人狼物語(瓜科国)


1776 【R18】金鉱の村【人狼BBSRP村】


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視点:


旅人 ニコラス に 1人が投票した。
負傷兵 シモン に 2人が投票した。

負傷兵 シモン は村人達の手により処刑された。


今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか。


全ての人狼を退治した……。人狼に怯える日々は去ったのだ!


電報配達人(村建て人)


[その朝、村には数日ぶりに陽光が射した]

[蒼穹の中で太陽は燦々と輝き、中天にかかる頃には、あちこちで陽炎が揺らぎ出す。
 そして、閉ざされた道の先から――手紙>>3:154を見た者たちの、こちらを案じる呼び声が届く。ざくざくと、崩れた土を削りゆく音も]


[――遠からず、道は再び開かれるだろう]
 

( #0 ) 2017/05/04(木) 07:31:36

旅人 ニコラス

[耳元で。
今、自分が刺した人の声が。
シモンの声が、次第に血に飲み込まれていく。

ナイフを持つ手に、生暖かい感触が伝う。
次々と溢れてきて。
そう。それは奪った命の温もり。

自分が手を下したことで、
一つの命が、失われていこうとしている。]

( 0 ) 2017/05/04(木) 08:07:52

旅人 ニコラス

[掠れた声が耳に届く。>>4:153
でも、全てを聞きとることは叶わず。]

 え……?

[帰すとは。何を。それとも、誰を。

じっと、彼を見つめるが。
もう、長く言葉を交わすことなど、
叶うべくもない。

だって。
自分が、彼の体に刃を突き立てたのだから。]

( 1 ) 2017/05/04(木) 08:08:02

旅人 ニコラス

[生きること、とは。
どういうことだろう。

少なくとも。
今、一つの生を奪ってしまった自分には
すぐには、答えが出せそうにない。

何よりも、尊いもの。
ずっと、そう思っていた。はずだった。から。

彼の中から溢れ出る熱が、
己の価値観を根底から揺るがしていた。]

( 2 ) 2017/05/04(木) 08:08:15

旅人 ニコラス

 僕、は――…っ

[自分の名が聞こえれば、顔を上げる。>>4:154

彼の瞳は次第に霞んでいき、
その眼差しと交差することもなかったけれど。]

 ……貴方の命も、背負っていきます。

[これから、ずっと。

それが彼の言葉に対する答えになるかなど、
わからぬままに。

彼の体から少しずつ力が抜けていくのを、
じっと、見つめていた。]

( 3 ) 2017/05/04(木) 08:08:32

旅人 ニコラス

[暫くの間。

溢れそうになるものを、堪えるように
強く、唇を噛みしめていた――。]

( 4 ) 2017/05/04(木) 08:08:42

仕立て屋 エルナ

[空を見つめ、カタリーネと共に
 終わりゆく騒動とその先を見守る
 いつも笑みを絶やさずいられることに感謝をしている
 やはり、口には出さないけれど

 次第に割けていく雨雲と
 思い出したようにひょっこりと顔を出すだろう太陽を待った]

 空に映らなくても ずっと見えてたのよ

[虹は、ずっとこの場所にあったのだろうと
 今日までに見えた様々な色を思い浮かべる]

( 5 ) 2017/05/04(木) 14:46:31

仕立て屋 エルナ

[虹は、ずっとこの場所にあったのだろうと
 今日までに見えた様々な色を思い浮かべる]

 みんなどこへ帰っていくんだろうね
 あんたも、あたしも そろそろ見つけるべきなのかね
 もう縛るものはなにもないんだ どこにだって行けるわよ
 
 帰る場所がないなら旅をすればいいんだわ
 お土産を買う理由だって作れるもの

[虹色に浮かぶ黒 それは罪の色だろうか
 すべてを塗りつぶす色なら、
 それを染め抜き包むのは白い光でありますように**]

( 6 ) 2017/05/04(木) 14:47:43

仕立て屋 エルナ

― 受付付近 ―


[カタリーネのそばを少しだけ離れて、一人で歩いた
 誰にも会わないように ひっそりと
 歩く獣の歩幅は広く]

 ……の、馬鹿

[ぽつりとつぶやく]

( 7 ) 2017/05/04(木) 19:33:39

仕立て屋 エルナ

 なんのために一緒にいたの
 願いも祈りも 最初から
 ずっとそばにあったっていうのに……!

[はさみを両手で握り崩れ落ちる 
 すがりつく 動かない椅子に
 決して許しなど乞わない 祈るためでもない
 ただ悼むため

 頬から零れ落ちる涙はどこにも染みていかない

 体もない心から魂すら抜けていくような
 こんな気持ちを

 遅れてやっとすくい、重ねながら
 光る刃を握りしめていた

 人と獣の境目を失くしたのは、ほんのつかの間]

( 8 ) 2017/05/04(木) 19:38:50

仕立て屋 エルナ

[誰の名を挙げることなく 誰の顔も思い浮かべながら


 言葉にするのは自分の名**]

( 9 ) 2017/05/04(木) 19:40:10

司書 クララ

[人と狼の境界を見失って。
取り返しがつかない現実が受け入れがたくて。
人の為に獣を殺していいなら逆も然りと気づいてしまって。

わたしの常識はすっかり力を欠いた。

転がるナイフを見つめた時、もうみんな死んでしまうしかないのではと思ったことを否定できないけれど。

同じ檻の中に孤立しなければ。
――それを嘆くのは今ではない。

生きたいと望んだ。彼が彼女が命を落とした。生き延びたわたしは、見えない明日を目指さなきゃいけない]

( 10 ) 2017/05/04(木) 21:46:56

司書 クララ

[リーザが真実を求めて奔走し、賭けてくれたから。わたしも、わたし達の明日を望んでこの時を受け入れよう。

わたし達が探り合い選択したように
きっと彼らにもこの結末に至る思いがあった。

だから、もう祈りも迷いもせず
シモンにナイフの握りを差し出して
自分の選択の結果と静かな覚悟を見届ける]

( 11 ) 2017/05/04(木) 21:47:34

司書 クララ

 ――……。

[ニコラスの刃がシモンの胸を抉る。
たった数日のうちに重ねてきた赤が、彼の最期の息と共に零れてゆく。

掠れた声が途絶え、たった三つの鼓動が残る。
彼の最期を余すことなく受けたニコラス>>3の声がするまで、息を殺していたことさえ忘れていた]

 ……おやすみなさい、…。

[自ら死を願ったシモンと、亡き人々へ。

召されて後みんなが安らかであるように。
夜が明けて、良い朝を迎えられるように。

生者の一方的な思いを押し付けるような気がして、後の言葉は生と死の重さに塞がった胸の裡に消えていった]

( 12 ) 2017/05/04(木) 22:13:51

司書 クララ

 ニコラスさん…。

[呼吸を整える暫しの間。>>4
リーザとニコラスとを交互に見つめてから、そっとニコラスとシモンの傍に寄ろう。

彼の手がナイフを持ったままならば指に、そうでなければ力を無くしたシモンの肩に震える手を伸べて、じっと佇んでいた]

( 13 ) 2017/05/04(木) 22:24:19

旅人 ニコラス

 あ……。

[クララの手が、ナイフを握った指に触れれば>>13
自らも、暫し言葉を失う。

だが、ようやくに息が落ち着けば、
ぽつぽつと声を振り絞るように。]

 シモンさんを……皆を、
 休ませてあげなきゃ……。

[そう言って、深々と彼を貫いたナイフを、
ゆっくりと引き抜いた。

常ならば、とても直視すら出来なかっただろうが。
今は、違う。
全てを受け止めなければと、決して目を逸らすことなく。]

( 14 ) 2017/05/04(木) 22:44:03

旅人 ニコラス

[やがて。
彼の体を包み込むような、魂の色を感じれば。]

 これで……終わったんですね。
 シモンさん……。

[そう呟いて。
一つ、息を吐いた。]

( 15 ) 2017/05/04(木) 22:44:16

旅人 ニコラス

[終わった。
果たして、何が終わったというのだろう。

この場でこれ以上の犠牲者は生まれないだろうが。
亡くなった命は、決して返っては来ない。
そして、背負った命も。

それでも。
まだ生きている限りは、全てを受け入れていくしかない。
そう、心に決めて。]

