情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[1]
[2]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
羊飼い カタリーネ に 4人が投票した。
負傷兵 シモン に 1人が投票した。
羊飼い カタリーネ は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、青年 ヨアヒム が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、旅人 ニコラス、負傷兵 シモン、少女 リーザ の 3 名。
[部屋へと戻れば、
疲れもあってか倒れ込むように眠りについた。
だが。
目覚めを向かえてくれたのは、
爽やかな朝の気配などではなく、
覚えのある透明な気配。
がばり。身を起こす。
感じる魂は、人狼のそれではなく、
紛れもない人間のもの。]
あぁ――…。
[やはり、彼女は人間だったのだ。
願望を信じた己の弱さを恨みつつ。
まだ、終わっていない。
人狼はまだ生きている。
そのことを皆に伝えなくてはと、
決意を抱き、部屋を出た。
新たなる惨劇には、未だ気付かずに――。**]
リーザ、ちゃん……。
だいじょうぶ? ねぇ、怪我はない…?
だいじょうぶ……?
[いずれのタイミングでリーザは戻っただろう。
見かけられたなら、血の気のない頬で膝をついて目を合わせよう。自分より幼い誰かを案じて心のバランスを取ろうとする、よくある反応だった]
[疲労は想像以上のものだった……が、少し考えれば当然のことだった。
食事はささやかなスープのみ。極限状況は続き、発育中の幼い体を雨のなか引きずり回し、精神はころころと入れ替わりを繰り返す。
持つわけがない。
夜露を凌げるところを見つけて休憩や仮眠を取る。親しんだ村の中のはずなのに、山奥の廃村にでも迷い混んだような錯覚を覚える。
どうにか宿にたどり着いたころには、雨雲の向こうには日が登ったのだろう、と感じられる程度には視界が明けてきたころだった]
―自室―
[休憩を、と各々解散した後、少しでも平和な習慣をなぞろうと、机上の日記を開く]
いろんな事がありすぎて…みんな、嘘みたい。
[ゲルトが無残な姿で発見されたこと。
エルナの衝撃的な告白。
爪牙に裂かれる事を受け入れたジムゾン。
終わらない騒動、赤く染まったカタリーネ――]
ごめんなさい、ごめんなさい……。
[生きたかった事。誰かを殺そうと思った事。
結局は、役に立てていない事。
何に対してか分からない謝罪を繰返し
言葉を綴るより多く涙を落とすうち、
いつしか気を失うように眠りに落ちていた]
[動物の命。
人のために奪うのを悪とは思わない。
彼らには彼らの絆があるのだと考えたくない。
こんな"わたし"にしかなれないなら、カナリアに生まれたらよかった。そうでなければ、籠の鳥があのひとならよかった。
鉱山での事故の一例。
そんな無機質な記録の一行になるくらいなら、いっそのこと。自分の弱さの事ばかり、考える]
[宿の玄関に近づく。リーネは、あのリーネは、あのままここに来たのだろうか。とすれば、この中が平穏無事であるはずがない。
最悪の事態を想定する。――すでに残っているのはわたしだけかもしれない、と。
沸き立つ感情は恐怖よりも悔しさ。
たった一手の間違いで、ここまで詰められてしまうなんて!
……いや、まだだ。本当に事態は最悪なのか。それを把握しなければ。
それにまず体力だ。今のままでは歩くことさえおぼつかない。
ふと、玄関脇の傘立てを見る。色とりどりの傘。
この国の傘の製造技術はずいぶんと高い。とりわけ"リーザ"のこの傘は]
お父さんとの約束の傘。
再開の印。
あの都のコインとともに。
――なぜ、あなたはあの人をお父さんとみとめてあげないの………。
[今はもうそんなことに思いを巡らせるときではない、と思いつつ、ああ、コインはエルナが持ったままだっけ、とふと思い。
エルナ。そうだ、あの部屋だ。
やるべきことに思い至った]
[……貧血めいて、一瞬視界が歪んだ。寝台へと膝を付く。
額を押さえた掌は、既に人のものへと戻っている。
飢えを凌げる程度に喰らって過ごしてきたが
獣としての膂力を振るえば、一息で消耗してしまう]
[裂いた袖も、残る傷痕も、神父の時と変わらないが
前腕だけでは到底足りず、“食事”は上腕へと及んだ。
寝台へと染みていく血液が、姿勢を変える度に
ぐじゅりと嫌な音を立てる]
[肉の隙間から覗く白いものを、破れた袖で隠したのは
次に来る誰かへ対する、せめてもの気遣いだったと
――そんなことを言えば、笑われてしまうだろうか]
― 夜明け ―
[血痕の増えた服は、ゲルトや神父に着せようとしていた
物置にあったものへと変えた。汚れた方は屑籠の奥へ。
体格が違うのだろう、袖が少々足りないのだが
その為だけに自宅へ戻る気にもなれない]
[時折袖口から覗く、新たな包帯と蚯蚓腫れ。
床にぽつぽつと、小さな血痕を残した傷は
今は包帯に覆われている]
……
[厨房で、沸き立つ湯を眺めている]
[淡々と、表情の失せたまま茶を入れた]
[誰かが談話室へ来たならば、そこでようやく
疲労の滲む顔に、気遣いを浮かべてみせたことだろう]**
[玄関先でクララ>>4を見た。
小走りにわたしに駆け寄ってきてかがみこみ、わたしと目線に合わせて話をしようとする。
だいじょうぶか、と。怪我はないか、と。
今のわたしの姿はあまりにあんまりなのだが、まずは体が無事なことが第一だろう。
一方で、クララのその様子が、やはりここが無事ではすまなかったに違いないことを知らせる]
クララおねえちゃんは…………大丈夫なの……?
