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旅人 ニコラス に 1人が投票した。
負傷兵 シモン に 2人が投票した。
負傷兵 シモン は村人達の手により処刑された。
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか。
全ての人狼を退治した……。人狼に怯える日々は去ったのだ!
[その朝、村には数日ぶりに陽光が射した]
[蒼穹の中で太陽は燦々と輝き、中天にかかる頃には、あちこちで陽炎が揺らぎ出す。
そして、閉ざされた道の先から――手紙>>3:154を見た者たちの、こちらを案じる呼び声が届く。ざくざくと、崩れた土を削りゆく音も]
[――遠からず、道は再び開かれるだろう]
[耳元で。
今、自分が刺した人の声が。
シモンの声が、次第に血に飲み込まれていく。
ナイフを持つ手に、生暖かい感触が伝う。
次々と溢れてきて。
そう。それは奪った命の温もり。
自分が手を下したことで、
一つの命が、失われていこうとしている。]
[生きること、とは。
どういうことだろう。
少なくとも。
今、一つの生を奪ってしまった自分には
すぐには、答えが出せそうにない。
何よりも、尊いもの。
ずっと、そう思っていた。はずだった。から。
彼の中から溢れ出る熱が、
己の価値観を根底から揺るがしていた。]
[空を見つめ、カタリーネと共に
終わりゆく騒動とその先を見守る
いつも笑みを絶やさずいられることに感謝をしている
やはり、口には出さないけれど
次第に割けていく雨雲と
思い出したようにひょっこりと顔を出すだろう太陽を待った]
空に映らなくても ずっと見えてたのよ
[虹は、ずっとこの場所にあったのだろうと
今日までに見えた様々な色を思い浮かべる]
[虹は、ずっとこの場所にあったのだろうと
今日までに見えた様々な色を思い浮かべる]
みんなどこへ帰っていくんだろうね
あんたも、あたしも そろそろ見つけるべきなのかね
もう縛るものはなにもないんだ どこにだって行けるわよ
帰る場所がないなら旅をすればいいんだわ
お土産を買う理由だって作れるもの
[虹色に浮かぶ黒 それは罪の色だろうか
すべてを塗りつぶす色なら、
それを染め抜き包むのは白い光でありますように**]
― 受付付近 ―
[カタリーネのそばを少しだけ離れて、一人で歩いた
誰にも会わないように ひっそりと
歩く獣の歩幅は広く]
……の、馬鹿
[ぽつりとつぶやく]
なんのために一緒にいたの
願いも祈りも 最初から
ずっとそばにあったっていうのに……!
[はさみを両手で握り崩れ落ちる
すがりつく 動かない椅子に
決して許しなど乞わない 祈るためでもない
ただ悼むため
頬から零れ落ちる涙はどこにも染みていかない
体もない心から魂すら抜けていくような
こんな気持ちを
遅れてやっとすくい、重ねながら
光る刃を握りしめていた
人と獣の境目を失くしたのは、ほんのつかの間]
[人と狼の境界を見失って。
取り返しがつかない現実が受け入れがたくて。
人の為に獣を殺していいなら逆も然りと気づいてしまって。
わたしの常識はすっかり力を欠いた。
転がるナイフを見つめた時、もうみんな死んでしまうしかないのではと思ったことを否定できないけれど。
同じ檻の中に孤立しなければ。
――それを嘆くのは今ではない。
生きたいと望んだ。彼が彼女が命を落とした。生き延びたわたしは、見えない明日を目指さなきゃいけない]
[リーザが真実を求めて奔走し、賭けてくれたから。わたしも、わたし達の明日を望んでこの時を受け入れよう。
わたし達が探り合い選択したように
きっと彼らにもこの結末に至る思いがあった。
だから、もう祈りも迷いもせず
シモンにナイフの握りを差し出して
自分の選択の結果と静かな覚悟を見届ける]
[やがて。
彼の体を包み込むような、魂の色を感じれば。]
これで……終わったんですね。
シモンさん……。
[そう呟いて。
一つ、息を吐いた。]
[終わった。
果たして、何が終わったというのだろう。
この場でこれ以上の犠牲者は生まれないだろうが。
亡くなった命は、決して返っては来ない。
そして、背負った命も。
それでも。
まだ生きている限りは、全てを受け入れていくしかない。
そう、心に決めて。]
シモンさんの魂は、人狼のものでした。
[霊能者として。
クララとリーザに、真っ直ぐに伝える。
そうして、僅かにふらつきながらも、
手にしていたナイフを傍らへと置いた。]
少し、手伝って貰えませんか。
[このまま談話室に寝かせておくのは、忍びない。
どうにか、寝台へと運びたかった。]
[助力を請うても、
今この場にはクララとリーザしか居ない。
すっかり、少なくなってしまった……。
