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放送部 アリサ に 3人が投票した。
巫女 コトハ に 2人が投票した。
放送部 アリサ は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、巫女 コトハ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、闇の眷属 シオン、学生漫画家 シズク、テニス部 サヤ の 3 名。
体に鈍痛が走って、そして目が覚める。
「っ………ははっ………あははっ…………!」
目が覚めれば状況を理解せざるを得なかった。
暫く自分の手の平を見つめていたが、突然身を屈めて、さぞ愉快と言わんばかりに蹲って笑う。
笑いすぎて、噎せこんだ辺りで笑いが引き、大きく呼吸を吸い込んだ。
「………っ……けほっ………はは、久しぶりにこんなに笑ったわね……ん?」
目の前から声がしたので立ち上がり、眉を寄せるように顔を顰め、1歩身を乗り出して声を掛けた。
>>+0 ククイ君
「……お久しぶりね、ククイ君。
……何で一番最初の出迎えが貴方なのよ。」
大袈裟にげんなりとした態度をとってみせると、嫌味ったらしくそう言う。
誰が現れてもこう言うつもりだったので、敵意を向けること無く、不敵に笑ってみせた。
>>+2 ククイ君
「あら、言わないと分からないかしら?
自分の惚れた男がお友達だと思っていた女とできていました、だなんて随分な話だと思わない?
まともな精神をもった人間ならやつれるし、さぞ心が痛む事くらい、貴方にだって分かるでしょうに。」
分かるなんて軽率な言葉を吐いたら引っぱたいてやろうと思っていた。だから、これでいい。
相変わらず、人を微妙な境目で苛立たせる男に冷気を孕むような流し目を向けると、感情を読ませまいと、淡々と話す。
「会いたくない?文句は人狼だった人に言って。
尤も、貴方が二人で生きたいなんて陳腐な呪いにかかった上に、役職を言わないで死んだせいで生者は大困惑。
お陰様で私はそのとばっちりに巻き込まれて本っ当にいい迷惑!
何で貴方みたいな人がこの世に生を授かったのか……貴方の母親に子を授けた神を恨みかけたくらいにね。」
まだ、二人に向ける感情の名がはっきりと見えていないのに。
まだ、感情の整理ができてもいなかったのに、死んでしまった。
もう死んでしまいたいなんて、嘘。
本当は、生きていたかった。
その恨みを彼にぶつけたって仕方ない事は頭で分かっていても、溢れた感情を止める事は叶わなかった。
昨夜の決定までのことは、よく覚えていない。
疲れもピークだったのだろう。
話を聞いて、しばらくして気付いたときには話は終わっていた。
あたしは決断を迫られた。
あたしはそっと、アリサを抱いて外へ出た。
身体を鍛えておいてよかった。テニスも、バカにならない。
何とか華奢な身体を抱え、アリサを閉じ込めに向かった。
アリサが狼だと確証があったわけではなかった。
しかし、状況は最もアリサが疑わしいと思った。
それに……閉じ込めておけば、アリサが襲われることはきっとない。閉じ込めているみんなも待ちくたびれているはずだ。
扉を開け、アリサを寝かせて外へ出る。
暗くて何も見えなかったけど、みんなもう寝ていたのだろう。
自分で選んで閉じ込めた手前、会うのも少し気まずかったし、あまり中を見ないようにしてそっと扉を閉めた。
「アリサ、またあとで……
大丈夫、すぐ迎えに来るよ〜。」
>>+3 コトハ
「ふうん?惚れてたことは否定せんのやな。まあ、疑いようもなかったけど。
本当にそれが理由やとは、きみえらい純朴なんやなあ?知らんかったわ」
誰がお前なんか、と言われるつもりでいたので、その実直さに思わず苦く笑う。
「ふん、何甘えたこと言うてんの。
自分が人狼を見つけられへんかったのが悪いんやろうが。人のせいにしなや」
「……巫女のきみが神を恨む、なあ。そらまた親不孝なこと言うて。お家の人が悲しみはるで?」
「神楽はあんなに上手やのに、勿体ない。
まあ、所詮見習いやったか」
どうして生を受けたのか、と詰られたときだけは諸手を挙げて同意したくなったので、代わりに憎まれ口をひとつ付け加えておいた。
コトハの亡骸を見た。そっと、ハンカチで血を拭う。
「……さいごの、さいごまで、のこってしまった。」
「……しおん、だったんだね。」
肝試しを一緒にまわった記憶が、走馬灯のように、思い浮かんだ。
「……すごく、不利。でも。わたしは、みんなをたすける。まけないよ。しおん。」
[カッ!という音が聞こえたのではという程の勢いで目を見開き、飛び起きたアリサは左の掌を手刀に右の拳を引拳に絞り辺りを見回す。]
「さあ!どこからでもかかってくるがい……い?」
[思いの外十全に動く身体に幾らかの戸惑いを見せる。]
「えっと、死んではー…ないのかなこりゃ。」
[立ち尽くしたまま腕を組み顎に手をやり小首を傾げた。]
「ごめん、どうようして……言ってなかったね。」
「今日の護衛は、【さや】。封印は、されてない。
護衛成功をねらうつもりは、なかった。
ただ、わたしがいる間は、さやを死なせないって決めた。
それだけ。」
「我もここまで生きてしまったな。八重樫 琴葉は霊能者だったということか。真相は闇の中ではあるが。
我が守護の力の行使先は【日向 咲耶】である。流石に貴様しか守るところがなかったのだ。…最後まで我が力を持っているかどうか分からぬままだったな。
貴様を信じたかったが…そうか、加賀見雫」
「我はもう迷うことは無い。やらなければならないのは、我が身の潔白の証明と加賀見雫が人狼であることの証明か。
少し、休息を取りつつ話していこうと思う。
我らが同胞の絆を示す為にも、我は死ぬわけにはいかぬのだ」
>>+4 ククイ君
「言ったじゃない、私は貴方達みたく嘘はつかないと。
同い年なのだから耄碌するのはやめて。
いいでしょ別に。その失意の中でも私は私なりに霊能の仕事をしたのだし、誰かに何かを言われる筋合いはないわよ。」
相も変わらず口が減らない男だ。
純朴と含みのある言い方をする彼に睨みをきかせる。
「……お家の人?は、何も知らないくせにほざかないで。
そうね……私が死んだ所で八重樫の家系は途絶えない、とだけ言っておきましょうか。
知らないついでに聞くけど、貴方は名家のお坊ちゃんだったわね。
それこそ、男児が死んでお家の人は悲しいんじゃなくて?
