情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新
売女 アデリーナ に 1人が投票した。
妄者 エーリカ に 1人が投票した。
旅人 ミト に 7人が投票した。
異国の婦人 レイコ に 2人が投票した。
旅人 ミト は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、異国の婦人 レイコ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、修道士 アイザック、フロイライン アウローラ、売女 アデリーナ、記者 ノエル、妄者 エーリカ、運転手 シュウジ、シャーマン トッド、放浪娘 リコッタ、トレブル ベガ の 9 名。
ふと腕時計を見て、二時を回ったことに気付く。
>>シュウジ
「君と話していたら少し頭が冷えました。ありがとう、シュウジさん。……もしも私が最後まで生き残って、願いの小瓶を手にすることがあった時はーー君のような選択ができるといいな。」
心からそう思って、穏やかに微笑んだ。
「さて、そろそろ戻りましょうか。」
「へえ、そう。意外だなあ。今日はアデリーナさんが守られていると見て、占い師を狙ったというところ?」
「ゲーム」として達観して見られるようになった。
殺し合いも他人事なら、確かに退屈はしないかもしれない。
「……いくら僕でも、あの主のメンタルに近づくのは、ちょっと遠慮したいんだけれどなあ」
「…………ぁ…………………」
レイコさんの薄桃色の着物が、紅に染まっている。
既に事切れた彼女を見て、ソファから必死に立ち上がる。
誰かが持ってきた毛布をかけ、彼女の体を隠した。
彼女は、確かシュウジと同郷で、彼が気に掛けていたはずだ。
ミトも、まだ若人で気に病んでいたように思えた。
なら、彼が戻ってくる前に運ばねば、と震える心を必死に奮い立たせた。
「…………あのっ、どなたか運ぶのを手伝ってもらえませんか?
ミトさんと、レイコさんを……他の部屋に、運ばないと」
レイコさんを運び、続いてミトさんを運ぼうとした時、毛布が顔からずり落ちる。
直そうと片手を伸ばして、彼の顔をのぞき込んだ時、彼の悲しげな、恨みを込めたかのような瞳を思い出す。
自分が生きる為に、彼の名を念じた。
正当な理由があると、自分に言い聞かせて。
自分への嫌悪と、血の気の引いた彼の顔が自分の顔と重なって恐怖を覚え、震える唇を歯でかみ締めた。
口端から血が出るのを舐め取り、平然とした表情を浮かべてみせる。
動揺を顔に出せば、きっとこの場で倒れてしまうから。
アイザックさんに倣い、粛々と二人を弔った。
>>9 ノエル
彼女は何も言わずにこちらを向いてくれる。
謝らないと決めていたし、なにより彼女の毅然とした態度を見て、まだ赤くなっている頬には触れないことにした。
「……私、一つだけ自分の好きなところがあるんです。見ていてください。」
ノエルさんに薄く笑いかけてから、おもむろに自分の掌を見せた。
それから一度、軽く指を丸めてーー次にその手をぱっとほどく。
ーーそこには、さきほどはなかったはずの白い花が。
「……これ、差し上げます。庭の花を攫ったことは、家主にはどうかご内密に。」
少し茶目っ気のある言い方をして、僕はその花を彼女の手に持たせた。
細く長い葉は明るい緑色をしており、花茎からはいくつかこぶりな白い花を咲かせている。それはベルのような形をしていて、下向きに花弁をひらくさまは可憐だ。
「……よく、妹に手品を見せてあげていたんです。妹はそれが好きでーー私も魔法使いになった気分で。まあ、これしかできないんですけどね。」
>>10 アイザック
顔を向けた時、頬が腫れているかもしれないとそこだけ気になったが、彼が特に触れずにいてくれた事に安堵感を覚えた。
見ていてほしい、と微笑む彼を前に言われた通りにじっと見ていた。
すると、何もないところから白く、可愛らしい花が出てきて思わず感嘆の声をあげる。
「………わあ、すごい……!すごいです、アイザックさん!
何も無いところから……………あっ、ごめんなさい、ちょっとはしゃぎすぎました………」
マジックは見た事がなくて、目を輝かせながら手に乗せてもらった花と彼の顔を交互に見ていたが、自分のはしゃぎっぷりに赤面し、気まずい空気を誤魔化すように、近くにあった自分の鞄の中で何かを探したり、作業をし始めた。
暫くすると、中から本と小さな巾着袋を取り出した。
>>アイザック
「……ええっとですね!花は、押し花にして栞にします……大丈夫、レヴィンさんには言いません
というか、怖くて話しかけづらいというか………うん、まあそれはいいんです
あの、これあげます、お守りです!
……貴方には、色々励ましてもらいましたから、そのお返しです」
淡い水色の小さな巾着袋に入った、貝殻のような形をしたお守りをアイザックの手に握らせる。
白い紐は独特の形に結ばれ、中は見えない。
「中にお守りが入ってるので、開けたらだめですよ
神様が入ってるようなものらしいので、開けたり捨てたら、罰が当たりますからね!」
にっと悪戯っぽく茶化すように付け加えた。
>>ノエル
「……。私たちのしていることは、正しさから大きく逸脱している。それはどの力を持つ者も関係ないーーレヴィン・メルゼブルクの提案をのんだ時点で、私たちには同じだけの罪がある。背負わなければならない罪があります。」
そこで言葉を切って、もう一度口を開く。
「……私は、罪を負いたくなかった。自分もこの恐ろしいことの一端を担っている一人なのだと認めるのが怖かった。こうして率先して死者を弔うのも、その罪を少しでも贖いたいからなのかもしれない。」
「私たちは間違ったことをしている。その上で、皆で協力をしている。そのことをもう一度よく理解して、目の前のことから目を逸らさずにーー私も頑張ってみようと思います。……スズランの花言葉をご存知ですか?」
問うかたちでそう言ったが、僕は答えを待たずに続けた。
「悪いことばかりが続く今も、皆で乗り越えればーーきっと。……だから貴女も、無理はしないで。このお守り、大切にします。」
そして、ふと時計を見て仰天する。
「ーー大変だ。……こんな時間まで引き止めてしまってすみませんでした。そろそろ私たちも眠りましょう。お部屋まで送りますよ。」
僕はノエルさんにそうかけると、彼女が睡眠に使っている部屋まで送り、その足で自室がわりにしている客室に戻った。
「……おやすみなさい。また明日、広間でお会いしましょう。」
>>13 アイザック
お守りを彼の手の平に置いた後、突き返されるのではないかと不安に思っていた。
それだけの事をしたという自覚が、罪悪感が、不安に変わって心を蝕む。
そう思っていたのも束の間、柔らかく笑う彼を見て、冷え切った心が温かくなったような感覚を覚える。
じんわりと溶ける心に比例し、自分の表情もゆっくりと目元が下がり、口の端が上がっていく。
「……ええ、小瓶がどんなものか知らなかったとはいえ、罪に加担した私達は、似て非なる輩なのでしょう
願いも、人種も何もかも違う……それでも、背負う業は同じ人間””友人””です
背負ったものに対してどう行動するか……きっと、その行動は微弱なものでも、無駄ではないはず
だから、私も……頑張ってみようと思います
……アイザックさんや、ここにいる皆さんから、勇気と優しさを貰いましたから」
>>アイザック
花言葉を心で思い浮かべ、スズランを挟んだ本を開き見て、穏やかに笑う。
大事にする、そう言ってくれた彼の方に俯かせていた顔を上げ、穏やかな笑みのまま、ありがとうと小さく告げ、ゆるりと礼をした。
ふと、時計を見て驚く彼につられて目を向けると、もう夜明け前で。
途端に慌てだす私を部屋まで送ってくれた彼に、扉を閉ざす前に言葉を掛けた。
「おやすみなさい、アイザックさん
また明日、広間で会いましょう」
こっそりと自室に戻る彼の背が消えるまで見送ると、扉を閉めた。
アイザックとノエルの会話を盗み聞く。
……人とは随分と呑気な事だ。
人が死んでいるというのに花だなんだとヘラヘラと笑っていられる。
改めて、私は人の姿をしているが違う生物なのだと痛感する。
いや、それでいい。
私が人であることを捨てればきっと、あの子が戻ってこれるのだと信じているのだから。
…ねぇ!!