( 16 ) 2017/05/04(木) 22:44:29

旅人 ニコラス

 シモンさんの魂は、人狼のものでした。

[霊能者として。
クララとリーザに、真っ直ぐに伝える。
そうして、僅かにふらつきながらも、
手にしていたナイフを傍らへと置いた。]

 少し、手伝って貰えませんか。

[このまま談話室に寝かせておくのは、忍びない。
どうにか、寝台へと運びたかった。]

( 17 ) 2017/05/04(木) 22:44:42

旅人 ニコラス

[助力を請うても、
今この場にはクララとリーザしか居ない。

すっかり、少なくなってしまった……。
被害の大きさを、痛切に感じてしまう。

だが。それでも。
生き残ったからには、
東側への道が通じるまでは、
三人で協力しなくては――…と。]

( 18 ) 2017/05/04(木) 22:44:54

負傷兵 シモン

[――男の意識は、枯草色をしていた。
 積み重ねた死者の分だけ煮詰まった、獣の色>>3:3
 血潮と共に流れ出て、ニコラスの傍を一度くるりと回り、
 クララ>>13と入れ替わるように離れていく]

 ……そんな顔、するなよ。>>4
 前を見ろ、あんたなら大丈夫さ――

[形を無くした意識へと、最期に届いた言葉>>3
 ……それが聞ければ、十分だった。
 死の上に生きているのだと、思ってくれるだけで]

[生は遙か、見通せぬほど長い。
 己の選択を振り返り、生きる意味>>2をまた見出して
 望む場所へと至る時間は、きっと存分にあるだろう]*

( 19 ) 2017/05/04(木) 22:52:03

青年 ヨアヒム

 ……なる、ほど。
 何もかも、新鮮って感じ……でしょうか。

[彼>>4:+56は世界のその目で初めて知ったのだ。
 色も形も有り様も。
 それが死後であったのを、遅いと言えばいいのか、それでも幸いとすればいいのか、自分では判断することは出来ないが。
 笑って告げる過去については、一度瞬いた後に]

 ……言われてみれば?
 でも、ギャップがあって、いいんじゃないでしょうか。

[いつも陰気臭い面を、と日がな言われていた身からすれば、目つきの悪さぐらい何も問題なく思える。てらいなく伝えて、思い浮かんだ問いを投げた]

( 20 ) 2017/05/04(木) 23:04:34

青年 ヨアヒム

 見たいと思ったものは、見られましたか?

[何を望むか>>2:198>>2:209、既にそんな会話があったことは知らない。
 だけど、この人なら望みの一つや二つ叶ったって許される、そんな感情のままの問いだった。
 叶ったと聞けば、ほんの少し口端を上げて笑うだろう]*

( 21 ) 2017/05/04(木) 23:04:46

青年 ヨアヒム

[ジムゾンに誘われて向かった談話室。
 彼らの生死が決まる場所、片手にも満たない数であっても、その場には張り詰めたものがあるだろう、そう、思っていたので]

 ――――……

[ニコラスの穏やか>>92ながら決意を秘めた眼と言葉>>106であったり、それなのに自信なげな、ふわっとした表現>>119、それに堪えきれないといったように漏れるシモンの笑い声>>128であるとか。
 そんな場に表れた、室内であるのに赤い傘のリーザ>>135に、変てこな持ち方でナイフ二本を抱えるクララ>>140、と。そこまで並んでしまったなら]

 ……変なの、

[好ましいとか厭うとか、そんな次元でなく。
 非現実的な状況に、日常の穏やかさを混ぜ込んだら、こうなるのではないか、そんな感想を抱きながら、彼らを見る]

( 22 ) 2017/05/04(木) 23:05:06

青年 ヨアヒム

 だけど……よかった。

[多分、これでいいのだ。
 現実を見ていないが故の浮足立った空気ではない。
 それぞれが確かに今の状況を理解し、向き合って生まれたものなのだろう。

 だから、曖昧な感覚を律するようにして、全てを見守る。
 彼らの結論が一人に収束しても、ナイフを渡す様も、握ってその人の胸を貫く光景も]

[鳴かないカナリアの価値は示された。
 もう、涙は流れない]*

( 23 ) 2017/05/04(木) 23:06:31

司書 クララ

 ……そうですね。
 せめて、寝かせられるといいのだけど…。

[ニコラスがナイフを抜き取るのを見て、そっと息を吐いた。

殺意は確かな現実になりながらも、エルナの、カタリーネの、シモンの体を刺したのは自分ではなかった。それをかえって罪に思う。

手を汚した彼らの痛みと重さを忘れまいと思う]

( 24 ) 2017/05/04(木) 23:21:39

司書 クララ

 ……見え、たんですね。

[――霊能力。>>15
その目に映った答えを聞き、目を伏せて頷く。

終わった。晴れがましさの欠片もない感慨を胸におさめる]

 シーツで、担架を作りましょうか…。
 ソファに運んだ方が危なげないかな。

[それでも、止まない雨はないから。
流血なく叶わなかった共同生活のなか、精一杯の弔いをしながら、明日を待とう]

( 25 ) 2017/05/04(木) 23:23:37

仕立て屋 エルナ

 ――ジム兄は怒ると めっちゃくちゃ怖いのよ
   間違っても、十字を踏んずけたりしたら

   わき目も振らずに逃げんのよ!

[教会でまねごとの祈りをしていたのを思い出して、くすりと笑う
 そちらへやる視線に気づいたなら]

 あんただって泣かされちゃうかもよ?

[ヨアヒムに向かって>>+3:56
 そういたずらっぽく言ってやるのだ*]

( 26 ) 2017/05/05(金) 00:18:27

司祭 ジムゾン


 新鮮で戸惑いますね…えぇ。

[じぃっと彼の髪色を見つめて様子を見る>>20]

 ……あはは、そうですか。
 そう言われると…その…まぁ、いいです。
 ヨアヒムさんはお優しいですね?

[くつくつと笑っていれば
次に投げられた問いにきょとんとしてしまった>>21]

 ……ええ、とても美しいものが見れました。
 相手に言ったら否定されてしまうでしょうが。

( 27 ) 2017/05/05(金) 01:11:57

司祭 ジムゾン


 ……それに、貴方の事も見れてよかったです。

[いつものように目を閉じた後いつものように微笑んだ*]

( 28 ) 2017/05/05(金) 01:12:25

司祭 ジムゾン

[談話室では祈りすら必要ではなかったかもしれない
でも、祈ってしまったものはしかたない]

 ……信じていました。
 神を、みなさんを。

[生き残った彼らの、彼女らの頭を撫でるように手を添えた後
私はその場を後にして外に出る]

( 29 ) 2017/05/05(金) 01:13:51

司祭 ジムゾン

―外―

[天を見上げる]

 そろそろ、太陽は出ますかね?

 ……ええ、わかりますよ。
 私は太陽の人であり神に仕える者…それを意味する。
 ジムゾン、という名があるのですから。

 信じていましたよ。
 我が神は誓いなり光り輝く人々の勝利を。

 ……なんて、ね。

[悪戯っぽく笑えば濡れた地面へと座る
でも、自分が濡れることはない]

( 30 ) 2017/05/05(金) 01:17:29

司祭 ジムゾン


 ……いいお兄ちゃんに…司祭に、なれたかな。

[しばらく物思いにふければまた歩き出そうと
まだなんとなく空を見上げていた**]

( 31 ) 2017/05/05(金) 01:18:02

羊飼い カタリーネ

 生き物ってのはいつか死んじまうんだよ。
 けれど1人よりかは怖くない。
 こんな終わりかた、そうできやしない。
 私はラッキーさ。

[数日ぶりの日の出をみる。
隠れていたって、初めからちゃんとそこにあったのだから。]

 オオカミ達と比べたら長生きはしたほうさ。

[自分だけ生きていてもずるいしね、と笑う。]

( 32 ) 2017/05/05(金) 06:17:22

少女 リーザ

[
 わたしの選択が、まだ一つの命を奪った。
 この選択はわずかな一票にすぎないかもしれないが、それでも……『あなたの命を差し出せ』という意思を、相手に突きつける一票にほかならないのだ。

