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ティラミス に 1人が投票した。
ドーナツ に 1人が投票した。
チョコレート に 1人が投票した。
ワッフル に 1人が投票した。
プリン に 11人が投票した。
プリン は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、ケーキ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、タルト、キャンディ、スフレ、ティラミス、ドーナツ、チョコレート、ワッフル、マカロン、パイ、ムース、クレープ、シュークリーム、ゼリー の 13 名。
[きっと、明日もまた会える。
なんて根拠のない信用を、当てにするべきではなかった。
手を放すべきではなかったのかも知れない。
心が軋んで、音を立てて割れていく。
昨日まで、一緒に笑い合っていた、あの人は、もう、いない。]
[今朝は、キャンディの助力を得る為にケーキを頼ろうとしていた。
一緒に謎の機械を探る為に頑張ったのだから、シューが今日もケーキを誘おうと、彼の部屋に訪れる事は、当然の帰結だろう。
ノックをしても声を張り上げても反応がない様子に不審がったシューは、その扉を開けてしまう。
扉を開くと、締め切られていた濃厚な甘味の匂いがシューの鼻を衝く。…スポンジケーキとホイップクリームの香り。
ベッドに寝かされている彼の身体は、クッキーの時と同様に大量の血の海に沈んでいるのだろう。
冷たくなり始めている彼の手を握った。それは昨日握った手と全く同じで。
昨日彼に引っ張って貰ったあの暖かい手の感触を思い出してしまう。
シューの頬から流れ落ちる雫、それは自覚の証だった。
開け放たれた扉からはショートケーキの香りが漂い始めており、傍を通る人物はその匂いに気づく事だろう。]
また、朝がやってくる。今日は、夢を見なかった。
気だるい身体を起こし、なんとか身なりを整える。
昨日、一昨日と、ただひたすらに目の前の惨劇が信じられずにいた彼女は、まだ状況が整理できていないと感じていた。だからこそ、意気消沈していても何も始まらないだろう。
「……私らしく、ないですわ。
落ち込んでいても仕方ありません…から…」
とにかく、誰かに話を聞きたかった。誰かの声を聞いて少しでも安心したかった。
ゆっくりとドアを、開けて共有スペースへ赴こうとする。吹き抜けの階段を降りている途中で、甘い匂いが鼻腔をくすぐった。
昨日のクッキーの香りとはまた違う。
これは、いったい、なんのお菓子だろうか。
「………こちらから…?」
匂いにつられるまま、歩を進める。
進む度に、甘い匂いが強くなっていく気がした。
ひとつ、開いた扉。その部屋の主は確か──
「やあ、愛すべきとんまども。朝の礼拝は済ませたか?」
明るいはずの挨拶は今では不謹慎と咎められるものになってしまったのだろうか。
クッキーのこともあるので各部屋を訪れることにする。
つもりだったが、それは早くも挫折する。
ケーキの部屋の中で動かなくなっているものが2つ。
1つは哀切と後悔に苛まれるシュークリームの姿。
1つは活動が完全に止まったケーキの姿。
クッキーのそれが、事故ならば、という選択肢も考えていた。
しかし、疑惑は甘いクリーム匂いの中で確信に変わっていく。
>>シュークリーム
「この中に、これをしてる奴がいる。」
「悪食か、グルメか、食人鬼か。俺らはそいつを止めねえといけない。」
「辛い思いをしたな、シュークリーム。少し休むか?皆には俺から伝えてもいいぞ。」
俺が辛くないわけじゃない。仲間を失うのは身がよじれるほど辛い。
それでもこんな声を掛けてしまったのは目の前のシュークリームが自分より遥かに暗い眼差しをしてたからだ。
手に死がこびりついている。
いつも一人で使うベッドは、今は昨夜の訪ね人が使っていた。麻酔で穏やかに眠る彼の首を締めて、呼吸を殺したのは僕だ。
彼の首筋から、甘い卵の匂いがした。
ずっと、何も食べていなかったから。
だから。
「すまない、プリン。……すまない」
きっと謝罪すら罪なのだろう。彼を愚弄している。だが、すべての行動が理性的じゃなかった。そのまま気づけば、僕は餓鬼のように彼の死肉に齧り付いていた。
一口齧れば、求めてやまなかった味がする。
多幸感と絶望が同時に押し寄せる。だが、止まらなかった。
「う、……ううっ、……」
ひとしきり、彼の肘先ひとつ。食べ終えると嗚咽が漏れた。
この味を僕は知っている。あの人が僕の家に訪ねてくる時、気まぐれで買ってきたプリン。甘いものを食べている僕を見るのが好きだと、あの人はいつか言っていた。
彼のための珈琲と自分のための紅茶を用意して、他愛のない話をした。そんな、かけがえのない思い出が。
──塗りつぶされていく。
柔らかい喉元。意識を奪われながらも、生きようと藻掻くからだ。そして肉の繊維を噛みちぎる感触。
きっと僕の意識が消え失せるまで、忘れられないだろうと悟る。
強烈な記憶が、僕の中に名前も知らないプリンと呼んだ男を刻みつけてしまった。分かっていた。覚悟はしたつもりだった。彼を殺すと決めた時から。