それも、女を追いかけ回していたら死にましただもの。
顔向け出来る死に方とは思えないのだけど?
……………ああ、見てたの。出迎え一番って事はそうなんでしょうけど。
約束、果たしたわよ、あれでご満足かしら?」
足や手にまめが出来るくらい毎日練習していた、だから神楽だけは得意と言えた。とはいえ、若干不安があり、虚勢混じりになりながらも、さも自信があるかのように笑顔を作ってみせた。
>>+12 ミサちゃん
鈴を転がしたような声が聞こえる。
振り向かなくたって分かる、クラスメイトなんだなら。
だから、わざとらしい笑顔で彼女に話し掛ける事が出来た。
「ミサちゃんもお久しぶり。
嘘じゃないわよ、私はここにいる。
……貴方からしたら、さぞ会いたくなかったでしょ。
出し抜いて、その挙句死んだから恨み言を直接言われずに済んだと思っていた"元"友人が……こうして目の前にいるなんて。
私は会いたかったわよ?とっても……ね。
貴方もそう言ってくれていいのに。
ほら、"お友達"同士の涙の再会よ?喜びなさいよ。」
す、と無表情になり、小さな彼女を見下す。
威圧的に意識をしたわけじゃない。
頭で考える前に体がそうしたのだ。
集会所に戻り、全てを確認したあと、
「【2人とも、狂人なら手をあげて。】
もしどちらかが狂人なら……あたしは、もうどうしようもないから。」
「……わたしは【狩人】。狂人でも、狼でもないよ、さや。」
「日の高いうちは、あまりはなせない、けど。出来るだけ、おもいついたこと、話していくから。」
「……わたしも、きのうで、終わると……思ってたよ。しおん。」
>>+64 渚
「………い…はかま……せい…」
遠くて近いところから懐かしい声がする。
誰かに名を呼ばれるのはいつぶりだろうか。
夢うつつのまま薄く目をあける。
渚さんの幻影が見えた、気がした。自分の周りの空間があたたかく守られている感じがする。このままずっと眠ってしまいたい…
────────渚…さん?
意識が急速に覚醒し、幻影だと思った彼女のピントが透けたまま合わさっていく。
「な、渚さん…?なぜここに…こんなところに…」
思いがけない再会は嬉しさよりも哀しさの方が勝ってしまう。きっと彼女もあの朽ちた肉塊の山を見てしまっただろう…
しかし渚さんの痛ましい表情から察するに、すでに何か事情を知っているようであった。
クラスの生徒達も、もしかしたら…
震える唇でおそるおそる、その一言を口にする。
──「何が…何が起きている…の…?」
「ふっふー、ごめんよ三人とも。なんにしてもまた会えて嬉しい。再会のハグはできそうにもないけど、せめて今この時だけは、何も知らなかった頃みたいにさせて欲しいね。」
[アリサのよく回る舌は、いつもより少しつっかえた様に聞こえた。]
「ところであたしがこうってことは、他にも生きてここにいる人はいるの?てっきり何かに殺されてるんじゃないかと腐心していたんだ。」
[と、辺りを見回す。]
>>8:+46 エニシ
「幼児体型ってひどいー! ミウ、チビだけど胸は小学生よりはありますー!」
姿は見えないし声も聞こえないとエニシは言いました。
だから、ミウは頬を膨らませてそう文句を言ってから唇を閉ざします。きっと、何を言ってもミウの声はエニシには届きません。
「エニシ、ほんとはきっと……リセットの歌詞覚えてたんだよね?」
「……ごめんね、エニシ。」
ミウの大切な部活仲間。
夢に向かってひたむきなエニシが、ミウは少し羨ましかった。
誰の裡にも怨毒はあるものだ。もし少女の黒い感情に染められていたのがエニシではなくミウだったなら、ミウもまた彼の死を望んだのでしょう。
>>+24 袴田
目を覚ましてしまった袴田先生に、悲しみが同居した微笑みを見せる。
また話せて…嬉しい。けど、真実を話す事は…苦しい。そんな表情。
「全て…お話しますね〜…。この村の呪いについて…」
昔、誰からも受け入れられず、疎まれ、蔑まれ…最後には井戸に閉じ込められ、殺されたカナコ様の真実。
その恨みと呪いが怨毒となって、選ばれた17人以外の全ての生命を奪った事。
今現在生徒達は、呪いとの戦いで死者を出しながらも最終局面に臨んでいる事。
…そして、この怨毒を生み出した…呪われた島の民の末裔…元凶の1人が自分だという事。
全て、話した。全て。途中からは、袴田先生の目を見る事が出来なくなり、俯きながらになってしまったが。
「…本当にごめんなさい。元々は村の問題でしたのに…巻き込む形になりました…」
自分自身は悪意に加担していなかったから。なんて言い訳はしない。出来ない。