 ……この一票は、人の心に魔性を呼び起こす。
罪悪、恐怖、不安、後悔……その一方で熱狂、憤怒、安堵、歓喜…相反する感情が一票に込められ、あの忌まわしき投票箱に投じられる。
 箱の中は人狼騒動に巻き込まれた"ヒト"の清濁混じった情念の坩堝と化している。

 "ヒト"――人間と人狼。わたしは、人も狼も併せて"ヒト"と呼んでしまうことがある。人狼は敵。わたしからすべてを奪い、かような人にして人にあらぬような運命に巻き込んだ人狼ども。なのに……――
 生き残るために、ほかの誰かの命を奪う。
 そのことにおいては、人間と人狼との間には何の違いもない……]

( 33 ) 2017/05/05(金) 07:37:32

少女 リーザ

[
 直接手を下したのはニコラスだった。
 シモンは、わたしたちの決定に抵抗を示さなかった。
 ……あのとき言っていた『ただ、なんというかな……疲れた。少し。』>>4:56
 それは、やはり本心だったのか……。
 そう思ったのはすでに冷たい刃が彼の命を奪おうとしていた>>3なかで、わたしは自分の思いを言葉にすることはなかった。

 両の手をきつく、きつく握りしめている。そのことに気づくことなく。シモンの体が力を失い………やがて、息づかいを感じなくなり……動かなくなるまで。

 ニコラスが一言呟き、息を吐く>>15
 その意味に気付いたとき、わたしもようやく握りしめていた手に気が付き、深いため息をついて緊張と解いた。

 ……喜びはなかった、などと偽善めいたことを言うつもりはないが、まだこのときは、ほんのわずかな安堵がわたしの心を包んだくらいで。
 何度、人狼騒動を繰り返しても、それは変わらず。
 こうした感情があれば、ああ、わたしはまだ人間でいられているらしい、とも思わずにはいられない……。
 この安堵は、自分が人狼の憎しみに染まった復讐鬼と化したわけではない、と感じていられることへの安堵でもなのか……]

( 34 ) 2017/05/05(金) 07:42:16

少女 リーザ

[
 わたしは内心、深い、深いため息をつく。
 熱々の紅茶が、飲みたいの……。
]

( 35 ) 2017/05/05(金) 07:42:59

少女 リーザ

[
 じきに雨はあがり、ふさがってしまったという唯一の道が開通されるのも、そう遠くはないだろう。
 いまはひとまずこの――ニコラスとクララの――三人でどうにかしなければ。

 三人、か。
 あたりを見回す。いや、彼女ら、彼らも、まだここに留まっているのだろうか。
 はやく、はやく、安らかに。神の御許へ送られんことを。
 ……ああだけど。

 エルナ、カタリーネ。
 おねえちゃんたち。
 "リーザ"が…………いや、わたしだ。わたしなんだ。
 涙が、にじむ。
 でも、いいんだ。
 ありがとう。
 ほんの短い間だったけれど。ふたりはリーザのおねえちゃんだったよ。

 さようなら。

 わたしは涙を拭いた]

( 36 ) 2017/05/05(金) 07:44:10

少女 リーザ

[
『死にたくない……』
 
『お父さんとお母さんに、もう一度、会わなくちゃ』

 赤い傘とコイン。都へ行っている父から届いた贈り物。それらと一緒に手紙が添えられていた。

『これらを持って、宿屋で待っていてほしい。
 リーザ、すまない。私は、父さんは、ようやくリーザを、本当の君を受け入れる決心ができた。君が賢い子であることも。母さんを頼む。私はもうすぐ戻る』

 "リーザ"は、喜んだ。またお父さんとお母さんと三人で遊べるようになることを。
 でも……自分の娘を「悪魔の子」といい放った父、「お嬢さんはどこの子」と言った母に……まだ"リーザ"は心を許し切れていなかった。
 
 自分をまるで怪物のように扱う親。村の大人たちは人狼騒動で不安と疑心が渦巻いている。
 "リーザ"がニンゲンと狼さんをモチーフにした遊びに傾倒していたのは、彼女なりにそうした境遇や状況を飲み込もうとしていたからみたいだ。
 そしてあの影……わたしに『人狼を処せ』と命じる神の化身……あれに"リーザ"自分の父の影を重ねた。
 親の不在を埋めるため、幼き少女を自分だけの世界を築き、自分を囲んでいった。

 だけど、それも終わりにしよう。
 ね、リーザ

( 37 ) 2017/05/05(金) 09:01:22

仕立て屋 エルナ

― 外 ―

[戻る際にひとめぐり 傘をさす必要がないというのは楽であり
 衣服がぬれる心配がないというのもいいものだと

 散歩がわりにエルナふわりと浮いてみた
 昇らずとも見下ろせる 太陽の風景を楽しむために

 ここ数日の雨でどうなっているかはわからないが
 父が好き好んで通っていた葡萄園にも、花が咲いている頃だろうか
 黒々と実る房は、陽に透ければ紫色に見えた 大粒の、宝石のように

 咲きだすあの赤い花の名前はなんだったか
 リーザの傘を昨夜、改めて見た時 広げた様子を想像すれば
 薔薇とは違う名前がしっくりくる気がしたけれど 花には疎いのだ]

 信じてた、なんて らしくないじゃない?

[茶化すように言うのは独り言]

( 38 ) 2017/05/05(金) 12:48:52

仕立て屋 エルナ

 兄貴には あたしがなってもらったの
 それだけで最高に決まってるじゃない

[受け入れてくれたことこそ最初で かわりのない繋がり
 杖がもういらないというのなら
 いきなり飛びつこうとしたって大丈夫かな?

 そう思って真正面に降り立ち 兄に向かって走っていった]

( 39 ) 2017/05/05(金) 12:49:42

仕立て屋 エルナ

― カタリーネと ―

[何事もなかったように、再びカタリーネの隣に
 顔をのぞかせた太陽に “おはよう、ねぼすけ”と
 “おかえり”を口にして 手を振った]

 あたしは死んだらもっと楽になるのかと思ってたよ
 全部なくなる代わりに安らかに眠れるじゃないかってね
 それでも腹は減るし、悲しいし、寂しいなんて
 妙な経験ができたものよ

[でもそのおかげでまた友達に戻れたなら、幸運なのかな]

 あんたらしくあっさりしたものね

[ならばエルナも、少し短命だった人狼らしくいようかと
 赤ずきんを横目に 唇をつり上げた**]

( 40 ) 2017/05/05(金) 12:52:03

司祭 ジムゾン

―外―

[聞こえた声>>38
見つめれば目にはその姿が映る]

 ……おや。

[聞かれてるとは思わなかったと頬を掻いて]

 それなら、よかったですよ。
 おいで、エルナ。

[走ってくる彼女を両腕を広げて待った
受け止めたら仕返しに頭を撫でておきましょう]

( 41 ) 2017/05/05(金) 14:07:14

司祭 ジムゾン


 貴方は案外真面目なんですよねぇ。
 名前の通り。

[ぽつりと呟いて]

 エルナはこれからどうする予定です?
 私はまだ決めていませんけれど。

[一応聞いたけれど誤魔化されてもいい
何処かに行けばそのままに]

 ……また、兄妹になれるといいですね。

[彼女を離した時にそんなことを言ってみた**]

( 42 ) 2017/05/05(金) 14:16:51

仕立て屋 エルナ

 ――ありがとう、ジム兄

[一度口にした言葉を、>>3:+25
 今度は注意しなければ聞きもらすほどの声で

 黒い太陽へと飛んでいった
 背中に両腕を回して なでられたなら黒い頭を強く押しつける
 尻尾の代わりのように後ろ髪をちらりちらりと揺らして]

( 43 ) 2017/05/05(金) 15:59:39

仕立て屋 エルナ

 ワシでもいいけどね 強くてかっこいいじゃない 獣だし

[もう一つの由来
 かぎ爪に見立てはさみをくるりと回す 金色の目もないけれど
 カナリアが持つような美しい翼も持たないけど 空は飛べる]

 とりあえずリーネのところに戻るわね
 兄弟だもの いつかまた会えるに決まってるわ

[それがどんな場所でも 別れの言葉は口にせず
 また感謝を伝えようか
 引き留められなければそのまま、跡は濁さず飛んでいくつもりで**]

( 44 ) 2017/05/05(金) 16:02:31

少女 リーザ

ただいまだけどまだ鳩なの。

今回はたまたまRP村が立ってるの見つけて、それがお気に入りのBBSの設定だったから参加したのー!
ドキドキ不安もあったけど参加してよかった!