けれどしばらく、僕はプリンに縋りつき、すすり泣いていた。
>>3 マカロン
[シューは、優し気で上品な口調…桃色の、マカロンの声がする方向へと向き直り、首を横に振る。]
「亡くなっちゃった…みたいっス…」
[涙で歪んだ顔で、それでもにへらと笑みを作って見せる。
ひどくその場に不釣り合いだろう、でも、そうする事しかシューには出来なかった。]
>>4 ティラミス
「…これを、こんなことを、している人がいるっス…?」
[そんなの、常軌を逸している。おかしい。分からない…理解が及ばない。
ケーキは確かに、敵を作りやすい人だった。でも、それでも彼を殺したいほど憎んでいた人がいたとも思えなかった。仲間の中にそんな人物がいるという事も、考えたくはなかった。]
「うっ…あ、ああっ…」
[ティラミスの二の句に、ダムが決壊したかのようにシューは嗚咽交じりに彼へ縋りつく。
彼の「少し休むか?」に対する涙の肯定だった。]
そうしていて、どれくらいの時間が経ったのだろう。
時刻はとうに交流時間を迎えていた。……彼はみなの命を繋ぐためにこうしたのだ。少なくとも、僕はそう思っている。
こんなところに、彼を置いておいていい訳がない。
立ち上がり、口元を拭う。
顔を洗って、新しいシーツを手に取る。それでプリンの体を包んでいく。場所は、しょくいんさんの部屋が適しているだろう。少しだけ欠けてしまった彼の体を持って、僕は扉を開けた。
少しゆっくりと起きた。やっぱり僕も人の子で、無意識のうちに気疲れしていたらしい。
まだ寝足りないなと思いながら、髪をセットして部屋を出る。
扉を開けると、誰かの話し声が聞こえた。
プリンの犠牲を思い出して、声のする方に目をやる。話しているのはシュークリームとティラミスだった。
──そして、二人がいるのは……たしかケーキの部屋の前。
甘いクリームの香りが鼻をついて、嫌な予感がみるみるとせり上がった。
あまりにもシュークリームが暗い顔をしているから、僕はティラミスの方に話しかける。
>>ティラミス
「やあ、おはよう。ケーキの部屋の前で一体何してるのさ。……この匂いは」
皆がざわめく声が聞こえる。その声の方に向かえばケーキという単語が聞こえると共に、甘いクリームの香りが鼻を擽る。
誰に声を掛ける訳でもなく、人だかりに挨拶をした。
「おはようございます。皆で何をしているんですか?」
メモを共用スペースの大きなテーブルに置いておく。
賛否はあるだろうが、伝えなければならない。
溜息をつきそうになったので、慌てて飲み込んだ。
まだ口の中にはプリンの優しい後味が残っていた。キッチンへ向かう。
昨日と同じく水を含む。憂鬱も共に飲み込めたら、よかったのに。
ベッドの傍で膝を折り、横たわる彼を見る。
スポンジと、クリームの香り。美味しそうな香り。それに不釣り合いな赤。血の色。理性が飛びそうな程、むせ返るような甘い香り。
それでも正気を保てていたのは、傍で泣くシュークリームが居たからだろう。
「……結局、私は貴方と仲直りもできませんでしたわね。
避けてしまったことを、謝りたかったのに…」
どうしてあんな瞳をしていたのか、理由を聞きたかったはずなのに、結局は聞けずに終わってしまった。
「もう少し、貴方とお話がしてみたかったですわ……。そうしたら……」
続きの言葉を口にはしなかった。その代わり、彼に向かって手を合わせ祈りを込める。今はただ、自分に出来ることはそれしかないと感じたから。
…入口付近で、ティラミスが誰かと話している声がする(>>9 >>12)。祈りを終えると立ち上がり、彼らの元へ駆け寄った。会話に入れずとも、話は聞こうと。
自分の置かれているこの状況を、今は少しでも整理しておきたかった。
>>12 ティラミス
「───。」
僕はケーキの扉を無造作に開いて、中に広がっている惨状を目にした。
一層強くなる甘ったるいケーキの香りと、彼の無残な姿が、僕の嫌な予感を的中させた。
「ああ……そうだね。これは事件だ。」
つとめて冷静な声を出す。この事態に動揺して泣き喚くのは、僕の役割ではなかったから。
「……これは、もうしょくいんさんの帰りを期待するのはやめたほうが良さそうだね。昨日帰ってこなかった時点で、あまり期待はしてなかったけれど。」
僕はシュークリームを一瞥してから、ティラミスに視線を戻す。
「あのクッキーのそばに置いてあったメモ、覚えてるか? あれが真実であるならば、俺はそういうことだと思う。極上の甘味を探し出そう。」
[のそりと、身体を起こす。ああ、朝の交流時間も、もう少し……間に合って、よかったな]
……プリンは、もう居ないのよね。
[ふう、とひとつため息をついて、支度をする。
本当は、お腹がとてもすいていて……とても身体はだるいのだけれど。普段通りのことをしないと、『人』で居られなくなるようなきがして、怖かった。
これから自分がすることを、思うと]
……先生?
どうして、私に、ここを、紹介したの。
私は……ただ……あなたの、キャンディを……。
[鏡を見、生気のない顔、と思う。いつも通り、さくら色のリップをくちびるに引いて、それから、リップを指につけて、頬に薄く薄く伸ばした。多少は血色よく見えるだろうか]
[部屋を出ると、初めての香りが鼻腔をくすぐった。この匂いは……]
……?
