いてないわよ!!まったく。まずローランとの関係なんて初めて聞いたわよ!!
まあ、いいわ。どちらが勝つかに私は興味はないの。
だけど、だけどね。どちらが勝ったとしてもソフィーを泣かせたら容赦なく殴りに行くわ。王であっても偉い騎士であっても。記憶なんて関係ない。
こほん、取り乱しました。
まあ私がいいたいのは。
絶対、ソフィーと一緒に幸せになってくださいね。
彼女の親友との約束です。
そして、ソフィーにに私の記憶のことは話さないでください。悲しませたくありません。
一人でいるとき、いつかどこかで見かけたらまた挨拶してください。きっとその時のカエデも喜びます。
それでは。
図書館司書だった カエデより
最後に術を練ろうなどとは思わない。
特別な思いのあるものでもない。
子どもたちが使い、いずれアルフレドも使う。
…誰かの発見を享受するように、この数十年で私もまた使うやもしれん。簡単なものだからな。
私の名も残らなくていい。術さえ残れば、それでいい。
*全ての者に挨拶を終えると、エドワードの元へと戻る
これからは、ずっと彼と一緒……だが、触る事は出来ない
その事実に、胸が打ちひしがれそうになる
だが、彼女はその中で一つの結論に辿りつく*
彼にそれが届かないうちに、背を向ける。
「さようなら、ローラン」
顔が見たかった。最後に言葉を交わしたかった。けれど、あの優しい人に今の顔を見せるわけには行かないから。
だからこれでいいんだろう。
次に言葉を交わす時は何としようかと考える。それを慰めとして今は足を動かそう。叶わぬ夢を見ることだけは許して欲しい。
*考え込むレリーの姿が落ち込んでるように見えたのか、話し掛けて来ようとするエドワードの言葉を遮り、目の前に立つ彼の首に手を回し、自分より背の高い彼に背伸びして、キスをした
驚く彼をよそに、暫くキスをした後、そっと離れ、にこっと笑いかけ、首に回した手をほどく
ちょうどその時に、城の鐘が鳴った
もう、彼とは二度と触れられないが、彼の側にいられない、その事に比べればまだ、未来がある
人を一人殺した、殺そうとした者達の背中に、一生消えない傷を負わせた
そして何より────彼の未来を奪った、その罪は、一生消える事はないだろう
死ねば楽になる……幼馴染の彼と同じ場所へ行ける、そう思った時もあった
だが、エドワードが自分との未来を望むのであれば、自分はそれに寄り添おう
彼との未来を守る為に、自分の足で歩いていこう
そう思いながら、彼と共に城の門を潜り、外界へと赴いた*
>>393 カッツェ
カッツェが言わんとすることにコクリと頷く。
僕だからできること。
僕だけができること。
カッツェがもう人に怯えなくていいように。
カッツェが進む道を真っ直ぐ前を向いて歩けるように。
「これくらい…しか…思い、浮かばなかった…
それにね…呪いは…二つもあったら、大変でしょ…?」
そう言ってゆっくりと目を開き…僕の瞳を持つカッツェを見つめた。
カチリと目が合う。
僕はくしゃりと笑って呪いをかける。
「…カッツェが…僕を、忘れませんように…
ずっと…僕のこと…好きでいてくれます、ように…」
自分の後ろに空間の穴を開ける。
そこへ飛び込んでカッツェが見えなくなるまで僕は見つめ続けた。
[ここでの自分は敗者であり、逆らう力など持たない。それは分かっていた。
そもそも自分にそんな力は無い。それならば。]
……最後の、お願いね。
[力無い言葉に反し、小鳥たちはバッと散開する。
城の窓という窓から白い羽が舞い、小鳥が飛び出していった。]
[小鳥たちはセルナリア中へと散らばってゆく。
何の力も持たない小鳥ではあるが、いつか誰かの記憶のささくれを呼び起こすだろう。少しずつ、少しずつ。
その頃にはパトリシアは何も知らない踊れぬ踊り子であっても。]
[小鳥たちがいなくなり、パトリシアの足元に散った白い羽も霧散するように消える。光の粉が彼女の希望であった。]