外の世界の住人である生徒や先生達は、それ以上の理不尽を受けているのだから。散り積もった負い目は、今最大限に私の心を蝕んでいる。
「恨むなら…私を恨んでください…」
震える声で、そう付け加えた。
>>+35 アオイ
「あーくん、今どんなこと考えてる?」
アオイがはっきりとしない相槌を打つのを、ミウは横で膝を抱えながら見つめます。
サヤに処刑を言い渡された日、アオイはミウにお別れだと言いました。
今日、すべてが決まります。
すべてが決まったあと、狐であったアオイや、二人で生きようとしたミサたちはどうなるのでしょう。
百年前は村人が呪いに打ち勝ったと聞きました。呪いを受けた生徒たちを贄にして、カナコ様とともに井戸の奥底に封じたと。
呪い殺された人間が生き返ったという話は、古書のどこにも書いてありませんでした。
「……ねえ、世間話しようよ。あーくんってきょうだいっているんだっけ?」
ミウは口を開きます。他愛のない話がしたいと思いました。
(亡くなった生徒達の騒がしい声が聞こえる。こんなのを聞いていると教室でうたた寝している時のクラスの喧騒を思い出してしまう。ゲームから離れていたとはいえ、毎日明日はどうなるものかと不安に思っていたが今のこの片時だけは安らかな気持ちに微睡んでいた。
そんな中、自分にかけられた声にうつらうつらとしていたまぶたが上がり一瞬そちらの方を向きそうになる。聞こえてしまった。気が緩んでいたせいだ。気付かないふりをしてその場で壁にせ持たれたまま蹲る。)
「(……話しかけてくんなよ…)」
(1度でも死んだ皆に心を許したせいで、閉ざそうとしても閉ざすことが出来ない。彼女の言葉は的を射ており余計に胸が苦しくなるのがわかった。)
「(どいつもこいつも謝りやがって……。俺がなんだかわかってるくせに)」
(それでも…ほんのいっしゅんだけゆるされたきになって眉間に寄せられたシワは解かれた。ほんの、一瞬だけだ。
だってまだ戦っている大事な仲間がいる。彼女の苦しみの一端でも、俺とミライで分かつことができればと思いながら一言だけ呟いた。)
……思い出の…曲だからな。
「今までは、ほかの人と比較して、しおんは狼のかのうせいは、低いとおもっていた。それに、なんとなく、わたしと立場が似ていた。でも、こうしてかくていすると、見えてくることも、ある。」
「……今日、わたしを襲わなかった、のは。
狂人の可能性もある、ことはを残さなかった、のは。
わたしがことはを護衛成功させたことで。わたしが本物であるとき、ことはの狼がない状態だった。
さやは襲えない。わたしがいるから。
それに、もしわたしの能力が封印される……もしくは、別のとこを護衛していたとしても、ひびきの占い先がゆいごんで残ってるかも、しれないもんね。
さやが、狙われなかったのは。ひびきの占い先が、ねっくだったのかもしれない。
ことはと戦うより、わたしと戦うほうが、のこる可能性が、たかい、と判断したんだと思う。」
「きのう、ことはを人狼で見る、と宣言したのは、この状態にするための、ふせき。
そこでひとつ、弁明ができるから。」
>>+22 ミサちゃん
彼女が先に目を逸らし、嫌な笑みを浮かべる。
その途端、胸につっかえていた何かが取れるような、スッとした爽やかな気分になる。
手を踏み壊しても、心の内で呪詛を吐いてもすっきりしなかったものが、ようやっと取れたのだ。
……ああ、彼女のこの顔がもっと見たい。
にい、と口端を上に上げ、更に1歩近付く。
「そう、そう思ってもらえたのなら何よりだわ。
"優しい"のね、ミサちゃんは。
でも、そんな余計な事ばかり考えているから、狼なんかに足を掬われたのではなくて?」
優しい、に力を込めるように嫌味を込めて言うと、愉快そうにくすくすと笑う。
「……いいじゃない、その顔。
…………ね、その顔をもっと見せて頂戴な。
ああ、そうだ、私ね、嘘をつく事が嫌いなの。
前に、貴方の側にいるって言ったわね?
嫌だけど……嘘はつくのはもっと嫌だから、今日はずーっと貴方の側にいてあげる。
貴方が嫌がろうが、他の子になんと言われようが関係ないわ。
私がそうしたいから、するってだけの話だもの。」
>>+22 ミサちゃん
無の表情に戻ると、前に身を乗り出し、彼女にのみ聞こえる声量で耳元に囁く。
「……貴方とククイ君を二人きりなんてさせるものですか。
誰が何と言おうと、私は貴方達の事、一生許さないから。」
そう言い終えると、すぐ様離れてにっと人当たりよく笑ってみせた。
「……よし、側にいるのはいいけど暇になりそうね。
貴方が望むなら、何にも知らなかった私を演じてあげるのも吝かではないわよ?