[互いの身を案じる。見たところクララも怪我を負っているようには見えない。
そういう答えが返ってくるだろう。
彼女の目を見る。
今はもう昨夜のような、人狼を処刑しようと言っていたときのような、恐怖と憎しみが渦巻くがごとき濁りは見えない。
その目はきっと、弱弱しいわたしの姿に、弱者同士のささやかな安堵のようなものを見出しているんじゃないだろうか……。
だけど、今はまだそのときじゃない]
リーネおねえちゃんは……ここに来たの……? みんなは………ほかのみんなは大丈夫………なの………?
[わたしはクララの顔が曇るのを見るだろう]
[……クララが口にするリーネの最後>>3:149>>3:156に、どのような思いを抱いていいのかわからない。
かろうじてわかることは、彼女もまた、彼女だけの運命を抱えていたのだろう、ということだけだ。
ほかの誰とも共有できない、リーネだけの運命を。
あの青年……ヨアヒムがリーネを退けたのか……人は極限状況に追い込まれたとき、思いもよらぬ力を発揮する。それはリーネのほうもそうだったのだろうし、そこで繰り広げられた叫喚はどれほどのものだったろう。
神よ、父よ。せめてあなたの御許では、かの魂は安らかにあれ。
わたしはクララからひととおりの事情を聞き終えると]
おなかが……すいちゃった。
食べもの、探すね。
[そう言って、できるかぎりの元気をふりしぼって、厨房へと向かった。
腹が減っては戦はできぬ、とは遥か東方の国の格言だったか。
ああ、あとは熱く入れた紅茶が飲みたい……]
まだ、終わっていないんです。
カタリーネさんは、人狼ではない。
彼女は、普通の人間だったんだ。
[そこまで一息で告げれば、
ようやく、肩で息をする。]
僕は、霊能者だから。
死者の魂が見えるんだ……。
[普段は絶対に人に言わない言葉。
平時ならば、気が触れたとでも思われるのかもしれない。
でも。今は。
今だけは、言わなければいけない。]
まだ……
まだ、人 狼 は 生 き て い る。
[告げる声には疲労が滲み、決して大きな声ではないが。
男の双眸は強い光が灯っていた。**]
[紅茶を飲んだきり大したものを口に出来ていないから、呼吸が落ち着いたら自分も後を追うべきだろう。
けれど、しばらく足は止まったまま。
疑っていたカタリーネが死んだのだから、不安はないはずなのに。
遠目に、談話室へ危うげな足取りで入っていくニコラス>>18が見えてから、ようやく動き出す]
(あとはシモンさんと――ヨアヒムさん)
[元々両手の指で事足りた人数は、もう片手分しかない。あっという間の惨劇。
彼らも談話室にいるかもしれないが、様子だけうかがってこよう。
カタリーネを手にかけた彼に、心痛を和らげる何かを返せなかったのも気がかりだったから]
[意外にも人狼の犠牲者は出ていないみたいだ。
ならばまずはなにより、"占い師"と"霊能者"の存在をつまびらかに(FO)すること。
彼らは人間に与えられた武器。だがそれゆえに人狼の襲撃を恐れてその武器を隠すものが多い。
しかし今はもう出るべきた。むこうもそう思っていてくれればいいのだが。
それからジムゾンの噛み痕の証言の詳細を、三人にはっきり聞く。
そのうえで、その痕が実在するかを実地見聞だ。
実在するなら、その最初の目撃者、証言者は白。
偽装のメリットは皆無。人狼はエルナひとり。そういうことにしておくべきなのだから]
ヨアヒムさん……。
あさ、ですよ。
[ぼんやりと寝台の傍らに膝をつけば、首の痕が目につく。抗いがたい自然は、こうして生命を度々押し潰してきた]
雨がすこし落ち着いてきたから、
きっともうすぐ たすけがきます。
[カタリーネは人間だったのか。
三匹目がヨアヒムを狙ったのか。
真っ白な頭にそんなことは思い浮かばない。
鉱山で囀りをやめたカナリアは助からない。
けれど、落盤事故で鉱夫と共に逝ったものは直前まで歌っていただろうから、空が落ちてくる前なら助かるのではないだろうかと。
混濁した意識のなか、ぽつぽつと話しかける。
だって、兄弟してこんな終わり方ばかり似るなんて、そんなこと]
あの日。
いいたかったこと あるんです。
みんな終わったら……お話、しませんか。
[それきり続く言葉はなくて。
そっと触れたヨアヒムの袖に赤が滲む様は、ジムゾンの腕の噛み痕を思わせる。震える体は立つことも叶わない。
ただ呆然と息のないヨアヒムを見つめていた**]
[ニコラスが人狼だと仮定するにはアリバイの面で無理がある。
やはり談話室にいた三人……その中に狼はいる。
クララ、ヨアヒム、そしてシモン――。
このさい、なりふりなど構っていられない。
少女の画面が剥がれようが、わたしが審問をするしかない。
なあに、もうみんな何が起きても驚くまい。エルナとリーネの死に、新たな人格が現れたくらいに受け止めるでしょ……くすくすくす
…………ぐすっ…………何よ………泣かないの………リーザ………。
わたしは談話室に向かった]**
― 談話室 ―
[談話室にはシモン>>15とニコラスの二人がいた。
ニコラスは自分が"霊能者"である>>19と、はっきりと口にした。
……わかってるじゃない。なんだか雰囲気も心持ち男らしいような。そして人狼はまだ生きている、と>>20
わたしは彼の言葉をひきついで言う]
"占い師"がいないかも確かめないといけないの。
人間のふりをした狼さんを見つける力があるっていう……わたしは違うの。
シモンおじちゃんは? "占い師"じゃない?
[質問への答えを聞きつつ、生き残った全員への確認を促す]
……クララおねえちゃんと、あと、ヨアヒム兄ちゃんにも聞かないと……二人はどこなの?