ケーキ……
[ああ、そういえば今日は、クッキーの誕生日じゃないか。と、ふっ、と浮かんで、それから、その名を持つ住人の顔が浮かんだ]
……まさか。
>>16 スフレ
彼は冷静だ。
まるでチェスの盤面を見るように物事を整理する。
「しょくいんさん、アイツがこれに1枚噛んでるのは間違いないんだけどな。掌で遊ばれてるみたいで気に食わねえ、いいやつだと思ってた俺をぶん殴りてえよ。」
話はメモのことに戻る。
今、動機や手口に考えても材料が無さすぎて手打ち状態。
2つだけ考えられるとすれば。
「俺はプリンは犯人じゃない、直感的にそう思った。必然かもしれんが。あとは·····。ケーキがまだ生きてるかもしれない、ということか。」
恐らく複数の極上の甘味。見つけ出すためには先入観を捨てて、初めから仲魔を疑わなければならない。
趣味の悪い話だ。
>>キャンディ
ティラミスと今後のことについて話していると、キャンディがやってきた。
いつも通りメイクが施されている顔は、リップでも誤魔化しきれない血色の悪さだ。昨日僕が抱き締めた時の、真っ赤な頬は見る影もない。
「おはよう、キャンディ嬢。……ケーキは、死んだよ。」
変にぼやかしても、いずれは知ることだから。僕は端的に説明をした。
ざわめく人と人の隙間から覗き込むと、そこにあったのは"ケーキ"の死体。昨日と似たような惨状と甘い濃厚なケーキの香りに、思わずまた喜びが溢れた。こうしてまた一つ、僕の罪が許されたのだ。その甘さを堪能すべく、部屋に入って血を啜ろうとするが、部屋へと戻る人波に流される。
僕は仕方なく、部屋へと戻るのだった。
[共同スペースで、血のついた──クッキーの匂いがする──メモと、チョコレートが書いたメモを見つける。
チョコレートのメモからは、わずかにプリンの香りがする、気がした。]
……そう。あの部屋。
あの寒い部屋に、プリンは、いるのね。
[昨日のカラメルと卵の香りを思い出す。それはそれはきっと、冷たくて、おいしい、プリン、だろう、と]
……私。
私は。
[正しくレディでありたいのに。一日半、水しか口にしていない身体は、だいぶ限界が近かった。
何にせよ、もう時間が無い。プリンのところに行くのは、夜の交流時間にしよう……そう思い、自室へ戻ることにした]
「まあ、あれだ。みんな頑張ろう。」
月並みの言葉をみんなに送る。
「今日の夜、俺は考え事をしてたら顔出せないかもしれない。今日誰をどうするかは任せる。それじゃあ。」
[ケーキが、生きている?
極上の甘味は薬ではなく、自分達と同じ人型で他者を乗っ取れるらしい。
その話自体が初耳のシューは、何故メモをきちんと読みあげて貰って確認しなかったのかと、自身を呪った。
時間が迫っていた。本当に、ケーキがいるなら、探さなければ。
シューはよろよろとその場を後にするのだった。]
「こんばんは」
誰に向けるでもない簡単な挨拶とともに、共有スペースの椅子に腰掛ける。
クッキーの血がついた甘い香りのメモと、新しく置かれたメモを一瞥しため息をついた。
[今朝はティラミスの勧めに従い、シューは体調を整える事を優先した。
しかし、連日の精神的な負担、肉体的な空腹は彼女に快適な睡眠をもたらす事はなかった。
なので、シューは眠れなかった時間を無駄にしないように、今日の行動指針をある程度決める事にした。
極上の甘味と呼ばれるモノの捜索、隔離。
プリンの処遇確認。
謎の機械の更なる実験、レシピがあるのか、追加の型があるのか。
…そして、食事。
まだ思考はうまくまとまっていないが、時計は容赦なく夜の交流時間を告げる。
新たに思いついてしまった悪夢のような仮定を胸の中にしまい込み、シューは扉を開けたのだった。]
部屋内に広がる濃厚なクリームと卵がふんだんに使われてそうなスポンジの匂い。これも粘土で作られたまがい物か?だなんて疑問はどうでもいい。僕は目の前にある死体の固まりかけた血を両手で掬う。
「…いただきます」
口内に広がるのは嗅いだ匂いと同じ味で、思わず顔に笑みが広がる。こんなにも満たされた気持ちになるのはいつぶりだろうか。
[夜の交流時間が始まる。
何をすることもなく、ただベッドに横たわっていたが、ずるりと身体を起こした]
……おなかがすいたわ。
[この言葉を何度呟いたことだろう。鏡の前に座り、崩れた髪を直してから、両手でぺしぺしと軽く頬をはたく]
さあ、プリンを……プリンに……ええと……
[食べる、会う、見る、何が正しいのか、よく分からなくなってきた]
……しょくいんさんの、部屋に行きましょう。
[共同スペースにあると言うメモを探しにやってきたシューは、テーブルの上から感じるクッキーの香りを元にメモを手に取る。どうやら1枚だけではなかったようだ。
そして、周囲の人に聞こえるように声を掛けた。]
「あのー、誰か申し訳ないっスけど、このメモの内容を詳しく教えてもらいたいっス!」
目を開く。
あのあと、キッチンから逃げるように部屋に戻り、ずっと目を瞑っていた。
朝は誰とも言葉をかわさなかった──とても、交わせなかった──から夜はせめてと重たい足を動かす。
部屋を出た時、ふわり、と。
朝は必死で気づかなかった香りがした。……ケーキの、甘い匂いだ。
その先にあるのは、きっと柔らかいスポンジなどではない。
……事態を確認するために、共用スペースへ急いだ。
チョコレートのメモを頼りに、しょくいんさんの部屋へと赴く。
そこは寒く、また古い残忍な童話を思い浮かべさせられる異様な空間だった。
鍵の束など持っていないけれど、握りしめた手に力が入る。
そして、甘い香り。
「カラメルソースって、上手に作るの難しいのよね」
横たわる彼のそばに跪く。片腕がない。
なんだ。案外、皆吹っ切れたのかしら。
「おやすみなさい、プリン」
交流禁止時間が終わると、僕はしょくいんさんの部屋へと向かった。誰かがそこに彼らを移したと聞いていたから。
中はひやりとした肌寒い部屋。改めてみるとその行為に対する嫌悪感ともつかない感情が湧いて、わずかに眉を顰めるけれど。
「……ご馳走様。」
僕は控えめな量で腹を満たして、唇の端についた血の痕をハンカチで拭った。
>>シュークリーム
>>スフレ
共用スペースには、人が既にいるようだった。けれど思った通りケーキの姿はない。
シュークリームの手にはすっかり意識の外にあったメモが握られていて、僕もまたその内容を確かめる。
「やあ、二人とも。なにかあったのか?」
目が覚めると、そこはいつもと変わらない自分の部屋だった。ゆっくりと身を起こし、自身の起動を待つ。しばらく何もせずぼうっとしていると、拭い去れない空腹感が襲ってくる。
「……おなか、すいたな」
共同スペースへと歩を進める。みんな、いるかな。ごはんどうするか、聞いてみよう。
>>40 スフレ
「あっ、スフレさん。こんばんはっス。
…大丈夫、大丈夫っスよ!…今は立ち止まってられないっスから…」
[平時のいつもなら、誰かをからかう事を楽しむとした明るいオレンジ色だが、今はこんな状況もあり、その色はくすんでいる様に感じる、スフレだ。
努めて明るい笑顔を見せる。空元気なのは誰が見ても間違いない。]
「あ、そうっス。パイさんからも少し教えて貰ったっスけど、全部は知らなくて…。
教えて貰えると嬉しいっス!