最後だもの、私の我儘を聞いてもらう代わりにそれくらいはサービスしてあげる。
どうかしら?」
意味ありげに悪意を込めた笑みを浮かべると、首を可愛らしく傾げて彼女の反応を待つ。
今日でこの長かった呪いも終わる…
そえ、それがどちらに転んだとしても、自分たち3班は離れ離れになる可能性が一番高いだろう。
エニシは複雑な顔をして、キイチは苦しそうだ。
声をかけるべきか悩み…
でも、もし最後ならしみったれたことを言いたいわけではないと思う。色々な奴に声をかけておきたいと思うし、それなら、笑って言ってやりたい。だから、
「キーーーイーーーチーー!チョーーップ」
叫びつつ実体がない彼に、大きく振りかぶり手刀を下ろす。
「お前は一人で苦しんでないで、さっさと俺とかセボのところにこいよ!どんな事やってたって。〔一人なんてつまらない〕し辛いんだよ!このバカヤロー。」
半ば茶化すように彼に話しかけて、次はエニシだな!とターゲットを捕捉した。
「違和感には気付いていたのだ。だが、我は加賀見雫が人狼でなければいいと誤魔化してきた。だからこそ、今日が来てしまったのだろう。
我が残された理由としては霊能者二人よりも我や加賀見雫の方が日向 咲耶を襲撃しない、出来ない理由が付けやすいからだろう。我が人狼と仮定するなら、大柳響が我を占っていたという遺言。加賀見雫であれば、護衛成功した狩人の遺言。これがあった時点で呪われし者だと透ける。
仮に霊能者だという遺言があったとして、ある一人の人狼は確定はせぬからな。
日向 咲耶は『あの段階で妖狐を狙うのは難しい』と言っていた。我もそう思う。…榛 莉子が真なる狩人だったのではないか?後七夕 鵠の可能性もあるがここは大した差ではない。
それならば、小宮山 心優の襲撃も妖狐を探していたのだろうと…」
>>エニシ
今日になるまでなんて話しかけていいのかわからなかった。
多分それは、エニシ自身も同じなのかもしれない。
だけど、このまますれ違ってお終いなんて俺はもっと嫌だ、今までの様に声をかけてしまえばしんみりとしてしまいそうだ。
一つ俺らしくなく行動を考え、思い切りのよい助走をつけ…
「エーニーーーシーー!!おりやぁぁぁぁ」
とりあえずドロップキックをしてみることにした。
「チッ、外したか」
いたずらをした子供の様な顔をエニシに向ける。まぁ、元々当てる気はなかったけどもな。
その後、間髪入れず、話しかける。
「アリア持ってきてるか??あるんだったらさ……俺に簡単なコード教えてくれよ。」
「いや…そうなると、あそこで加賀見雫が狩人だと言った意味が分からぬな。いいや、違うな。対抗で同じ主張をする者が現れたらその場合は我では無く、その者と日向 咲耶の3人でこの日を迎えるつもりだったのだろう。
むしろ、対抗が出ることを期待していたのでは無いだろうか。すれば、最終日まで何の違和感を持たれることも無く放置される。
そして、2度目の護衛成功は封印狂人に封印されたのだろう。逸見 亜梨沙がそうだったのだろうな。ああ、妖狐を探していたわけでは無く、狂人を襲撃せぬようにあの妙な襲撃をしていたということか」
「我が感じていた違和感はいくつかある。
昨日の皆の発言の歪み、日向 咲耶ばかりを護衛する護衛先、そして何よりも我が狩人であるという発言を信じていたことだ。
…護衛成功しているのに2度も同じ者を襲撃しに行っている。そう主張する我を信じること自体が怪しかったのだ。こればかりは、何かの思惑で操作された訳ではなく、加賀見雫本人の意思である故、彼女の怪しさの一番分かりやすく、否定出来ない箇所なのではないだろうか。
そもそもだが、我が人狼であれば大柳響が占うと言う中に二人、片方は呪狼であるというのに影裏真子を襲撃している場合では無いと思うのだが。加えて、狩人である加賀見雫を残しておく必要も無い」
「しかし…護衛先の違和感は我の方がおかしいのかもしれぬ、と皆が明かしてから少々思った。
日向 咲耶は襲われぬだろうと思っていたから、それ以外で襲われそうだと思ったところに守護の力を使っていたのだが。
あとはそうだな。やたらと我を人狼とすれば話がややこしくならずに済むようになっていたのも我を残すつもりだったのだろうか、と。
思いついたままに吐き出してみたが…少々疲れた」
「いちばん、ふしぜんなのは、しおん自身がいっていたけど、えにしとの連携。
本当に、しおんの性格的に……なにも、指示せずでるとは、かんがえづらい。
だから、このてんについては、えにしのミス、聞きのがし……もしくは、しおんが、まさか出るとは思ってなくて、もともと何も言ってなかったかのうせいも。
ここについては、そうとらえるしかない。
「しおんは……しおんは、難しいことばも、つかうけど、すごく話の筋が、わかりやすい。
こんがらがるところがなくて、理解しやすい。色々先を見て、よそくする。それに……意外と、せわやきだもんね。
だから、指示がつたわらないことなんて、あるのかなって。」
「だけど、さくせんとしては、わるくない。あの発言がなければ、しおんとあおい、そしてえにし、3人にしゅーちゅーして疑いがむいた。
あの発言があったから、しおんは安全圏にいられた。
それに「本物の狩人かはわからない」こうすることで、のちのち、闇にも、本物にも、なれた。そういうふせき。」
『三年生の先輩たちが無事に卒業して、わたしたちは二年生にあがった。
一年があっという間に過ぎることを、わたしは高校生になって初めて知った。きっと残りの二年も光のように過ぎて、思い出話に花を咲かせながら卒業するのだろう。
新しく入学してきた後輩たちに、一年前の自分たちを重ねて微笑ましい気持ちになる。
春の教室で最初に顔を合わせたのはセボくんだった。クラス替えがないと寂しくなくていいねって、クラスメイトの登校を待ちながら二人で話したっけ。
セボくんはクラスのムードメーカー的存在で、どんな時も和やかだ。キイチくんといつも仲良しで、二人の会話は聞いているこちらまで楽しい気分にさせてくれた。
そういえば、キイチくんは料理が上手だ。調理実習で同じ班になった時、手際の良さに驚いた記憶がある。普段はそんな素振りを見せないから、意外だったな。
最近熱心に読んでいる付箋だらけの本は、ひょっとしたらレシピの本なのかしら。』
「今考えてること、今のうちに吹き込んどくね。
……どっちが狼の路線で考えても、何かが噛み合わない。何かしらの疑問が残る。
あたし、思い返してみたの。『前提がおかしいんじゃないか』って。
あたしの持ってた前提条件。それは、『霊能のいずれかは本物』ってことだった。
もし、それが違ったら?
霊能に本物がずっといなかったとしたら?