あぁ……また……。
[犠牲者が出てしまった。
守ることも、終わらせることも、出来なかった。
自らの無力さを痛感して、
唇から重苦しい息が零れた。]
[久しぶりに訪れた故郷だが、
それほど良い思い出があったわけではない。
ただ、懐かしさと
人を求めているのを知って、やってきた。
それだけのはずだったのに。
過去の自分を知ってくれてた人がいた。
おかえりと言ってくれる人がいた。
新しい友が、出来た。]
[だが。
これから綴られるであろう未来は、
鋭い爪と牙によって、刈り取られてしまった。
――そう、人狼の手によって。
新たなる友とも触れあいは、
どれほど楽しいものになっただろう。
昔懐かしい人達と話すのも、
きっと、心安らぐ時間となっただろう。
それら全て。
あの夜の土砂のように、脆くも崩れてしまった。]
[ごしごしと、袖で目元を拭う。
部屋の中へと歩み寄り。
友が目覚めぬことを知れば、
見様見真似ながら、幼い頃に覚えた祈りを捧げる。]
……クララさん。
貴女にも、
お話しておかなければいけないことがあります。
[彼女が歩けるようならば、談話室へと促して。
そうでなければ、この場で極力冷静に、
ゆっくりと彼女にも説明を行ったことだろう。
自らの力と、それで見えたもの。
そして、還らぬ司祭の持つ力についても――。]
そう、なの……。
[もちろんその可能性も考えていた。だが実際にそう聞かされると、その言葉>>31は重くのしかかってくる。
ニコラスがこの場で嘘をつくことはありえないだろう。ほかの誰かがそれを覆す証言をすれば、一気に人狼としての疑いをかけられてしまう。
……万一、彼が霊能者を騙る人狼だったとしたら? 占い師であるジムゾンにその正体を見抜かれて、そしてエルナがその口をふさぐために自らを犠牲にしてまであの凶行に……?
いや、エルナの行動と組み合わせると、不自然に思える。
あとはアリバイの存在……例のジムゾンに残された噛み痕のことが確認できれば……ニコラスは白、と言えるのだが……
やはり最大の敵は、疑心暗鬼だ]
狼さん、狼さん、あなたの尻尾はどこにある……。
捕まえないから、出ておいで……。
[ニコラスの呟き>>31に応えるふうにして、わたしは歌った]
[出て行ってしまったニコラスを追うべきか少し迷った。
だが、ここは待とう。
そしてわたしと同じく残ったシモンの様子を窺う。
やはり、今残された誰よりも、この男は冷静そうだ。
命のやり取りが生業であった男なら、人狼騒動の渦中にあってもその心を震わせることはないというのか…………それとも、この男こそが…………?
彼が人狼ならば、私一人では……たとえ相手が狼の姿を現さなくても、勝ち目がないだろう。それはレムスが思い知らされたことだ。
まったく、この小さく弱い体が恨めしい。
だから、シモンが人間であってくれれば……と甘い希望も湧かないではない。
ともかく、クララとヨアヒム、それにこの彼の三人から、ゲルトの部屋にいたときの状況を聞きださねば……。
だが。それはかなわぬ希望であると、わたしはすぐに知ることになる>>36]
カタリーネさん……人間だった可能性が、高いんですね。
[あれほど疑っていた彼女に、淡々と。
占い師だったらしいジムゾンについては触れず。
考えなければならないことがたくさんありすぎて、頭の端が痺れていた]
ヨアヒムさんの腕、怪我してるみたいなんですけど――みんなで見た方がいいかもですね。
ジムゾンさんのと、そっくりだもの。
みんな、かわいそうに。
[寝台の下に滑り込んでいたナイフをじっと見つめたあと。
ご足労させてごめんなさい。そう言って。
離人感にふわふわした足取りで、一度談話室へと行くことにした]
[次いで少女が、占い師かと問うてくれば>>30
無言で首を横に振った。その名を騙るつもりなどない。
あくまで探しているだけなのだから]
[だからこそ、あの日、占い師はエルナと共に死んだのだと
そうニコラスから聞いた瞬間>>31、動揺を露わにした。
これまで一度も、占い師を頼ろうと言ったことがないと
動揺する理由を説明出来ないと、良く分かっているのに
どうしても押し殺しきれなかった]
[――あの夢想>>3:46は、叶えられるものだった。
自殺めいた真似ではあったが、試してみても良かったのだ。
目的を無くし惰性で進むことに、思うことがあるのなら]
[クララが談話室へと向かうならば、
大丈夫かと声をかけながら、
自らも共に向かう。
シモンとリーザもそこに居ることを告げれば、
もう、こんなに少なくなってしまったんだ……と実感してしまう。
自分を除けば、残り3人。
容疑者は、既に絞られている。
そう自らに言い聞かせ、
歩を進めながらも思案に暮れるのだった。]
シモンおじちゃん、紅茶、おいしい?
[わたしは素直に物欲しそうな態度でシモンに聞いた]
わたしも、飲みたいの。もらっていーい?
[そういって、置いてあるポットを指さす。
もちろん、本心から紅茶を欲しているわけじゃない
……多少は、欲しいけれど。
案外、こういうところに表れるのね、と思った。
ティーカップを手にする、指先ではなく、腕の無駄な力の入りかたや、唇の微かな震え。紅茶が喉を通るときの、その動きの硬さ。
それが狼の証拠だなどとは言えないけれど。
取り繕っている何かがあるのだとしたら、それをはがそうと動くいたずら者の小娘を見て、彼はなんとするだろう?]
おじちゃんでも、やっぱり……怖い?
