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村の設定が「役職希望無視」のため、全ての役職希望が無視されます。
お祭りの前日
訪れるものたちはお祭りの準備に励むものや、その雰囲気を楽しむものなど様々
狐の嫁入りはお狐さまに無事にこのお祭りが何事もないようにとお願いをするため、今日から朝夕の儀が行われます
まだ少し暗い朝の空は、どことなく奇妙でありましたが
雲は少ないため晴れることでしょう
どうやらこの中には、村人が7名、人狼が2名、占い師が1名、霊能者が1名、狩人が1名、聖痕者が1名、蝙蝠人間が3名、求婚者が1名いるようだ。
[ぱたぱたと朝の廊下を足袋で駆け抜ける音がする。その足音は狐の嫁入りの寝室の前で止まり、続けて軽く戸を叩く音]
オハヨーゴザイマス。朝デスヨ……っと。
モウ、ジュンビバッチリ!
さすがおよめさまネ
起こさなくても起きてクダサルネ。ワタシ楽チン
………?
まだチョト眠い?
チョトぽーっとしてるネ?
さてさて、じゃあ、朝のお支度デスネ?
コチラ、近くの森で採れた、キノコ、山菜や、神社のウラ育てた野菜の朝餉ネ
ワタシ同じモノ、お狐サマお供えした!
コレはおよめさま、朝ごはんネ?ごはんしたら、朝の儀しよマショネ
昨日は娘とナナクサと話をしたあと、寝床があるときいて神社のものに言って一夜をすごした
もしかしたらと思ったからだ
目を覚まし身支度をすませては外に出る
昨日は暗くてよくわからなかったが空があけた今は辺りがよく見える
(探さなきゃ。このお祭りを止めるために)
(……。)
目的はひとつだけ
"狐の嫁入りを。稲荷祭りを。やめさせること"
あの時の彼女が狐の嫁入りなのはわかっていた。
しかしあの時に止めたら紛れ込めないと思い何も言わなかった
そっと狐の面を撫でる
稲荷祭りをいかにも待ち構えていたかのように見せようとこの面をつけたのだが
(このお面のことも君は忘れてしまったのだな)
お面の鼻先を撫でながらキュッと口を結んだ
およめさまが朝ごはんを召し上がっているアイダにワタシもお参りしとこ
ぺこ、ぺこ
ぱんぱんっ!
本日もイチニチ無事に回るよう、お見守りクダサイネ
またオイナリサンも作るマスカラ
ぺこ
とりあえず無謀だろうが探そうと思い歩き始める
と、どこかで陽気な少し変わったニホンゴがきこえた
ああ昨日のおてつだいの声か、よく通る声だもんななんて思いながら近づくが高い塀があってさすがに見ることは出来ない
(仕方がない。とりあえず戻ろう)
ここで何かして怪しまれてはいけないからと諦めて先程の場所へと戻っていった
さてさて、必死のラブコールもあんなに冷たくあしらわれたら目も当てられない。やはり対人関係は苦手なのかもしれない。
狐の面の青年、名はミゲツといった。
物語には欠かせないキャラであることは間違えない。
彼の進む運命と自分の運命が偶然に重なることを願わずにはいられない。そんな不思議な魅力をもった男だった。
にしても。
「まあ暇だな。なんか面白いもんでも落ちてないものかね。」
怪我人がこんな秘境まで来たんだ、たまにはネタのほうから寄ってくるくらいの情状酌量があってもいいのでは?
昨日はあの後、神社の者達が用意してくれていた寝床へと帰り、眠った。
祭りへの興奮からだろうか、珍しく朝に目を覚ます。
いつもは昼か夕方に起きて、深夜まで働くのが習わしだ。普通のヒトとは生活バランスがズレている。
これは、ぎょろりとした目と大きな背丈で怖がられやすいソウビを蝋燭のみ点る闇夜で隠す為の>>配慮<<だ。
「…眩しい」
とろんと半目の黄金色は朝日を受けてキラキラと輝く。
二度寝をするのもな……と外へと出て、カランコロンと歩き出せば、夜とはまた違った、朝の静寂と澄んだ空気がソウビを出迎える。
くああと大きな欠伸を一つして、夜基準生活の寝惚け頭で辺りを見回している。
誰ぞいるなら朝の挨拶くらいは交えるつもりでいた。
「ふぁぁ」
昨日はミゲツと話してる時に、急に眠くなり意識が遠のいた。
誰かが背中に乗せて運んでくれたのを
曖昧な記憶の中から辛うじて引き摺り出せるものだった。
お礼を言わなきゃ。
あの場にいたのは狐面のお兄さんミゲツと
露店のお兄さんとヤヨイちゃん。
その人たちを見つけるために布団を綺麗に畳み
身嗜みを整える。
貰った羽織と草履を見ると、頬が緩むのを感じる。
今日も足取りは軽い。
目を覚ませば、何人かは起きているのか足音が廊下からした。
どんな人がいるのだろう。それに、狐の嫁入り様には話しかけてはいけないが、できることならその姿は毎日でも見てみたい。
「よしっ」
人前に出ても恥ずかしくない程度に身なりを整え、散策してみることにした。
>>10 ミゲツ
会釈には会釈を返す。
自分とは逆へと歩む彼に思わず声を掛けた。
「おい。……………朝は起きるものだと聞いたが。」
普通の人間はと心の内で思いながら、無愛想に声を掛ける。
疑問は聞いてもよかろう。無視されたらそれはそれだ。
歩いていると、前にミゲツと長身赤髪の男がいた。
ミゲツは会釈をするとこちらに歩いてくるようだった。
とてとて、と2人の方に向かう。
「おはよう、ミゲツさん。と、赤いお兄さん」
2人に挨拶をする。
ソウビの顔を見ようと顔を上げるも、背丈が高く
レイが小さい。
>>14 レイ
「おはよう。」
小さな背丈の者が話し掛ける。白い狐面を見てるから、恐らく用があるのだろうなと思った。
……それにしても、この小さな背丈のニンゲンは。
「…………。」
……おのこか?おなごか?どっちなんだ。
聞く事はせず、前にいるミゲツに主に視線を向けたままチラリとレイを見た。
朝露が葉を濡らし、一歩進む事に少し湿った空気が顔を横切ります。
まだ覚醒しきっていない頭を起こすように、朝日に向かってうん、と大きく伸びをしてみました。
「ん〜〜〜〜………ふぁぁ」
そして、盛大な欠伸も漏れました。
眠い目を擦りながら、朝の散歩を開始します。
いつもなら、近所をぐるりと回るのですが、今日は神社の中を回ることに。なにぶん、昨日はここにお泊まりしたのですから、当たり前ですね。
昨夜の怪しげな雰囲気とは違い、朝の境内は不思議な雰囲気に満ちていました。
まるで、誰かが神隠しにでも逢いそうな、そんな──
「………なんて、まさかね。」
肩を竦めて苦笑します。
滅多な事は考えるものじゃないと、そう思いながら。
とってんとってんお足をついて。
カランコロンとお下駄が跳ねる
昨日は残念店じまい。春夏秋冬店じまい。季節は流れて夜へと消えた。
狼さまの花嫁も、おうちに帰るといずこか消えた。またお会いしたならもう一度。拐ってみせようそうしよう
おはよう燦々お日様燦。狐は、天照様の分霊だとか。それなら只今天高く、我等を見渡すお狐様よ。今宵も見守りくれしゃんせ。
イタズラ心で地上に降りたなら。祭りを楽しむその陽気さで、夜闇も朝暮れ等しく照らしておくれ。
そんなこんなでお暇消し。しましょと歩いておりますと。
『ーーーなんか面白いものでも落ちていないか>>7(ナナクサ)』
と聞こえる声があり。
「おはよう燦。楽しい者の拾い物。しておるらしいと聞いたがね。ここに暇を擁した放浪者が、拾って貰おうと遊びに来たよ。
はて?そなたはどなただろう?」
「秋の冷たい空気を感じながら頂く朝餉はまた格別ですねえ……」
まだ寝癖のついたまま、しかし洗練された所作で朝食を綺麗に平らげた。
その頃にはやっと瞼もきちんと開き、朝の身支度をこなしてゆく。
「さて、今日も特別な年のお祭りを賑わす、枯れ木にでもなりに参りましょう」
ヤガミが白兎、ミゲツが白狐、そして彼は黒狗?いやこれもまた狐か?