【ミトは狼じゃないわ!】
[早朝にしては大きすぎた声。
起きてしまった人もいただろうが、
驚きに満ちていた彼女には関係なかった]
/*
頭が痛い。
いろんなものの声が聞こえる。
−−ねぇ助けて
ねえ何とか、何とかしてよ!
*/
「…………っぐ」
「……救われました? ミトさん? いいえ、【ネモぼっちゃまの子】」
ああ、どうして死んでしまったんだ、
僕は死ぬわけにはいかなかったのに、
こんなところで、死んでしまうわけには、いかなかったのに
僕は生きなきゃならなかった、生きて願いの小瓶を手に入れなきゃいけなかった
手に入れて、それで、
……それで?
それで
どうするんだっけ
/*
ヒリリリ、と遠くから耳鳴りがする。
いろんなものの声が、頭の中で響いている。
*/
「…………」
「レイコさん、あぁっレイコさん!
いやっ、やだっ、そんな! そんなあ……いけませんよ……。
あなたこそ、真の占い師だったと言いますのに、こんなところで死んでしまってはいけない方ですのに!
痛かったでしょう、苦しかったでしょう?
……私は、【私たちの手で殺めたものの声しか聞こえないもの】ですが、
それで、あなたの潔白は、証明してみせますよ。
ゆっくり……お休みくださいね」
/*
早朝から驚きの声で広間を湧かせる女性がいる。
派手な見た目で、綺麗で。その方は、亡霊さえも拐かしてあまつさえ求婚されたという。
見た目だけなら、本当に説得力のある話。
*/
「アデリーナさん。今朝の紅茶です。よければジャムもどうぞ?
しかし残念ですわ! 一緒にお茶を楽しんだ仲なんです、ギルバートさんの方が偽物であったらな、とさえ思っておりましたのに。あなたで、いらっしゃるんですね」
僕はどうしてここに来た?
あなたに・・・あなたの心を手に入れるために来た!僕をもう一度見てもらうために来た!隣にいてほしかった!
誰だ?誰だ、誰だ、誰の心を欲した?
大事な人!忘れたくない人!忘れちゃダメな人!
誰だ、誰だ、誰だ・・・!?
名前は!!!
「初めは、霊能者が、私の力が二人いるとは思っておりませんでした。
ですからギルバートさんがおでになられたとき、真っ先に嘘つきだと思っておりました。
お二人だと分かった後も、ギルバート様が偽物の可能性はまだあるなと思っておりました。お二人いる能力者ですもの、先に名乗りを上げておけば、二人いるうちの霊能者どちらにも、もう一人の霊能者が出てきてくれたんだな、と思わせられるでしょうから。
アデリーナさんが名乗られた時に、私だけは、どちらかが偽物であることは、分かっておりましたが。
二人目が出られないことを感じて、亡霊さんの死にかこつけて、自分の立場は確立させようと、そう思われたのでしょう。
【ここですよ。】
この屋敷に来てからというもの、いろんなもののこえがきこえてあたまがいたくてしかたがありません」
「それで、おおよそついた予想がございます。
彼らはアデリーナさんを残されたまま、ギルバートさんを明確に殺しました。
彼らはトッドさんを残されたまま、レイコさんを明確に殺しました。
【彼らの中では、もうほぼ誰がどこにいるのか、犯人同士の位置がお分かりなのでしょう】
レイコさんは本物の占い師でしたから、彼女が占いましたノエルさんは、犯人ではないのでしょう。
しかしトッドさんが偽物だと分かったということは、シュウジさんとリコッタさん、どちらかが犯人だった、という可能性は非常に高いと思われます。
ミトさんが犯人だということは、本来は犯人同士でも、本当のことか分からない……はず、ですか、ら」
/*
頭の内側からガンガンと金槌で殴られるような痛み。
聞こえてくる声と分かり始めた情報に、頭が、胸が容量過多を訴える。
そのまま、近くのテーブルに突っ伏した。
*/
ふふ、中々愉快なことをしているね。
朝を迎えることが出来た、幸運で幸福な、『友人』達。今日は誰を殺すんだい?