村建てさん、ほんとうにありがとう!
こんなふうでいいのかな…怒られないかな…ご迷惑かけてないかな…って内心思って……たけど自重はしなかったのw
どうせ素人ならいっそ全力出すのが礼儀かな、って。でもハラハラさせていたならごめんなさい。
でもでも、この村がRP村デビューで本当によかった!

なお、これは締めのあいさつじゃないのw

( 45 ) 2017/05/05(金) 20:57:37

羊飼い カタリーネ

 いーだ。

[思い思いの生者の声は、ちゃんと聞こえている。
悼む必要だなんて、ないのにさ。
飛べぬなら風に乗って行けばいい。]

 私はもう満足なのさ。
 どうだい? 羨ましいだろうよ。
 もう誰も、私を止められやしない。

[にやりと不敵に笑うのだった。]

( 46 ) 2017/05/05(金) 23:54:53

司祭 ジムゾン

[聞こえたか聞こえてないのか>>43
くすりと笑いを漏らして]

 甘えん坊なワシさんですね?
 でも、力強く羽ばたくのを私は望みます。

[最後にまた頭を撫でて]

 カタリーネさんとまた友達に戻れましたか?
 そうであればいいと思います。

 それでは、また会いましょう。

[別れの言葉ではなく再会の約束の言葉
彼女へ送り手を振って見送った*]

( 47 ) 2017/05/06(土) 00:47:56

司祭 ジムゾン

―→自宅へ―

 こんな感じだったんですねぇ。

[そうして足を進めたのは改めて見る自分の家
やっぱり新鮮で思わず探検に近いことをしてしまう]

 ……私の部屋だけですねぇ。

[いつも鍵をしている部屋へ入ってのんびりと寝台に座る
父と母の部屋とは逆に物がほとんどない部屋]

 ……からっぽだ。

[寝台に寝転がって燃えてしまわないかと願った**]

( 48 ) 2017/05/06(土) 00:48:36

司書 クララ

[明くる朝に晴天を見ることになったのは、偶然か必然か。
孤立による騒動を予想した、というにしても迅速に救助の手が差し向けられ、数日で再び道が開かれることとなりました。

"人狼が出た"と知らせがいっていたと聞いた時は、ずいぶん驚いたものです。>>#0

悲鳴を上げる女将さんや、青ざめた救助隊――特に、村長の心痛もまた深いことでしょう。対策はもう一歩のところで裏目に出て、こんなにも犠牲を出してしまいました。

ニコラスさんの力やリーザの存在がなければ、わたしは事の経緯を説明できなかったでしょう。

雨音が途絶え、眩しい光が薄闇と赤以外の色を鮮やかに照らし出した途端、糸が切れたみたいになっていましたから]

( 49 ) 2017/05/06(土) 10:42:02

司書 クララ

[わたしはといえば、近頃ようやく現実を物語のように他人事に感じたり朦朧としたりすることが減り、手が震えて書き損じる回数も前と変わりなくなってきました。

都に知らせをやる村長に拙い証言の代わりに日記を差し出して、突然の騒動で家族や友人知人を失った人々の感情を受け止める日々。

金鉱の村は人狼騒動の余波に揺れながら
少しずつ少しずつ、日常へと返っていきます。
事故や流行り病の悲しみを乗り越えるのと同じように。

あの切迫した数日。
静まり返った部屋を、流れた血を決して忘れません。
けれど、足をすくませるのはもうやめて、懸命に生きていこうと思います]

( 50 ) 2017/05/06(土) 10:43:23

司書 クララ

[わたしは、多くを語る言葉を持ちません。
下手な言葉で表すより沈黙が伝えるものが大きいことがあると思うのです。

二度と訊ねられない問いがあり、
人狼だったエルナさん、シモンさんがどんな存在で何を思っていたかもそのうちの一つ。空白は空白のまま、記しておきたい。

生きたくて誰かの死を願ったのを"おおかみたいじ"の物語にしたくはありません。喰らわれた命を無駄にしたくもありません。

これからどうしようかを考えています。
わたしには不思議な力も明晰な頭脳もないけれど、せめてこんなことを繰り返さない為の一助になりたくて。

都からの返事を、今日も待っています。

某月某日、クララ・ベルクの日記より]

( 51 ) 2017/05/06(土) 10:44:18

司書 クララ

―墓地―

[籠の金の鳥が歌う。
風に揺れる髪を押さえながら、空を見上げた]

 ――晴れてますね。青い青い空。

[騒動で命を落とした六人、幾人が此処に眠っているだろう。今日訪れたのは、まだ新しい兄弟の墓。それぞれに花を供える]

 不幸が起きても、やっぱり故郷は故郷ですね…。
 なかなか、離れがたくて。

 でも、行こうと思います。人狼のこと、騒動を防ぐ術、少しでも知りたいから。

[眩しい太陽は、雨上がりの光に似て。
生命の鮮やかさをありありと感じさせる。
もう眼差しも言葉も交わせないのが不思議なくらいに]

( 52 ) 2017/05/06(土) 10:45:05

司書 クララ

 ね、ヨアヒムさん。

 パウルさんったら、やれ声が小さいの覇気がないの言いながら、あいつは生命をよく見てるって漏らしてたんですよ。

[きょうだいのないクララには、眩しい人を兄とする気持ちも、その光で出来る陰がどんな色をしているかも分からない]

 ……わたし、ずっと羨ましかったんだわ。

[彼の話す弟に、親しみと敬意を感じていたから
行き場のない悲しみと嫉妬と――失望を。
もてあまし続けていたのだろう。ついぞヨアヒムと語らう機会を失ってしまうまで]

( 53 ) 2017/05/06(土) 10:46:07

司書 クララ

 きっと、連れて行かない方がこの子の為にはいいんでしょうが……。
 村に帰ってくるのが、すぐかずっと後かも分からないから、一緒に行きます。

[村と彼らの思い出を囀ずる唯一の縁。
鈴のような鳴き声が相槌を打つ]

 ……ありがとうございました。
 あなたにとって、土が重いものでありませんように。

[カナリアを譲ってくれたこと。
ゲルトを見つけた朝のこと。手当してくれたこと。
遺された血塗れたナイフの重さ――。

彼の陰は優しい土の色も帯びていて、なのに、どうしてあの日兄の死をあんな風に言ったのか。
それを知る機会は二度と訪れない。

それ故に、金の鳥と、彼への悔恨だけが手元に残っていた]

( 54 ) 2017/05/06(土) 10:47:04

司書 クララ

[やがて著される人狼に関する研究書。
金鉱の村の騒動に端を発するそれは、いずれひっそりと村の本棚に納められるだろう。

その背表紙には、囀ずるカナリアが箔押されている**]

( 55 ) 2017/05/06(土) 10:47:40

負傷兵 シモン

― 談話室 ―

[狼とも人とも付かぬ魂は、霊と化したことにより
 更にその境界を失った。杖無しに進む姿は四つ足のもの。
 けれど人影を見遣る度にふと、男の姿に転じている]

[話したい相手はいた。
 問いたいこともあった。
 けれど、死した今自ら探すとなると――どんな顔を、
 すればよいかも分からない]

[ヨアヒム>>23がまだ、談話室にいたならば
 その隣に座り込み、しかし声は掛けられないまま
 じっと、生きる人々>>17>>24>>36を見ていた]

( 56 ) 2017/05/06(土) 13:06:14

負傷兵 シモン

[未練も望みも――男が尋ねて良いことではないだろう。
 ヨアヒムを生者の世界から切り離したのは男だし
 男に言いたい言葉が、恨みが向けられることを望むのは
 それ自体が逃げであるような気が、していた]


[彼らがきちんと葬られるよう、内心で願い
 葬送>>52が為されるまで、見届けるつもりでいる]*

( 57 ) 2017/05/06(土) 13:11:55

旅人 ニコラス

[翌朝。
雨は、晴れた。
彼の予言通りに。>>4:87

だからといって、心まで晴れはしないが。
それでも、騒動は終わったのだ。]