俺のラッキーアイテムが動物の面ならば今すぐ鶴嘴でもって石油を掘り当てたところだ。
どんな育ちをしたらこんな言い回しが自然と生まれるんだか。
>>20
「確かに自分から面白いなんて言う人は十中八九面白いからな。」
悠々としたオーラと和服を纏う彼は自らは放浪者と称す。どこか通うものを認め、名乗ることに抵抗はなかった。
「三草 七草、しがない物書きさ。湯治とは名ばかりで僕も暇ができたからこの祭りを訪れた、ある種の放浪者。
もしかして貴方も所謂"ヨソモノ"だったりするのかい?」
掃いて捨てるほどの退屈も摘んでもらえる、捨てる神もいればなんとやらか。
澄んだ秋の朝の空気は心地よい。
>>18 ミゲツ
ため息を吐いている。話し掛けては駄目だったか。
表情は変えずに心内で反省をする。
「……そうか。
ミゲツは忙しいんだな。俺に出来る事があれば手伝うが。…背はある。」
小さな背丈のニンゲンが呼んでいた名前で呼ぶび、背はあると力仕事が出来るのを強調してみた。
セイヤッ(起床
祭りの日の朝ってなぁ、いいもんだぁ!
昨日の宵からこぞって設えた、屋台に祠に大社!
この時のために生きてきたぁお祭り男が、あ一花咲かせ、
いや打ち上げようじゃあねえかい!
「たいへん、今起きました!」
床の中でぱちっと目を開いたヤヨイは、開口一番そう叫びました。寝起きは事の外いいようです。
こうしちゃいられないとばかりに、いそいそとお布団を畳み、身繕いをしてお部屋を後にします。
ぱたぱたと廊下を歩きながら今日の計画を立てているようです。
「おまつりおまつり。えへへ、今日はどんなことがあるのかなー。お寝坊しちゃったし、さいしょから張り切っていこー!」
おー!と、軽く握った両の拳を高らかに突き上げました。
うーん、いい朝だなあ、お天道様もしっかり上がってやがる。……ん?
ひょっとしてもう昼時ってか?
「よう、皆の衆。昨日は美味い酒を飲んで寝ちまったが、祭事はしっかりやらせてもらうからなあ。
昨日見なかった顔もちらほらいやがるが、金物屋のキキョウと言えば村の衆には顔が知れてるはずだろ?挨拶が遅れたことくらいは大目にみてくれや。」
>>28 レイ
私と言うのを聞いておなごかと認識し、ついでに名乗るのも聞く。
背の丈の違いはひしひしと感じながらも、屈まずにいたがこう言われては仕方あるまい。
よっこいしょと屈んで、目線を合わせる。
「俺はソウビだ。
…年端もいかぬおなごが、こんな所まで遠出か?親はどうした。」
綺麗に着飾った彼女を上から下まで眺める。多分、幼子だろうと判断しての言葉だ。
朝の散歩を軽く終え、昨晩泊まった場所に戻れば朝食を頂きました。
ずず…っとお味噌汁を啜れば、ほうっとため息をひとつ。身体もお腹も温まって、なんだか幸せな気持ちです。
カチャカチャと食器を片付けて、身なりを整えお祭参加の準備をします。もちろん、巾着袋も忘れずに。
「よしっ、行こっかな」
カランコロンカランコロン
下駄を鳴らしながらお祭りへと向かいます。
さて、今日はどんな楽しいことや出会いがあるかしら?
白足袋で神楽殿に参る。
神のおわす方へ深く一礼、見ている物がいればそちらへも礼をするだろう。
どこからか鳴り出す横笛と太鼓の音に合わせ、微笑みを絶やさぬまま静かに唄いだした。
緑の葉っぱに陽が落ちて
紅刺すころオヤシロに
稲荷の神様コンコンと
鳥居の真ん中通りゃんせ
人が困ってこうべを垂れりゃ
十四(じゅうし)の宮司がぞーろぞろ
いたずら神様閉じ込めりゃ
この先百年安泰だ
うきうき廊下を歩いていたら、男の人に声をかけられます。物腰柔らかなその呼び声に、ヤヨイは満面の笑みでお返事します。
>>29 烏丸
「えへへ、そんなかわいいだなんて。ありがとう、おにいさん。からすまる、かっこいいお名前だね!ぼくはヤヨイっていうの。三月生まれだからヤヨイだよ。仲良くしてくれたらうれしいな!
そりゃあ元気だよ、ぼくはいつも元気だけど、今日はもっと特別。だっておまつりだもん!
ぼくといっしょに回ってくれるの?やったあ!誰かとお話しながらおまつり見られるなんて楽しいに決まってるよ!」
はしゃいでますねヤヨイ。これもおまつりのもつ魔力みたいなものでしょうか。
「行こう、からすまるさん!おまつりが逃げちゃうよ!」
『お祭りは逃げないよ』の常套句を先に潰していくあたり、流石ヤヨイとしか言いようがないですね。
やれ、俺も宵までぁ暇ときた。
祭りの賑やかしにゃー、飯食って腹持たせにゃならんめえよ!