……カエデ、ごめんなさい。
[少しだけ目を伏せて、今此処に居ない彼女のことを考えた。]
[この国で「黒」が抑制され押し潰され続けるものであるならば。
その上から「白」が塗りたくられ続けるならば。
きっと小鳥は記憶を芽吹かせるのであろう。]
転移した先はビアンカと僕の秘密基地。
特になんてことはないけれど、村の森にこっそり作った小さなログハウス。
座り慣れた椅子に腰をかけると使役していた猫達を皆呼び出して主従の契りを破棄した。
「…怖がらせて…ごめんね…
村の皆のところに、行っておいで…」
猫達は戸惑い、怯えながらも足元でお別れの挨拶をしてから去って行った。
「…光の妖精、さん…幻滅させて…ごめんね…?」
光の妖精は違うと首を振りながらも悲しそうに僕を見つめる。
「ふふ…大丈夫…
…もし…妖精さんが、気に入ったなら…カッツェの元へ…行ってくれたら、嬉しいな…
…今まで…ありがとう…もう、自由になって…」
……よいしょっと。
ふう。
おはようございます!
……帰りました。
/*
少女は荷物を抱えて、暮らしていた孤児院へと戻ってきました。
鞄の中身を順に整理しながら、この一週間のことを思い返します。
*/
サテンさまに早くお手紙を書かなくっちゃ。
……あら?
/*
荷物に紛れて、なにかが鞄からカランと床に落ちました。
少女は親指と人差し指で拾い上げます。
*/
なにかしら?これ……
*カッツェの左目から、涙が流れる。一雫溢れると、両目から涙がとめどなく溢れてきた*
そんな!どうして!呪いはこの目だけっ──
*言いかけたとき、ネーロの言葉を意味を汲み取る。しっかりと、ネーロと目が合った。ああそうか。これはそういう、ネーロの*
そんなことしなくても、私、私はずっと、ずっとネーロが!
*ネーロを抱きしめようと腕を伸ばす。しかし、その腕は空を切り、行き場をなくす*
*初めて見るわけではない。毎日見ていた朱い瞳。その瞳が、あまりにも寂しげで愛おしそうにするから*
私も、大好きよ
*袖で涙をぬぐい、見えなくなるネーロへ微笑んだ*
[アルフレドは、こんなに幸せでいいのだろうか。と自問していた。
レベッカのこと、レリーのこと、グスタフのことを考えると、胸が苦しくなる。]
[だけど…、城を見上げるケラの横顔を見つめる。]
ーわたしには、守るものがある。ー
[それが、生きがいだった。アルフレドは、肩に添えた手に、ケラが気付かない程度に、少しだけ力を入れた。]
鐘…か。
《身体の軋む音がする。滲む視界に映るものは、徐々にその大きさを増していくようだ。》
「これまで、か…」
《これまでの、自分に未練などない。大人の姿のうちに話しておきたい同胞ももう、いない。》
《グスタフは今とこれからの時間に対して意味を見出そうとはしていなかった。
元より何も持っていない。城に来て、虚しさひとつを得て、出て行く。》
小さく小さくなりゆく身体を眺めて、それでもなお感情は動かなかった。、
[音を届けた空間に歪みが走った。
規則正しい響きはそのままに、不協和音だけが吸い込まれる。
そして、広間は戻った。
まるで何もなかったかのように。
戯れに走った一音は不快感を与えたはずなのに。]
……!
転移魔法、か?
それにしても消え方が奇妙だ。
何だったんだ、あの少年は。
滅んだはずの、今度こそは引導を渡したはずの黒狼騎士団を名乗るなど。
まだ、奴らは滅んではいない?
いや、そんなことはないはずだ。確かに今日、皆、処分は課されたはずだ。
まぁいい、処分の内の一つは僕の手の中だ。
10年はこの目で確と見張ることができる。
[そうして、最後の1人の処分が下るのを、フェルマータを奏でる広間で待った。]
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