( 58 ) 2017/05/06(土) 13:12:54

旅人 ニコラス

[道が復旧してからは、大騒ぎだった。
説明をする上で、己の素性は否が応でも
明かさずにはいられなかった。

不審がられるだろうかとも思ったが。
村長は何も言わずに聞いていた。
……案外。知っていたのかもしれない。
村長は、先代の司祭とも懇意だったはずだ。

見守る視線にどこか暖かみを感じもしたが。
ともあれ、報告は何とか終わらせた。]

( 59 ) 2017/05/06(土) 13:13:06

旅人 ニコラス

[男は司書のように日々の生活に追われることも、
人間関係のしがらみすらもなかったから、
数日を新たな宿で過ごした後は、すぐ
旅支度を始めていた。

己が霊能者であると広まる前に、
姿を隠してしまいたかったのだ。

村長と、そしてクララとリーザには旅立つことを告げて。
まだ薄靄のかかる早朝に、静かに宿を出た。]

( 60 ) 2017/05/06(土) 13:13:23

旅人 ニコラス

[一人の旅など、慣れているはずなのに。
どこか名残惜しいと感じてしまう自分に気付けば、
つい苦笑いが零れた。

郷愁の念など、無縁と思っていたのに。
否、この村に戻ってきたことからして、
僅かながら意識していたのかもしれないが。

また、戻ってこよう。
こんな風に思うことになるなど、
予想だにしていなかった。]

( 61 ) 2017/05/06(土) 13:13:35

旅人 ニコラス

[荷物を背負い。
冷たい早朝の空気から肌を守るように、
帽子を目深に被る。

大丈夫。
寂しいなんて思う必要はない。
足を鈍らせそうになる感情を落ち着かせるように、
そう、自らに言い聞かせる。]

( 62 ) 2017/05/06(土) 13:13:48

旅人 ニコラス

[金鉱の村で過ごした、ほんの僅かな日々。
大事な人も出来た。
そして、大事な人を亡くしてしまった。

それでも、霊能者たる己は、
彼等の魂を身近に感じることが出来るから。
見守ってくれている、暖かな存在に、励まされるように。

別れは言わない。
またいつか、逢えることを願って。

今生での再会かはわからねど、
縁があれば、きっと、巡り会える。そう信じて。]

( 63 ) 2017/05/06(土) 13:14:01

旅人 ニコラス


    ”いってきます”

( 64 ) 2017/05/06(土) 13:14:39

司祭 ジムゾン

[しばらくしてちりちりと肌が焼ける感じがした

家が燃えているとわかったのは数秒後

ぼうっとその光景を見つめるだけ

誰が燃やしたのか
それとも神が燃やしたのか

ただその場に立ち尽くし天を見上げ
手を組み目を閉じる]

( 65 ) 2017/05/06(土) 14:22:00

司祭 ジムゾン


[燃え尽きた時に残ったのは
煤に汚れて真っ黒になった十字架だけだったとかそうでないとか**]

( 66 ) 2017/05/06(土) 14:22:36

少女 リーザ

[
 晴天の下。
 わたしは例の赤い傘を片方の腕にぶらさげ――子供が自分のお気に入りを持ち歩いていると見れば、晴れていて傘を持っていてもおかしくは、ないはず――、もう片方の手のひらにはあのコイン――まあ父の手紙によれば、これは宿屋で使ってしまってもよいものだったようだが――を握りしめている。

 父は、来るだろうか……。

 母は、この騒動の直前に東側に脱出していた。
 ディーターが手引きしてくれていたのだ。
 村人からは、ならず者呼ばわりされて敬遠されているふしもある彼だが、レムスとの間に何かしら絆のようなものを感じてくれているようではある。義の男なのだ。
]

( 67 ) 2017/05/06(土) 14:59:33

少女 リーザ

[ 
 この騒動でずいぶんと精悍さを身につけたように見えたニコラス。彼は旅人の名にふさわしく、事の始末を終えると挨拶もそこそこにこの村を発って行った。
 その姿には、以前の女性的なそれとはまた違った美しさがあったように思う。

 クララはニコラスと同じく騒動の収束に務める一方で、司書らしく多くの事柄を熱心に書き留めていたようだ。騒動の渦中ではただただ翻弄されるがままだった、と後悔っぽいことを言ったりもした彼女だけれど、その瞳は、今、前を向いているはずだ。彼女の記述が、この人狼騒動とかいうふざけた運命に、新たな可能性の目を投じることとなるのを願うばかり。
]

( 68 ) 2017/05/06(土) 15:00:09

少女 リーザ

[
 あらためて傘の赤さに目を向ける。

 お父さん、お母さん。

――"わたしは"、リーザ・フォルトゥナ・ガルスドルフとして、父マルス、母レアの一人娘としての生を『再び』受けることになった。

 わたしは前世の記憶を持ったまま。
 体と頭脳は赤子の状態のため、わたしがその記憶を生かすには物心がつくまでの成長を必要とする。だが、物心ついてからも、もちろん、その記憶と、それに基づく成人並みの知性をひけらかすわけにはいかない。
 その要領は心得ているつもりだった。

 だが、母は、今回の母親にはそれが通用しなかった。
 彼女は体がやや丈夫ではなかったが、それを補うかのように鋭い直感力を備えていた。
 母は、理屈ではなく勘で、自分の娘の中に赤子のそれとは違う霊(たましい)が宿っていることに薄々と気づいていたようだった。
]

( 69 ) 2017/05/06(土) 15:02:34

少女 リーザ

[
 母はわたしにそれを悟らせないようにしながら父と相談し、ひそかに二人でわたしの様子を観察していた。

 そして、わたしが4歳ごろのこと。
 父が出かけて母も寝室で休んでいる……と思い込んで、こっそりと、父のもとに届く村の状況、金鉱に関する諸情報や、都からもたらされる電報などに目を通し、人狼騒動の芽があちこちにあることなどを把握していたところ。

『本当に……本当にこんなことが……』
 と絶句したまま半開きの扉の向こうで立ち尽くす父の姿が、そこにあった。

 …………しまった、と内心思うが、下手に取り乱してはおかしいと思い、平然として『なあに、お父さん?』と声をかけるが、無駄だった。
 
 父はすでに用意していた縄と布でわたしを縛り、口をふさぎ、さらに柱に縛りつけて身動きを封じた。
]

( 70 ) 2017/05/06(土) 15:03:58

少女 リーザ

[
 わたしは泣き叫ぶが、父と母は取り乱してわたしのほうをまともに見ようとしない。

 今は知っている。父はこのところ、自分が管理監督をしている金鉱での生産量が落ちていることや、その上、事故が相次いでいたりで心労をずいぶんと抱えていた。
 西の金鉱は全面的に閉鎖に、拠点は東に移すという案もすでに賛成多数になっていたようだ。

 なにより、父はパウルという男を、自らの過ちが原因で死なせてしまったと苦悩していたようだ。客観的にはそんなことはないと言えるのだが、父は最後までそう思っていた。

 ――そうか、ヨアヒム。
 彼には、パウルの面影があるのだ。
 パウルの顔を少ししか見る機会がなくて今まで気づかなかったが。なるほど、表面的な印象は真逆のようではあるが、もっと根本的なところで共通点を感じもする。
]

( 71 ) 2017/05/06(土) 15:05:57

少女 リーザ

[
 母は悲痛に叫んでいた。わたしたちの子はどこ!? と。だが、父は少し違った。

『だが……この子は私たちの子だ。私たちでなんとか……教会……? いかんレア! ダメだダメだ! これは教会に見せてはいけない……悪魔の子と断じて処刑することさえ彼らはやりかねない……隠さなければ……リーザを人の目になるべくふれないようにしなければ……』>>1:52

 果たして教会がそのような行動に出たかはわからない。
 すくなくともこの村でそんなことが起こるとは思えないが、たしかに都などにまで話がいけば、さもありなん、と言える。

 わたしたち一家は、それまでの暮らしをすてて西のはずれに移り住んだ。
]

( 72 ) 2017/05/06(土) 15:08:02

少女 リーザ

[
 以後、母はますます体を弱らせ、心のほうも病んでいった。わたしのことを自分の娘と認識しないこともたびたびあった。

 父は、なるべくわたしを自分の娘――異常な知性を持つだけの――として接しようとしたが、その後も金鉱での仕事がうまくいかないことからか、だんだんとわたしを避けるようになっていった。

