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悪魔の運命 リアン に 4人が投票した。
女帝の運命 エリック に 2人が投票した。
悪魔の運命 リアン は村人達の手により処刑された。
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか。
暗雲が去り、まぶしい光が降り注ぐ。――全ての人狼を退治したのだ!
全ての遺言状が公開されました。
「ありゃりゃ、戻っちまったか。
向こうの種明かしのが一足早かったようだがね。」
下がった目線に狭まる視界。
もっと遊んでおけばよかったかな、と呟く。
「これは、私からの手助けです」
リュラは魔法をかけます。
一時的に、正常でいられる夢のような時間を。
なぜなら、まだこの物語の結末は決まっていないのですから。
涙を指が弾いたその瞬間、パリンと決定的に自分の中で何かが変わる感覚がした。
戻ってしまう。ただしく、窮屈な自分に。
>>6:+261 メアリー
彼女からぱっと手を離す。今更、戻ると言っても、何を隠すというのか。おかしくなって、俺はくすくすと笑った。
「なんだ、君、案外ふつうの女の子だったんだな」
本心だった。目線を足元に落とす。
ただ、母親思いの少女に、殴り絞め殺し恫喝して、随分多くを要求してしまった。
「ごめんね、メアリー。俺の可愛い、元恋人さん」
執着というものは、簡単に消えやしない。空洞が運命が反転して、戻ったとでも言うのだろうか。
でも、運命が俺にあきらめを教えてくれる。成功の運命とは、そういうものだったのだ。
>>ユリア
「ユリア!!」
部屋に入る。
嫌な臭い。最初にそう思った。
他の者は目もくれずに、ただ、まぶたに張り付いている白い小さな影を探す
「.......ユリア!終わったよ!」
朝が来た。
昨日まで鉛を抱えていたような、しかし血が沸騰するような狂騒はない。
屋敷に来るまでと同じ、いつも通りの朝だった。
胸ポケットの中からユーカリキャンディの箱を出す。空になっていたそれを握り潰すが、
「また新しく作るか」
としか、思えなかった。
この手で盛った毒で誰かが苦しみ倒れる様を見てきた。何もわからないまま倒れたヤツの苦悶はこの上なく極上の甘味だったのに。
急に口の中に苦味が広がるようだった。
その苦味を持て余しながら、掃き出し窓の側に体をもたれさせる。
廊下に差し込む朝日をじっと眺めていた。
>>3 エリック
――扉が開いた。
また誰か来る、もう終わってほしい。
外から流れ込む空気さえも恐怖を煽る。
どこかの部屋の隅で座り込んで、時が過ぎるのを待っていた。
「……エリック」
聞こえてしまったのは彼、の。紛れもなく彼の声だった。言葉の意味を知る前に、思考は絶望に埋まる。なんで、来てしまったの。
>>5 ユリア
肉塊、血溜まり、何かしらの体液
人間の居場所とは思えず、泣きそうに顔を歪めて、足を滑らせそうになりながら、部屋を探す。
最後に、部屋の隅に小さく座り込む女の子を見つけた。
「ユリア.......!終わった、終わったんだ。こんな部屋から出られるよ。ああ、俺、俺、ずっと君に会いたかった」
どうか、どうか、無事で有りますように、と、ユリアの顔を見に近くにいく。
リュラはスノードームに触れます。
この屋敷で起こったこと、全てを皆様に知ってもらうために。
秘密の囁きも、閉じ込めた部屋での惨劇も。
スノードームに蓄えられたものを全て聴いた。
自分もまあまあ狂っていると思ったが、運命の逆転とは本当に酷く滑稽だ。
「人のものに手を出したのは·····誰だろうね?」
>>6 エリック
一つ一つ、丁寧に。扉を開けて、閉める音が近づいてくる。
探しているのは誰だろう。ハイド?それとも、自分か。先に居なくなってしまったから、怒っているかもしれない。
1番端の部屋に近づいてくる来る音と共に、絶望が増す。彼の嫌いな殺し方は…毒殺だったか。
そうして、目の前に彼が現れる。なにやら話していたが、理解する余裕などなかったのに、ただ"会いたかった"とだけ聞こえてしまって。
「なんで来たの、ユリアは会いたくなかった。ユリア、先に閉じ込められちゃって、ごめんなさい。ずっと秘密のお話をしててごめんなさい。ハイドと手を繋いでごめんなさい、ゆるして、殺さないで、」
逃げたい。下がろうとしても、冷たい壁が阻む。
>>10 ユリア
ユリアに近づくと、ユリアはこちらを怯えた目で見ながら、壁に張り付くように後ずさりする。
『会いたくなかった』という言葉が、満たされかけた胸を刺す。今までの自分の醜態が、人にかけた心無い言葉が一気に吹き上がってきて、片手を力なく伸ばしたまま足を止める。
(それは、そうだ。何を、思い上がっていたんだろう)
そう、絶望しかけたとき、唐突に、この部屋であったことを理解する。
忌まわしく、乱れて、凄惨な、部屋の外からは想像もしなかった歪んだ世界が。誰もがおかしくて.......。
首を絞められるユリアが。ハイドの頭を撃ち抜くユリアが。
息が詰まって、胸を抑えた。吐きそうだった。
「こんなところに.......あの日から.......」
>>11
拒絶されて、無理強いするのは、『わがまま』だ。それ以上、ユリアに近づくことは出来なかった。
今すぐ回れ右して、本人が動くのを待つのが、女帝の模範解答だ。
それでも、俺の大きくなり過ぎた『愛情』が、こんな状態のユリアを置いて戻ることを許さなかった。全身にヒビが入りそうに苦しいのは、俺の心のせいか、運命のせいか。
その場に片膝をついて跪く。
「.......殺さないよ。怒ってないよ。俺の方がもっと酷いことをした。守ってあげられなかった。一人にした。みんなに嘘もたくさんついた。
それでも、俺は、ユリアにだけは、嘘は言わないよ。これだけは、本当に本当。
俺のことは、選ばなくていいよ。嫌いでいいよ。でも、怖がらなくていい。俺は、ユリアを傷つけないから.......」
肌身離さず持っていたユリアのマフラーを差し出す。
「俺が怖かったら、このマフラーの端を持ってくれたらいい。反対の端を持つから。一緒にこの部屋から、出よう」
>>12 エリック
ごめんなさい、殺さないで許して……助けて。
途切れもなく呟く。エリックの姿は消えなくて、それどころかなぜか穏やかに語りかけられている。どうせ、罠でしょう?
嫌い。そう口に出そうとしたその時に、マフラーが目に入る。コズエに貸した、薄紫色の。
「……………ネリネは、元気?」
硬い声で尋ねる。そういえば、あの声はいつの間にか聞こえなくなって…いや、聴くのをやめていた。
肯定の返事があれば、マフラーの端を掴むことだろう。
>>13 ユリア
語りかけても、ユリアはやっぱり怯えていて.......痛々しく許しを乞うような言葉を吐き出し続けていた。
可哀想で、自分の非力さが恨めしくて。
でも、マフラーを見せると、それは一旦止まり、コズエの安否を確認される。
「.......うん。最後までずっと戦ってくれた。コズエが、ユリアのネリネが戦っていてくれたから、終わったんだよ。
このマフラーは、コズエから少しの間だけ、預かってたんだ」
ユリアがマフラーの端を掴んだら、立ち上がる。
「マフラーの長さは離れていていいからね。俺は、銃を持っていないし、前を歩くから、大丈夫だよ。
食堂で、あたたかいはちみつミルクを飲もう」
ああ、毒.......。俯いて苦笑する。
「.......リュラか、コズエに作ってもらおうね」
一体どれくらい、そうしていたのでしょう。
寒くはないけれど冷たいその部屋で、目を塞いで小さく三角座りをして。
聞こえてくる会話にも、時折あがる嬌声にも耳を貸さずに。
自分の中に巡る血が、心が、運命が。
指先から、爪先から、淀んでいくのを確かに感じながらじっと耐えていました。
––––秩序を乱してはならない。
「いいえ何も信じない」
––––静かな暗い部屋、1人でいるのは怖い。
「顔を覆い隠せば同じこと。独りには慣れているのだから」
––––祈らなくては。
「知ったこと。終われば、全て終わりよ」
けれど、そうして冷えた塊になっていた彼女の身体は温かな光でほどけます。
扉は開かれたのでした。
固まって軋む関節を伸ばして部屋を出ると、特に変わった様子はないように感じられます。
思い出すのは、招待状に書かれていた文言。
「恋をしなかった私は、罰せられてしまうのかしら」
ぽつりとこぼれました。
変わらぬ毎日、平穏、安寧……秩序。
それらを愛することが出来たのは、法を犯さずにいたからです。
決まりを守らなかった者には相応の報いがある。
それなら、今、私は?