どれ、ひとっ走りどこぞの屋台まで行ってくらあ!
やあやあ! うまそうなもんはねえかい? たらふく食いてえんだ、江戸っ子は味なんざ気にゃしねえさ!
量! たんまりと食ってくぜえ!
.。oOミゲツやレイと話しながら、遠くから聞こえてくる唄に耳と視線を向ける。
>>33 >>34 >>38
美しく、どこか懐かしい唄と優美な舞に心を奪われた。
今は面を付けているが、その下はきっと美しいのだろう。その佇まいが故と、神の嫁になる人物なのだから。
白い姿が殿の奥へと消えるまで、そちらの方に両まなこは釘付けになっていた。
家から締め出されるかもとまで考えたのに。
昨晩のおじーちゃんの反応はまさかのものだった。
「ていうか、寝床があるならさいっしょから教えてくれれば…!」
家にソロソロ忍び込んだあたしを見て、『帰ってきたのか?』とはなによ!
あたし一人で赤っ恥じゃない!
傍目からわかるほど不機嫌を巻き散らしながら、どこからともなく聞こえて来る耳慣れた曲へと足を運ぶ。
唄が、きこえる
神楽殿には凛とした佇まいをした狐の面を被った女性の姿がありました
ー狐の嫁入りの声でした
狐の嫁入りとは毎年お狐さまをもてなすものとして狐の嫁入りと称して選ばれた女性が神楽をしたりお供えをしたりするのです
唄を終えると、彼女はスっと神楽殿をあとにしました
>>36 セツ
「はい、おはようございます。
これくらいしかやることがないですからねえ。
旅先で店をやると、色んな人と会話ができるし、色んなものと出会えて楽しいんですよ。
もし何か珍しいものをお持ちだったりしたら、見せてくれたら嬉しいです」
「もちろん!なんでもご覧になってくださいねえ。
女性には、装飾品や反物なんかの、見目が美しいものがやっぱり人気ですが……
これなんかどうかなあ」
と言って取り出したのは、夜空を切り取ったような布地でした。
「着物にするには少々薄いような代物ですが、この黒とも濃紺ともつかぬ光沢のある生地に、ガラスでできた南京玉をたくさん縫い付けてあるんです。
星座の柄なんですよ。
使ってある糸も艶があってなんとも……」
〔もう何度も聞いたことのある、唄が聞こえる。〕
……あれ、もう朝?
〔むくり、ヤガミは寝所で目を覚ました。昨日、いつ寝所へ向かったのかあまり覚えていない。
空樹の酒の匂いだけで酔ってしまったんだろうか、と自分に呆れる。〕
そういえば、なんか昨日話しかけられてた気がする。
〔ヤガミは目を擦りながら起き上がり、空樹の姿を探し始めた。〕
唄が聞こえる。
どこか懐かしいような唄が。
その唄の方へゆったりと歩いていくと(>>37セイヤ)誰かとぶつかった。両手に沢山何かを持っているようだ。
赤く艶のあるリンゴが棒に刺さっているもの
茶色の麺のようなもの
ふわふわと白い雲のようなもの
どれも見たことのないもので、思わず声に出してしまった。
「手に持っているものは何かしら?」
>>47 ヤガミ
>>51 空樹
「あんたらふたりっとも面をつけてやがるなあ?どこで手に入れたんだ?アタシもせっかくの祭事、面の一つと言わず二つ三つ、つけて練り歩きたいってもんさ。
金物屋のキキョウが面をつけて歩いてやがると、噂にでもしてくれりゃあ、自慢の金物ももひとつ売れてくれると思うんだがなあ、どうだ?」
>>43 夜長
「へぇ…色んな所で店出してはるんやねぇ。
でも生憎とアタシはそんな珍しいモンは持ってへんのよ、ごめんなさいね。」
手持ちにあるのは金平糖の入った瓶くらい。色んな地方を旅して回っているであろう彼には、きっと珍しくもないだろうと出さずにおきました。
「わぁ、ほんまに綺麗な反物やねぇ!こんなんアタシ、初めて見たわぁ」
差し出された布地を見て、思わず感嘆の声を上げてしまいます。
夜空のような濃い色に、朝の日にキラキラ輝く南京玉がよく映えて。星座を模しているらしいそれは、本当に綺麗で美しい代物でした。
「確かにちょっと生地は薄いけど、着物やのおて羽織にするのもアリかもしれんね。
ほら、これからちょっとずつ寒くなるから、ぴったりやと思わへん?」
そう楽しそうに提案をすれば、巾着袋からがま口財布を取り出して。
「ふふ、その反物、おいくらです?」
笑顔で、得意げにオススメしてくれた店主に尋ねました。
>>55 ヤガミ
「贈り物かい。そりゃあ大事にしてるんだろうな。
毎年つけてくるくらいだから、ただの面でもあんたにとっては特別製ってわけだ。
くぅーいいねえ!アタシが100年かかっても、それと同じ価値のモノは売れねえってこった。うらやましいったらありゃしねえなあ、おい
アタシのこれはただの灯さ。なんの思い入れもねえ、ただの灯。
まあ、あんたに褒められたって意味で言えば、たった今特別製になったってわけだなあ。
いつ駄目になるかわからねえが、そのときまでは一つ、だーいじに扱ってやるとするかねえ」
>>57 千代
「おう、千代じゃねえか。あんたも来てたんだなあ。
早速手にはいいもんもっていやがる。楽しんでるみてえで、なによりなにより、ってなもんさ。
あんたんとこのじいさんに、こないだ売れ残った鍋をやったんだが、上手く使えてるか?
売れ残りとはいえ、モノはいいはずだぜ。煮込んだ野菜やら肉やら、旨味がぎゅっと詰まってくれる。たかが鍋、されど鍋、料理の良し悪しは何より火力ってなあ」
「………き、来ちゃった…。」
昨夜、露天商を少し離れたところから見ていると、>>193店仕舞いを始めた男があたしに気づき、これはどうかと草履の鼻緒を見繕ってくれた。
いつもの彼女であれば、これ良しやと着物をはだけさせ品だけもらっていくものを、祭りの雰囲気に染まったか、あれやこれやとお買い上げ。
夜はまた、街の外れの自分の家へと帰っていった。
いつもならまた、気怠い毎日を送ろうものだがどうしてか。
今日も今日とて、アヤメは祭り賑わう神社へと足を運んでいた。
祭りの賑わいの中に知った顔を見つける。
昨日の非礼を詫び酔うと思った顔だ。
人混みをすり抜け、彼女へと近付いた。
>>60 アヤメ
「………おい、そこの花飾りの女。今いいか?」
ただし、日頃の言葉遣いと態度は簡単に直せる訳もなく。威圧的に立ったまま、名も分からぬ彼女に話しかけるのだった。
よっせえい!