後、もう一つメモがあるみたいなんスけど、これは…?」
[言いながら、クッキーの香りがするメモの隣にあったもう一つのメモを手に取る。
こういう時に盲目だと不便だなとシューは心の中で独り言ちた。]
「こんばんわ」
共有スペースへ顔をだす。
ワッフル、シュークリーム、スフレ、チョコレートが居た。
何かを読んでいるようなので聞こえる範囲まで歩み寄った。
[胸がうるさく鳴るのがわかる。目の前がぐわんぐわんと揺れ、このときは、他の人の姿も目に入らなかった。
ただ、お腹がすいていて……どうしても何かを食べたかった。共同スペースのほうの、ケーキの香りもとても魅力的だけれど。
このひとが、こうなった意義を、ちゃんと、しよう、と、ちゃんと、いきる、ために、自分は]
プリン……はあ……ごめんなさい
あなたを、
あなたに、生かしてもらいま、す。
[手を合わせてから、震える手で、持ったことの無い大きな刃物を持って、彼の耳を切り落とした]
>>42 チョコレート
>>45 スフレ
[メモの内容を一語一句零さないよう、頭の中に刻み込んだシューは秒針が一周するくらい思案した後、発言した。]
「今朝、少し聞いたっスけど、自分達の中にその【極上の甘味】と呼ばれる何かがいるのは間違いないと考えた方が良いと思うっス…。
そして、それが…ケーキ、と言う可能性も自分は高いと思ってるっス。
睡眠中でも無意識に他者の身体を奪ってしまうとも書いてあるっスから、もしかしたらあの惨状を意図的にやった訳じゃないとも思うっスけど…これ以上は推測の域を出ないっスね…」
[今朝も感じたように、ケーキに対して殺意を抱いていた人がいたようにも、ケーキが意図的に誰かの身体を乗っ取ったようにも感じなかったシューは、メモの”無意識”と言う部分に焦点を当てた見解を述べた。]
[プリンの遺体の前に座り込んで、彼の耳を食べた。
ああ、おいしい、と思ってしまう。
ああ、この3年ずっと求めていた甘さ、それをようやく口にできた。
もっと自然に、もっと喜ばしく、その瞬間を迎えたかったのに。
気持ちは吐きそうだったけれど、身体が甘味を求めていて、実際に戻すことは無かった。
ああ、おいしい。
耳たぶのあたりはやわらかくて、とろけそうだった。それは、確かに『プリン』だった]
「極上の甘味、ね」
漂うケーキの香り。
パティスリーのショーケースを眺めるときとは程遠い気持ちなのに、甘い香りは思考を逃がしてくれない。
「メモが真実なら……彼が。
ケーキが、そうだったということでしょうね。
そして、そうであるなら他の誰かは、もう誰かではないということだわ」
……共同スペースに、行かなくちゃ…………
[そう思うけれど、足に力が入らなかった。空腹はほんの少しだけマシになったけれど、もっと大きなものを失ったことはわかったから]
もう、もどれない、わ
>>共有スペース
「メモの内容はわかりました。ケーキが極上の甘味だった可能性があることも。」
食べたら分かる。シンプルだ。
考えるそぶりを見せ、プリンは[しょくいんさん]の部屋にあるだという事を思い出していた。
>>50 シュークリーム
こくり、とシュークリームの見解に頷く。
「そうだね。ケーキが極上の甘味だった場合、他者の身体を奪う行為を無意識にやってしまっている可能性はある。……けれど、もしそうなのだとしたら名乗りあげ……は流石にないか。」
僕は少し考えたあと、再び口を開く。
「どのみち意識的にしろ無意識にしろ、極上の甘味の悪さを止めなきゃいけないことは確定してる。俺が乗り移られたらと思うとぞっとするし、これ以上犠牲も増やしたくない。」
>>49 チョコレート
「複数の場合もある……か。うーん、結局全部推測の域を出ないんだよな。もう少し極上の甘味について詳細を書いてくれればいいのに、不親切なメモだな。」
はあ、と溜息を一つ。
存分に"ケーキ"の甘味を堪能した後に、"プリン"を味わう。しょくいんさんの部屋は無機質で空っぽだ。もう誰も僕を罰してくれる人はいないのだと思うと空虚に包まれる。その穴を埋めるべく、僕は側にあった刃物で一欠片、その肉を噛み締める。口の中に広がるのは卵とカラメルの甘味と苦味。口の中で蕩けそうな味をゆっくりと舌で感じ取った。
>>みんな
「なあ、このメモを軸にして聞きたい。これはメモの通り無意識に行っていたらあまり意味がないんだけど。
もしケーキが意識的に身体を奪っていて場合、誰を選ぶと思う?」
>>58 スフレ
「…名乗りを上げてほしいとは思うっスけど、無意識に行ってしまう以上自分達に出来るのは…隔離だと思うっス…でも交流時間のペナルティがどうなるのか…っスね」
[『おかしのいえ』のルール…交流時間外のペナルティを危惧しながら答える。
もしも【極上の甘味】が名乗り上げてくれたとしても、1階・2階・隣室程度の範囲では恐らく身体を奪ってしまうのだろう。
隔離するなら、しょくいんさんの部屋か共同スペースか…それくらいは離さないといけないのだろう。しかしそれは規則に違反する。]
「…そうっスね。ケーキがこれ以上間違った事をしないように、見つけないといけないっス…!」
[ずっと傍にいた自分が、一番ケーキを知っているのだ。自分の双肩に掛かるプレッシャーをシューは再認識した。]
>>64 シュークリーム
「ええと、お嬢。……こんなことは言いたくないけれど、必ずしも無意識の状況でケーキが身体を奪ったとは言い切れないよ。
メモにはこう書いてあるんだ。“特に、睡眠中は無意識に行ってしまう可能性がある”ってさ。」
いつも僕が汚れ仕事だな。まあ、別にいいけれど。
ケーキを慕っていたらしいシュークリームにこんなことを言うのは僕だって多少抵抗があったけど、そのまま言葉を続ける。
「この一連の事件はさ、ただ極上の甘味を見つけただけじゃ終わらないと思う。……食料不足の問題ももちろんそうだし、遺体を甘く感じるこの症状もどうにかしなきゃならない。
……だから、極上の甘味を探すなら──これ以上は言わなくてもわかるよね?」
>>63 スフレ
「意識的なら…っスか。
…多分女性を乗っ取っているとは思わないっスね」
[彼が女性の姿を取っているというのを考えたくないというのもあるが…。]
「後、『おかしのいえ』に集まった自分達は、一番好きな甘味をまた食べられるようになる為に来たっスよね?