「……っ」
ふるふると首を振って、記憶を頼りに"魔法"のもとへ向かいました。
扉が開く。
「…いやあー、シャバの空気は違うねえ。
なんていうか、澱んでたよねあっち。あっははー。」
暗い部屋に光が差し込むと、それまで抱えていた仄暗い気持ちが薄れていくのを感じた。
「おやあ?これはわたし完全復活の気配。
…さて、わたしの愛しい恋人はわたしのことを待っていてくれるかな。」
柄にもなくちょっとだけ緊張する。
愚者って言ってもそこまでは楽観的になれないよ。
差し込む日と共に扉が開かれる。怖い、とか怖気がするなんて構わず、駆け込むように中に入った。
中は薄暗さを残す家のような空間で。辺りには血なまぐさと硝煙、ものが腐ったような臭いが充満していた。……私の嫌いなもの。こんな所に皆を押し込めていたのかと思うと、身の毛がよだつ。
駆けて、駆けて、駆けて。
ようやく見つけた愛しの人の姿に、名を呼んだ。その時だった。
「ハイドッ……!」
何かが割れる音がして、自分が居なかった記憶が流れ込んでくる。目玉に刷り込むように。耳を犯すように。鮮明に、拒否権などないように。
堤防をなくした川のように、記憶の濁流がとめどなく。
ちか、ちかと視界が光る。ホワイトアウトしたくても出来なくて、歪む視界と鈍く痛む頭に耐えて私がした事は─────。
ガンッ!!!!
鈍い音を立てて、隣にいたイヴの頭を蹴り飛ばす。予想だにもしない事に、転がるように彼女は地面に叩き伏せられるだろう。
その様子を見て初めて、驚いたように目を見開いて青ざめた。がり、がりと爪を立てて頭を掻いて自らの正気を試した。……大丈夫よね?私。
「……あ、あれ?ごめんなさい、どいてほしいと先に言えばいいのに。私……?」
心から戸惑ったように謝った後に、ハイドの方に目を移す。
「……ハイド!ごめんなさい、ごめんなさい。こんな所に貴方を……」
彼女の表情は怒りでもなく、悲しみでもなく、❁︎普段のような笑みと安堵❁︎で彩られている。
駆け寄って、震える手で躊躇いながら彼の左手を握った。
ユリアはマフラーの端を持って、ついてくる。
ときどき後ろを確認すると、ユリアは下を向いていた。時々歩くのがゆっくりになって、マフラーがピンと張る時もあった。周りにいた人も、もう襲いかかってくるような気配はなかったし、ユリアの歩幅に合わせてゆっくり進んだ。
ユリアが扉を抜ける前、少し緊張したけれど、特に問題なくユリアの両足はあの部屋の外に出た。
ほっとして、そのままゆっくりゆっくり広間に行った。
ユリアをテーブルまで連れて行って、椅子に座ってもらった。まだ周りに怯えているような感じはする。
マフラーをそのままそっとテーブルにのせ、手から離した。
「リュラを呼ぶね」
>>リュラ
リュラを探して、声をかける。
「はちみつミルクを二つお願いできるかな。先にユリアの方に置いてあげてね」
「あと.......あとで、前に言ってた【力の話】、詳しく聞きたいから、改めて声をかけるね」
扉が開き、何人かが駆け込んできたようだ。
扉から外に出ると、数日前に招待されたあの屋敷。
ああ、帰ってこれたのだ、と安堵する。
胸の中にぽっかりと空いていた穴は、何故か埋まっていた。
サロメと心と身体を重ねたあの時間のお陰なのか。それとも、信じていた偽りの運命を思い出したからなのか。
そう、私は正義の運命を背負っていた。はずだった。
生まれて今日まで、ずっと。
私に運命が与えられないなど、認めたくなかった。
だから、私は自分に自分で運命を課した。
公明正大に生きる、正義の運命。
これこそが、私の生きる道だと必死に言い聞かせて。
「やはり、こちらは空気が幾分か澄んでいますね。
閉じ込められるというのは、精神によくない。」
ずっと、暗い闇いところに居たからだろうか。
鈍く開かれた扉の音に、光に。
イヴは思わず眩しそうに目を細める。
部屋の外から、誰かが入ってくるのが、駆けてくる足音でわかる。
誰に向かって言ったのか、心配と焦りと、滲む声音で『終わった』という誰かの声に。
(なにが、終わったのだろう。)
なんて、ぼんやり思っていれば。
隣の男を呼ぶ、愛しい人の声が聞こえた気がして頭を上げれば。
上げたばかりの頭に訪れた、強い衝撃。
つい数十分前まで繰り広げられていた蜜事に砕けていた腰は、足は、その衝撃にされるがままに惨劇の散る床に身体ごと崩れ落ち。
揺れる脳に、殺されるのかな、なんて。この部屋では当たり前に起きていたことに特に疑問が湧くことはなかったが、
なんとなく、相手は誰なのだろうと、光に慣れてきた目を向ければ、瞳に映った姿も、謝るその声も、喉から手が出るほどに、大好きな、人で、……
男に駆け寄る音も、声も、何故だか揺れた脳が騒ついて、上手く聞くことが出来ない。
明るくなったはずの視界が再び黒く塗り潰されていくような錯覚を起こしながら、イヴは立ち上がることも出来ずに、震える手で上体だけを引きずり起こしてなんとか部屋から出ることが出来た。
>>19>>20コズエ
もうすぐコズエが来てくれる。壊れた俺でも、それは本当の本当に嬉しいものでした。
放たれた扉から、日が射し込む。今の俺には、太陽の光は身を焼きすぎますよなんて自嘲する
あぁでも。見える。俺の幸せが。確かな俺の愛が。
名を。名を呼んでくれるんですか。俺は、『俺らしく生きて』と言う言葉を違えたのに。
抱き締める。抱き締める。抱き締めてーーー
まぁ。良い事の筈なんでしょうね。でも最悪のタイミングで
"俺は正常に戻った"
きっとそこでの軋轢を。歪みを。人の言葉が人の理性とするのなら。
俺は人の言葉で表せない。何を思ったかなんてもう。
この破壊を表す、理性なんてものは無い。
領主へ言った言葉を思い出す。
『愛が残った』と言って、勝ち誇ったことを
そう。『愛"だけ"が残った』
>>コズエ
隣で。散々交わりあった"恋人だったもの"が蹴られてもまだ、俺はこの言葉の無いものに立ち尽くしていて。
きっと戸惑った顔をしているコズエを、良く見れていない。言葉も耳に入らない。
けど俺は。コズエが、左手を握ってくれた瞬間に
ーーー強く。強く強く強く強く抱き締めました。
殺してしまいそうな位に、強く。
もう、俺には愛"しか"見えない。
>>25 イブ
「……まだ気分が優れませんか。
少し顔色が悪いようです……と言っても、あの環境では無理もありません。
冷たい水か、またはあたたかい白湯など、如何ですか。
もし飲めそうなら、用意しましょう。」
壁側で力なく座るイブに声をかける。
真偽は定かでないが、先程までの彼女とは別人のように感じられた。
>>28 リュラ
「うーん.......その力がどんなのにも寄るかな。聞いた後で選べる?」
少し力なく笑う。
「ユリアとこのまま、正しく生きることは、悪くは無いんだ。俺も彼女も、自分の運命は気に入っている、し。もちろん歪みたくなんてない。
だけど.......大事な人を守りたくても、運命のせいで、どうしても出来ないことがあるっていうのが、分かったから。
ユリアを守るための力は、ひとつでも多く欲しいと思ったんだ」
>>2 レイリーン
レイリーンの指先が、目の端からこぼれた涙を掬った時、メアリー・アンは悟った。
これから先の未来を、なんとなく悟った。裏目に出ていた運命が、正しく今はそこにあった。
「いいえ。……こちらこそ、色々とすみませんでした。と、メアリー・アンは頭を下げます」
一度、レイリーンを見上げて。そっと、脱いでいたローブを目深に被る。
「ご友人に、会いに行ってみては? わたしのことはお気になさらず。と、メアリー・アンは促します」
「…とと」
身体にダメージが残っているのか、歩き出すもよろけてしまう。全然完全復活じゃなかった。
……!