腹ごなしもばっちり! あとは大目玉の狐の嫁入りさんってなぁ!
祭囃子も太鼓もこの俺セイヤ様にお任せあれってもんよ!
さあさあさあどいつだどいつだい?
このセイヤ様に賑やかされてえっておめでてえのはどいつのこったい?
さあさあさあさあ!
>>#0狐の嫁入り
美的神的狐も煩う耽美な踊り。
神事を行う花嫁が。唄うは何処へのお唄であるか。望郷くすぐるよな歌よ。記憶を擽るよな唄よ。
さて。タケミカズチ様脳内来られては、なんにもせずに帰っていった。
>>41>>42千代
そんなお唄を聞きながら。さ迷いぶらぶらしもうしおったら見つけた見つけた狼様の花嫁様。お手をお引きに参ります。
りんご飴を両手に持って、歩く姿はまっこと少女。あまぁいお菓子はどれほど甘い?
"狐の恋煩い"を強かに。煽っておった空樹である。酒気は出さぬし匂いもせんが、その胸内は恋した様。頭に昇ったお熱様。陽気にお口を滑らかに。
「ーーーみぃつけた」
昨日と同じく後ろから。ついぞとお袖をお引きになった
祭りの雰囲気にそわそわしつつ。
随分と歩きやすくなった洒落た草履に軽やか境内を歩いていれば、人混みから見覚えのある男が声を掛けてきた。>>61
「あっ……」
昨日のことを思い出し、思わず少し身構える。
アヤメの客には粗暴な男も少なくない。どうしたものかと思案するも、ここで拒否してひとりの時に、何かあればそちらのほうがよっぽどだ。
「ええ、ええ。何かあたしに御用かしら?お兄さん。」
あくまでこの人混みの中。
何かあればそちらの方が都合が良かろうと、その場で相手の出方を伺った。
>>69
そう言い胸から取り出したるは、"狐の恋煩い"ではなく、古ぼけたキセルであった。
もくもくもくもく火をつけて、煙を立てて、吸い込み申す。おなごに掛からぬ様にお気をつけ。
お声を唄うよ紡ぎまし。言の葉と共に霞をふわり
「さぁさぁ種も仕掛けもございます。
お狐様には及びませぬが、ほんの一時騙されなされ
おいでませませ"非日常"。ここに現るお夢の如く。帰りはきちんと頭を覚ませ。覚まさなかったら連れていこう。そのままお夢に連れていこう。
行きはよいよい帰りは恐い。一度"ここ"へ足を踏み入れましたならば、楽しまなければ帰れませぬぞ」
もくもくもくもく煙よ昇り。現れましたは霞のお狐様だ。ぴょんぴょんぴょんぴょんお空を跳ねて、空に溶けるといずこか去った。
お次に空樹のキセルから。飛び出しましたは野兎殿だ。千代の足元すり抜けて。これまたぴょんぴょん大地に消えた。
次々露る煙の獣。あるもの誰かの頭の上をあるもの誰かのお胸の中に。霞ヶ体を霧散させ。或いは霞どおしでご結婚。混ざる様に消えては現る
「おっまつりー、おっまつりー♪
わたあめやきそばりんごあめー、わなげにきんぎょにみどりがめー♪♪」
ヤヨイは、烏丸と繋いだ手をぶんぶん振りながらご機嫌で歌っています。
「みてみて!からすまるさん!おみせ!いっぱい!」
手を繋いで照れてたことなんてもう忘却の彼方なんですね。おまつりのことで頭がいっぱいのようです。
「ほらほら、金魚すくいだよ!からすまるさん得意?」
身長差もあるのでどうやっても見上げる形になってしまいます。
ソロソロ儀式カナ
お供えにふわふわワタアメ置いときましょ
くるく…るしちゃダメだた
舞ポク袖ひらひらして帰ろ♪
ひらひらワタアメふわふわ〜♪
ちらりと視界にうつるは昨日のあの男。
空樹と言う名のあの男。
もしかしたら、祭りに来ればまた逢えるかと。
思った想いは儚くも。
彼から少女の裾を引く、そんな場面を見たかもしれない。
あの少女は確か…
街人であるならば、聞いたことはあるだろう。
(あれは、花の…)
ああ、そう、そうねとひとり納得する。
あたしみたいな醜く汚れた女よりよほど。
学校にも通い、恵まれた家で育ってきたのだろう。
(そんなのに、勝てるはずなんかないわね。)
(そもそもあたし、ひとりの男に執着するような性分でもないでしょう。)
芽生え始めたそれはいとも簡単に摘み取られ、されども。
恋の始めが有れば、終わりがあるのも当然で。
それも浮かれた祭りならではの醍醐味ではなかろうか。
あの子の唄声がまだ自分の中に残っている
急いで神楽殿の方にいったがその姿はもうなかった
(だめなんだ。100年に1度の稲荷祭りは危険なお祭りなのだから)
100年に1度お狐さまが降りるといわれてる年はろくでもないことが起こったのだと、きいたことがある
勿論それは誰かに聞いた訳でもなく、書物も仮説でしかないと書いてあったのだがとにかく良くないことばかりが書かれていたのだ
そんな稲荷祭りの狐の嫁入りがまさか"自分の想い人"が選ばれるなんて思っていなかった
しばらく会わない間にどうしてこんなことになっているのだろう。
ああもう。
(早く狐が降りる前に止めなきゃならないのに)
お狐サマ、わたあめ半分お供えスルマスネ
ぺこぺこ
ぱんぱん!
もう半分はおよめさまに、あとでおワタシしますネ
ワタシ食べるのガマンしたカラ、おりこうの世話係デショウ?ふふん!
サテサテ、およめさまのトコ、儀式のジュンビ行きますネ
ぺこ
>>74>>75アヤメ嬢
もくもくもくもく非日常。吹かして楽しんでおったなら。浮かれぬ顔にて此方をご覧の見知ったおなごが顔の一つ。
いかんいかんぞこれはいかん。秘技たる空樹の種も仕掛けもある妖術を披露したからには、そんなお顔の者をほったらかしには出来んとも。
思って煙をお口に含み。アヤメの方へとふわりと吹くと。
白い霞のお狐様が、アヤメの方へと向かってく。走って走っておなごの周りをコンコンと。
お顔を見上げて前足上げて、お辞儀をちょこんとし申した。
もしもお顔があったなら。空樹のお顔は隠れて見えぬが、口元にて優しく笑み浮かべ。楽しんで貰えたかとお口を動かした
>>50 空樹
「空樹とね、君もまた好きな名前だ。
一から空言を重ねると十数える時には、実に空虚な物語が足を生やして走り去ってしまう。
現の話に一松の風味付けとして塗すフィクションに魅入られてしまってね。
こんな堅物のお話はお口には合わないかな?」
作品に持つ産まれも行先も不明な矜恃に遊ばれて、すこし機嫌が傾くが、添えられた土産には口元が綻ぶ。
普段は仕事が進まぬと絶っている酒も旅を飾るものなれば素直に煽るだけ。
喉元に秋の風味と特有の熱を感じながら、これが礼儀なればと一気に飲み乾す。
「湯治の共には出来すぎたものを頂いてしまったようだ、このとっくりの礼はその面と一緒に刻んでおこう。いつかこの七草の力が必要になればいつでも応えよう。
よろしくな、面白き放浪者よ。」
何となく背中に効いた気がした、などという世迷言は余韻とともに飲み込んだ。
さあさ見ときなよっときな!