被害の大きさを、痛切に感じてしまう。
だが。それでも。
生き残ったからには、
東側への道が通じるまでは、
三人で協力しなくては――…と。]
[ジムゾンに誘われて向かった談話室。
彼らの生死が決まる場所、片手にも満たない数であっても、その場には張り詰めたものがあるだろう、そう、思っていたので]
――――……
[ニコラスの穏やか>>92ながら決意を秘めた眼と言葉>>106であったり、それなのに自信なげな、ふわっとした表現>>119、それに堪えきれないといったように漏れるシモンの笑い声>>128であるとか。
そんな場に表れた、室内であるのに赤い傘のリーザ>>135に、変てこな持ち方でナイフ二本を抱えるクララ>>140、と。そこまで並んでしまったなら]
……変なの、
[好ましいとか厭うとか、そんな次元でなく。
非現実的な状況に、日常の穏やかさを混ぜ込んだら、こうなるのではないか、そんな感想を抱きながら、彼らを見る]
だけど……よかった。
[多分、これでいいのだ。
現実を見ていないが故の浮足立った空気ではない。
それぞれが確かに今の状況を理解し、向き合って生まれたものなのだろう。
だから、曖昧な感覚を律するようにして、全てを見守る。
彼らの結論が一人に収束しても、ナイフを渡す様も、握ってその人の胸を貫く光景も]
[鳴かないカナリアの価値は示された。
もう、涙は流れない]*
……そうですね。
せめて、寝かせられるといいのだけど…。
[ニコラスがナイフを抜き取るのを見て、そっと息を吐いた。
殺意は確かな現実になりながらも、エルナの、カタリーネの、シモンの体を刺したのは自分ではなかった。それをかえって罪に思う。
手を汚した彼らの痛みと重さを忘れまいと思う]
[談話室では祈りすら必要ではなかったかもしれない
でも、祈ってしまったものはしかたない]
……信じていました。
神を、みなさんを。
[生き残った彼らの、彼女らの頭を撫でるように手を添えた後
私はその場を後にして外に出る]
―外―
[天を見上げる]
そろそろ、太陽は出ますかね?
……ええ、わかりますよ。
私は太陽の人であり神に仕える者…それを意味する。
ジムゾン、という名があるのですから。
信じていましたよ。
我が神は誓いなり光り輝く人々の勝利を。
……なんて、ね。
[悪戯っぽく笑えば濡れた地面へと座る
でも、自分が濡れることはない]
生き物ってのはいつか死んじまうんだよ。
けれど1人よりかは怖くない。
こんな終わりかた、そうできやしない。
私はラッキーさ。
[数日ぶりの日の出をみる。
隠れていたって、初めからちゃんとそこにあったのだから。]
オオカミ達と比べたら長生きはしたほうさ。
[自分だけ生きていてもずるいしね、と笑う。]
[
わたしの選択が、まだ一つの命を奪った。
この選択はわずかな一票にすぎないかもしれないが、それでも……『あなたの命を差し出せ』という意思を、相手に突きつける一票にほかならないのだ。
……この一票は、人の心に魔性を呼び起こす。
罪悪、恐怖、不安、後悔……その一方で熱狂、憤怒、安堵、歓喜…相反する感情が一票に込められ、あの忌まわしき投票箱に投じられる。
箱の中は人狼騒動に巻き込まれた"ヒト"の清濁混じった情念の坩堝と化している。
"ヒト"――人間と人狼。わたしは、人も狼も併せて"ヒト"と呼んでしまうことがある。人狼は敵。わたしからすべてを奪い、かような人にして人にあらぬような運命に巻き込んだ人狼ども。なのに……――
生き残るために、ほかの誰かの命を奪う。
そのことにおいては、人間と人狼との間には何の違いもない……]
[
直接手を下したのはニコラスだった。
シモンは、わたしたちの決定に抵抗を示さなかった。
……あのとき言っていた『ただ、なんというかな……疲れた。少し。』>>4:56
それは、やはり本心だったのか……。
そう思ったのはすでに冷たい刃が彼の命を奪おうとしていた>>3なかで、わたしは自分の思いを言葉にすることはなかった。
両の手をきつく、きつく握りしめている。そのことに気づくことなく。シモンの体が力を失い………やがて、息づかいを感じなくなり……動かなくなるまで。
ニコラスが一言呟き、息を吐く>>15。
その意味に気付いたとき、わたしもようやく握りしめていた手に気が付き、深いため息をついて緊張と解いた。
……喜びはなかった、などと偽善めいたことを言うつもりはないが、まだこのときは、ほんのわずかな安堵がわたしの心を包んだくらいで。
何度、人狼騒動を繰り返しても、それは変わらず。
こうした感情があれば、ああ、わたしはまだ人間でいられているらしい、とも思わずにはいられない……。
この安堵は、自分が人狼の憎しみに染まった復讐鬼と化したわけではない、と感じていられることへの安堵でもなのか……]
[