 わたしは――わたしも追い詰められていた。
 そして、わたしは霊を分かつことを決めた。>>3:38

 そうして年相応の"リーザ"が誕生したが、時すでに遅し。父はこの村での稼ぎをあきらめて都へ発つことに決めていた。本心は、わたしからも、心を壊した妻からも、離れたかったのではないか……"リーザ"が読んだ手紙>>37の内容がわたしの記憶に流れ込むまでは、そう思っていた。
]

( 73 ) 2017/05/06(土) 15:12:01

少女 リーザ

[
 今、わたしは父を待っている。
 幼子の"リーザ"ではなく、リーザ・フォルトゥナ・ガルスドルフとして。
 あの惨劇の舞台となった、宿屋の前で。

 やがて。
 父は来た。
 ぬっと伸びる影でなく、一人の人間として。
 わたしの記憶よりもずいぶんとやつれてしまった気もするけれど。
]

「リーザ」

[わたしの手にした傘を見て、それからぽつりと、わたしの名を呼ぶ]

 …………はい。
 お父さん。

( 74 ) 2017/05/06(土) 15:12:57

少女 リーザ

[
 自分自身として、父である彼と向き合う。
 ふらふらと近づいてくる彼に、こちらから全力で飛び込む。
 
 リーザ。
 リーザ・フォルトゥナ・ガルスドルフ。
 わたしはあなたとあなたの家族を壊してしまったかもしれないけれど。
 でも、生きるよ、リーザとして。
 それが生きているものの義務なのだろうから。

 神よ。父よ。
 わたしの運命が罰なのだろうと呪いなのだろうと構わない。
 人狼騒動が人々をもてあそぶ神と悪魔のゲームなのだろうと、知ったことか。

 わたしは生きて、また一つの命を、わたしの運命に積み上げる。
]

( 75 ) 2017/05/06(土) 15:13:43

仕立て屋 エルナ

[勝気な赤ずきんの隣で声をもらし
 息を吐く

 鍵も閉めずに出てきた家を思う
 言わずとも、この村でなにがあったかは
 大まかにでも伝わることだろう
 都までまた一つの噂にでもなるか

 それからどうなっていくかは
 残る者たちの足跡をたどれば見ることはできるけども]

( 76 ) 2017/05/06(土) 17:55:09

仕立て屋 エルナ

 親不孝な娘で残念ね
 ……別に肯定も否定もほしいわけじゃないけどさ
 守れない悔しさってのはようくわかったつもりよ

[怒るか泣くか、笑うのか、それとも無か
 どんな表情でもいいけれど、会えたなら笑顔のままいようか
 色んな笑顔を持つ兄のようにはなれないけど]

 もうちょっと色々聞いとけばよかったね
 だけど、そばにいられたんだからそれでいいわ

( 77 ) 2017/05/06(土) 17:56:12

仕立て屋 エルナ

[獣らしくふるまい、悪びれる様子もなく口端をつり上げる父
 ――実の娘を食おうとしたくらいだ
 エルナが死んだところで狩りをやめることはないだろう

 どんなことがあっても獣であり続けるのであれば
 ――人である面を、隠し通したいというなら
 遅かれ早かれ、縄にかかることがあるだろうが
 手向けの言葉もない方が彼にとっては救いなのかもしれない

 その時に、エルナでない別の誰かが彼を変えるきっかけを
 少々手荒にでも与えてくれたなら
 見える未来も変わるのかもしれない]

( 78 ) 2017/05/06(土) 17:57:21

仕立て屋 エルナ

[思考はそこまでで、どこまでも続く空を見上げ
 そういえば、見慣れない色の傘もあったなと思い出す

 この宿には他に重なる色はない
 あえて避けていたのか、たまたまだったかはわからないが
 その人物は自分の色が好きではなかったのだろうか、と思いもする
 
 なにか伝えられることはなかったか
 そう考えても答えは出ない
 自分の一部を受け入れなかったエルナは思いを重ねるだけだ]

 でも、あんたの色は好きだった うらやましかったよ

[人で生まれていたなら、こうありたいと願った髪を思い出す]

( 79 ) 2017/05/06(土) 17:59:18

仕立て屋 エルナ

[本は好きではなかったけれど 彼女の書くものなら読んでみたい
 周りをよく見ていた彼女だからきっと
 的確に事実をありのままに 繊細に
 それでいて想像力をかきたてる物語をつづってくれるだろう
 その方が、自己が語るよりもよほどいい


 それを読みふけりながら、高い木の上で出入りする人を見送るのもいい
 悲しみに浸るわけでもなく、文字を目ですべらすだけでなく
 本のおもしろさを今度は存分に楽しみながら

 高い場所で、希望の言葉を口にしてみるのも いいのかもしれない]

( 80 ) 2017/05/06(土) 18:06:22

仕立て屋 エルナ

[隣にいられなかった少女を思い浮かべ、やわらかく笑んで
 転ばないようにと、声をかけられることもないだろうが
 赤い傘を持つなと言うこともない
 ただ、手のひらのコインの重みと、命の価値が
 いかほどかと考えるだけだ
 狼が好きと言い、狼を追いつめようとしていた少女
 彼女にしか持てない世界と価値を持てると信じて


 名前もなく、妹と呼べる顔を思い浮かべるだけ
 決してこちらを振り返らないように**]

( 81 ) 2017/05/06(土) 18:07:00

青年 ヨアヒム

[司祭の注いだ視線の先で、銅に似た茶色の髪が揺れる。
 ささやかに首を傾いだ時のもの]

 率直な感想、ですから。
 ……ははっ うん、気を付けますね。

[優しいなんて評価はしっくり来ないが、彼がくつくつと、どこか楽しげに笑うのだから、きっと冗談の一つなのだろう。
 否定する野暮はせず、いたずらっぽくかけられたエルナ>>26の有り難い助言にこくりと頷いた。それから、ジムゾンの告げた答え>>27にそっと目を細める]

 だったら、よかったです。

[見覚えのある常の笑みに安堵したように、声を紡いだ]*

( 82 ) 2017/05/06(土) 18:30:28

青年 ヨアヒム

[瞬きの度に曖昧に溶けていきそうになる意識を、それでも未だ手放してなるものかと、残された彼らを見守る為に必死に繋ぎ止める。

 ふらつく体をおし、息を吐き、涙を拭く。
 その場に立ち止まることなく、進む意思を示す姿を見つめていた。
 隣に、一人>>57増えた後も変わらずに]

( 83 ) 2017/05/06(土) 19:22:09

青年 ヨアヒム

[口を開いたのは、しばらく過ぎてからだ。
 少なくとも談話室から寝台に彼が運ばれた後のこと]

 なんで、って聞かない方がいいかなって思ってます。
 きっと、今聞いても仕方ない、というか、どうしようもないので。

[それは騒動の起こりか、殺されたこと、殺したこと、隣に座った理由>>56、様々な意味を含みながら敢えてぼかした、独り言めいた響きだった。
 何も答えなくてもいい、答えてもいい、それすら委ねた呟き。
 だが、かつてのように感情を閉ざしたが故の無関心でもなかった]

( 84 ) 2017/05/06(土) 19:22:18

青年 ヨアヒム

 自分がずっと、気付かなかったこと。
 今だったら分かるんです。
 多分……死なないと、分からなかったんじゃないかって。

 ……何をか、ってのは、内緒ですけども。

[唇に人差し指を当て、冗談っぽく。
 僅かに肩が揺れる、それに伴って銅色も揺れる。笑っている]

( 85 ) 2017/05/06(土) 19:22:43

青年 ヨアヒム

 シモンさんは。
 何か、見つけましたか。分かりましたか。

[呟きは問いに変わる。明確に答えを求めたのはこの部分のみ。
 無論、返事が無言であろうと問い質すような真似はせずに、けれど、未練も望み>>57もまた、一言たりと口にすることはなかった]

[終わりにも価値があったと、司祭の言葉でも知ったから。
 だから、彼にも問うてみたかったのだ]*

( 86 ) 2017/05/06(土) 19:25:25

仕立て屋 エルナ

― 外 ―


[ふわりと飛んだ先にあるにおいに 鼻をかき
 その方角へと目を向ける]