もっとも寄らんでも聞こえはしようがな!
お祭りあるとこ男あり!
男衆の中にセイヤあり!
一身にて組み立つちんどん行列!
これより行軍、百鬼夜行! ってなあ!
\ドドン/
あまりの美酒だったので考慮もなしに飲み干したことを物寂しく感じる。
"狐の恋煩い" か。
やはりこの土地と狐の伝説は一笑には伏せられない現実味が付きまとう。
淡い火照りを覚えながら辺りを見回す。
さて、どこからどう回ったものか。
>>68 アヤメ
「……この状況では難しいだろうが、怖がらなくていい。
俺は、ソウビという。」
俺の全ての要素が彼女を怖がらせているのだろうと、表情は仏頂面のままとはいえ努めて柔らかい声音で話し掛けた。
天邪鬼とはいえど、ここばかりは嘯くつもりはないのだから。
「……昨日は悪かった。…逡巡してたようだったが、悩みは解決したか?」
あの後、背が高いソウビは辺りを見回せるからか、何気なくアヤメを目で追っていた。
確か、黒い狐面の男と手を繋いで歩いていたが、訳も分からず本人に聞いてみるのだった。
───時間は少し戻って狐の嫁入りの唄あたり。
>>44 ミゲツ
「そうか?ならいいが…何かあれば言ってくれ。」
氷のように冷たい彼の態度はきっと心ここに在らず、別のものを見ているのだろうと察しがついた。
何故なら、狐の嫁入りの唄に過剰に反応していたようだから。
だが、細かく聞くのは野暮だろうと、身を引くのだった。
身を引く前に、縁があった少女に声を掛けるのを忘れない。
>>86 レイ
「…………そうか。この御時世ではよくある話だが。……せっかくの祭りだ、レイさえよければ親に代わって>>俺が構おう<<。
祭りの浮ついた気持ちが落ち着いたなら、俺の所に来るといい。」
本当に、よくある話だ。俺だって…………。
弁えて自分の身の上話はせず、サラリと道を示せばその場から離れる。
人が少ないところで、ゆっくり考えたい事も多かろう。
ほらヤヨイ、烏丸さん金魚すくい得意なんですってよ。
>>89 烏丸
「ほんと!?すごいねからすまるさん!
やー、ぼくは全然ダメダメなんだぁ…ちっちゃい時におとうさんが『いいかいヤヨイ。金魚すくいの“すくい”はお店のおっちゃんに捕まった金魚たちを救ってあげることが目的なんだ。だから優しい気持ちでそーっと掬いあげることが大切なんだよ』って教えてくれたんだけど、ぼくまだ一匹も助けてあげられたことがないんだ…」
ヤヨイは少し寂しそうに目を伏せました。
「だからね、からすまるさん!金魚をたくさん助けてあげて欲しいの!」
ヤヨイは屈託のない真剣な眼差しを烏丸に向けました。
おとうさんはあとで折檻しておきます。
>>88「…昨日は悪かった」
目の前の男から出てきた言葉に、アヤメの目は瞬き、まじまじとその者を見た。
表情の上っ面は変わらぬものの、身に纏う雰囲気に昨日のような硬さはない。
代わりに声音は申し訳なさそうに。
ぶっきらぼうにも相手を慮るものが感じられた。
(昨日からずっと、声を掛けようとしてくれたのかしら…。)
意外な男の反応に、アヤメはそっと手を添え笑った。
「あたしの名前はアヤメ。人の往来のある中にぼーっとしていたあたしにも非はあるわ。こちらこそごめんなさいね、ソウビ、さん。」
続く“悩み”という問いに、昨日と先ほどの空樹を思い出して苦笑いする。
「そうね、お兄さん…ソウビさんがあたしと付き合ってくれるなら、解決するかもしれない…かもね?」
悪戯に笑うも、その口の端はわずかにぎごちなく。我ながら下手くそな笑い顔だと思うも、こういう付き合い方しか彼女は知らない。
>>91 夜長
「ふふ、お兄さん商売上手やねぇ。ウチの店の売り手に欲しいくらいやわ。」
そう楽しそうにくすくす笑うと、パカりとがま口財布を開いて。
「ならその値段で買わせてもらいます。
オマケも、ありがとうね。大切に使わせてもらいますわ。」
算盤で弾き出された値段分のお金を手渡します。
屋台の他に骨董品があるかもしれないと、多めに持ってきていて良かったと思いました。良い買い物ができてセツは大変満足です。
「あぁ、そうや。せっかくおまけしてもろたんやから、お礼に。」
そう言えば、巾着袋から小ぶりの瓶を取り出しました。
「こんなんで割に合うかわからんけど、ころんとひとつ、どないです?」
色とりどりの星の入った瓶の蓋をぽんっと開ければ、そっと彼の前に差し出して。
受け取って下さるのであれば、主人の手のひらに緑の星がころんとひとつ、落ちることでしょう。
>>93 >>94 アヤメ
「さんはいらない。……何だか、むず痒いからな。」
周りに目上が多いからか、さん付けされたのはこれで二度目だ。定義として他人とばかり触れてきたけど、血の繋がり以上に良くしてもらえていると思う。
……尤も、ソウビの血縁は世に言う碌でもなしばかりなのもあるが。
「……アヤメの望みがそうなのなら、俺は悪戯の共犯者になってやらん事もない。
…本当にそれで、曇り空が晴れるのなら。」
彼女は、見目以上に背伸びしている気がする。
まるで、>>今の<<実家でもある、夜の宿屋の姐さん達のようだ。
彼女らも、普段の振る舞いより背伸びをして、口に朱を引いて笑ってみせる。
そんな違和感を覚えて、少しだけ語気を強めに問いただした。
本当に、それがやりたいのか?と。
もしそうでなければ……彼女の手を引くのは、男の俺の役目だろう。
>>62 ヤガミ
「贈ったやつが贈り物のことを忘れるなんざ、笑止千万。忘れてるわけねえだろうよ。
とるに足らないモノだったとしてもなあ、人ってのは、人にあげたもんは覚えてるもんなんだよ。
そのいかした面をあんたにくれたやつってえのは、どんなやつなんだあ?」
>>76 空樹
「お狐さまは気まぐれってえのが通説だからなあ。