それなら、【極上の甘味】も、自分たちも、欲しているのは一番好きな甘味だと思うっス。
その前提に立って考えるなら、身体を乗っ取ったケーキはまず亡骸になった自分を食べに行くって事は考えられないっスか…?」
[…それに該当する男性は、シューが聞いた限り今朝段階ではティラミス、スフレだろうか。…流石に安直すぎる気もするが。]
>>57 タルト
「……そう、なの?…………ありがとう。わたし……ちょっと、おなかすいちゃって……。」
そして、ふらりと部屋を出ると、しょくいんさんの部屋へと向かった。そこには、身体の欠けたプリンが横たわっていた。ワッフルには、不思議と嫌悪感はなかった。美味しそうに見えたからだろうか。それとも、慕っている人が食べたという盾があるからだろうか。おなかがすいてたまらなかったからだろうか。無垢だと思われた心に、どこか欠損があるからだろうか。理由は定かではないが、とにかくワッフルは躊躇いなく、食事を終えた。その甘い味は、いつからか追い求めてきた味そのものだった。
「……あまい……おいしい……ね……」
しょくいんさんの部屋に入ると、再びひんやりとした空気が肌を包んだ。
キャンディはすぐに見つかった。僕がさきほど食事をしたプリンの横で、キャンディは膝を抱えていた。
脇には血の付着した刃物があって、なんとなく事情を察する。
>>キャンディ
「お嬢、こんなところにいたら風邪引くよ。」
>>67 スフレ
「…分かってるっス。…もしもケーキがいて、話せるなら…手に掛けたいとは、自分は思わないっスから…」
[スフレが言わんとしてる事は痛いほど分かる。自分がケーキに対して強い態度に出れない事も分かって言ってくれている。でも、シューはそれを認めてしまった時の心構えがまだできていなかった。]
「…ケーキを見つけたとしても、自分がもしも庇おうとしたら、スフレさんが…いや、皆で自分を叱ってくださいっス…」
[消え入りそうな声で、スフレに、共同スペースにいる皆に呟いた。
まだシューには、ケーキを見つけたとしても告発する勇気はなかった。]
>>83 キャンディ
「わあー、よく出来ましたぁ。」
勢いよく立ち上がるキャンディを見て、僕は人を食ったような笑みをにこりと浮かべて、わざとらしく拍手をした。
「……刃物と麻酔。なるほどね、どうして味覚を治す施設の職員の部屋にそんなものがあるのか不思議でならないけれど、……じゃあ、他にもなにかないか見てみるよ。
そうだ。さっき置きそびれちゃったんだけど、このスマートフォンを持って行って。ここにボイスレコーダーアプリが入っているからさ。
これで誰が何を喋ったか、そこにいない人も聞き返せるだろ?」
そう言ってカバーのないスマートフォンをキャンディに渡す。メッセージアプリや通話は、ここに来てから使い物にならなくなったので、全部アンインストールした。
本当に何もない携帯だから、渡しても問題はないだろう。
「うん、待ってるから。」
「話は聞かせてもらったわ。」
いつの間にか皆の居る部屋やって来ていたドーナツが言う。部屋の壁にもたれ掛かり、訳知り顔をしている(ように見える)。
「自ら犠牲となることを選んだプリン、昨夜のうちに、その、亡くなった、ケーキ。
要するに、ケーキは『元・極上の甘味』なのよね。
そしてわたしたちの中に、ケーキだった何かがいるってこと。
先だってまで仲良く楽しく暮らしてきたわたしたちはお互いを疑い合わなくてはならなくなった。
そういうことなのよね?」
わかっていなかった。
既に自明であることを確認したに留まったドーナツは、おもむろに上着のポケットから何かを取り出し、それを口に運ぶ。
「銀河鉄道の夜にこんなシーンがあったような気がするわね。」
ここまで、衝動に抗うことに必死であったドーナツが咥えていたのは、『人間の指』だった。
[共同スペースに入る。今話の中心になっているのは……シュークリーム、だろうか。タルトも話しているのが聞こえたし、ドーナツが現状をまとめているのも聞こえた。それから、レコーダーでスフレが言っていたことも把握した]
遅れてごめんなさい!