>>21 ラーク
離れていたのは一日だけだったけど、永遠にも近い時間だったような気もする。
会いたかった、感じたかった。
その人の声が聞こえた。
「…ラークさん……!!」
思わず駆け寄ろうとしたら、足がもつれて前に転んでしまった。
ほうほうの体でラークさんの元へ辿り着くと、ラークさんはいつもみたいに優しく微笑んでくれたようにみえた。
「あの…!わたし…あの……!」
さっきまでの歪な感情は今はもうないけど、記憶にはある。
何を話せばいいのかわからなかった。
>>34 イブ
返事はなかったが、頷いてくれたのを確認してキッチンへと向かう。とりあえず、水でいいだろうか。
白湯を作ろうとすると、10分では済まない。
「どうぞ。お水です。」
イブに水を渡すと、隣に座り様子を伺っている。
>>エルフィン
「わ〜、エルフィンだ〜」
ぼくは部屋の外に出て、愛の呪いを渡そうとしていた人の姿を見つけた。
あれは恋じゃないと思ってたけど、今となってはよく分からない。もしかしたらあれも恋だったのかな〜。
「何してるの〜?」
>>33 リュラ
「俺が望む力.......」
少し考える。一つ、考えていることはあった。
「あ.......確認なんだけど、あの部屋とか、この屋敷で死んだことがあっても.......外に出て家に帰ってからも、普通に生きていける?」
ユリアは殺されていたと思うから。それが心配だった。
自分に見向きもせず、這うように出て行ったイヴ(>>25)に怪訝な顔を向ける。間を空けて。…………死なないから、いいか。と思った自分に首を傾げながらも、目の前の最優先事項に目を向けた。
>>26 ハイド
呆然と立ち尽くす彼に手を握る。……死なないんじゃなかったの?と戸惑いながら目の前にいれば力強く抱きしめられて、身体中の骨が歓喜と軋みの声を上げた。
痛い、痛い、痛い痛い痛い!
大丈夫、これも❁︎試練❁︎。あの記憶も、何もかも私を試す❁︎運命❁︎なの。道を違えてはいけない、自分を❁︎抑制❁︎しなくっちゃ。
『感情を❁︎抑制❁︎出来ないのは未熟者』
……そうでしょう?皆様方。
彼の胸板を何度か叩いて引き剥がす。……嬉しいけど、死ぬのは困る。私にはまだやる事があるんだもの。
「…………ハイド、どうしたの?私は怒ってない、怒ってないよ。……それとも、私と離れたのが怖かった?」
その時、涙がぽろぽろと流れ出る。……何で泣いてるの?感動の再会の涙?……私、こんなに涙脆かったっけ。
表情と感情の歪みに気付かぬまま、ハイドに微笑みかける。そして、安心させるように……上書きするように、キスを1つするのであった。
>>36 スティーグ
「スティーグさん……いえ、特に何もしていませんでした。
外に出られたので、綺麗な空気を、と思いまして。
あなたは何を?」
真っ直ぐに相対してスティーグと話す。
後ろめたい気持ちは……ある。ないはずはないのだ。
しかし、彼に対してだけ接し方を変えるのは矜恃に反する。
それに、彼はそれを喜ばないような、そんな気がした。
>>42 エルフィン
「ん〜ぼくも久しぶりの外だったから、空気を吸いに来たんだよ〜。やっぱり、狭いところは気が滅入るよね〜」
進み続ければならないっていう焦りからも、何かを、自分を壊してしまいたいという衝動からも開放されてぼくは、また真っ直ぐに進めるような気がした。
「ね〜幸せになれた〜?」
>>41 リュラ
「そう.......」
死ぬのか。
ハイドも、ガスパールも、ラークも、メリッサも、レイリーンも、メアリー・アンも。
.......思うことがないでもなかったけれど、自分の用を続ける。
「ごめん、じゃあ、もう一個。あのさ.......もし、【運命に縛られない力】が欲しいって言ったら.......それは、可能、なのかな。
女帝じゃない選択を、できる力は」
>>43 スティーグ
「ええ……気が滅入るどころか、私も含め皆狂っていたようでしたから。
……はい。私は幸せです。
歪んだ運命の世界の中だったとしても、私は確かに幸せだった。そして、これからもずっと、私は幸せでいられます。
あなたは……どうですか。」
聞く資格はない。
スティーグが答える義理もない。
それでも、聞かずにはいられなかった。
>>45 リュラ
言われた言葉に、どきんと胸が鳴る。
リュラの言う、俺の「運命」は、魅力的だった。
このまま何もしなくても、ユリアと幸せに生きられるなら、そのままでもいい気がした。
(俺は、ユリアと幸せになりたいんだろう?)
それでも、権力者に限界まで追い詰められても、立ち向かうことも出来ず。信じるものがあっても、やりたいことがあっても、『わがまま』を許さない運命が邪魔をして、我を通すこともできず。
同じ『女帝』の父の母を見る目は、どうだったか
また、こんな、理不尽なことに直面したら?
「.......ごめん、もう少し、考えさせて欲しい。ユリアとも話したい」
>>31 メアリー
「そうだね」
俺は頷いた。
「君も、悪魔の彼のところに行ってみたら?