[本命はあくまでゲルトの部屋の現場の証拠だが、その補強になるものでも出てくれば幸い、と。]
そういえば、
リーザちゃん……昨日は外で過ごしたみたい、です。
詳しいことは聞いてないけれど…。
[道中ふと赤ずきんの騒動が過って、あの血はリーザのものではなかったらしいということを伝える。ニコラスの横顔をぼんやり眺めながら、これまでとこれからを思案する。
談話室に踏みいる足は、どうしても震えていた]
―談話室―
[談話室に入れば、血生臭い匂いから一時解放され、
紅茶の香りに包まれた。
だが、持ってきた報せは、芳しくはない。
クララが報告するのを聞きながら。
同意を求めるような視線に気付けば、
一つ頷き。
傍らで、苦い表情を浮かべていた。]
怖くはないな。
ただ、なんというかな……疲れた。少し。
[それは半ば本心であったけれども、少女に聞かれても
本当の理由は口にしない。
“村が戦場に変わるってのは、複雑なもんだな”と
手の中で揺れる薄茶色を見下ろして、ぽつりと呟いた]
嬢ちゃんこそどうなんだ。
今日はえらく、肝の据わった様子だったが。
[占い師を確かめよう、だなんて、早々言える事じゃない。
存在を信じていないにしろ、秘匿するためにしろ]
……絶対に死なないだとか、腹でも括ったか。
それとも、疑ってる奴でもいるか
[――リーザが成熟した精神を抱えている事など露知らず
あくまで、少女として接してはいたけれども。
肩肘張らないままで、何となしにそう問うてみた]
[血の止まった今では、もう強く痛むこともなく
負った傷のことは、特段意識していなかった。
真新しい包帯は、襟元から覗くいつもの物と同じ様に、
時折ちらちらと姿を見せている]
ヨアヒム、お兄ちゃんが……。
[やはり、人狼の犠牲者は出ていたのだ。
また一人、減った。
人狼の牙が、あるいは――投票による処刑が。また一歩、自分にも近づいているのを感じる。
一方、"容疑者"が絞られた事実を喜ばしく思う自分に、唾棄すべき苦々しさを覚える。
そんな思いを振り払うつもりで、わたしは本題を切り出す]
ねえ、昨日、クララお姉ちゃんと、シモンおじちゃん、それに、ヨアヒム……お兄ちゃん……三人でお部屋を片付けたんだよね……?
神父さまが噛まれた痕を見つけたのって、誰なの……?
[それこそがあわれな犠牲者ヨアヒム>>3:28であること、その証言は、シモンとクララの二人から取れただろうか?]
[こちらの言葉に、むしろシモンは緊張を解いたようにも>>55。リラックスした態度で紅茶を注いでくれる]
子供あつかいしないでよ〜。
でも、疲れてるときはお砂糖が元気にしてくれるよね。
[素直に、砂糖入りでいただくことにした。こんな状況だけど、いや、こんな状況だからこそ、こういう時間が必要だと、心から思う。疑っている相手だけれど、ティータイムを共有する者同士、奇妙な共感を覚えてしまう。
『疲れた』>>56と語る言葉に嘘は感じられない。本心だろうか――それがたとえ狼のそれだとしても。
そんな、本音が漏れるような空気の中、ぽつりと質問>>57]
死にたくない……うん、死にたくないよ。
[その言葉にどれだけの意味が乗っているのか、もはや私自身にもわからなくなっている。
死しても転生を繰り返す霊でありながら、死の恐怖、いや、生への渇望は消えることがない。
そのうえ、一度一度の生のたびに、そこで関わった人たちの生が、乗る]
エルナおねえちゃんがどうして死ななくちゃいけなかったのか……人狼ってなんなのか。
それを知るまで、死にたくない。
それに、それに……お父さんとお母さんに、もう一度、会わなくちゃ。
[気が付けば、思いのままのことを話していた。シモンへの疑いのことなど、その瞬間は霧散してしまっていた]
[自分か誰かの死を覚悟する猶予がほしくて
こんな状況でも秩序めいた何かがほしくて
数を頼りに投票と処刑をしようと思っていた。
――けれど、もう後がないなら。
乾いた血に塗れた刃の重さは、
踏ん切りのつかなかった自分の責任の重さ。
無謀だろうと、おとなしく結末を待つのだけは許されない]
ヨアヒムさんの腕…たぶんジムゾンさんの噛み痕と一緒です。
わたしでは気づけないこともあると思うので――どなたか一緒に行ってくださいませんか。
[ゲルトの時はあんなに恐ろしかった赤。
もう関わらずにいられなくないけれど。
冷たくなった彼らと向き合うのは――辛い。
同意する者がいれば、共に現場へ向かおうと**]
[もう一人、シモン。
騒ぎが起きる前、向こうから気さくに話しかけてくれた相手だ。
騒ぎの中では、彼の経歴もあり、落ち着きもあり、
何かと頼りにしてきた気がする。
彼が人狼だったなら――?