話が、少しずつ通ってきた気がしたの。
まず、あたしの考える霊能内訳は、本物、狼、狂人、狐。もう1人の本物は、リコ。
さらに、後七夕くんは本物か狼。つまり、あたしたちにミライの結果を報告した時点では、すでに霊能の力は失われていた。
アリサとコトハちゃんが本物っぽく見えたのは、霊結果が一致してたからだった。でも、昨日コトハちゃんが封印されたって主張してるから、どちらかは封印狂人であることはおそらく間違いない。どうやって結果を合わせられたのか……って考えたら、カンタンだった。【どっちも偽物なんだ。】って。
どっちも正しい結果なんて知らないから、お互いがお互いに追従する。アリサが先に発表しようが、コトハちゃんが先だろうが、一緒だったんだ。
コトハちゃんはおそらく封印狂人。狐ではないことは明らかだし。アリサは、狐かな。少なくとも、本物じゃない。狼の可能性もあるかな?昨日の段階でコトハちゃんが狂人として名乗りをあげるのはちょっとリスキーだったと思うし、可能性はあると思う。
この霊能内訳を仮定すると、シズクが主張してる『3日目にマコちゃん護衛で手応えあり』の違和感が消える。多分、4日目に襲ったのはヒビキくんのほうだ。マコちゃんが本当の占い師。死因は、呪狼を占ったから。
マコちゃんは、占い先に投票するって言ってたね。山田くんにも、一票入ってる。もしかしたら、山田くんが呪狼なのかもね。十堂くんかもしれないけど、それはこの際どちらでも問題ない。
そのあとの襲撃先は、ある意味どちらが狼でも取りうるかな。人間確定だと思われたミサに、霊能のコトハちゃん。多分、コトハちゃんの襲撃に失敗したから、ミウや金枝くんに行ったんじゃないかな。最終的に狼疑惑はシズクにかけるつもりだったなら、潜伏幅が狭まろうが関係ない。むしろ、隠れ蓑をなくしていく襲撃は自分を無実だと思わせる材料になる。
……っと、ここまで話せばわかると思うけど、今のところ【山田くんが狼だと思ってる。】
でも、まだ決めたわけじゃないよ。
多分無理やり当てはめちゃってるところもあるし、これに対しての2人の意見を聞きたいな。
」
『気品があってお淑やかなコトハちゃんが、本当は明るくて活発なことはこの二年で知った。八重樫神社には夏祭りを見に、サヤちゃんたちと遊びに行ったなぁ。
コトハちゃんのお姉さんの巫女神楽はとても美しくて、来年の夏祭りからコトハちゃんが舞うと思うと楽しみでしかたがない。
夏でたびたび思い出すのは、アリサちゃんが放送したマコくんの選りすぐりのオカルト話だ。わたしはホラーを楽しめるタイプだけど、ヒビキくんはすごく怖がってたっけ。
アリサちゃんはクラスの外でも学校行事や大会の司会など、放送部としてたくさん活躍していた。結婚式のスピーチはアリサちゃんにしてもらいたいねって、女子のみんなで話したな。』
「しおんは。」
「しおんは、ひとに指摘されそうな点を、じぶんで先回りして指摘して、可能性をつぶしてみせてきた。
それは、もともと、そうやっていうために、計画してさくせんしていたから、じゃないのかな。」
最終日。
シズクは戦い抜いてきた。絶望的な状況を耐え抜きながら、一人ずつ噛み殺してきた。
孤独に震えるシズクを思う。でもそれも今日で終わり。
もちろん勝ってくれたなら嬉しい。死にたくない気持ちはずっとある。3人で帰る、その目標のために恨みを無理矢理飲み込んだ日もある。
でも、負けたら?
恐らく、いや、確実に殺される。クラスメイトの手によって。楽に死ねないのかもしれない。私刑の先にもっと辛いことがあるかも、想像もつかないような。
だけど、それでも3人一緒になら、と今なら思える。
狂いに狂った関係の中にある確かな絆をアタシは信じている。
「シズク、アタシたちがついてるからね!負けんじゃないよ!!」
『今年の文化祭で行った演劇はすごく楽しかった。
みんなでたくさん意見を出し合って、最初は話がまとまらなくてちょっとだけ険悪なムードにもなったりした。
最終的にセボくんやヤクモくんたちが間に入って、全員が活躍できるように少し物語を改変したんだよね。モデルになったお話のアレンジには、シズクちゃんが一躍買ってくれた。
みんなで遅くまで教室に残って、先生に帰れって言われるまで準備して。そんな些細な時間が、わたしは心から愛おしかった。卒業したら、みんなとこうして他愛のない日々を過ごすこともなくなるのかなって、寂しくも思った。
当日はわたしたちのクラス、大盛況だったね。他のクラスの子たちも見に来てくれて、うれしかったな。
別の学校の生徒や保護者の方がシオンくんをずっと役作りをしている生徒だと勘違いしていたのはおかしかったけど、褒められたシオンくんが得意げだったのはちょっとかわいかった。』
『この二年間で、一度も悪意にさらされたことがなかったといえば嘘になる。
それでもわたしがこの学校生活を愛おしいと思えるのは、それ以上にみんなと過ごす日々が楽しかったからだ。
絆の本来の意味は、家畜を繋ぎとめておく鋼のことだそうだ。それが人と人との繋がりを表すようになったのは、ごく最近のことなのだとか。
それまではむしろ、しがらみや呪縛を表すことのほうが正しかったらしい。
──わたしはクラスメイトに絆を感じている。
わたしにとっての絆とは、感謝の心だ。喜びや悲しみも楽しみも分かち合ってきたみんなを、わたしは心から愛している。……こんなことを口にしたら、みんなは大袈裟だと笑い飛ばされるかもしれないが。
それでも、わたしにとってはそのくらい大袈裟なことだった。
サトシくんなら分かってくれるよね。わたしと中学校が同じだった彼なら、きっと笑わずにわたしの話を聞いてくれるに違いない。
わたしはずっと、何者かになりたかった。
座る場所を与えてくれたのはみんなだ。わたしを今の七原南にしてくれたのはみんなだ。』
「確かに我は誰一人と守れなかった守護の力持ちではあるが。最後にたった一人、貴様だけでも守らせて欲しいのだ。
また後で話にくる」
『もうすぐ修学旅行が控えている。今年から行き先が変更になって、たたら村という場所になるらしい。それを残念がっている生徒もいたけれど、わたしはどんな場所でも楽しみだ。
だって、みんなと一緒に作り上げる思い出なら、どこへ行ったって、何をしたって素敵に違いないから。
大好きなクラスメイトたちが、少しでもわたしと同じ気持ちでいてくれたなら、どんなに幸せだろう。』