じきに雨はあがり、ふさがってしまったという唯一の道が開通されるのも、そう遠くはないだろう。
いまはひとまずこの――ニコラスとクララの――三人でどうにかしなければ。
三人、か。
あたりを見回す。いや、彼女ら、彼らも、まだここに留まっているのだろうか。
はやく、はやく、安らかに。神の御許へ送られんことを。
……ああだけど。
エルナ、カタリーネ。
おねえちゃんたち。
"リーザ"が…………いや、わたしだ。わたしなんだ。
涙が、にじむ。
でも、いいんだ。
ありがとう。
ほんの短い間だったけれど。ふたりはリーザのおねえちゃんだったよ。
さようなら。
わたしは涙を拭いた]
[
『死にたくない……』
『お父さんとお母さんに、もう一度、会わなくちゃ』
赤い傘とコイン。都へ行っている父から届いた贈り物。それらと一緒に手紙が添えられていた。
『これらを持って、宿屋で待っていてほしい。
リーザ、すまない。私は、父さんは、ようやくリーザを、本当の君を受け入れる決心ができた。君が賢い子であることも。母さんを頼む。私はもうすぐ戻る』
"リーザ"は、喜んだ。またお父さんとお母さんと三人で遊べるようになることを。
でも……自分の娘を「悪魔の子」といい放った父、「お嬢さんはどこの子」と言った母に……まだ"リーザ"は心を許し切れていなかった。
自分をまるで怪物のように扱う親。村の大人たちは人狼騒動で不安と疑心が渦巻いている。
"リーザ"がニンゲンと狼さんをモチーフにした遊びに傾倒していたのは、彼女なりにそうした境遇や状況を飲み込もうとしていたからみたいだ。
そしてあの影……わたしに『人狼を処せ』と命じる神の化身……あれに"リーザ"自分の父の影を重ねた。
親の不在を埋めるため、幼き少女を自分だけの世界を築き、自分を囲んでいった。
だけど、それも終わりにしよう。
ね、リーザ
― 外 ―
[戻る際にひとめぐり 傘をさす必要がないというのは楽であり
衣服がぬれる心配がないというのもいいものだと
散歩がわりにエルナふわりと浮いてみた
昇らずとも見下ろせる 太陽の風景を楽しむために
ここ数日の雨でどうなっているかはわからないが
父が好き好んで通っていた葡萄園にも、花が咲いている頃だろうか
黒々と実る房は、陽に透ければ紫色に見えた 大粒の、宝石のように
咲きだすあの赤い花の名前はなんだったか
リーザの傘を昨夜、改めて見た時 広げた様子を想像すれば
薔薇とは違う名前がしっくりくる気がしたけれど 花には疎いのだ]
信じてた、なんて らしくないじゃない?
[茶化すように言うのは独り言]
兄貴には あたしがなってもらったの
それだけで最高に決まってるじゃない
[受け入れてくれたことこそ最初で かわりのない繋がり
杖がもういらないというのなら
いきなり飛びつこうとしたって大丈夫かな?
そう思って真正面に降り立ち 兄に向かって走っていった]
― カタリーネと ―
[何事もなかったように、再びカタリーネの隣に
顔をのぞかせた太陽に “おはよう、ねぼすけ”と
“おかえり”を口にして 手を振った]
あたしは死んだらもっと楽になるのかと思ってたよ
全部なくなる代わりに安らかに眠れるじゃないかってね
それでも腹は減るし、悲しいし、寂しいなんて
妙な経験ができたものよ
[でもそのおかげでまた友達に戻れたなら、幸運なのかな]
あんたらしくあっさりしたものね
[ならばエルナも、少し短命だった人狼らしくいようかと
赤ずきんを横目に 唇をつり上げた**]
貴方は案外真面目なんですよねぇ。
名前の通り。
[ぽつりと呟いて]
エルナはこれからどうする予定です?
私はまだ決めていませんけれど。
[一応聞いたけれど誤魔化されてもいい
何処かに行けばそのままに]
……また、兄妹になれるといいですね。
[彼女を離した時にそんなことを言ってみた**]
ワシでもいいけどね 強くてかっこいいじゃない 獣だし
[もう一つの由来
かぎ爪に見立てはさみをくるりと回す 金色の目もないけれど
カナリアが持つような美しい翼も持たないけど 空は飛べる]
とりあえずリーネのところに戻るわね
兄弟だもの いつかまた会えるに決まってるわ
[それがどんな場所でも 別れの言葉は口にせず
また感謝を伝えようか
引き留められなければそのまま、跡は濁さず飛んでいくつもりで**]
ただいまだけどまだ鳩なの。
今回はたまたまRP村が立ってるの見つけて、それがお気に入りのBBSの設定だったから参加したのー!
ドキドキ不安もあったけど参加してよかった!
村建てさん、ほんとうにありがとう!
こんなふうでいいのかな…怒られないかな…ご迷惑かけてないかな…って内心思って……たけど自重はしなかったのw
どうせ素人ならいっそ全力出すのが礼儀かな、って。でもハラハラさせていたならごめんなさい。
でもでも、この村がRP村デビューで本当によかった!