俺よりは、感情を教えるのがうまそうだ」
そう言って、後ろを向く。涙が流れるのは、きっとこの感情が別れを告げるから。
「……さよなら。俺を救えなかった、俺が救えなかった人」
>>46 エルフィン
「そっか〜。
ぼく〜?ぼくは、君が幸せなら幸せだよ〜」
ぼくの運命、戦車が示すのは独立。
縛られないで生きていく。
「君と生きようと頑張ったときはとっても楽しかったけど、ぼくの運命じゃなかったってことってだけだからさ〜」
公平でいられなかったことを気にする必要はないんだよ〜。
そう、にこにこ笑った。
>>コズエ
ぼろぼろと涙が出る。流す資格も無いのに。これ以上取り零すものは無いのに、何が流れてるんでしょう
滲んだ視界では、コズエの目にも涙があって。でも今の俺には、コズエの顔の歪みは分からない。
でも。コズエは。俺へと。
ついさっきまで、"恋人"と交わっていた口を、覆うように重ねてくれるのでした
もし。コズエと今離れたら、きっと俺は自分を殴って死ぬでしょうから。
コズエが何処かに行きたいと言うのなら、決して離れずそれについていったでしょう
>>50 リュラ
「.......うん。わかった。あと、リュラが俺の幸せを心配してくれてるのもわかった。ありがとね」
リュラの頭を軽く撫でる。
「じゃあ、他の人の用事もあるだろうし、俺はまたあとで改めて」
>>51 ハイド
謝りながらも、自分を抱き締めて離さない彼に眉を下げる。この胸の痛みはきっと、彼を1人にした後悔なのね。そう思い込む事にした。
「…………私の為にそうしてくれたんでしょ?大丈夫、私は何があっても貴方の側にいるから。これからはずっと一緒。喩え、何があっても」
都合のいい考えで思い込んで。自分の涙を拭う事もせず、彼の涙を指で掬う。
「泣いてるの、お揃いね。……ねえ、実はね。私は嫉妬深いの。これからは私だけ見てね」
彼の涙を舌で舐めとると、そのまま飲み込む。
……前までのコズエなら、汚いと思ったかもしれない。だが、彼女の今の瞳には…ハイドしか映っていないのだから、これも当然の行いだと微笑んだ。
泣き止むまで頭を撫でたり、優しい言葉を掛けて宥めた後に、恋人繋ぎをする。彼と2度と離れないように。離す気はないと言わんばかりに。
友人に会いに行け、と言われたが。
そんな気分にもなれずに、ふらふらとやしきのなかをあるく。
俺を殺した男が、恋人と抱き合っている。それを見ても、もう殺したいとは思わなかった。
次に目に入ったのは、この屋敷の"従者"で。
>>リュラ
「…………お人形遊びは、楽しかった? いや、楽しんでる?、と言うべきかな」
「リアンさんに」
悪魔のところへ行ってみたらどうかと言われて。
メアリー・アンはレイリーンの背中を見送ってから、肩に流れる二房の髪を軽く指で梳いた。
>>リュラ
「何を読んでいらっしゃるんですか? と、メアリー・アンは尋ねます」
>>58 リュラ
「へえ、何度も。本のタイトルを教えていただいても? わたし、字はあまり読めませんが。と、メアリー・アンは興味を示します」
デコルテに黒のレースがあしらわれた赤いAラインワンピースを着て。
綺麗な綺麗な足には赤い靴を。
完全武装で向かう先はきっと"本当のあの人"の元。
[どうか、私とラストダンスを踊ってください]
>>ガスパール
中庭の見える廊下に彼は一人佇んでいた。
その表情は私の見たことのないもので。
それでも高鳴る胸は、どうしようもなくて。
いつかのようにそっと背後から抱き着いた。
「おはよう、ガスパール」
臆病な私を閉じ込めて。
最後くらい、頑張ってみせる。
>>57 リュラ
「そう?
運命に縛られた俺たちに、本当に意思があると思うの?
ねえ、魔法使いさん。この場の支配者は、あの領主じゃなくて君だろう」
「何、君がこれからどうするか、って尋ねてるのが聞こえたから、君のところに来たんだ。ゲームに負けた分際でね」
>>63 リュラ
「あなたが綴った物語」
メアリー・アンはフードの下で瞬きをした。
「どんなお話か伺っても? と、メアリー・アンは首を傾げます」
>>65 リュラ
「……話をはぐらかすのが上手だね」
「君には、運命がない。けれど、エルフィンのように空虚ではない」
俺は一つ一つ、情報をたどっていく。
「君は何度も言った、この世界で生きるあなたたち、と。運命を持つ領主も、きっとその一人なんだろう。
でも、君はちがう。君が運命を持たないのは、君がこの世界の外で生きるからだ。君には糸が見えてるんだろう? 」
皆、再会をし。それぞれ話をしている。
ハイドの手を引いていたけれど、視界に入る目立つあの姿。スノードームを手に取ってる美しいあの人。通り過ぎるか悩んだけど、お世話になったからと後ろから近付いて声を掛ける。
>>アデル
「……どうかしましたか?」
>>69ラーク
「いっ……」
わたしが口ごもっていると、ラークさんがわたしの方を強く掴んだので、思わず声が出ちゃった。誰にやられたのか、かあ…怒ってくれてるのかな…?
さっきまであった『あの』衝動は今になってみると恐ろしい。どうしてわたしあんなのがよかったんだろ…。
「…最初は、レイリーンさん…だと思う。
そのあとはハイドさん。いっぱい叩かれたよお。」
お腹の辺りをさする。まだ少し熱を持っているのを感じた。
>>70 コズエ
スノードームを聞いて脱力していると、コズエから声をかけられた。
「あ………コズエちゃん…」
彼女にどんな顔を向けたらいいのかわからず、笑顔を作るのも忘れて困った顔をしてしまっただろう。
「…ちゃんと、終わったんだなぁって思ったのに…私達が勝てばみんなの運命が正されると思ってたのに…運命が歪んだ人は…」
それ以上言葉は続けられなかった。
>>72 アデル
困った顔をしている彼女に並んでスノードームを触る。眉根を寄せて、コズエの表情は悲観に満ち始める。
「…………そう、よね。そう決まってるけど……でも…………」
頭が痛い。後ろの方にいる彼に顔を見せたくないから、真っ直ぐにアデルを見つめた。
「……アデルさんは……いいの?」
彼女は、恐らくガスパールさんと……。
>>サロメ
彼女の姿を探した。
虚空の埋まった今の心で、歪んでいない今の心で、彼女に会いたかった。
私を受け入れてくれた彼女に、ありがとうと伝えたい。
たくさん傷付けた彼女に、すみませんと伝えたい。
これから私たち2人で幸せになることを誓いたい。
彼女の全てを愛していると、伝えたい。
>>75 ラーク
ラークさんがわたしを優しく抱き締めてくれる。
確認するように呟くラークさんの声は少し震えていたような気がする。
そんなことより。
「あの…あのね、ラークさん…。
わたしね…狼だったんだあ…もう知ってるかもしれないけど…。
それでね…………わたしのこと……」
聞く勇気が出ない。拒絶が、こわい。
>>73 コズエ
迷子の子どものような気持ちだった。
「………途中から空回ってたことは、わかってたの。
でも戻し方がわからなくて、止まれなくなっちゃって…足なんか切ったって私が本物だって証拠にはならないことなんて、わかってたの。
ただエリックの優しさにつけ込んで、傷付けて、弱らせた。
それでも勝つためなら…"みんな"の運命が正されるならって思ってた…思ってたのに…」
何かが込み上げてくるのをぐっと歯を食いしばって堪える。
「ふふっガスパールのこと?
…うん、もうごまかせないみたい。
"愛したくなかった"って時点で…好きだよねぇ」
弱ったところに優しくされて好きになった気がしただけだと思い込もうとしたのに、昨日リアンの姿で辛辣な態度のガスパールでさえも愛しく思ってしまった。
>>78 サロメ
背中に彼女の温もりを感じる。
ああ、彼女も私を探してくれていた。
幸せとはこういうことなのだろうかと、呑気に考えながら振り返り。その温もりを抱きしめ返した。
「サロメ……!