───七原南のいつかの回想
シズクが叫んでいるのを見て、ミウは唇を噛んだ。
「嘘つきは、しずしずのくせに……」
そう言ってしまったあとで、罪悪感でいっぱいになる。
>>さや
「……わたしは、本物の占い師は、ひびきでいいと思う。
そうでないと……しおんの作戦は、危険。
ちがうって言う狩人候補が出たら、順番に閉じ込められちゃうかもしれない。
さすがに、そこまでのりすくは。」
「もし封印狂人が、きのう、いたなら、どちらも封印しなかったのは、だれが狼か確信できなかったから、危険は避けたという意味もあるんじゃない、かな。
ひびきに力を使わなかった、狂人だから……さやの言うような気持ちもあったかもしれない。
でも、もしまちがえて人狼につかっちゃったら、閉じ込められる数はへらないけど、四人のこっちゃう、し。」
「ことはが嘘をついた可能性も、あるとは、思うよ。」
「……本当にこれは、しおんが疑われやすい舞台なのかな。」
「ふつうに考えたら、わたしの方が、残ってる狩人だもの。わたしの方が、あやしいのではないのかな。」
(女子って怖いな……)
/ミサとコトハのやりとりは、見てはいけない物だったのではないだろうか。女子同士の問題は首を突っ込んではいけない。そう思っているが/
/ミライとミナミのことを考えれば、間に入った方がいいのだろうか/
/声をかけようとして、やめる。ただの小競り合いではなく、痴情の縺れ。今回のケースは第三者の介入はすべきではないだろう/
>>+37ミウ
「どんな事...か。」
ここで生が終わるのかもしれない。それならそれでミウと一緒に過ごせる...かもしれない。自分は地獄でミウは天国かもしれない。
もしかしたら俺は生きて出られるのかもしれない。そうなったらミウはいない。
かもしれない。かもしれない。かもしれない。
そう考えてしまうのは、やはり道を外れてしまったからだ。
「胸が締め付けられて苦しいなって...」
いつもの巫山戯てるアオイの雰囲気はない。この村に来て、2人でいる時、怒ってた時、それと雰囲気が同じだ。
「そういえばそんな話した事なかったね。俺はね、妹がいたんだ。俺と4つ違いの。すごくかわいくて、俺の後ろにひよこみたいに着いてくる奴だったんだ。」
アオイは話し続けます。
>>28 さや
「そこは、わたしも大胆……だとおもう。
まず……しおんは、ひびきにも、まこにも、初日から、占いたいと言われていた。
だから……だから。占い師をはやく、倒したかった。
しおんは、決定的な証拠が出るまでは、ふらっとにみる、と、言っていた。結果によっては、どちらに寄ってもいいように、してるようにみえる。
最初は、なんでまこなのかは、わからない。どちらでも、良かったのかも。
そしたら、防がれた。
それに、まこは封印されたと言った。
それによって、まこを本物とかんがえた。それは、しおんがいったのか、仲間が言ったのかは、わからないけど。
ひびきは、次に封印される可能性がたかい。だから、まこを優先的に、もう一度おそった。
こう考えると……やっぱり呪狼は、えにしかな。
ひびきが占いをしたことが予定外だったかもしれない。」
>>30 サヤ
「うむ。昨日の表を借りるぞ。
占:ヒビキ
霊霊:ククイ、アリサ
証:サヤ
狩闇闇闇闇:リコ、アオイ、セボ、ミウ、我
呪智狼:エニシ、ミライ、シズク
封:コトハ
辻:マコ
狐:ヤクモ
求:ミサ
魚:キイチ
こうだと予想する。魚人と狐と狩人は微妙ではあるが。
封印狂人は二度目の平和な夜明けの日、加賀見雫を封印したと思う。ちょうど加賀見雫が狩人であると明かした翌朝であったから、本物と見て封じようと思ったのだろう。影裏真子をすぐに封印した者だ。慎重さがあるとは思えぬ。そこで、加賀見雫が狼であると伝わったのだろう。
八重樫 琴葉は加賀見雫を狂人であると主張していた、逸見 亜梨沙は宣言どおり投票していたが、初めは加賀見雫をあげている。貴様が起きてこないことにかけたアピールかもしれぬが」
「我は、1度目の襲撃が妖狐では無く、護衛成功だったと考える。日向 咲耶の言うとおり、妖狐を狙うのは難しい。個人的な恨みで襲撃した結果妖狐だったならありえるかもしれぬが。
それよりはこちらの方が現実的だ。その場合、日向 咲耶が襲撃されたのでは無いかと思う。後に秘密を抱えてしまうぐらいならと。まあ、ここは今は関係ないが」
占:ひびき
霊霊:くくい、ことは
証:さや
狩闇闇闇闇:わたし、きーち、やくも、せぼ、りこ
呪智狼:えにし、みらい、しおん
封:ありさ
辻:まこ
狐:あおい
求:みさ
魚:みう
「りことくくいは逆かも。でも、1回霊能でがんばろうと思ったくくいが、閉じ込めるってしめいされて、みんなのためにがんばるの、嫌になっちゃったのかなって。
魚は、くくいのとこにいってるのが、よくわかんなくて……ことはかとも思ったけど、霊能が行方不明になっちゃうし、みうなら、くくいのとこにいくのも、へんじゃないかも、って。」
いま陳腐な言葉を並べても、渚さんを余計に追い詰めてしまう気がした。
袴田はふたりの臨終の際と同じように彼女の手を取り、今度は両手で包んだ。
明かりが灯された集会所の窓からサヤ、シズク、シオンの姿が見える。
────3人…
たった3人しか居なくなってしまった。
「狐は、やくもかなって思ってたけど、見返したら、あおいって…けっきょく、どの立場からのいけんなのかなって感じがしたから、狐だったかもしれないなって。
でも、ここはせぼと入れ替わってもあんまり大差ないと思う。」
「みうの魚人は……初日に、さやに『守ってあげる』って言ってたし、えにしがでてきたとき、日記もあるよって言ってた。
日記もていねいで、狩人候補っぽかったけど、ちょこちょこ、狩人感をあぴーるしていたようにも、みえる。」
「ミウの両親は心配してるだろうね。
俺は、俺には妹も母親も、もういないんだ。
妹は病気になってずっと入院してた。けど、俺が中学2年の時、死んだんだ」
今でも覚えている。
重たい引戸、消毒の匂い、白い部屋、薄緑色のカーテン、窓に叩きつけられる雨、輸液のルート。そしてその先にいる、痩せこけた妹。
「母親は、妹が死んだ後、消えた。跡形もなく。
」
「恨んだよ。捨てたれたんだと。1人で生きていくって決めた。表面だけ取り繕って、ヘラヘラして、のらりくらりと」
>>+16 コトハ
「ふ、きみも要らん子ぉなん?