そろそろ、小瓶も半分ぐらい溜まった頃だろうね。
「ふぁ……」
ぐい、と伸びをして起き上がる。いつの間にか別の部屋に移動しベッドで眠っていたようだった。
そういえば最近はまともに眠っていなかった。身体が無意識に睡眠を求めたのかもしれない。
救急箱や薬品が並べられた棚があることに気が付き、もっと早くこの部屋を見付けていれば昨日のノエルの怪我にも対処出来たのに、とぼんやり思った。
顔を洗い、いつもの場所へと戻る。
ボイスレコーダーを再生していると、エーリカの声が聞こえた。
あたしは、ちゃんと告白を蹴った。
みんなのために声を聞いてきたわ。
ずぅっと疑われて、一昨日なんて真正面から殺されそうになっていた呆けた女とは違うのよ。
あたし、レイコさんが死んでた時、当然のように"ミトは狼だったのね"って思ったわ。でも死者の声は【ミトは狼じゃない】って告げていた。
不自然な結果ね?でも、だからこそ信憑性がある。あたしが狼なら、ここで出すべき結果は間違いなく"ミトは狼"よ。踏み台にして、正しい結果に見えるものを出して、自分だけでも生き残るわ。
エーリカ?…>>3:182で、何かを仄めかしていたわね。このボヤけた主張をした時から、何を名乗るか考えていたのかしら。
>>24エーリカ
「おはようございます、エーリカさん」
よく聞こえると訴えていたのはそういうことだったらしい。てっきり彼女は敵側で、仲間の声を聞いているのではと考えていたのだが。
「貴女の話が本当であれば、もっと早く話していれば強く疑いの目を向けられることもなかったでしょうに。私が代わりを申し出なかったらどうするつもりだったんですか」
あたしが思うのは…
いいえ、待ちましょう。
【結果を心待ちにしてるわ。
本物の占い師、トッド。】
ところで、これでエーリカを占っていたら…無駄に力を使わせたことになるわね? そんな霊能者、本物だとしても… あたしはヤダなぁ。
[ねぇ? と嫌な笑みを浮かべて]
「おはようございます。」
襟を正して広間へ訪れると、話がまた進展していた。
「……なるほど。エーリカさんの話を信じ、素直に考えるならば、トッドさんは偽物ということになりますね。欲深き者とは他者を蹴落としてでも生き永らえたいもの。わざと仲間を売った……という可能性もありますが。
私はどちらかというとトッドさんを信用していたので、もしそうでないなら残念です。」
僕は霊能者を名乗るエーリカに話しかけてみることにした。
>>エーリカ
「こんにちは。アウローラさんと少し似た質問になってしまいますが、どうして今まで黙っていらっしゃったのですか? 最初に何もないと言って隠れていた理由はなんでしょう。
占い師なら夜の力を持つ者を無力化することで、自分が本物であると確定できるアドバンテージがありますから、隠れてその機を狙うという手もありかもしれませんがーー霊能者が持つのは良くも悪くも死者の声が聞こえるという力だけ。」
「あ……責めているわけではありませんよ。その辺りもお聞かせいただけますか?」
アイザックと別れ、いつの間にか部屋で寝ていたらしい。
俺は伸びをして広間に出る。
今日も誰かが死んでいるのだろう。
胃がじくりと重たくなった。
「昔から物事の裏の裏を考えてしまうたちでして、堂々めぐりしています。色々と触れたい問題はあるけれど、順を追って考えていこうかな……まずは、占い師の真贋について。」
エーリカにまずは一つ質問を投げかけて、僕はボイスレコーダーが置いてあるテーブルへ向かい、そばのソファーに腰かけた。
「現状ですがーー私はトッドさんが本物だと思っています。単純に狼に襲われたという点だけを考えれば、本物の占い師が狙われたのではないか……という思考に至るのですが。どうにも納得しきれない点が一つありまして。」
「彼女、自分が潔白を晴らしたライさんが殺されても文句の一つ言いませんでした。私が占い師であれば、味方だと判明した方が殺されそうになっているところを、みすみす見過ごしたりはしません。
便宜上これから選ばれることを処刑と呼ばせていただきますがーー確かその日はエーリカさんが処刑されそうになり、死にたくないと懇願。
そこでアウローラさんが身代わりになると申し出て、結局ギルバートさんがライさんを処刑しようと言い出したのですよね。」
「何人かそういう方はいらっしゃいますが、レイコさんもあまり話し合いに積極的に参加される方ではありませんでしたね。……夜の議論に参加できず、というのはある程度仕方がないことだと思います。深夜に渡る議論は疲弊しますし、私もその日は眠ってしまいましたから。」
僕は神妙な表情のまま続ける。
「……しかし、翌日も彼女の反応はなかった。レイコさんが本物であるならば、ミトさんが狼だと判明してそれどころではなかった可能性もあります。しかし、それでも一言くらいは添えて然るべきではないでしょうか? 適当に占ったふりをしていたから、興味が薄かったのではないかと考えてしまうのです。」
「ただ、レイコさんが襲撃された理由を考えると……また堂々めぐりしてしまって。レイコさん個人で考えるとトッドさんが本物に思えるのですが、そうであるならなぜ味方であるレイコさんを狼が襲ったのかな。」
腕組みをして考える。
「……すみません。考えながら話しているので、だらだらとボイスレコーダーに収録することになって。一人で考えるのも限界があるので、誰か一緒に話してくれる人はいませんかね」
僕は誰か話し相手になってくれる人はいないかと、その場から周囲を見渡した。
使用人の女性の部屋で目を覚ます。
彼女が使っていただろう使い古した万年筆や紙の束、髪をとかすのに使っていた櫛など、最低限の物が置かれている簡素な部屋だ。
備え付けのクローゼットも人の部屋を勝手に見てはいけない理性と隠されたものを見たくなる好奇心が心の中で戦い、好奇心が勝ったので恐る恐る見ると、メイド服と真っ白な薄いネグリジェが入っており、部屋の持ち主の物への興味のなさが知り得た。
そうこうしている内に共に準備を進めていたので、身支度が整う。
アイザックさんと分かり合えたからか、昨日より軽やかな足取りで広間へと向かう。
広間に行くと、エーリカさんとアデリーナさんが火花を散らしているように、顔を見合わせているのが見えた。
何があったのかと、刺激しないように壁の端を歩き、ボイスレコーダーを操作する。
すると、エーリカさんが【霊能者】だと名乗りあげたのが録音されていた。
なるほど、それでと思いながら苦笑いを浮かべる。
考える事が、また増えた。
ボイスレコーダーで今までの録音を聞きながら、誰が本物なのか考える事にした。
……正直、僕から見て、占い師にも霊能者にもこの人を信じたいって思える人いないよ。襲われちゃった人も含めてさ。
誰も彼も独善的っていうの?
心の中では色々考えてるのかもしれないし、こんな状況で仲間に寄り添えなんて言うのもアレだけどさ。
まあそれは感情的な考え方で、実際には本物は名乗ってるとは思う。
占いや霊能の結果は加味せずに考えるなら、偽物はエーリカだと僕は思う。
狂人か、えっと……憑狼ってやつかなって。
もし
アデリーナが偽物だったら、ここまでもっと着々と穏便に周りに優しくしてそうじゃない?