あなたに会いたかった。伝えたいことがたくさんあって……あなたを探していたのです。
逢いに来てくれて……ありがとうございます。」
>>79 アデル
「それは……私こそ、ごめんなさい。足……偽者なら切り落とせるって……」
言い籠もるが、これだけは言わねばならないと向き合った。
「…………眩しいなあ。……私から言うのもって思ったけど、応援してます。……アデルさんが私を励ましてくれたように。
……靴。あの靴が履けるほど、私は綺麗じゃないけど……持って帰って、飾ってもいいですか?」
>>22 エリック
ふ、と頭の霧が晴れたような気がした。
ここは広間のようで、周りには人が沢山いて、白髪の、…………ハイドをみつけて
「許さない」
そう呟いた声は、きっと周りのざわめきに溶けて消えてしまっただろう。
>>リュラ
「……リュラさん、お聞きしたい事があるのですが」
彼女は今、何をしているだろうか。目の前に来て、軽く屈む。
>>84 イヴ
「おや、相当喉が渇いていたようですね。
ゆっくり飲むといいですよ、急かされることもないと思いますし。」
朗らかに微笑むと、コップを受け取り、もう一度キッチンで水を入れて戻ってくる。
「満足いくまで飲んでください。
あ、白湯が欲しくなったら言ってください。
すぐ作りますので。」
そういうと、再び隣で同じように壁にもたれかかる。
彼女に聞きたいこともあったが、聞くのはやめておいた。
聞かれて快いことではないだろう。
>>85 リュラ
「この世界では歪んだ者は消される。……ハイドさんがこのまま死ぬのは嫌。
貴女は魔法を使えるから……どうにか、出来ないかしら。ハイドさんの運命はそのままで、2人で生きられる道が。……例えば、この世界から去って、他の世界に行くとか」
慎重に、言葉を選んで聞いた。
そんな夢物語。本の中だけだと思っているけれど。それでも縋らずに居られなかった。
>>リュラ
「……お誉めに与り光栄だよ」
俺は笑う。
そして、"私"はため息をつく。本当に趣味が悪い。趣味が悪くて大好きだ。
示されたタイムリミットまでは、まだ時間がある事だし。
「じゃあ、もう少し情報を集めてくるよ。いいだろ?」
そうやって、私は私のルークを進める。
>>領主
「やあ、こんにちは」
私としては、一番気になるのはこいつだ。私を刺すためのナイフ。
レイリーンとしては、特に感情は無いのだけど、私としては、たとえ答えに関係がなかったとしても、気になってしまうのだ。当然だろう。一度動かしたコマには、いつまでも愛着が湧くものだ。
「君の名前を教えてくれる?」
答えろ、舞台装置。
>>81 コズエ
フルフルと頭を振って否定する。
「あれはコズエちゃんが正しいんだから気にしないで。
私馬鹿だから、言葉だけじゃエリックの考えを変えられる自信がなかったの」
本当なら私が謝らなければいけないけれども、私は謝らない。
許しを乞うつもりはなかったから。
「眩しくなんてないよ。
コズエちゃんにはあんなこと言ったけど、私も本当は否定されるのが怖くてすぐに壁を作るような臆病な人間なの。
…でも、ありがとう。
クスクス、コズエちゃんのどこが綺麗じゃないの?
あの時から今も、コズエちゃんは綺麗だよ。
もちろん!私からもらった靴なんて履きたくないってわけじゃなければ、これからも大事な日に履いてあげて欲しいな」
取り繕ったものじゃなく、心からの笑みを返した。
―――最初にはっきりとわかったのは、掌の中にある暖かさだった。
それは彼の手と同じぐらいの温もりで、慌てて視線を落とす。…そこにあったのは、少し冷めてしまったミルク。そして、見覚えのあるマグカップだった。
口をつけるとはちみつの甘みがして、あの日の味と同じだった。彼と一緒に食べたサンドイッチが懐かしい。
視線をさ迷わせれば、あの日より随分と厳しい目をした、彼がいた。
>>89 リュラ
「…………なるほど」
これは私だけでは決められないか。でも、一応聞いておく。
「もし、運命を途中で変えたら性格も変わる?」
>>91 アデル
「……でも、エリックさんには通じた。言葉だけではなくてアデルさんの覚悟が。こうして勝てたわけだし……」
私が言うのもと控えてた言葉を告げ、薄く微笑んでみる。
「……どういたしまして。
は、きたいです。……紫の杜若、綺麗で。……履いて、古びたら。また買いに行きますから」
彼女の未来は決めつけたくないけど、それでもお別れは"また"の言葉。
目の前でヒールに足を通して、くるりと笑ってお辞儀をした。
>>92,93 ユリア
マグカップの持ち手に指はかけて、でも口はつけずに、少し離れたところで、ユリアを見ていた。
はちみつミルクが人肌くらいの温度になった頃、ユリアはハッとして、マグカップに口を付けてくれた。
「っ.......」
なにか言おうと思ったけど、なんて言ったらいいかわからなかった。そのまま黙って見ていたら、やがて彼女はそろそろとこちらに来て、可愛らしく袖を引く。安心して、やわらかく笑ってユリアを見た。
「そう?実は、俺も。えっと、じゃあ、リュラに何か頼もう。何が食べたい?」
こちらを見上げるユリアが可愛くて、頬に手を添えたかったけど、上げかけた手をぎゅっと握った。
>>97 サロメ
「サロメ……私を受け入れてくれてありがとう。
私は自分の弱さから、あなたを傷付けたのに。
もっと初めから私は、私自身の気持ちに気付くべきだった。
ずっとあなたのことを大切に……いや、あなたがほしいと思っていたのに。運命に責任を押し付けて、中途半端なことをして……結果、傷付けた。すみませんでした。
それでも今は、あなたと一緒にいられて、こうして話が出来て……とても、幸せです。
あなたとずっと一緒にいたい。
あなたを、愛しています。サロメ。
どうしても、逢って伝えたかった。」
>>98 エリック
柔らかく笑う顔は、あの日と同じ。
安心して、少しだけ微笑んだ。
「サンドイッチがいい。…エリックが作って。だめ?」
>>96 コズエ
「ふふっそう思ってくれてるならよかったって思えるよ、ありがとう」
カキツバタのヒールにもう一度足を通して笑ってくれるコズエに目を細める。
「正しい歩き方で定期的にメンテナンスするとね、意外と長持ちするの。
だから時間ができたら"アデライド"に来て。
…コズエちゃんこそ、せっかくハイドと両想いになれたのに…」
私はガスパールを好きだけど想いが通じたわけじゃない。
でもコズエとハイドはせっかく愛し合えたのにと、気遣うように眉を潜めた。
扉が開いてすぐにコズエが駆け出して行った。
「あ、先越されちゃったかな。
でも…うん。今回は仕方がないわね。同じようにずっと待っていたよね。」
最後くらいコズエに意地悪をしてやろう。
そんな風に思っていたけれど、そんな事もバカらしく思えてきた。
そんな14歳の恋する少女のお話でした。
って、結ぶことが出来たらどんなによかったかしら。
朝。瞬きを一つすれば、元の姿に戻っていた。
じわじわと、胸の内にいつもの感情がかえってくる。身体の痛みがかえってくる。
ぐちゃぐちゃとした黒いモノに心が支配され、ようやく心が戻ってきたのだと安堵した。全てが終わったのだと理解した。
遠くの方で声が聞こえる。きっと、ここが外の世界と繋がったのだ。再会に喜び、もしくは悲しんでいるのかもしれないけれど。
リアンには、会いたい人はもういない。
ゆっくりと歩き出し、扉の外へ出た。
そこはいつもの洋館で、取り憑かれる前と何も変わらない。
不意に、あの絵本が読みたくなった。
ここにあるかは分からない。けれど、探す時間は、暇潰しには丁度いい。
それに、本に囲まれる空間こそが、唯一リアンの心を休められる場所だったから。この時間が終わる、その時まで。
足は自然と書庫へ向かった。この現実から逃げる為に。*
>>86 エルフィン
飲み干してしまった自分のコップを持って、再び水を入れて持ってきてくれる。
それをまた一口飲めば、空っぽの胃が悲鳴をあげているのに気付く。