それやったら揃いで、ぼくら似たもん同士やなあ。仲ようしとくれや」
笑いたくないときほど自然な笑顔が作れる。
そんな人間として生きてしまった。
「……後七夕の家は、いっとき神妙な顔しといて、ほとぼりが冷めたら出来のいい門下生でも養子に取るんやないやろか。
ぼくかて妾の子やし、あの家はそういうところやから心配は無用やで」
尋ねられるまで家族の顔が浮かびもしなかったことに自分でも少し笑えた。
産みの母の顔は脳裏で靄がかかったままで、明らかになることはないのだと思うと途端に死が色濃くなった気がした。
それでも、月の光に照らされたあの姿に嘘はつけない。
「……うん。ええもん見してもろうたわ、おおきに」
>>42 シズク
「くくっ、我が使い魔は愛らしいぞ」
「連日同じような事ばかりしか話せることがない気がする。我が人狼では無いという証明になりえそうなことは言った気がするのだ。
加賀見雫があの場面で狩人だと言うことで皆に何か大きな情報を与えただろうか。あの場面で言う必要はなかったのではなかろうかということも真なる狩人では無いと言えるのだろうか。
我としては、我があれほどまでに早く言う必要が無かったこと、不破 縁が出てきたこと、加賀見雫の狩人能力が封じられていないこと、加賀見雫が襲撃されていないこと。この辺りが潔白の証明になるのでは無いかと」
>>+60 袴田
──ああ。
袴田先生に手を包まれ、彼の意図を察する。
激昂されてもおかしくない筈なのに。…私は逃げてばかりなのに。
あなたはあの時と同じように、また手を差し伸べてくれるのですね…。
「本当に…お人よしなんですね……ばか…」
いっそ恨んでくれれば。少しでもあなたの気持ちを晴らせるならと思い、出た『恨んで下さい』だったが、彼は何も言わずにただ、受け入れてくれた。
それが嬉しくて…。涙が溢れて、止まらなくなる感覚。…感覚だけ。しかし、肉体があった時のように、私は口に手を当てて嗚咽を漏らしてしまう。
「嘘…嘘です……ばかって言ってごめんなさい…ありがとう…ございます…」
受け入れてくれた。今はそれが嬉しいと言う事を伝えるので精いっぱいだ。
寄り添うように、彼の隣で私はむせび泣いた。
共にいられる時間ももうそこまでないだろう予感があった。
それならせめて、それまででも…良いから、あなたの隣に…。
「みうのこと好きだから、みうを守ったって、言ったんじゃないの。」
「あの日、あおいとみうが、最後の別れを惜しんでたから……ゆるせなくなったんじゃないの。」
「そんな訳ないだろう。いや、好いてはいるが男女の意味では無い。
我は闇の静寂のような女性の方が好みだ。
仮に我が小宮山 心優を好いていたら…。殺さぬだろう。その心に付け入る方が良いのでは無いかと思う。
貴様こそどうなんだ。
恋仲の男女が離れることを哀れみ、襲撃したのでは無いか?」
─ 回想:8日目のいつか、マコとの会話 ─
[叫んだって、想いを口に出したって、与えられた真実が変わることは無い。呪いが心の隙間に入り込んで、憎悪となって溢れ出す。
口にした言葉の何割が本当で、何割りが嘘なのか。狂ってしまった頭では、もう何もわからなかった。]
ははは……受け入れたら楽になる……ね…
[マコは受け入れたらしい(>>+42)。そうすれば、自分が今まで抱いていた感情は悪くないものになるのだと。楽になるのだと。]
…心の底から色んなものが溢れてくるんだ。
今まで感じたことがない程の憎しみや怒りが溢れて止まらないんだ。
受け入れたら、今までの思い出が全部無くなっちまう気がするんだよ。
楽しかったこと、嬉しかったこと、たまには喧嘩したこともあったけど、それでも俺はこのクラスで幸せだったんだ。初めてそう思えたんだよ。心が温かくなったんだ。
………まぁ、もうほとんど覚えてないんだけどな。
[記憶が薄れて楽しかった頃が今はもう思い出せない。頭の声を拒絶する度に、思い出が一つずつ消えていく。怒りや憎しみの記憶に書き換えられていく。]
…死ねて良かったよ。シズクに感謝しないとな。
[未だに嘘をつき続ける彼女を見てそう思う。
耐えきれなくなる前に、受け入れてしまう前に。]
殺してくれてありがとう。
[これがきっと、最期の最後、心からの感謝の気持ちだった。]*
>>+65 ククイ君
「……ふうん、そう、それは良かったわね。
死ぬ前の杞憂がなくて、本当に羨ましい事で。」
気味の悪い笑顔に薄ら寒さを感じる。
今が笑い時でない事くらい、私にだって分かる。
だが、作り笑いに見えないそれはそうあれと躾られて出来たものだと気付いても、それをどうこう言うつもりはない。
結局の所、古い家系というのはどこも似たり寄ったりなのだと、生まれつきの赤髪をこれみよがしに否定してきた崇敬会の爺婆を思い出して顔を顰める。
弱い者は淘汰される、それはあの御仁らから学んだ事だから。
「…………気持ち悪い、急に素直になるのはやめてもらえる?」
珍しく素直な彼にここ一番の寒気が襲う。
見たかった顔ではあったが、今やられるのは筋違いだ。
>>+65 ククイ君
彼がミサちゃんの腰に手を当て、引き寄せるがそこまでのショックは受けない。
目の端に映るその光景をどこか他人事のように見やると、愉快そうに笑った。
「あら、貴方にはそう見える?