 やなにおいね

[顔をしかめ、体を震わせる
 追い立てるような炎の揺れ>>65
 舞い落ちる煤を手で払い

 あおられる恐怖は逆に獣を駆り立てる
 人ならず声でうなり、無表情のまま土を踏みしめ

 黒ずんでいく家を見ていた**]

( 87 ) 2017/05/06(土) 20:07:06

負傷兵 シモン

[暫くの後に、ヨアヒムが口を開いた>>84
 黒檀の瞳が、傍にある赤銅色をちらりと窺って
 ついと斜めに逸れていく]

[ヨアヒムは“何が”とは口にしなかったけれど、いずれにせよ
 皆最早語っても詮のないことだ。男から口に出来る事など
 それこそ、ヨアヒムが聞いた所でどうしようもないものばかり。
 その事で彼が無関心だなどと、思いはしない]

[……だからこそ、続く言葉>>85には思わず振り返り
 撓む唇を、当てられる指先を、真っ直ぐに見つめていた]


[一拍、二拍。
 釣られたように男が笑みを見せるまでは――三拍]

( 88 ) 2017/05/07(日) 00:02:20

負傷兵 シモン

[死ななければ分からなかったと、そこに思う事はあれど
 ヨアヒムの様子を見てしまえば、言えることなど単純で]

 ……いい顔をしてる。

[こうして雨が降るまで、話す機会も殆ど無かったけれども
 冗談めかして揺れる赤銅は、陽の気配を宿して明るく
 三人で話していた時の様子から、随分と変わっている]

[故に、子細が内緒であろうとも、口調に迷いはなかった]

( 89 ) 2017/05/07(日) 00:02:51

負傷兵 シモン

[続き、明確にこちらへと向けられた問い>>86
 良かったと、穏やかに呟いた男は再び前を向いたけれども
 視線が逸れた理由は、決して先と同じではなく
 ――前に、そして外に、意識の向く先があったから]

 俺は……そうだな。
 良かったと――そう思えたことが、あって

 ……だからこそ。
 最期に、会っとかなきゃならないんだろうな

[目の前で死した彼女に。
 声を交わすことしか、出来なかった彼女に]


[回答は半ば独り言めいていたけれど、きっと
 ヨアヒムへ向ける言葉という形を得ていなければ
 どうするべきか、思い定められもしなかっただろう]

( 90 ) 2017/05/07(日) 00:03:33

負傷兵 シモン

[――時折ふらつく身体>>83が、同じ道を行こうとすれば
 今度ははっきりと、人の形をした手を差し伸べながら
 残された彼らの傍を歩んでいく]


[そうして――少なくとも、彼らだけで出来る葬送の儀が
 皆終わる頃には、言葉もなしに、男はふらりと外へ出た。
 別れ際、ヨアヒムに一度ひらりと手を振って]*

( 91 ) 2017/05/07(日) 00:03:53

青年 ヨアヒム

― 墓地 ―

[空は高く、青く澄んで、鳥は翼を広げて舞う。
 陽光は分け隔てなく地に降り注ぎ、
 Kleeの姓が刻まれた墓石もまた、同様だった。

 輪郭は曖昧ながら残された魂が、ふわりと墓石に凭れ掛かる。
 ひとり、ではなかった。
 再会に感動はなく、ただ自然と隣り合わせになって、やがて口を開く]

( 92 ) 2017/05/07(日) 00:07:52

青年 ヨアヒム

 僕、兄さんのこと嫌いだった。
 憎いんじゃない、仕方ないんだ、って諦めてたなんて嘘。
 母さんから生まれた時に、良いところは全部兄さんが奪っていって、
 だから僕には何にも残らなかったんだろうって。

 だからね、兄さんが死んだ時、悲しくなんてなかったし、
 あっけないもんだな、って、それぐらいしか考えなかった。

 ちょっと。清々したまでは思ってないってば。

[生前よりも流暢に、冗談にさえ軽く返して。
 過去に抱えていたものをつまびらかに明かしていく。
 緩んだ空気を互いに甘受した後、空を仰ぐ]

( 93 ) 2017/05/07(日) 00:08:19

青年 ヨアヒム

 でも、僕を外と繋げてくれたのも、兄さんだった。
 父さんは……うん、あんな状態だったし。
 思えば、外のことを知れたのは、殆ど兄さんの話からだった。

[村で起こったことを、兄は豊かに語った。
 今日もまたあいつとの勝負に勝った、でも最近手強くて>>2:147
 物静かでちっとも外に出ない子がいる、病弱らしいが>>0:10
 今の監督には世話になっている、だから大変でもやり甲斐はあるとか>>71

 どこかの赤頭巾の小柄をからかって、クルークでこっぴどくやられた話。
 そうだ、そんなのもあった。
 司祭様の眼光は案外鋭いんだ、なんて話題は、調子のいい嘘だとさっぱり取り合わなかったのも、そう、覚えている]

( 94 ) 2017/05/07(日) 00:08:58

青年 ヨアヒム

 悲しくないって、思い込まないと駄目だった。
 いなくなったって平気だって。

 本当は、そんな訳なかったのに。
 ……きらいなんかじゃなかった。

[気付いたんだ、と呟いて。
 ようやく向き合えた感情を伝えたなら、横から笑い声が聞こえた。
 ただ大きな手でぽんと頭を撫でられる。
 それだけで十分だった。それだけで]

( 95 ) 2017/05/07(日) 00:09:14

青年 ヨアヒム

[慣れ親しんだ、カナリアが歌う]

[兄は触れられぬ花を指先で撫でるように動かした。
 花>>52の香りは分からない。
 ただ風に揺れて、彩りの美しさだけを誇っている]

 兄さんの声がでかすぎるんだ、
 比較されるこっちの身にもなってよ。

[花を手向けた赤い髪の司書の言葉に肩を竦めた。
 軽口を叩きながら、自らの視線はうつくしいものを追う。
 咲く花よりもあざやかで、陽光よりもまばゆいものを。
 空にならざるを得なかった日に、胸に刻まれた赤く、円い、あの眼]

( 96 ) 2017/05/07(日) 00:09:49

青年 ヨアヒム

[深く愛されている籠の鳥。
 離れられない自分たちと違って、彼女の伴となれるカナリア。

 もう話すことはできない。
 もう伝えることはできない。

 抱える悔恨>>54も重みを知らない。
 知ったなら、確かにそれは自身の後悔ともなっただろう。
 同時に、彼女の心に残ることが出来た仄暗い喜びも、きっと]

( 97 ) 2017/05/07(日) 00:10:05

青年 ヨアヒム


 兄さんさ、好きだったんでしょう。

 ……あ、やっぱり言わなくていいよ。
 聞きたくない、今又改めて敵わないなとか思いたくないから。
 

( 98 ) 2017/05/07(日) 00:10:23

青年 ヨアヒム


 ――言わないでって言ったのに!

 兄さんのそういうとこは嫌いだ!**
 

( 99 ) 2017/05/07(日) 00:10:38

負傷兵 シモン

[もしも、リナの姿が男と同じ様に揺らいでいれば
 手掛かりは半分よりも減ってしまっていただろう。
 獣の姿はしていても、最早鼻が利く訳でもないし
 元より獣としてのリナを知りもしない]

[それでも何とか見つけられないかと、村中を見て回る]

[あの瞬間>>2:*34、どうしてだと零した。
 最期の言葉が抱くものが分からなかった>>3:*1
 ――けれど、今こうして彼女を探しているのは
 過ぎ去ったことについて知りたいからではなくて――]

( 100 ) 2017/05/07(日) 00:18:35

負傷兵 シモン


 ……すまない、

[最期の時まで、声だけしか交わすことができず
 己も結局は、生を他者へと譲ったけれども……
 消え去る時が来る前に、何とか形にした一言だけでも
 彼女の目を見て話したかった]*

( 101 ) 2017/05/07(日) 00:18:48

仕立て屋 エルナ

[ジムゾンの家の中に入っていけたなら

 残された十字架を
 彼へ捧げられる唯一の気持ちとして持っていこうかと思った

 しかしエルナはやはり獣だ 誰に許されようと
 忘れてはならない 自分がしたことを忘れたくはないから

 いつか“人”となって再会できる日を夢見るだけで
 その場を去って――一度だけ振り向いて 歩いて行った]

( 102 ) 2017/05/07(日) 00:48:50

仕立て屋 エルナ

[名前の鎖からは逃げられない 
 笑顔も涙も、見られなくても 代わりを見せてくれたあいつがいる
 形見のように、籠を抱きしめてくれる娘がいる
 ケンカに巻き込むようなことがあればこっちが怒られるだろうから
 それでよかった――そうでしょ? 大事な二人だもんね

 でも兄弟なんだから、たまにはケンカくらいしたら?