好感度稼ぐ努力して、いざとなったら泣き落としくらいできるように整えてそうな人に見える。……嫌な気持ちになったらごめん。
けど実際そんな感じじゃないし。……今も割と好戦的みたいだし。
引っかかるとしたら、名乗ったときのセリフは>>3:68はそんな感じもちょっとあったかなってのと、
求婚してきたゆーれいには霊能者なことは告げてなかった、って>>4:38わざわざ言ってたことかな。
前の日から、アウローラのアイデアで館の主がちらほら死んだ人の代わりに話してたから。
「いやぁ遅くなってしまってごめん。【アイザックは犯人じゃなかったよ】それで?どれどれ?」
状況を確認する。へぇ、【エーリカが霊能者だって?】それで死んだ人はあの人で、ミトって人が犯人じゃなかった、犯人だった、そんな事になっているのか。
昨日、こんな人が死に行く中、名乗り出れない人がいるかも〜なんて可能性はあり得るねって思ったけれど、まさか本当にいるとは。まあどんな気持ちでいたかは、他の人たちが質問しているから、返事を待とうか。
「あ、小瓶はアンが持ってるよ。でも僕達が持ってる事に納得いかない人がいたら申し出てね〜」
さて、推理の時間といきますか
「そう、……か」
レイコサンとミト。どちらもここにきて間もない頃に話したふたりだ。死体を見る気になれなくて、誰とは知らないが二人を移動してくれた人達に感謝した。
「……早く犯人をみつけて、終わらせないとな」
そう呟いて、気合を入れる。
これまでに起こったことを確認するべく、俺は録音機に耳を傾けた。
そろそろ、人が死ぬのにも慣れてきたんじゃないかな。
ああ、殺すって言った方が正しいか。
同じことの繰り返しだと、君達も刺激が少なくなってきてしまうね。
>>51 レヴィン
「…………気遣い、ですか」
彼の言葉を聞いていると、心にぽっかり穴が空いたような空虚が襲う。
今まで、人狼に襲われた、彼に殺された人達の顔が過ぎる。
私は、彼らの顔を、最後の言葉を一瞬たりとも忘れる事なんてなかったのに。
「………私達が、間接的にでも人を殺してる事に何の感情も持たなくなる日がくると、現にそうだと………そう、思ってるのですか」
言葉を続けようとするが、ベガ君が詰め寄る様(>>52)を見て、血の気の失せた顔をそちらへと向ける。
背の低い彼の顔を伺いみる事は出来ないが、きっと自分と感情を抱いているのだと、声音からして思った。
だが、彼が望む願い(>>53)に胸が締め付けられ、彼をレヴィンから庇うように強く抱き締めた。
私が今、呪わしいのはまだ幼子の彼に、こんな言葉を言わせるこの状況から守れない────自分自身だった。
その間にも、館の主から話しかけられる。
おぞましい、恐ろしいと思いながらも目を離せず、耳を傾ける以外の事が出来ない。
恐怖からか、頬は引き攣り、わなわなと震える唇は恐れからか怒りからか、自分にはもう分からなかった。
>>58 レヴィン
「……………分かりました、私が………生きうる限りは、今日から、私が名を挙げられた人を殺します
もし………私が挙げられる、なんて事があれば、自害します
だから…………もうこれ以上、他の人の名を、呼ばないでください…………お願い、します………」
シュウジさんを指差す彼を見て、彼の名を呼ぶのではないかと戦慄した。
人の命を失う事を嘆き、悲しんだ優しい彼が苦しむ様をこれ以上見たくなかった。
だが、私の予想を裏切り、館の主は─────ベガ君の名を呼ぶ。
私は、懇願するように館の主の前に頭を垂れた。
彼と、アイザックさんと頑張ると約束した日は今日なのに、遥か彼方へと感じる。
それ程に私は必死で、限界だった。
「私もアイザックさんと同じで、レイコさんの真は薄く見ています。理由も似たようなものです。
レイコさん憑狼の線も考えましたが……彼女がこの中の誰かになりすますというのは少々考えにくいことかと。
ですが、レイコさんが偽物だったとしてもエーリカさんまで偽物とは決まってませんよね? つまり、エーリカさんから見てレイコさんが確実に本物とは言えないのではないでしょうか。ええと……私の思い違いでしょうか?
エーリカさんがレイコさんを本物だと言い切ってしまっているのが気にはなりますね」
特に周囲の様子を気にすることなく述べた。
このよくわからない状況が一番しっくりくる推理を話そうか。
「レイコさんは殺されたんじゃないんだよ、死んだフリしているだけって思うんだ」
彼女は狂人だと、直接手を下さず犯人に加担した人物だと思っていたが、乗り憑る事ができる犯人だったとは推理ミスだった。
自分が死んだと思わせて、トッドの信用を下げる。
そして霊能者だと再び嘘をついて、シナリオを合わせにきたという事だ。
「他の人の話を聞いて変わらない限り、個人的には【エーリカを指名する】予定でいるよ」
もうひとつ、アデリーナが偽物で、エーリカが本物って線を考えるか。彼女は自分を敵だと決めつけているから、考えたくもないけれども、一応ね
トッドが占っていないのは、
アウローラ、ノエル、エーリカ、ベガ。
女の子ばっかり。
男は割と死んじゃってるのね。
エーリカはどうすべきなのかしら?