しかし、掻っ払いはいけねえ。商売人の端くれでもよ、ごはんを残すやつと代金を払わねえやつだけは許しちゃあなんねえんだ。
あんた、お狐さまに会うことがあったら言っといてくれ。
お代金をちょろまかすことがあったら、このキキョウが許さねえぞってなあ」
さん付けを断るソウビに、またもアヤメはくすくす笑う。
やはりこの男、きちんと話をしてみれば、とても“いいひと”なのだろう。
>>97「なら、そう、ソウビね。」
笑いながら名前を呼ぶも続く彼の言葉に、思わず彼女の顔がひしりと強張る。
「本当に、ってどういう…。」
ソウビの目はまるで、彼女の心を見透かすかのようで。
貼り付けた、嘘の笑顔に嘘の誘い。
(だって、あたしはそういう生き物なんだもの。“オンナ”としてのあたしを売らなきゃ、生きていくことなんて出来ないんだから。)
(男なんて簡単だ。紅のる口頬きゅっと上げ、はだけた胸元。首をちょこんと傾げ、とろんと目を絡ませれば、ああほら、いらっしゃいませ。)
(そういう、ものなのに。なんで昨日から…今日だって、どうして。)
「だって……それ以外に、どうしたらいいっていうのよ…。」
(>>56セイヤ)
独特な喋り方をする人間を前に、彼女は目を輝かせた
「食い物·····あらそれは食べれるのね!」
食事は人間のするもの。
彼女はそれをしたことがなかった。
「りんご飴、わたあめ·····」
「素敵な、名前ね。ありがとう」
噛み締めるように呟き、それらを受け取った。
彼女はわたあめを少し摘み口に含んだ。
じゅわっと甘さが広がり彼女は顔を綻ばせた。
とはいえそれは微々たる表情の動きで、誰にも気づかれないような変化だった。
夜も深けてきた。
人も段々と増えてきて、露店には多くの人が並ぶ。
金魚すくいに輪投げ、綿菓子にりんご飴。
多くの人が笑って騒いで楽しそうにしている。
友人と楽しそうに露店を回ったり、
子供の無作法に叱る母親と宥める父親。
当の子供は知らん振りだったり。
熱気を帯びていて、参加したら火傷しそう。
そんな祭りの喧騒を鳥居から眺めている。
苦笑いをしつつも、見た事のない景色に
目の輝きは増すばかりだ。
「ずっとこれが続けば良いのに」
ぽつりと呟いた。
楽しい事が続かないのを、知っているから
期待していてもどうせ───
りんご飴も1口齧ろうとして、隣に人がいることに気づく。(>>63リェン)
「お嫁様?」
呟いた言葉は彼に届いたのかは分からない。
お祭り、お嫁様、ミコトバ
彼女は言葉だけでは想像もつかなかった。
そしてもっと知りたいと思った。
(そもそも私はどんな存在なのだろう)
(どうして動けるのだろう)
彼女の探究心は留まるところを知らず、そんなことを考えるうちにまたゆったりと歩き出した。
ふと、緑色の短い髪の女の子が目に止まった。(>>57千代)
止まったと言うよりは視線を感じたのでそちらに目を向けた、と言う方が正しいのだが。
(あの子は·····私の········)
(多分分からないだろうけど。)
にこりと微笑んでその場を後にする。
微笑むと言えど、表情はほぼ変わらず、誰に気づかれる訳でも無かった。
(ーー私はあの子に)
本当は。
せっかくのお祭りだ。
それに今年は一味違う。
100年に1度の、特別なお祭り。
彼女は夢見ていた。
狐の嫁入りのように綺麗になりたい。
あんな綺麗な姿で、愛する男の隣で祭りを楽しんでみたい。
少女たちの楽しげな笑い声。
あたしもあの中に混ざってみたい。
一緒にお面を被り、りんご飴をくるくるまわしてお喋りしたい。
「本当は、誰だっていいの。あたしも誰かと、祭りを。一緒に祭りを楽しみたい…。」
>>102 >>103 アヤメ
どうしたらいいか分からない。
その様に言葉を受け取ったソウビは、悩む。
心のままに生きるというのは、とても難しいのだ。だが、このままでは良くないのは誰にだって分かる。
それならば…………。
「……そうだな、俺を有象無象と重ねるな。人に対して有象無象の扱いをすれば、それしか返ってこないに決まってるだろ。」
何を分かりきった事をと言わんばかりに、ため息を吐く。
「あんたがどうしていいか分からないなら、俺の要望を述べてやる。
俺はアヤメと……仲良くなりたいんだ。そんな態度をされたら踏み込める訳ないだろ、普通は。
……まずはその作り笑いをやめろ。人から見て意外と分かるからな。ああ、興味ないんだなって。…俺に興味無いだろ?って言われた事はないか?」
思った事が矢継ぎ早に出る。
もしかしたら、彼女が怒るかもしれないな……脳の片隅では思いながらも、流れ出る言葉は止められない。
(林檎って、もっと柔らかいのかと思っていたわ·····)
(このコーティングされた艶やかなものが硬いのかしら)
彼女は飴の部分を舐めた。
それもわたあめと同様甘くて美味しかった。
(人間はこんなに美味しくて綺麗なものを食べていたのね)
ふと周りからいい匂いがして匂いの方へと歩いていった。足の部分がきしっと音を立てた。
>>109 アヤメ
「……その誰だっての中に、誰がいるか知らないが。俺に出来る事は手伝ってやる。……だから、その顔をやめろ。」
アヤメの心の内を覗いた気がして、思わず目を逸らす。
なんだ、そんな顔も出来るのかという皮肉すらどこかに飛ぶ程に。
「…………。」
本当は俺と回るか?と紳士的に誘えれば良かったのだが、天邪鬼の自分は彼女を意識しすぎてその言葉が出ない。
だが、勇気を振り絞って彼女の前に手を差し伸べてみせた。
>>101 ヤガミ
「そういうもんよ。アタシは贈り物じゃあねえが、数えきれない売り物をさばいてきたんだがよ。それでも、人を見れば何を売ったか、すぐ思い出せる。
相手のことを考えて渡したもんはよ、そんな簡単に頭の中から消えちまうことはねえ。
あんたにも覚えがあるだろ?