 なんて言ったのは、よけいなことだったろうか]

( 103 ) 2017/05/07(日) 00:49:33

仕立て屋 エルナ

[歩く速度は速く 地に足を踏みしめる様はよどみない
 乱れたのは、ずっと会えなかった人の姿を見たから>>100

 崩れ落ちそうになるのを必死でこらえて、彼の元へ
 声を聞かずとも誰なのか エルナにはわかる]

 ごめんなさい……!

[謝ったのはほぼ同時>>101 灰の目から涙がこぼれて
 懇願するように 鼻先に頬をすり寄せる

 自己犠牲の美学など押しつけるべきではなかった
 大切な者を守りたくても獣を貫くにはこれしか思い浮かばなかった

 そんなことを言ったところで、どうしようもない
 一緒にいられただけで、会えただけで、それ以上のものはないのだと伝えたかった*]

( 104 ) 2017/05/07(日) 00:50:37

負傷兵 シモン

[こちらへ駆け寄る姿>>104を見つけたとき、男の両眼は
 人の姿を取りながらも、灰の内にある黄金を宿した。
 ――片目は、変わらず布に覆われていたけれど]

[体温はなく、触感も薄れゆく身体ではあるが
 彼女を抱き留めることは出来る]

 ……謝らなきゃいけないのは、俺だ。

 もう少し――少しだけでも、何か出来たんじゃないか、と
 リナが死なずに済むように

[今際の際に届いた声は、こちらに向けたものであったと
 そう感じてはいたけれど、彼女自身は救いを求めて――
 叶ったのか、悔恨を残したのか、男には分からずに]

( 105 ) 2017/05/07(日) 02:09:12

負傷兵 シモン

[帰してやりたいと願った男は、リナの生に希望を見出し
 故に、“ひどいことをした”という言葉に囚われていた]

 ……考えても、分からなくてな、だから……

[すまない、と。
 再び繰り返せば、リナは教えてくれただろうか。
 あの選択が、男の事を生かそうとした結果であったと]


[――訳を知ったところで、もう一度“すまない”と
 繰り返すしかないのだけれど]

( 106 ) 2017/05/07(日) 02:09:35

負傷兵 シモン

[そうして、ぽつぽつと昔のことを語るだろう。
 十分な食事を摂る意味は、見失って久しく>>4:*2
 新たな望みも失ったこと>>3:*0

[生きてここを出る為、もたらすべき死の重さに
 少し、疲れてしまったこと]

 ……すまない。
 殺して生きる理由が――もう、分からなくなっていた。

[己が死んだ事自体に、悔恨はない。
 その事自体がきっと、リナの祈りからは外れているだろうから
 ただ謝ることしか出来ず、視線は下方を彷徨っている]

( 107 ) 2017/05/07(日) 02:10:00

負傷兵 シモン

 
[それでも――彼女が、死して尚行きたい所があるならば
 互いの胸中を語り合ったその後に、真っ直ぐ目を見て
 暖かく送り出してやりたいと、願う]*
 

( 108 ) 2017/05/07(日) 02:10:20

仕立て屋 エルナ

 なにもしてくれなくてよかった
 生きて 笑ってさえいてくれればそれでよかった
 ゲルトを食った時から 生きる理由なんてなくなってたの

[大切な者を傷つけた絶望を
 仲間を生かすことで希望に変えたかった
 それだけだ

 狼が一匹、死体となれば 仲間がいると気づかれなければ
 平和が訪れたと思い込んでくれるかもしれない
 本当の平和だってくるかもしれないと 夢想しただけ

 叶わないと、わかってもいたから
 もしそうなっても受け入れるつもりだった
 ただ、こんなにもつらいものかと
 死の理由を聞けば>>107
 なんて重たい願いだったのかと改めて思い知る]

( 109 ) 2017/05/07(日) 03:42:21

仕立て屋 エルナ

[涙でぬれる目を細め、黄金の瞳をしばし見つめる
 謝罪は一度きり ロートがさらに重ねようとも返すことなく
 頬をゆるめて笑った 大きな体に顔をすり寄せ
 一人笑う 体温はなくともあたたかな存在が愛しくてたまらない]

 ……でももういいんだ 希望はたくさんもらえたし
 獣でも、やっぱり人が好きだから
 みんなの声を聞けたから この村にいられてよかった
 この数日間がなかったとしたら、そっちの方が怖かったよ

 ロートは、なにか見つけられた? 希望

[もしそうであったなら、それを最後の祈りにしようと
 名残惜しむ様子は見せず、答えがあってもなくても
 体を離して、振ろうとした手を 覆われた彼の目元まで近づけて
 さよならの代わりに触れるふりだけ]

( 110 ) 2017/05/07(日) 03:49:44

仕立て屋 エルナ

 ――守ってくれてありがとう 大好きよ
   それだけはずっと変わらない

[小さなつぶやきが届かなくても
 獣として抱く希望があると伝えた後で 友の背を追いかけるために
 もう振り返らずに飛んでいく**]

( 111 ) 2017/05/07(日) 03:50:21

青年 ヨアヒム

[未来を選んだ生者たちに停滞はない。
 死者でさえも喪失の先に見出したものがある。

 友と手を取り合う者も、次の生に委ねる者も、
 家族と向き合う者も、旅立つ者も、学ぶ者も。
 生と死の分け隔てなく、それぞれが道を選ぶ]

( 112 ) 2017/05/07(日) 05:09:42

仕立て屋 エルナ

 お待たせ、リーネ

 行こ行こっ

[弾むように軽快な足取りは光へ向かう
 カタリーネに会わなければ、
 そのまま言葉を発したことにも気づかず

 友の姿だけその瞳に移して、笑顔で
 獣の魂は空へと昇っていくだろう**]

( 113 ) 2017/05/07(日) 05:09:50

青年 ヨアヒム

[金の小鳥の囀りに、かろうじて意識を繋ぎ止めた自らもまた。
 旅に出る勇気も無くて、次の生もまだ考えられなくて。
 積み上げてきた思い出が、今日も続く村の空気に日毎溶け行き、
 いずれ全て消え去るのだろうと知ってはいても。

 だが、大事なものだけは、最後まで手放したくはない]

( 114 ) 2017/05/07(日) 05:09:52

青年 ヨアヒム


 “いってらっしゃい”

[村を離れた彼らを見送り、例え届かずとも告げたこの言葉は、
 対がなければ、どうにも座りが悪いので]

( 115 ) 2017/05/07(日) 05:10:04

青年 ヨアヒム


 おかえりなさい、“   ”

[その日を夢見て、金鉱のカナリアは歌う]**
 

( 116 ) 2017/05/07(日) 05:10:52

負傷兵 シモン

[男の死から続く彼らの生に、希望があるように。
 それこそが最期に見出した男の望みであったけれど――
 リナが、この村にいられて良かったと>>110
 生きる理由はなくなっていたと零した彼女>>109
 希望をたくさん貰えたと告げたその時には]

[“ああ――良かった”と、心からの安堵を漏らした。
 片目へ延びる指先を、己の手で包みながら]

( 117 ) 2017/05/07(日) 06:55:35

負傷兵 シモン

[――そうして、愛おしい彼女>>111を送り出した後、
 男は語る声を失った。皆の埋葬>>52を見届けたなら、
 姿も次第に解けていく]


[蒼穹の下並ぶ、墓石の合間>>52
 旅立つ彼>>63が通る、門の傍らに
 来客を迎える>>75宿屋の内に
 空白を空白として語る、研究書>>55の書棚に
 ――彼らが行く未来の側に、枯草色の気配だけを残している]*

( 118 ) 2017/05/07(日) 06:58:35


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