狼?狂人? 狂信者はレイコさんだと思うけど…。
わっかんないわねぇ…
頭を垂れ、床を呆然と見ていた。
館の主が何と言うか聞くまでは、緊迫感溢れる空気に掴まれた頭は上げられなかった。
ふと、手が温もりに包まれ、重い頭をゆっくりと上げる。
そこにはシュウジさんの姿があって。
目の前の館の主から発せられる威圧感で凝り固まっていた体の力が自然と抜ける。
彼を困らせてしまうのは分かっていた、それでも、彼に縋りつかずにはいられず、その手を両手で握り返す。
>>69 シュウジ
「……シュウジさ………ん…………でも、このままだと、ベガ君や貴方が……………わたし、どうすればいいか、分からなくて……………でも、二人や、皆さんの手が、血に染まるのは、嫌なんです……………いったい、どうすれば…………」
温かいその手を抱き抱える……まるで、祈りを捧げるように、自分の額へと押し当てた。
必死に紡ぐ言葉は本心しか零れ落ちず、悲しみと困惑、恐怖でくしゃりと歪んだ顔を彼に見せたくなくて、顔を俯かせた。
「……馬鹿げてる」
レヴィン・メルゼブルクの言葉を耳にして、瞳の奥に強い憎悪を燃やした。
真っ当な道を生きてきた人間の手を汚させて、その行為がその人間の心にどのような変化をもたらすかを観察して、楽しんでいる。
あの男の言葉は呪いだ。ずっとその節はあったけれど、まさかここまでとはーー僕は無意識にレヴィン・メルゼブルクを睨みつける。
高祖父の残虐性がエスカレートしたのはこの男のせいとすら思えた。
「…………」
>>レヴィン
「……僕がやるよ。彼女やシュウジさんがその手を血に染める姿より、綺麗事を並べてきた聖職者崩れが昔の『家族』に似ていくさまを見る方が退屈しないだろう?」
「いつかやりそうだとは思っていたけれど、とうとう僕らにも殺させ始めたのか」
床に胡座をかいてぼーっと事の成り行きを見ていた。
「まあ、僕には関係ないから良いけど。主の趣味が悪いのは確かだ。さっさと成仏したいね、僕は」
眠りすぎてしまった。まだ、眠りすぎてしまったという感情を持てていることに安堵を覚える。猫は、獣は、欲の赴くままに眠り、喰らうものだ。
昨日からよく考えないと人間の言葉が出なくなってきた。人間になる事には何の未練もないが、只の猫には戻りたくない。悪趣味であっても、このゲームに人として参加したからには人としての意識を保ったままこのゲームの終わりを迎えたい。だが、できるのだろうか。
>>76 レヴィン
「……そう。分かりました」
レヴィン・メルゼブルクの言葉に静かに相槌を打った。
>>86 ノエル
「ーー。……私の出自をお忘れですか?」
そう言って、僕は唇をゆるくあげる。
そして、おもむろにポケットから万年筆を取り出すと、自分の手の甲にそれを突き刺した。
躊躇いなく振り下ろしたペン先は皮膚に食い込み、赤い血が糸を引いたように流れる。
「ーーこの血は既に汚れている。……何十年も前から、私の中をずっと廻り続けているこれは。」
「だから大丈夫。ミスター・メルゼブルクも、相談しろと仰っていました。ノエルさんやシュウジさんより、適任だと思いますよ。貴女が頑張る必要はない。」
「おはよう、といってもミト君やご令嬢は居ないのか。こと死んでしまっては楽しみなど会話しかないものでな。寂しいことだ。それとも皆成仏してしまったかな?」
>>78 アデリーナ
「憑狼ですか。私も……そうですね、あまり可能性を見出せないといいますか。狂信者と狂人という存在がいるなら、まずその者に任せるのではないかと思う節がありまして。でも、これは一考え。その線も考えた方が良いのでしょうか」
しかし、乗り移っているとしたら誰にだろうか。
そう思い、僕はなんとなしにエーリカさんに目を向け、小さく首を傾げた。
乗り移るーーというのは、一体どの程度の精度があるのか計りかねた。
「……あとは単純に、レイコさんが本物だと思われると都合がいい人間がいた。という観点から考えると……彼女に潔白を証明されているノエルさんが挙げられますね。」
「彼女とは話すことが多いのですが、近くで見ている限り……うーん。小瓶を独占するために人を殺すような人には、とても見えないな。」
「はよーっす。
結局ミトを殺して?ああ、今日はレイコか。
ん?…へえ、3人目の霊能者のお出ましか。
民意を取ってたギルバートを殺した後に随分都合よく名乗り出たなって思っちまうわ。」
さっと今日の結果を確認すると楽しげにミトへ視線を向けた。
「死んで記憶を失くしたのか。ご愁傷様だなあ」
記憶を失くす苦しみという点においてはよく知っていたがもう他人事でしかない。
論点おかしくない?
最初はノエルに「君が代わりに殺さないかい?」って聞かれてただけなのになんでいつの間にか僕らの中から誰がやるかみたいな話になってるの。
/*
床に落ちるアイザックの血を苛々と見やり、館の主に視線を移して乱暴に吐き捨てる。
*/
誰もやらなかったらそいつがやるんだからそれでいいじゃないか。
やりません、終わりでいいだろ!
>>87 レヴィン
「アンタの言葉は、なんつーかややこしいな! 俺と同じ基準で話してほしいもんだぜ」
俺はそう言ってまゆを下げて笑った。この男を許せる訳ではないけれど。
「他人を無条件に信じてるわけじゃない。でも、言葉を交わす前から、確かめる前から信用しないと決めているわけじゃない。
俺はアイツが打算で言い出したなんて思ってないよ。
信じたって裏切られることもあるけどよ、アンタは、アンタの言う”家族”のことだって、本当は信じてなんかいないんじゃないか?
……まあ、これは俺の勝手な憶測だけどな!」
「それなら、やっぱりノエルやアイザックが手を下す必要なんかねえじゃんかよ!」
[近づいてきたノエルに気づくと、ただ黙る。
2人のやりとり、振りかざされた後に赤く染まったペン先を視線だけで追いかけた]
…すとーっぷ。
なんか取り合いしてるけど、ほんとにやりたい人、いる?
[万年筆を取り上げると、懐にあったハンカチで丁寧にぬぐい去る]
「うーん……ボイスレコーダーで聞き返して、なんとなく。リコッタさんに違和感、ありませんか?」
確証は無い。誰にとも向けずに話す。
「昨日までずっと、争うことも何も拒否しているような言動が殆どでした。初日に占われて疑われることが少なかったのも要因かもしれませんが。
今日になって急にエーリカさんから目を向けられて、こう、牙を剥いたような」
本当になんとなくでしかないが。
その姿が>>3:174>>4:103のように、自分へ疑いが向いていると感じた時にだけ反論していたレイコと重なって見えた。
「こんな確率の低い話をしてもどうしようもないですが。もし仮にレイコさんが憑狼で誰かに乗り移っているとすれば、リコッタさんかと。私は予想します」
>>88 アイザック
彼が万年筆を取り出し、その手へと突き刺す。
ひっ、と小さく悲鳴が漏れ、その手に流れる赤を見ていた。
……手当しなきゃ。
人間として、ごく当然な事を思い、彼の手を取り、鞄から包帯を取り出す。
職業柄、怪我をする事も稀にある為、持っていたのだ。
そして、手当しながら言葉を掛ける。
「いや………嫌、です
貴方の血なんて、私は知りません
私が知っているのはツァデック家のアイザックさんじゃない
私は……アイザックさん、貴方個人に話しかけています
知り合って間もないですから、貴方の事を知っているだなんて、口が裂けても言えません
でも………貴方の優しさを、信じたいんです
貴方が今朝方、頑張ろうと言ってくれた言葉を……誰に何と」
言われようと、と言いかけ、顔を上げようとした時だった。
ベガ君の声(>>95)で遮られる。
「オレの扱いどうした?