夜にならずとも、身体能力では一番秀でている。
残っているのは、自分以外は女性と子供だけ。
果たして。
彼が人狼だったなら、処刑出来るのだろうか。]
[頼りになる。信じたい。
そう思う反面。
”だったらどうしよう”
それを一番色濃く感じる相手でもある。]
はぁ……。
[質問には言葉ではなく、ため息が零れた。
が、今こうして足元へと視線が落ちるまでは、
男の視線は司書と元傭兵の間を絶え間なく行き来していた。]
そう、ヨアヒムお兄ちゃん>>3:28、なのね……。
それで、クララお姉ちゃん>>66も、シモンおじちゃん>>63も、その噛み傷を実際に見ているの? ……そう、ありがとう。
それに、その傷はエルナおねえちゃんがつけたものじゃないのね……。じゃあ、きっとヨアヒムお兄ちゃんを……ころした……狼のつけた傷……。
[この推測は、このあとクララが話したこと>>68と一致する。
ともかく、クララとシモンの証言は一致。噛み傷の実在、エルナとは別の狼によるものであることも。これでこの証言がブラフでないことはわかった。
……もっとも、ヨアヒムがその第二の狼の手にかかって死亡している今、後追いの確認でしかないのだけれど……。
そんなことを思っているとき、クララから思ってもいなかった質問>>66。
…………そうだった。人狼を探すことに夢中になっていて、わたしが何をしていたのか、説明していなかった]
……あっ、そうか。そうだったね。
ごめん、話してなかったの。
えっとね……。
リーネおねえちゃんはなかなか見つからなかった。
結局、村の西のはじっこまで探して回ったの。
[レムスのことや、リーザの家のことは省いて話す]
もうどこにいるか、わかんない……って思った。
そしたら、少し離れたところから、羊のなきごえ……ふつうじゃない……悲鳴みたいな……声がしたの。
そっちへ走ったら、小屋があったの。動物を入れておく、簡単な小屋なの。大扉が開いてて、外からでも小屋の中が見えた。
……中にリーネが立ってた。おっきな、刃物を持ってた。
足元に羊さんが何匹も倒れてて……。
きっと……リーネが、持ってた、刃物で……。
[言葉が詰まる。演技ではない。
羊たちの死を思い出してのこととクララたちには見えるだろうか。だがわたしはその羊たちの死骸に囲まれ、鉈をぶら下げて立ち尽くすリーネの姿を思い出して戦慄していた]
わたしを見て、リーネおねえちゃんは………びっくりしてた。
それで……刃物を、わたしに向けたの……。
[そうだ、彼女はわたしに驚いていた。恐れていたようにさえ見えた]
来ないでって、おねえちゃんに言われた……。
[……何がそこまで彼女を…………。彼女は狼を恐れているふうではなかった。
外へ出る前、リーネはすべてをあきらめているふうだったと記憶している]
わたし……リーネおねえちゃんが、死ぬんじゃないかって……エルナおねえちゃんとお友だちだったから……おねえちゃんのところにいこうとしてたんじゃないか、って……。
でも、リーネおねえちゃんは、首を振った。
『私がオオカミだったら。
せめて、半分オオカミの人狼だったなら』って……
そう言ってた。
おねえちゃん、もうぐったりしてた。
わたしは、おねえちゃんの近くに行って、狼さんが好き? って。
狼さんの遊びの話をしてたときに、楽しそうにしてたリーネおねえちゃんに、戻ってほしくて……そう聞いたの。そしたら……。
おねえちゃん、とたんに起き上がって……まるで、おねえちゃんが、人狼みたいに……。
[ああ、そうか。
いまになって可能性に気付く。わたしの言葉が、彼女の狂気を呼び覚ましてしまったのかもしれない、という可能性に……]
[狼になりたかったリーネ。
友だちだったエルナ。狼だったエルナ。
エルナの死。その絶望。
狼さんの話を喜んで語っていた"リーザ"。
そのリーザが現れて、狼は好き? と。
絶望の中に狂気の呼び水を注いだ……]
おねえちゃん、狼になったのかな……?
狼になって、ここにきて、何をしようとしたんだろう……?
[答えは、あるのだろうか……。
エルナ……エルナおねえちゃん……]
いい子だね、リーザ
どんなあんたでも、好きでいるから
どうかそのままでいてね
つまんないなあって思ったら名前を呼んで お話して
届かなくてもきっと答えるから
[エルナに、最後にかけてもらった言葉が、ふと、よみがえった]
[リーザの話を聞けば、
カタリーネの想いが垣間見えただろうか。
人狼によせる想いは、自分には理解出来ないけれども。
世の中には、人狼を求める人もいるらしい。
騒動一つ取ってみても、
その中には様々な想いが交錯するのだろう。]
……人狼も。
何か、想うところがあるのでしょうか。
[ぽつり。そんなことを呟く。
果たして、彼はどう考えるだろうか、と。
視線はこの中では一番世慣れしているだろう、シモンの元へ。]
……僕。
まだ、この村に戻ってきてから、
晴れたところを見ていないな……。
[ふと、そんなことを思い、苦笑いが零れた。]
いつかは、晴れるのでしょうか……。
[雨も。そして、この村を覆う暗雲も。
風雨にさらされ続けている身には、
今はまだ、わからないけれど。]
[思い出すのは。
雨の中、ふわりと咲いた、黄色い花。
もう、あの色は目に出来ないのだな――…なんて。
寂しさが押し寄せると同時に。
どこか、心は静かに冷めるように落ち着きを取り戻していくのだった。]
[否応なしに巻き込まれたのは、初めて人を喰ったのは
神の家に足繁く通う習慣を得るよりも前のこと。
葬送の作法を知る事もなく、教会へ通うのは止してしまい
この村へ来てからも、祈りに向かったことはない]
[神は“人の子”を救いたもう。
――故に、獣たる男の救いにはならなかった。
己の所行とは、長いこと一人で向き合ってきた]
[どうして殺したか>>+14――死にたくは無かったからだ。
少なくとも、男の場合は]
[傭兵という職業は、死なないための方法を
条件反射と化すまで叩き込んでくれた。
躊躇も罪悪感も、手に顕れないよう保つことは
雇い主が替わり、敵味方が入れ替わる中では
最も必要な事だったし、喰うに困らない状況において
人として逃げおおせる為だけに、四つ足で地を蹴り
山を抜けたこともある。
男の内にある人と獣は、最早不可分のものと化した]
[……けれども、十全に力を振るえる様備える意味を
今はもう失っている。
食事だって、普段なら腕だけでは留めない。
一人一人を骨まで食い尽くしながら、細々と
餓死しない程度に生きていた、のだ]
[道が塞がってしまった。
それが生死に関わる事柄だと、知っていた]
[――それだけなのかと、殺さなくても良かったのではと
そう言われうる理由だけで、全てを始めた。