なお、これは締めのあいさつじゃないのw
いーだ。
[思い思いの生者の声は、ちゃんと聞こえている。
悼む必要だなんて、ないのにさ。
飛べぬなら風に乗って行けばいい。]
私はもう満足なのさ。
どうだい? 羨ましいだろうよ。
もう誰も、私を止められやしない。
[にやりと不敵に笑うのだった。]
―→自宅へ―
こんな感じだったんですねぇ。
[そうして足を進めたのは改めて見る自分の家
やっぱり新鮮で思わず探検に近いことをしてしまう]
……私の部屋だけですねぇ。
[いつも鍵をしている部屋へ入ってのんびりと寝台に座る
父と母の部屋とは逆に物がほとんどない部屋]
……からっぽだ。
[寝台に寝転がって燃えてしまわないかと願った**]
[明くる朝に晴天を見ることになったのは、偶然か必然か。
孤立による騒動を予想した、というにしても迅速に救助の手が差し向けられ、数日で再び道が開かれることとなりました。
"人狼が出た"と知らせがいっていたと聞いた時は、ずいぶん驚いたものです。>>#0
悲鳴を上げる女将さんや、青ざめた救助隊――特に、村長の心痛もまた深いことでしょう。対策はもう一歩のところで裏目に出て、こんなにも犠牲を出してしまいました。
ニコラスさんの力やリーザの存在がなければ、わたしは事の経緯を説明できなかったでしょう。
雨音が途絶え、眩しい光が薄闇と赤以外の色を鮮やかに照らし出した途端、糸が切れたみたいになっていましたから]
[わたしはといえば、近頃ようやく現実を物語のように他人事に感じたり朦朧としたりすることが減り、手が震えて書き損じる回数も前と変わりなくなってきました。
都に知らせをやる村長に拙い証言の代わりに日記を差し出して、突然の騒動で家族や友人知人を失った人々の感情を受け止める日々。
金鉱の村は人狼騒動の余波に揺れながら
少しずつ少しずつ、日常へと返っていきます。
事故や流行り病の悲しみを乗り越えるのと同じように。
あの切迫した数日。
静まり返った部屋を、流れた血を決して忘れません。
けれど、足をすくませるのはもうやめて、懸命に生きていこうと思います]
[わたしは、多くを語る言葉を持ちません。
下手な言葉で表すより沈黙が伝えるものが大きいことがあると思うのです。
二度と訊ねられない問いがあり、
人狼だったエルナさん、シモンさんがどんな存在で何を思っていたかもそのうちの一つ。空白は空白のまま、記しておきたい。
生きたくて誰かの死を願ったのを"おおかみたいじ"の物語にしたくはありません。喰らわれた命を無駄にしたくもありません。
これからどうしようかを考えています。
わたしには不思議な力も明晰な頭脳もないけれど、せめてこんなことを繰り返さない為の一助になりたくて。
都からの返事を、今日も待っています。
某月某日、クララ・ベルクの日記より]
―墓地―
[籠の金の鳥が歌う。
風に揺れる髪を押さえながら、空を見上げた]
――晴れてますね。青い青い空。
[騒動で命を落とした六人、幾人が此処に眠っているだろう。今日訪れたのは、まだ新しい兄弟の墓。それぞれに花を供える]
不幸が起きても、やっぱり故郷は故郷ですね…。
なかなか、離れがたくて。
でも、行こうと思います。人狼のこと、騒動を防ぐ術、少しでも知りたいから。
[眩しい太陽は、雨上がりの光に似て。
生命の鮮やかさをありありと感じさせる。
もう眼差しも言葉も交わせないのが不思議なくらいに]
ね、ヨアヒムさん。
パウルさんったら、やれ声が小さいの覇気がないの言いながら、あいつは生命をよく見てるって漏らしてたんですよ。
[きょうだいのないクララには、眩しい人を兄とする気持ちも、その光で出来る陰がどんな色をしているかも分からない]
……わたし、ずっと羨ましかったんだわ。
[彼の話す弟に、親しみと敬意を感じていたから
行き場のない悲しみと嫉妬と――失望を。
もてあまし続けていたのだろう。ついぞヨアヒムと語らう機会を失ってしまうまで]
きっと、連れて行かない方がこの子の為にはいいんでしょうが……。
村に帰ってくるのが、すぐかずっと後かも分からないから、一緒に行きます。
[村と彼らの思い出を囀ずる唯一の縁。
鈴のような鳴き声が相槌を打つ]
……ありがとうございました。
あなたにとって、土が重いものでありませんように。
[カナリアを譲ってくれたこと。
ゲルトを見つけた朝のこと。手当してくれたこと。
遺された血塗れたナイフの重さ――。
彼の陰は優しい土の色も帯びていて、なのに、どうしてあの日兄の死をあんな風に言ったのか。
それを知る機会は二度と訪れない。
それ故に、金の鳥と、彼への悔恨だけが手元に残っていた]
[やがて著される人狼に関する研究書。
金鉱の村の騒動に端を発するそれは、いずれひっそりと村の本棚に納められるだろう。
その背表紙には、囀ずるカナリアが箔押されている**]
[道が復旧してからは、大騒ぎだった。
説明をする上で、己の素性は否が応でも
明かさずにはいられなかった。