ちょっとふて寝が過ぎただけだよ!
エーット、パッと見た感じはアデリーナちゃんがホンモノじゃね?
イケメンくんは知らねーけど、アソコで騙るイミもねーしなー。成果オレだけとか悲しすぎるし。
なんでまた霊能者増えたんよ?」
いまはだだただ私に分かるような嘘を着いたやつは犯人側でなかったとしても憎い。
「私に嘘をついたやつは皆呪ってやりたいわ。亡霊になったいまはそういう事もできそうな気がするの。なんてね。」
ノエルの中で結論は出たようだった。
いざとなれば自分が名乗り出れば良いと思い静かにしていたがその必要は無かったようで。
ふむ、と息をつき、カチャカチャと紅茶の用意を始めた。
「わあお」
気づいたら何か凄いことになっていた
これじゃまるで、自分だけがおかしいかのような空気
そう感じてしまうくらい、取り残されている感覚になるが、自分は何も間違ってないと思うのだ。
人情に厚い人たちが、この空間にはとりわけ多かっただけだ
>>96アウローラ
「やあやあ。話聞いたよ、レイコが乗り憑るタイプの犯人だと思っているのは同意で、言われて見れば確かに似ている。なにより、僕が一番初めに身の潔白を証明した相手だ。乗り憑るには最適だろうね」
紅茶の用意をしているアウローラに声をかけた。
言われてみれば、確かに同じなのだ。自分に向けられていた敵意と、それを他人に向けている時と似ていると感じた。
「僕はあるならエーリカと思ったんだけれど、それはどう思う?」
あまりレイコが乗り憑る犯人と思ってる人が少ない中、同じ意見の人間の見解を聞きたかった。
>>+13 ライ
「やあ、ありがとう。ワインは好きなんだ。そういえば、生前は飲まなかったなあ」
一口ワインに口をつける。死んでからでも味わえるとは不思議な気分だ。この空間だからこそ、なのかな。
「あは、悲劇のヒロイン症候群か。上手いことを言うね。分かりやすい。
泣いたり自傷したり、忙しいことだ。あの三人の中で殺し合いをしないという前提なのもまた、なんとも言えないね。
馴れ合い結構だけれど、小瓶はどう奪い合うんだろう?まさか、こんなものは要らないと割ったりしないよねえ」
所詮他人事と、冷めた目で悲劇のヒロイン症候群罹患者たちを眺める。
置いてけぼりのトッドを横目に、この場についていけていないのが自分一人じゃなかったのだと安堵する。
「綺麗事ばっかりにゃ。どんな優しい言葉を並べようと皆は今日も誰かの死を願わずには居られないんだにゃ。」
嘲笑ぎみに呟く。
いざ小瓶が満ちた時、彼らは何を願うのだろう?
>>102 アイザック
「……………よかった」
小さく、言葉を漏らした。
分かってもらえた、その事が心に安寧をもたらす。
苦笑する彼に合わせて少しむっとした表情を向ける。
「……私、そこまで無茶するように見えますか!?
……なんて、アイザックさんが止めてくれなければ、私はあのまま………ごめんなさい、でも、ありがとうございました」
軽く頭を下げ、謝罪と礼を述べる。
そして、後ろを振り向き、皆へと向き直る。
「皆さん、ごめんなさい……お騒がせしました」
ちらりとベガ君とシュウジさんを見やる。
彼らの言葉がなければ、私も、アイザックさんもあのまま……そう思うと、感謝してもしきれなかった。
皆に謝罪し終えると、足早にレヴィンに近づき、彼の瞳を見つめる。
>>レヴィン
「……私、貴方の言葉や雰囲気には二度と惑わされません
貴方の思惑にも……必ず、皆さんと打ち勝ってみせます」
きっと睨みつけ、短く言葉を告げると離れた。
/*
自身を誹謗する声。
再びその苦しみに、エーリカは苛まれることとなったのだが、飛んで来る質問には、回答を準備していないわけではない。
*/
「【死にたくありませんから】……。死にたくなかったから、隠れていました」
「…………私、はじめ、霊能者が二人だということ、知らなかったんです。
これは、どこかの私の言葉を聞き返していただければ、分かるはずですね。
ですから、ギルバートさんが真っ先に霊能だと名乗り出た時、
死んでしまえ、って思いました。
本物だと思われて、殺されてしまえ、って。
偽物でも、彼が偽物だってこと、【誰も分かりませんよね?】
仲間同士、誰が仲間か分からないんですから。
唯一仲間へ声をかけられる人が、この霊能の力を名乗り出るとは、思いませんでしたから」
「割とすぐ、ギルバートさん本人から間違いを正されて、次の日には、アデリーナさんが名乗り出られましたね。
気持ちは、変わりませんでした。偽物なんて、殺されてしまえ、って……。
……結果、偽物のアデリーナさんだけ、生きているわけですけれど」
/*
ばつが悪そうに、虚空を見つめる。
ギルバートの、死に顔が脳裏に浮かぶ。
何も、言えなくなった。
*/
ふむ、言ったからにはアデリーナが偽物のケースも考えておこう。まず、どこまでが本当なのだろう。あの亡霊に求婚されたことは果たして本当であるのか。
もし、ここから嘘ならば他に、えっとーあのー…なんだ。シメオン陣営はいることになる。それを許してしまうのは、なんとなく、恋多そうな彼女が許すのだろうか、利敵行為のようなことしない気がしている、のでこれは本当だと思おう。
次、偽物ならばエーリカの結果が正しい。
ミトって言う犯人をまず殺せた。あと2人となる。どこにいるかと言うよりも、アデリーナが何なのか。
順当に行けば、人を占って善悪を決められる、盤面を左右しやすいレイコが犯人の名前を知っている狂人で、アデリーナが声を届けられる狂人という線が高い。
「あれ……これ、僕からしてみればどっちが偽物でもおかしくない状況なんだけど」
アデリーナが、犯人の首輪を握っている。10cmもあるヒールを舐めさせ、従属させているならば
仲間である狂人を殺め、完全にアデリーナ中心に館にいる人たちを操るよう仕向けさせることは簡単だろう。
現に、その状態は生み出されているのだから
>>101 レヴィン
「余計なお世話だろうけどよ。
アンタにはその二つしかねえのかよ。全部受け入れるか、全て信じないか。……虚しくなんないのかよ。アンタそれじゃあ、いつまでも一人ぼっちだ」
どうして俺は、この男にこんなことを言っているのだろう。そう思いながら、言葉を止められなかった。
「……え?