これまで死なない為に選び続けてきた選択肢が
骨の髄まで染み着いて、他の道を遠ざけていた]
[故に。
“獣だから殺して良い”、そんな意見は否定するが
“死にたくないから殺したい”と言われてしまえば――
きっと、演技でも否定できは、しない]
[クララの言>>52でしか聞いていないことになっている以上
改めて現場を見ておこうか、とも思ったが――止めた。
噛み痕の比較は、同じものだという結果にしかならないし
仮に違って見えたところで、ここに2匹いるのだと
主張するものも居ないだろう]
[談話室のソファーから立ち上がらないまま、
ニコラスがこちらへ問いを向けたなら>>80
カップへ視線を落として、呟いた]
思う所がない奴なんて、居ないだろうさ
人狼だって、平穏な街で人として暮らしてる訳だろ。
だからこそ、こうして互いに譲れなくなるんだろう……多分
[譲れぬもののために起きる戦、生存のために殺す人狼、
両者を知る男の言葉は、ともすれば、ヨアヒムへの言葉
>>3:71以上に、狼の立場へ寄ったものと取れるだろう]
[カタリーネを疑い、彼女が狼であってほしかった頭を切り替えなくては。
僅かな隙をつきジムゾンの腕を喰らった狼。
赤ずきんの盛大な退場のちヨアヒムを襲った狼。
自分で見た限りでは、同一の噛み痕。
紅茶を入れていたニコラス、しばらくエルナにすがっていたリーザ。カタリーネの証言からすれば、ニコラスがこっそりと脱け出すにはよほどのタイミングの良さと迅速さがなければ難しそうだ。中性的な衣装からはうかがいにくいが、傷を負ったようにも見えない。
ならば、優先して見るべきは、リーザとシモン。――それから、静まり返った死者たちが残したもの]
[現場にはリーザがついてきてくれるという。
こくりと頷いて、ニコラスとシモンの元を辞す]
行きましょう、……リーザちゃん。
[この子は、また佇まいを変えた。
エルナやカタリーネの死が原因なのか、少女の内に隠された本性が滲んでいるのか。
年相応におののく少女にも、打って変わって情報をかき集めているようにも見える。
エルナ達のように心を配れない自分に出来るのは、一人立つ『リーザ』を見極めて、答えを出すことだ]
[シモンの言葉>>85を聞けば、数度、目を瞬かせる。
そうして、以前は言えなかったこと>>1:131>>1:132を、思い出した。]
前に、人狼を退治した村を訪れたという話をしましたっけ。
あの時、見えた魂は、
それはもう恐ろしいものだったから。
仲間を殺されて、自分も追い詰められて、
村人達を恨んでいる――…そんな気配が漂っていて。
だから、僕、ずっと思っていたんです。
”人狼は恐ろしい存在なのだろう”って。
でも……エルナさんを見ていたら、
違うんじゃないかって、つい最近気が付いたんだ。
[傘のお礼すら言えなかった彼女のことを、脳裏に浮かべながら。]
いくつもの集落が人狼によって滅びたとか。
何人も犠牲者が出たとか。
そんな話ばかり聞いていたから。
[エルナのことを思い出す。]
あんな風に皆に慕われている人だなんて、
全然予想もしていなかった。
僕が、人狼について知らなかっただけかもしれないけど。
怖いばかりじゃないんですね。人狼って。
[そう告げる表には、穏やかな表情が浮かんでいた。]
[人狼側の立場など、予想すらしていなかった。
迷いながらの己の言葉に対し。
返ってきた言葉は、迷いのないもの。
穏やかな表情の中。
シモンに向ける視線に、僅かな寂しさが灯る。]
僕。ずっと、シモンさんのことは
頼りになる人だと思っていました。
だから、貴方のことは、信じたかった。
そう、思って、いました。
[唇から零れたのは、過去を表す言葉。
口にしてしまえば、もう取り返しがつかない気がして。
自らを鼓舞するように、強く拳を握りしめる。]
でも、今は。
僕、は――――…。
[そこから先は、言葉にならずに。
ただ、翡翠色の瞳に僅かな揺らぎをのせて、
じっとシモンを見つめていた。]
―ヨアヒムの部屋へ―
[どこか膜の向こうから現実を見ているようで足取りはふらつくが、リーザの動きに変調がないかだけはそっと確かめる。
物置へ続く血痕>>13の位置を伝えて、自分が談話室にいなかった時のことを聞き、ジムゾンの占い先がニコラスであった事を知った。
――呆然としていて、彼らには力があるらしい、というところまでしか認識出来ていなかった]
なら、ニコラスさんが人間の可能性が高いですね…。
少し、霊能力なんて本当にあるのか、ニコラスさんがそうなのか、疑ってたんですけど。
[リーザの推論>>37に近い結論に至り、
躊躇いがちに扉を開く]
[部屋の中は当然朝と変わりなく静かだ。
ヨアヒムは寝台に眠っている、と伝えて改めて血の臭いが漂う部屋を見渡す]
……リーザちゃんは怖くない?
また人が死んだところを見るのも、狼かもしれない人と二人なのも。
[やはり、リーザかシモンが人狼。
そう思うと胃の辺りが重苦しい。
怖がってるのは自分のくせに、それは見ない振りをして]
[一切の躊躇なしにヨアヒムの遺体を検分しようとしていたところにクララの言葉>>99が頭上から聞こえて、思わず足を止める。
……いけない。さすがに怪しまれているだろうか。目の前にいるのは子どもの姿をした人狼ではないか、と。
――もう、このさい、いいか]
あのね、おねえちゃん。
……いえ、クララ。
わたしはね……。
[わたしはため息をついて、転生だとかのややこしいところはざっくりと端折りながら、自分こそが本当のリーザであり、知性の高い姉のような存在であることを説明する……
あのマセガキのレムスを見ているのだ、わたしのことも受け入れてくれるといいのだが……]
[そう思って“いた”のだと。
そこに込められた思考には、すぐさま当たりが付いて
内心を映して揺らぐ翡翠の瞳を、じっと見つめ返した]
……俺を疑う理由が出来たか。
それとも――クララを疑わない理由、か。
[向ける黒檀の眼差しは水面のように凪いで、今はまだ
炯々と輝きはしない――たとえナイフを向けられたとしても。
そんな“分かり易い”構図を作るつもりはない]
[そしてつけたす]
まあ、二人切り、人狼に襲われる恐怖はなくはないの。
でも、ここでクララ――あなたが狼だと仮定して――がわたしを襲ったら、もうあなた、チェックメイトでしょ? シモンとニコラスにはあなたの正体がしれたも同然だもの。
そうなれば、昼間にあの二人を相手にしてあなた一人で太刀打ちできるとは思えない。
まあだいたいそんな感じ。
それより今は、少しでも人狼が誰かを特定するための証拠が欲しい。そういうこと。
[それだけ言い切って、クララに微笑んだ]
狼の尻尾を捕まえるため、がんばろ?