不審がられるだろうかとも思ったが。
村長は何も言わずに聞いていた。
……案外。知っていたのかもしれない。
村長は、先代の司祭とも懇意だったはずだ。
見守る視線にどこか暖かみを感じもしたが。
ともあれ、報告は何とか終わらせた。]
[男は司書のように日々の生活に追われることも、
人間関係のしがらみすらもなかったから、
数日を新たな宿で過ごした後は、すぐ
旅支度を始めていた。
己が霊能者であると広まる前に、
姿を隠してしまいたかったのだ。
村長と、そしてクララとリーザには旅立つことを告げて。
まだ薄靄のかかる早朝に、静かに宿を出た。]
[一人の旅など、慣れているはずなのに。
どこか名残惜しいと感じてしまう自分に気付けば、
つい苦笑いが零れた。
郷愁の念など、無縁と思っていたのに。
否、この村に戻ってきたことからして、
僅かながら意識していたのかもしれないが。
また、戻ってこよう。
こんな風に思うことになるなど、
予想だにしていなかった。]
[荷物を背負い。
冷たい早朝の空気から肌を守るように、
帽子を目深に被る。
大丈夫。
寂しいなんて思う必要はない。
足を鈍らせそうになる感情を落ち着かせるように、
そう、自らに言い聞かせる。]
[金鉱の村で過ごした、ほんの僅かな日々。
大事な人も出来た。
そして、大事な人を亡くしてしまった。
それでも、霊能者たる己は、
彼等の魂を身近に感じることが出来るから。
見守ってくれている、暖かな存在に、励まされるように。
別れは言わない。
またいつか、逢えることを願って。
今生での再会かはわからねど、
縁があれば、きっと、巡り会える。そう信じて。]
[しばらくしてちりちりと肌が焼ける感じがした
家が燃えているとわかったのは数秒後
ぼうっとその光景を見つめるだけ
誰が燃やしたのか
それとも神が燃やしたのか
ただその場に立ち尽くし天を見上げ
手を組み目を閉じる]
[
晴天の下。
わたしは例の赤い傘を片方の腕にぶらさげ――子供が自分のお気に入りを持ち歩いていると見れば、晴れていて傘を持っていてもおかしくは、ないはず――、もう片方の手のひらにはあのコイン――まあ父の手紙によれば、これは宿屋で使ってしまってもよいものだったようだが――を握りしめている。
父は、来るだろうか……。
母は、この騒動の直前に東側に脱出していた。
ディーターが手引きしてくれていたのだ。
村人からは、ならず者呼ばわりされて敬遠されているふしもある彼だが、レムスとの間に何かしら絆のようなものを感じてくれているようではある。義の男なのだ。
]
[
この騒動でずいぶんと精悍さを身につけたように見えたニコラス。彼は旅人の名にふさわしく、事の始末を終えると挨拶もそこそこにこの村を発って行った。
その姿には、以前の女性的なそれとはまた違った美しさがあったように思う。
クララはニコラスと同じく騒動の収束に務める一方で、司書らしく多くの事柄を熱心に書き留めていたようだ。騒動の渦中ではただただ翻弄されるがままだった、と後悔っぽいことを言ったりもした彼女だけれど、その瞳は、今、前を向いているはずだ。彼女の記述が、この人狼騒動とかいうふざけた運命に、新たな可能性の目を投じることとなるのを願うばかり。
]
[
あらためて傘の赤さに目を向ける。
お父さん、お母さん。
――"わたしは"、リーザ・フォルトゥナ・ガルスドルフとして、父マルス、母レアの一人娘としての生を『再び』受けることになった。
わたしは前世の記憶を持ったまま。
体と頭脳は赤子の状態のため、わたしがその記憶を生かすには物心がつくまでの成長を必要とする。だが、物心ついてからも、もちろん、その記憶と、それに基づく成人並みの知性をひけらかすわけにはいかない。
その要領は心得ているつもりだった。
だが、母は、今回の母親にはそれが通用しなかった。
彼女は体がやや丈夫ではなかったが、それを補うかのように鋭い直感力を備えていた。
母は、理屈ではなく勘で、自分の娘の中に赤子のそれとは違う霊(たましい)が宿っていることに薄々と気づいていたようだった。
]
[
母はわたしにそれを悟らせないようにしながら父と相談し、ひそかに二人でわたしの様子を観察していた。
そして、わたしが4歳ごろのこと。
父が出かけて母も寝室で休んでいる……と思い込んで、こっそりと、父のもとに届く村の状況、金鉱に関する諸情報や、都からもたらされる電報などに目を通し、人狼騒動の芽があちこちにあることなどを把握していたところ。
『本当に……本当にこんなことが……』
と絶句したまま半開きの扉の向こうで立ち尽くす父の姿が、そこにあった。
…………しまった、と内心思うが、下手に取り乱してはおかしいと思い、平然として『なあに、お父さん?』と声をかけるが、無駄だった。
父はすでに用意していた縄と布でわたしを縛り、口をふさぎ、さらに柱に縛りつけて身動きを封じた。
]
[
わたしは泣き叫ぶが、父と母は取り乱してわたしのほうをまともに見ようとしない。