いや、そこは別に、普通に見いだせるっつうか、寧ろ殺したら見いだせないっつうか、……え?
俺がおかしいのか? そもそもアンタも、自分の思う通りに動く人形劇みたところで満足出来ないだろうに」
首を傾げる。どうにもこの男の言うことは矛盾だらけだ。
まともに相手をする方がばからしいとも言えるが、元凶が彼ならば、彼を知ることは悪手ではない。今なら、少し冷静に話せる気がした。
「アンタの言う友人ってのがなんなのか、俺にはわかんねえよ」
/*
一番多く飛んで来ていた質問に答えきって、さぁ次は何を考えなければならないのだろう。
誰かが言っていた。アデリーナが偽物なのはエーリカにとっては確実なことだが、それでいてレイコが本物とも、トッドが本物とも、確定はできないのだ。
レイコにとっても、仲間が全員どこにいたか把握していたとは限らない。間違えて仲間に犯人と告げた可能性。その上での、トッドの本物の可能性。ありえる。ありえるが……。
頭が、痛い。
分からない。いくら考えても分からない。自分が考えたところで、許容の範疇を超える事態にエーリカ自身が追いつかない。
それでも、考えないと。いろんなことを気付かないと、喋らないと。
自分の言ったこともできないで、あの日死んだ、犯人でないライさんは−−
*/
「…………っ、ああう」
/*
何か、いる。
*/
「……そうですね。色んな、可能性を考えるんですね。
前回も、そうだった? 前回? なんでしょう、それ。ええ、ふふっ。
聞こえていますよ。耳がいいんです。いらっしゃる? それは、どういう」
>>112 シュウジ
おや、上手く伝わっていなかったのかな。
私は『家族』のことは全て受け入れ、『友人』のことはどうでもいいと思ってるよ。
気に入らないモノと共に生きる理由なんて無いだろう?相性が合えば『家族』になり、合わなくなったら『友人』になる。それのどこが虚しいんだい?
よくある話だろう?農業体験をして、食の大切さを思い知る。あれと同じことさ。他人が働いて、満たされた小瓶を君が手にしたらありがたみが湧かないだろう?その為にも、どれだけの重みがあるかを体験させてあげたくてね。
『友人』は取引出来る関係だよ。言わなかったかい?
「…………」
「そうだね。私もそう思います。
朝の段階で、トッド卿のことを偽物と断定することも、またレイコ夫人を本物と盲信するのも、危うい判断だった。これは素直に自分の非を認めます。
どちらが本物か、まだ決めつけるべき時ではない−−そう思うよ、私は」
「順番に考えていこう。
朝の時に僕が思っていた、順当にレイコ夫人が本物である場合と。
アウローラ嬢が仰られた通り、レイコ夫人が偽物で、なおかつ仲間に殺されたか、取り付く存在だった時。
少し……時間をもらえると、嬉しいです」
「アデリーナさんが求婚を受け入れるか迷って名乗り出なかった、という可能性はあるだろうね。
ただ、現実的な可能性の話をすれば、すぐに切ってしまうより、亡霊くんを掌で転がしておいた方が自分が生き残る可能性が上がると計算できる。
僕なら、『受け入れるかもしれない』と希望を持たせ、アウローラさんのように身代わりになってくれることを期待してズルズル引っ張るかもしれないなあ」
誰にともなく、呟いた。
死にたくない、って縋る時に言っててもおかしくないような気もするし。
……後から「なんでこうしてないの?」って言うのは簡単だけどさ。
ちょっと分からないな。
>>100トッド
「そうですね、エーリカさんは恐らく違うのではないかと私は考えてます。彼女の真偽に関わらず、です。
彼女、最初にこのお屋敷で出会ったその時からどうも二面性のある話し方をされてました。つまり彼女に乗り移るとなれば、ざっくり言ってしまえば二人分のなりすましをしなければいけないということです。
そこを前提として、元より疑われていた彼女にわざわざ取り憑き表に出てくるメリットは非常に薄いです。たとえバレなかったとしても常に投票される危険は付き纏います。
もっと疑われにくく、それでいて真似のしやすい人。例えばーー特徴的な口調とか。
私ならば、そういった方を選びます」
「さて、貴方もいかがですか?」
トッドに一杯の紅茶を差し出した。
それから、レイコが憑狼ってやつでリコッタとかに取り憑いたんじゃないか、っていうのも考えてみたんだけど。
レイコもリコッタもあんまり喋ってなかったしリコッタの喋り方は真似しやすいだろうから、取り憑く相手としては考えやすいのかなって思う。
その場合、狼どうし会話ができないんだったら狂人が初めから指示してたのかな。
「憑狼が狼を名乗りなさい」「今夜は憑狼に襲うのを任せなさい、リコッタに乗り移りなさい」ってさ。
じゃないとタイミング合わせらんないだろうし。
>>117 レヴィン
「………………」
やはりよく分からない。分からないが。
「つまり、家族が何をしようと家族でいる限り、受け入れる。……ってことだよな。その家族の選定には、アンタなりの基準があって、それに合格したやつは家族で、それ以外はどうでもいい、友人」
「……アンタに途中は無いのかよ。全部を受け入れられなくても、一緒にいれるやつ。
気に食わなくて、そりゃ言い争うこともあるけど、そいつから気付かされることもあってさ。いつの間にか大切になってる。時には二度と会えなくなる奴もいるけど」
「それでも、そいつが間違ってると思ったら、俺は言うよ。そいつを思い通りにしたいんじゃない、俺はこう思うって、意思表示するんだ。それが、対等ってことだろ?」
「……アンタの家族は……それこそ赤子に対する扱いみたいだ。アンタは、誰とも対等になれないじゃないか。それは孤独と一緒じゃないか」
それでも虚しくないから、こうして生きているのかもしれない。俺には出来ない生き方であるけれど。
「ああ。……お前、友達がいないんだな」
これ以上はきっと、平行線になるのだろう。
そう思って、一度思考を違う話題に切り替える。
>>レヴィン
「アンタの考え方はわかった。いやでも、そもそも充分わかってるよ。毎日目の前で人が死んでって、疲弊しない訳ないだろ!