運命を歪められてから、まともに人の生活を送っていなかったイヴは、食事を摂るという当たり前のことすら忘れていたらしい。
再び自分の隣に座る彼は、あの惨劇の夜にもこうして自分のことを心配してくれた。
彼の運命から来る行動なのか、それとも…
「あの時は、色々と、すみませんでした。」
いくら歪んだ運命に流されていたとはいえ、自分のしたことをなかったことのように振る舞うことも出来ず、イヴはやはり彼の手を見ながらそう伝える。
彼の愛の行方は、どうなったのだろうか。
愛を得ることは、出来たのだろうか。
>>103 ユリア
ユリアの微笑みが涙腺を刺激して、ちょっと目線を外して、目を瞬いて誤魔化した。
それから、意外な『お願い』が聞こえて、改めてユリアの目を見つめる。
「.......いいの?俺、あんまり上手く出来ないかもしれないけど。あと、ほんとにいいの?」
さてしたもんか。裁定を待つのみか、とひとりぼんやりと廊下に立っていたら脇の下から手が出てくる。
「……おっと」
ああ、この感じ。
お互い分かった上でふざけてやってたアレか。
>>60 アデライド
「……懲りない女。まだふざけ足りないのか。」
もう取り繕う必要はないだろう。
昨日散々歪んだ顔も言葉も浴びせてやったはず。
ひとつため息をついて呆れて振り返れば、
そこには初めて会った時のように真っ赤な薔薇の妖精が立っていた。
ひゅぅ……と口笛をひとつ。
「……よう。相変わらず朝が弱いなアデライド」
眉を下げてぎこちなく笑って見せる。
開き直っているが特別話題もない。思わず視線を落として
「…………痛くないのか?」
とだけ、聞いた。
>>107 イヴ
「……謝られるようなことをされた記憶はありませんよ。
それに、あの場では全員が狂っていたようです。
あなたの落ち度ではないと思います。」
彼女の謝罪を聞きながら、私はゆっくりと自分のコップを煽った。
ただの水だが、酷く美味しく感じられた。
「むしろ私は、あなたが心配です。
えてしてこういう場合、狂っている側のほうが酷く傷ついているものです。違いますか?」
目は合わさないまま尋ねてみた。
>>109 エリック
「うん。あのね、ネリネが言ってた。
『料理する人は、食べた人が美味しいと言ってくれる事が何より嬉しい』んだって。
ユリアはエリックに喜んでほしいから、エリックのサンドイッチが食べたい」
>>108 サロメ
「このままいけば、私は……どうなってしまうかわからない。だからこそ、今伝えておきたかったのです。
私には……運命は与えられなかった。仮初の運命で生きてきました。それを真に失ってしまうことになれば……
せめてあなたと、少しでも長く一緒にいたい。
少しでも近くに。少しでも、あなたを感じていたい。」
>>110 ガスパール
「もう"恋人"じゃないから、おふざけじゃないよ」
ぎゅう、と回した腕に力を込めてその背中に顔を埋める。
ああ、態度も表情も全然違うのに。
ガスパールの温もりを感じて勝手に笑みが溢れる。
振り返り離れる温もりに名残惜しさを感じていると、ぎこちない笑みで新しい足について聞かれた。
「ぜーんぜん!むしろ前より綺麗で、違和感もないよー」
[今までの努力が馬鹿らしくなるくらい]
一瞬汚い感情が顔を出しかけたが、そんなことをしている時間はないと頭を切り替えぱっと笑った。
「そんなことよりね、"今の"ガスパールのこと教えて欲しいから、デート、の…お誘い…です」
ノリと勢いで誘おうと思っていたがやっぱり恥ずかしくて、頬を染め口調も崩れてしまった。
>>115 ユリア
俺のことを、まだ大切に思ってくれているのは、その言葉で充分だった。
「.......うん!じゃあ、作ってくる。リュラが作ってたのを、見てたから、たぶん、わかる!すこし待って.......」
そのまま走り出しそうになって、「あ」と振り向いた。
「待ってる間、コズエやイータや.......ええと、アデライドと.......話してきても、いいよ。
俺、アデライドには酷いことをしたから、もう靴は作って貰えないと思うけど。ごめんね。あ、じゃあ、作ってくるから!」
>>113 リュラ
「……なるほど。いまいち要領を得ませんが」
「そういえば、あなたはずっと本を読んでいましたね。あなたが綴った物語。その物語に終わりはない……その本に、わたしたちはいますか?」
────バカなこと、しやがって。
────最初の魔法がかかってたんだろ。
────いいわけないだろうが。
いくつか答えが頭に浮かぶが、アデライドの凶行を自分は心底楽しそうに見たはずだった。
『バカな女、何の意味もないことを』
確かに自分はそう思ったはずだった。
だがなぜ。
こんなにも悲しいのか。
別にそんな風に思う資格がないなんて殊勝な心がけはない。
「バカだな……
ほんとに、バカだな。」
やっとそれだけ言うと、思いがけない"デート"のお誘いに目を丸くする。
女はこういうところが本当に不思議だ。
何で前提だの立場だのを吹っ飛ばして欲求だけぶつけることができるのか。
「今のオレ、ね…………?
別に、これが素だよ。
昨日までの楽しくて楽しくてたまらなかった昂りなんてねえ。
"理性の崩壊"、見せてやるって言ったのにな。
……期待外れか?」
少し困った顔でアデライドを見つめると、一瞬ためらったが手を差し伸べる。
「女に誘われてノンと言うオレじゃない。
誘わせてダセェが………………喜んで。」
>>エリック
「君のそれが答えだ。エリック君、"運命は絶対"なんだ。
君が僕を殺そうとも、その事実は結果として君の運命にあて 宛てがわれる。それが君の、君だけの女帝を創るんだ。
さもないと、女帝の運命を持ったもの皆が同じになってしまうだろう?
宛てがわれた運命、辿ってきた運命、それが自分のカードに背く、受け付けられなくなった時に運命は歪むんだろうな、きっと。
この世界の代表?それは『世界』の運命を持ったものだろうよ。」
>>125 リュラ?
「あんまり。あの領主、人形を辞める気がないみたいだし」
私はそう答える。
そしてレイリーンの顔をリュラに近付けた。仕方がない。興味は向こうの方が強いけれど、こっちの顔だって愛している。
「ねえ、君、どうしてリュラって名乗ってるの? ベガ、じゃないの?」
私の可愛い可愛いベガを、どうしたの?
「どうして御堂修司の顔をした男は、レヴィンって名乗るの?」
>>122 リュラ
「難しいです、とても。けれど、とても興味があります」
「……あなたは初め、その本を“運命に縛られない世界の話”だと言いましたよね。と、メアリー・アンは確かめます。
そして今、それをわたしたちの物語だと言った。
終わりは始まりに繋がって、歪みは正されて次の物語へと繋がる……【願いの小瓶】ってなんでしょうか。
わたしたちの世界は運命に縛られています。誰かが【願いの小瓶】を使ったから、わたしたちがここにいるんですか?」
>>101 リュラ
「ふうん?そういえば、これは貴女の作ったものよね。ボイスレコーダー以外に役割はあるの?」
スノードームを手に取ってよく見てみる。
>>104 アデル
「ありがとう、アデルさん。
……私は……どうしたらいいかわからないけど、2人にとっての最善を尽くします。
……だから、アデルさんもどうか。ガスパールさんと……私にお返し出来るものがあればいいんですが。あ、香水使いますか?」
貰ってばかりだと、ポケットから香水の瓶を取り出して提案してみる。
>>123,>>124 ガスパール
もっとキツい反応が返ってくることを覚悟してたのに。
「うん。私馬鹿なの。知ってるでしょ?」
眉を下げてへにゃりと笑った。
[期待…しちゃう…]
「ううん。それがガスパールの素なら、私は見れて嬉しいよ。
ふふっよろしくお願いします」
そっとガスパールの手に私の手を乗せると、ゆっくり庭を歩き始めただろう。
繋いだ手にドキドキする胸を落ち着かせながら話し始める。
「…ガスパールは、何か欲しいものがあるの?