よく、区別がつかないって言われますけど。
僕だって一応、男なんですよ。
[最後は少しだけ、茶化すように。
最初に、宿に来た時は。
皆が己の性別をどちらだろうと
探り探り話しかけてきたものだ。
今のように多少の茶目っ気を出して、リーザにクイズもした。
ほんの少ししか経っていないはずなのに。
あの時のことが、もう遠くに感じてしまう。]
えっ。えっ、う、うん…。
……。
[幼い子供らしい返事でも疑心暗鬼を煽られはしただろうけれど、思いがけない返答に目を白黒させる。>>100]
やっぱり、あなたは理解しきれないけど――人のことも狼のことも分かってあげられてないんだから、いまさら、か……。
[続く言葉>>102も尤もで、肩から力が抜けた。
少女のリーザが狼だとしても、当てはまることだ]
……あなたが何であれ――狼を探してるってことだけは、信じます。
よろしく、リーザ。
[狼少女もレムスとやらも、それは共通していたから。距離を取らずにいれば、もっと早くから腹を割って話せたろうか。苦い笑みを返す]
[リーザがヨアヒムの遺体を検分するなら、彼女に任せよう。直視出来ない自分では、だめだ。
部屋を探りながら、落ちていたナイフを隠した懐を押さえる。カタリーネのみならず、狼を傷つけた可能性があるナイフ――このことについても明かした方がいいのか迷いつつ、リーザをうかがっていた]
ありがとっ。
こちらこそ、よろしくなのよ。
[……ふう。
ひとまず急場はしのげただろうか。
この娘も追い詰められたら何をしでかすかわからないと、常々思っていたところだ。
本当はまわりが見えていなくて恐怖どころじゃなかっただけ……とは口が裂けてもいえない。
何度転生をしていても、肝心なところでうっかりやらかすところは相変わらず……。
まあいい。
ヨアヒムの遺体を見る……無残なものだ。だが、あえて詳細は見ない。肝心の傷を見る]
わたし、神父さんのを見てないけど……どう、やっぱり同じ噛み痕?
確認できそう?
[クララに問う。
続けて、廊下に続く血痕がヨアヒムのものか、判断できるかを見る……
断言はできないが、血のついた方向が物置からヨアヒムのいる位置に向かって、とすると、どんな理由からそうなるのかが説明できない。
一方、ヨアヒムの位置から物置へ。ということなら。ヨアヒムが流した血だとすると当然おかしい。ヨアヒムはここで絶命しているのだから。
そこからつまり、この血痕はヨアヒムを襲ったもの――人狼である可能性が高い、と]
[そしてクララの様子を気にしつつ、もう一つ]
あまり抵抗した様子がないヨアヒムが、どうやって人狼に傷をつけたのかが疑問なの。廊下についた血の傷のことね。
クララ、なにか、見なかった?
[部屋の様子からしても、派手に血を流した痕跡はない。それもそうか。切り裂かれたゲルトたちと違って、ヨアヒムの喉は――]
――…、えっと。
このくらいの幅の牙の痕が、上腕にかけて肉を噛んでたわ……。
[ぼんやりと遠退きかけた意識を引き戻して、両手の指で傷の大きさを示す。
より無残に食われた腕を見つめていられなかったが、せめて忘れまい、と見つめたジムゾンのことならばはっきり言える。
ヨアヒムの腕を直視できずに示したそれは、同一のものだった]
抵抗……。
[その観点からすると、これまで見かけた事のないリーザは外れようか。彼がこの子を知っていた可能性は低く、夜の訪問は唐突だ。
検討しながら、続く言葉には、くしゃりと]
心を許していたひと、か……。
ヨアヒムさんに、疑問も蟠りも示さないで逃げてたわたしなんかに……心を開いてたなんて、あると思う?
[後悔が滲む。
いつだって、気づくのは手遅れになってからだ]
[血を見るのは、怖かった。
”死”を感じさせるから。
誰かが死ぬのは、嫌だった。
”あの時”を思い出すから。
息絶えた母の冷たさは、
今でも覚えている。
誰かが死ぬのは、もう嫌だ――…。]
[死者達の多くは、未練を抱えていたり。
苦しそうだったり。
そんな光景が見えることも、
また”死”への嫌悪に繋がっていたのだろう。
だから。
男は人に暴力を振るうことなど、
今まで一度もなかった。
旅の途中も、喧嘩に巻き込まれそうな時は
一目散に逃げ出していた。
自分でも、臆病で情けない奴だとは思う。
だが、誰かが傷つくよりは、ずっといい。
そう自らに言い聞かせていた。]
[旅の途中。
あなたは優しい人ね。
そんな言葉を貰ったこともある。]
本当は、臆病なだけだったんだ……。
[ぽつり、言葉が零れた。
それは、自分が一番よくわかっていた。
誰よりも、死を身近に感じながら。
それを与える責任から、逃れていた。
霊能者としての力を自覚していながら。
これまで、騒動からも逃げてばかりいたのだ。]
[果たして。
彼の生を終わらせる覚悟を持てるのか。
その咎を背負えるのか。
一つ、一つ。
自分に問いかけながら。
不思議と今は、心穏やかな様子で。
静かに、二人の戻りを待つのだった。]
……リーザ。
一応、腕を見せてもらってもいい?