ええと……ボイスレコーダーを聞いたのだけど、今は、ケーキが、今、どこに……誰になっているか、だったかしら。
……信じ難いことだけれど、今はそのメモを軸に考えるしかない、と思うわ。
私も、考えてみるわね。
二人で手分けをして調べてみたけれど、キャンディが言っていたこと以上の情報は得られなかった。……あのメモは一体誰が置いたんだろう。
ある程度探し回ったあと、僕はチョコレートに話し合いに戻ろうと声をかけて、部屋をあとにしようとする。
だけど、ふと横たうケーキに視線がいって、足を止める。そういえば、まだ彼のことは口にしていなかったな。
僕が何をしようと、ケーキはもう僕に罵詈を浴びせてはこない。
「……またな。」
プリンとケーキ、そしてクッキーにそう言葉をかけて、僕は今度こそ共同スペースへと帰った。
共用スペースに戻ると、キャンディは頼んだ通りスマートフォンを戻してくれていたようだった。
僕はそれを手に取って、席を外していた時の話を耳にする。そうだ、他のみんなにも伝えておかないとね。
「みんな! 交流時間のあいだ、俺のスマートフォンをテーブルに置いておくから、なにか大切なことや分かったこと、話し合いの内容なんかをここに入れておいてよ。
みんなもこれを置いている間は好きに使っていいから。」
ケーキが誰になっているか、よね。
私、まだ顔を見ていないパイとムースではないと思うわ。
だって、この時間まで誰に対しても一言も話さず……自分を、ケーキをひとくちも食べないなんて、不自然、だわ。
仮に、誰にも見られないように食べようとしたと、しても。
何かを隠すひとの心理として……すくなくとも、ちょっとは顔を見せて、何食わぬ顔で誰かとお話をするのではないかしら、と思うの。
ゆっくりと微かに軋む木の音を響かせて扉が開いた。
少女はいつもとは反対に、こっそりと扉の端に隠れて共同スペースの中を伺った。
「今日は朝カラ…カラメルの芳ばしいニオイ、生クリームの甘いニオイ、ケーキの焼けたニオイ、沢山の甘いニオイがズットするンデス…
……昨日のクッキーと同じヨウニ。」
少女はするりと部屋の中へと入り込み言葉を続ける。
「ティラミスは昨日、明日になればミンナが説明してくれると言いマシタ。
ミンナ、何をしているノデスカ?
ミンナ、何か変デスよ?」
血まみれの口元、指の間に挟まる髪の毛、口元から見えた薄橙のなにか。
チラリと見かけたいつもの皆んなの異変を呼び起こし少女は問うた。
「身体を奪うって……とっても怖いわ。わたし、明日になったら、わたしじゃないかもしれないって……ことよね?……わたし、男の人に身体取られたら、すごく嫌だな……」
「ヤー、ヤー。
遅くなっちゃった。不貞寝?いや違うね。
うーーーん……ところでどんな話になっているのやら。
監視カメラとか勝手に見ちゃってもいいヤツ?
うん、うん。いいよね。
ちょっと追っかけて見てみようかなあ?
僕、警備室的なヤツ探してみんなの話とか振り返ってくるからちょーーっと!待っててね?
話しかけにきてくれたらそれはそれで。答えるよ。
はあーーーーーー
お腹空いた……」
ええと、単純に考えたら、物静かな人の方が、成りすましやすいのではない?
うーん、それでいうと、ゼリーやワッフル、かしら。
……ゼリーはともかく、ワッフルになっていたら、私はケイベツするけれど?
その点、スフレやシュークリームは、あまりないんじゃないかしら。
ふたりとも、よく話すでしょ。特にスフレなんか口の軽やかさは羽が生えてるみたいよ。余裕がありすぎるわ。
それに、ケーキがスフレの真似をしたら、すっごく嫌な顔をしそうだわ。
チョコレートも物静かな方だけれど……麻酔を使う話をしていたでしょう?
専門家に成り代わるのは大変そう。すくなくとも、様子を見てから代わりたいと思うのではないかしら。
>>79->>82 タルト
「奇遇だね。パイのことは考えていなかったけれど、女性の中だったらムースやドーナツはあり得そうだなって思っていたよ。男だったらチョコレートやゼリーかな。」
「癖があまり強くない人や、逆に個性的で特徴を掴みやすい人間であれば、そう振る舞うことは難しくないかも知れないね。」
そこで、はたと何かに気づいたように唇を閉ざす。
「あー……うん、そうだな。でも、もし意図を持って身体を奪っているなら。メモのこともあるし、こうやって僕らに正体を暴かれるかもしれないってことは……ある程度想像できるはずだよね。」
「だったら、普段からあまり喋らない人の身体を奪うっていうのはしにくいのかな。真似はしやすいかもしれないけど、疑念は向きやすい。」
>>95 キャンディ
[彼女の発言に内心安堵する。
ケーキの慧眼にシューは感謝した。]
「それは…良かったっス!…それで、物は相談なんっスけど、自分達、あの謎の機械を動かしてみたっス。でも出来たものは失敗作だったんスよ。
料理が出来る人が触ったらもしかしたら食べられるものが出来るんじゃないかとと思ったっスから…キャンディさんに出来れば手伝ってほしいっス!」
[昨日の実験の続きの補佐をキャンディに提案する。]
>>96 スフレ
「そうっスねぇ…流石に数日は様子を見るんスかね…?」
[スフレの言い分にシューは唸る。
どう考えて、どう行動するかはそれこそ人それぞれ違うだろう。
何処か行動に違和感を感じる所があればいいのだが…。]
……ケーキとシュークリームは仲が良さそうだわ、とは思っていたけれど……。それで、そのひとの身体を奪うものかしら。
私には理解出来ないけれど。
……仮に、好きなひとの身体を奪うとするなら……他のひとに、触らせたくない、とか、そういう……
[言っていて、だんだん恥ずかしくなってくる。顔が赤くなっているかもしれない]
……わからないけど?