今は知っている。父はこのところ、自分が管理監督をしている金鉱での生産量が落ちていることや、その上、事故が相次いでいたりで心労をずいぶんと抱えていた。
西の金鉱は全面的に閉鎖に、拠点は東に移すという案もすでに賛成多数になっていたようだ。
なにより、父はパウルという男を、自らの過ちが原因で死なせてしまったと苦悩していたようだ。客観的にはそんなことはないと言えるのだが、父は最後までそう思っていた。
――そうか、ヨアヒム。
彼には、パウルの面影があるのだ。
パウルの顔を少ししか見る機会がなくて今まで気づかなかったが。なるほど、表面的な印象は真逆のようではあるが、もっと根本的なところで共通点を感じもする。
]
[
母は悲痛に叫んでいた。わたしたちの子はどこ!? と。だが、父は少し違った。
『だが……この子は私たちの子だ。私たちでなんとか……教会……? いかんレア! ダメだダメだ! これは教会に見せてはいけない……悪魔の子と断じて処刑することさえ彼らはやりかねない……隠さなければ……リーザを人の目になるべくふれないようにしなければ……』>>1:52
果たして教会がそのような行動に出たかはわからない。
すくなくともこの村でそんなことが起こるとは思えないが、たしかに都などにまで話がいけば、さもありなん、と言える。
わたしたち一家は、それまでの暮らしをすてて西のはずれに移り住んだ。
]
[
以後、母はますます体を弱らせ、心のほうも病んでいった。わたしのことを自分の娘と認識しないこともたびたびあった。
父は、なるべくわたしを自分の娘――異常な知性を持つだけの――として接しようとしたが、その後も金鉱での仕事がうまくいかないことからか、だんだんとわたしを避けるようになっていった。
わたしは――わたしも追い詰められていた。
そして、わたしは霊を分かつことを決めた。>>3:38
そうして年相応の"リーザ"が誕生したが、時すでに遅し。父はこの村での稼ぎをあきらめて都へ発つことに決めていた。本心は、わたしからも、心を壊した妻からも、離れたかったのではないか……"リーザ"が読んだ手紙>>37の内容がわたしの記憶に流れ込むまでは、そう思っていた。
]
[
今、わたしは父を待っている。
幼子の"リーザ"ではなく、リーザ・フォルトゥナ・ガルスドルフとして。
あの惨劇の舞台となった、宿屋の前で。
やがて。
父は来た。
ぬっと伸びる影でなく、一人の人間として。
わたしの記憶よりもずいぶんとやつれてしまった気もするけれど。
]
「リーザ」
[わたしの手にした傘を見て、それからぽつりと、わたしの名を呼ぶ]
…………はい。
お父さん。
[
自分自身として、父である彼と向き合う。
ふらふらと近づいてくる彼に、こちらから全力で飛び込む。
リーザ。
リーザ・フォルトゥナ・ガルスドルフ。
わたしはあなたとあなたの家族を壊してしまったかもしれないけれど。
でも、生きるよ、リーザとして。
それが生きているものの義務なのだろうから。
神よ。父よ。
わたしの運命が罰なのだろうと呪いなのだろうと構わない。
人狼騒動が人々をもてあそぶ神と悪魔のゲームなのだろうと、知ったことか。
わたしは生きて、また一つの命を、わたしの運命に積み上げる。
]
[勝気な赤ずきんの隣で声をもらし
息を吐く
鍵も閉めずに出てきた家を思う
言わずとも、この村でなにがあったかは
大まかにでも伝わることだろう
都までまた一つの噂にでもなるか
それからどうなっていくかは
残る者たちの足跡をたどれば見ることはできるけども]
親不孝な娘で残念ね
……別に肯定も否定もほしいわけじゃないけどさ
守れない悔しさってのはようくわかったつもりよ
[怒るか泣くか、笑うのか、それとも無か
どんな表情でもいいけれど、会えたなら笑顔のままいようか
色んな笑顔を持つ兄のようにはなれないけど]
もうちょっと色々聞いとけばよかったね
だけど、そばにいられたんだからそれでいいわ
[獣らしくふるまい、悪びれる様子もなく口端をつり上げる父
――実の娘を食おうとしたくらいだ
エルナが死んだところで狩りをやめることはないだろう
どんなことがあっても獣であり続けるのであれば
――人である面を、隠し通したいというなら
遅かれ早かれ、縄にかかることがあるだろうが
手向けの言葉もない方が彼にとっては救いなのかもしれない
その時に、エルナでない別の誰かが彼を変えるきっかけを
少々手荒にでも与えてくれたなら
見える未来も変わるのかもしれない]
[思考はそこまでで、どこまでも続く空を見上げ
そういえば、見慣れない色の傘もあったなと思い出す
この宿には他に重なる色はない
あえて避けていたのか、たまたまだったかはわからないが
その人物は自分の色が好きではなかったのだろうか、と思いもする
なにか伝えられることはなかったか
そう考えても答えは出ない
自分の一部を受け入れなかったエルナは思いを重ねるだけだ]