ありがたみではねえけど、その小瓶がどれだけ重たいもんかは、もう充分、わかってるだろうよ」
ここにいる全員がこんなにも疲弊して、毎日死の恐怖に喘いでいると言うのに、まだ足りないというのだろうか、この男は。
ただ、でも、たしかに。理から外れた願いを追い求めるというのは、こんなにも恐ろしいことなのだと、教えこまれているようだった。
「話しながら、考えていこう。
まずは順当にレイコさんが本物で、犯人に襲われたケース。
これは十分にありえると思っているんです。というより、ほとんどこのケース以外、普通に考えたら意図的に本物と判明した占い師を殺すことができないのではないでしょうか。
えぇ、【トッドさんが、犯人を犯人でない、と言った時】です。
真贋がついた犯人が、彼女を殺しにかかった−−というのが、一番考えやすいよね。
他には、ミトさんを仲間だと分かっていた伝達者が、彼女を殺すことを命じた、という可能性かな。これは本来、仲間に言葉を伝えることのできる人間が、仲間が誰なのか知らないはずですから、あまり考えてはいないのですけれど、ね。
どうやってか、仲間を知る者が、言葉を発せる者に伝えた……という素振りも、あまり見られなかったからさ」
「でもですね、今日リコッタさんをすぐに念じる必要は無いと思うんです。もし念じてしまって取り憑かれていなかった場合が痛いので。もう少しだけ彼女の様子を見て判断しても良いかな、と。
個人的にはベガさんやアイザックさんが意識から抜け落ちやすいので、と考えてますが。皆さんそれだけの理由ではとても念じられないのではないかな、とも思います。
此処に残った人たちは皆さん……優しい、から」
ただの手順として人を殺すことを良しとする人たちではないだろう。それはアウローラにも理解出来た。
/*
ずき、ずき。
*/
「…………」
「それとこれは、私の主観ですが。
この場にあまり、【レイコさんを本物と思っている方がいない】と感じます。
それでしたら、どちらが本物であれ……この場を惑わすのでしたら、偽物と知っていても、トッドさんを殺すのではないでしょうか。
私は、結果は口ほどにも物を言う、と思っております。
どれだけ信用に差があろうが、狐が死んでしまえば元も子もありませんよね。
ですから、本物だと知っているレイコさんを殺した−−私はこう考えます。
シャルロッテの力を恐れた、という見方もありますけれどもね」
目をぱちくりとさせる。
この人間達は本気でアタシに乗り移ったと思っているのだろうか?
「……とはいえ、アタシは既に占われてるし潔白を証明する手立てがないにゃ。」
ほあーーっと欠伸をしてミルクを舐める。
やたらアタシに狼を擦り付けようとするアウローラをしっかりと焼き付けて。
「……次に、トッドが本物の可能性だね。
これは正直盲点だったかな。つまりレイコが、偽物として名乗り出て、偶然か、【はたまた狙い通り、レイコが味方を売りながら、仲間を支配しているものに殺されるよう命じられた】とか、になるのか。
最後は、そこまで計画的なら綺麗だな、と思っただけさ。別にレイコが味方を売っても、内通者の意図もなく、別の仲間が彼女を本物と錯覚して殺しにかかった、ということはありえるだろう……でしょうからね。
まぁそれでも、今回のネモ卿の力を持つものなら可能なんじゃないかな。
あの時と違って−−人海戦術が効くじゃないか。なぁ」
「…………?」
「憑狼の可能性ですか
体を乗っ取るのであれば、占いで当てても結果がまた変わるようなものですよね
なので占いに頼りきず、ボイスレコーダーで皆さんの声を聞き返しました
話し方の特徴が、昨日と今日で違う人がいないか見極めようと思いまして
私の話した所感というか……感じ方で申し訳ないですが、アイザックさんとは沢山お話していますが、彼に違和感を感じません
シュウジさんも話し方に独特の訛りが……東国の人だからでしょうか?わかりやすいなって思いました
ベガ君も昨日の様子と変わっていないように見受けました
アウローラさんも前に話した時と違和感を感じず、アデリーナさんもそれに当てはまります
エーリカさんは……今日はメイド人格が薄いような?でも、話し方の特徴は同じに聞こえます
トッドさんもボイスレコーダーで何度か声を聞き返してますが、違和感はなし、と
それに、占師なので護衛がついていそうです
確か、トッドさんの方が本物っぽいと仰ってる人、いましたよね
リコッタさんが昨日と比べてどこか違和感があるのですが……上手く言語化出来なくて
私がリコッタさんとほぼ言葉を交わしていないからかもしれませんね」
館の主人にばかり意識が向いていたのは、きっと単に気になったからと言うだけじゃない。
いくら何でも、それくらいは分かっていた。
「……レイコサンを襲ったっていうのがさ、もしもレイコサンが偽物だっていうなら、さあ。……もう狼たちも殺したくねえんじゃないかな、と思うんだが。仲間を襲うのが得策って、ほとんどねえだろ」
「レイコサンが本物と、憑狼って場合は、まだやる気があるって……感じなのかな。
俺には、わかんねえよ。他人を不幸にしてまで、どうしてやるのか。自分だって死にたくないだろ? それなのに、どうして……。
そんなやつがこの中にいるって思いたくなくて、だからレイコサンが偽物で、そんで憑狼じゃなかったらって思っちまうんだよな」
言い出してくれないかな、と思うと同時に、それはなんて残酷なんだろうと思った。
この惨状を終わらせるために、俺はそいつらに死んでくれと言っているようなものなのだから。
「…………」
「……あ、あの。
【難しくないでしょうか……?】
色々考えましたけれど、アデリーナさんも言ってましたよね。
アデリーナさんが狼だったとしたら、ミトは狼ではない、というべきだった、って。
本人から明言がなく、他の人もあまり触れてらっしゃらないから、私も憶測になりますけれど……【何を言っているのか、よく分からなくありませんか?】
例えばですけど、残っている占い師が本物だから、本当なら彼を処刑するために、彼の偽物を謳うべきだ、ということなのでしょうか。
それ、【非常に難しいと思うんです】よ。どうすればそれが可能かって、トッドさんが偽物であることを把握して、
なおかつ仲間がどこにいるかを知っていて、それを仲間に知らせる手段を持っている、でもないと、そんな組織的な殺人と自身の潔癖の証明、できませんよね。
皆さんの素振りを見てますけれど……それだけ互いが互いを分かってる感じ、どうやっても掴み取らないんです。
だから、間違っていらっしゃる。
【間違えてしまったのではありませんか】
連携もなにもありません。
本物の占い師が生きていることを恐れた犯人と、
自分が本物であるとあくまで主張したい偽物の、齟齬がある。
そう、思ってます。
「しかし。猫としての愛くるしさも狼には通じなかったとなると、哀しいものがあるね。こんなに可愛い"猫ちゃん"だというのに、なぁ?」
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新