好きなものを最後に食べるか、最初に食べるか、とか、そういう……やめましょう。そんな話じゃないわよね
「やあ、愛すべきあんぽんたんども。夜の礼拝は済ませたか?」
結局、思考はまとまらないままだった。
残るのは変わらない未来。誰か一人を殺すことと誰か一人が殺されること。そしてそのどちらの対象にも自分がなり得るということ。
誰かがケーキかもしれない。誰もケーキでないかもしれない。
愛してる人を疑うのは心苦しいことだと初めて実感した。
「極上の甘味。それが誰になりすましているかですよね」
パリッとしていたワイシャツにべっとりと血を付けながら話す。それくらい夢中になって食べていた証拠だ。
「ケーキさんがなるなら、特徴のある人か物静かな人を選びそうだと思います。理由は特徴のある人は特徴を捉えればなりすましやすく、物静かな人はあまり話さなくて済むからです。
第一印象というか、予想の範囲から抜けませんけど。女の人のみ選ぶかという話は僕には分かりません。あまり話した事ないので」
本当の事をありのままに話した。それぐらいしか僕には出来ないからだ。
「あらあら、争い事は感心しないわね。
わたしたちがあらゆる事象をかき集めてみんなの発言の粗を探して改めて新たな一歩を踏み出そうと言う時に。荒ぶるパイには荒療治が必要かしら?そうしてあられもない姿になるのね。」
「そうそう、僕とムースまーったくおんなじタイミングで帰ってきたんだね?ならまあ、僕たちふたりともが極上の甘味ってヤツじゃないとは思って欲しいかな。
しゃべらない、主張しないってまあ"声の大きい人に食われる"立場だよね。
なーんかさ?昔読んだ怪談思い出しちゃうねえ。
にんじん嫌いの女の子が、食べ物が全部にんじんに見えるおまじないをかけられてさ。
それがハンバーグだったらケーキだったり。ある日これは何かと食べたらおいしいなにかの野菜。それは本当ににんじんで女の子はにんじん嫌いが治るんだよねー
で、しまいには生き物全部にんじんに見えるようになってさ。起きた時にあった大きなにんじんをぱくぱく食べて「なにかわからないけど柔らかくておいしい!」って。
まあそれ、起こしに来たお母さんだったんだけど。
僕たちはその逆で、全部が全部甘いものの味しかしなくなって、しまいには人を終わらないデザートのように貪り食べましたとさ。
……みたいな?」
>>117 ムース
あ、ありがとうムース。
[ムースも、自分を庇ってくれた。彼女にそっと寄り添う]
>>116
そう、ムースは、しょくいんさんについて、いろいろ考えてくれていたのね。
[じっ、と見つめられたときの、ムースのきれいな瞳を思い出し、胸が詰まる。少し目を伏せてから、改めて、ムースのきらきらした瞳を見つめ返した]
ええ。プリンを食べたわ。
だって、そうしないと、プリンが死んだ意味がなくなってしまうもの。
無駄死になんかにさせないわ。
やりかたは、おかしいのはわかっているけれど、彼は、私たちが命をつなぐために、そうしてくれたの。
そうするしか……生きのびるしか、ない、わ。
私、たちは。
>>パイ
落ちる所まで落ちたな。
飢餓の中のケダモノより、聖書の中の悪魔より醜いぞ。
なんでそう人を食べたがるやつが多いんだ?
仲間だった奴をなんだと思ってるんだ?
/*まるで聖人のようなこと言ってしまった。柄でもない。それでも皆が受け入れようとしてることを俺は受け入れられなかった。*/
[キャンディが来るまでの間、シューがやるべき事。
それはおにぎり以外の型がどこかにないか探す事。後はレシピのような媒体がないか探す事である。
キャンディが料理のできる型が見つかれば御の字、見つからなければ…おむすびで試さざるを得ないだろうか。
洗い場の引き出しや、棚を開いて、手探りで探してみる。]
「……えっと……誰になっていそうか、だよね?……話し方が変わってる人は、真似しやすいかな……?静かな人って……その、特徴がないし……しゃべりにくそう……」
言葉を選びながら、ゆっくりと話す。人のことを悪く言っちゃいけないよ、と常々お父さんは言っていた。悪口にならないようにその人を探すというのは、とてもやりにくいことだった。そしてそんな状況でも、何故かワッフルの頭の中には、自分が別の人に乗っ取られてしまったときのことが浮かんでいた。
─────男の人だったら、いやだな、と。
>>128 シュークリーム
「おい、もう大丈夫なのか?」
キッチンに向かう彼女の顔は何かを考えているようで思わず後を追って声をかけてしまった。
今朝よりかは幾分か顔色も良くなって、表情の険しさも薄らいだ。
「··········もしかして、こんな状況でも皆のために、って動いてるのか?こりゃたまげた、お手上げだ。どこかのエセ牧師よりよっぽど聖職者だ。」
生への執着は?保身は?
彼女は何を原動力にしてるのか。
何故、倫理と道徳のレールの上を歩けているのか。
その疑問の答えはきっと見つからないが、彼女の存在が希望になりつつあった。
助けられるのが牧師じゃ神も笑ってるか?
「·····なんか、手伝えることあるか?」
>>パイ
「どうです。気はすみましたか。」
彼が僕の爪を噛る姿を静かにみていた。
僕は、彼の口に触れて少し濡れた人差し指をポケットからハンカチを取り出して拭いた。
「味の感想は後日でも構わないので聞かせてください。」
そう言いスフレの方を気にかける。
「うん。俺はムース嬢を奪ったんじゃないかと思う。彼女は個性的で、みんなのアイドル……みんなの? まあまあ、比較的明るい部類に入る。
わりと真似をしやすい子だと思うし、ケーキとはそこまで関わっていなかったから、隠れ蓑には丁度いいと思うんだ。
逆に、おとなしいタイプの人の身体を奪うのはどうかなって考えてる。」
「で──俺もシュークリーム嬢の意見には頷けていて、もし極上の甘味が複数人の場合、ケーキが先手を打ったのはもう一人があまりよくない位置……位置ってなんだろう。」
こうやって考えて話してると、時々日本語があやしくなるよね。
「とにかく、そう。仲間がいるとしたら後手に回っている人なんじゃいかって。」
「そういう点でも、彼女はこの二つの点で当てはまる。……昨日よりも喋らなくなったのは、ミスを犯さないように慎重になっているからなんじゃないかな。」
「それから、クレープが乗り移られいる可能性は低いと思ってる。反りが合わないみたいだったし、俺がクッキーを頂こうって言った時に反論してきたやつが、パイに指差し出したりしないと思うし。多分。」
「喋り疲れたから、すこし休んでくるよ。スマートフォンはこのまま置いておくから。」
僕は共用スペースにいる人たちに声をかけると、休憩をしようと自室に戻った。
「正直なところ、本当に食べたいのは好物よね。
自分の名前が身体をその味にするのなら、わたしは自分を一番食べたいわ。そうでしょう?