初恋ってか!?そりゃああんたが大事に面をとっておくわけだなあ。
アタシには恋とやらのことはわからねえけど、そういうもんなんだろ?
いいじゃねえか、うらやましいぜ。そんで、そいつは今どこにいるんだ?この村にいるんだろ?」
これはいつかの時分の噺。ぷかぷかぷかと、キセルを吹かした時分の話。
お辛い顔したおなご殿。お顔は晴れやかなったかな。
今度お会いをしたのなら。是非ともその顔華咲かせ。
楽しい祭りをより楽しくとさせてさせあげましょうぞよ。
もしもその隣にどなたかが。おったであらば、そりゃ重畳。祭りはかくとも賑やかが良い。多けりゃ多いほど、空樹ははりきり言の葉紡ぐ
ーー
彼女の見た目はこの祭りでは異色だった。
彼女の体は人間と違い使いすぎると壊れてしまう。
壊れたとして、きっと痛みは感じないだろう。
彼女は見る人によって表情が違う
人によっては微笑んでるように見える
人によっては無表情に見える
人によっては怒っているように見える
彼女がどんな表情をしているように見えるか
それは人それぞれである
ーーー
どうして打ち明けたのか。
彼の、ソウビの真の言葉に、自身も真の言葉を返したかった。ただきっとそれだけだろう。
「誰でもいいというのは、べつに、言葉のあやで、誰でもいいけれど誰でも良いわけでもないのよ。」
自分でも訳の分からない言い訳を並べながらも、差し出された彼の手に、すっかりあたりは日も暮れているにも関わらず、何故だが光が一筋見えた気がする。
「ありがとう、ソウビ。」
差し出された手を取ろうとしたその時、間に入るは綺麗な茶髪。
「えっ、……えっ?」
思わず漏れた声のなんと素っ頓狂なことか。
──露天商主人との会話から少しあとのこと。
買った反物を持って、ほくほくしながらお祭りを楽しんでおりました。
りんご飴に、綿菓子、金魚すくい。見るもの全てが眩しくて、楽しそうで。
けれど、朝からこの波にもまれているとやはり疲れも出るもので。少し休憩と人波から外れた場所に移動することにしました。
石段によいしょと腰をかけ、近所のおじいさんが売っていたりんご飴をひと口齧り。
りんごの酸味と固まった蜜の甘さが口に拡がり、思わず笑みが零れます。
「…………あら?」
少し遠くの方、目立つ朱色が目に着きました(>>112)。
それは、昨日、お話したあの子。──と、その横に、女の子が二人(>>113 >>109)。
「……あらあら?あらあら、まぁまぁ。」
仲良さげにお手手を繋いでいる様を見てしまいました。
「────、」
カリッと、ひと口りんご飴を齧って。
出かけた言葉をりんごと一緒に飲み込んで。
「ふふふ、楽しそうで、いいなぁ……」
ぽつりと零せば、目を細めます。
少し休憩すれば、またあの人波に飲まれようと、そう思いながら。
>>95 セツ
「いやあ、お上手ですねえ。
そう言っていただけると、まけた甲斐もあるってなものです。
ご満足いただけたみたいで何より……え、そんな御礼だなんて。良いんですかねえ、はは」
うんうんと満足げに頷くのも束の間、眉を上げて言葉ばかりの遠慮で済ませます。
すると、男の生っ白くひょろりと細長い指の上を滑るように、緑の星が転がってきました。
「なんと!糖花ではないですか。久しぶりにお目にかかりましたねえ。
いや、これは有り難い。すぐ頂いてしまうわけにはいきません。
いつか、ここぞというときに取っておきましょう」
懐から取り出した油紙に包み、丁寧に仕舞います。
「これだからこの店はやめられません。
ありがとうございます、またご贔屓に」
>>114キキョウ
ふふ、確かに。すごいな。
〔ヤガミはキキョウの言葉に笑みが零れた。言葉は多少ぶっきらぼうだが、優しさの溢れる内容にほっこりとする。〕
すごい説得力のある言葉ですね。
それに、人を見たら売ったものが思い出せるって、それは貴女が真剣にお仕事をしている証拠ですね。尊敬します。
〔穏やかな眼差しから一変、幼馴染の話になると、少し顔に影が宿る。〕
んー、どこにいるんでしょうね?
一昨年までは一緒にお祭りに来てたんですけど……去年、彼女に恋人ができてからは疎遠になってしまって。
たまに散歩してたら見かけるので引っ越しはしてないみたいですけど、彼女の相手がこの村の出身じゃないからか、この祭りには来なくなったみたいです。
>>117 アヤメ
長々と話しすぎたか……俺らしくもないと心の中で反省しながらも、アヤメには言葉が届いたのだろう。
提灯の灯でぼんやりと、晴れやかな表情が浮かぶ。
「……そうだな。
いや…あんたも、そっちの顔の方がい──。」
いいと言いかけて、繋がれた手に身を震わせる。
>>118 レイ
「……レイか、心臓が飛び出るかと思ったぞ。」
そう言いながらも、表情は変わらぬ無愛想さ。
声音がキツければ怒ってるとも取れる顔だ。
「俺は構わないが。……その様子だと、落ち着いたようだな。」
繋いでない手でレイの頭をくしゃりと撫でてみる。
これから道は険しかろうが……幼子とおなごは手を引いてやる。女将からの教えだ。
レイが困った時は助けてやろう。こんなにも無邪気な笑みが崩されるのはあまりにも残酷すぎる。
なんか、面白い光景だなぁ。
〔キキョウとの話の合間に、ソウビ、アヤメ、レイのやり取りを視界の端に入れ、ヤガミはくすくすと笑った。〕
>>59 キキョウ
「あ、キキョウねぇ。お祭りの間だけよ。
しょーがないでしょ。おじーちゃんが絶対来い、いなきゃダメだって、もー!五月蝿かったの。
折角だから楽しまなくっちゃ損だしね。」
また見知った顔。
といっても知らない顔のほうが珍しい村だから、1人にならない限り知った顔ばかりなのは一つの当然。
カラカラと気安い彼女なら、愚痴混じりも流してくれるでしょ。
「えー?鍋?
昨日こっちに帰ったばかりだからなぁ。夕飯もお祭りで済ませちゃったから何も聞いてないわ。
でも、ウチのじーちゃん、使えなかったらさっさとポイよ。
ゴミ集積所に捨てられてなかったなら、なんとかやってるんじゃないかな。」
そうだ。キキョウねぇなら丁度いい。
「そうそう。聞きたいことがあるの。
さっきそこで–––––」
あれ?どこに行った?
