1929 怪談短歌村6 〜 古書店に綴る歌〜
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いつの間にか、猫又 こま の姿がどこにも見当たらなくなってしまったようだよ。
噂は現実だった。“貧乏神”は、確かにこの中にいるのだ!
非力な妖怪が貧乏神に対抗するため、妖怪たちは一つのルールを定めた。丑の刻参りにより怪しい者を賽の河原送りにしていこうと。罪のない者を釘打ちしてしまう事もあるだろうが、それも屋敷のためだから仕方ないと……。
現在残っているのは、髭猫 ミフネ、茶猫 よね、痩せ猫 まほそ、ぶち猫 野菊、みけ猫 おたふく の 5 匹だよ。
帰り道 突き当たりにあるカーブミラー
助手席の彼 そこにだけいる
( 0 ) 2019/08/29(木) 00:32:11
何気なく 本を開いた 次の間に
私を見てる 私の顔が
( 1 ) 2019/08/29(木) 02:06:28
七不思議 みんなと語ると あら不思議
「僕の知ってる不思議と違う」
( 2 ) 2019/08/29(木) 14:37:06
願はくは 花の下にて 春死なむ
浮かれた衆生 皆道連れに
( 3 ) 2019/08/29(木) 19:01:20
暑い夏 涼を求めて寄り道し
鳥居の下で背を撫でられて
( 4 ) 2019/08/29(木) 21:50:59
最期の夜 出来もせぬのに 変更す
「丑の刻参りを 委任します。」
( 5 ) 2019/08/29(木) 21:54:13
>>5
託すべし 貴船は遠し
電柱に 鳴く蝉の横 打つ藁人形
( 6 ) 2019/08/29(木) 22:17:43
震度6
地下5センチの震源は
でいだらぼっちの貧乏ゆすり
( 7 ) 2019/08/29(木) 22:56:10
君が行く
(きみがいく)
殯の浜の
(もがりのはまの)
黄昏に
(たそがれに)
巡り来たるは
(めぐりきたるは)
死者の誘い
(ししゃのいざない)
( 8 ) 2019/08/29(木) 23:03:57
>>1:16
昼下がり 顔型の染み 口元に
付いたばかりの カレーの染みが
( 9 ) 2019/08/29(木) 23:05:29
おそろしい 胎のわたしを撫でた手で
兄をあやめた 母の心が
( 10 ) 2019/08/29(木) 23:13:50
>>10
ほくそ笑む 父母を落とした 崖の上
今度は俺が殺してやった
( 11 ) 2019/08/29(木) 23:17:15
ひたひた「?」
ひたひたひたっ 「…気のせいか」
ひたひたぴた「!」
バタンむしゃむしゃ
( 12 ) 2019/08/29(木) 23:24:43
( 13 ) 2019/08/29(木) 23:33:17
白妙の 真砂尽きせば あなたこそ
帰りこむとぞ ただ骨を食む
( 14 ) 2019/08/29(木) 23:34:04
服屋の戸 差し込まれたは 子鬼の手
ぼくの手にあう てぶくろください
( 15 ) 2019/08/29(木) 23:40:06
ゴーグルを かぶって電子の肝試し
終われどひとり おばけが消えぬ
( 16 ) 2019/08/29(木) 23:50:01
子守歌 歌う娘の 胸の中
赤子の頭が ころりと落ちた
( 17 ) 2019/08/29(木) 23:56:52
( 18 ) 2019/08/29(木) 23:57:49
>>9
紙魚落とし 古書屋の主の 除霊業
カレーの染みは 天日干しせよ
( 19 ) 2019/08/30(金) 00:02:56
朝まだき 裏の畑で ポチが鳴く
去年親父と 重ねて埋めた
( 20 ) 2019/08/30(金) 12:03:01
夢にてもせめて会いたし 恋い焦がれ
濡らす枕は君の骨壷
( 21 ) 2019/08/30(金) 18:01:56
軒端から ぽたんぽたんと
指が落つ 拾ってかじる 人面ねずみ
( 22 ) 2019/08/30(金) 19:25:32
ひとつきが ふたつきになり まだ続く
緋色の絨毯 急行の旅
( 23 ) 2019/08/30(金) 21:25:20
旅館では お札がないか 探すのと
覗く戸棚に 一面の札
( 24 ) 2019/08/30(金) 22:07:45
>>15
おや坊や もうそんな年になったのね
渡すは人の革の手袋
( 25 ) 2019/08/30(金) 22:08:05
夕時雨 街で出会った 女子大生
電話ボックス 探してるらしい
( 26 ) 2019/08/30(金) 22:08:37
>>3
仏には 桜の花を たてまつれ
屍山血河を 覆い隠さん
( 27 ) 2019/08/30(金) 22:25:32
背の高い 君が好きだと プロポーズ
彼女の頬が ぽぽぽと染まる
( 28 ) 2019/08/30(金) 22:27:16
首落ちて なおも止まない子守歌
ねんねんころりよ おころりよ >>17
( 29 ) 2019/08/30(金) 22:41:03
>>21
見つめても けして映らぬ この姿
濡れた袖もて 君かき抱く
( 30 ) 2019/08/30(金) 23:03:50
「見つめ合うと素直におしゃべりできないの」
言って彼女は 首を伸ばした
( 31 ) 2019/08/30(金) 23:11:13
肝凍る 夜闇の中で 写された
透けるパリピの エンジョイナイト
( 32 ) 2019/08/30(金) 23:26:44
日が暮れて 夕焼け小焼け みな帰ろ
歌うあの子の 影が消えてた
( 33 ) 2019/08/30(金) 23:34:45
孤立した 暗き山荘 手をつなぎ
さあ、始めよう 怪談短歌
( 34 ) 2019/08/30(金) 23:39:31
写真撮るほどに近づく黒い影
最後の一コマ ああもういない
( 35 ) 2019/08/30(金) 23:46:52
>>34
出口など無く閉ざされた我々が
ひとり、ひとりと また増えていく
( 36 ) 2019/08/30(金) 23:51:00
うつしよに たえて不思議のなかりせば
なほあぢきなし 夏の夜かな
( 37 ) 2019/08/30(金) 23:51:00
輪になって 夜毎無惨な 殺し愛
十五人村 標準編成
( 38 ) 2019/08/30(金) 23:53:19
夜が明ける つないだ手と手離れてる
隣に座ったあなたはいずこ? >>34
( 39 ) 2019/08/30(金) 23:53:22
「本日もお疲れ様」と後ろから
声がするのは つかれてるから
( 40 ) 2019/08/30(金) 23:54:49
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