ただ、わたしは“まだ”ドーナツの味はしなかった。残念だけど。死んでしまっては自分の好きなものを食べられないし、困ったわ。」
真顔のまま小首を傾げる。
[パイがクレープの指を舐めているのを見た。アレをされていたかもしれないと思うと、ゾッとする。スフレやムースが間に入ってくれて、良かった]
……クレープも、ちがいそう。
もしケーキが成り代わっているのなら、あんなに簡単に自分の指を口に含ませるかしら?
たとえば少し、ケーキの味が残っているのではないか、と心配にならないのかしら。
[誰にともなく呟いてから、シュークリームが待つキッチンに向かうことにする]
>>128 シュークリーム
……来たわよ?
[シュークリームが何かをゴソゴソと探している。目が見えないんだから、危ないのに]
あ、ちょっと。
刃物はなくても、何かで指を切るかもしれないわ。
私が来たからもう平気よ。探すわよ?
>>132 ティラミス
「…あ、ティラミスさん。
…大丈夫、大丈夫っスよ」
[後ろから声を掛けられて振り向く。
大丈夫かと言う問いに対して、自分に言い聞かせるようにシューは答えた。
少なくとも、ケーキを見つけるまでは、立ち止まれなかった。どうして言ってくれなかったのか、どうして勝手にいなくなってしまったのか、聞きたい事は山ほどあったから。]
「…そう、っスね。半分正解っス。
もしもこの機械の謎が解ければ、今のこの状況も少しは分かるんじゃないかって言うのが半分っス、まあ自分の為っスね。
もう半分は…死体を食べないで済むなら…その方が良いと思ったというのが半分っス」
[聖職者とまで言われるような事をしているつもりはなかった。
ただ、シューはケーキと一緒にやっていた事をやり遂げようとも考えていて。
決して100%の善意で皆の為に動いていた訳ではなかったからだ。]
「俺は、個性的とか、静かとかじゃないと思ってる。最低でも1年はいた仲だ。口調とか癖はどうにか誤魔化すんじゃないかと思ってる。」
「じゃあ、何を基準に、って話だが、俺は"食べたいヤツを食べている"と思ってる。論理的な理由じゃなくて個人的な理由ってやつだ。面白そうだから、嫌いだから、好きだから、美味そうだから、とこんな感じか?」
「ま、こうなると誰が怪しいかてんで検討がつかないのが問題だが。」
極上の甘味の考え方など理解出来る訳はない。
分かってしまったらきっと心が溶け落ちる。
それでも寄り添った振りをして考えたのが今の答えだ。
誰かに届いていればいいが。
>>131 ティラミス
「まいったねぇ……?ほんのり甘い。
これはこれでいいおやつだよ?なんちゃって。
キャンディやスフレを追いかけてディープキスでもお見舞いしたい気分だよ。
さて……死体を食べることは正しいのか。
結論、正しいかどうかなんてどうでもいいね。常時であれば100%アウトだけど。
自分が助かるために誰かを見殺しにすることは、まず法律でも許されている。カルネアデスの板ってヤツかな?
でもさらにその先が起こるような状況、そもそもものさしで測るのがナンセンスだよ。
僕を神と崇めてくれるなら、僕全ての人類愛をもって「許す!!」って叫びたいとこだね」
>>123キャンディ
「昨日はクッキーのお誕生日デシタカラ、パーティの準備を沢山しているデショウと予想したノデスガ…パーティどころでは無くなってしまいマシタ。
元のヨウニ、甘いものが食べられるヨウニと望んでマシタガ、ワタシはこんな甘いモノは望んでなかったデス…」
キャンディが目を逸らした。しかし、またすぐに真っ直ぐと少女の目を見つめる。
そしてキャンディは毅然と、自身の思いを少女に伝えた。
『えぇ。プリンを食べたわ。』
だんだんと、キャンディの声が途切れていく。
その弱々しい声色を少女は責める気にはなれなかったが、一つだけ、一つだけは確認したかった。
「アノ、プリンはタダの甘味、デシタよね?
ワタシも理由は全くわからないけど、メモにあった“極上の甘味”ではナイと思いマシタ。
お腹がスゴク空いても、数日なら平気デショウ?
“極上の甘味”だけ食べるというのは、ダメデスかね?
他は、他の人は食べなくてテモ……」
「……こんばんは。」
共有スペースにやってきて、誰にともなく挨拶をする。今朝、ケーキの部屋に集まった彼らの話を小耳に挟みつつ、部屋に戻って色々考えていた。
メモのこと、プリンのこと、ケーキのこと。
クッキーのことも。本当に色々と。
考える程に、やはり非日常なんだと思い知らされる。そもそも、人間が甘味になるなんておかしな話だろう。それを食べようとしているここの住人にも、美味しそうだと思ってしまった自分自身にも絶望してしまう。実際、クッキーもケーキも、求めていた甘い香りがして、食べたくて食べたくて、仕方がなかったのだから。
………お腹が空いた。
共有スペースのテーブルの上、置かれた小さな機械に気が付いた。どうやら、ここにマカロンがいなかった時間の音声が記録されているらしい。そっと手に取って電源を点け……
「………これ、どうやって使うのかしら?
四角い小さな機械?ですけど……?」
なにぶん、スマートフォンなどというものを持った事がない彼女。録音機能を再生する事はおろか、電源を入れるボタンすらどこにあるのかわからなかった。
「ここ……を、こう?……違うみたいですわね…
難しい機械ですわ………」
手にスマートフォンを持ってあーでもない、こーでもないと模索する。彼女が過去の会話を聞くのは、もう少し後になりそうだった。
謎の機械にはめられた型を取り外すことは出来る。
他の型は見当たらない。もしかしたら、しょくいんさんが別の場所で保管していたのかもしれない。
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