金髪のロングヘアーなんて目立つ髪型、簡単に見逃すはずないのに、少し目を離した隙に何処かへといなくなった。
「金髪のロングヘアの女の子がいたんだけど……
どっか行っちゃったなぁ。
キキョウねぇ、知ってる?最近越してきた子?」
ぷかぷかもくもく吹かしていると、面白そうな珍集団>>117>>118>>124
見知った顔二つ。見知らぬ顔一つ。
ぷかぷかもくもく煙を吹かす。霞の獣を吹かしながらも話し掛け。
「おやアヤメ嬢。こんばんわ。今宵は素敵な草履だね
それとおや。君(ソウビ)は鳥居で見たような。
見知らぬお嬢もこんばんわ。出会いの印にここ一つ。種も仕掛けもありまする、霞の妖術ご覧になるか?」
ぷかぷかもくもく霞が跳ねて、狐が幼子の周りをぴょんぴょん飛んでは霧散する
「知っているかな知らんかな?ワタシは空樹と申すもの。今宵は酒気で気分が良い。良ければ戯れ言付き合うかい?」
「本当は酒でも一緒にやりたいとこだが、いかんせ祭りは幼子多い。
あぁ、アカネ嬢は一杯やれる年だったりするのかな。そこなおのこはどうだろう
いける口なら、この"狐の恋煩い"を、共に煽りて楽しみたい所だったのだが」
ナナクサ渡した恋煩い。まだまだ懐ございます。沢山お飲みになれまする
「むむ?おかしいですねえ、そんなはずは。
品物を並べたまま目を離したりしていませんし、ましてやこのお狐様のお膝元で魔がさすような人などいないでしょうから、数え直しましょう。
……ひい、ふう、みい、よお……ううむ。やはり。
どうしてでしょう、何が無いんだ?」
口元に指を添え、ゴザの上を順繰りに目線で辿ります。
やがて、ポンと手を叩きました。
レイが眺める先を見れば、セツがいる。>>119 >>120
りんご飴を齧る彼女の背はたおやかだが…どこか、寂しい。
ふと、彼女がくれた金平糖の味が思い出される。何か見合うものを探す、という約束だったので夕暮れの屋台で密かに買ったものが懐で揺れた気がした。
祭りはまだ続く。明日、声を掛けてみよう。渡すものもある事だ。
……喜んでくれればいいのだが。
「ここに来る少し前に出会ったあの、南蛮のお人形……ゴザの上や荷袋はお気に召さなかったんでしょうか。
不思議で素敵だったんですがねえ」
>>128 >>129 空樹
照れくさいような、それでも穏やかな気持ちで二人の顔を見ていれば黒い面が覗く。
こいつは確か、鳥居でアヤメと手を繋いでいた男だったか。
「こんばんは。…あんたとは、昨日ぶりか。俺はソウビという。
……酒か。たまに嗜む程度の身でよければ頂こう。
言の葉も、言うがいい。祭りの賑やかしの一つくらいにはなるだろ。」
>>118「私はレイって言います」
ソウビとあたしの手を握った少女が、にこりと笑ってお辞儀する。
つられたアヤメもお辞儀をし、
「レイちゃん、そう。あたし、あたしはアヤメ。えっと、一緒に…、」
アヤメの過去の経験で、男を振り回すことはあれど振り回されるなどということはなく。
しかも相手は自分より歳の若い、女の子。
戸惑うのも無理はない。
それでも、表情も声もそれはどことなく嬉しげで。
「あたしはべつに、2人がいいなら…。」
>>124ソウビとレイの顔を順に見ながらそうねとレイの手を握り返した。
>>135レイ
素晴らしい反応頂いて。これは妖術しがいがござる。
素敵なおべべを来ているお子は、飛んで跳ねての大興奮。釣られて空樹も良い気分。
「はっはっはっはっ!
お子に喜ばれたなら冥利に尽きる。
レイと名乗ったなお子よ?妖術使いに名乗ったならば。名を名乗ることの意味を知れ。
こんなものでは済まされぬ。この世ならざる者を見よう
あ、それ。霞ヶ獣の次は、種も仕掛けもある、"狐の送り火"でござい!」
言うが早いか、黒いお面の眼前が。蒼い焔で滑らか光る
そっと何の気なしに指にて触り、全く動じず大空へと投げる。
蒼い焔ははるか上空にてはぜる。
更にはも一つ足元産まれ。も一つ二つと身体を包む。
焔は踊り、触れても熱くは全くない。或いは『現在』に通じた者ならば、何か『ペンライト』なりでも使っているかと思うかも。
しかして、焔はきらびやかに周囲を蒼く彩り行く
それが輝かせるこどもは、どんな顔をしているか
[衣装を替え、錦の袋から神楽笛をするりと取り出した。指の先まで優雅に映るよう、意識してそれを構え、厳かに息を吹き込む。
狐の嫁入りの世話役、それは狐の嫁入りの身の回りの世話の他、儀式の下準備や舞楽の補佐も含まれる。
リェンが息を吹き込むごとに、神楽笛の少し乾いた高い音が、神楽殿に響き渡るだろう]
〜♪
日の落ちて暫くし、提灯が全て点った頃。
先んじて笛の音が境内に響いた。
しずしずと神楽殿に上がり、神のおわす方へ頭を下げる。…観客には目もくれず、深深と。
艶めいた唇が開く。
緑の葉っぱに陽が落ちて
紅刺すころオヤシロに
稲荷の神様コンコンと
鳥居の真ん中通りゃんせ
人が困ってこうべを垂れりゃ
十四(じゅうし)の宮司がぞーろぞろ
いたずら神様閉じ込めりゃ
この先百年安泰だ
>>137アヤメ
少しぎこちなさそうに挨拶をするアヤメ。
もしかして嫌だったのかと思ったが、『2人がいいなら・・・』と聴いて安堵した。
握り返された手が嬉しくて、また笑顔になる。
傍から見たら家族のように見えるのだろうか。
レイが羨んでいたものになっている事に気付かない。
それは一重にこの人達の人柄の良さなのだろう。
「3人で回ったら楽しささんばい?だね」
>>140空樹
「〜〜〜〜!」
次から次へと繰り出される妖術紛いのものに
レイは疑う余地もなく空樹がすごい人であると認識した。
蒼い焔を目で必死に追い、上空で綺麗に弾ける。
レイの双眸は蒼い焔を追うのに必死で
瞬きをするのを忘れてしまうくらいだった。
すごいよ!と手を繋いでいるソウビとアヤメにも
気付いて貰うようにぶんぶんと手を振るのだった。
「さて……と。
おや、今夜も始まりましたねえ」
帳簿を閉じると、ちょうどお社のほうから神楽の音が聞こえてきます。
澄んだ声の主はきっと、鳥居をくぐったときにいたあのひとなのでしょう。
「大変なお役目ですねえ、頭が下がります」
そう独り言ち、肩を竦めました。
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