でも、あんたの色は好きだった うらやましかったよ
[人で生まれていたなら、こうありたいと願った髪を思い出す]
[本は好きではなかったけれど 彼女の書くものなら読んでみたい
周りをよく見ていた彼女だからきっと
的確に事実をありのままに 繊細に
それでいて想像力をかきたてる物語をつづってくれるだろう
その方が、自己が語るよりもよほどいい
それを読みふけりながら、高い木の上で出入りする人を見送るのもいい
悲しみに浸るわけでもなく、文字を目ですべらすだけでなく
本のおもしろさを今度は存分に楽しみながら
高い場所で、希望の言葉を口にしてみるのも いいのかもしれない]
[隣にいられなかった少女を思い浮かべ、やわらかく笑んで
転ばないようにと、声をかけられることもないだろうが
赤い傘を持つなと言うこともない
ただ、手のひらのコインの重みと、命の価値が
いかほどかと考えるだけだ
狼が好きと言い、狼を追いつめようとしていた少女
彼女にしか持てない世界と価値を持てると信じて
名前もなく、妹と呼べる顔を思い浮かべるだけ
決してこちらを振り返らないように**]
自分がずっと、気付かなかったこと。
今だったら分かるんです。
多分……死なないと、分からなかったんじゃないかって。
……何をか、ってのは、内緒ですけども。
[唇に人差し指を当て、冗談っぽく。
僅かに肩が揺れる、それに伴って銅色も揺れる。笑っている]
[死ななければ分からなかったと、そこに思う事はあれど
ヨアヒムの様子を見てしまえば、言えることなど単純で]
……いい顔をしてる。
[こうして雨が降るまで、話す機会も殆ど無かったけれども
冗談めかして揺れる赤銅は、陽の気配を宿して明るく
三人で話していた時の様子から、随分と変わっている]
[故に、子細が内緒であろうとも、口調に迷いはなかった]
― 墓地 ―
[空は高く、青く澄んで、鳥は翼を広げて舞う。
陽光は分け隔てなく地に降り注ぎ、
Kleeの姓が刻まれた墓石もまた、同様だった。
輪郭は曖昧ながら残された魂が、ふわりと墓石に凭れ掛かる。
ひとり、ではなかった。
再会に感動はなく、ただ自然と隣り合わせになって、やがて口を開く]
僕、兄さんのこと嫌いだった。
憎いんじゃない、仕方ないんだ、って諦めてたなんて嘘。
母さんから生まれた時に、良いところは全部兄さんが奪っていって、
だから僕には何にも残らなかったんだろうって。
だからね、兄さんが死んだ時、悲しくなんてなかったし、
あっけないもんだな、って、それぐらいしか考えなかった。
ちょっと。清々したまでは思ってないってば。
[生前よりも流暢に、冗談にさえ軽く返して。
過去に抱えていたものをつまびらかに明かしていく。
緩んだ空気を互いに甘受した後、空を仰ぐ]
でも、僕を外と繋げてくれたのも、兄さんだった。
父さんは……うん、あんな状態だったし。
思えば、外のことを知れたのは、殆ど兄さんの話からだった。
[村で起こったことを、兄は豊かに語った。
今日もまたあいつとの勝負に勝った、でも最近手強くて>>2:147、
物静かでちっとも外に出ない子がいる、病弱らしいが>>0:10、
今の監督には世話になっている、だから大変でもやり甲斐はあるとか>>71。
どこかの赤頭巾の小柄をからかって、クルークでこっぴどくやられた話。
そうだ、そんなのもあった。
司祭様の眼光は案外鋭いんだ、なんて話題は、調子のいい嘘だとさっぱり取り合わなかったのも、そう、覚えている]
悲しくないって、思い込まないと駄目だった。
いなくなったって平気だって。
本当は、そんな訳なかったのに。
……きらいなんかじゃなかった。
[気付いたんだ、と呟いて。
ようやく向き合えた感情を伝えたなら、横から笑い声が聞こえた。
ただ大きな手でぽんと頭を撫でられる。
それだけで十分だった。それだけで]
兄さんさ、好きだったんでしょう。
……あ、やっぱり言わなくていいよ。
聞きたくない、今又改めて敵わないなとか思いたくないから。
……すまない、
[最期の時まで、声だけしか交わすことができず
己も結局は、生を他者へと譲ったけれども……
消え去る時が来る前に、何とか形にした一言だけでも
彼女の目を見て話したかった]*
[ジムゾンの家の中に入っていけたなら
残された十字架を
彼へ捧げられる唯一の気持ちとして持っていこうかと思った
しかしエルナはやはり獣だ 誰に許されようと
忘れてはならない 自分がしたことを忘れたくはないから
いつか“人”となって再会できる日を夢見るだけで
その場を去って――一度だけ振り向いて 歩いて行った]
[名前の鎖からは逃げられない
笑顔も涙も、見られなくても 代わりを見せてくれたあいつがいる
形見のように、籠を抱きしめてくれる娘がいる
ケンカに巻き込むようなことがあればこっちが怒られるだろうから
それでよかった――そうでしょ? 大事な二人だもんね
でも兄弟なんだから、たまにはケンカくらいしたら?