その…昨日のガスパールは、何かに飢えてるような、欲しいのに手に入らなくて全てがどうでもよくなっちゃったような…そんな感じがしたから」
いきなり気になっていた質問をしてしまいしまったと思ったが後の祭り。
恐る恐る彼の様子を伺った。
>>131 コズエ
「…うん。うん、そうだね。
お互い後悔しないようにがんばろ!」
コズエの気遣いが今は素直に嬉しいと思えて微笑んだ。
「香水?うん、付けてみたい!」
実は基本的に香水は付けない。
ただ今はコズエのエールを感じられるものがあると勇気を出せる気がして、喜んで手首を差し出した。
キッチンに入ったら、念入りに手を洗った。
サンドイッチなら、ちょっとくらいは作るのを手伝ったことはあった。イチからつくるのは初めてだけど。
(卵を茹でて、あと、その間に、ハムを挟んで、マヨネーズを塗って.......と、レタスを.......レタスだっけ?大丈夫かな.......えっと、慎重にちぎって.......
食パンを.......あ、潰れるこれ、うまく切れないんだけど.......あ、たまごたまご.......あ、いちご。いちごも切らないと)
このくらいならと思ったのに、やってみると意外と難しくて。わたわたと、手を切らない程度になんとか準備をする。
(大丈夫かな。一応、卵のカラはすごいチェックしたし、調味料の量は合ってるはずだけど、見栄えがなぁ)
なんとか皿に盛り付けた不格好なサンドイッチを見て不安になる。不味かったらどうしよう。
「.......うーん。コズエに教えてもらわないとなあ」
>>130 リュラ?
「……。ベガのことを、知らないとは言わないんだね?」
少し考える。主人が望んだ、望みを叶えるために必要なのは、あの瓶。そうであるなら、瓶の持ち主はあの領主なのだろう。
それは、私の知る物語に似ている。
「じゃあ、質問を変えよう。どうして"君"は魔法が使えるんだい?」
これは、レイリーンの疑問でもある。
「何か使ってるの?」
>>ユリア
サンドイッチを持って、ユリアの座っていたテーブルに行く。ユリアはいた。
不格好に切られたサンドイッチののった皿を、ユリアの前に置いた。
「ごめんね、やっぱり慣れなくって.......あんまり美味しくはないかも。美味しくなかったら、その、新しく持ってきてもらうから遠慮しないでね」
>>133 アデライド
「欲しいもの、ね…………
昨日までは"何にも欲しくなかったから、何かを欲しがってるヤツらの絶望する顔が見たかった"、だな。
今は別にそれもどうだっていいけどさ。
別にあっちこっちで、あー……
まあ全部見たんだろ?ああいうのがほんとはオレも欲しかったんです、みたいな話じゃねえ。
独身で領主に呼ばれたから来ただけで…………まあ遊び相手がいるに越したことはないけどな。軟派だし、オレ。」
核心の周りを触るように話をしていく。
卑怯さを感じながらも、いつもなら平気でスラスラと言える「そりゃもうキミしかないだろう!気がつかないフリをするなんて罪作りだなあ」なんて軽口は出てきそうにない。
ここ数年で1番、言葉に困っていた。
まあちょっと……さすがに卑怯過ぎるか。
こんなにまっすぐ聞かれてんのに。
「そうだな……
まあ、それなりに凹むことがなかったわけでもねえよ。
"慰めてよ"って頼んだら、今度はオレを雨宿りさせてくれる?」
ぐっと手を引いて廊下の角を曲がる。
陽の当たらない壁にアデライドを押しつけて顔の横に手を付いた。
「…………なんてな」
その姿勢のまま意地悪そうに、しかし姿勢にそぐわない少し怯えた顔でアデライドの目から視線を外してしまった。
>>134 リュラ
「……確かに」
脳に流れてきた映像は阿鼻叫喚だった。……嗚呼、頭が痛い。
「……この世界って繰り返されてたりするのかしら」
>>135 アデル
微笑む彼女に口端をあげて微笑み返した。
「ならよかった。……どうか、────」
聞こえぬ程の小声で、彼女にエールを送って月下美人の香水を付けた。
今は亡き兄が作った香水。自分が頑張りたい時に付ける香水。……彼女の後押しになりますようにと願いながら、その背を見送った。
>>140,>>141 ガスパール
ぽつりぽつりと溢すように。
少しずつ話してくれるガスパールの目をじぃ、と見ながら耳を傾ける。
「………最初は、軟派な人だと思ってた。
でも、傷付いた私を丁寧に優しく温めてくれたのはガスパールだよ」
そして角を曲がり人気のない暗がりの廊下の壁に押し付けられる。
次の言葉に、やっとガスパールが心を見せてくれた気がした。
確信的な言葉はなかったけど、この"チャンス"を逃したら二度とガスパールは心を開いてくれない、そんな気がした。
そっと両手でガスパールの頬を優しく包み視線を合わせる。
そのまま少し背伸びをして、ゆっくりと彼と私の唇を重ねた。
数秒。
唇の感触だけを確かめるようなキスをして、最後に劣情を誘うように下唇を喰むと、少しだけ顔を離す。
「…いいよ。
私が、あなたの傘になりたい。
私に、ガスパールを慰めさせて…?」
吐息が混じり合う距離で、とろりとした瞳で、秘め事を話すように囁いた。
>>132 リュラ
「わたしはどちらも信じますよ。と、メアリー・アンは返答します。
わたしが生きてきた世界が、たとえ誰かに願われて五分前に作られた世界でも。
その記憶は、思い出は、味わったことは“本当”と変わりませんし。
けれど、あなたには信じるに足る説得力がありますから。だってあなたには運命がない。不思議な魔法が使える。
あのスノードームだって。模倣されているから、庭より先にはいけない。──模倣。わたしたちが今いるこの場所は、スノードームが模倣した世界なのでしょうか?
この世界を望んだのは誰なんですか? 【願いの小瓶】を飲み干したのは誰なんですか?