私は、私がそうしたいからしているだけで、苦にも思っていないわよ。
貴方と私で価値観が違うの、放っておいてくれるかしら?」
彼には側にいてもいいかなど聞かなかった。
嫌味たらしく色々言われた末に良いと言いそうだし、ミサちゃんが拒まない限りは何も言ってこないだろうと見越しての事だ。
尤も、何か言ってきても無言の圧力をかけるだけなので何も変わりがないが。
>>+67 ミサちゃん
ぞわり、と鳥肌が立つ。
嘘で塗り固められた言葉は……いや多少は本心も入っているだろう、恐らくは。
私が見たかったのはこんなものじゃない。
そう思うより早く、彼女に詰め寄った。
「……仲直り?は、誰が"今の"貴方と仲直りするものですか。
やっすい笑顔を浮かべて、ひと目でわかる嘘で塗り固めて……気味が悪い。
私の為思ってか何だか知らないけど、貴方達はどう転んでも最後なんだから、言いたい事ぐらいはっきり言ったらどう?
言いたい事は面と向かって言える……それが友人ってものでしょ。」
逸らしかけた目を伏せると、穴が開くほど真摯に彼女を見つめる。
信じるだなんて言葉、二度と使わない。
だが、それでも私の本心が伝わればいいと、そう願いながら彼女をただひたすらに見つめた。
>>+68 渚
渚さんが嗚咽しながら「ばか」と漏らした。
あの時(>>2:+6)はお互いに薄れゆく意識の中で、彼女の言葉の真意に気付けなかった。
だが、今なら理解できる気がする。
堪らなく愛おしい気持ちがあふれ出し、思わず咽び泣いている渚さんの肩を抱き寄せてしまった。
そんな自分にびっくりして、無理やり口角を引き上げて、鉄板の袴田スマイルでごまかす。
こんな場面を生徒達が見ていたら、スクープだと囃し立てたり、写真を撮られたりしていたかも知れないと思うと、涙が頬を伝う。
静かな夜の闇がそんな日々は戻らないことを告げていた。死後初めてちゃんと泣くことができた気がする。
>>+76>>+77キイチ
ー回想:或いは無かったかもしれない応答ー
「受け入れても、無くなりはしないと思うけど。
それが存在した事実自体は、変わらないんじゃないかな。
それでも尚、殺したいと思うのなら殺せば良いよ。憎みたいなら、憎んで良い。
僕も似たような物だから、キイチ君がそうなっても弱いだなんて思わない」
[自分の死の礼をするキイチの言葉を聞いて]
「そう。ありがとう、なんだ。憎むくらいなら、殺された方がマシだなんて、ね
そこは、僕とは違う所かな。僕ならきっと、死を選ぶにしても相手に傷を与える様にするから。
なん、だ。キイチ君、しっかり強いじゃんか」
[それが狂気と理性の限界の間際の言葉であったにせよ。
それでも友の死より自分の死を喜べる彼は、眩い物の様に見えた
それが一瞬の内に失墜する輝きであったとしても、だ]
「もう、3人。
もうおわり、今日でおわり。
カナコちゃんも満足したのかな。
ずっとずっと、井戸の中のカナコちゃん。
前の皆は、ぜんぶカナコちゃんに押し付けた。
邪魔なものはぜんぶ井戸の中、知らないふりをした。」
ぬぅと現れた彼女は、話し合う皆の頭上でゆらゆらと問いかける。
>>all
「ねぇ、貴方たちはどうするの?
彼女は、みんなとおしゃべりをすると言った。
他のみんなは?
狼を、呪われた彼と彼女らをどうするの?」
「井戸に埋める?島に残す?永遠に監視する?
それとも、すべてを許して野に放つ?
他にもあるのかな、カナコちゃんは何がすきかな。」
>>ヤクモ
(こいつはある意味でマリア様のようだ、とシズクに話したんだったか。お人好しが行き過ぎた、少し馬鹿なやつ。
避けもしてないのにドロップキックは隣を過ぎていった)
………はは。お前…なにやってんの?
アリアは置いてきちまった……手持ち無沙汰だなぁ…早く向こうに「戻りたい」よ。
>>+89追憶
「......。
カナコ様とは、是非直接話をしてみたいところだけど」
[あの姿を思い出し身震いしつつ、それでも、神に近い存在と話をする欲は消えない]
「僕の、狼達の処遇に関しては、意見を出せる身分じゃないけど。
殺すのが一番、なんじゃないかな。僕はまぁ、死んでる訳だけどさ
......あぁ、でも今は。そう言うの抜きにして。
カナコ様に、母さん選りすぐりの対魔アイテムを投げつけまくりたいかな。
よくも、好き勝手に人の精神に干渉してくれたな、って。
決断したのは僕だけど。せめて、殺意に至る過程も僕の物であるべきだったのに。
狼達より先に文句をつきつけたいね」
(シズクの声がずっと聞こえるのだ。心の声が。
気がつけば彼女は自分たちといた時間よりも1人で戦っていた時間の方が多くなり、殺した数も増えていた。あとほんの一日でもそばに居てやれたなら彼女の胸の内の苦しみを分け合うことが出来たのだろうか。そしてミライも…彼女の苦しみも全て、3人で。)
……………シズク。
「こんなことになるとも思っていなかった。我らが記憶の1つに刻まれ、遠い未来に皆で再開した時の話の種になるのだと。
皆とは、もう……会えぬ」
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