[想起したのは、ちらつくシモンの包帯。
普段から彼は傷を覆っているけれど、やけに真新しく目立った気がした。
そう前置きしてから、そっと黒いナイフを出す]
これについた血。
……カタリーネさんのだけじゃなかったら。
リーザも狼の血の可能性があると思うなら……そういうことだと、思う。
[問われれば自分も手当された指以外に傷のないことを示して、そう言った]
…………ありがとう。
なんで隠し持っていたかは、察するわ。
少なくとも証拠隠滅のためじゃない、ってね。
そうだ、わたしも出すね。
[わたしは懐にしまったままのナイフを出して、握りのほうをクララに向けて渡した]
持ってて。どうせ役に立ちそうにないし――彼には。
[きっと彼の包帯の裏には、ヨアヒムの最後の思いが刻まれている。だが、それを確認する必要は、もうないかもしれない]
戻りましょ。
[わたしは笑顔を見せた。そう、まだ惨劇の起きるまえの、快活だったリーネのような気丈さを示そうとして]
決着をつけに行くのよ。
[部屋をあとにする]
― 談話室 ―
[クララと一緒に談話室に戻る。
…………シモンが笑っている。
ニコラスが、ばつが悪そうにしている、ように見える。
わたしは、拍子抜けした]
[シモンに抵抗されたときのための武器に……とお父さんの赤い傘を構えている私も、十分に滑稽なわけだが。
いや、長さが大事、って言ってたし]
あ。おかえりなさい。
[二人が戻ってくれば、そちらへと視線を向ける。
自分達の様子が、拍子抜けさせているなど思いもせず。]
リーザちゃん、なんで傘?
[疑問を体で表すように、首を傾げた。
この場にそぐわぬような、どこか穏やかな心持ち。
それでも。
心は決めていた。
決めていた。けれど。]
[今さら隠すのもなんだけど、堂々と構えているのもどうだろう――しかも二本。
不器用にナイフの持ち方にあくせくして、花束を持つように両手で抱えている。
奇妙な穏やかさに虚をつかれたけれど、リーザのツッコミの早さにぽかんと口を開けるばかりだ]
[――そうして、彼女らの疑い>>126を聞けば]
“仕事中に切ったのさ。痒くて困った”
[その程度の作り話はしてみせた。
片目のものと包帯の質が違うことには、何も言及せず]
“昨夜疑われたからこそ>>3:89>>3:129
今度は、負わされた傷か返り血が零れた様に見せかけて
誰かに疑いを掛けようと、思い立ったのでは”
[そんな話を組み上げて、彼女たちに語ってはみるが、
硝子での刺傷と、血が固まっただけの金瘡を比べても
恐らく、こちらに軍配が上がることはない]
[浅い傷とはいえ、滴る血の量に頓着する気になれなかった
――その時点で、結末はあらかた決まっていたのだろう]
……昨日疑われたのを切っ掛けに思い付いたのでは、と言われれば否定できないけれど。床の血痕や傷痕からの所見は、リーザが証言してくれると思います。
物置まで点々と散るほどの量です。
リーザには、擦り傷はあっても切った傷はなかった。
わたしは、シモンさん。あなたが人狼だと思っています。
[疑いを解くよりも、単純に結論づけて。
あとは静かに、結末を受け入れるだけ**]
[思わず出てしまった滑稽さを脇にやり。
わたしははっきりと自分の結論を口にした]
わたしは、シモンおじちゃんを狼だと思ってるの。
[なぜと問われれば。
ジムゾンとエルナの死のあと、ゲルトの部屋から戻ってきた三人に容疑者が絞れること>>3:63、
その三人のうち、ヨアヒムは犠牲者となったこと、
あの『元々、人を喰い慣れて無かったのかもな。』>>3:71に微かな違和感を覚えたこと、
クララの手傷を廊下の血痕とするにはやはり無理がある>>2:7こと、
そして、それよりなにより……]
結局、賭けなの。
クララか、シモンおじちゃんか、二つに一つの。
それでわたしはクララとお話しした結果、クララは人狼じゃない。それに賭けようって、決めたの。
ごめんね、おじちゃん。紅茶、おいしかったよ。
[茶化しているふうに聞こえただろうか。だがおふざけで誰かを人狼だと決めつけることなどできるわけがない。
"リーザ"……お遊びは卒業しなきゃね]
……あんたが良いって言っただろ。
[そう言って、彼が動くのを待つ]
[ソファに腰掛けた男は、死を間近にしながらも
少女達に“見るな、離れていろ”とは言わず
その瞳は黒檀のまま、じいとニコラスを見つめていた。
――怨嗟も何もない、静かな眼差しで]
[二人の意思の籠もった言葉も、また
シモンが人狼だと告げる。
彼女達は、自分よりずっと強い。
面と向かってハッキリと、相手に伝えられるのだから。]
シモンさん。
[静かに、声をかける。]
満場一致のようです。
僕も、貴方が人狼だと思っている。
[あんなに、信じたかった人なのに。
じわり、涙が浮かびそうになるのは、必死で堪えた。
男なんだから。自分でそう言ったじゃないか。
情けないところを見せたら、きっと、また笑われてしまう。]
……これから手にかける人に、
こんなことを言うのは変かもしれないけど。
[それでも。
彼には、色んなことを考えさせれた。
そして、教えて貰ったから。]
ありがとう。シモンさん。
[そして、さようなら――…。]
[突き出されたナイフは、胸を抉る。
骨に当たって逸れる感触に、思わず顔を顰めた。
……痛い。痛い。当たり前の感覚に、背は自然と丸まって
心臓に至ったかを考える思考が、途中で何度も切れる]
[それでも、突き立ったナイフもそのままにして
最期の力で、彼のことを引き寄せようと手を伸ばす]
……を、帰してやれなかった。
[ニコラスに囁くそれは、男の内心。
……人狼としての思考を、語るつもりなんてなかった。
けれど彼が、平時にするような礼なんて、するものだから
――語りたいことが、問いたいことが、口を衝いた]
[1]
[2]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新