思えば不思議なことはいくつかあったんです。
わたしの存在も望まれて生まれたのでしょうか。
それとも、どこかの世界から連れてこられたのでしょうか。
これはすべて領主様の仕業なのですか?」
>>139 エリック
「ありがとう。…エリックの料理、それだけで嬉しい」
スクランブルエッグのサンドイッチ、段面がぐしゃっと潰れて、レタスがぺったんこになったハムのサンドイッチ。それと、生クリームがそこかしこからはみ出したイチゴのサンドイッチ。
真似したであろうそれを、ニコリと笑って口にする。もちろんあの従者さんが作ったものとは随分と違ったけれど。
「おいしい、ありがとう。
…さっきはごめんね」
>>リュラ
書庫に向かう道すがら。あの従者を見かける。
そう言えば、ずっと気になっていたのだ。従者の手にあるあの本が。その内容が。司書として。
「すみません、従者さん。少し、いいですか?」
小さな従者を呼び止めて、ついと彼女の手に持つ本を指さした。
「実は、ずっと気になっていたんです。
その本って、どんな内容なんですか?」
少しだけワクワクとして、楽しそうな声音で尋ねた。
>>148 ユリア
ユリアは、俺が作っただけで嬉しいと言ってくれた。
俺の不格好なサンドイッチをおいしいと言ってくれた。
ユリアが本当のことを言っているのは、本当は考えるまでもないんだ。ユリアは女教皇だから。嘘が嫌いだから。
でも。『そんなことを忘れそうになるくらい』その優しい笑顔を見たらわかった。
自分もサンドイッチに手を伸ばして、ユリアに返事をする。
「ううん。ユリアは何も謝ることなんてないよ。俺と一緒に来てくれてありがとう。怖かっただろうに、それだけで俺は、十分なんだ」
「やっぱり、エルフィンさんはお優しいんですね。
……わからないんです、私、もう…。傷ついたなんて言えるほど、そんな、立場ではないから………。」
あの部屋を出る直前。
まるで、蔑むような、非道く冷たい目を彼女から向けられた。
思い出すだけで、頭と心がぐちゃぐちゃになって締め付けられる。
でも、そんなことは言えないから。
「……大丈夫、です。いえ、今はまだ。でも、少しずつ、償っていきます。」
「ありがとう、ございました。」
そう微笑んで、ゆっくりと立ち上がり。
「あの、ごめんなさい、これ。」
片付けてもらってもいいですか、と水の半分入っているコップを渡し、
イヴは広間を後にした。
>>151 エリック
「ありがとう……また会えてよかった。
あのね、ここを出れたらね、もっと美味しいもの作ってほしい」
ふふ、と照れたように笑った。
>>150 リュラ
メアリー・アンは冷静にリュラの顔を見つめた。
「運命などなかった? つまり、この世界は……もともとは運命に縛られない世界だったと?
それを、そこで暮らしていたわたしたちを、領主様が望んで、運命で縛った?……いえ、暮らしていたというのは、過去のことなのでしょうか」
>>156 ユリア
可愛く笑うユリアに、つられて笑ってしまう。
ああ、俺の宝物を、本当に助けることが出来たんだなと.......。
けど、言わなくちゃいけないことがある。
少し唇を噛んで、静かに話し始める。
「.......ユリア。君に会えて、助けられて.......本当に嬉しい。君の隣に、居られたとしたら、幸せだ。
でも、俺には、これからも、君と一緒にいる資格は無い。見ていたか、分からないけど.......俺は、領主様の前で.......床や、靴を舐めるような人間だから。
大切なものを守ろうとしても、何も選択できない人間だってわかったし.......」
言葉を切る。
「.......もしかすると、一緒にいると危ないんじゃないか、とも。いや、確かに俺は歪んでないことは、能力が証明してくれたけど.......。でも、有り得ないはずの、嫉妬や、挫折や、情緒不安定が見えたし。欠けちゃいけないはずの、繁栄や、家庭を守ることや、包容力が、見えなくなったり。
ただ.......いや、あの、重いのは承知なんだけど.......ユリアへの『愛情』、『わがまま』になれないこと。
このひとつずつだけが、運命を固定してくれているような、そんな気がするんだよ」
>>146 アデライド
健全な男に何をしてくれてんだ。
唇を食まれて、思わずたじろぐ。
でもな、さっきまで"狼"だったんだよ忘れてんなよ?
「あのな」
ひとつ息をつく。
「…………思ってるより土砂降りだぞ?覚悟がヌルいんだよ。」
繋いでいた手に指を絡ませ、空いた手はドレスの裾を持ち上げ、腰を強く引き寄せ、浮かせた。
あらわになったアデライドの太腿の間に片膝を差し入れる。
精一杯、嗜虐的な顔を作って乱暴にアデライドの唇を貪れば、どうしようもなく口内を蹂躙したくなる。
その欲にからだを任せるままに、息継ぎももどかしくなるように舌を絡める。
ようやく離れ、唾液が細く糸を引く口を拭って出た言葉は
「……まだ欲しいんだろ?」
それは形だけでも許可を求める、思いやりとは遠く離れた言葉だった。
返事を聞かずにまた唇を貪れば、合間合間に戯れに呼ぶのを許されていた名前を何度も繰り返し呼んだ。
「さて、過去と未来とはどうやって決まるのでしょうか。
ニワトリが先か、卵が先かという話になりますが。
過去に起こった話は、遠い未来の過去に起こった話」
>>160 リュラ
「死ぬ未来を変えるために、記録をしていた…と?」
なんともふわふわとしている。まるで、現実味がない。そもそも、過去の出来事を変えるだなんて出来るわけがないだろう。
それとも、魔法使いである従者なら可能なのだろうか。
「………では、その、有り得るかもしれない未来は、魔法使いであるアナタが未来を視て書き出したものなのでしょうか。それとも……」
あぁ、これもまた、なんとも言えない話なのだけれど。
「僕達が、この洋館で過去に起こした出来事が、"有り得るかもしれない未来"として書かれていたのでしょうか。
領主様が死ぬ出来事として……?」
>>99 ラーク
わたしがいつまでも続きを話せずにいると、ラークさんは聞きたかったことに答えてくれた。
「…えへへ、ラークさんはわたしの思ってることにみんな応えてくれるねえ。
嬉しいな…わたしもラークさんとずっと一緒に…」
そう言いながらぱっと顔を上げて、わたしの肩に手を置いていつもみたいにやさしく微笑んでくれているラークさんを見る。
その笑顔の中心の、ラークさんの目が、いつもと違うことに気づいたんだ。
「…いた…い…」
わたしの言葉は再び宙に浮いてしまった。
もう。
運命は歪んでなどいないのに。
正常な運命に戻っているのに。
なのに、どうして。
酷く頭痛がする。目眩がする。水を入れただけの胃が悲鳴を上げる。聞こえないはずの声が聞こえる。
お前の罪は誰も許してはくれないと、誰かがイヴの耳元で囁く。
生きていてはいけないと、誰かがイヴの耳元で囁く。
お前だけは幸せにはなれないと、誰かがイヴの耳元で囁く。
お前は生きていてはいけなかったんだと、誰かがイヴの耳元で囁く。
死をもってどん底へと堕ちろと、誰かがイヴの耳元で囁く。
それでも正しく運命を生きたいのなら、愛を持って死ねと、誰かがイヴの耳元で囁く。
「…ぅるさいっ…!!そんなの、わかっているわよ………っ!!!!」
ダンッッッーーーーー!
右手で頭を抱えながら、右腕で壁を叩く。
どうしたって自分はもう、愛する人の愛を失って、抱え切れない罪を背負って、生きていることなどできないのだ。
>>162,>>163 ガスパール
「そしたら風邪引かないように…一緒にお風呂入ろ?」
クスクスと笑うのも束の間、男の人の力で0距離になる。
「きゃ…んぅっ…ふ…っ」
指を絡ませ、足は気持ち程度にしか地面に着かなくなる。
空いた腕を首に回し、胸を押し付けるようにガスパールに体を密着させることでなんとか体勢を保ち、その激情を受け止める。
獣に喰べられているような感覚に陥る。
やっと離れた時には、口の端から溢れる唾液を拭う余裕もなく酸素を求めた。
[でも…]
「っはぁ…ん…足り、ない。もっと…喰べっ」
言い切る前に唇で塞がれる。
ぞくぞくと快感が背中を駆け巡るのが止まらない。
膝がガクガクと震えだし、限界が来るとカクンと腰が抜けて引け腰になったが、逃がさないと言わんばかりにその捕食は続いた。
[1]
[2]
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