なんて言ったのは、よけいなことだったろうか]
[歩く速度は速く 地に足を踏みしめる様はよどみない
乱れたのは、ずっと会えなかった人の姿を見たから>>100
崩れ落ちそうになるのを必死でこらえて、彼の元へ
声を聞かずとも誰なのか エルナにはわかる]
ごめんなさい……!
[謝ったのはほぼ同時>>101 灰の目から涙がこぼれて
懇願するように 鼻先に頬をすり寄せる
自己犠牲の美学など押しつけるべきではなかった
大切な者を守りたくても獣を貫くにはこれしか思い浮かばなかった
そんなことを言ったところで、どうしようもない
一緒にいられただけで、会えただけで、それ以上のものはないのだと伝えたかった*]
[帰してやりたいと願った男は、リナの生に希望を見出し
故に、“ひどいことをした”という言葉に囚われていた]
……考えても、分からなくてな、だから……
[すまない、と。
再び繰り返せば、リナは教えてくれただろうか。
あの選択が、男の事を生かそうとした結果であったと]
[――訳を知ったところで、もう一度“すまない”と
繰り返すしかないのだけれど]
[それでも――彼女が、死して尚行きたい所があるならば
互いの胸中を語り合ったその後に、真っ直ぐ目を見て
暖かく送り出してやりたいと、願う]*
なにもしてくれなくてよかった
生きて 笑ってさえいてくれればそれでよかった
ゲルトを食った時から 生きる理由なんてなくなってたの
[大切な者を傷つけた絶望を
仲間を生かすことで希望に変えたかった
それだけだ
狼が一匹、死体となれば 仲間がいると気づかれなければ
平和が訪れたと思い込んでくれるかもしれない
本当の平和だってくるかもしれないと 夢想しただけ
叶わないと、わかってもいたから
もしそうなっても受け入れるつもりだった
ただ、こんなにもつらいものかと
死の理由を聞けば>>107
なんて重たい願いだったのかと改めて思い知る]
[涙でぬれる目を細め、黄金の瞳をしばし見つめる
謝罪は一度きり ロートがさらに重ねようとも返すことなく
頬をゆるめて笑った 大きな体に顔をすり寄せ
一人笑う 体温はなくともあたたかな存在が愛しくてたまらない]
……でももういいんだ 希望はたくさんもらえたし
獣でも、やっぱり人が好きだから
みんなの声を聞けたから この村にいられてよかった
この数日間がなかったとしたら、そっちの方が怖かったよ
ロートは、なにか見つけられた? 希望
[もしそうであったなら、それを最後の祈りにしようと
名残惜しむ様子は見せず、答えがあってもなくても
体を離して、振ろうとした手を 覆われた彼の目元まで近づけて
さよならの代わりに触れるふりだけ]
――守ってくれてありがとう 大好きよ
それだけはずっと変わらない
[小さなつぶやきが届かなくても
獣として抱く希望があると伝えた後で 友の背を追いかけるために
もう振り返らずに飛んでいく**]
[未来を選んだ生者たちに停滞はない。
死者でさえも喪失の先に見出したものがある。
友と手を取り合う者も、次の生に委ねる者も、
家族と向き合う者も、旅立つ者も、学ぶ者も。
生と死の分け隔てなく、それぞれが道を選ぶ]
お待たせ、リーネ
行こ行こっ
[弾むように軽快な足取りは光へ向かう
カタリーネに会わなければ、
そのまま言葉を発したことにも気づかず
友の姿だけその瞳に移して、笑顔で
獣の魂は空へと昇っていくだろう**]
[金の小鳥の囀りに、かろうじて意識を繋ぎ止めた自らもまた。
旅に出る勇気も無くて、次の生もまだ考えられなくて。
積み上げてきた思い出が、今日も続く村の空気に日毎溶け行き、
いずれ全て消え去るのだろうと知ってはいても。
だが、大事なものだけは、最後まで手放したくはない]
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